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Complainerによる学校クレームへの臨床心理学的対応モデル:クレームの第1段階である電話応接を中心として

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Academic year: 2021

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(1)Comp1ainerによる学校クレームヘの臨床心理学的対応モデル    ークレームの第1段階である電話応接を中心として一. 学校教育学専攻 臨床心理学コース. M08075 I. 川 村 雅 史 を行い,そののちクレームとCOmp1ainerにつ. 1 目的  学校クレームの表明者である。omp1amer(一. いてそれぞれ規定した。. 般的にはクレーマーという用語が使用されてい.  クレームとは「対応に不満や不信を感じた者. るが本来はComp1amerである。よって本研究. が,適切に相談する相手がなくまた適切な問題. では以後COmp1ainerと表す。)に対する現在の. の処理方法が削らず,何処がで知り得たか,あ. 研究は,クレーム論,クレーマー論,背景論お. るいは体験しある種の成功感を得た攻撃的方法. よびコンサルテーション論が中心であり,Com−. で相手に苦情を申し立てること」とし,そして. p1amerに対する応接を真正面から捉えた研究. ㏄mp1amerとは,r対応に不満や不信を感じた. はまったくないと言ってもいい程少ないのが現. が適切に相談する相手がなくまた適切な問題の. 状である。. 処理方法が判らないため,何処がで知り得たか,.  そこで,本研究では。omp1amerに対する臨床. あるいは体験しある種の成功感を得た攻撃的方. 心理学的アプローチによる,oomp1aiI1erと応接者. 法で,相手に苦情を申し立てる者」とした。. の心理機制,アセスメント方法,応接態度,応接.  またCOmp1amerに対する企業と教育委員会. 方法などを提起することを目的とした。. 等公的機関における対策マニュアルを分析し,. 2 論文構成. 応接の際の重要要素等を考察した。そこでは,. 序章. 問題と目的. 1章. 。omp1amerと応接者の心理機制. 2章. 対応モデノレ:応接態度とアセスメント. 3章. ケーススタディ. ワードとして抽出された。. 4章. ロールプレイング.  次に2章において,本研究の中心である対応. 「侮辱」「無視」「不安」「不信」がCOmp1amer. の怒りの原因となる要素として抽出される一方, 「敬意」「傾聴」「共感」「誠意」が応接のキ」.  まとめと今後の課題. モデルを作成した。項目としては応接態度,ア.  文献. セスメント,応接方法から構成している。応接. 3 各車の内容. 態度では,r敬意」を重要要素として取りあげ,.  =「敬意的傾聴」によるCo叩1ainer応接=. rクレームを表明した。omp1amerの内的世界.  具体的には,1章においてまず。omp1ainer. を何度せず,そしてクレームの内容には特に段. と応接者の心理機制を考察した。その中では,. 階を付与せず,ともかくもクレームを表明した. 主な研究者のクレームの背景にある要因の比較. ことの勇気,あるいは不安を克服しての精神的. 一86一.

(2) エネルギーの湧出にある種の称賛を贈ること」. 較検討した。前者としては「相槌」「称賛」「真. と規定した。しかし,それは。omp1amerの内. 撃な表情」「低めのしっかりした声」などであ. 的世界のすべて,あるいはパーソナリティのす. り,後者としてはr喋り過ぎ」r保身的な応答」 「微笑み」「その場しのぎ」などである。. べてを絶対的に称えるのではなく,あくまでク レームを表明したことに対する内的世界の一部.  3章では,学校で実際起こったクレームをも. への共鳴行為である。. とにケーススタディを行った。提起したモデル.  ここでは,敬意的傾聴のプロセスも作成し,. 方法によらないケースの具体的考察とその修正. 「敬意の準備の段階」「comp1amerの感情理解」. を2例,そしてモデル方法によるケースも2例. 「波長の体験」「敬意の表明」「コミュニケーシ. 提示した。. ョン」「理解の確認と敬意的傾聴のつながりの.  そしてそのどちらにおいても,アセスメント. 効果」の6段階とした。. チェック表にて確認をし,応接の点検・評価を.  アセスメントでは,G㎎enbe㎎,珊。e&El]io杭. 行い,章の最後において全体的な考察を述べた。. (1993)の先行研究をもとにプロセス診断法を.  結論として,モデル方法による応接は,COm−. 作成した。これは岩壁(2009)によるエモーシ. p1ainerの感情コントロールが可能であり,ま. ョン・フォーカスト・セラピーの分類(G鵬山㎎. た。omp1amerの行動の適正化をも可能とした。. LS,2002)を参考にし,「一次適応感情」「一次.  さらに4章では,口』ルプレインクについて. 不適応感情」r二次感情」r道具感情」などの感. の記述をした。2章で提起したモデル方法を身. 情規定を中心とした12段階の診断方法である。. につけるためにはロールプレイングが最適であ. なおアセスメントの目的としては,①comp㎞er. る。方法もストレートロールプレイングとトレ. の感情コントロールの可能性 ②COmp1ainer. ーニングロールプレイングの2種類を提示した。. の目的 ③対応者の応接者としての適性,につ. 特にトレーニングロールプレイングでは,筆者. いての見立てとした。. が考案した途中中断法によるものと,完結法に.  また応接方法では,応接の目標を①complamer. よるものの2方法を示した。. のアセスメント ②comp1amerの感情コント.  加えて,トレーニングロールプレイングの実. ロール ③COmp1ainerと応接者の両者による. 施例も提示した。. クレームに関する方策の選択,とした。その上. 4 まとめ. で,クライエント中心療法の中心技法である.  Comp1aj11erに対するr敬意的傾聴」による応. r相槌」r内容の反復」「感情の明確化」「非指. 接は,非常に有効であることがわかった。今後. 示的リード」などを応接の基本的技法として示. は,基本要因や援助技法などの具体的手法,お. し,各援助段階における援助目標・援助内容・. よび適切なアセスメントの方法についての研究. 援助技法をまとめ,rcomp1ainer応接における. をさらに進めていきたいと考えている。. 基本要因と援助技法」として提示した。これは 上地(1990)のカウンセリングの基本要因をも 主任指導教員 (岩井圭司). とに作成したものである。. 指導教員 (岩井圭司).  加えて,ここでは怒りに対する技法も取りあ げ,怒りを抑制する要素と増幅させる要素を比 一87一.

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