複合型駅ビルにおける経路空間の温熱環境変化に対する生理・心理反応
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(2) 5. まとめ 温熱環境変化に対する反応を連続的に測定した。 移動による気温のギャップにより不快申告が増える ことを確認し、通り抜け空間の適切な AC の風量等や 空調温度設定は屋外気温によって変わると思われる。 非定常の移動実測の場合、移動温度一軸よりも移動 温度と温度変化率の二軸のほうが不快領域を示す際 適している可能性を見いだした。. 3. 9⽉7⽇. →暑い. 2. (実測時屋外平均気温:30.4℃). 温冷感. 1 0. 寒い←. -1 -2. 0%. -3. ③屋外. ②AC. ~66%. ~100% 屋外. ④駅ビル B. 9⽉11⽇. 2 →暑い. ①駅ビル A. AC. 3. (実測時屋外平均気温:21.9℃). 温冷感. 1 0. 寒い←. -1 -2. 0%. -3. 図3. ~66%. ~100%. 実測日による心理申告変化の違い. 表2. 定点実測結果(1 周目通過時) 9⽉7⽇. ①駅ビル A ②AC. 9 ⽉ 11 ⽇. ③屋外 ④駅ビル B ①駅ビル A ②AC. ③屋外 ④駅ビル B. 気温[℃] 湿度[%] グローブ温度[℃] ⾵速[m/s]. 25.2 68.0 25.5 0.26. 25.1 80.4 24.9 1.57. 30.7 63.2 32.9 1.35. 26.0 65.5 25.8 0.55. 22.3 58.0 22.6 0.22. 18.9 74.0 18.8 0.47. 22.3 67.0 22.2 0.50. 22.7 56.6 22.9 0.45. PMV. 0.81. 0.09. 2.02. 0.75. 0.10. -1.14. -0.26. -0.11. *各データは 1 分間の平均を⽰したものである 100. 男性1 男性2. 不快申告率[%]. 80. ⼥性1 ⼥性2. 60. 40. 20. 0 22. 23. 24. 25 26 27 28 移動温度帯[℃]. 図4 不快2⼈. 0.2. 29. 30. 22. 23. 24. 25 26 27 28 移動温度帯[℃]. 29. 30. 移動温度帯と不快申告率の関係 不快1⼈ 快適1⼈. 快適2⼈. (各2⼈中). 男性. ⼥性. 0.1. 温度変化率[K/s]. 度よりも先に変化しているのは、測定機器の応答速 度が心理反応よりも遅い*2 ためである。 図 3 に各実測日の 1 周目における全被験者の温冷 感申告の 15 秒平均値と、その時間帯の快/不快の割 合を示し、その時の定点実測結果を表 2 に示す。こ こでより暑かった 9/7 に注目すると、屋外は勿論、 空調空間も含めほぼ全行程で不快申告が認められる。 最初の空調空間である①駅ビル A では約 2 分で温冷 感が中立になり不快申告が皆無となる。一方で、同 様に屋外から移動した④駅ビル B では 1 分間の移動 中、温冷感が中立になることはなかった。次に、④ では気温が高い 9/7 の方が 9/11 よりも寒い側の不 快申告が多い。これは、その場の気温の値ではなく、 直前の屋外空間との気温差(9/7:4.7 度、9/11:0.4 度)によるものと考えられる。短時間に極端な温度差 を経験することで不快感を抱くことから、屋外への 通り抜け空間などでは温度差の軽減が求められる。 また、9/11 の様に PMV が負側にあるような肌寒い 日は、温冷感申告がほぼ全行程で寒い側にあり、不 快申告は AC 付近でのみ顕著であった。ここで AC に ついは 9/7 においても不快申告が目立ち、AC のない ④でも十分に「寒い」ことから、AC は不要、もしく は風量等の見直しが必要だと考える。 4. 非定常の温熱環境評価について ここでは、9 月 7 日実施の男女 2 人ずつの被験者 の快適感申告結果に着目する。図 4 に男女別の移動 温度帯と不快申告率の関係を示す。それぞれの割合 は移動温度を 1℃で区分し、各区分データ内の不快 申告数の割合に相当する。女性は男性に比べ、全体 的に不快申告率が低く、特に 28℃以上の高温度側で 顕著である。男性 1 は 25℃で、女性 1,2 は 25~27℃ で最小値をとる凹型となったが、男性 2 は 25~26℃ でも不快申告率が高い。 次に 30 秒間の温度変化率*3 と移動温度の関係を 不快申告者数ごとに示す(図 5)。男性の「快適」は移 動温度:22~26℃、温度変化率:0 付近に集中している。 「不快」は温度変化率が正の領域に集中している。 これは、その時の移動温度に関わらず温度が上昇傾 向の場合には不快に感じることを示している。一方、 女性は温度変化率の正負にかかわらず絶対値が大き い領域に「不快」が集中している。今回は被験者数 が限られていることから、被験者数を増やすことで 精度を上げる必要がある。. 0.0. -0.1. -0.2 y = -0.03 x + 0.71. y = -0.02 x + 0.66. y = -0.02 x + 0.41. y = -0.04 x + 1.12. R² = 0.29. R² = 0.47. R² = 0.24. R² = 0.52. -0.3 22. 24. 26. 28. 移動温度[℃]. 図5. 30. 22. 24. 26. 28. 30. 移動温度[℃]. 温度変化率と不快申告の関係. [ 注釈 ] *1:aTimeLogger2 *2:移動実測に用いた測定機器の応答速度については、10 度 の温度変化に応答するのに 30~60 秒ほど要すことを実験室実験により確認し た。*3:「30 秒間の温度変化率」とは、( 30 秒後の移動温度-心理申告時の移 動温度 ) / 30 秒 で求めたものである。 [ 謝辞 ]実測を行うに当たりご協力いただいた(株)相鉄ビルマネジメントの皆 様に感謝の意を表す。 [ 参考文献 ] 1) 中川政一ら:放射冷房と通風の組み合わせを行っている駅構内の熱環境実測、 日本建築学会大会学術講演梗概集、 PP .555-558、2010 年 2) 遠藤広晴ら:夏季の通勤列車内の温熱環境調査、第 37 回人間-生活環境系シン ポジウム報告集、 PP .187-190、2013 年 3) 豊住朝子ら:都市における生活空間を対象とした移動実測による熱環境調査、 日本建築学会関東支部研究報告集、 PP .205-208、1997 年.
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