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初等教育教員として児童の造形活動を支援するために求められる能力に関する考察(2)

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(1)初等教育教員として児童の造形活動を支援するために求められる能力に関する考察(2). 初田隆* (平成8年12月10日受理) はじめに 初等教育教員を養成するという立場から、標記の能力 について考察する。 前回拙稿(「実技教育研究」第10号)では、標記の能 力の要素や構造、必要とされる水準などを示した。また 初等美術教育が直面している今日的な課題や変化に対応 していくことができる初等教育教員の資質について概括 的に述べた。 しかし、カリキュラムの編成に於いて、これらの能力 要素を網羅的に配列することは現実的には不可能であり 無意味でさえある。端的な能力モデルを示し、諸要素の 関連を整理していく必要がある。そうすることによって カリキュラムの修正や学生の指導に資する事ができると 考える。 そこで今回は、教育的な活動場面で実技力や教育力が どのように機能するのかを調査・分析することによって、 前回示した能力の要素や構造を再検討するとともに、造 形活動を教える(支援する)ということの意味について 考察する。. cmの桂材)、赤・黒のボールペン、シャープペンシル、 消しゴム等を手渡す。テーブルの脇には、電動糸のこ機、 ビデオカメラを設置しておく。 作業に入る前に、この調査の目的と方法について説明 しておく。とりわけ、レベルの高い記述内容や作品を求 めているのではなく、リラックスした状態で臨んでもら いたいこと、作業の過程で感じたり考えたりしたことを ストレートに逐次口頭で報告してもらいたいなどの点を 強調する。 また、調査時間はおよそ1時間程度であり、作品の仕 上げ(研磨や塗装)は省くことなどを告げ、課題の説明 を行う。 課題は次のようである。 小学校高学年の児童に次のような造形課題を与えよう と思います。この課題をよりよく達成させるために必要 と思われる注意事項を思いつくかぎり書き出してくださ い。ただし1行につき1項目とします。また、必要に応 じてアイデアスケッチを行ってもかまいません。 ・ 10×10×1.4cmの桂材で卓上小物を作る. 1調査の目的および方法 通常、授業を行うためには、題材(単元)の目標設定 や内容構成、展開計画の立案を行ったり、児童の活動を 予想し留意事項を整理しておく、作品のモデルを制作す る等の準備が必要となる。教材開発や単元(題材)構成 などと呼ばれる教員の教育活動である。実際の授業がい かに適切に展開されるかはこの活動の質や量に関わって いるといっても過言ではない。 今回の調査では、被験者に題材の構成、モデルの作成 といった活動を行ってもらい、それらの過程で実技力や 教育力がどのように働き、造形的・教育的な諸要素がど う統合されていくのかをみていく。 また、被験者には、教育学部の学生、中堅の図工専門 教員、彫刻家の3名を選んだ。教育経験や造形経験など の異なる3名に、共通した思考のパターンや能力を兄い だすことができるのか、或いはどのような差異性が認め られるのかを考察する。 次に調査の方法について述べる。 被験者には問題用紙と回答用紙、素材(10×10×1.4. ・与えられた板から幾つかの部品を作り、組み合わせる こと. ・動物や植物など意味ある形にまとめること ・板の捨てる部分はできるだけ少なくすること ・使用可能な工具は電動糸のこ機、きり、木工やすり、 サンドペーパー、彫刻刀 続いて、教材見本の作成をお願いします。下の枠内に 部品のデザインをしてください。デザインが決まったら、 制作に入ってください。 なお、デザイン、制作の過程で「注意事項」に修正を 加えてもらっても結構です。. 作業の過程では、沈黙や不明瞭なつぶやきが長く続い た場合に発話を促したり、行為の意味を問うなど適宜質 問やアドバイスを行う。 調査で得られるデーターは、ビデオカメラに収めた活 動の記録(発話や動作、表情)、 「注意事項」の記述、部 品のデザイン図、作品のモデルである。ビデオに収めた 記録は後に書き起こし整理した。. *兵庫教育大学学校教育学部附属実技教育研究指導センタ- (美術教育分野). -23-.

(2) 2調査の結果 被験者A (男)は勤務年数15年の小学校教員であり、 教育学部の美術科を卒業、制作発表は行ってないが、教 育研究校で、図工科の研究主任を努めている。被験者B (女)は兵庫教育大学学校教育学部(学校教育専修)の 4年生で教員採用試験に合格している。小学校教員に強 い憧れを抱いている。美術クラブに所属しているが積極 的に制作活動を行ってはいない。電動糸のこは小学生の. 時に使用したことがある。被験者C (男55才)は木彫を 専門にしている彫刻家である。教育との関わりは特にな く、カルチャーセンター等で木版画の講習を行った経験 がある程度である。 調査にかかった時間はAが94分、 Bが58分、 Cが106 分であった。 それぞれの作品と、部品のデザイン図を下に示す。 書き起こした発話は一文毎の単位に分け、各単位をそ. A 図1、2. B 図3、4. 」. ) I (.し ノ 釧. 1-. ∠ A、 ロ. 蝣 r f蝣 蝣 ノr. :. A. / 二 中. 二 ′. -/. / 、 .メ 一 一.一 F.. -24-. 一 一 L. 一 ・ ) 莱 .. C 図5、6.

(3) 表1. 沈思及び不明瞭なつぶやき等およそ1分間を●で、 3 0秒を・で表記 < >一回答用紙に記入した事項〇一発話の要点( )一主な行為、発話の補足 ・男性/教育学部美術科卒業/勤務年数1 5年/学級担任/研究教科図工科 ・調査日1996年11月12日・時間午前9時5分∼10時39分(1時間34分) ・場所兵庫教育大学附属小学校図工室 時. 間. 2 ′3 0 " ●● . 5 ′ ^^B^^B^^k * 9 ′ 1 0 ′3 0 ●● 1 2 ′3 0 ●● . 1 5 ′ ●● . 1 8 ′. 2 2 S 3. 記述 、主 な行為、発話の要点 注意事項の記述 ( 3 0 分) < 板 の縦 目と横 目の違 い> ○課題 の復 唱 等 < 電動 糸のこの刃の向き、付け方、押さえ> ○課題 の復 唱 等 ○ 用途 の有 無について ○ 学年 につ いて. ○ 教材化 について 自問 自答 ○ 不明瞭な つぶやき、課題の復唱等 < 自分 の勉 強机の上 に置きたい卓上飾 り 用 途 を付加 する> < 用途優先 にな って機能 を追求するので はな く、 動 物、植物 な どを発想源 とする> < い くつかの部 品を組み合わせて、立つ ことを条 件 とする> 0 ′ ○児童の造 形経験、制作時 間につ いて < 制作 時間> ●●●● ・・・ ・ ○書いたものの読み返 し、つぶや き くまずは作 りたいものをイメ- ジさせ形を決 める〉 9 ′ O ノ 部 品のデザイン (8 分) ○板の厚 さについて ○構造 について 1 ′3 0 - < 土台 とな る部位をど うす るのかe 土台 とその上 の形のイメ ージ> < 板材 を無駄な く使用するためにどう切 り出すか. 3 5 ′. 3 8 ′ 4 0 ′ 5 7 ′ 7 9 ′ ●●. ●●● ●. 9 0 ′. 操作 内容. 操作 目的. 素材特性 課題 道具操作 左葉題 用途 (機能) 学年発達. 造形要素の分析 課題解釈 造形要素の分析 課題解釈 課題解釈 児童の実態分析. 課題. 課題解釈. 機能/ 課題 (名). 題材名の決定. 発喝/ デザ イン. 題材の具体化. 構造 児童 の造形経験 制作 時間. 児童の実態分析 授業展開の仮設. 発 想/ デザ イン. 授業展開の仮設. 素材 条件 構造 構造/ デザ イン. 題材の具体化. 構想/ デザ イン. 指導 の具体化. 、さまざまな方向か らみて考える> 〇 日分の作品のアイデ アにつ いて (クリスマス ツ リー) < や りなが らアイデ アス ケ ッチを修正 し、よ りよ 構想/ デザ イン い ものを 目指す> ○ 電の この特性 について 道具の特 性 < 曲線 、 くり貫 くといった糸のこの特性 に触れ ら れる条件 を入れる> けがき (2 分) 制作 (3 9 分) 大きな 部品か ら細かな 部品へ と切 り進む 穴 をあける等の部品加工 発想/ デザイ ン < で てきた細かい部品 も利用法を考える> 〇 日分 の制 作の甘 さについて (切 り口の歪み等) 自己評価 . 反省するつぶやきが めだつ 記述の付加 1 1 分) < イメー ジのわかない子には写真な ど資料を提示 発想 す る> < デ フォル メ して簡単な形態 にして作業 しや すい デザ イ ン/ 構造/ ものにす る> 作業. 指導 の具 体化 題材 の具体化. 題材の具 体化. 指導の具 体化 指導の具 体化. < 組み合わ せる部分は板 の厚みを考慮 して切るー 素材条件/ デザイ 指導の具体化 つまず きのあろ場合> ン/ 構造 < 横 目は欠損 しやすいので板材 にアイデアス ケ ツ 素材特性/ デザイ 指導の具 体化 チ を写 し取 る とき板材 の向きに注 意する> ン. -25-.

(4) 表2 B -. 女性/ 学校 教育学部 4 回生/ 教員採用試験合格 (小学校) . 調査 日 1 9 9 6 年 1 1 月 7 日 . 時間午前 1 0 時 2 9 分∼ 1 1 時 2 7 分 ( 5 8 分) . 場所 兵庫教育大学初 田研究室. 時 間. 3 ′. 6 ′ 7 ′3 0 〝. 9 ′. 1 1 ′ ●● . 1 5 ′ 1 6 ′. 操作内容. 記述、主な行為、発話の要点 注意事項の記述 1 6 分) < 糸の こを使 うとき にけが、事故を しな いように する> 〇 日分が授業 をする とした らもっとも大切 (○具体的 にどうした らい いのかわか らな い) < 木を切る前 に木 に下書き をする> ○木 目の方向 につ いて (記憶はあいまい) < 板の木 目の方向 に気をつ ける> ○端か ら切る ○部品の数や大きさ、切 る順序などについて < 部品は小 さすぎな いようにする> < 部品は大き いものか ら切 っていく> ○立たせ るということにつ いて < 小物を立たせるため に、頭で っか ちにな らない よ うに考える> ○板が足 りな くな ったときの ことについて < 板が足 りな くな った ら余 っている友達 の分をも らう> ○作業中軍手をはめるべきか どうか ○加工の順番や、小 さいものの加工 について < 加工す るとき には彫刻刀 を使 う> < 順番を いってお く> ○部品 をどのよ うにして イメージさせるか < いきな り部 品を作 るので はな く、紙で立体を作 ってそれ を展開 して、それ を見なか ら板 に描 く> ○糸の この使用 について 部 品のデザイ ン ( 1 5 分) ○何 を作 るのか について ○組み合 わせ方 について < 木工ボ ン ド> (用具欄 に付加) ○何 を作 るのか について (用途 も含めて). ○作例の レベル について ○泉 を作 る場合 について考 える 2 1 ′ の 、 の 可 について ○ ヨ ッ トを作 る場合 について考える ○単純な形 の組合せで作 る場 合につ いて考え る 2 3 ノ (タングラムのよ うに) ○スケ ッチの仕方 につ いて 自問 自答 ○ ヨッ トのスケッチをする ○ 糸のこを使 う場合 に単純な曲線か ら切 って いく と糸 の この操作 に子供が慣れて いく < 大 きい曲線> を< 単純な曲線> に修正す る 2 7 ′ ●●●● ○課題 条件の復唱、つぶやき ○ これ くらい単純な線だ と自分 にも切れるだ ろう 3 1 ′ けが き ( 3 分) 3 4 N 制作 ( 1 3 分) ○ 糸の この操作 につ いて ○ うま く切れない ことにつ いて 4 7′ 記述事項の修正 ( 1 1 分) ○ スケ ッチが大事 ○糸の この使用につ いて < 糸の こを使 うときはよそ見 を しな い、話を しな い>. -26-. 操作 目的. 道具操作 / 安全. 指導の具体化. 作業手順 素材特性. 授業展開 の仮設 造形要 素の分析 (指導の具体化). 作業手順 デザイ ン/ 安全 作業手順/ 安全 構造/ デザイ ン. 題材 の具 体化 (指導の具体化) 指導 の具 体化 題材 の具 体化 (指導の具体化). 素材条件. 指導 の具体化 (題材の具体化). 道具操作/ 安全 作業手順 . 方法 発 想/ デザイ ン (雛型の作成). 書 旨導 の具体化 造形要素の分 析 (指導の具体化) 指導の具体化 題材 の具体化 (指導の具体化). 道具操作. 造形要素の分析. 構 想/ デザ イン 構造. 課題解釈 課題解釈. 構 想/ デザ イ ン 用途 児 童の 実態 構 想/ 構造. 題材の具体化. 構想/ デザ イ ン 構想/ 構造. 才 旨導の具体化 題材の具体化 〟 〟 〟. 構想 作業手順/ 道具操 作/ 児童の実態. 指導 の具体化 題材 の具 体化. 道具操作. 造形要素の分析. 構想 道具操作. 題材の具 体化 指導の具体化.

(5) C -. 時. 男性/ 5 5 才/ 膨刻泉/ 大学で 「 美術」や 「 教育」についての学習経験無/ カルチャーセン タ一等で木版画の指導経験有 .調査日 1 9 9 6 年 1 1 月4 日 . 時間 年前 1 0 時 5 4 分∼ ー2 時 4 0 分( 1 時間4 6 分) .場所 兵庫教育大学初田研究室 間. 4 ′ ●● . 8 ′ ●●●. 1 3 ′ 1 5 ′. 2 2 ′. 2 5 ′. 2 6 ノ. 3 5 ′. 3 9 ′. 記述、主な行為、発話の要点. 操作内容. 操作目的. 注意事項の記述 (3 5 分) ○卓上小物の構造や用途などについて 課題/ 構造/ 用途 課題解釈 ○下絵の写し方、テーマ、道具などについて 道具操作/ 手順 課題解釈\造形 ○組み合わせ方 ( 6 年生と仮定 して) について 構造/ 学年発達 要素の分析 ○板のロスが少ないデザインについて (本立て、 構造/ デザイン/ 題材の具体化 ジグソー) 構想 ( I アイデアスケッチをはじめる - ) ○課題の解釈や、発想の手順について自問自答 放題/ 発想 罷題解釈/ 題材 の具体化 ○棒状に板を切って積み上げる構造 構造 〟 ○鳥を作る場合 ー いかにうまく図面を描 くか デザイン/ 構想 〟 組合せには を うか 〟 ○や じるベえを作る場合について考える/ 地の嘉 デザイン/ 素材/ 〟/ 造形要素 材の使用可能性について/ 台と杜 と本体 構連/ 構想 の分析 ○子供にできるかどうか考える 児童の実態分析 児童の実態 ○ (や じるベえのスケッチをする○画面を4 等分 デザイン/ 構想 し、台、柱、本体ととっていく) 残った部分で 羽やくちばしをどう作るか思案する ○子供はどのように考えるか想像する/ チ- マ、 児童の実態/ 作業 児童の実態分析 図面の重要性/ 絵を描いて切リぬいただけにな 手順 / 題材の具体化 ると危供する ○まず、卓上小物について考えておく必要がある 課題/ 機能 (用途) 授業展開の仮設 と結論する / 構造 < 卓上小物にはどんなものがあるか> 〟 < イメージのわいたものをデザインする> 発想 指導の具体化 < 1 0 セ ンチ角の中にロスなく納まる にする デザイン 〟 < 出来上がったときのことをイメージする> 発想 〟 < 図面を作るときにはできるだけ正 し< 描 く事> デザイン 〟 < 立体作品にするときはバランスを考えておくこ デザイン/ 構造 〟 と> < 自分ができる作業範囲のこと、電のこで小さい 道具操作/ デザイ 〟 カープ又は丸ができないと思えることはさける ン/ 作業範囲 こと> < デザイン (部品の国) をしっかりと描 く事> デザイン 〟 < 別の用紙にアイデアスケッチをたくさん描 くe 発想 〟 その中からよいと思うものを選んで型紙に描く〉 部品のデザイン ( 1 5 分) < 立体作品を作るときには板の厚みを考えておく デザイン/ 素材集 〟 こと> 件 < 小さく部分カッ トの作品の喝は、部分にナンバ 作業効率 〟 ーを付けておく> ○コンパスの使用について (中心の見付け方) 道具/ 児童の実態 〟/ 児童の実 ○すべての部品を予め決定 しておくべきか、作業 作業手順/ デザイ 態分析 しなが らデザインをしていくべきか迷 う ン 構造/ 接合 ○組合せ (接合) の方法について 題材の具体化. -27-.

(6) 台 木. こで扱われている具体的な操作内容(主に造形要素)と 思考操作の目的(題材構成の過程)から分析した。例え ば、 「卓上小物を作るということは、組み合わせるもの か、こうして立てる(こぼで)のか・ ・飾るのか遊ぶの か二通り考えられる」 (C)という発話では、直接的に は卓上小物の構造や機能(用途)が想起されているが、 そのことによって課題の解釈を行っていると見倣す事が できる。よって、 <操作内容>は「構造」と「機能」で あり、 <操作目的>は「課題解釈」である。また、 「せっ かく糸のこを使うのだから、思いっきり曲線を使いましょ う」 (A)という発話では、道具の特性とそれに応じた デザインを問題にしているが、このことは同時にこの題 材を具体化していく上での中心的な要件に触れているも のと考えられる。 <操作内容>は「道具特性」と「デザ. イン」、く操作目的>は「題材の具体化」とする。 「注意事項の記述」も、同様の分析を試みた。例えば 「小物を立たせるため、頭でっかちにならないようにす る」 (B)では、小物の構造を問題にしているが、指導 場面を想定しているので「構造」と「指導の具体化」と する。 このようにして、発話単位と記述内容を分析し、一覧 表にまとめたものが表1-3である。発話についてはそ の内容によっては数単位をまとめて要約した。 表4は、 <操作内容>とく操作目的>の諸要素が、ど のような順で出現したかを一覧できるようにしたもので ある。縦軸に時間の経過をとり、横軸に要素を示した。 被験者A∼Bの記述や発話を●、 〇、 ◎の記号で表して いる。. -28-.

(7) 操作目的. 邑芸∃昭∃五百臣当. & ISI. 課題. 素材 離.耕. 用途 構造 (社能). a s. 構想 ア 一ザイ 作業 鮮 児 童 の 実 生 達 法 .軸 幹発 ン 報.方. ◎ ◎ 05 ㊨ ● ◎ ○ ○◎ ◎ ◎ 10 ● ● ㊨ ㊨ ◎ ● ○ ◎ ㊨ ○ 15 ● ● ○ ○◎ ○ ● ● ○ 20 ○ ○ 〇 ◎ ㊨ ○◎ 〇〇 ○ ◎ :..∴25 〇 ● ◎ ㊨ ◎ 30 ● ● ㊨ ● ○ ● 35 ㊨ ● ● ◎ 40 ㊨ 00. ●. ◎ ● ○. 通日 操荏. 45 ∴50… ◎. 55. ○ ◎ ◎ ● ○ ●. ㊨ ◎. ○ ○ ㊨. ○. 60. ○. ○ ◎ ㊨ ○ ○ ○ ● ㊨ ○ ◎ ● ◎ ○ ◎ ●○ ○ ● ◎ ◎◎ ◎ ●●◎ ● ◎ ◎ ◎ ◎ ㊨ ◎ ◎ ㊨ ◎ ◎ ○○ ● ㊨ o ゥ ○◎ ●○. ◎. 65…. ◎. 70… ●. ● ●. 80. 90. 70. ◎. 75. 85. ○ ○. ●. ●○○. l時間配分I - lllllllllllll.-l. - ...................... 安全 造形要素 児童の 旨 導の 課題 題材の 題材名 授業展開 書 実態分析 具体化 の決定 の仮設 具体化 m m A B C 解釈 の分析 〇 ○ ㊨ oo: ○ (0) 30 16 35 ● ◎ ●○◎ 〇 ● ● ○◎ (0) 05 〇〇 a ○ ● ◎ ○◎ ● 10 m ㊨ (0)〇〇 ○ ● ォ ○(0) 〇(0X 0 ● 15 」 ○ ○ ㊨ ○ ㊨ ○ ㊨ ●○◎ <r> 20 =記 15 ● ◎ ○◎ ● 畢ニ ‥ 鮎 〇〇 ◎ ○◎◎ 25 デ ザ ◎ 〇 ◎◎ イ ン 〇 串 や lL H ㊨ ● ● ◎ ○ 蘇 ● ◎◎ 3 ◎◎ ㊨ ● 中H 13 15 ㊨ 45 ○ 39 ◎ ㊨ ○ ○ ㊨ ○ ○ 50 刺 ㊨ 作… 11… 軽 〇 ● 〇 ○ 〇 60 50 65. ●. ●. ●. ●. ●. 75 ● ● ●. ll :畔{ 0 描+. * .i 85. ●. 車… 95. 95吉 … 100… ㊨. ◎. ㊨ ◎. ◎. ㊨ ㊨. =十. ◎◎. A-< B-O C-㊨. 00.

(8) 3考察 次のような視点をもって考察にあたる。 ・題材構成における思考過程とはどのようなものか ・制作経験や教育経験がどう関与するのか ・題材構成の過程で被験者の考えが深まったりまとまっ たりするときの要件とは何か ・題材構成の過程において実技力と教育力がどのよう に機能するのか 3 - 1題材構成における思考過程 被験者の発話や記述に表れた造形的・教育的諸要素の 内、 <操作目的>を示すものは7種類の項目に集約する ことができた。これらを指導案の記述や教材(題材)開 発の手順などに見られる一般的な思考過程に即して構造 化してみると下のようである。. 例えば、 Bの45分過ぎ、 5分間程度の様子である。ア イデアスケッチを行っている場面である。 「電のこで曲 線を作るのはむつかしいから-でも、これを使えるよう になったら直線を切るのも手でやるより上手になる。一 略-ええっと動物や植物でないと駄目なの?ロボットと か?顔ぐらいは直線で-・でも組み合わせるのは木工ボン ド?それ以外はできないな。 (木工ボンドを材料に書き 加える)置物-写真立てみたいな一略-ロボットはやめ にして-でもあんまりこったものを作ったら真似しそう。 単純なのか、子供が真似できないような高度なものを例 題に出す方がいいかな?一略-これ以外の材料を使った ら駄目なの?」 操作対象は、道具操作一発想一接合(構造)一機能 (用途)一児童の実態一素材条件といったように目まぐ るしく変化していく。操作目的は、造形要素の分析一題 材の解釈一題材の具体化-指導の具体化と続く。アイデ アスケッチに入るまでにある程度押さえておくべき事柄 が一挙に脳裏を去来しているように見える。これは、糸 のこの操作範囲や素材の加工可能性、児童の実態などが 具体的に把握されていないためにどのような卓上小物が 制作可能なのかというビジョンが見えていない状態であ るといえる。 とはいえBは、板を切る順序や部品の形状など、授業 を行うにあたって欠かせない留意事項をあげている。ま. た、 「最初にいきなり部品を考えるのはむつかしいなどんなものを作りたいか考えて、それをいったん頭のな かでばらして、それを部品として描くんでしょ一略-い. 造形要素の分析や児童の実態把握を行い題材のイメー ジを膨らませていく段階から、題材の具体化、授業(描 導)の具体化へと進む道筋は概ね本調査の結果からも妥 当であると思われる。 とりわけ被験者Aは、上の図式とほぼ同様の思考過程. きなり部品を作るのではなく、紙で立体を作って-・それ を展開、ばらしちゃってそれを見ながら板に描く」とい うように雛型を作るという指導法を発見したりもしてい るのである(AやBは挙げていない)。板を切る順序や 部品の形状などBの記述自体は見当はずれであるが造形 経験や教育経験の量からするとやむを得ず、むしろ着眼 点の良さを評価するべきであろう。このような発想が何 故可能であったのかを考察するにはこのデーターだけで. を踏まえていた。また、 「題材名の決定」を行っていた のはAのみであったが、このことは、教員の特徴的な思 考過程であるといえる。 Aが題材名を決定するまでに15 分が経過しており、沈黙や不明瞭なつぶやきが続いてい たのだが、これを機に機能や用途、構造、発想などの要. は十分ではないが、 「自分が授業をするときに」 「わたし でも作れる」などと、自己を参入させながら思考してい るという点、素朴な疑問を積み重ねながら推論していく という点などが挙げられよう。 題材の構成を行うにあたっては、造形経験や教育経験. 素が題材に即して発話・記述されはじめる。題材名の決 定に際しては、対象となる児童像が想定されておらねば ならず、題材の特質が学習のレベルに岨噂されている必. が豊かであることが望ましいが、それらを直面している 課題とどう結びつけていくのかといった個々人の方略の 方がむしろ重要であろう。 そういう意味では、 Cの思考過程には作家としての特. 要がある。 Aがこれを転機に題材の具体化を急展開させ たことは明らかであり、 15分間の試行錯誤が題材名の決 定に向かってなされていたことも推察できる。 一方、Aと比べるとB、Cは思考の流れが一貫しておら ず、思考の対象や目的がすり変わっていくことが多い。. 質が読み取れ興味深い。 Cについても、操作の対象や目 的が逐次変転していき、一貫した思考の流れが見えにく い。しかしむしろ、多角的な角度から検討していこうと する積極的な姿勢であると受けとめられる。また、 5分. -30-.

(9) ほど経過した時点からアイデアスケッチをしきりと行い ながら制作物のイメージを追いはじめており、題材とし. 押さえ」 (5分経過)と記述するが、その前後は課題の 復唱や不明瞭なつぶやきが続いている。 3番目の記述が. てのまとまりをどのようにして持たせるかといったこと よりも、課題に即した作品をいかにして作るかというこ とに意識を集中させている。 図6の部品図もラフスケッチの段階で止めており、制 作を行いながら形を整えていこうとしているが、小学校. 「自分の勉強机の上に置きたい卓上飾り-用途を付加す る」 (15分経過)であり、これはいわば題材名である。 先にも述べたように、 Aは題材名の決定後、記述や発話 に弾みがついていく。 1、 2番目の記述は想起された造 形要素をそのままの形でメモのように書き表したもので. の工作工芸の学習では、下絵をしっかりと作り計画的に 作業を進めるという方法がとられることが多い。特に木 材加工はやり直しがきかず、板の厚みなど重々考えた上 で作業に入らないと失敗することもある。ラフスケッチ を基に制作できるのは、制作経験の豊富な大人に限られ ている。 また、児童の実態に触れる発話が目立つが見当違いで. あるが、 3番目の記述(題材名)では、 「自分の勉強机」 という児童の生活に即した発想の基軸が設定され、その 上に「置きたい卓上飾り」としてイメージの方向性が示 されている。その後の記述は「用途優先となって機能を 追求するのではなく、動物、植物などを発想源とする」、 「まずは作りたいものをイメージさせ、形を決める」と 続くが、学習者が意識され、課題解決の方向性が示され. ある場合も多い。 「こうしてしっかりと描かなあかんここまで考えるか、子供は-ここにチューリップを描く くらいか-」などと児童の能力を固定的に捉えており、 どう高めていくのかといった教育的な視点は見受けられ ない。. たものになっていくのである。 Bは一貫して児童を意識している。ただし、さほど分 析的ではなく、 「子どもに、何これといわれそう」など といったように児童を身近な存在として語りかけるよう な発話が目立つ。しかし児童を軸に思索が深化していく. 良き表現者は良き教師である、または、美術教師は自 ら表現者でなければならないなどとよく言われるが、造 形的な知識や技術、経験も、教育についての知識や経験 と結びついてこそ、本稿で問題にしている能力の全体像 に接近するのであって、表現者と教育者という二つの側 面には必ずしも双方向性はないということが言える。. 様子は読み取れる。 2番目の記述は「木を切る前に木に 下がきをする」 (1分経過)という極当たり前の内容で あったが、時間の経過とともにどのようにしたら下がき の作業がうまくいくのかという視点が形成されていく。 11分過ぎには、 「先に、やる前に、順番をいっておく言っておくだけでわかるんかなO黄初に・・・いきなり部品. とは言うものの、 Cの発話や記述のなかには、制作の 実際に即した事項が多数挙げられており、実技指導を行 う上での示唆に富んでいる。また、制作を通して身につ けた所作なども重要である。木工ボンドで接着するとい う行為一つをとってみても、必ず事前に板の接着面を丹 念に拭い攻をとっているのだが、本人はそのことを意識 してはいないというのである。更に彫刻刀を持つ手つき. を考えるのはむつかしいな」ということに気付き、前項 でも取り上げた「紙で立体を作ってそれを展開してそれ を見ながら板に描く」という方法を思いつくのである。 ここでは、 「言っておくだけでわかるんかな」という児 童を意識した素朴な疑問から、課題を自分に置き換えて. や力の入れ加減なども見ていて感心させられた。職人や 作家が教育者であるとするならば、このようなコツやカ ンなどといった個人的に極められたものの偶発的な伝達 に意味があるように思われる。職人や作家の業の伝習に ついては機会を改め考察してみたい。 3-2題材構成を進めるための要件 前項で見たように、被験者は最初の段階では造形要素 や児童の実態などの分析を行ったり、課題の意味を解釈 したりと、まとまりのない思索が続く。そして次第に題 材の具体化が図られ、実際の指導場面が想定されてくる のである。では、考えがまとまってきたり、深まったり してくるときの被験者ゐ発話や記述、行為などから、そ れまでとは違った特徴を読み取ることができるのだろう か。 Aの最初の記述は「板の横目と縦目の違い」 (2分30 秒経過)である。次に「電動糸のこの刃の向き、付け方、. 分析してみるという思考操作が行われているといえる。 Cは5分過ぎからアイデアスケッチを行い、題材の構 成を進めていたが、作業を通すことによって新たに気付 いたり理解が進むという事は3者共に共通している。 Aはアイデアスケッチを行っているときに「まずは立 たなくてはならないから-まずは土台かな」とつぶやい て直ぐ様「土台となる部位をどうするのか。土台とその 上の形のイメージ」と記述していたり、自分のアイデア が漠然とした木のイメージから「クリスマスツリー」に 決まったときには「やりながらアイデアスケッチを修正 し、よりよいものをめざす」と記述したりしている。 実際に作業を行いながら考えるということは、内的な 作業過程を対象化するということであり、題材のなかに 自己を参入させるということである。同時に児童の作業 過程をシュミレートするということでもある。 題材の構成を行う上で重要なことは、題材名を設定す る、アイデアスケッチを行う、作品モデルを作るなどの 活動において、学習者の立場に立って題材を体験しその. -31-.

(10) そこで、次の3つの能力を想定した。. 体験の内的過程を対象化しながら題材のイメージ化を図 るということである。. 3-3造形学習を支援するための能力の構造 主に調査の後半になって表れる発話や記述の特徴は、 造形要素の関連性が明確になっているという点である。 「デフォルメして簡単な形態にして作業しやすいよう にする」 (A)、 「10センチ角に限られているからできる だけ簡単な図柄がいいと思う」 (C)などは、素材や道 具の条件、作業性などから小物のデザイン(図柄)が規 定されるということ、別言すると、素材や道具とデザイ ンとの関連性が問題にされているといえる。 「板材を無駄なく使用するためにとう切り出すか、さ. ①造形要素や、造形媒介(道具、素材)、表現技法や 表現方法などについての知識や、それらを実際に操作 していく能力 (参児童の実態(造形性、造形的な発達段階、造形への 意欲や関心等)を把握する能力 ③児童の実態に即して造形要素を分析し、題材を設定 ・展開していく能力 また、 ①を実技力、 ②③を教育実践力と仮称する。. まざまな方向からみて考える」 (A)や「やっぱり、頭 のなかで考えたら、一つの方向しか見えてない-これは 向きをかえれば・・・」 (B)などでは、共に発想法の具体 が語られているが、所与の課題条件と、素材条件をどの ようにデザインに結びつけていくかが問題にされている。 また、 「組合せの部分は板の厚みを考慮して切る」 (A)、 「立体作品を作るときには、板の厚みを考えておくこと」 (C)なども、素材条件が図面を措くときやデザインを 決めるとき、作業をするときなどに関連してくるという ことが問題にされている。. 活動. それに比して前半の記述では「電のこを使うときにけ が、事故をしないようにする」 (B)、 「卓上小物にはど. 教育実践力. んなものがあるか」 (C)などと、一つの要素のみにつ いて語られていることが多く、従って課題解決の手立て が示されていないのである。 Aは最初の記述に「板の横目と縦目の違い」と記した が最後の記述では「横目は欠損しやすいので板材にアイ デアスケッチを写し取るとき板材の向きに注意する」と している。題材構成が進むにつれて記述内容が複雑にな り造形要素間の関連が明確になってくることがわかる。 題材構成をするということは所与の課題条件と学習者 の条件に応じて、様々な造形要素、学習要素を取捨選択. 本考察からも、上の能力構造がほぼ妥当なものである と判断できる。とりわけ実技力と教育実践力は切り離し て捉えるのではなく、むしろ、実際の教育的な活動場面 では、それらが統合されていくことがわかった。 また、自己の造形活動(経験)を対象化し、そこで生 起する問題や対応の方略などを、児童の立場に置き換え て考えることによって、造形要素や課題条件、学習者の 条件などの関連性が明確になっていき、題材についての 理解が深化していくということがわかった。. しながらよりまとまった構造に組み上げる活動であると いえる。 さて、前回の拙稿において示した能力の構造に立ち返っ てみよう。児童の造形活動が成立するためには、造形課. おわりに. 題と造形主体の条件が即応しており、各条件に応じた造 形要素が選択されることが必要である。 児童の造形活動を支援(指導)するということは、児 童の実態を把握し、課題の条件を児童の実態に即して立 てていくこと、課題条件を満たすのに相応しい造形要素. また、上に示した能力構造は、学校教育における児童 の造形活動モデルを基にしたものであるが、学校教育の 在り方自体に疑問が呈されているという現状も踏まえ、 これとは異なる学習モデルを想定する可能性も模索しな がら、造形活動を支援するということの意味を改めて問 うていきたいとも考えている。. の選択を示唆したり、児童が課題を受容しやすいように 既習の造形要素を対象化させたり、イメージを喚起した りすることである。つまり、図8の3円の重なった部分 をいかに広げていくかということが、教員の能力として 求められてくるのである。. 今回の調査では、題材の構成過程から能力をみてきた わけだが、実際の指導(支援)場面や評価活動などにお いても同様の調査を行う必要性を感じている。. -32-.

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