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攻防相乱型シュートゲームにおける「状況判断遂行能力」の評価法開発とその育成について

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Academic year: 2021

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(1)攻防相乱型シュートゲームにおける「状況判断遂行能力」の評価法の開発とその育成について 専  攻. I.目的  体育科は,「的確な判断に基づく行動力」を育成す. 教科領域教育学. コ 一 ス. 生活健康総合内容系. 学籍番号 氏  名. M I 0 2 3 2 I 申  島  友  樹.            ゲーム人数:4人対4人.  そこで,本研究では,体育授業における素材の中.            ルール1通常のバスケットボール            のルールに以下の2点を追加。            ①ポストマンはフロントコードの2            点エリア内でのみブレーし,速            政に備える。シュートを打てば次            のプレーヤーと交代する。            ②サイドゾーンにはディフェンス            は入ることはできない。オフェン. でも高い判断力が必要とされる,攻防相乱型シュート.            スはその使用に何ら制限はな. ゲームであるバスケットボールを対象に,判断力の評.            い。. 価法を開発するとともに,その育成を企図した授業を 行い,有効性を検証した二.            攻撃戦術の遂行には一切の支            障はない。 図1.P&Sバスケットのコート条件とルール. I.方法.  ボール保持者・サポートの役割と,攻撃的戦術行 動のセオリーを観点に,それぞれの役割における評. る教科である。しかし,判断力の評価や教授について は,その評価法が確立されていないこともあり等閑視 されてきた傾向がある。.             ※エリアの制限は設けているが,. 1.状況判断能力の評価における先行研究. 価基準を設定した。.  ボールゲームにおける状況判断能力についての.  小学6年生ユ04名に「P&Sバスケット」を行わせ,. 考察がなされ始めた1980年代から2010年までに発. 「状況判断遂行能力得点」を算出した。また,上記ゲ. 表された論文を,体育学研究,スポーツ教育学研究,. ーム中の状況判断力を3名のボールゲーム指導熟練. 日本体育学会で発表されたもの,ならびに論文検索. 者によって,主観的に10段階で評価した。これら2つ. サイトCiniiから,「状況判断」をキーワードとして掲げ. の評価法の関係から,作成した評価法の妥当性を検. ているものから収集した。これらの論文を評価法の観. 証した。. 点から検討し,判断力に係わる研究の現状を整理し. 3.状況判断遂行能力の育成. た。. (1)対象. 2.状況判断遂行能力の評価法開発. 小学6年生ユ04名を対象にrP&Sバスケット」を用. A.状況判断場面の類型化・序列化. いた学習を行うPS群:2学級と,通常のバスケットボ. (1)対象. ールを用いた学習を行うBB群:1学級を設定し,全1.  小学6年生64名を,8の字ドリブルとピボットターン. 0時間の授業を行った。. シュートからなる技能テストの結果に基づき5段階に. (2)学習成果の把握. 分け,同一レベル間のチームで通常のゲームを行わ.  学習成果の把握は以下の観点から行った。. せた。また,中学生12名をレベル6,高校生7名をレ. a)状況判断能力:「状況判断遂行能力得点」を,2、. ベル7に位置づけ,通常のゲームを行わせた。.  で開発した方法を用いて算出した。. (2)ゲーム様相の記録と分析. b)技能的側面.  ゲ]ム様相をVTRに収録し,判断力が必要とされ るシュ』ト直前における人とボ。一ルの動きを分析・整. 理し,上記のレベルも加味して無限にある状況判断. i.個人的技能:8の字ドリブル得点とピボットターン  シュート得点の測定を単元前後に実施した。. i.集団的技能:1・10時間目のゲームをVTRに収. 場面を類型化・序列化し,有限化を試みた。.  録し,攻撃完了率・ズレ創出パス率・最重要空間シ. B.評価ゲームの作成.  ユート率等の観点からゲーム様相を分析した。.  小学生が実行でき,かつ,味方との一致した判断. C)認識的側面:戦術に対する認識度を測る戦術行動. が必要とされるプレーパターンの頻出を企図したrポ.  認識度テストを単元前後に実施した。. ストマン&サイドゾーン付きバスケットボール」(以下. d)情意的側面:「よい授業への到達度調査」を改変し. rP&Sバスケット」)と名付けた評価ゲームを作成した.  たアンケートを毎授業後に実施した。また,「態度. (図1)。.  測定」を単元前後に実施した。. 一428一.

(2) 皿.結果ならびに考察.   {歳). 1.状況判断能力の評価における先行研究.                9.  状況判断とは,「状況を把握し,その状況下で何を すべきかを決定すること」である。そのため,ビデオに.  満  一雌レベルg1亭,,1・r◆13、へ2人11.  12         ◆09● 惣. 駐1o        ×●. よる場面提示を行い,そこでの判断を記述テスト等に. §、   ・・  .・ 霧   県!・・●。. よって把握し,頭の中で行われる判断を顕在化させ. 塗・   ㍑。. て推定把握しようとされていた。.  しかし,これらは実際のプレーを伴わないために,. 自身の技術水準を無視した状況判断を行う傾向にあ ることから,体育授業の中で判断力の評価を行うには 適合性を欠く。そこで,本研究では,状況判断の後に 遂行されるプレー(この過程までで発揮される能力を. 寡        会●・. 嚢4  ・ 父○・. ・1・llぷ 二燃二.  0                         {劇   0    1    2    3    4    5    6.         主撹鉤状況制鎌力得点 図2.状況判断遂行能力得点と主観的状況判断力得点の関係. r状況判断遂行能力」と表現する)を通して,下された. i、集団的技能:作戦成功の指標である攻撃完了率. 判断の適否を評価することによって判断力を把握しよ. は,PS群148.11%±22.53→60.20%±19,87,BB. うとした。. 群:57.42%±22.82→58.24%±18.40であり,PS群. 2.状況判断遂行能力の評価法開発 A.状況判断場面の類型化・序列化. のみが有意な向上した。また,ズレ創出パス率は,P.  分析した状況判断場面に現れた典型的な入とボ. ±12.08→8.74%±6.97,最重要空間シュート率は,. ールの動きを,バスケットボールで用いられるプレー. PS群:61.08%±26.73→77.06%±19.99,BB群:. パターンに置き換えたものと,用いたパスの回数を観. 63.35%±31.19→63.52%±26.34であり,PS群のみ. 点に類型化・序列化した。. が有意に向上した。.  一般に,小学生の技能レベルで実行できるのは,.  これらのことから,PS群はBB群に比してより意図. 3回までのパスの中で,ドリブル・フィード・パスワー. 的に攻撃を組み立て,よりよい場所からのシュートに. ク・カットイン・ポストを用いたプレーパターンであった。. 至っていたことが推察された。. S群:9.67%±8,58→15.39%±8.15,BB群:10.11%. その中でも,パスワーク・カットイン・ポストを用いたも. C)認識的側面. のは,味方との一致した判断が必要とされるプレーで.  戦術テスト得点率は,PS群:63.2%±10.4→. あると考えられた。. 66.5%±10,7,BB群:65.0%±8.0→67.1%±8,9で. B.評価ゲームの作成. あり、PS群のみが有意に向上した。.  rP&Sバスケット」は,フロントコードの2点エリア内. d)情意的側面. でのみプレーするポストマンを置き,攻撃側に数的優.  r態度測定」の診断結果が成功∼かなり成功を示し. 位を保証した。加えて,防御者が入ることのできない. たことから,両群に用いた学習過程がともに児童の意欲. サイドゾーンを設定し,ディフェンスからの圧力を軽減. をかき立てるものであったことが示された。また,PS群は. し,技能が未熟であっても意図的な戦術プレーが容. BB群に比して,児童の「できる一わかる」に関わる態度. 易に行えるようにした。これらの工夫により,Aで類型. 項目を向上させる働きが強いことが示唆された。. 化したプレーパターンの頻出が確認された。 「状況判断遂行能力得点」と「主観的判断力得点」. 1V、まとめ. 「状況判断遂行能力」を評価するゲ』ムを作成する. の間には,有意な相関(r・0,654,p<O.01)が認められ. た(図2)。また,これらの関係には,技能レベルが大. とともに,得点算出の方法を開発・提示した。. きく関係していないことが認められた。.  また,「P&Sバスケット」を用いた授業によって,状. 3.状況判断遂行能力の育成. 況判断能力の育成が促進されることを実証した。. a)状況判断能力.  r状況判断遂行能力得点」は,PS群14.44点± 2.58→6.06点±2.71,BB群:4.07点士1.36→4.64点. ±2.61であり,PS群のみが有意に向上した。. b)技能的側面 i.個人的技能=8の宇ドリブル得点・ピボットターン シュート得点は両群ともに有意に向上した。. (本研究の一部は,第49回大阪体育学会,および,. 第62回日本体育学会,第31回日本スポーツ教育学 会で発表した。また,ベネッセ教員育成研究奨学金 の助成を受けた。).            主任指導教官(後藤幸弘).            指導教官(後藤幸弘). 一429一.

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