算数教育における適応的知識とその習得に関する研究
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(2) 的知識と手続き的知識の結び付きの重要性につ. 方について述べた。片桐の「単位の考え」とい. いて考察した。そして,概念的知識と手続き的. う数学的な考え方と,中島の「単位の考え」と. 知識は,互いに結び付けられた知識として獲得. いう数学的なアイデアを含む数学的な考え方を. されることが重要であることを述べた。第2節. もとに,「単位をそろえる」という標準的な大き. では,波多野が述べている「適応的知識(有意. さのBigIdeaとの関係について考察した。そし. 味に学習された手続きを柔軟かつ創造的に適用. て,BigIdeaと数学的な考え方は,根本的に似. することができる知識)」とBaroodyによって. た考え方であることを示した後,BigIdeaと数. 示された「適応的知識理論にもとづく手続き的. 学的な考え方の異なる点を述べた。. 知識と概念的知識の相互依存の関係」の図を考. 第4章では,適応的知識を習得するための振. 察し,適応的知識を習得するためには,既習の. り返り活動と教師の役割について述べた。第1. 手続き的知識と概念的知識が豊かに結び付き,. 節では,先行研究をもとに,振り返り活動につ. その知識が新しい問題に柔軟かつ創造的に適用. いて考察した。そして,これらの研究の間に,. することができる質の高い知識になることが必. 何を,いつ振り返らせるのかということに違い. 要であることを示した。その結果,適応的知識. があることを示した。また,適応的知識を習得. を習得することによって,既習事項を自ら想起. するための振り返り活動として,BigIdeaを意. できる子どもを育てることができるということ. 識させる振り返り活動をあげ,それを「BigIdea. が明らかになった。そして,算数学習の場で,. を意識した振り返り活動」と呼ぶことにした。. 適応的知識を習得した子どもの具体的な様子の. さらに,Big Ideaを子どもに意識させる振り返. 例を示した。. り活動の具体的な指導の方法として,Big Idea. 第3章では,BigIdeaと数学的な考え方につ. を子どもに着目させる「問いかけ」,「振り返り. いて考察し,BigIdeaと適応的知識や数学的な. 活動に専念する1時間の授業」などを示した。. 考え方との関係について述べた。第1節では,. 第2節では,適応的知識を習得させる,すなわ. 先行研究をもとに,BigIdeaをいくつかの学習. ちBigIdeaを子どもに理解させたり,BigIdea. 内容に共通する基本的な考え方と捉え,Big. を意識した振り返り活動を行ったりするための. Ideaと適応的知識の関係について考察した。そ. 教師の役割について考察した。そして,教師の. して,BigIdeaが,手続き的知識と概念的知識. 役割として,まず,BigIdeaを教師が理解する. を豊かに結び付けたり,それぞれの知識の質を. ことが重要であることを述べた。また,BigIdea. 高めたりすることから,BigIdeaの理解が適応. を子どもに意識(理解)させるための指導の方. 的知識の習得に必要であることを述べた。また,. 法として,「問いかけ」,「感想の記述」,「板書の. Baroodyの「Big Ideaの理論」を考察し,Big. 工夫」,「振り返りワークシートの工夫」などを. Ideaに3つのレベルを設けた。そして,「単位. 効果的に用いることを示した。. をそろえる」,「同じものになおす」という具体. 第5章では,各章の内容及び全体的なまとめ. 的なBigIdeaの例を示した。さらに,BigIdea. を行い,今後の課題を述べた。. を理解することにより生じる様々な効果や, Big Ideaを理解するプロセスについて述べた。. 主任指導員 崎谷眞也. 第2節では,先行研究をもとに,数学的な考え. 指導教員 崎谷眞他 一329一.
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