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幼児期の音楽的表現における動きの要素の特徴 : 5歳児の身体的な動きと音楽的諸要素の認識に関する定量的分析を中心に

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全文

(1)

幼児期の音楽的表現における動きの要素の特徴 : 5

歳児の身体的な動きと音楽的諸要素の認識に関する

定量的分析を中心に

著者

佐野 美奈

雑誌名

大阪樟蔭女子大学研究紀要

9

ページ

201-210

発行年

2019-01-31

URL

http://id.nii.ac.jp/1072/00004333/

(2)

Ⅰ はじめに これまでに、筆者は、幼児の豊かな音楽的表現を育 む活動として、4 段階から成る音楽的表現育成プログ ラム (佐野2015a)1)を考案した。その実践を行う過程 で 活 動 項 目 を 修 正 し、MEB(Musical Expression Bringing up)プログラムとして、幼児に対する実践 と質的分析を行った。そのMEBプログラムは、第 1 段階「はじめの活動」、第 2 段階「はじめの活動から パントマイムへ」、第 3 段階「即興表現からストーリ ー創造へ」、第 4 段階「ストーリーの劇化」から成っ ている。それらの活動は、日常の生活経験における音 への気づきに始まり、動きによるリズムの経験、音と 動きのイメージの一致による音楽的諸要素の認識、劇 化と音楽経験との統合へと進むことが意図されてい た。さらに、幼児の音楽的諸要素の認識の側面をより 明らかに捉えるために、6 領域 60 項目の音楽テスト (佐野2014a)2)を構成し、MEBプログラムの有無、そ の実践前後に実施した結果について定量的分析を行っ た。その結果、MEBプログラムの実践による効果や 幼児の音楽的諸要素の認識の変容等についての考察が 得られた。 近年では、筆者は、幼児の音楽的表現において身体 的な動きの要素が大きいことに着目し、音楽的表現に おける身体的な動きの要素の変化を捉えるために、モ ーションキャプチャーの技術を援用した定量的分析を 行ってきた。幼児の音楽的諸要素の認識と動きについ ての研究では、これまで、乳幼児の特定の音刺激への 反応に関する実験的研究 (Hannon, E., & Johnson, S., 2005; Zenter, M., & Eerola, T., 2010) が主に行 われてきている。動きについては、舞踊や鋸引き動作 といった特定の動作の熟達度による差異の分析等に見 られるような大人を対象としてモーションキャプチャ ーを用いた研究報告が散見される(佐藤・海賀・渡部 2010;安藤・住川2010)。 しかしながら、幼児の音楽的表現に関しての研究報 告は見られないのが現状である。そのために、音楽の 特徴と大人の動きとの相関性を見い出したBurgerら (2013a) の研究報告を参照して、モーションキャプチ ャーの技術の援用を考えた。同時に、これまでの複数 のカメラを用いて実験室で行う実験的研究ではなく、 幼児の日常保育の状況の中で、音楽的表現における身 体的な動きの要素の変容を捉えたいと考え、まず、 MTwシステムを用いた。それは、ワイヤレスのモー ショントラッカーを額に 1 個装着した複数の幼児の動 作解析を同時に行うものであり、結果的に、データの うち移動平均加速度が主な分析対象となった。しかし ながら、このシステムによって測定取得したデータか らは、幼児の移動軌跡や移動距離を算出できないた - 201 - 大阪樟蔭女子大学研究紀要第 9 巻(2019) 研究論文

幼児期の音楽的表現における動きの要素の特徴

― 5 歳児の身体的な動きと音楽的諸要素の認識に関する

定量的分析を中心に―

児童教育学部 児童教育学科 佐野 美奈

要旨:この研究の目的は、新型MVNシステムを用いて、異なる保育形態の保育園児の音楽的表現についてモーショ ンキャプチャーによる動作解析を行い、その測定結果を分析考察することを通して、幼児の音楽的表現の身体的な動 きの要素に関する特徴を抽出することである。異なる保育形態をとる2か所の保育園 4 歳児(n=40)と 5 歳児(n=40) は、筆者考案のMEBプログラム実践前に 1 回目の音楽テストを受け、そのプログラムの実践過程の第 1 段階から第 3 段階までの音楽的表現について、MVNによる動作解析に参加した。その結果、MVN測定結果の三元配置分散分析 より、活動第 2 段階から第 3 段階までで、特に頭部の移動距離や移動平均加速度の顕著な増加が見られた。さらに、 Circular Affectを用いた分析より、遊び中心の保育形態の5歳児の骨盤および右手の運動は、音楽テストの結果が示 す音楽的諸要素の認識との相関が強いことがわかった。 キーワード:動作解析、3Dモーションキャプチャー、定量的分析、幼児期の音楽的表現

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め、当時のMVNシステムも援用した。そのMVNシス テムでは、17 個のモーショントラッカーを全身の各 部位に装着し、機材に向かって配線して測定するため に、装着や測定に時間がかかることから、5 歳児の数 名が測定対象となった。こうした経緯の中で、異なる 3 か所の保育形態の保育園 3 歳児、4 歳児、5 歳児が 調査対象となった。その異なる 3 か所の保育形態と は、筆者の勤務校近郊でよくとられている遊び中心の 保育形態と日常生活の感覚訓練に特化したモンテッソ ーリ・メソッドによる保育形態、および日常生活の感 覚訓練と一部の音楽経験に関してモンテッソーリ・メ ソッドによる保育形態であった。その測定 1 年目には 日常保育における朝の会での音楽的表現を、測定 2 年 目にはMEBプログラムの実践過程における音楽的表 現の動作解析を行った。その結果、音楽的表現におけ る動きの要素の変容に特徴が最も見い出されたのは、 移動平均加速度の変化においてであった。日常保育に おける音楽的表現の測定によっては、特に移動平均加 速度の変化においても特徴や傾向を捉えられなかった が、MEBプログラムの活動段階別の移動平均加速度 や移動距離の増加という変化には、保育形態による特 徴を見い出すことができた。それにはまず、遊び中心 の保育形態の保育園児による移動平均加速度の上昇 が、活動第 3 段階から第 4 段階に顕著であったのに対 して、日常生活の感覚訓練に特化したモンテッソー リ・メソッドの保育形態の保育園児は緩やかな上昇を 辿り、日常生活の感覚訓練と一部の音楽経験でモンテ ッソーリ・メソッドの保育形態の保育園児はあまり大 きく変化しなかったという点が挙げられる。遊び中心 の保育形態の保育園児は、普段からふり遊びを多く経 験している。そのために、MEBプログラムの活動段 階が進むにつれて劇化と音楽の統合が進むと、その保 育園児達には、ふりから劇化への移行に繋がるような 動きが生じやすく、劇化による動きが音楽的諸要素の 認識に先行する傾向にあった。モンテッソーリ・メソ ッドの保育形態をとる保育園児達は、日常生活の事象 の対照的な特徴や規則性等を感受して認識する経験を 多くしており、音楽的諸要素の認識についても同様の 傾向が見られることが、過去の音楽テスト結果からも わかっている (佐野2014b)。そのために、それらの保 育園児達は、音楽的諸要素の認識が動きに先行したも のと考えられた。また、移動距離の変化について、遊 び中心の保育形態の保育園児と、異なる保育形態の保 育園児とでは、変化の仕方が異なっており、保育形態 の類似した保育園児達による変化の仕方は類似してい た。但し、類似した保育形態であっても、音感ベルに よる音階認識の経験、リトミックを参照したリズム経 験としての動きで白線上を移動する経験を日頃から行 っている保育園児達には、音楽的表現について動きを 伴うリズム経験であるという認識が最初からあるため に、活動第 1 段階の測定時から、他の 2 か所の保育園 園児達よりも、移動距離が大きかったと考察された。 このように、保育形態が異なってもMEBプログラ ムの実践による効果は、過去の質的分析結果 (佐野 2015a) を裏づけるという点では検証できたと考えら れる。また、保育形態の差異によって、幼児の音楽的 表現における動きの要素の変容過程が異なることもわ かった。但し、2015 年度までのデータに関しては、 具体的な分析に至るにはデータ量が十分であるとは言 えなかった。 この課題を踏まえ、2016 年度から、直近に開発さ れた新型MVNシステムを用いて、幼児の音楽的表現 の動作解析を行い、データ量を増して、より具体的な 音楽的表現の特徴を分析、抽出したいと考えた。その ことによって、幼児の音楽的表現の発達をどのように 評価できるのかについても、検討できると考えた。 本稿では、2016 年度から始めた新型MVNシステム による測定結果の一部に関する分析考察について示 す。そのために、MEBプログラム実践前に行う 1 回 目の音楽テストの結果、活動の実践過程における MVNシステムによる測定結果をもとに、幼児の音楽 的表現における動きの要素の特徴を抽出したいと考え る。 Ⅱ 研究の目的と方法 この研究の目的は、新たに導入した新型MVNシス テム(Awinda Biomech、 Xsens Technologies B.V.) を用いて、異なる保育形態の保育園における幼児の音 楽的表現の動作解析を行い、その測定結果を分析考察 することを通して、幼児の音楽的表現の動きの要素に 関する特徴を抽出することである。 新型MVNシステムのAwinda Biomechでは、幼児 の各身体部位 17 か所に 1 個ずつ軽量でワイヤレスの モーショントラッカーを装着する。従来の有線式 MVNシステムと異なり、モーショントラッカーが軽 量化され、装着が簡便になり装着時間も短いため、長 い拘束時間が難しい低年齢児も含めた 3 歳児、4 歳 児、5 歳児に対して行うことができるという点で、格 段に測定環境が改善されたと考えられる。但し、以前 用いていた複数のMTwシステムによる測定時のよう

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に同時に複数の幼児達を測定することができず、1 人 ずつの測定となる。2016年度は、異なる保育形態の保 育園として、遊び中心の保育形態のU保育園と日常生 活の感覚訓練に特化したモンテッソーリ・メソッドに よる保育形態のK保育園の 3 歳児、4 歳児、5 歳児を 対象とした。その内訳は、U保育園において、3 歳児 22 名、4 歳児 22 名、5 歳児 22 名であり、K保育園に おいて、3 歳児 20 名、4 歳児 21 名、5 歳児 21 名であ った。 (1) 音楽テストの実施 まず、5 月中に、2 か所の保育園 4 歳児と 5 歳児に 対して、筆者作成の音楽テスト (佐野2014a) を実施 した。対象園の都合もあり、次のような日程でMEB プログラム実践前の音楽テストを行った。U保育園で は、5 月 13 日(金)10 : 20 ~ 11 : 20 に、4 歳 児 22 人と 5 歳児 20 人に実施し、K保育園では、5 月 9 日 (月)13 : 10 ~ 14 : 20 に 4 歳 児 18 人、5 月 16 日 (月)13:10 ~ 14:10 に 5 歳児 20 人に実施した。 なお、音楽テストは、3 歳児に対しての実施は困難で あるため、4 歳児と 5 歳児に対してのみ実施してい る。 (2) MEBプログラムの実践と活動項目の抽出 対象園では、MEBプログラムを活動段階順に実践 していき、測定時の活動項目を次のように抽出した。 まず、第 1 段階では、《あなたのおなまえは》(インド ネシア民謡)による自己紹介の歌遊びであり、第 2 段 階では、手拍子や足踏みを中心とした手遊び歌《パン やさんにおかいもの》(作詞:佐倉智子 作曲:おざわ たつゆき)とふりの動き、第 3 段階では、《ライオン の大行進》(サンサーンス作曲≪動物の謝肉祭≫より ≪序奏と獅子王の行進≫主題部分の抜粋の田中常雄編 著)の音楽に合わせたふりの動きであった。そして、 第 4 段階では、ストーリー性のある歌《山の音楽家》 (水田詩仙作詞、ドイツ民謡)を歌いながら歌詞のイ メージの動きをし、応答唱をした。 (3) 活動段階別の測定 活動段階別の測定として、対象園の測定日時、およ び測定人数は、表 1 のとおりである。 毎回、午前 9:30 より測定を始めた。各幼児に、既 定の身体部位 17 か所に 1 個ずつモーショントラッカ ーを装着し、保育者のピアノ伴奏に合わせて行われた 該当の音楽的表現における身体的な動きに関するデー タを取得した。1 人ずつ順に測定するため、移動、装 着、準備、測定を全て含めて、幼児 1 人当たりに要す る時間は平均約 5 ~ 10 分間であり、測定のみの時間 は各 30 秒間である。対象児に関しては、事前に対象 園の責任者および保護者への説明後に許可の得られた 幼児のみが測定の該当者となったため、音楽テスト実 施時とMVN測定時の対象人数は異なっている。また、 幼児1人ずつの測定のため、多人数の測定には長時間 を要することから、各活動段階の測定日を 2 日ずつ設 定した。1 回目の測定でうまくいかなかった場合に は、2 回目の測定日に再度測定を行っているため、表 1 と表 4 の人数は異なっている。 なお、本稿での主な分析の対象は、移動距離、移動 平均速度、移動平均加速度とし、移動距離や移動平均 加速度が顕著に増加した活動第 3 段階までに焦点化し て検討する。また、音楽テスト 1 回目の実施日程は、 MVNによる活動段階別の測定日のうち、活動第1段階 の日程が最も近く、活動実践前の状況とそれほど大き く変わらないことから、音楽テスト結果による音楽的 諸要素の認識度と身体的な動きとの関係性について分 析できると考えられる。その分析結果から、活動第1 段階測定時における幼児の音楽的表現の特徴をより具 体的に捉えることができるであろうと予測された。 Ⅲ 結果と考察 1.音楽テストの結果と活動第 1 段階のMVNシステム による測定結果について 本稿では、音楽的諸要素の認識度とMVNシステム による測定結果との相関について後述するため、ここ では音楽テスト結果のデータの一部を示す。 (1) 音楽テストの結果について 表 2 にU保育園 4 歳児と 5 歳児の音楽テスト 1 回目 の領域別および総合点の平均値と標準偏差を示す。各 - 202 - - 203 - 表 1 活動段階別の測定日と測定人数 は、U 保育園において、3 歳児 22 名、4 歳児 22 名、5 歳児22 名であり、K 保育園において、3 歳児 20 名、4 歳児21 名、5 歳児 21 名であった。 (1) 音楽テストの実施 まず、5 月中に、2 か所の保育園 4 歳児と 5 歳児に対 して、筆者作成の音楽テスト(佐野 2014a)を実施した。 対象園の都合もあり、次のような日程でMEB プログラ ム実践前の音楽テストを行った。U 保育園では、5 月 13 日(金)10:20~11:20 に、4 歳児 22 人と 5 歳児 20 人に実施し、K 保育園では、5 月 9 日(月)13:10 ~14:20 に 4 歳児 18 人、5 月 16 日(月)13:10~14: 10 に 5 歳児 20 人に実施した。なお、音楽テストは、 3 歳児に対しての実施は困難であるため、4 歳児と 5 歳児 に対してのみ実施している。 (2) MEB プログラムの実践と活動項目の抽出 対象園では、MEB プログラムを活動段階順に実践し ていき、測定時の活動項目を次のように抽出した。ま ず、第1 段階では、《あなたのおなまえは》(インドネ シア民謡)による自己紹介の歌遊びであり、第2 段階 では、手拍子や足踏みを中心とした手遊び歌《パンや さんにおかいもの》(作詞:佐倉智子 作曲:おざわた つゆき)とふりの動き、第3 段階では、《ライオンの大 行進》(サンサーンス作曲≪動物の謝肉祭≫より≪序奏 と獅子王の行進≫主題部分の抜粋の田中常雄編著)の 音楽に合わせたふりの動きであった。そして、第 4 段 階では、ストーリー性のある歌《山の音楽家》(水田詩 仙作詞、ドイツ民謡)を歌いながら歌詞のイメージの 動きをし、応答唱をした。 (3) 活動段階別の測定 活動段階別の測定として、対象園の測定日時、およ び測定人数は、表1 のとおりである。 毎回、午前 9:30 より測定を始めた。各幼児に、既 定の身体部位17 か所に 1 個ずつモーショントラッカー を装着し、保育者のピアノ伴奏に合わせて行われた該 当の音楽的表現における身体的な動きに関するデータ を取得した。1 人ずつ順に測定するため、移動、装着、 準備、測定を全て含めて、幼児 1 人当たりに要する時 間は平均約5~10 分間であり、測定のみの時間は各 30 秒間である。対象児に関しては、事前に対象園の責任 者および保護者への説明後に許可の得られた幼児のみ が 測 定 の 該 当 者 と な っ た た め 、 音 楽 テ ス ト 実 施 時 と MVN 測定時の対象人数は異なっている。また、幼児 1 人ずつの測定のため、多人数の測定には長時間を要す ることから、各活動段階の測定日を2 日ずつ設定した。 1 回目の測定でうまくいかなかった場合には、2 回目の 測定日に再度測定を行っているため、表1 と表 4 の人 数は異なっている。 表1 活動段階別の測定日と測定人数 U 保育園 K 保育園 1 回 目 測 定 2 回 目 測 定 1 回 目 測 定 2 回目測定 活 動 第 1 段階 5 月 6 月 2016 年 5 月20 日 3 歳 児 7 人、4 歳児 7 人、5 歳 児10 人 2016 年 6 月24 日 3 歳児 11 人、4 歳児 5 人、5 歳 児6 人 2016 年 5 月23 日 3 歳児 10 人、4 歳児 10 人 、 5 歳児11 人 2016 年 6 月20 日 3 歳 児 6 人、4 歳児 6 人、5 歳 児10 人 活 動 第 2 段階 7 月 8 月 2016 年 7 月15 日 3 歳 児 6 人、4 歳児 7 人、5 歳 児8 人 2016 年 8 月19 日 3 歳 児 4 人、4 歳児 2 人、5 歳 児2 人 2016 年 7 月11 日 4 歳児 11 人、5 歳児 16 人 2016 年 8 月15 日 3 歳 児 8 人、4 歳児 1 人 活 動 第 3 段階 9 月 10 月 2016 年 9 月23 日 3 歳児 11 人、4 歳児 8 人、5 歳 児9 人 測定無し 2016 年 9 月5 日 3 歳児 13 人、4 歳児 15 人 、 5 歳児14 人 2016 年 10 月30 日 3 歳 児 5 人、4 歳児 2 人、5 歳 児5 人 なお、本稿での主な分析の対象は、移動距離、移動平 均速度、移動平均加速度とし、移動距離や移動平均加 速度が顕著に増加した活動第3 段階までに焦点化して 検討する。また、音楽テスト1 回目の実施日程は、MVN による活動段階別の測定日のうち、活動第1 段階の日 程が最も近く、活動実践前の状況とそれほど大きく変 わらないことから、音楽テスト結果による音楽的諸要 素の認識度と身体的な動きとの関係性について分析で きると考えられる。その分析結果から、活動第1 段階 測定時における幼児の音楽的表現の特徴をより具体的 に捉えることができるであろうと予測された。 Ⅲ 結果と考察 1. 音楽テストの結果と活動第 1 段階の MVN システム による測定結果について 本稿では、音楽的諸要素の認識度とMVN システムに よる測定結果との相関について後述するため、ここで は音楽テスト結果のデータの一部を示す。 (1) 音楽テストの結果について 表 2 に U 保育園 4 歳児と 5 歳児の音楽テスト 1 回目 の領域別および総合点の平均値と標準偏差を示す。各 領域別でもそうであったが、1%水準で t 検定を実施し た結果、4 歳児よりも 5 歳児の総合点の平均値の方が有 意に高かった(t(40)=5.592, p<.01)。

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領域別でもそうであったが、1 %水準でt検定を実施し た結果、4 歳児よりも 5 歳児の総合点の平均値の方が 有意に高かった(t(40)= 5.592, p<.01)。 表 3 にK保育園 4 歳児と 5 歳児の音楽テスト 1 回目 の領域別および総合点の平均値を示す。「協和」を除 く各領域別と同様に、4 歳児よりも 5 歳児の総合点の 方が有意に高かった(t(36)= 10.467, p<.01)。 4 歳児の結果について、K保育園児がU保育園児よ りも総合点の平均値が有意に高く(t(38)=4.621, p< .01)、5 歳児の結果についても、K保育園児がU保育 園児よりも総合点の平均値が有意に高かった(t(38) =4.937, p<.01)。さらに、U保育園・K保育園の 4 歳 児・5 歳 児 の 計 4 群 の 音 楽 テ ス ト の 結 果 に 対 し て TukeyのHSD法による多重比較を行った。各領域別 の結果を見ると、「Ⅴ協和」以外の領域でK保育園 5 歳児の平均値が高く、5 領域でU保育園 4 歳児の平均 値が低く、いずれも 5 %水準で他 3 群との有意差が見 られた。「Ⅱ数長短」の領域では、UK保育園 4 歳児 の平均値が低く、5 %水準でUK保育園 5 歳児との有 意差が見られた。 (2) MVN測定結果における活動段階別の動きの要 素と分散分析 身体部位 17 か所のうち、動きの特徴を表すと考え られる頭、腰椎、右手、右足の動きの要素の測定を行 った。身体の右側と左側は互いに対称的で類似した動 きが見られたため、本稿で後述する身体の左右がある 部位については、右側部位を取り上げるものとする。 まず、身体の重心の動きを捉えるという視点から、 骨盤移動距離について、活動第1段階から第 3 段階ま でで、異なる 2 か所の保育形態、および幼児の年齢に よる分析を試みた。段階要因( 3 水準)、保育園要因( 2 水準)、年齢要因( 3 水準)によって骨盤移動距離の 平均値に違いがあるか検討するため、以下の園児に対 して 3 要因とも対応のない三元配置分散分析を行っ た。被験者間効果の検定において主効果・交互作用は 表 4 のとおりであった。 そ こ で、単 純 主 効 果 お よ び 多 重 比 較 の 検 定 を Bonferroniの方法で行った。その結果、段階要因の保 育園要因 * 年齢要因において、K保育園は全年齢につ いて単純主効果は有意であったが、U保育園は全年齢 について有意ではなかった。表 5 に示す多重比較にお いて、U保育園の 4 歳児は 5 %水準で段階要因の有意 差が見られなかったが、K保育園の全年齢とU保育園 の 3 歳児と 5 歳児においては、第 3 段階が、第 1 段階 または第 1・第 2 段階の両方に対して有意差が見ら れ、第 3 段階の方が第 1 段階よりも移動距離が大き い、または第 3 段階の方が第 2 段階よりも移動距離が 大きいという結果であった。 次に、保育園要因の段階要因 * 年齢要因において、 第 3 段階の 3 歳児と 4 歳児について単純主効果は有意 であったが、その他は有意ではなかった。多重比較に 関して 5 %水準で有意差が見られたのは、第 3 段階の 3 歳児と 4 歳児について、K保育園がU保育園よりも 大きいということであった(表 5 )。 年齢要因の段階要因 * 保育園要因において、第 3 段 階のK保育園について単純主効果は有意であったが、 その他は有意ではなかった。多重比較において 5 %水 準で有意差が見られたのは、第 3 段階のK保育園の骨 盤移動距離の測定平均値に関して、3 歳児が 4 歳児よ りも大きい、および 3 歳児が 5 歳児よりも大きいとい うことにおいてであった。 このように、MEBプログラムの活動第 1 段階と第 2 段階測定時の平均値はあまり変わらず、第 3 段階で の移動距離が大きく、園別では、3 歳児と 4 歳児でK 表 2 U保育園 4 歳児 5 歳児の 1 回目の音楽テスト結果 表2 U 保育園 4 歳児 5 歳児の 1 回目の音楽テスト結果 Ⅰ強弱 Ⅱ数長短 Ⅲリズム Ⅳ高低 Ⅴ協和 Ⅵ表現鑑賞 総合点 4 歳児 平均値 5.4091 4.3182 2.5455 3.6818 4.1364 4.0795 24.1705 標準偏差 1.94347 1.88696 1.14340 1.98534 1.83343 2.32275 5.35990 5 歳児 平均値 7.5000 6.2000 4.2000 5.3000 5.7000 6.5750 35.4750 標準偏差 1.35724 2.21478 2.04167 1.94936 2.36421 1.69189 7.64160 表 3 に K 保育園 4 歳児と 5 歳児の音楽テスト 1 回目の領 域別および総合点の平均値を示す。「協和」を除く各領域 別と同様に、4 歳児よりも 5 歳児の総合点の方が有意に 高かった(t(36)=10.467, p=0)。 表3 K 保育園 4 歳児 5 歳児の 1 回目の音楽テスト結果 Ⅰ強弱 Ⅱ数長短 Ⅲリズム Ⅳ高低 Ⅴ協和 Ⅵ表現鑑賞 総合点 4 歳児 平均値 6.8333 4.7222 4.1111 4.7222 5.1667 5.9583 31.5139 標準偏差 1.75734 1.77584 1.36722 1.31978 1.09813 1.79920 4.51669 5 歳児 平均値 9.3500 8.3000 6.7000 6.7500 5.3500 8.1375 44.5875 標準偏差 .87509 .73270 1.41793 1.68195 1.03999 1.04653 3.12279 4 歳児の結果について、K 保育園児が U 保育園児よ り も 総 合 点 の 平 均 値 が 有 意 に 高 く (t(38)=4.621, p<.01)、5 歳児の結果についても、K 保育園児が U 保 育 園 児 よ り も 総 合 点 の 平 均 値 が 有 意 に 高 か っ た (t(38)=4.937, p<.01)。さらに、U 保育園・K 保育園の 4 歳児・5 歳児の計 4 群の音楽テストの結果に対して Tukey の HSD 法による多重比較を行った。各領域別 の 結 果 を 見 る と 、「 Ⅴ 協 和 」以 外 の 領 域 でK 保育園 5 歳 児 の 平 均 値 が 高 く 、 5 領域で U 保育園 4 歳児の平 均 値 が 低 く 、 い ず れ も 5%水準で他 3 群との有意差 が 見 ら れ た 。「 Ⅱ 数 長 短 」 の 領 域 で は 、UK 保育園 4 歳 児 の 平 均 値 が 低 く 、5%水準で UK 保育園 5 歳児と の 有 意 差 が 見 ら れ た 。 (2) MVN 測 定 結 果 に お け る 活 動 段 階 別 の 動 き の 要 素 と 分 散 分 析 身 体 部 位17 か所のうち、動きの特徴を表すと考えら れ る 頭 、 腰 椎 、 右 手 、 右 足 の 動 き の 要 素 の 測 定 を 行 っ た 。 身 体 の 右 側 と 左 側 は 互 い に 対 称 的 で 類 似 し た 動 き が 見 ら れ た た め 、 本 稿 で 後 述 す る 身 体 の 左 右 が あ る 部 位 に つ い て は 、 右 側 部 位 を 取 り 上 げ る も の と す る 。 ま ず 、身 体 の 重 心 の 動 き を 捉 え る と い う 視 点 か ら 、 骨 盤 移 動 距 離 に つ い て 、 活 動 第1 段階から第 3 段階 ま で で 、 異 な る2 か所の保育形態、および幼児の年 齢 に よ る 分 析 を 試 み た 。段 階 要 因(3 水準)、保育園要 因(2 水準)、年齢要因(3 水準)によって骨盤移動距離 の 平 均 値 に 違 い が あ る か 検 討 す る た め 、 以 下 の 園 児 に 対 し て3 要因とも対応のない三元配置分散分析を 行 っ た 。 被 験 者 間 効 果 の 検 定 に お い て 主 効 果 ・ 交 互 作 用 は 表4 のとおりであった。 そ こ で 、 単 純 主 効 果 お よ び 多 重 比 較 の 検 定 を Bonferroni の方法で 行っ た 。その 結果 、 段階要 因 の 保 育 園 要 因 * 年齢要因において、K 保育園は全年齢 に つ い て 単 純 主 効 果 は 有 意 で あ っ た が 、U 保育園は 全 年 齢 に つ い て 有 意 で は な か っ た 。 表5 に示す多重 比 較 に お い て 、U 保育園の 4 歳児は 5%水準で段階要 因 の 有 意 差 が 見 ら れ な か っ た が 、K 保育園の全年齢 とU 保育園の 3 歳児と 5 歳児においては、第 3 段階 が 、 第1 段階または第 1・第 2 段階の両方に対して 有 意 差 が 見 ら れ 、 第3 段階の方が第 1 段階よりも移 動 距 離 が 大 き い 、 ま た は 第3 段階の方が第 2 段階よ り も 移 動 距 離 が 大 き い と い う 結 果 で あ っ た 。 次 に 、保 育 園 要 因 の 段 階 要 因 * 年齢要因において、 第3 段階の 3 歳児と 4 歳児について単純主効果は有 意 で あ っ た が 、 そ の 他 は 有 意 で は な か っ た 。 多 重 比 較 に 関 し て 5%水 準 で 有 意 差 が 見 ら れ た の は 、 第 3 段 階 の3 歳児と 4 歳児について、K 保育園が U 保育 園 よ り も 大 き い と い う こ と で あ っ た ( 表5)。 年 齢 要 因 の 段 階 要 因 * 保育園要因において、第 3 段 階 のK 保育園について単純主効果は有意であった が 、 そ の 他 は 有 意 で は な か っ た 。 多 重 比 較 に お い て 5%水準で有意差が見られたのは、第 3 段階の K 保育 園 の 骨 盤 移 動 距 離 の 測 定 平 均 値 に 関 し て 、3 歳児が 4 歳 児 よ り も 大 き い 、 お よ び3 歳児が 5 歳児よりも大 き い と い う こ と に お い て で あ っ た 。 表 3 K保育園 4 歳児 5 歳児の 1 回目の音楽テスト結果 表2 U 保育園 4 歳児 5 歳児の 1 回目の音楽テスト結果 Ⅰ強弱 Ⅱ数長短 Ⅲリズム Ⅳ高低 Ⅴ協和 Ⅵ表現鑑賞 総合点 4 歳児 平均値 5.4091 4.3182 2.5455 3.6818 4.1364 4.0795 24.1705 標準偏差 1.94347 1.88696 1.14340 1.98534 1.83343 2.32275 5.35990 5 歳児 平均値 7.5000 6.2000 4.2000 5.3000 5.7000 6.5750 35.4750 標準偏差 1.35724 2.21478 2.04167 1.94936 2.36421 1.69189 7.64160 表 3 に K 保育園 4 歳児と 5 歳児の音楽テスト 1 回目の領 域別および総合点の平均値を示す。「協和」を除く各領域 別と同様に、4 歳児よりも 5 歳児の総合点の方が有意に 高かった(t(36)=10.467, p=0)。 表3 K 保育園 4 歳児 5 歳児の 1 回目の音楽テスト結果 Ⅰ強弱 Ⅱ数長短 Ⅲリズム Ⅳ高低 Ⅴ協和 Ⅵ表現鑑賞 総合点 4 歳児 平均値 6.8333 4.7222 4.1111 4.7222 5.1667 5.9583 31.5139 標準偏差 1.75734 1.77584 1.36722 1.31978 1.09813 1.79920 4.51669 5 歳児 平均値 9.3500 8.3000 6.7000 6.7500 5.3500 8.1375 44.5875 標準偏差 .87509 .73270 1.41793 1.68195 1.03999 1.04653 3.12279 4 歳児の結果について、K 保育園児が U 保育園児よ り も 総 合 点 の 平 均 値 が 有 意 に 高 く (t(38)=4.621, p<.01)、5 歳児の結果についても、K 保育園児が U 保 育 園 児 よ り も 総 合 点 の 平 均 値 が 有 意 に 高 か っ た (t(38)=4.937, p<.01)。さらに、U 保育園・K 保育園の 4 歳児・5 歳児の計 4 群の音楽テストの結果に対して Tukey の HSD 法による多重比較を行った。各領域別 の 結 果 を 見 る と 、「 Ⅴ 協 和 」以 外 の 領 域 でK 保育園 5 歳 児 の 平 均 値 が 高 く 、 5 領域で U 保育園 4 歳児の平 均 値 が 低 く 、 い ず れ も 5%水準で他 3 群との有意差 が 見 ら れ た 。「 Ⅱ 数 長 短 」 の 領 域 で は 、UK 保育園 4 歳 児 の 平 均 値 が 低 く 、5%水準で UK 保育園 5 歳児と の 有 意 差 が 見 ら れ た 。 (2) MVN 測 定 結 果 に お け る 活 動 段 階 別 の 動 き の 要 素 と 分 散 分 析 身 体 部 位17 か所のうち、動きの特徴を表すと考えら れ る 頭 、 腰 椎 、 右 手 、 右 足 の 動 き の 要 素 の 測 定 を 行 っ た 。 身 体 の 右 側 と 左 側 は 互 い に 対 称 的 で 類 似 し た 動 き が 見 ら れ た た め 、 本 稿 で 後 述 す る 身 体 の 左 右 が あ る 部 位 に つ い て は 、 右 側 部 位 を 取 り 上 げ る も の と す る 。 ま ず 、身 体 の 重 心 の 動 き を 捉 え る と い う 視 点 か ら 、 骨 盤 移 動 距 離 に つ い て 、 活 動 第1 段階から第 3 段階 ま で で 、 異 な る2 か所の保育形態、および幼児の年 齢 に よ る 分 析 を 試 み た 。段 階 要 因(3 水準)、保育園要 因(2 水準)、年齢要因(3 水準)によって骨盤移動距離 の 平 均 値 に 違 い が あ る か 検 討 す る た め 、 以 下 の 園 児 に 対 し て3 要因とも対応のない三元配置分散分析を 行 っ た 。 被 験 者 間 効 果 の 検 定 に お い て 主 効 果 ・ 交 互 作 用 は 表4 のとおりであった。 そ こ で 、 単 純 主 効 果 お よ び 多 重 比 較 の 検 定 を Bonferroni の方法で 行っ た 。その 結果 、 段階要 因 の 保 育 園 要 因 * 年齢要因において、K 保育園は全年齢 に つ い て 単 純 主 効 果 は 有 意 で あ っ た が 、U 保育園は 全 年 齢 に つ い て 有 意 で は な か っ た 。 表5 に示す多重 比 較 に お い て 、U 保育園の 4 歳児は 5%水準で段階要 因 の 有 意 差 が 見 ら れ な か っ た が 、K 保育園の全年齢 とU 保育園の 3 歳児と 5 歳児においては、第 3 段階 が 、 第1 段階または第 1・第 2 段階の両方に対して 有 意 差 が 見 ら れ 、 第3 段階の方が第 1 段階よりも移 動 距 離 が 大 き い 、 ま た は 第3 段階の方が第 2 段階よ り も 移 動 距 離 が 大 き い と い う 結 果 で あ っ た 。 次 に 、保 育 園 要 因 の 段 階 要 因 * 年齢要因において、 第3 段階の 3 歳児と 4 歳児について単純主効果は有 意 で あ っ た が 、 そ の 他 は 有 意 で は な か っ た 。 多 重 比 較 に 関 し て 5%水 準 で 有 意 差 が 見 ら れ た の は 、 第 3 段 階 の3 歳児と 4 歳児について、K 保育園が U 保育 園 よ り も 大 き い と い う こ と で あ っ た ( 表5)。 年 齢 要 因 の 段 階 要 因 * 保育園要因において、第 3 段 階 のK 保育園について単純主効果は有意であった が 、 そ の 他 は 有 意 で は な か っ た 。 多 重 比 較 に お い て 5%水準で有意差が見られたのは、第 3 段階の K 保育 園 の 骨 盤 移 動 距 離 の 測 定 平 均 値 に 関 し て 、3 歳児が 4 歳 児 よ り も 大 き い 、 お よ び3 歳児が 5 歳児よりも大 き い と い う こ と に お い て で あ っ た 。

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保育園児がU保育園児よりも大きいという結果が得ら れた。これは、U保育園児とK保育園児の平均値によ る比較であるため、次に、特徴的な個別データの一部 について取り上げる。 2.MEBプログラムの活動段階別の移動距離および移 動軌跡の比較 図 1 は、U保育園音楽テスト 1 回目で最も高得点で あった 5 歳女児Aについて、活動第 1 段階目の活動項 目測定時の右肩、右手、右足、骨盤、頭部の移動距離 と移動平均加速度を示したものである。この 5 歳女児 の音楽テストの得点は、「Ⅰ強弱」で平均値を 0.5 ポ イント下回っていたが、他の 5 領域および総合得点で 平均値より高く、「Ⅲリズム」「Ⅵ表現鑑賞」では約 3 ポイント高かった。 図 1 によれば、移動距離、移動平均加速度が最大で あった身体部位は骨盤であることがわかる。ところ が、次に示した活動段階別の移動距離と移動平均加速 度の変化を身体部位別に辿ってみると、図 2 に示した 移動距離については、活動第 1 段階から活動第 2 段階 までは骨盤の移動距離が最大であるのに対して、活動 第 2 段階から活動第 3 段階までの頭部の測定値が著し - 204 - - 205 - 表 4 被験者間効果の検定における主効果・交互作用 表4 被験者間効果の検定における主効果・交互作用 要因 自由度 F 有意確 率 段階 2 120.357 p < .005 保育 園KU 1 36.316 p < .005 年齢 2 1.295 n.s. 段階 * 保育園 KU 2 38.016 p < .005 段階 * 年齢 4 2.021 n.s. 保育 園KU * 年齢 2 6.07 p < .005 段階 * 保育園 KU * 年齢 4 4.962 p < .005 このよ うに 、MEB プログラムの活動第 1 段階と第 2 段階測定時の平均値はあまり変わらず、第 3 段階 での移 動距 離が 大き く、園 別で は、3 歳児と 4 歳児 でK 保育園児が U 保育園児よりも大きいという結果 が得ら れた 。こ れは 、U 保育園児と K 保育園児の平 均値に よる 比較 であ るた め、 次に 、特 徴的 な個 別デ ータの 一部 につ いて 取り上 げる 。 2. MEB プ ロ グ ラム の 活 動 段 階 別の 移 動 距 離 およ び移動 軌跡 の比 較 図1 は、U 保育園音楽テスト 1 回目で最も高得点 であっ た5 歳女児 A について、活動第 1 段階目の活 動項目 測定 時の 右肩 、右 手、 右足 、骨 盤、 頭部 の移 動距離 と移 動平 均加 速度 を示 した もの であ る。 この 5 歳女児の音楽テストの得点は、「 Ⅰ強 弱」で平 均値 を 0.5 ポイント下回っていたが、他の 5 領域および 総合得 点で 平均 値よ り高 く 、「Ⅲ リズ ム 」「 Ⅵ表 現鑑 賞」で は 約3 ポイント高かった。 図1 活 動 第 1 段 階 の MVN 測 定 に よ る 身 体 部 位 別 の 移 動 距 離(m)と 移 動 平 均 加 速 度 (m/s2) 表5 保 育 園 要 因 の 段 階 要 因 * 年 齢 要 因 に お け る 多 重 比 較 段 階 年 齢 (I) 保 育 園 KU (J) 保 育 園 KU 平 均 値 の 差 (I-J) 標 準 誤 差 有 意 確 率b 第1 段 階 3 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 .153 .930 .870 U 保 育 園 K 保 育 園 -.153 .930 .870 4 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 .152 .989 .878 U 保 育 園 K 保 育 園 -.152 .989 .878 5 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 -.169 .919 .855 U 保 育 園 K 保 育 園 .169 .919 .855 第2 段 階 3 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 -.146 1.126 .897 U 保 育 園 K 保 育 園 .146 1.126 .897 4 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 -.004 1.001 .997 U 保 育 園 K 保 育 園 .004 1.001 .997 5 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 -.166 .930 .858 U 保 育 園 K 保 育 園 .166 .930 .858 第3 段 階 3 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 7.448 * .909 .000 U 保 育 園 K 保 育 園 -7.448* .909 .000 4 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 8.831 * 1.018 .000 U 保 育 園 K 保 育 園 -8.831* 1.018 .000 5 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 1.582 .961 .101 U 保 育 園 K 保 育 園 -1.582 .961 .101 図1 によれば、移動距離、移動平均加速度が最大 であっ た身 体部 位は 骨盤 であ るこ とが わか る。 とこ 表 5 保育園要因の段階要因 * 年齢要因における多重比較 表4 被験者間効果の検定における主効果・交互作用 要 因 自 由 度 F 有 意 確 率 段 階 2 120.357 p < .005 保 育 園KU 1 36.316 p < .005 年 齢 2 1.295 n.s. 段 階 * 保育園 KU 2 38.016 p < .005 段 階 * 年齢 4 2.021 n.s. 保 育 園KU * 年齢 2 6.07 p < .005 段 階 * 保育園 KU * 年齢 4 4.962 p < .005 こ の よ う に 、MEB プログラムの活動第 1 段階と第 2 段階測定時の平均値はあまり変わらず、第 3 段階 で の 移 動 距 離 が 大 き く 、 園 別 で は 、3 歳児と 4 歳児 でK 保育園児が U 保育園児よりも大きいという結果 が 得 ら れ た 。こ れ は 、U 保育園児と K 保育園児の平 均 値 に よ る 比 較 で あ る た め 、 次 に 、 特 徴 的 な 個 別 デ ー タ の 一 部 に つ い て 取 り 上 げ る 。 2. MEB プ ロ グ ラ ム の 活 動 段 階 別 の 移 動 距 離 お よ び 移 動 軌 跡 の 比 較 図1 は、U 保育園音楽テスト 1 回目で最も高得点 で あ っ た5 歳女児 A について、活動第 1 段階目の活 動 項 目 測 定 時 の 右 肩 、 右 手 、 右 足 、 骨 盤 、 頭 部 の 移 動 距 離 と 移 動 平 均 加 速 度 を 示 し た も の で あ る 。 こ の 5 歳女児の音楽テストの得点は、「 Ⅰ 強 弱 」で 平 均 値 を0.5 ポイント下回っていたが、他の 5 領域および 総 合 得 点 で 平 均 値 よ り 高 く 、「 Ⅲ リ ズ ム 」「 Ⅵ 表 現 鑑 賞 」 で は 約3 ポイント高かった。 図1 活 動 第 1 段 階 の MVN 測 定 に よ る 身 体 部 位 別 の 移 動 距 離(m)と 移 動 平 均 加 速 度 (m/s2) 表5 保 育 園 要 因 の 段 階 要 因 * 年 齢 要 因 に お け る 多 重 比 較 段 階 年 齢 (I) 保 育 園 KU (J) 保 育 園 KU 平 均 値 の 差 (I-J) 標 準 誤 差 有 意 確 率b 第1 段 階 3 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 .153 .930 .870 U 保 育 園 K 保 育 園 -.153 .930 .870 4 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 .152 .989 .878 U 保 育 園 K 保 育 園 -.152 .989 .878 5 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 -.169 .919 .855 U 保 育 園 K 保 育 園 .169 .919 .855 第2 段 階 3 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 -.146 1.126 .897 U 保 育 園 K 保 育 園 .146 1.126 .897 4 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 -.004 1.001 .997 U 保 育 園 K 保 育 園 .004 1.001 .997 5 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 -.166 .930 .858 U 保 育 園 K 保 育 園 .166 .930 .858 第3 段 階 3 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 7.448 * .909 .000 U 保 育 園 K 保 育 園 -7.448* .909 .000 4 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 8.831 * 1.018 .000 U 保 育 園 K 保 育 園 -8.831* 1.018 .000 5 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 1.582 .961 .101 U 保 育 園 K 保 育 園 -1.582 .961 .101 図1 によれば、移動距離、移動平均加速度が最大 で あ っ た 身 体 部 位 は 骨 盤 で あ る こ と が わ か る 。 と こ 表4 被験者間効果の検定における主効果・交互作用 要 因 自 由 度 F 有 意 確 率 段 階 2 120.357 p < .005 保 育 園KU 1 36.316 p < .005 年 齢 2 1.295 n.s. 段 階 * 保育園 KU 2 38.016 p < .005 段 階 * 年齢 4 2.021 n.s. 保 育 園KU * 年齢 2 6.07 p < .005 段 階 * 保育園 KU * 年齢 4 4.962 p < .005 こ の よ う に 、MEB プログラムの活動第 1 段階と第 2 段階測定時の平均値はあまり変わらず、第 3 段階 で の 移 動 距 離 が 大 き く 、 園 別 で は 、3 歳児と 4 歳児 でK 保育園児が U 保育園児よりも大きいという結果 が 得 ら れ た 。こ れ は 、U 保育園児と K 保育園児の平 均 値 に よ る 比 較 で あ る た め 、 次 に 、 特 徴 的 な 個 別 デ ー タ の 一 部 に つ い て 取 り 上 げ る 。 2. MEB プ ロ グ ラ ム の 活 動 段 階 別 の 移 動 距 離 お よ び 移 動 軌 跡 の 比 較 図1 は、U 保育園音楽テスト 1 回目で最も高得点 で あ っ た 5 歳女児 A について、活動第 1 段階目の活 動 項 目 測 定 時 の 右 肩 、 右 手 、 右 足 、 骨 盤 、 頭 部 の 移 動 距 離 と 移 動 平 均 加 速 度 を 示 し た も の で あ る 。 こ の 5 歳女児の音楽テストの得点は、「 Ⅰ 強 弱 」で 平 均 値 を 0.5 ポイント下回っていたが、他の 5 領域および 総 合 得 点 で 平 均 値 よ り 高 く 、「 Ⅲ リ ズ ム 」「 Ⅵ 表 現 鑑 賞 」 で は 約3 ポイント高かった。 図1 活 動 第 1 段 階 の MVN 測 定 に よ る 身 体 部 位 別 の 移 動 距 離(m)と 移 動 平 均 加 速 度 (m/s2) 表5 保 育 園 要 因 の 段 階 要 因 * 年 齢 要 因 に お け る 多 重 比 較 段 階 年 齢 (I) 保 育 園 KU (J) 保 育 園 KU 平 均 値 の 差 (I-J) 標 準 誤 差 有 意 確 率b 第1 段 階 3 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 .153 .930 .870 U 保 育 園 K 保 育 園 -.153 .930 .870 4 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 .152 .989 .878 U 保 育 園 K 保 育 園 -.152 .989 .878 5 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 -.169 .919 .855 U 保 育 園 K 保 育 園 .169 .919 .855 第2 段 階 3 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 -.146 1.126 .897 U 保 育 園 K 保 育 園 .146 1.126 .897 4 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 -.004 1.001 .997 U 保 育 園 K 保 育 園 .004 1.001 .997 5 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 -.166 .930 .858 U 保 育 園 K 保 育 園 .166 .930 .858 第3 段 階 3 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 7.448 * .909 .000 U 保 育 園 K 保 育 園 -7.448* .909 .000 4 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 8.831 * 1.018 .000 U 保 育 園 K 保 育 園 -8.831* 1.018 .000 5 歳 児 K 保 育 園 U 保 育 園 1.582 .961 .101 U 保 育 園 K 保 育 園 -1.582 .961 .101 図1 によれば、移動距離、移動平均加速度が最大 で あ っ た 身 体 部 位 は 骨 盤 で あ る こ と が わ か る 。 と こ 図 1 活動第 1 段階のMVN測定による身体部位別の 移動距離(m)と移動平均加速度(m/s2)

(7)

く大きくなっており、続いて骨盤、右手、右足、右肩 の順に移動距離が増加していた。図 3 に示した移動平 均加速度の変化については、活動第 1 段階では最大で あった骨盤の測定値が活動第 2 段階で減少し、活動第 3 段階ではあまり変化していなかった。それでも、骨 盤の測定値は活動第 1 段階と第 2 段階で大きく、第 3 段階でも頭部の次に測定値が大きいことがわかる。骨 盤以外の身体部位の移動平均加速度は、活動第 2 段階 から活動第 3 段階までで増加しており、頭部の測定値 は最大となっている。それに続いて、右肩、右足、右 手の順に類似した増加が見られた。 これらのことから、活動第 1 段階と第 2 段階では、 重心をとりながら手足を中心に動かしていたが、活動 第 3 段階では、頭を大きく動かして音楽の表そうとす る事象のイメージを表現すると同時に、頭を手足と一 緒に動かしながら拍をとるという様子が観察されたこ とが検証されていると考えられた。そのことは、活動 第 1 段階と第 2 段階でほとんど変化が生じなかった頭 部の移動平均加速度が活動第 3 段階で他の測定部位よ りも増加しているという事実からもわかる。同時に、 活動第 2 段階から第 3 段階までは、骨盤の移動平均加 速度はほぼ一定しており、大きく動き回ったにもかか わらず、他の右手、右足、頭といった各身体部位の動 きを一定に支えていたことがわかった。このことは、 頭や手足をむやみに動かしたのではなく、音楽を聴い て、リズムや音の強弱といった音楽的諸要素を感受し 認識しつつある過程を表すものであると考察された。 次に、U保育園 5 歳女児Aの活動段階別の移動軌跡 について、ここでは変化が特徴的であった頭部による ものだけを図 4 から図 6 までに示す。 上記の図 4 から図 6 は、顕著な増加を生じた頭部の 測定データから描出した移動軌跡を示しているが、そ れらからも活動段階が進むにつれて移動距離が増加し ていることが読み取れる。すなわち、活動第 1 段階の 頭部の移動距離は 1.607 ⅿ、第 2 段階で 1.757 ⅿ、第 3 段階で 6.745 ⅿであった。同時に、ここでは示して いない同女児の同じ測定時の骨盤部位の移動軌跡は、 活動第 2 段階から第 3 段階において頭の移動軌跡と次 第に類似した形となっていた。このことからも、同女 児が、身体全体を協応させながら音楽的表現を行って いたことがわかる。 3.音楽的表現における動きの要素と音楽的諸要素の 認識との関係性についての分析 活動第 1 段階のKU保育園の 5 歳児において、MVN による対象部位の測定結果と音楽テストの領域別得点 との関係を示すため、Russell (1980 A Circumplex Models) により考案されBurger等(2013b)により改良 されたCircular Affectを作成した。 Circular Affectでは、9 部位の測定値と 2 領域の音 ろ が 、 次 に 示 し た 活 動 段 階 別 の 移 動 距 離 と 移 動 平 均 加 速 度 の 変 化 を 身 体 部 位 別 に 辿 っ て み る と 、 図2 に 示 し た 移 動 距 離 に つ い て は 、 活 動 第1 段階から活動 第2 段階までは骨盤の移動距離が最大であるのに対 し て 、 活 動 第2 段階から活動第 3 段階までの頭部の 測 定 値 が 著 し く 大 き く な っ て お り 、 続 い て 骨 盤 、 右 手 、 右 足 、 右 肩 の 順 に 移 動 距 離 が 増 加 し て い た 。 図 3 に示した移動平均加速度の変化については、活動 第 1 段階では最大であった骨盤の測定値が活動第 2 段 階 で 減 少 し 、 活 動 第3 段階ではあまり変化してい な か っ た 。 そ れ で も 、 骨 盤 の 測 定 値 は 活 動 第1 段階 と 第2 段階で大きく、第 3 段階でも頭部の次に測定 値 が 大 き い こ と が わ か る 。 骨 盤 以 外 の 身 体 部 位 の 移 動 平 均 加 速 度 は 、 活 動 第2 段階から活動第 3 段階ま で で 増 加 し て お り 、 頭 部 の 測 定 値 は 最 大 と な っ て い る 。そ れ に 続 い て 、右 肩 、 右足、右手の順に類似し た 増 加 が 見 ら れ た 。 こ れ ら の こ と か ら 、活 動 第1 段階と第 2 段階では、 重 心 を と り な が ら 手 足 を 中 心 に 動 か し て い た が 、 活 動 第3 段階では、頭を大きく動かして音楽の表そう と す る 事 象 の イ メ ー ジ を 表 現 す る と 同 時 に 、 頭 を 手 足 と 一 緒 に 動 か し な が ら 拍 を と る と い う 様 子 が 観 察 さ れ た こ と が 検 証 さ れ て い る と 考 え ら れ た 。 そ の こ と は 、 活 動 第1 段階と第 2 段階でほとんど変化が生 じ な か っ た 頭 部 の 移 動 平 均 加 速 度 が 活 動 第3 段階で 他 の 測 定 部 位 よ り も 増 加 し て い る と い う 事 実 か ら も わ か る 。同 時 に 、活 動 第2 段階から第 3 段階までは、 骨 盤 の 移 動 平 均 加 速 度 は ほ ぼ 一 定 し て お り 、 大 き く 動 き 回 っ た に も か か わ ら ず 、 他 の 右 手 、 右 足 、 頭 と い っ た 各 身 体 部 位 の 動 き を 一 定 に 支 え て い た こ と が わ か っ た 。 こ の こ と は 、 頭 や 手 足 を む や み に 動 か し た の で は な く 、 音 楽 を 聴 い て 、 リ ズ ム や 音 の 強 弱 と い っ た 音 楽 的 諸 要 素 を 感 受 し 認 識 し つ つ あ る 過 程 を 表 す も の で あ る と 考 察 さ れ た 。 図2 身 体 部 位 別 の 移 動 距 離 の 活 動 段 階 別 変 化 (m) 図 3 身 体 部 位 別 の 移 動 平 均 加 速 度 の 活 動 段 階 別 変 化 (m/s2) 次 に 、U 保育園 5 歳女児 A の活動段階別の移動軌 跡 に つ い て 、 こ こ で は 変 化 が 特 徴 的 で あ っ た 頭 部 に よ る も の だ け を 図4 から図 6 までに示す。 図4 第 1 段 階 の 頭 の 移 動 軌 跡 図 5 第 2 段 階 の 頭 の 移 動 軌 跡 図 6 第 3 段 階 の 頭 の 移 動 軌 跡 上 記 の 図4 から図 6 は、顕著な増加を生じた頭部 の 測 定 デ ー タ か ら 描 出 し た 移 動 軌 跡 を 示 し て い る が 、 そ れ ら か ら も 活 動 段 階 が 進 む に つ れ て 移 動 距 離 が 増 加 し て い る こ と が 読 み 取 れ る 。 す な わ ち 、 活 動 第 1 段 階 の 頭 部 の 移 動 距 離 は1.607m、第 2 段階で 1.757m、 第 3 段階で 6.745m であった。同時に、ここでは示 し て い な い 同 女 児 の 同 じ 測 定 時 の 骨 盤 部 位 の 移 動 軌 跡 は 、 活 動 第2 段階から第 3 段階において頭の移動 図 2 身体部位別の移動距離の活動段階別変化(m) 図 3 身体部位別の移動平均加速度の活動段階別変化(m/s2) ろ が 、 次 に 示 し た 活 動 段 階 別 の 移 動 距 離 と 移 動 平 均 加 速 度 の 変 化 を 身 体 部 位 別 に 辿 っ て み る と 、 図2 に 示 し た 移 動 距 離 に つ い て は 、 活 動 第1 段階から活動 第2 段階までは骨盤の移動距離が最大であるのに対 し て 、 活 動 第2 段階から活動第 3 段階までの頭部の 測 定 値 が 著 し く 大 き く な っ て お り 、 続 い て 骨 盤 、 右 手 、 右 足 、 右 肩 の 順 に 移 動 距 離 が 増 加 し て い た 。 図 3 に示した移動平均加速度の変化については、活動 第 1 段階では最大であった骨盤の測定値が活動第 2 段 階 で 減 少 し 、 活 動 第3 段階ではあまり変化してい な か っ た 。 そ れ で も 、 骨 盤 の 測 定 値 は 活 動 第1 段階 と 第2 段階で大きく、第 3 段階でも頭部の次に測定 値 が 大 き い こ と が わ か る 。 骨 盤 以 外 の 身 体 部 位 の 移 動 平 均 加 速 度 は 、 活 動 第2 段階から活動第 3 段階ま で で 増 加 し て お り 、 頭 部 の 測 定 値 は 最 大 と な っ て い る 。そ れ に 続 い て 、右 肩 、 右足、右手の順に類似し た 増 加 が 見 ら れ た 。 こ れ ら の こ と か ら 、活 動 第1 段階と第 2 段階では、 重 心 を と り な が ら 手 足 を 中 心 に 動 か し て い た が 、 活 動 第3 段階では、頭を大きく動かして音楽の表そう と す る 事 象 の イ メ ー ジ を 表 現 す る と 同 時 に 、 頭 を 手 足 と 一 緒 に 動 か し な が ら 拍 を と る と い う 様 子 が 観 察 さ れ た こ と が 検 証 さ れ て い る と 考 え ら れ た 。 そ の こ と は 、 活 動 第1 段階と第 2 段階でほとんど変化が生 じ な か っ た 頭 部 の 移 動 平 均 加 速 度 が 活 動 第3 段階で 他 の 測 定 部 位 よ り も 増 加 し て い る と い う 事 実 か ら も わ か る 。同 時 に 、活 動 第2 段階から第 3 段階までは、 骨 盤 の 移 動 平 均 加 速 度 は ほ ぼ 一 定 し て お り 、 大 き く 動 き 回 っ た に も か か わ ら ず 、 他 の 右 手 、 右 足 、 頭 と い っ た 各 身 体 部 位 の 動 き を 一 定 に 支 え て い た こ と が わ か っ た 。 こ の こ と は 、 頭 や 手 足 を む や み に 動 か し た の で は な く 、 音 楽 を 聴 い て 、 リ ズ ム や 音 の 強 弱 と い っ た 音 楽 的 諸 要 素 を 感 受 し 認 識 し つ つ あ る 過 程 を 表 す も の で あ る と 考 察 さ れ た 。 図2 身 体 部 位 別 の 移 動 距 離 の 活 動 段 階 別 変 化 (m) 図 3 身 体 部 位 別 の 移 動 平 均 加 速 度 の 活 動 段 階 別 変 化 (m/s2) 次 に 、U 保育園 5 歳女児 A の活動段階別の移動軌 跡 に つ い て 、 こ こ で は 変 化 が 特 徴 的 で あ っ た 頭 部 に よ る も の だ け を 図4 から図 6 までに示す。 図4 第 1 段 階 の 頭 の 移 動 軌 跡 図 5 第 2 段 階 の 頭 の 移 動 軌 跡 図 6 第 3 段 階 の 頭 の 移 動 軌 跡 上 記 の 図 4 から図 6 は、顕著な増加を生じた頭部 の 測 定 デ ー タ か ら 描 出 し た 移 動 軌 跡 を 示 し て い る が 、 そ れ ら か ら も 活 動 段 階 が 進 む に つ れ て 移 動 距 離 が 増 加 し て い る こ と が 読 み 取 れ る 。 す な わ ち 、 活 動 第 1 段 階 の 頭 部 の 移 動 距 離 は1.607m、第 2 段階で 1.757m、 第 3 段階で 6.745m であった。同時に、ここでは示 し て い な い 同 女 児 の 同 じ 測 定 時 の 骨 盤 部 位 の 移 動 軌 跡 は 、 活 動 第2 段階から第 3 段階において頭の移動 図 4 第 1 段階の頭の移動軌跡 図 5 第 2 段階の頭の移動軌跡 図 6 第 3 段階の頭の移動軌跡

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楽テストの関係を 2 次元上に表し、矢印の長さが相関 強度、矢印の角度がベクトルの偏移を示す。前述 3.1 (2)に平均値を示した筆者作成の音楽テスト 1 回目の 結果について検討した 6 領域のうち、図 7 に示したク ラスター分析結果により、ユークリッド距離が遠い組 み合わせの一つである「Ⅲリズム」と「Ⅵ表現鑑賞」 を用いた。 そして、MVN測定による身体各部位の活動第 1 段 階のデータと、音楽テスト 1 回目の得点との間にどの ような相関が見られるかについて、Circular Affect modelによって表した。前述のとおり、身体部位のデ ータについて検討した結果、骨盤、右手、右足に関す る加速度と速度が特徴的であった。 そこで、表 6 に、活動第 1 段階のU保育園 5 歳児の対 象である身体部位測定値と音楽テストの各領域別得点 との相関を示す。ここでは、その相関がより明確であ ったU保育園 5 歳児の分析結果について述べる。過去 の測定で、音楽的表現における動きの要素が大きく、 動きが音楽的諸要素の認識に先行していると考察され たことも(佐野2015b)、U保育園 5 歳児の分析結果を - 206 - - 207 - 軌 跡 と 次 第 に 類 似 し た 形 と な っ て い た 。 こ の こ と か ら も 、 同 女 児 が 、 身 体 全 体 を 協 応 さ せ な が ら 音 楽 的 表 現 を 行 っ て い た こ と が わ か る 。 3. 音 楽 的 表 現 に お け る 動 き の 要 素 と 音 楽 的 諸 要 素 の 認 識 と の 関 係 性 に つ い て の 分 析 活 動 第1 段階の KU 保育園の 5 歳児において、MVN に よ る 対 象 部 位 の 測 定 結 果 と 音 楽 テ ス ト の 領 域 別 得 点 と の 関 係 を 示 す た め 、Russell (1980 A Circumplex Models) に よ り 考 案 さ れ Burger 等 (2013b)に よ り 改 良 さ れ たCircular Affect を作成した。 Circular Affect では、9 部位の測定値と 2 領域の音 楽 テ ス ト の 関 係 を2 次元上に表し、矢印の長さが相 関 強 度 、 矢 印 の 角 度 が ベ ク ト ル の 偏 移 を 示 す 。 前 述 3.1(2)に平均 値を示した筆 者作成の音楽 テスト 1 回 目 の 結 果 に つ い て 検 討 し た6 領域のうち、図 7 に示 し た ク ラ ス タ ー 分 析 結 果 に よ り 、 ユ ー ク リ ッ ド 距 離 が 遠 い 組 み 合 わ せ の 一 つ で あ る「III リズム」と「VI 表 現 鑑 賞 」 を 用 い た 。 そ し て 、MVN 測 定 に よ る 身 体 各 部 位 の 活 動 第 1 段 階 の デ ー タ と 、 音 楽 テ ス ト1 回目の得点との間に ど の よ う な 相 関 が 見 ら れ る か に つ い て 、Circular Affect model によって表した。前述のとおり、身体 部 位 の デ ー タ に つ い て 検 討 し た 結 果 、骨 盤 、右 手 、 右 足 に 関 す る 加 速 度 と 速 度 が 特 徴 的 で あ っ た 。 図7 U 保 育 園 音 楽 テ ス ト 1 回 目 領 域 別 得 点 の ク ラ ス タ ー 分 析 結 果 そ こ で 、表6 に、活動第 1 段階の U 保育園 5 歳児 の 対 象 で あ る 身 体 部 位 測 定 値 と 音 楽 テ ス ト の 各 領 域 別 得 点 と の 相 関 を 示 す 。 こ こ で は 、 そ の 相 関 が よ り 明 確 で あ っ たU 保育園 5 歳児の分析結果について述 べ る 。 過 去 の 測 定 で 、 音 楽 的 表 現 に お け る 動 き の 要 素 が 大 き く 、 動 き が 音 楽 的 諸 要 素 の 認 識 に 先 行 し て い る と 考 察 さ れ た こ と も(佐野 2015b)、U 保育 園 5 歳 児 の 分 析 結 果 を 示 す 理 由 で あ る 。 結 果 と し て 、 表 7 の 相 関 強 度 で は 、 骨 盤 加 速 度 0.985、右手加速度 0.705、右手距離 0.657 が高い数 値 を 示 し て お り 、 骨 盤 お よ び 右 手 の 運 動 が 音 楽 テ ス ト 結 果 と の 相 関 が 強 い こ と が わ か っ た 。 ま た 、 図 8 に 示 し た 偏 移 角 度 で は 、 骨 盤 の 距 離 (Pelvis Dist.)・速度(Pelvis V.)・加速度(Pelvis Acc.)が 54.5°~ 90.1°、 右 足 の 距 離 (R Foot Dist.)・ 速 度 (R

Foot V)・加速度(R Foot Acc.)が 58°~116.6°と比較 的 狭 い 領 域 に 分 布 し て い る 一 方 、右 手 の 距 離(R Hand Dist.)・ 速 度 (R Hand V.)・ 加 速 度 (R Hand Acc.) は 69.7°~242.9 と幅広い領域に分布していた。狭い領 域 に 分 布 し て い た 骨 盤 と 右 足 は 偏 移 角 度 が 近 接 し て お り 、か つ90°に近いことから、骨盤と右足のベク ト ル は 領 域 「III リズム(TestⅢ)」より「VI 表現鑑賞 (TestⅥ)」のベクトルに近いことがわかった。 こ の よ う に 、Circular Affect によって、音楽的表現 に お け る 身 体 的 な 動 き の 特 徴 が 、 こ れ ま で の 身 体 部 位1 か所の測定値の変化よりも具体的に抽出できる こ と が わ か っ た 。 つ ま り 、U 保育園 5 歳児達は、手 拍 子 等 に よ っ て 拍 を と る だ け で な く 、 手 を 大 き く 使 い な が ら 音 楽 に 合 わ せ て イ メ ー ジ を 表 現 し 、同 時 に 、 足 で も リ ズ ム を と っ て い る こ と が 、 筆 者 に よ る 過 去 図 7 U保育園音楽テスト 1 回目領域別得点のクラスター分析結果 表 6 活動第 1 段階のU保育園 5 歳児の対象部位の測定値と音楽テストの各領域別得点との相関 表 7 音楽テスト領域Ⅲリズムと領域Ⅵ表現・鑑賞における相関強度と偏移角度 相関強度 偏移角度 骨盤距離 0.336 54.5° 右手距離 0.657 166.3° 右足距離 0.157 116.8° 骨盤速度 0.230 89.2° 右手速度 0.512 69.7° 右足速度 0.200 116.6° 骨盤加速度 0.985 90.1° 右手加速度 0.705 242.9° 右足加速度 0.377 58°   相関強度   偏移角度 骨盤距離 0.336    54.5° 右手距離 0.657   166.3° 右足距離 0.157   116.8° 骨盤速度 0.23    89.2° 右手速度 0.512    69.7° 右足速度 0.2   116.6° 骨盤加速度 0.985    90.1° 右手加速度 0.705   242.9° 右足加速度 0.377    58°

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示す理由である。 結 果 と し て、表 7 の 相 関 強 度 で は、骨 盤 加 速 度 0.985、右手加速度 0.705、右手距離 0.657 が高い数 値を示しており、骨盤および右手の運動が音楽テスト 結果との相関が強いことがわかった。 ま た、図 8 に 示 し た 偏 移 角 度 で は、骨 盤 の 距 離 (Pelvis Dist.)・速 度 (Pelvis V.)・加 速 度 (Pelvis Acc.)が 54.5°~ 90.1°、右足の距離(R Foot Dist.)・ 速 度 (R Foot V)・加 速 度 (R Foot Acc.) が 58°~ 116.6°と比較的狭い領域に分布している一方、右手の 距離(R Hand Dist.)・速度(R Hand V.)・加速度(R Hand Acc.) は69.7°~242.9と幅広い領域に分布し ていた。狭い領域に分布していた骨盤と右足は偏移角 度が近接しており、かつ 90°に近いことから、骨盤と 右足のベクトルは領域「Ⅲリズム(TestⅢ)」より 「Ⅵ表現鑑賞 (TestⅥ)」のベクトルに近いことがわ かった。 このように、Circular Affectによって、音楽的表現 における身体的な動きの特徴が、これまでの身体部位 1 か所の測定値の変化よりも具体的に抽出できること がわかった。つまり、U保育園 5 歳児達は、手拍子等 によって拍をとるだけでなく、手を大きく使いながら 音楽に合わせてイメージを表現し、同時に、足でもリ ズムをとっていることが、筆者による過去の幼児の観 察による事例分析を検証する結果となったということ である。また、観察時にはそれほど明白でなかった動 きの様相が、数値に現れたことによって、音楽的表現 の要素としての動きの重要性を示していると考えられ る。一方で、骨盤と右足のベクトルは領域「Ⅲリズ ム」より「Ⅵ表現鑑賞」のベクトルに近いことから、 活動第 1 段階では、音楽に合わせてよりリズムをとっ ていたのは手であることが右手加速度との相関からわ かり、音楽に対する幼児の主観的感情をより表現して いたのは、骨盤の動きの加速度であったと考察され た。 Ⅳ 考察のまとめ 本稿では、MEBプログラム実践前の音楽テスト 1 回目の得点とMVNによる音楽的表現における身体的 な動きの要素の測定結果との相関を示すことで、幼児 の音楽的表現の特徴を抽出しようとした。音楽テスト は、4 歳児と 5 歳児が対象であったため、MVN測定 結果の分析対象も、ここでは 4 歳児と 5 歳児となっ た。活動段階別のMVN測定結果は、比較的に捉える ために、3 歳児、4 歳児、5 歳児に関する分析結果を 提示した。結果的に、K保育園の全年齢とU保育園の 3 歳児と 5 歳児においては、第 3 段階が、第 1 段階ま たは第 1・第 2 段階の両方に対して有意差が見られ の 幼 児 の 観 察 に よ る 事 例 分 析 を 検 証 す る 結 果 と な っ た と い う こ と で あ る 。 ま た 、 観 察 時 に は そ れ ほ ど 明 白 で な か っ た 動 き の 様 相 が 、 数 値 に 現 れ た こ と に よ っ て 、 音 楽 的 表 現 の 要 素 と し て の 動 き の 重 要 性 を 示 し て い る と 考 え ら れ る 。 一 方 で 、 骨 盤 と 右 足 の ベ ク ト ル は 領 域 「III リズム」より「VI 表現鑑賞」のベ ク ト ル に 近 い こ と か ら 、 活 動 第 1 段階では、音楽に 合 わ せ て よ り リ ズ ム を と っ て い た の は 手 で あ る こ と が 右 手 加 速 度 と の 相 関 か ら わ か り 、 音 楽 に 対 す る 幼 児 の 主 観 的 感 情 を よ り 表 現 し て い た の は 、 骨 盤 の 動 き の 加 速 度 で あ っ た と 考 察 さ れ た 。 表6 活 動 第 1 段 階 の U 保 育 園 5 歳 児 の 対 象 部 位 の 測 定 値 と 音 楽 テ ス ト の 各 領 域 別 得 点 と の 相 関 I II III IV V VI 骨盤距離 -0.33 -0.50 -0.30 0.39 -0.28 -0.14 右手距離 0.34 -0.36 -0.48 -0.20 -0.50 -0.45 右足距離 -0.36 -0.17 0.09 0.53 0.00 0.13 骨盤速度 -0.24 -0.31 0.07 0.44 -0.10 0.22 右手速度 0.41 -0.26 -0.38 -0.16 -0.39 -0.34 右足速度 -0.31 -0.13 0.12 0.50 0.02 0.16 骨盤加速度 -0.05 0.37 0.65 0.19 0.27 0.74 右手加速度 0.22 0.30 0.61 0.08 0.54 0.36 右足加速度 -0.30 -0.57 -0.31 0.30 -0.34 -0.21 表7 音 楽 テ ス ト 領 域 III リ ズ ム と 領 域 VI 表 現 ・ 鑑 賞 に お け る 相 関 強 度 と 偏 移 角 度

図8 第 1 段 階 の U 保 育 園 5 歳 児 の Circular Affect

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た。また、2 か所の保育園で骨盤の移動距離に差異が 見られたのは 3 歳児と 4 歳児においてであり、5 歳児 についてはあまり変わらなかった。 さらに、具体的に特徴的なU保育園 5 歳児の個別デ ータを見ると、MEBプログラムの活動第 2 段階から 第 3 段階までの移動距離、移動平均加速度の変化が著 しく、特に頭部の測定値の増加が大きかった。 そこで、U保育園 5 歳児に関して、MEBプログラ ム実践前の音楽テスト 1 回目の得点とMVNによる音 楽的表現における動きの要素の測定結果との相関につ いてCircular Affectによる分析を行った。その結果、 活動第 1 段階では、音楽に合わせてよりリズムをとっ ていたのは手であることが「Ⅲリズム」と右手加速度 との相関からわかり、音楽に対する幼児の主観的感情 をより表現していたのは、「Ⅵ表現鑑賞」との相関の 強い骨盤の動きの加速度であったと考察された。 本稿でU保育園 5 歳児に関して提示したように、音 楽的表現における身体的な動きの要素に関してデータ 分析を行うことを通して、その動きの要素の特徴、お よび音楽的諸要素の認識との密接な関係性について、 より具体的に示すことができると考えられる。今後、 他の対象園における活動段階別の測定を全て終えてデ ータ量を得た後に、活動段階別の詳細な分析や、 MEBプログラム実践後の音楽テスト 2 回目の得点と 活動第 4 段階のMVN測定値との相関についての分析 を行う必要がある。 注 1 )佐野美奈 (2015a)「幼児期における拍感の認識の 形成過程を示す音楽的表現の特徴―K保育園の 5 歳児に対する音楽的表現育成プログラムの実践を 通して―」『音楽教育実践ジャーナル』Vol.12-2、 pp.120-131に、その活動内容の要約と実践の概 要を示している。 2 )音楽テストについては、 佐野美奈(2014a)「幼児 の音楽的諸要素の認識に関する音楽テストの項 目」『大阪樟蔭女子大学研究紀要』4、 pp.67-74 参照。音楽テストの項目に関する概要は次のとお りである。「Ⅰ音の強弱」は、リズム楽器やピア ノの音を聴いて大小を選択する 5 項目、ピアノで 奏されるメロディの強弱を選択する 5 項目から成 る。「Ⅱ音の数長短」は、リズム楽器やピアノで 奏される同じ音が聴こえた回数 3 項目、ピアノで 奏される音の長短を選択する 3 項目、音と音との 間の休符を感受する 2 項目、音の長さによる速度 感を選択する 2 項目である。「Ⅲリズム」は、ピ アノ音を聴いて異なるリズムのものを選択する 2 項目、同じリズムのものを選択する 4 項目、動作 のイメージを表したリズムの感受 1 項目、同じ短 いリズムパターンの出現回数 3 項目である。「Ⅳ 音の高低」は、ピアノ音の高低を選択する 7 項 目、次第に高くなっていくメロディを選択する 1 項目、音同士の跳躍の大小を選択する 2 項目であ る。「Ⅴ協和」は、ピアノ音の重なりの感受 10 項 目である。「Ⅵ表現・鑑賞」は、メロディの有す るイメージの感受 9 項目、絵・写真から感受する イメージと音楽との関係性 1 項目( 4 小項目)で ある。 参考文献 安藤明伸、住川泰希(2010)「モーションキャプチャと 仮想空間を利用した鋸引き動作観察教材の開発と 機 能 評 価」『日 本 教 育 工 学 会 論 文 誌』36 (2)、 pp.103-110.

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参照

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