ペットセラピーにおける身体性の効果
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(2) 情報処理学会第 78 回全国大会. 閉眼時の脳波を 1 分間計測した.ペットロボット,ま たはデジタルペットと 2 分間自由にふれあった後,再 度被験者の安静閉眼時の脳波を 1 分間計測した.被験 者はペットロボット,デジタルペット,双方とふれあ うが,順序効果を考慮し,ペットロボットからふれあ う群とデジタルペットからふれあう群に振り分けた. 3.3 実験結果 取得した脳波データの内,リラックス度の指標とな るα波とストレス度の指標となるβ波の含有率の変化 を分析した.各条件の結果を図 3,図 4 に示す.順序 効果による影響は確認されなかった. Content Ratios [%]. 40. **. +. 30 20 10. 0. Alpha Wave. Beta Wave. 4 まとめ. ** p<0.01, + 0.05<p<0.10. ■ Before Interaction ■ After Interaction. 本稿では,身体性という観点から,ペットロボット とデジタルペットのセラピー効果を生理学的に比較検 証した.その結果,デジタルペットと比較してペット ロボットとふれあった時の方が,α波の含有率の変化 量が有意に高かったことから,身体性を有するペット ロボットの方が高いセラピー効果を引き出すことがで きることを確認した.今後は,ふれあいやすさという 観点からちょぼにゃんを改良し,継続的なセラピー効 果の検証を進める.. 図 3: ペットロボット条件における脳波の変化 Content Ratios [%]. 40. 30 20 10. 0. Alpha Wave. Beta Wave. ■ Before Interaction ■ After Interaction. 謝辞. 図 4: デジタルペット条件における脳波の変化. Delta Content Ratios [%]. t 検定の結果,ペットロボットとふれあう前後でα 波の含有率は有意に増加(p=0.006)し,β波の含有 率は減少傾向(p=0.074)にあることが確認できた. 一方,デジタルペットとふれあう前後ではα波,β波 の含有率ともに差を確認できなかった. 次に,α波とβ波の含有率の変化量を条件間で比較 した.結果を図 5 に示す. 10. *. 5. 0 -5 Alpha Wave. Beta Wave. -10. t 検定の結果,ペットロボットとふれあった時とデ ジタルペットとふれあった時のα波の含有率の変化量 には有意な差(p=0.047)があることが確認できた. 以上より,身体性を有するペットロボットの方がユー ザをリラックスさせる効果が高いと言える. 3.4 考察 本実験において,デジタルペットのセラピー効果を 確認できなかった原因として,ふれあいにくさが挙げ られる.実験後のインタビューで,自分の手がちょじ にゃんに触れているかが分かりづらく戸惑ったと答え た被験者が多かった.これはちょじにゃんに触れたこ とを被験者にフィードバックする手段がないことに起 因しているが,その背景にあるのは,身体性を有さな いが故のふれあいにくさである.ペットロボット条件 において,β波の含有率の変化が減少傾向にとどまっ た原因もふれあいにくさにある可能性があるため,今 後,ちょぼにゃんの改良が必要であると考える.. * 0.01<p<0.05. ■ PR Condition ■ DP Condition. 図 5: 条件間の脳波の変化量の比較. 4-20. 本研究は,一部,JST 研究成果展開事業マッチング プランナープログラム(課題番号:MP27115663051)の 支援により行われた.. 参考文献 [1] 柴田崇徳,和田一義:アザラシ型ロボット「パ ロ」によるロボット・セラピーの効果の臨床・ 実証実験について,日本ロボット学会誌,Vol. 29,No.3,pp.246-249,2011. [2] ねこあつめ公式サイト,http://hpmobile.jp/games/neko/ (2016/01/04 アクセス). [3] 林里奈,加藤昇平:ロボット・セラピーに向け た小型ぬいぐるみロボットの開発-駆動メカニ ズムの設計と動作評価-,第 17 回日本感性工学 会大会予稿集,2015. [4] 橿淵めぐみ,黒須正明,坂本章:人間とロボッ トの相互作用に関する実証的研究,NIME 研究報 告第 10 号,2005.. Copyright 2016 Information Processing Society of Japan. All Rights Reserved..
(3) [訂 正]. 本論文のタイトルに誤りがありましたので、以下のとおり訂正しいたしました。. (誤)セラピー効果における身体性の重要性. (正)ペットセラピーにおける身体性の効果. 以上.
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