研究プロジェクト評価報告書 平成23年度
著者
東北大学未来科学技術共同研究センター
雑誌名
研究プロジェクト評価報告書
ページ
1-100
発行年
2012-03
URL
http://hdl.handle.net/10097/57464
研究プロジェクト評価報告書
平成 24 年 3 月
はじめに
東北大学未来科学技術共同研究センター:NICHe
は、産業界など外部との連携により大学の知的資源を有効に活用し、広く国内産業の活性化に資すること
を目的として平成 10 年 4 月に設立されました。センター活動の場として、平成1
2 年 2 月に本館、平成 1 3 年 1 1 月に未来情報産業研究館、平成 1 4 年 3 月
にハッチェリー・スクエア一、さらに平成 2 2 年 3 月に未来産業技術共同研究館を竣工しました。これらの建物は全て、入退室管理や情報ネットワーク管理
などセキュリティに配慮した機能を充実させていることが特徴です。NICHe の開発企画部は専任の教員により、プロジェクト企画と推進調整業務
を戦略的に進めるとともに、開発研究部に所属する各研究フ。ロジェクトでは本 邦基幹産業の国際競争力を支え、かっ新産業分野創出に寄与するコア技術開発 を精力的に進めています。研究プロジェクト評価はこの開発研究部活動を対象として、現在進行中の研
究フO ロジェクトについて、 NICHe のミッションとの適合性、学術的・技術的評 価ならびに産業応用の可能性に関する中間評価あるいは最終評価をするために行っております。今回は最終評価 9 件と中間評価 2 件の研究プロジェクトを対
象として実施いたしました。評価の手続きとしては、研究担当者による自己評価をベースとして、東北大
学以外の外部有識者による外部評価を書面審査と対面審査の 2 段階でいただく という方式を採用しております。 本報告書は、評価の結果ならびにいただいた意見を要約したものであり、そ の内容については今後のフ。ロジェクト推進及びセンター運営に的確に反映させ ていただきたいと考えております。 なお、今回の審査にあたりご指摘をいただきました自己評価及び書面審査の 様式について、検討を加えたうえで来年度の評価を実施する予定です。ご多忙な中で多大な労力と時間を割いて、本センター活動に対していただい
た貴重なご意見やご提言に対し、心から感謝申し上げるとともに、今後さらな
る努力をいたす決意であることを申し上げて結びと致します。
平成 24 年 3 月 東北大学未来科学技術共同研究センター長 内山 勝目次
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研究プロジェクト評価結果・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12
研究プロジェクト評価書面審査表(まとめ)・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 12 (1)最終評価プロジェクト ①安全と安心のための先進超音波計測(山中教授)・・・・・・ 12 ②組織マネジメントに関する研究プロジェクト(北村教授)・・・・・・・・・・・・ 18 ③希土類磁石向けジスプロシウム使用量低減技術開発(杉本教授)・・・・・・・・・ 24 ④実践的マルチレベルコンビ計算化学(宮本教授)・・・・・・ 30(
2
1 世紀型顧客ニーズ瞬時製品化対応新生産方式の創出(須川教授)・・・・・・・ 38 ⑥機能性結晶を用いた新規センサーシステムの開発(古川|教授)・・・・・・・・・・ 45 ⑦透明電極向けインジウム使用量低減技術開発(中村教授)・・・・・・・・・・・・ 52 ⑧薄型大画面ディスプレイの開発(内田客員教授)・・・・・・ 58 ⑨高度ロボティクス技術開発(小菅教授)・・(
2) 中間評価プロジェクト ⑩経年劣化事象の解明と予知・予測手法の開発(庄子教授)・ ⑪極限磁性スピンナノ構造体の創製(高橋教授)・3
研究プロジェクト評価実施要項4
研究プロジェクト評価委員会委員名簿5
研究プロジェクト評価委員会書面審査委員名簿6
研究プロジェクト評価委員会スケジュール表・7
未来科学技術共同研究センタ一規程8
未来科学技術共同研究センター研究プロジェクト評価委員会内規9
未来科学技術共同研究センター研究フO ロジェクト評価要項.70
.76
・ 82 ・ 91.
92
.93
.94
・ 95 ・ 98.
9
9
1
.研究プロジェクト評価結果
①「安全と安心のための先進超音波計測」 プロジェクトリーダー:山中一司教授1
.研究成果について 目標どおりの研究成果を達成した。 当該分野における世界最先端の学術成果をあげており、民間企業と協力して成果を活用 した新産業を創出し、我が国の産業発展に貢献することが期待される。独創的なボール SAW 素子の開発と閉口き裂探査手法の開発は、基盤技術としての十分な検討が成されて おり、今後の発展が期待できる。これまで進めてきた実用展開から得られた知見を学術 展開へ積極的にフィードパックする手法は着実に効果をあげている。 II. 成果の社会、経済、産業への貢献および還元 優れた研究業績をあげ、かっ「新産業分野創出 j に結びつく成果をあげているの 各課題ともに幅広い種別の団体から表彰を受けており高く評価する。特にボール SAW 素 子については独創性を重視する山崎貞一賞を受賞しており、当該技術により我が国が世 界をリードすることへ高い期待が寄せられている。また、各課題とも中核的な国際学術 誌に多数の論文を発表し、他の研究者から高く評価され引用数が多い。中核となる基本 技術が学術的に十分に検討されており、今後の幅広い応用展開が見込まれる。 皿.必要リソースの活用状況 必要リソースを十分に獲得して活用している。 公的資金を着実に獲得し、本技術の中核となる技術者の育成も行われている。 これまでは民間からの資金導入が相対的に少ないことから、民間関連企業への積極的な 働きかけを行うことで当該技術の普及を図る戦略の設定を望む。 N. 総合評価 中間評価以降、ボール SAW 素子と閉口き裂探査については、さらに技術向上と高精度化 が図られており、今後の産業への貢献度は大きいと考えられる。原子間力顕微鏡につい ても当初の目的を期間内に達成できたと評価出来る。本プロジェクトで推進した各課題 は我が国が世界をリードできる可能性を有する重要な技術であり、産学連携の的確なパ ートナーを選定した今後の活動展開を期待する。また、原子力発電所や橋梁を中心とし た大型プラントへの展開が期待できることから、経年劣化現象の解明と予知・予測を研 究対象としている NICHe 庄子フ。ロジェクトとの連携を活発化することを望む。②「組織マネジメントに関する研究プロジェクト」 プロジェクトリーダー:北村正晴教授
1
.研究成果について 目標どおりの研究成果を達成した。 難しい分野に挑戦し、社会基盤作りと人材育成への貢献を高く評価する。震災後、特に 社会から注目を浴びたプロジェクト活動である。原発事故以前の研究活動自体は優れた ものであり、研究評価としては十分である。原発事故後に原子力安全論理の再構築のテ ーマを加えたことは本プロジェクト名に相応しい内容が追加されたと評価できる。 II. 成果の社会、経済、産業への貢献および還元 優れた研究業績を挙げ、かっ「新産業分野創出」に結びつく成果をあげているの 研究期間を通じて活発に活動し、学術的のみならず、社会的注目度は非常に高かったと いえる。経済産業大臣による原子力安全功労者表彰に加え、日本原子力学会賞(論文賞) の受賞は本プロジェクト活動が評価されたものであり、活動目標としての多様な技術分 野における実践的研究によるマネジメントの改善として社会的に一定の評価を得てい る点を高く評価できる。研究の性格上、本研究が新たな産業を創出することはないが、 新産業創出とその進展において必要不可欠な基盤を提供する研究である。 皿.必要リソースの活用状況 必要リソースを十分に獲得して活用している。 適切に外部資金を獲得し、それに十分見合うだけの成果を挙げている。重要な研究活動 であるにも拘わらず、研究の輪が限定的であったことが惜しまれるが、長期間の活動に 関係した 10 名の研究者の能力向上と実績に大いに寄与したと考えられる。 N. 総合評価 第 4 期科学技術基本計画は、原発事故を踏まえて原子力の安全性向上に関する取組みに ついて国民との問で幅広い合意形成を図るための取組みを促進すると述べている。本プ ロジェクト活動は紛れもなく、基本計画が述べる取組みのもっとも有力な起点であり、 経験を良い形でインプットすることが最大の出口になる。一方、科学技術コミュニケー ションは、原子力以外の分野でも新技術の社会活用や新産業創出にあたり共通不可欠な ものであり、本研究成果が多分野に波及することを期待する。また、こうした研究テー マを NICHe で実施していることが東北大学の見識の高さの証拠といえる。東北大学とし て本研究活動を次世代に引き継ぐ方策検討と NICHe センター運営活動に継続して活用 することを依頼する。 NICHe で実施している他のプロジェクトに対して、科学技術と社 会の関係を強く意識させ、これを各活動に反映させることもミッションの一つである。③「希土類磁石向けディスプロシウム使用量低減技術開発」 プロジェクトリーダー:杉本論教授 I.研究成果について 目標以上の研究成果を達成した。 課題解決型の研究テーマとして、プロジェクト目標を上回る Dy 削減率を達成したこと を高く評価する。自動車用磁石の出力密度を大幅に向上させることにも成功した。さら に、磁気物性的知見と今後の研究指針も多数取得しており、当初計画は目標以上に達成 したと評価できる。 II. 成果の社会、経済、産業への貢献および還元 優れた研究業績をあげ、かつ、 「新産業分野創出 j に結ひ寺つく成果をあげている。 4 年間での発表論文 56 件、著書 8 件、表彰・受賞 5 件、新聞報道 24 件と成果の公表を 積極的に行い、成果の普及は十分である。対面審査実施直前に産業界が量産化へ動き出 したとし 1 う報道が為され、研究成果の実用化が着実に進み始めており、社会に大きなイ ンパクトを与える研究業績をあげたと評価できる。 III. 必要リソースの活用状況 必要リソースを十分に獲得して活用している。 公的資金の獲得量は十分であり、かっ資金は研究開発成果に十分活用されていると判断 できる。人材育成においてもポスドクや民間共同研究員を複数受け入れ、研究促進に活 用している。 N. 総合評価 わが国の政策的位置づけのもとで NEDO が推進する研究開発プロジェクトである。本プ ロジェクトには日本を代表する多数の研究者と成果の出口企業を含む多数の組織が参 画した共同研究体制が組まれたが、技術委員会の指導により研究成果と研究情報の共有 がうまくマネジメントされている。本プロジェクトの成果を抜かりなく反映し、自動車 以外にも空調機、発電機、ロボット等への応用範囲を広め、我が国の技術優位性と国際 競争力の維持に大いに寄与いただくこと、および今後の活動にあたり、ディスプロシウ ムフリーを目標とする研究へ展開することを期待する。
④「実践的マルチレベルコンビ計算化学」 プロジェクトリーダー:宮本明教授
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.研究成果について 目標以上の研究成果を達成した。 量子化学に基づくマルチレベルコンビ計算化学手法を開発し、これに基づく製品開発ま で繋げるプラットフォームとして確立した。様々な産業分野での材料開発ならびにプロ セス開発において化学が関わる実践的課題解決に適用し、産業活動に貢献する優れた研 究成果を多分野に渡り創出したことから、目標以上の進捗状況であると評価できる。 II. 成果の社会、経済、産業への貢献および還元 優れた研究業績をあげ、かつ、 「新産業分野創出」に結びつく成果をあげている。 研究成果を民間企業が商品化した件数が 4 年間で 63 件、企業との秘密保持契約が 138 件、企業との共同研究も多く、計算化学手法による新素材の開発といった新しい産業分 野を創出しつつあると判断できる。執筆論文数 90 件、依頼総説および著書 71 件、招待 講演 53 件と多く、学術的な評価も高い。 皿.必要リソースの活用状況 必要リソースを十分に獲得して活用している。 様々な領域の企業と公的機関からバランスよく十分な活動資金を得ており、学内研究者 の育成と教育者としての後継者の育成も積極的に行われている。シニア研究者の積極的 な受け入れは学生への有効な実践教育になっていると評価できる。学生の海外派遣を積 極的に進め、グローバルな人材育成をさらに進めていただくことを期待する。 IV. 総合評価 これまでの研究活動は先端技術分野で成果に結びつく実践的な設計手法として、多くの 産業界から認められている。今後も研究を発展させることにより、研究成果の社会還元 と新産業分野創出の効果拡大が期待できる。プロジェクト活動を継続することは妥当で あり、今後の活動にあたり、プロジェクト体制の戦略的構成を図り、さらに飛躍するこ とを期待する。⑤ r21 世紀型顧客ニーズ瞬時製品化対応新生産方式の創出」 プロジェクトリーダー:須川成利教授
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.研究成果について 目標以上の研究成果を達成したの 従来の分子反応ベースから脱却したラジカル反応ベースの新半導体生産方式、異種プロ セスをワンチャンバーで行う装置技術の開発などの画期的かっ究極的技術に挑戦し、技 術を確立したことは目標以上の成果を達成したと評価できる。長年の研究活動により、 東京エレクトロン(株)宮城工場の誘致に多大な貢献を果たし、地域産業界の復興発展に 明るい灯をともした。 11. 成果の社会、経済、産業への貢献および還元 優れた研究業績をあげ、かつ、 「新産業分野創出 J に結びつく成果をあげている。 研究論文数 66 件は研究者数に比較して物足りないが、引用数が 1 , 000 件を超えている 点は評価できる。 4 年間の申請・取得特許件数 744 件と多く、さらに海外出願を強く意 識した活動は高く評価できる。科学的理論に基づき、市場ニーズにあった新しい生産方 式を提示したことは十分に新産業創出に結びつくものと判断できる。 III. 必要リソースの活用状況 必要リソースを十分に獲得して活用している。 国のみならず民聞からも莫大な研究資金を獲得したことは民間からの高いニーズを示 しており、それに応じた優れた業績をあげている。多くの民間共同研究員を継続的に受 け入れており、研究員の育成とともに、研究員を通しての企業への技術移転が十分に実 施されていることが推定できる。 IV. 総合評価 多くの企業との連携で半導体製造技術の革新に繋がる技術を、学問に裏付けられた科学 的アプローチにより多数生み出してきた点を高く評価する。閉塞感漂う我が国の半導体 産業を活性化する中心的存在として、シリコン半導体産業が従来の垂直統合型ではなく、 新しい産業形態として復活することが可能となる高度な研究活動を継続することを期 待する。今後展開する応用分野の開発においては、産業化のためのシステム全体として の最適化が重要であり、より効果的な開発成果創出に繋がると思われる階層的に明確な 責任体制でプロジェクト運営することが望ましい。⑥「機能性結晶を用いた新規センサーシステムの開発」 プロジェクトリーダー:吉川彰教授
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.研究成果について 目標どおりの研究成果を達成した。 放射線検出器に使用されるシンチレータ材料として、従来品を大きく上回る発光量と応 答速度を持つ新材料 (Pr: LuAG) 開発に成功し、検査装置メーカーと共同で乳癌検査装置 (PEM) として実用化を行った。圧電単結晶の形状制御結晶成長法の研究については、情 報不足で未達成の部分があるように見えるが、全体としては企業との連携により、概ね 目標どおりの研究成果を達成したと判断できる。 ll. 成果の社会、経済、産業への貢献および還元 優れた研究業績をあげ、かつ、 「新産業分野創出」に結びつく成果をあげている。 γ 線用シンチレータについて、すでに数件の技術移転に成功しており、医療画像分野に おいて、新たな産業の創出に結びつく成果をあげていると評価できる。技術移転先であ る l 杜から対面審査直前に社会ニーズの高い携帯型の放射線測定器が市販されている。 論文 138 件と著書 4 件とし、う実績は研究チームの人数と材料研究分野という観点からは 妥当な実績であるが、質的に高いものが多い点と国内外学会での多くの受賞実績は優れ ている。 III. 必要リソースの活用状況 必要リソースを十分に獲得して活用している。 研究費の推移として外部資金の獲得状況は適正規模であり、論文数 138 件と特許出願数 80 件の研究成果は投資対効果が高い実績である。産業界のニーズを意識しつつ、 5 年間 に 10 数名の若手研究者を育成し、受賞に繋がる優れた研究成果をあげたことは高く評 価できる。 N. 総合評価 本フO ロジェクトによる新規無機シンチレータ材の研究開発成果は、従来の放射線理工学 やその応用技術に新機軸をもたらすものである。優れた研究成果であるシンチレータ応 用の今後の幅広い展開を期待する。今後の改善点として、より精織な学術的体系化、よ り貧欲な共同研究先の開拓、これまでの欧米のみならずロシア・アジア地区とのネット ワーク強化、企業向け成果創出と有能な若手研究者育成の両立の 4 点をあげる。なお、 新規プロジェクト設定にあたり、目標値の整理と再設定、本籍である金属材料研究所に おける活動との棲み分けを明確にして進めることを求める。⑦「透明電極向けインジウム使用量低減技術開発J プロジェクトリーダー:中村崇教授 1.研究成果について 目標どおりの研究成果を達成した。 具体的な目標達成度について十分に明らかでないが、資金供給元による評価において基 礎研究レベル目標を達成しており、現在その実用化に向けた具体的な開発が行われてい ることから、インジウム削減の 3 つの目標値については着実に成果をあげていると判断 できる。 II. 成果の社会、経済、産業への貢献および還元 優れた研究業績をあげているが、 「新産業分野創出 J に結びつくには課題を残す。 本研究プロジェクトにより得られた ITO ナノ粒子は導電性能に優れ、インジウム使用量 を減らすことが確認できており、インク化することで透明電極プロセスのコスト低減と 省資源化が期待できる。研究成果としては高いレベルの実績を示しており、新用途とし て従来の液晶ディスプレイに加えて、太陽電池ノ《ネルや住宅用特殊窓ガラス等を想定し ている。ただし、当該分野にさらなる革新をもたらすかという点については、産業界の 姿勢とも関係することから本成呆が新産業分野創出に結びつくには課題が残ると判断 する。 III. 必要リソースの活用状況 必要リソースを十分に獲得して活用している。 本プロジェクトは NEDO が推進する研究開発プロジェクトであり、リソースの獲得とそ の活用は十分と評価する。プロジェクトメンバーの組成も原材料開発から工業応用まで、 大学と企業の適切な連携が行える体制で構成されていた。 N. 総合評価 優れた研究成果を創出したが、当初設定の用途は外部要因の変化により難しい。研究成 果としては高いレベルの実績を示していることから、今後の活動継続にあたっては、自 ら拓いた新用途への利用に向けての適切な産業界のパートナーを獲得することにより、 研究ターゲットを拡げた活動を期待する。
③「薄型大画面ディスプレイの開発J プロジェクトリーダー:内田 龍男 客員教授 1.研究成果について 目標どおりの研究成果を達成した。 大型液晶ディスプレイの省電力化において光利用効率が 2 倍以上に改善され、拡散光制 御型スクリーンは格段に高いコントラスト比の画像表示を実現した。新型フロントライ トについても高いコントラスト比を実現し、すべてのテーマにおいて目標どおりの研究 成果を達成したと判断できる。 II. 成果の社会、経済、産業への貢献および還元 優れた研究業績をあげ、かつ、 「新産業分野創出」に結びつく成果をあげているの 従来の基本技術を根本から覆す独創技術であるカラーフィルターレスの革新的技術を 開発し、国内産業技術の保護育成を念頭に権利化活動を進めたことを評価する。製品化 へ向けた具体的提案がなされており、技術移転数と企業側からの製品化の提案数を見て も産業界からの評価の高さは明らかである。原理検証にとどまらず、積極的に試作品を 開発し、外部に強くアピールした点を高く評価する。なお、国際会議等で必要な情報発 信を行う一方で、情報やノウハウの流失を防ぐために論文発表や特許出願を抑制した点 は本技術分野の特殊性から理解できる。 皿.必要リソースの活用状況 必要リソースを十分に獲得して活用している。 本プロジェクトは NEDO が推進する研究開発プロジェクトであり、リソースの獲得は十 分であった。研究進捗状況と学内外に渡る人材育成の観点からリソースの活用も十分で あると判断できる。 N. 総合評価 本プロジェクトは液晶ディスプレイの省エネ化を目指して、近年進歩がめざましい LED 産業に注目した独創的着想による取組みであり、新しい液晶動作モードが発明されても 本手法を適用した省エネ化が可能になる汎用性の高い提案である。また、実施した 5 件 の技術移転の内、 3 件は地域企業の育成対応であり、地域産業育成の視点も併せ持って 実施したことも評価したい。今後の活動にあたり、ディスプレイ産業が大きく変化して おり、これまでに開発した技術をどのように新用途に適用するか、国際的な連携による 実用化をどう進めるのか、転用技術の着実な開発とオリジナル技術の早期実用化を期待 する。
⑨「高度ロボティクス技術開発」 プロジェクトリーダー:小菅一弘教授 I.研究成果について 目標どおりの研究成果を達成した。 単独企業との共同研究であることから、権利化を優先した公表体制を取っていること、 および研究グソレープの既存技術である双腕マニピュレータとの違いが明確でないこと が研究成果を暖昧にしている。しかしながら、検査プラットフォームと高度運動制御プ ラットフォームの開発双方において多くの技術開発がなされ、手持ちカメラでの検査・ 記録手法の開発、双腕マニピュレータによる単一物体の操作とハンド設計が成功してお り、目標どおりの研究成果を達成したと判断できる。 II. 成果の社会、経済、産業への貢献および還元 優れた研究業績をあげ、かつ、 「新産業分野創出 j に結びつく成果をあげている。 東北大学の先端基盤技術に基づき、企業と共同で工場内組み立て作業の自動化と作業者 との協調に関するプラットフォーム開発に着手したプロジェクトである。 15 件の特許 出願をしており、これらの課題解決は将来的に様々な企業活動に有用であり、新産業分 野創出に結びつくことが期待できる。特に組み立て産業における複雑工程の生産効率の 飛躍的向上に貢献することが見込まれる。 III. 必要リソースの活用状況 必要リソースを十分に獲得して活用している。 本プロジェクトは単独の民間企業資金による共同研究プロジェクトであり、研究目的に 沿ったリソースの獲得とその活用は十分と評価する。 N. 総合評価 本プロジェクトは、これまで実現が難しかった作業者による器用な組み立て作業や検査 作業の完全自動化を実現することを目指している。その自動化が可能になると、センサ の高度化や機械システムの高精度化と組み合わせることによって、これまで作業者によ る組み立てが出来なかった微細組み立て作業などが可能になる。本技術成果は、限定さ れた企業活動のみならず、広範囲な産業分野に展開することを希望する。今後の活動に あたり、研究成果の実用化への期待は大きく、一層の加速を期待する。
⑩「経年劣化現象の解明と予知・予測手法の開発」 プロジェクトリーダー:庄子哲雄教授 1.研究成果について 目標どおりの研究成果を達成した。 材料の経年劣化の解明と予知・予測手法の開発を目的にあげて、材質損傷型劣化、表面 損傷型劣化、き裂型劣化のそれぞれについてテーマ設定を行っているが、特にき裂型劣 化における研究成果の進展が著しい。材料経年劣化事象においては、き裂進展とならん でき裂発生予測が重要であるが発生研究については今後のさらなる進展が期待される。 全体として、目標どおりの研究成果を達成したと判断できる。 II. 成果の社会、経済、産業への貢献および還元 優れた研究業績をあげているが、 「新産業分野創出」に結びつくには課題を残すの 応力腐食割れ成長速度則を定式化した業績は国際的に評価され、 Shoji Model として広 く引用されている。高温高圧水中のステンレス鋼の応力腐食割れき裂成長速度に及ぼす 各種要因を定量的に予測することに成功している。また、原子炉環境の応力腐食割れに おいて事象解明への重要な貢献をしている。学問的成果は十分と言えるが、研究の性質 上、新産業分野の創出には直接結びつかないと判断できる。 皿.必要リソースの活用状況 必要リソースを十分に獲得して活用している。 固と民間の研究資金がバランスよく獲得されており、リソースの獲得とその活用は十分 と評価する。平成 23 年度から原子力安全保安院の高経年劣化技術評価高度化事業が開 始され、平成 24 年度から加圧水型原子炉の長期信頼性研究が開始される予定となって いる。原子力発電所の安全・安心の基礎となる研究として、今後益々研究内容の充実を 図る必要がある。 N. 総合評価 書面の記述内容では目標と成果の定量的評価が困難で、あったが、対面審査により、納得 できる説明を得られた。重要な基盤技術であり、原子力発電所の設備対応等の社会的意 義が極めて大きい。総合的に判断すれば、研究成果の技術移転に伴う新産業分野の創出 というベクトルとは異なった科学技術の人類への貢献という観点で評価される内容で ある。福島第一原子力発電所の事故後も安全・安心のための基盤研究は国内外において 重要であり、我が国が蓄積した学術知と技術知の世界への発信が求められている。本プ ロジェクトはその中心を担うものと期待される。
⑪「極限磁性スピンナノ構造体の創製」 プロジェクトリーダー:高橋研教授
1
.研究成果について 目標どおりの研究成果を達成した。 ナノ粒子のブロッキング周波数が強磁性共鳴周波数を超えて高周波化することを理論 および実験で見いだした。基礎的な研究手法で交換磁気異方性発現の機構を解明し、大 きな交換磁気異方性を実現した。高い垂直磁気異方性を有する磁性膜媒体実現の指針を 得るための積層欠陥評価方法を開発した。 3 つのサブテーマとも世界トップレベルの学 術成果が得られつつある。 II. 成果の社会、経済、産業への貢献および還元 優れた研究業績をあげているが、 「新産業分野創出」に結びつくには課題を残す。 鉄系粉末磁性材料関連では鉄窒素系準安定相材料の形成、微粒子による高周波特性の拡 張など世界に誇るべき研究成果を得つつあるが、実用化への道のりは比較的長いと思わ れる。これら粉末関連技術を着実に実用化に結びつけるための技術シナリオの提示が望 まれる。ナノ粒子複合材料の高周波デノくイスとしての出口が見えていない。 皿.必要リソースの活用状況 必要リソースを十分に獲得して活用しているの 固と民間双方からの資金獲得状況は極めて良好であり、資金は磁性関連の先端材料開発 研究に有効に活用されている。人材育成面では受託研究者とポスドクを着実に受け入れ、 特に社会人ドクターを多く輩出し、企業研究者の育成で成果をあげていることを評価す る。 N. 総合評価 本研究グ、ルーフ。は HDD 関連の媒体および磁気ヘッド技術開発で世界レベルの研究実績 を有する。磁性薄膜関連技術ではこれまで開発した技術の着実な進展を図っており、世 界レベルで、研究開発をリードしている。鉄窒素系準安定相材料は長年多くの議論を生ん できた経緯がある。薄膜技術で、培った実験と理論から、粉末関連研究においても基礎研 究レベルで、大きな成呆をあげている。永久磁石などの製品に適用するためには粉末の大 量生産、焼結、耐環境技術など量産化技術の開発が必須であり、関連企業と協力し大学 発の基礎技術を実用化へ導く技術シナリオ構築へさらなる努力を必要とする。重要な技 術開発課題であり、定量的目標値設定とそのマイルストーンを明確にした達成状況の把 握がさらに望まれる。今後の活動にあたり、焼結等の課題解決による実用化を進め、一 つでも多くの技術移転を実施することを期待する。研究プロジェクト評価書面審査表(まとめ)
(研究プロジェクト評価書面審査委員氏名:。渡辺 好章、三留 秀人、小倉幸夫)プロジェクト名
|安心と安全のための先進超音波計測
プロジェクトリーダー名|山 中一司
I. プロジェクトの開発研究成果の社会(地域・日本・世界)、経済、産業への還元状況1
.民間企業への技術移転進捗 I (優れている点) 状況について |技術移転が着実に進んでおり、目的に向けて展示会等での積 極的な情報発信を行っている点は評価できる。また、ボール SAW センサキット等の販売実績も評価できる。 (不十分な点) 前回の評価書でも指摘したが、技術移転先の企業が偏ってお り、またその数も少ないように思える。高度な技術内容のプ ロジェクトであるため、技術移転先は特定企業に限定される としづ事情は理解できるが、もう少し検討する必要があった ように思える。 (改善のポイント) 新たな産業創出の観点からは、本技術を軸として取得してい る知的所有権を、応用展開可能な外国企業を含む事業主体へ 積極的に利用促進させることが必要であろう。これらの結果 として、幅広い産業分野における周辺技術に関連する参画企 業の増加に伴い、これらの組み合わせ技術による新たな産業 創出の可能性が高くなると考える。評価:
伍石み/他に劣る
2. 発明、特許権その他の知的 I (優れている点) 財産権の状況について |ボール SAW 素子に関しては、重要な波動送信手法の基本特 許を押さえであり、その周辺特許が多数出ている点は評価で きる。また、外国出願もさらに 2 件申請されている点も評価 できる。さらに、閉口き裂探傷法に関しても JST 海外出願補助 制度を利用して、米国、 ドイツなど 7 カ国の指定国移行出願が 許可されたことは特筆に値する。 (不十分な点) 特になし (改善のポイント) ほとんどが、ボール SAW 素子の特許出願である。他の課題 についても、企業が関係していることから実施技術関連の特 許出願も必要と考える。3. 各種表彰・賞・新聞報道、
I
(優れている点) 招待講演の状況について は|き続き、学会、学術財団、国等幅広い種別の団体から多数 4. 論文・著書の状況 表彰されている点は評価できる。また、賞については、各課 題がそれぞれ表彰されており各界での評価の高さが伺える。 特に、ボール SAW 技術については、独創性についての評価 を中心として贈呈される山崎貞一賞を受賞しており、このこ とは、当該技術においてわが国が世界をリードすることへの 技術界の期待の表れと考える。 (不十分な点) 特になし。 (改善のポイント) 本項目は、外部要因によって決定されるものであり、当該本 人の努力によってその数が増えるという性質のものではな いため、報道等の結果は特定分野に偏ってしまっている。技 術的にはどれも重要であることから、ボール SAW 素子以外 の課題においてもこの視点からの社会アピールを重点的に 行う等の工夫が望まれる。評価~/ 他に劣る
(優れている点) 研究論文総数 52 編、解説論文総数 12 編、著書 3 冊を著してお り、また、各分野とも当該分野に関連した中核的な国際学術 誌に多数論文を発表している点は評価できる。さらに、依頼 原稿が主となる解説論文数においても同様にバランスよく 成果を出している結果に結びついている。また論文の、他の 研究者からの引用が多く、これらの結果を踏まえると、学術 面からの情報発信は各課題とも高く評価できる。 (不十分な点) 特になし。 (改善のポイント) 新産業分野創出へ向けた当該技術の普及を図るためには、将 来的に関連するであろうと考えられる技術分野の中核的な 学術誌への積極的な投稿を行うと同時に、各課題を総合して 超音波利用技術としての一般的な技術の啓蒙・普及を目指す 必要があると考える。このため、これらの技術の基本原理を 的確に伝える解説書・技術書の出版が望まれる。評価:
匂ヨラ/他に劣る
総括 1
I
(優れている点) 上記 1..
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3. までの評価に|各課題とも、中核となる基本技術の学術的な検討が十分に行 基づき、「新産業分野創出」に結|われており、その結果として今後幅広い応用展開が見込まれ びっく開発研究成果が出ている|る。特にボール SAW 素子は、水素センサのみならず、携帯 か(研究のアウトプット)、また|型ガスクロへの展開の目処が付き、新産業の創出に寄与する 現実に「新産業分野の創出 J (研|と同時に、わが国が世界をリードすべき技術として「新産業 究成果に基づく産業活動のアウ|分野の創出」にも大きく寄与すると考えられることからその ト力ム)に結び付いているか、 l 将来が期待できる。 を中心に評価すること。 I (不十分な点) 特になし。 (改善のポイント) これまでは比較的限られた企業との間で、密接な連携のもと に共同研究が展開されてきたものと思う。プロジェクト終了 後は、新たなフェーズで、より多くの企業と連携を進め、本 技術の普及を進め、新産業創出の駆動力の役割を果たしてい ただきたい。また、閉口亀裂探査法技術については、大規模 プラント等における安心・安全の観点からの将来展開が見込 まれる。この技術も世界をリードできる要素を持っていると 考えられることから、今後資金ならびに人材の投入を重点的 に行うべきであると考える。 評価: 行\優れた研究成果を挙げ、かっ、「新産業分野創出」に結 一〈戸つく評価をあげている。 E. プロジェクトの研究費の実績 総括 nI
(優れている点) 外部資金の獲得状況と、その I CREST の採択や経産省プロジェクトへの参加など、固からの 資金が十分に活用されているか|資金注入を着実に獲得している点は高く評価できる。これ の観点から評価すること。 は、各課題における学術的な裏付けの確立への努力とその中 で提案されてきている応用課題への技術発展可能性が評価 されたものと考える。 (不十分な点) 特になし。 (改善のポイント) 民聞からの資金導入が相対的に少ない。今後は、民間関連企 業(デバイスメーカ一、電力・ガス・プラント会社など)への 資金獲得へのより一層の働き掛けが必要であり、その結果とし て当該技術の普及主因る戦略の設定が望まれる。E プロジェクトの開発研究計画に照らした開発研究の進捗状況に係る評価等
1
.開発研究の進捗状況(当初 I (優れている点) の開発研究計画に照らした|各課題ともそれぞれの技術が持つ特長を活かした研究開発 開発研究の進捗状況が展開されており、その技術の適用を明確に意識した戦略的 な技術移転展開は高く評価できる。すなわち、ボール SAW センサについては、水素センサからボール SAW ガスクロへ 展開し、戦略的に世界最高水準の研究開発を実施してきた。 閉口き裂探傷法では、革新的なサブPハーモニックフェーズド アレイを開発し、経済産業省のプロジェクトに参加を要請さ れた他、科研費で応力腐食割れの評価に関する指針を得てい る。超音波原子問力顕微鏡についても、今後本格的な製品化 に入れる段階に達している。以上のことから、プロジェクト としては当初の目標を達成したものと判断される。 これらは、担当者が常に実用展開から得られた知見を学術展 開へと積極的にフィード、バックしている研究手法に起因す るが、それぞれの課題において この展開手法が的確に機能 しているためと考えられる。 (不十分な点) 特になし。 (改善のポイント) 前回も述べたが、実施結果からのフィードパック手法と、原 理面の両面からの検討を踏まえたこれら技術適用を実用に 供するためのモデル、ならびにその数値解析手法の確立が将 来の課題であり,~丘担点からの今後の展開が望まれる。 評価: 今也に優れるY
他に劣る 2. 研究者の育成状況 I (優れている点) (各種研究員の受入れ状況等|修士学位については引き続き各年度とも着実に発給されて を含む。おり、当該分野を展開できる中核的な技術者の育成目的はあ る程度は達成されていると評価できる。なお、これらの中に 各種の賞の受賞者が出ている点も評価できる。 (不十分な点) 新たな産業創出を考えるならば、民聞からの共同研究員なら びに受託研究員の導入をより積極的に行うべきである。 (改善のポイント) 将来的に当該学術分野を牽引する研究者としての博士学位 の発給についても、長期的な国際展開も視野に入れて、海外 からの留学生も含めてより積極的に展開すべきである。現状 では、社会人が主である点が気になる。評価
@~{;fn})/ 他に劣る
3. 国際交流の状況 総括 E (優れている点) それぞれの課題は独創的であることもあり、将来的にも世界 をリードできる可能性を有している。このことを活かして、 当該分野で世界をリードしている機関との連携を進めよう としている点は評価できる。また、これら機関との人的交流 も併せて進めようとしている姿勢は評価できる。 (不十分な点) 前回も指摘したように、講演や情報交換等の包括的な展開が 中心であるように感じられる。国際化推進の実効性をより上 げるためには人的交流の促進が重要であると考えられるこ とから、このあたりに関する適切なケアーを望む。 (改善のポイント) 当該技術において将来的に世界をリードするという視点か ら、戦略的な海外との連携ならびに交流が今後より重要にな ると考えられる。この場合、連携機関の選定が重要となる。 このため、公的な技術調査機関とも連携して、わが国のリー ダーシップが発揮できる観点から連携先の選定ならびにそ の戦略的展開を行う必要がある。
評価:
伍至~/他に劣る
(優れている点) 上記 1.,..,
3. までの評価に|当初の計画を着実に達成していると考えられる。特に、ボー 基づき当初の開発研究計画の進|ル SAW 素子ならびに関口亀裂探査においては、基盤技術と 捗状況を中心に評価すること。 I しての十分な検討が達成されたと考えられる。開発研究は当 初の計画通りに順調に進捗したと思われる。多くのアウトプッ ト、アウトカムが創出されている。また、論文発表も意欲的で あり、研究員の育成も積極的で、国際交流も活発であり、展示 会への出展など研究成果の普及にも尽力されており、総じて高 く評価できる。 (不十分な点) 特になし。 (改善のポイント) 本プロジェクトの目的に依存するためとも思われるが、技術 的な観点からは各課題とも進展はあったと認められるが、今 回の技術根底に流れる物理メカニズムに関する学術的な視 点からの向上も併せて望まれる。ι変良し
N
総合評価 総括 I-m を踏まえ、本プロジェクトを総合的に評価すること。 本プロジェクトは 3 つのサブテーマで構成されている。それぞれの項目の評価に示されるよう に、全体として考えるならば本フ。ロジェクトは当初の計画を達成し、新たな産業創出への技術 を社会へ提供したとして高く評価できる。個別のサブテーマに関して、前回の評価と比較する ならば、達成度が高いと評価されたボール SAW 素子ならびに閉口亀裂探査は引き続き技術向 上ならびに高精度化が図られていることから、今後も産業への貢献度は大きいと考えられる。 一方、原子間力顕微鏡についても、高次モード共振方式の提案等で産業応用に向けた取り組み がなされており、この課題についても、当初の目的を期間内に達成できたと評価できる。 3 つの課題のバランスを考えながら、また特定の技術領域に偏らず、安心・安全を実行し評価 できる基軸技術としての超音波技術を総合的に発展させようとするプロジェクトリーダーの戦 略的なプロジェクト展開能力は高く評価できる。すなわち、総合的な観点からは、基盤技術で ある原子間力顕微鏡技術を背景におきながら、他の 2 つのサブ?テーマで、将来の技術展望を図り 基礎技術と実用化技術のバランスを考慮しながら全体のプロジェクトが安定して遂行されてい る。 この事業は、次世代技術に向けての大きなブレークスルーを与える可能性が極めて高いと評価 できる。ボール SAW 素子を利用した高精度・高感度のセンシング技術や、閉口亀裂探査を用 いた原子力発電所や橋梁を中心とした大型プラントの老朽化探査技術の確立は、それぞれ中心 として近未来の安全・安心社会を実現する極めて有力な技術と考えることができる。また、ボ ール SAW 素子の技術シーズは、山崎貞一賞を受賞していることからも分かるように極めて独 創的であり、わが国ならびに 3.11 大震災を経験した本プロジェクト実施地域の将来にとっての 重要技術の一翼を担うと期待できる。 (全体に対するコメント) 上述したように、本プロジェクトにおける展開課題は、わが国が世界をリードできる可能性を 有しているいずれも重要な技術である。プロジェクトリーダーはこの点を踏まえて、産学連携 のパートナーを的確に選定すべきである。また、これら技術をさらに高度化させるために他大 学等の研究機関同士の連携も必要に応じて行うべきであると考える。さらに、今後の実用化に 向けでは、幅広い応用分野を見据えた戦略的な連携展開が引き続きより強く望まれる。 ただ、このプロジェクト自体は、プロジェクトリーダーが獲得してきた外部資金に基づくもの であるため、これを実施することによる学内的なインセンティブがどのように働いているのか、 外部からは窺い知ることができない。また外部資金であるが故に個別の目標は、資金毎に設定 することになり、提案する側もプロジェクトの全体像を予め見通すことが困難だったのではな し、かと思う。とは言え、評価する側から言えば、資料としてはプロジェクトの年度展開やアロ ー図、定量的な目標設定を示すような様式があってもよかったので、はなし、かと考える。研究プロジェクト評価書面審査表(まとめ) (研究プロジェクト評価書面審査委員氏名:。小林信一、工藤和彦、野口和彦
プロジヱクト名|組織マネジメントに関する研究プロジェクト
プロジェクトリーダー名|北村正晴
1. プロジェクトの開発研究成果の社会(地域・日本・世界)、経済、産業への還元状況 1. 民間企業への技術移転進捗 I (優れている点) 状況について |狭義に技術移転を捉えれば該当しないが、原子力とし寸対話が 2. 発明、特許権その他の知的 財産権の状況について 容易ではない分野において、継続的活動を行ってきたほか、研 究協力支援者による起業と連携することも予定されている。 (不十分な点) (改善のポイント) 原発事故という状況の大きい変化があったために、本研究の出 口が不明瞭になってしまった。以前は、原子力立地地域におけ る民間事業者の原子力対話の改善・向上、現代社会における科 学技術コミュニケーション一般の質的向上などが出口の候補 であったが、さらにレジリエンスエンジニアリングの適用とい う方向性が出てきた。研究は「なまもの」であるので、これは 研究の発展の証左ともいえるが、一つのプロジェクトとして は、出口の暖昧さを増すことになったと思われる。 科学技術コミュニケーション一般の質的向上という観点では、 本プロジェクトで習得されたノウハウが、より一般的に展開で きるかの検証も重要な課題である。 評価: 他に優れる (優れている点) 該当しない (不十分な点) (改善のポイント) 特許、知財という観点には該当しないが、第三者にこの研究の 意義を明確にするために、この研究の本質価値を知財としてま とめる活動を進める余地はある。 評価: 評価しなし、3 各種表彰・賞・新聞報道、招
I
(優れている点) 待講演の状況について l 研究期間を通じて活発に活動し、表彰、新聞等への掲載、招待 4 論文・著書の状況 講演等が多く、学術的のみならず、社会的にも注目度は非常に 高かったと言える。日本原子力学会賞(論文賞)の受賞はプロ ジェクトが評価されたものであると判断できる。 (不十分な点) (改善のポイント) 研究の技術的側面に対する評価よりも、行っている活動自体へ の注目度が高く、技術的観点からの評価を行う必要がある。 また、震災後の招待講演等も少なくないが、その評価は現段階 では難しい。 評価: 他に優れる (優れている点) 科学技術コミュニケーション、原子力対話に関して多数の論 文・書籍を活発に発表してきたことは評価できる。レジリエン スエンジニアリングに関しても、わずかの時間ですでに翻訳出 版を予定している。 (不十分な点) (改善のポイント) 短期間にレリジエンスエンジニアリングの研究を大きく進歩 させ、これに関する外国書の監訳も行っているが、わが国にお けるこの分野の発展のために、プロジェクトリーダー自身のオ リジナルな研究成果をまとめた著書を期待したい。 また、レリジエンスエンジニアリングを含め、これまでに得ら れた知見を統合し、新しい原子力安全論理に関する考察の執筆 も期待したい。 評価: 他に優れる総括 I (優れている点) 上記 1. ...3. までの評価に基|本プロジェクトは主として既存の多様な技術分野における「科 づき、「新産業分野創出」に結び|学技術コミュニケーション」のあり方について実践的な手法で つく開発研究成果が出ているか|研究することをめざしたもので、その意味では新産業分野の創 (研究のアウトプット)、また現実 l 出に直ちに結びつくとは言えないが、継続的な活動を行い、実 に「新産業分野の創出 J (研究成|践的研究として社会的に一定の評価を得ている点は高く評価 果に基づく産業活動のアウト力|できる。 ム)に結び付いているか、を中 心に評価すること。 I (不十分な点) E. プロジェクトの研究費の実績 (改善のポイント) 社会的起業へと結び、つけつつある点、既存の技術分野のマネジ メントの改善に非常に有用な多くの成果を得ている点は高く 評価できるが、試行的研究の段階から、真に有用なものとして、 社会的経済的活動として実装していくためには、ビジネス化、 社会的起業等の面でのノウハウを持つ専門家の力を得ること も必要であろう。着実に努力を進め、組織の高安全・高信頼化 に寄与することを期待する。 評価: 2. 優れた研究成果は挙げているが、「新産業分野創出」に結 び付くには課題を残す。 総括 11
I
(優れている点) 外部資金の獲得状況と、その|直近では外部資金の獲得額は減少しているものの、昨今の社会 資金が十分に活用されているか|状況の下で、民聞からの資金が確保されており、それに十分見 の観点から評価すること。 1 合うだけの成果をあげていると評価できる。 (不十分な点) (改善のポイント) 原発事故後の社会状況を踏まえると、どのような性質の資金に よって研究を進めてきたか、資金源によるブロジェク推進上の バイアスはなかったか等に関して説明を求められる可能性も ある。(外部資金の性質上、すべてを公開するべきだとは言え ないが)プロジェクトの終了前後までには、この点に関しても、 一定の総括が必要であろう(具体案を提案することはできない が、何らかの説明力のある評価方法が必要)。m. プロジェクトの開発研究計画に照らした開発研究の進捗状況に係る評価等 1. 開発研究の進捗状況(当初 の開発研究計画に照らした 開発研究の進捗状況) (優れている点) 非常に精力的に活動を推進してきたことは、高く評価できる。 本年 3 月の原子力発電所事故に対応した目標を新たに加えた ことに関しては、「組織マネジメント」というプロジェクト名 に相応しい内容が追加されたと言える。この点についても、短 期間で原子力の安全論理の研究を進めたことは評価できるが、 その成果については現段階では十分な判断ができない。 (不十分な点) (改善のポイント) ポスト原発事故の時代に、これまで進めてきた研究活動、実践 活動は価値を失ったのか、あるいは従来以上に必要とされるの か、どのように改善すれば、ポスト原発事故の時代にふさわし いものとなるのか、等々の疑問に明確に応えていく必要があ る。 もし、これまで進めてきた研究活動、実践活動は価値を失った のだとすれば、本当にそうなのか?これまで以上に真撃な対話 が求められているのではないのか?などに応える必要がある。 評価: 他に優れる 2 研究者の育成状況
I
(優れている点) (各種研究員の受入れ状況等|プロジェクトの性格上、基本的には評価対象外である。 を含む。しかし、プロジェクトリーダー以下 1 0 名の研究組織で長期間 にわたる研究を行い、それぞれのメンバーが多くの成果発表を 行ったことで、それぞれの研究者としての能力向上、実績に大 いに寄与したと考えられる。 (不十分な点) (改善のポイント) 重要な研究活動であるにも関わらず、研究の輪が限定的であっ たと言える。「フO ロジェクトの性格上評価対象外」ではあるが、 大規模なプロジェクトであり、(後知恵だが)大学院生や研究 員の教育にも活用するなどして、人材育成や研究の輪の拡大に 貢献できたのではなし 1 かと惜しまれる。 評価: 評価しなし、3. 国際交流の状況 総括 E 上記 1. -3 までの評価に基 づき当初の開発研究計画の進 捗状況を中心 l こ評価すること。 (優れている点) ドメスティックになりがちなテーマで、あるが、国際的な招待講 演もあり、次第に国際的にも認知されてきたと思われる。 (不十分な点) (改善のポイント) 原発事故を経験した今だからこそ、国際発信をさらに強化し、 国際化を進める必要がある。 評価: 優劣どちらともいえない (優れている点) プロジェクトとしては総じて大きい成果を上げたと評価でき る。また、震災後の目標の変更後に関しては、短期間で、あった にもかかわらず原子力の安全論理の研究を進めることができ た。ただ、し、その成果に関しては今後の評価を待ちたい。 (不十分な点) 研究の PDCA が十分でない。毎年の目標をその達成状況を評 価できる具体的なものとして、継続的改善を実施するべきであ る。 (改善のポイント) 原発事故の発生による従来型活動の展開の行き詰まりを打破 するために、新たな視点、技術の導入が必要になっている。 ただし、原発事故によってこれまでの活動や成果を社会的にど のように評価すべきかに関して、総括が必要である。そうでな いと、単に「これまで推進してきたプロジェクトの意味はなく なった」という結論になってしまう。長期間にわたって展開さ れてきた原子力対話のモデルがもはや役に立たないものなの か、等々の点について、プロジェクトの最後までには、明快な 説明をすべきであろう。 評価: 2. 良い
N. 総合評価 総括 r...m を踏まえ、本プロジェクトを総合的に評価すること。 -プロジェクトの社会的重要性は大きいものがあり、活発な研究成果の発表を行ったほか、社 会的注目も得られた。皮肉にもプロジェクトの最終年度目前に発生した原発事故とその後の混 乱は、改めて問題の困難さを認識させることになった。このような社会情勢の変化と研究活動 の変化は、長期間にわたる本プロジェクトの総合的評価を困難なものにする。アプローチも、 コミュニケーションを中心とするアプローチからマネジメントの新を加えたものへと急速に方 向を変えた。新たな目標についても短期間で原子力の安全論理に関する研究を進めたことは高 く評価できる。 -原発事故以前の研究や活動それ自体は優れたものであり、研究の観点から評価するならばそ れで十分である。一方、社会的な観点からは、原発事故はこれまでの研究やアプローチでは不 十分ではなし、かという疑問を抱かせる。しかし、本当にこれまでのアプローチの有効性はなく なったのか、に関して明確に検証されたわけでもない。プロジェクトも大きく舵を切り、次の 展開を模索しつつある段階に来ているが、これまでの研究活動への総括が不十分で、中途半端 な終わり方になってしまう懸念がある。 (全体に対するコメン卜) -原発事故とし、う現実を前に、安全文化、安全を支えるシステムの在り方は大きく変わること であろう。原発事故は、原発問題に関しては社会的な対話(コミュニケーション)が必要だが、 コミュニケーションだけでは不十分であるという、リスク管理上の基本原理を改めて確認する 機会になった。リスクのアセスメントと組織的マネジメント、リスクコミュニケーションの 3 者に対して包括的にアプローチしていくことが必要なのだと思われる。その意味では、原子力 対話と組織マネジメントを表裏一体のものとして問題に取組む、よい転機となったといえる 0 ・第 4 期科学技術基本計画は原発事故を踏まえ「国は、東京電力福島第一原子力発電所の事故 の検証を行った上で、原子力の安全性向上に関する取組について、国民との間で幅広い合意形 成を図るため、テクノロジーアセスメント等を活用した取組を促進する。」と述べている。本プ ロジェクトや関連する活動はまぎれもなく、基本計画が述べる取組みにとって最も有力な起点 である。基本計画が描く取組みがどのように進められるのかは不明であるが、これまでのプロ ジェクトの経験(研究的側面のみならず、実践的側面も)を、良い形でインプットすることを 期待する。それが最大の出口になるだろう。 ・そのためにも、本プロジェクトの成果を、他の研究分野や社会的活動へと展開し、活用する ためには、研究チーム内の能力の向上にとどまらず、新しい人材の育成や普及の観点は大切で ある。本フO ロジェクトはその性質上、当初から大学院生や研究員の育成に焦点を当てていなか ったが、科学技術コミュニケーション、レリジエンスエンジニアリングのいずれにおいても、 普及に値する成果をあげてきたと考えられるだけに、やや惜しまれる 0 ・これまでの課題を総括し、本プロジェクトにとどまらない、さらなる発展を期待したい。
研究プロジェクト評価書面審査表(まとめ) (研究プロジェクト評価書面審査委員氏名:@浜野正昭、山元洋、岡田益男
プ口ジエクト名|希土類磁石向けディスプロシウム使用量低減技術開発
プロジェクトリーダー名|杉本
論
I. プロジェクトの開発研究成果の社会(地域・日本・世界)、経済、産業への還元状況1
.民間企業への技術移転進捗 I (優れている点) 状況について│
もともと本プロジェクトでは、技術移転の対象たるべき民間 企業も参加しており、技術委員会や臨時技術委員会で、研究成 果や技術情報の共有化も充分なされている上、成果に基づく特 許もインターメタリックス(株)と TDK (株)の 2 社から出 されているので、民間企業における量産技術の構築などの今後 の技術進展が期待される。 (不十分な点) (改善のポイント) 評価 o 他に優れる/
他に劣る 2. 発明、特許権その他の知的I
(優れている点) 財産権の状況について 2 件の申請特許は、いずれも革新性に優れているので、今後 の量産技術構築などの展開による経済効果が期待できる。 (不十分な点) (改善のポイント) その後の補完的な特許申請で、更に権利技術の内容を充実さ せるべき。また、当然、海外へも出願すべき。 評価 o 他に優れる/
他に劣る3. 各種表彰・賞・新聞報道、招
I
(優れている点) 待講演の状況について│
表彰・受賞が 5 件もあり、新聞報道が 24 件、招待講演が 2 3 件と件数・内容ともに極めて活発であり、短期間の割には大 いに充実していて申し分ない。 4. 論文・著書の状況 (不十分な点) (改善のポイント) 評価 o 他に優れる/
他に劣る (優れている点) 4 年間で発表した論文総数 5 6 編、著書全 8 冊は充分な数で あり、積極的に公表されており、内容的にも申し分ない。 (不十分な点) (改善のポイント) 評価 o 他に優れる/
他に劣る総括 I (優れている点) 上記 1. ...3. までの評価に基| 省 Dy という資源使用量削減を旨とする本プロジェクトの性 づき、「新産業分野創出 J I こ結び|格上、「新産業分野創出」には結びつきにくいが、本研究開発 つく開発研究成果が出ているか|の Dy 削減の実現的成果は、我が国の希土類磁石を応用したデ (研究のアウトプット)、また現実|パイスや製品のさらなる発展・拡大と国際競争力の強化に大い に「新産業分野の創出 J (研究成|に寄与するものと期待される。 果に基づく産業活動のアウト力
ム)に結び付いているか正中|附分同)
心に評価すること。 E. プロジェクトの研究費の実績 (改善のポイント) 評価: 1.優れた研究成果を挙げ、かつ、「新産業分野創出」に結び 付く評価を挙げている。回優れた研究成果は挙げているが、「新産業分野創出」に結
び付くには課題を残す。←(Ji;之て選べ1;[ごの 2. fご Z土石 j 3. 優れた研究成果を挙げているとは言えないものの、「新産 業分野創出 J に結び付く可能性は高い。 4. 研究成果は他に優れたとは言えず、「新産業分野創出」に 結び付く成果も期待出来ない。 総括 nI
(優れている点) 外部資金の獲得状況と、その| 自己評価 H の「研究費の実績」に示された固からの外部資金 資金が十分に活用されているか|の獲得量は充分であり、これにより省 Dy の数値目標を凌駕或 の観点から評価すること。 I し、はほぼ達成しており、磁気物性的知見も多く取得しているの で、資金は研究開発成果に充分活用されていると判断できる。 (不十分な点) 一部、不急、な基礎的研究が拡がり過ぎ、たきらいもある。 (改善のポイント) 評価 o 他に優れる/
他に劣るE プロジェクトの開発研究計画に照らした開発研究の進捗状況に係る評価等
1
.開発研究の進捗状況(当初 I (優れている点) の開発研究計画に照らしたl
当初の研究開発計画のおける Dy 削減数値と保磁力確保の関 開発研究の進捗状況係は「自己評価」に記載のごとく充分に達成されており、また、 他の物性的知見の獲得など、当初目標項目もほぼ達成されてお り、進捗状況は申し分ない。 2 研究者の育成状況 (各種研究員の受入れ状況等 を含む。) (不十分な点) (改善のポイント) 今後は、 Dy に他の金属を複合添加した効果も検討するべき。 評価 o 他に優れる/
他に劣る (優れている点) ポスドクや民間共同研究員を複数受け入れ,研究を促進させ たことは三平イ面できる。 (不十分な点) (改善のポイント) 研究者の学位の取得に結び付けられれば、なお良い。 評価 o 他に優れる/
他に劣る3. 国際交流の状況 総括 E (優れている点) 海外の大学・企業・研究所との打ち合わせは 4 回行われてお り,希土類金属の資源問題との意見交換,さらには講演も 1 件 が行われており充分である。また、複数の海外の希土類磁石国 際会議に参加したことも加算的に評価出来る。 (不十分な点) 逆に、海外からの参加による学術講演会があってもよかっ 7こ O (改善のポイント) 評価 o 他に優れる
/
他に劣る (優れている点) 上記 1. ...3 までの評価に基 l 本プロジェクトの目標とする Dy 削減率が、結晶粒微細化に づき当初の開発研究計画の進|おいて 40% を達成、界面構造制御において 25% を実現して 捗状況を中心に評価すること。 130% 達成の目処をつけたことは、大いなる成果であり、さらに、 磁石物性的な知見や研究指針も多数獲得しており、当初計画の 進捗は成功裏に達成されたものと評価できる。 (不十分な点) 応用展開には、自動車の他に Nd 磁石の使用量の大きい省エ ネ型の空調機(エアコン)も含めるべきであった。 (改善のポイント) 評価:日本玄品二
2. 良い 3. 普通 4. やや不十分W. 総合評価 (総括 I-m を踏まえ、本プロジェクトを総合的に評価すること) 本プロジェクトでは、 Nd 磁石の結晶粒径の微細化と,粒界の理想、粒界(界面ナノ構造制御技 術 Hこ関する基礎研究開発実験を行った上,さらに保磁力発現機構に関して、粒子・粒界等の構 造解析,磁化反転機構などに関する物性的究明が精細に行われ多くの知見が得られた。そして、 数値目標的には、次の 2 点において、本プロジェクトの省 Dy の目的を達成した。 1)結晶粒界の微細化技術の開発において,粉末粒径を1. 1μm まで、小さくし,低酸素量の磁石 を作製可能にし,高保磁力化を実現し, Dy40切削減に相当する磁石を開発した。 2) 界面ナノ構造制御技術の開発において,主相粒子の 82% に相当する領域に Dy リッチシェル を形成し, Dy25%削減に相当する磁石作製に成功し、 30% 削減の目処をつけた。 今後はこれらの成果を踏まえた製造技術開発により省 Dy 磁石が工業化・製品化されることが 期待できる。そして本プロジェクトの成果が、電気系自動車を中心に、他の磁石応用製品にお いても大いに活用されることも期待できる。また,上で述べた基礎的物性研究の知見は、今後 の更なる Dy 削減や次世代磁石の探索に大いなる指針を与えるものであり、今後の精進・進展が 期待される。さらに、この研究は産学官の密接な連携により達成されたことは特筆すべきこと である。以上により、本プロジェクトは、総合的に高い評価を与えられる優れた成果を挙げた ものと判定できる。 (全体に対するコメント) 本フO ロジェクトの成果を抜かりなく反映し、是非、自動車以外にもエアコン、風力発電機、 ロボットなどにも応用展開を広めて、我が国の技術立国性・国際競争力の高揚に大いに寄与し て欲しい。そのためにも、今後の技術的あるいは資金的なフォローを、産官学で途切れること なく継続し注力して戴きたい。