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企業将来情報とSEC-企業将来情報開示に関するSEC規則の成立過程-

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企業将来情報とSEC-企業将来情報開示に関するSEC

規則の成立過程-著者

藤井 建人

67

発行年

1997

URL

http://hdl.handle.net/10097/14793

(2)

い た っ と

学 位 の 種 類

士(経 済学)

学 位 記 番 号

第67号

学位授与年月 日

平成9年6月12日

学位授与 の要件

学位規則第4条 第2項 該 当

学 位 論 文 題 目

論 文 審 査委 員

企業将来情報 とSEC

一企業将来情報 開示 に関す るSEC規

則の成立過程 一

(主査)

1本 論 文 の 目 的 お よ び 結 論 本 論 文 は 、U.S.SecuritiesandExchangeCommission(SEC)の 開 示 政 策 に っ い て の 歴 史 的 考 察 を主 眼 と して い る。 そ の 主 な 対 象 は、1971年 か ら1979年 まで の ほ ぼ9年 間 で あ る。 こ の 期 間 の 初 期 に はWilliamJ.Casey(1971年4月 ∼1973年2月 、SEC委 員 長:Chairman)に よ り、 つ ぎ の 問 題 が 提 起 さ れ た。 す な わ ち、 投 資 情 報 と して の そ の重 要 性 に もか か わ らず 企 業 将 来 情 報 は何 故 にSECを 通 じて 正 式 開 示 さ れ な い の か?証 券 ア ナ リス トや 新 聞 報 道 な ど の非 公 式 な ル ー トで 将 来 情 報 が 流 さ れ て い る情 況 に 対 してSECの 開 示 政 策 は如 何 に あ るべ きか?本 論 文 は 、 これ らの 問 題 に対 す るSECの 対 応 過 程 を歴 史 的 に検 討 す る。 筆 者 の 本 論 文 で の結 論 は 、 っ ぎ の よ う に要 約 さ れ る:第 一 に、1971年 よ り1979年 ま で の お よ そ9 年 間 に お け る将 来 情 報 開 示 を め ぐるSECを 中 心 と した さ ま ざ ま な 機 関 や 個 人 の主 張 の 相 違 がSEC 開 示 規 制 政 策 に対 す る二 っ の 考 え 方 、 す な わ ち 、i規 制 改 革 に 積 極 的 な 立 場 、 お よ び、h漸 進 的 な 改 革 を 主 張 す る立 場 、 の 二 っ の 見 解 の違 い に起 因 して い る と す る な らば、 っ ま る と こ ろ 、 前 者i。 の規 制 改 革 に 積 極 的 な 提 案 を よ り多 く取 り入 れ たSEC規 則 が 成 立 した こ とで 一 応 の 決 着 を み た 。 第 二 に 、SECと して は 、 免 責 条 項 が 適 用 され 得 る将 来 情 報 の 開 示 方 式 と して これ をSECで の フ ァ

(3)

イ リ ン グ に 限 定 す る こ と で 、Caseyが 指 摘 し た 将 来 情 報 の 選 別 的 開 示 問 題 に 対 処 した 。 さ て 、 い わ ゆ る(も し く は 、 予 測 情 報)の 開 示 に 関 連 す るSEC規 則 と して は 、CodeofFederal Regulations,Title17,CommodityandSecuritiesExchanges,RevisedasofApril1,1995

[U.S.GPO,1995]に よ る と こ ろ 、 っ ぎ の3例 が あ る:

①RegulationS-K、 「(項 目101)事 業 内 容 の 叙 述 、(a)事 業 の 全 般 的 展 開 」(17CFRPart 229,RegulationS-K,§229.101(Item101)DescriptionofBusiness,(a)Gθ ηθro14εvψ ρ〃2ε漉(ガ 伽5加 ε∬)。

②RegulationS-K、 「総 論.(b)諸 推 測 に 関 す る 委 員 会 の 方 針 」(17CFRPart229,Regulation S-K,§229.10,Genera1.(b)Co初 溺な3'oη、ρ01'の,oηpr(∼ノθo'∫oη5)・

③1933.年 証 券 法 規 則 、 「175発 行 者 達 に よ る 特 定 の 諸 ス テ ー ト メ ン ト に っ い て の 責 任 」(17 CFRPart230,GeneralRulesandRegulations,SecuritiesActof1933,§230.175Liability forcertainstatementsbyissuers)。 こ の1933年 証 券 法 規 則175と 同 様 のSEC規 則 は 、1934年 証 券 取 引 法 規 則3b-6(17CFRPart240,§240.3b-6)な ど と し て も規 定 さ れ て い る 。 本 論 文 の 目 的 は 、 こ れ ら の ① 、 ② 、 お よ び 、 ③ の 各SEC規 則 の 成 立 過 程 に っ い て 検 討 す る こ と で あ る 。

SEC規 則 が 制 定 さ れ る 過 程 は 、 通 常 、 つ ぎ の3段 階 を 経 る:第 一 に 、SEC通 牒(release)に よ り、 公 聴 会 の 開 催 が 公 知 さ れ て 公 聴 会 証 言 者 か ら の 意 見 が 求 め ら れ る 。 第 二 に 、 証 言 者 の 意 見 を も と にSEC規 則 案 等 が 公 示 さ れ て 、 一 般 か ら の コ メ ン ト(publiccomment)に 付 さ れ る。 第 三 に 、 SEC規 則 が 採 択 さ れ 施 行 さ れ る 。 こ れ ら の 第 一 お よ び 第 二 の 段 階 が 繰 り 返 さ れ る こ と も あ る 。 一 連 の 公 聴 会 の 議 事 録 等 々 や 一 般 か ら の コ メ ン トは 、 原 則 的 に 公 開 さ れ る 。 本 論 文 で は 、 将 来 情 報 開 示 に 関 す る 上 記 ① 、 ② 、 お よ び 、 ③ の 各SEC規 則 の 成 立 過 程 に っ い て 、 公 聴 会 等 の オ リ ジ ナ ル 資 料 に よ り っ っ こ れ ら の 一 連 の 過 程 を 考 察 す る。

Karmel(1977年9月 ∼!980年2月 、SEC委 員:Commissioner)[1982]は 、SECに お い て 将 来 情 報 開 示 等 の ガ イ ド ラ イ ン設 定 の 必 要 性 が 認 識 さ れ た こ と に っ い て 、 こ れ をSEC開 示 政 策 に お け る 「規 制 改 革 推 進(regulatory-reforminitiatives)」[p,236]の 動 向 の 一 部 で あ り、 さ ら に 、 「開 示 政 策 の 改 革(disclosurepolicyreforms)」[p.257]の 一 っ で あ る 、 と 説 明 して い る。 本 論 文 の 目 的 は 、 こ の 改 革 過 程 を 歴 史 的 に 考 察 す る こ と で あ る 。 SECの5名 の 委 員 達 は 、 大 統 領 に 指 名 さ れ て 上 院 の 助 言 と 同 意 と を 経 て 任 命 さ れ る 。 そ の 任 期 は 、5年 を 基 本 と し て い る。Khademian[1992,130]は 、 こ れ ら の 任 期 が 限 定 さ れ て い る 委 員 長 や 委 員 とSEC生 え 抜 き の ス タ ッ フ 達 と の 間 の 立 場 の 相 違 を 、 っ ぎ の よ う に 説 明 し て い る 。 一 つ に は 、SEC生 え 抜 き の ス タ ッ フ 達 と し て は 、SECの 規 制 成 果 に 責 任 を 負 っ て お り 、 彼 ら と し て は 、 自 分 達 とSEC委 員 達 と の 間 に 一 定 の 距 離 を 保 と う と して き た 。 二 っ に は 、SECは 、 他 の 機 関 と は 異 な り、 伝 統 的 に ス タ ッ フ 達 が 主 導 して き た の で あ り 、 歴 代 のSEC委 員 長 に あ っ て は 、SECの 職 務 お よ び ス タ ッ フ 達 を 補 佐 し て き た の で あ り 、 み ず か ら リ ー ダ ー シ ッ プ を と る こ と は な か っ た 。 ま たd970年 代 に お け るSECの 規 制 活 動 に 対 す る 批 判 と し て 、Khademian[1992,130]は 、

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SEC委 員 長 達 が み ず か ら ス タ ッ フ達 へ の補 佐 的 な 役 割 に終 始 す る の は 不 適 切 で あ って 、 よ り強 い リー ダ ー シ ップ を 発 揮 す る こ と に よ り ス タ ッフ達 の規 制 へ の意 欲 を 抑 制 す る こ とが で きた は ず で あ る、 との 批 判 の 存 在 を 指 摘 して い る。SECが 将 来 情 報 開 示 に 向 け て の 政 策 転 換 と規 則 制 定 へ の 動 き を始 動 し た の は、 ま さ に こ の1970年 代 で あ っ た。 本 論 文 で は 、 っ ぎの こ と に重 点 を お い て い る。 す な わ ち 、SEC開 示 政 策 に さ ま ざ ま に 関 わ る そ れ ぞ れ の 各 個 人 、 各 機 関 、 各 企 業 が い か な る立 場 を 主 張 した の か?そ の 根 拠 は?あ る い は 、SECが そ の政 策 を具 体 化 す る た め に 採 択 した ガ イ ドラ イ ンや 規 則 の 基 礎 や手 掛 か り と な っ た の は 、 い ず れ に よ る い か な る提 案 で あ っ た の か?本 論 文 で は、SEC公 聴 会 で の 証 言 やSEC宛 に 送 付 さ れ て き た 一 般 か らの コ メ ン トを重 視 しな が ら、 これ らの 課 題 を可 能 な 限 り に詳 細 に 検 討 して い く。 こ れ らの 諸 機 会 を 通 じて 示 さ れ た 多 種 多 様 な見 解 こ そ はSEC開 示 政 策 の あ り方 に対 す る利 害 関 係 者 と して の 個 人 も し く は機 関 が 公 表 さ れ る こ と を前 提 に み ず か ら の責 任 に お い て 示 した 率 直 な意 見 で あ る、 と考 え られ るか らで あ る。 2本 論 文 の 構 成 と 概 略 本 論 文 は 、4部 か ら構 成 さ れ る。 第1部(第1章 お よ び 第2章)に お い て は 、 い わ ゆ る ベ ン チ ャ ー ・ ビ ジ ネ ス に よ る 企 業 将 来 情 報 開 示 の 可 能 性 に っ い て 検 討 す る 。 先 記SEC規 則 ① は 、1933年 証 券 法 に 従 っ て は じ あ て の 登 録 届 出 書 をSECに フ ァ イ ル し て 開 示 し よ う と す る 、 そ の 前 身 を 含 あ て 直 前 の 各3会 計 年 度 に お い て 営 業 活 動 に よ る収 益 を 得 た こ と の な い 企 業 を 対 象 に し て い る。 筆 者 は 、 こ の 種 の 企 業 を 典 型 的 な ベ ン チ ャ ー ・ ビ ジ ネ ス と考 え て い る こ のSEC規 則 ① に よ り 、 該 当 企 業 の 営 業 活 動 計 画(planofoperation)が 開 示 対 象 と し て 明 記 さ れ た 。 こ の 規 則 に よ り、 か か る登 録 届 出 書 の 基 礎 に な る 証 券 の 売 り 出 し に よ っ て 調 達 さ れ た 資 金 に よ り 当 該 企 業 が 所 要 現 金 を 確 保 し得 る 期 間 等 に 関 す る い わ ゆ る 現 金 予 算(cashbudget)の 情 報 に つ い て 、 こ れ を 開 示 目 的 と し てSECに フ ァ イ ル(file)さ せ る の で は な く単 にSEC宛 に 提 出 さ せ る こ と が 規 定 さ れ た の で あ る 。 第1章 で は 、Caseyの 主 張 と 問 題 提 起 と を 中 心 に と り あ げ 、 何 故 にSECが 将 来 情 報 開 示 に 積 極 的 な 姿 勢 へ と 開 示 政 策 転 換 を し た の か 、 を 検 討 す る 。 っ ぎ に 、"HotIssue"に か か わ るSEC公 聴 会(1972年2月28日 ∼1972年6月8日)で の 各 証 言 に お け る 将 来 情 報 開 示 に 対 す る 諸 見 解 を 検 討 す る 。 Caseyの 一 連 の 主 張 は ベ ン チ ャ ー ・ ビ ジ ネ ス に か か わ る い わ ゆ る"HotIssue"(「 人 気 新 規 公 開 証 券 」)の み を 対 象 と し て い た わ け で は な い 、 と 筆 者 は 考 え る 。 投 資 情 報 と し て の 将 来 情 報 の 重 要 性 は 、"HotIssue"に 限 定 さ れ な い か ら で あ る 。"HotIssue"の 問 題 は 、Caseyな ど の リ ー ダ ー ・

シ ッ プ の も と でSECが 将 来 情 報 開 示 に 取 り 組 む き っ か け で あ っ た と 考 え る べ き で あ ろ う 。

第2章 で は 、"HotIssue"に 関 す る 通 牒33-5276[SEC1972d]等 に よ るSEC提 案 、 そ れ に 対 す る 一 般 か ら の コ メ ン トで あ るSECDocketFileS7-449[SEC1972f]、 お よ び 通 牒33-5395[SEC

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1973dコ に よ る 先 記 ① のSEC規 則 の 採 択 、 ま で の 経 過 を 考 察 す る。

第2部(第3章 か ら 第6章)の 対 象 は 、1972年11月1日 付 通 牒34-9844[SEC1972h]に よ り 将 来 情 報 開 示 に か か わ るSEC公 聴 会 の 開 始 が 公 知 さ れ て か ら 、 前 記SEC規 則 ② が1978年11月7日 付 通 牒33-5992[SEC1978cコ に よ りSECの 一 部 局 で あ るDivisionofCorporationFinance

(DOCF)の ガ イ ド と し て 採 択 さ れ る ま で の 期 間 で あ る 。 通 牒34-9844[SEC1972h]で 、SECは 将 来 情 報 開 示 に っ い て こ れ を 強 制 規 定 化 す る べ き か 、 任 意 規 定 化 す る べ き か 、 等 々 を 含 む 七 つ の 課 題 を 提 起 し た[参 照:3、1]。 本 論 文 で は 第3章 以 降 最 終 章 ま で 、 こ れ ら の 課 題 を 「項 目1」 か ら 「項 目7」 と 称 し て 、 将 来 情 報 開 示 に 関 す るSECを 含 む 様 々 の 機 関 や 個 人 に よ る 提 案 と 主 張 と を 分 析 して い く。 第3章 で は 、1972年11月20日 ∼1972年12月12日 に お け るSEC公 聴 会 で の50余 の 証 言 を 中 心 に 検 討 す る 。 同 公 聴 会 で は 、 証 言 を 希 望 し た 中 か らSECに よ る 選 別 を 経 た と 思 わ れ る 個 人 や 機 関 に よ る諸 見 解 が 示 さ れ 、 さ ら に 、SECと の 間 で 質 疑 応 答 が 行 わ れ た 。 特 に 、 「項 目7」 の1933年 証 券 法 等 の も と で の 法 律 的 責 任 問 題 に 関 連 し て はABAに 属 す る SommerandRuder[1972a]な ど に よ る 「SEC規 則 等 改 正 説 」 に 、 筆 者 は 注 目 す る 。 そ れ は 、 作 成 時 点 で 一 定 の 要 件 を 満 た す 将 来 情 報 は 、 そ れ が 結 果 的 に 精 確 で あ る か 否 か と は 無 関 係 に 、 「重 要 な 事 実 の 不 実 な ス テ ー ト メ ン ト」 に 該 当 し な い と 判 断 さ れ る べ くSEC権 限 行 使 に よ るSEC規 則 を 改 正 も し く は 新 設 す べ き あ る 、 と の 主 張 で あ る 。 第4章 で は 、 第3章 で 検 討 し たSEC公 聴 会 に は 出 席 し な か っ た 、 も し く は 、 出 席 で き な か っ た 機 関 等 か ら の200通 以 上 に も 及 ぶ 書 面 に よ る 一 般 コ メ ン トに っ い て 項 目 を 絞 っ て 検 討 す る 。 書 面 に よ る 一 般 コ メ ン トは 、 量 的 に は る か に 証 言 数 を 凌 駕 し て お り 、 しか も 、 公 聴 会 で の 証 言 と は 異 な り SECに よ る 選 別 を 経 て い な い 分 よ り 率 直 で あ っ た 、 と 思 わ れ る 。 第5章 で は 、SEC,theDivisionofCorporationFinance(DOCF)[1973b]、 通 牒33-5362 [SEC1973c]、 そ して 、 通 牒33-5581[SEC1975b]に よ る3案 のSEC規 則 案 を 比 較 す る 。

筆 者 は 、 か か る 諸 提 案 を 「漸 進 的 改 革 の た め の 保 守 的 な も し く は 現 状 維 持 的 な 諸 提 案 」 で あ る 、 と 判 断 す る 。 い ず れ の3案 も 、 将 来 情 報 開 示 の 任 意 規 定 化 を 基 本 と しっ っ も 、SEC以 外 を 通 じ て 企 業 外 部 に 伝 え ら れ た 将 来 情 報 に っ い て は こ れ をSECフ ァ イ ル で の 強 制 開 示 の 対 象 に す べ き こ と を 意 図 し て い た な ど の 諸 点 に お い て 一 貫 し て い た か ら で あ る 。 第6章 で は 、(1>通 牒33-5581[1975b]に よ るSEC提 案 に っ い て は 一 般 か ら の コ メ ン トSEC DocketFileNo.S7-561[SEC1975c]で は ほ と ん ど 賛 成 が 得 ら れ な か っ た こ と を 明 ら か に して 、 つ ぎ に 、(2)SECの 一 部 局 で あ るDOCFに よ り 施 行 さ れ 得 る ガ イ ド案 が 通 牒33-5699[SEC1976f]

に よ り 提 案 さ れ て 、 一 般 か ら の コ メ ン トSECDocketFileNo.S7-628[SEC1976h]を 経 て 通 牒 33-5992[SEC1978c]に よ っ て1933年 証 券 法 ガ イ ド62等 と し て 採 択 さ れ る ま で の 経 過 を 検 討 す る 。 機 関 と し て のSECで は な く そ の ・一 部 局 で あ るSEC、DOCFに よ り 施 行 さ れ る ガ イ ドの 提 案 と 採 択 は 、 従 来 ま で のSEC等 の 思 考 を 具 体 化 し て い る こ と 、 を 筆 者 は 明 ら か に す る 。

(6)

り免 責 条 項 に つ い て のSEC案 と ゾ マ ー諮 問 委 員 会 報 告 書(甜CR[1977a])案 とが 提 案 さ れ て一 般 の コ メ ン トに 付 され る まで の 経 過 を 検 討 す る。 第7章 で 将 来 情 報 開 示 に 向 け て の 極 め て積 極 的 な 意 見 を提 示 した ゾ マ ー諮 問 委 員 会 お よ び そ の 報 告 書 で あ る 甜(沢[1977a]の 主 張 を 検 討 す る。 甜CR[1977a]の 提 案 の 基 礎 に な っ た、 伝 統 的 な SEC開 示 政 策 へ の 批 判 的 な 思 考 を 明 ら か に す る 。 同 提 案 は、 ① 投 資 情 報 の 収 集 と 分 析 に 関 す る投 資 家 側 の責 任 に関 して 、 そ して 、 ② 開 示 将 来 情 報 に 開 す る原 告=投 資 家 側 の 立 証 責 任 に つ い て 、 あ らた な 思 考 をSEC開 示 政 策 の基 礎 とす べ き こ とを 主 張 して い る、 もの と筆 者 は判 断 す る。 第8章 で は 通 牒33-5993[SEC1978d]に お け る、 免 責 条 項 に つ い て のSEC案 と ゾ マ ー諮 問 委 員 会 案 と を 比 較 す る 。 っ ぎ に 、 両 案 に っ い て の 一 般 か ら コ メ ン ト、SECDocketFileNo.S7-760 [SEC1978f]に よ る諸 見 解 を考 察 す る。 両 案 が 相 違 す る各 項 目 を 分 析 して 、SEC案 が 特 に、 立 証 責 任 にか か わ る原 告=投 資 家 側 の情 報 収 集 能 力 に関 して1933年 証 券 法 成 立 過 程 で 提 唱 さ れ た ま ま の 投 資 家 側 で の 情 報 収 集 と分 析 の 能 力 を前 提 に した 旧 来 の 投 資 家 保 護 の 思 考 を 基 本 と して い た こ とが 明 らか に な る。 ま た 、 寄 せ られ た コ メ ン トに っ い て は、 っ ぎ の 結 果 が 明 確 に な る:す な わ ち 、 コ メ ン トの 多 く は、SEC案 の う ち企 業 の 代 理 人 に よ る 将 来 情 報 を も免 責 条 項 の 対 象 に 含 あ よ う と提 案 して い る部 分 を 除 い て は、SEC案 に は 賛 成 して い な か っ た との 結 果 で あ る。 第4部(最 終 章 、 第9章)に お い て は 、1979年6月25日 付 通 牒33-6084[SEC1979]に よ り採 択 され た 将 来 情 報 開 示 に関 す るSEC免 責 条 項 で あ る先 記 ③ のSEC規 則 を 検 討 す る。

論 文 審 査 結 果 の 要 旨

こ の 論 文 は 、 企 業 に よ る 将 来 情 報 開 示 に 関 す る3種 類 の ア メ リ カ 合 衆 国 証 券 取 引 委 員 会 規 則 (SEC規 則)の 成 立 過 程 に っ い て 、1971年 か ら1979年 ま で の9年 間 に実 施 され た 公 聴 会 証 言 と一 般 か らの コ メ ン トと の 第 一 次 資 料 に も と つ い て 歴 史 的 考 察 を 試 み た 研 究 成 果 で あ る。 そ の 主 眼 は、 1971年4月 か ら1973年2月 ま で の 間 にSEC委 員 長 を 勤 め たMr,WilliamJ.Caseyが 提 起 し た課 題 、 す な わ ち 「最 も重 要 な投 資 情 報 の 一 っ で あ る企 業 の将 来 情 報 が 、SECで の フ ァ イ ル を 通 じて 正 式 に 開 示 さ れ る こ と な く、 証 券 ア ナ リス トや 新 聞 報 道 な ど を通 じて 流 さ れ る、 と い う選 別 的 開 示 問 題 に対 して 、SECの 開 示 政 策 は い か に あ る べ きか 」 と い う課 題 に 取 り組 ん だSECの9年 間 の軌 跡 を 克 明 に 解 明 す る こ と に 置 か れ て い る。 こ こ で 「3種 類 のSEC規 則 」 と は 下 記 の 三 っ の 規 則 を さ す。 ①RegulationS-K、 項 目101「 事 業 内容 の 叙 述 」、(a)「 事 業 の 全 般 的 展 開 」 ②RegulationS-K、 総 論 、(b)「 諸 推 測 に 関 す る委 員 会 の方 針 」 ③1933年 証 券 法 規 則175「 発 行 者 達 に よ る特 定 の 諸 ス テ ー トメ ン トに っ い て の 責 任 」(同 様 の 規 則 は、1934年 証 券 取 引 法 規 則3b-6な ど と して も存 す る。) この 論 文 は 、4部 構 成 と な って い る。

(7)

第1部 「ベ ンチ ャー ・ビ ジ ネ ス と企 業 将 来 情 報 開 示 一"HotIssue"(人 気 新 規 公 開 証 券)問 題 とSEC一 」(第1章 ∼ 第2章)で は、 い わ ゆ る ベ ンチ ャ ー ・ ビ ジ ネ ス を対 象 に して い る と思 わ れ る 上 記SEC規 則 ① の成 立 過 程 が 、 い わ ゆ る"HotIssue"問 題 に関 連 づ け て 検 討 され る。 同 規 則 ① の成 立 に よ り、 該 当 企 業 の 営 業 活 動 計 画 の 開 示 お よ び現 金 予 算 情 報 のSEC宛 へ の 提 出 が 義 務 づ け られ る こ と に な っ た 。 第2部 「企 業 将 来 情 報 開 示 に む け て 一本 格 的 なSEC開 示 政 策 改:革の 始 動 一」(第3章 ∼ 第6章) で は 、 上 記 のSEC規 則 ② がSECの 一 部 局 で あ るDivisionofCorporationFinance(DOCF)の

ガ イ ドと して 採 択 さ れ る に い た る ま で の 経 緯 が 考 察 され る。

第3部 「SEC開 示 政 策 の 積 極 的 改 革 へ の主 張:SEC開 示 に 関 す る諮 問 委 員 会 の 提 案 一1977年 ゾ マ ー(Sommer)諮:間 委 員 会 の 提 案 とSECの 動 向 一」(第7章 ∼ 第8章)で は、 ゾ マ ー諮 問 委 員 会 以 降 、 通 牒33-5993[SEC1978d]に よ り免 責 条 項 に っ い て のSEC案 と ゾ マ ー諮 問 委 員 会 報 告 書( &{α ∼[1977a])案 とが 提 案 さ れ て 一 般 の コ メ ン トに付 さ れ る に い た る ま で の経 緯 が 考 察 さ れ る。 最 後 の 第4部 「SEC開 示 政 策 改 革 の 実 現 」(第9章)で は 、SEC免 責 条 項 で あ る上 記 のSEC規 則 ③ の 成 立 過 程 が 考 察 さ れ る。

この よ うな 考 察 を通 じて 解 明 さ れ た こ と は、 下 記 の2点 に要 約 す る こ とが で き る。

(1)企 業 の 将 来 情 報 の 開 示 に関 す るSECの 開 示 政 策 の 改 革:は、 紆 余 曲 折 し9年 も の歳 月 を 要 し た け れ ど も、 改 革 を 積 極 的 に 主 張 す る提 案 を よ り多 く採 択 し たSEC規 則 が 成 立 した こ と に よ っ て 、 一 応 の決 着 を 見 た こ と

(2)SEC委 員 長Mr.Caseyが 提 起 した 企 業 将 来 情 報 の選 別 的 開 示 問 題 に 関 す るSECと して の 課 題 は、SECで の フ ァイ リ ン グ に よ る 開 示 に 限 定 して 原 告=投 資 家 側 に 立 証 責 任 を 負 担 さ せ る こ と とす る と い う内 容 の免 責 条 項 規 則 を 新 設 す る こ と に よ って 、 果 た さ れ た こ と この 論 文 は、 ア メ リカ 合 衆 国 に お い て1970年 代 を 通 じて 展 開 さ れ たSECの 企 業 情 報 開 示 政 策 の 転 換 過 程 に関 す る資 料(史 料)を20年 以 上 に わ た って 徹 底 して 収 集 しか つ 克 明 に分 析 す る、 と い う 実 証 的 研 究 の な か か ら産 み 出 さ れ た 成 果 で あ って 、 他 の追 随 を 容 易 に は許 さ な い労 作 で あ る。 各 国 の 企 業 情 報 開 示 政 策 に 関 す る 実 証 的 研 究 へ の 貢 献 も小 さ くな い 、 と評 価 す る こ とが で き る。 よ っ て、 わ れ わ れ 論 文 審 査 担 当者 は 、 この 論 文 に か か る博 士 論 文 審 査 の 成 績 は 「合 格 」 と判 定 す るQ

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