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コラム ン マ キー ける お に 等 設 施 険 保 護 介 ④ 方 め 進 の ア ケ 腔 口 日常的 クニック 口腔ケアの 時間短縮 テ 佐々木 妙子 ぷらす歯科衛生士事務所 日本口腔ケア学会 社 代表 歯科衛生士 理事 行なうと安全なケアが出来る 4 図のように根元のガーゼをすぼめて サージ

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(1)

施設で気になる

感染症のはなし

災害時の感染対策と備蓄

口腔ケアによる、

QOL向上

介護保険施設などにおける

口腔ケアの進め方④

∼日常的口腔ケアの時間短縮テクニック∼

キーマンコラム

ぷらす歯科衛生士事務所 代表/歯科衛生士 日本口腔ケア学会 理事

佐々木 妙子

社会福祉法人 薫風会

初田郷 富士見荘

口腔ケアインタビュー

生・

栄 養・

パ ーソ ナルケア で 健 康をトータル 的にサポー

ト し

す。

vol.

7

2013

(2)

個別の口腔状態や口腔清掃自立度(BDR)に応じた

口腔ケア用品を選択する

使 用 する口 腔 ケア 用 品 は 、その 人 の 口 腔 状 態 や 口 腔 清 掃自立 度に応じた選 択が必 要で す(「 健 康 すまいる VOL6.2013」参照)。さらに使い方や用品の消耗度などの 判別も大切で、介護スタッフでは判断できない事もあります。 効果面のみならず、リスクマネジメントの観点からも歯科医 師、歯科衛生士、看護師の指導を受けて適切な用品を選択 しましょう。また用品はひとまとめにセットにして居室の洗 面所など、所定の場所を決めておくと時短ケア出来ます。

食渣(食べカス)はブクブクうがい(洗口)でかなり除去

できることを理解する

皆さんは歯みがきをする時に、いきなり歯ブラシを口の中 に入れて磨くことから始めていませんか?これはとても非 効率です。時短テクニックとしては、まず“ブクブクうがい” から始めましょう。口の中の汚れは食渣だけではなく、デン タルプラーク(細菌叢)、粘膜剥離上皮、気道分泌物(痰)な どがありますが、このうち食渣は“うがい”をすることでかな り除去することが出来ます。食渣が除去されると口の中は スッキリします。しかし肝心の病原となるプラークや気道分 泌物、舌苔などが除去されたわけではありません。これらの 汚れはうがいでは除去できない汚れです。歯ブラシなどで 機械的に丁寧に磨いていきます。“ブクブクうがい”の出来 ない人には、後述のスポンジブラシ等で除去します。

視野の確保と開口保持をして安全に行なう

要介護者の口腔清掃は、認知症、意識障害や開口障害等に より、開口に応じて貰えない場合や拒否などから指を咬まれ たりする危険があります。安全に口腔ケアを行なうために口 の中の視野を広げ、開口した状態を保持してケアすることが 大切です。その際に手作り巻綿棒を活用すると口の中に指 を入れないで安全に開口させてケアすることが出来ます。 巻綿棒とは割り箸の先に綿花を巻いて上からガーゼをかぶ せた綿棒のことで、次のような使い方で時短にもつながる優 れたツールとなります。

1. 視野を広げる

要介護者の口腔ケアの際、口の中の視野を広げるために指 を入れないで、巻綿棒を使って口唇や頬粘膜を押し広げて 行なうと安全なケアが出来る。

2. 歯肉や粘膜をカバーする

歯ブラシの毛先で歯肉や頬粘膜を傷つけないために、カ バーすることも出来る。 

3. 吸水できる

口の中に溜まった唾液やうがい水、汚水などを誤嚥させない ように吸い取ることができる。

4. 口腔清拭できる

うがいや歯みがきの困難な人の口腔清拭や口腔乾燥を防ぐ ための保湿剤の塗布に活用できる。

5. 開口用・保持器として活用できる

サイズを開口度に合わせて作成出来る。巻綿棒は感触も柔 らかく、割り箸の柄がしっかりとしているので、安全な開口 用・保持器として活用出来る。 ●割り箸 長さは、歯ブラシの柄ぐらい・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1膳 ●綿花 5cm×5cmにカットしたもの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2枚 (開口用は7cm×7cm) ●ガーゼ 7cm×7cmにカットしたもの・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・2枚 (開口用は10cm×10cm) ●サージカルテープ 15cmにカットしたもの・・・・・・・・・・・・2枚 注意:手を清潔に洗い、速乾性手指用アルコールで消毒してから作成しましょ う。巻綿棒はスポンジブラシと同様に使い捨てです。繰り返し使わないこと。

(1)

割り箸一膳を割り、2本にする。 綿花1枚を縦繊維走行に持ち、両端を引きち ぎり図のような三角形を作る。

(2)

綿花上部1cmを折り、割り箸の先(細い 方)にかぶせて、端からクルクル巻く。(開口 用は割り箸を1本のまま使い、太い方に7cm× 7cmの綿花を2枚巻く)

(3)

綿花の上に(1)で引きちぎった両端の綿 花をかぶせて、丸い頭を作る。上から7cm×7 cmのガーゼを1枚かぶせて、角を作らないよ うに綿棒を作る。(開口用は10cm×10cmの ガーゼを2枚かぶせる)

(4)

図のように根元のガーゼをすぼめて、サージ カルテープで頭部が抜けないように、木の部分ま でしっかり巻きつける。

洗口液や保湿剤を使用して、デンタルプラーク、舌苔、

痰などの付着物を効果的に除去する

うがいが困難な要介護者や唾液分泌の減少等で口腔内に 乾燥が見られる人には保湿剤(ジュワスマイル、口腔ケア用 保湿ジェル)を活用し口腔内を湿潤させながら、スポンジブ ラシや粘膜ブラシで付着したデンタルプラーク、舌苔、痰な どの汚れを除去します。 4回シリーズで「介護保険施設等における口腔ケアの進め 方」と題して、現場における取り組みを紹介しました。この 記述内容が、平成24年に改正・新設された「口腔機能維持 管理体制」と「口腔機能維持管理」の制度を活用し、さらに 施設での口腔ケアが推進・充実されますように、少しでもお 役立ていただければ幸いです。最後に、私は歯科衛生士と して施設における「口腔機能維持管理」を担い、介護スタッフ と共に日々の口腔ケア業務に携わっていますが、入居者の 方々が出来る限り現在の健康状態を維持され、意欲的な療養 生活が過ごせることを願って、一層努力したいと思います。 ※本稿の掲載に当たり写真資料の撮影にご協力頂いた滋賀県大津市・ 特別養護老人ホーム「リバプール」の施設長 堤英幸様並びに職員の 皆様にお礼申し上げます。

2

1

自力でケアできる。 残存歯(残根含む)が多くあり 部分義歯を使用している人の 口腔ケア用品。 全介助。 胃ろう、無歯顎で義歯(総義歯)を 使用していない人の口腔ケア用品。

佐々木 妙子

∼日常的口腔ケアの時間短縮

テクニック∼

介護保険施設等における

口腔ケアの進め方④

介護保険施設等における

口腔ケアの

アの

ア 進め方④

ぷらす歯科衛生士事務所 代表/歯科衛生士/(社)日本口腔ケア学会 理事

介護

介護

介護

キーマ

ンコラ

写真提供:大津市特別養護老人ホーム リバプール 1.活用方法 2.製作材料(2本分、開口用は1本分) 3.作り方

施設における口腔ケアは、大半の入居者に個別の介助が必要ですが、介護スタッフは入浴、排泄や食事等の日

常生活の介護に忙しく、

“口腔ケアに時間が取れない!”と言う声が聞かれます。そこで今回は、介護スタッフが

口腔ケアを実施するにあたって日常的口腔ケアの時間短縮と質の向上につながるテクニックを紹介します。

巻綿棒の製作材料と完成品。 左は視野拡大と開口保持用、 右は開口用。 巻綿棒は毎回10本ぐらい手作りして 口腔ケアを行っている。 巻綿棒で視野拡大、 開口保持して口腔ケアしている様子。 口腔用 ウェットガーゼ 口腔ケア用スポンジブラシ 口腔ケア用保湿ジェル ガーゼとスポンジブラシ、保湿剤は要介護高齢者の口腔ケアに 欠かせない物品である。

テクニックポイント

テクニックポイント

テクニックポイント

テクニックポイント

(3)

4

3

口腔ケア

インタビュー

食べる楽しみを大切にした結果、自ずと口腔ケアに力を入れる

ようになったという、小規模多機能施設でお話をうかがいました。

●小規模多機能施設 25名

社会福祉法人 薫風会 

地域密着型 介護老人福祉施設

初田郷 富士見荘

〒323-0068 栃木県小山市大字下初田537-2  TEL0285(33)3223

社会福祉法人 薫風会

最初に、こちらの施設の特徴を教えてくだ

さい。

須藤

さん 施設の理念は、『あたりまえの暮らしを支援する』というものです。できる だけ家でしていた生活を施設でも送っていただきたい。食事だったり、 排泄、お風呂にしても、できるだけ家庭に近づけたいと思っています。 トイレについては、一人一人のタイミング を把握して、誘導しています。それによっ て、必要以上におむつをしなくて済むし、 通気性の面からも皮膚トラブルに つながらない。何より、見た目が違 います。おトイレの訴えができない 方もいらっしゃいますけど、だから いいってわけではない。トイレに ついては、個人の尊厳ととらえて いますので、そこは尊重したいと 思っています。 食事についてはやっぱり楽しんで もらう、ということ。単なる栄養摂取だけでなく、口から食べられる楽しみ をできるだけ長く続けてもらいたいと思っています。

山中

施設長 本来であれば、自宅で暮らすのが一番いいと思うんで すけど、家族だけでは、支えきれないという現状もあり ます。言ってみればここで生活をせざるを得ない、 という状況の人がいる。介護を受けるという 気持ち、家族と離れてここで暮らすことに なった人の内面的な気持ちを踏まえたうえ で、接したいと思っています。毎日の暮らし の中で、食事というのは、本当に楽しみで あるので、大事にしたいと思っています。

お食事については具体的にどのようなこと

をされていますか?

須藤

さん 月に1∼2回は食事会を実施しています。夏であれば、ビアガーデン や、流しそうめんといった食事会を 実施して、雰囲気を変えて、楽しん でもらっています。また、ユニットで 調理する機会をつくって、調理の 段階から利用者さんに関わって もらっています。

中澤

さん ユニット調理については、ご利用者さんか ら、食材の切り方とか、この方が火が通り やすいよ、とか教えてもらったりして、コ ミュニケーションにもなっています。 すると、日ごろあまり食べれない人 も、自分たちが作ったんだからという ことで、食べる量が増えたり、目の 前で調理することによって、焼ける音とか、においに刺激されてる ようなので、効果的かなと思っています。

富田

さん 職員もおいしいですねと声かけしながら、仲間として一緒に食べて います。外食だと、普段食べられないものを食べられたり、たくさん 食べられたりすることもあるので、食事の雰囲気もとても大切だと 思っています。

胃ろうの方もいろんな取り組みで経口摂取

できるようになったとお聞きしています。

須藤

さん できるだけ、口から食べてもらいたいと思っているので、胃ろうの方 でもそのチャンスというのは常にうかがっています。 そのために、口腔ケアを重点的に強化して、マッサージをしたり、口 腔機能が向上するように取り組みました。食事も段階的に変えて いって、すごく時間がかかりましたけど、うまくいきました。 経口摂取にすることができた方は、ご本人が食べたいという気持ち が強い方だったので、なんとか、我々もそれに応えたかった。 やはり高齢になると、食べる楽しみはかなりのウェイトになると思うの で、そこは、私たちが常日頃からうかがって、食べられるチャンスを見 過ごさないように意識しています。

口腔ケアについては具体的にどのようなこ

とをされていますか?

富田

さん 嚥下機能が衰えている方や飲み込みが難しい方、 むせがある方には、唾液分泌を促して、できるだけ スムーズに食べてもらうために、食べる直前に マッサージをしています。食後については、 できる方はご自分で歯ブラシをしてもらって、 できない方には、口腔ガーゼやスポンジを 使ってケアしています。

中澤

さん 口腔清掃をしっかりしてあげないと、やっぱりむせるようになってしま うことがあります。以前は、専用の口腔ケアガーゼの存在も知らな かったので、クッキングペーパーを利用していたこともありました。条件 として、しっかりして丈夫なもの、また、ご家族で負担いただいていま すので、コストの面も重要で す。今はサラヤさんの口腔 用ウェットガーゼを使わせて もらっていて、丈夫だし、ガー ゼがデコボコしているので 汚れが取れやすいです。 同じようなものを使ったこと もあったんですが、一枚一 枚キレイに取れなくて、衛生 的に心配したこともあったん です。サラヤさんのは、1枚 ずつちゃんと取れて、次の ガーゼが必要以上に出て こないので、すごく些細なことなんですけど、職員みんなで感動しま した。使いやすくて、短時間で済むので、利用者さんに負担をかけず にできているなって職員からも声があがっています。

口腔ケアの勉強は? 

須藤

さん 定期的な勉強会を企画して、取り組んでいます。職員みんなで、うち に足りないものはなんだろう?と考えた中の1つが口腔ケアでした。

中澤

さん 口腔ケアの必要性は、日々の取り組みの中で各スタッフに伝えて います。でも、最初の頃は、職員から口腔ケアの必要性はあるの? という意見もありました。その都度、説明をして、ユニット会議の際に みんなで意見を出し合ったりしています。徐々に浸透していって、今 ではみんな理解してやってくれています。逆に私よりも熱心に取り 組んでくれている方もいて、助かっています。

須藤

さん 食べれなかった方が食べられるようになる、おいしかったという表情 だったり言動をみられるっていうのが一番です。そこが私たちスタッ フのモチベーションだし、それが見たくてやっています。そのために 口腔ケアは必要不可欠だと思っています。

あたりまえの生活をあたりまえに

送っていただくために

敢えて 1 人サイズのヒバの浴槽。 マンツーマンでコミュニケーションを図ります 食事前に食品添加物製剤のアルコール消毒 出入り口にはウイルスに効果的な消毒薬 昼食前の嚥下体操 栃木県歯科医師会の資料を参考にした手作りイラストで 課長

須藤 学

さん 施設長

山中 豊

さん ユニットリーダー

中澤 実希

さん ユニットリーダー

富田 尊之

さん 夏のイベント「流しそうめん」 看護師

今野 淳子

さん ご家族にはたくさん 面会に来てほしい。 そのために外部からの 感染対策を強化しています。 誤嚥される方が何人かいらっしゃって、 肺炎を繰り返しているというのもあって、 嚥下体操を始めました。 強度があって、使っていても ケバ立ちがありません。マイ ルドな清涼感がいいですね。

初田郷 富士見荘

(4)

6

参考文献 ●「口腔機能向上マニュアル」∼高齢者が一生おいしく、楽しく、安全な食生活を営むために∼(改定版)(平成21年3月) ●口腔ケアの可能性 ジェロントロジー ニューホライズンVol.17 No.3 2005-7 ●秋房住朗(2007)介護予防の現場で役立つ口腔機能向上事例集 永末書店 ●手嶋登志子(2006)高齢者のQOLを高める食介護論 日本医療企画

5

感染症

はなし

施設で気になる

災害時の感染対策と備蓄

5

2日以内に、手指衛生の徹底、必要な衛生用品の設置、清掃と環境 消毒の徹底が実施されたことが、早期終息に繋がったと考えられます。

感染症対策のかなめ

接触感染対策として最も重要な対策は、“手指衛生” といっても過言ではありません。本来、流水と石けん による手洗いが理想的ですが、水不足の際に活用 できるのが、手指消毒用アルコール製剤です。 災害時には、食事提供の場、トイレ付近など、いたる ところに消毒剤を設置して、啓発することがポイントです。

緊急時に必要な水の量

ちなみに、飲料水等で生命維持に必要な水の量は、1日1人当たり、 およそ5Lと言われています(自然災害後の緊急対応における国際 的な基準)。さらに、食事や最低限の衛生を確保するためには15∼ 20L/人/日とされます。(国立感染症研究所感染症情報センター「水の確保と手 指衛生」より引用) よって、飲料水の確保が最優先となる断水時には、水を使用した感 染対策に代わる、手指消毒用アルコール製剤が役立ちます。

災害に備えた備蓄

では、予測できない災害に対して、感染対策の視点からどのような備 えが必要なのでしょうか。ある程度の対策用品を備蓄しておくこと で、非常時にすぐ対応することが可能です。被災地域の現場の声と して、食材以外に衛生管理の視点から、ラップや使い捨て手袋、手指 消毒剤の必要性が高いという報告もあります。 (福島県社会福祉協議会「東日本大震災における食事提供に関わる調査の結果〈健康すま いるVol.1 政安静子氏キーマンコラム〉」より引用) 特に、水が使えない中ではウェットガーゼタイプのものが、役立ちます。 避難所全体で感染対策を意識できるよう、だれにでもわかりやすい 掲示物(手指衛生や咳エチケットについて)を活用することも対策の ひとつです。 また、備蓄をする上で、どの物品も“良い状態で使用 できるように管理する”ことも大切なポイントです。 衛生用品には使用期限が設定されていないものも ありますので、購入日や製造日を把握し、時間が経っ たら順次使用することで、無駄なく管理できます。

6

5

5

参考文献 ●切替照雄『避難所における感染対策マニュアル』、「新型インフルエンザ等の院内感染 制御に関する研究」研究班、2011年 ●『避難所における嘔吐・下痢症集団発生事例』、国立感染症研究所 感染症情報センター、2011年 ●中久木康一『大規模災害発生時における口腔ケア活動の意義と実際』 感染要因 種類と特徴 水まわり・食品を媒介 過密状態に伴い発症 皮膚感染症 近年全国的に流行 急性下痢症(ノロウイルス感染症等) 細菌性腸管感染症(サルモネラ、カンピロバクター等による食中毒) 急性呼吸器症候群(高齢者を中心に発症) インフルエンザ 結核(高齢者を中心に発症) 白癬症(頻繁に洗浄、入浴できないために発症) 風疹 (東日本大震災発生時に作成されたリスクアセスメント表〈2011年7月11日〉参考) 生活スペース 各階は過密状態で、汚物等の処理が不適切だった。 手 指 衛 生 十分にできていなかった。 水 ま わ り 生活用水の大半はトイレの水道を利用していたが、 清掃が不十分だった。 換    気 設備が不十分で、効率的な換気が困難だった。 廃棄物用容器(分別、蓋ができるもの)、手指衛生用品 (手指消毒用アルコール製剤、石けん、ペーパータオル)、 塩素系漂白剤 マスク、手袋、ガウン 歯ブラシ、歯みがき粉、マウスウォッシュ、スポンジブラシ、 口腔用ウェットガーゼ、保湿ジェル、入れ歯洗浄剤 等 ※高齢者の場合、口腔内の不衛生から誤嚥性肺炎などの呼吸器感染症 発症のおそれがあるため、災害時の口腔ケアが重要視されています。 全身清拭用ガーゼ、タオル、清拭剤、 ドライシャンプー 等

避難所で流行する可能性がある感染症

備蓄例 0 0.5 0 ー 0.5 ー 1 ー 1.5 −2 ー 2.5 −3 −3.5 6 12 18 24ヵ月 口腔ケア群 対照群 図1 口腔ケアによる認知機能(MMSE)の低下予防 「口腔機能向上マニュアル」(改訂版)(平成21年3月)より 要介護高齢者の日常生活における関心事 p<0.05

当時の衛生状態

事例 感染対策以外の備蓄については、自治体のマニュアル等をご参照ください。 感染対策 個人防護具   ボディケア ヘアケア 口 腔 ケ ア ガーゼ 大規模な避難所にてノロウイルスによる嘔吐・下痢症が集団発生。 最初の感染経路は特定できなかったが、原因は食中毒ではなく、 同市内から避難所内に持ち込まれた可能性が高かった。発生後、 手指衛生と環境清掃など十分な対応がなされ、早期に終息した。 近年、地震や台風、豪雨等による自然災害が頻発し、今後も 大きな地震発生の可能性が高いと言われています。そこで今 回は、災害時に起こりうる感染症に着目し、過去の事例や備 えについてご紹介します。

災害時の衛生状態と感染症

災害発生時には、水道や電気、ガス等のライフラインが途絶え、場合 によっては避難生活が必要となります。災害の種類や規模によって 異なりますが、避難所で確保できる設備や資源には限りがあり、大 勢の方が密接して生活することや、混乱により基本的な感染対策が 二の次になってしまうことなどから、感染症が発生しやすい状況にな ります。そのため、災害直後からしっかりと感染対策を行なうことが、 その後の感染症を予防するカギとなります。表は、過去の災害で 流行した、もしくはその可能性が高いとされた感染症です。 その他、災害時の怪我やがれき撤去時に注意したい破傷風(外傷が 土壌汚染されて発症するため)等、様々な感染症に対して注意が必 要です。では、実際の集団発生事例から、発生の要因と対策のポイ ントを確認しましょう。

   避難所におけるノロウイルス感染症

上記のように、避難所では十分な設備が確保できず、生活空間と衛生 空間が密接していることがわかります。本事例では集団発生把握から

6

口腔ケアは、単に口の中の衛生を保つというだけでなく、全身の健康維持に必要であり、さらには高齢者の生活をより

豊かにすることにもつながります。口腔機能が向上することによって、要介護高齢者に対して、どのような効果が

期待できるのか、みていきましょう。

口腔機能向上の効果

口から食べるしあわせ

『食べる』という行動1つをとっても、たくさんの刺激が生じます。 これらを可能とするのは、口腔ケアであり、事例からもわかる ように、さまざまな機能を持つ口腔の機能が向上することは、 関連する機能に芋づる式に影響を及ぼします。 口腔機能向上を実施することで、 1.食べる楽しみを得ることから、生活意欲の高揚が図れる。 2.会話、笑顔がはずみ、社会参加が継続する。 3.自立した生活と日常生活動作の維持、向上が図れる。 これらが期待でき、疾病予防、介護予防に加えて、QOLの 観点からも、口腔ケアは大変重要であると言えます。

6

口腔は、食物摂取、咀嚼、唾液による消化、味覚、嚥下、呼吸な ど、きわめて多くの機能を持つ器官です。全身に与える影響も 大きく、口腔機能の向上により、次のような効果が期待できます。 ● 肺炎の減少 ● インフルエンザの予防 ● 舌の運動機能の改善 ● 唾液分泌の改善 ● 栄養状態の改善 など これら生命に関わる重大な疾病予防という点からも、口腔ケア は重要であることはすでに広く知られるところです。さらに、次 からは、健康とも密接に関係するQOLの向上について、事例を 紹介しつつ、みていきましょう。

人とのふれあい

全身への刺激

口腔ケア自体が、ふれあいであり、刺激となります。口腔ケア によって、口臭が少なくなる、発音が明瞭になるなどして、円滑 でスムーズなコミュニケーションが可能となります。話すこと は、人間関係や人間形成において大変重要な役割を持ってい ます。また、口腔ケアが認知機能の低下を抑制したという報告 もあります。(図1) 実際、現場では、口腔 ケアを始めてから利用者 の顔が明るくなったと の意見も多く聞かれる ようです。 食事は、単に栄養素を摂取するというだけでなく、日常生活に おける楽しみであることは言うまでもありません。 美味しく、安全に食事をするためには、その前提として、清潔な 口腔であることが必須です。美味しいものを食べるとうれしい、 私たちにとっては当たり前のようなことも、要介護高齢者にとっ ては、適切な口腔ケアがあって初めて可能となることなのです。 食べることは、最も楽しいリハビリでもあり、味わうという喜び を通して、生きる意欲にもつながります。 1位 特別養護老人ホーム 9施設 n=773 食事 44.8% 老人保健施設 13施設 n=1324 食事 48.4% 2位 行事参加 28.0% 行事参加 40.0% 3位 家族訪問 25.3% 家族訪問 35.2%

全身状態との関連事例

 ∼食欲不振Aさんのケース∼ 歯周病がひどく、ぐらぐらの歯がたくさんあり、歯石も歯 垢もべったり。Aさんには「以前好きだった唐揚げをもう 一度食べよう」という目標をもってもらい、口腔ケアを実 施した。口腔内の環境が改善されると、まずは味がよくわ かるようになった。(略)その後、「硬いものは食べられず 豆腐ばっかりで、もう食欲がない」といっていたAさんの 食欲がわき、栄養状態が改善され、身体状況も改善して いった。 (介護予防の現場で役立つ口腔機能向上事例集より)

全身状態との関連事例

 ∼認知症Bさんのケース∼ 重度の認知症により、食事もままならず、経管栄養となっ た。口腔内も悲惨だった。口腔ケアを行うと、口腔や顔面 に触れられることで、脳に刺激が伝わったのか、徐々にこ ちらの働きかけに反応が見られるようになった。すると、リ ハビリの参加に積極的になり、意欲的に活動するように なったことは介護スタッフの間で驚きの話題になった。 (介護予防の現場で役立つ口腔機能向上事例集より)

非常袋

口腔ケアによる、

QOL

向上

食べ物の味 食べ物の香り 話し声や食器の音 食べ物を噛む音 食器や食べ物の色や形人の顔や姿、食卓の風景 食べ物の食感、温度 味覚 触覚 聴覚 嗅覚 視覚

(5)

東京サラヤ株式会社 本 社:〒140-0002 東京都品川区東品川1-25-8 TEL.06-6797-2525 http://www.saraya.com/ サラヤ株式会社 本 社:〒546-0013 大阪市東住吉区湯里2-2-8 55-0483-00-6 MN

編集部からのお願い

福 祉 施 設 様 向けの 情 報 誌「健康すまいる」いかがでしたか?  是 非 、皆 様 のご意 見をお聞かせください。 これまでお届けした本 情 報 誌「 健 康 すまいる」の バックナンバ ーは、 インターネットからご覧 いただけます。 「健康すまいる」 サラヤ株式会社  健康すまいる編集部 fukushi@saraya.com TEL:06-4706-6081 e-mail 検索 サラヤ 健康すまいる http://pro.saraya.com/fukushi/kenko-smile/ W e b 版

ラインナップ

口腔ケア用

保湿ジェル

口腔ケア用

スポンジブラシ

サ ラヤ の 新 し い 口 腔 ケ アシリー ズ

毎 日 を 快 適 に 過 ご すた め に、

口 腔 ケア を もっと 身近に

口腔用

ウェットガーゼ

清掃・口腔マッサージ

保湿ケア

90枚 150本 75g (個包装)

取り出してすぐケアできる

洗口液含浸タイプ

7

角形の持ちやすい軸と

特徴的なスポンジ形状

・ノンアルコール ・湿潤剤(グリセリン)配合 ・プラスチック軸 ・きめ細かい柔らかスポンジ 指に フィットし 破れにくい 口腔清掃や 保湿ジェルの 塗布に

NEW

やわらか メッシュガーゼ

なめらかなジェルが乾燥

したお口にうるおいを

ラクトフェリン、β-グルカン、 ヒアルロン酸Na 配合 伸びが良く 塗り広げやすい 保湿成分

参照

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