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はじめに 2018 年度は 当団の新しい3か年中期経営方針の初年度となる 国際化とICT 化の推進をキーワードにしたこの中期方針を踏まえ 良き伝統に立脚した新しい時代のオーケストラの創造に向けた活動に取り組んでいく 首席指揮者パーヴォ ヤルヴィとの契約は4 年目に入る 2017 年度は モーツァルト

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Academic year: 2021

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2018年度

事業計画書

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はじめに

2018年度は、当団の新しい3か年中期経営方針の初年度となる。国際化 とICT化の推進をキーワードにしたこの中期方針を踏まえ、良き伝統に立脚 した新しい時代のオーケストラの創造に向けた活動に取り組んでいく。 首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィとの契約は4年目に入る。2017年度は、 モーツァルトの《歌劇「ドン・ジョヴァンニ」》(演奏会形式)(9月)で当団 と初めてオペラに挑戦。この3月に予定しているバーンスタインの《ウエス ト・サイド・ストーリー》(演奏会形式)への期待もきわめて高く、共演プロ グラムの幅がさらに広がってきた。今年度も意欲的なプログラムを組み、オー ケストラとしての力とレパートリーをさらに蓄積して、世界の優れたオーケス トラに伍する存在感をこの首席指揮者と共に示していきたい。 ICT化は、これまで当団の演奏をあまり聴いたことがない、演奏会に足を 運ぶことが少ないといった方々に向けたツールとして効果的に活用する。世界 の潮流となっている演奏会のストリーミング配信は、当団でも2017年度に 特別演奏会等で初めての試みとして行った。自宅に居ながらにして楽しむこと ができる“演奏会”を国内、海外に向けて発信するトライアルを継続してい く。また、SNSを使った演奏会情報の発信、WEBによるチケット購入シス テムなど、事業運営においてもICT化を推進し、新たな客層の開拓、従来か らのファンとのコミュニケーションの深化に繋げ、安定した公演収入の確保、 定期会員の維持・増加を図る。 開催まであと2年となった東京オリンピック・パラリンピックは国内・海外 に向けた文化発信の機会としても有意義なものである。放送や関連イベントに ついては、NHKをはじめ各方面と連携しながら積極的に参画することはもち ろんのこと、一過性のものに終わらせずにオリンピックレガシーとして当団の 今後の活動に繋がるものとして取り組んでいく。 NHKグループの課題の一つである「働き方」改革は、「NHKグループ働 き方宣言」の実現に向けて、体制整備や意識改革に積極的に取り組む。 1

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1. 演奏計画

(1)定期公演 NHKホールでのAおよびCプログラムは18プログラム36公演、サ ントリーホールでのBプログラムは9プログラム18公演で、合計27プ ログラム54公演を行う。 公演の主な内容は以下の通り。 【4月】 桂冠名誉指揮者ヘルベルト・ブロムシュテットが、Aプロでは自 らのルーツであるスウェーデンの作曲家ベルワルドの《交響曲第3 番》を取り上げる。Bプロ、Cプロはオール・ベートーヴェン・プロ グラム。《ピアノ協奏曲第4番》では、名ピアニスト、ピレシュを迎え る。 【5月】 首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィがBプロで《3楽章の交響曲》な どストラヴィンスキー作品を初めて当団で指揮する。Aプロでは今回 で5回目の当団登場となるドイツのヴァイオリニスト、テツラフとベ ートーヴェンの協奏曲を共演、Cプロではブルックナーの《交響曲第 1番》などを演奏する。 【6月】 桂冠指揮者ウラディーミル・アシュケナージが、Aプロでは《交 響詩「海」》などドビュッシー没後100年のプログラム、Cプロでは メンデルスゾーンの《ヴァイオリンとピアノのための協奏曲》を庄司 紗矢香とオラフソンをソリストに演奏する。Bプロは正指揮者尾高忠 明がイタリアの名手ブルネロをソリストに迎えたシュトニケの《チェ ロ協奏曲第 1 番》とチャイコフスキーの《交響曲第5番》を指揮す る。 【9月】 2018-2019の新たなシーズンの幕開けは、首席指揮者に 就任して4シーズン目となるパーヴォ・ヤルヴィがJ・シュトラウス の作品やマーラーの《交響曲第4番》をAプロで披露。Bプロでは元 ベルリン・フィル首席ホルン奏者のバボラークがR・シュトラウスの 《ホルン協奏曲第2番》で共演する。Cプロは、シベリウスの大曲 《クレルヴォ》を、エストニア国立男声合唱団などと共に演奏。 【10月】 ヘルベルト・ブロムシュテットが4月に引き続き登場。Aプロ 2

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でモーツァルト、ブルックナー、Bプロでベートーヴェン、Cプロで ハイドン、マーラーのいずれも交響曲を指揮する。Bプロではさらに スウェーデンの作曲家ステンハンマルの《交響曲第2番》を取り上げ る。 【11月】 Aプロは広上淳一が、コープランドの《オルガン交響曲》、アイ ヴスの《交響曲第2番》などアメリカの作曲家によるプログラムを指 揮する。コープランドでオルガン独奏を務める鈴木優人は当団初共演 となる。Bプロ、Cプロを指揮するのは、3年ぶりとなるジャナンド レア・ノセダ。Bプロでは、アフナジャリャンとハイドンの《チェロ 協奏曲第1番》を演奏。Cプロでは、プロコフィエフの《バレエ組曲 「ロメオとジュリエット」》(抜粋)などを演奏する。 【12月】 調整中 【1月】 近年、毎シーズン定期公演に登場しているトゥガン・ソヒエフ。 Aプロで取り上げるのはベルリオーズの交響曲《イタリアのハロル ド》。当団ヴィオラ首席奏者佐々木亮がソリストを務める。Bプロでは リムスキー・コルサコフの名曲《交響組曲「シェエラザード」》などを 指揮する。Cプロを振る気鋭の指揮者ステファヌ・ドゥネーヴは4シ ーズンぶり。レスピーギの《交響詩「ローマの松」》などを演奏する。 【2月】 パーヴォ・ヤルヴィが、Aプロでマーラーやブルックナーと同世 代でありながら25歳で急逝したオーストリアの作曲家ハンス・ロッ トの《交響曲第1番》を、またBプロでは《バレエ音楽「春の祭典」》 など5月に引き続きオール・ストラヴィンスキー・プログラムを指揮 する。Cプロではラフマニノフの《ピアノ協奏曲第2番》でブニアテ ィシヴィリが共演する。 (2)特別公演 定期公演以外で当団が主催して行うもの。 今年度は、下記の公演を予定している。 ① Music Tomorrow 2018(6月26日) 優れた現代音楽作品を取り上げて、新たな音楽文化の創造に寄与する ことを目的とした演奏会。今回は、第66回尾高賞受賞作品とともに、 3

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ルルーをソリストに迎えたマクミランの《オーボエ協奏曲》(日本初 演)や鈴木純明の新作(当団委嘱)などを演奏する。 ② N響夏2018(7月20日) 毎年夏に開催する名曲コンサート。フィンランド出身の実力派ユッ カ・ペッカ・サラステが、スクリデをソリストとするシベリウスの《ヴ ァイオリン協奏曲》やブラームスの《交響曲第1番》などを取り上げ る。 ③ N響ほっとコンサート(8月5日) 夏休みに青少年やファミリー向けに行う楽しいコンサート。NHKホ ールのロビーには楽器体験コーナーを設けて、演奏者と子どもたちの交 流を図る。 ④ ベートーヴェン「第九」演奏会(12月22日、23日、24日、2 7日) 年末恒例のベートーヴェン交響曲第9番。今回は、ドイツの巨匠、マ レク・ヤノフスキが指揮をする。 (3)地方公演 ① NHK音楽祭(10月1日) 毎年、世界の一流音楽家、オーケストラを招いて開催されているN HK音楽祭。当団は、首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィの指揮で、オル フの《世俗的カンタータ「カルミナ・ブラーナ」》などを演奏する。 ② NHKとの共催により全国各地で実施する公演 今年度は、鳥栖(佐賀県)、大分、宮崎、鹿児島、熊本、大津(滋 賀県)、奈良、神戸(兵庫県)、大阪、京都の計10都市で開催する。 (4)海外公演 ベトナム公演(9月) 日本・ベトナム国交樹立45周年を記念して、ホーチミン(9月5 日)、ハノイ(9月7日)で公演を実施。井上道義の指揮で、チャイコ フスキーの《交響曲第4番》などを演奏する。 ANAホールディングス株式会社と当団との連携協定に基づく海外公 演の第一弾となる。 4

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(5)契約公演 主催者の要望により出演する公演 「東京 春 音楽祭」やオーチャードホールでの定期的な公演など、 今年度は各地で38程度の公演を予定している。 (6)放送演奏 2日間行う定期公演の初日は、毎回FMで生放送される。また、定 期公演と一部の特別公演はテレビで収録、放送され、12月から本放 送が始まる4K・8Kスーパーハイビジョンのための収録も随時行わ れる。 さらに、大河ドラマのテーマ音楽や「名曲アルバム」の録音、放送 記念日式典での演奏などを行う。 2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けてNHKが行 うイベント、番組においても随時、演奏を行う。

2. 公演収入の確保

今年度の定期公演は、当団ならではの特色が強く現れているものや、文 化的価値の高いプログラムなど、個性あふれるラインナップとなってい る。それぞれの公演の特色や聴きどころをわかりやすく、ポイントを絞っ て伝え、豪華な指揮者陣による魅力ある演奏会を存分にアピールしてい く。 公演収入の中心となっている定期会員券に関しては、ここ数年減少傾向 にあるが、会員制度のWEB化をさらに進めることにより、継続や席替な ど手続きの利便性を高めて会員の継続率を維持、向上させるとともに、新 規の顧客獲得に努める。 1回券についても近年益々利用者が増えているWEB販売「WEBチケ ットN響」を中心に公式 Facebook や Twitter といったSNSも積極的に 活用して、指揮者やソリストなどを含む各公演の特色などをアピールして 販売促進に繋げていく。

3. 社会貢献活動

NHKとの共催で全国各地の学校で行っている「こども音楽クラブ」 5

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や、病院コンサートなどを引きつづき実施する。また、東日本大震災や熊 本地震の復興支援を目的とした演奏活動にも積極的に取り組む。さらに、 練習所のある港区と連携した地域向け活動も行う。 海外からの留学生を定期公演や特別演奏会に招待する活動は、クラシッ ク音楽に触れる絶好の機会として希望者も多く好評である。海外の方々に 当団を知っていただく一助にもなっており、今年度も継続する。 当団が保有する様々な音楽、演奏活動資料をデジタルアーカイブ化し、 広く公開するための準備作業を進めている。創立100周年に向けて計画 的に取り組んでいく。

4. 人材育成事業

日本のオーケストラの若手演奏家の育成を目的にスタートした「N響ア カデミー」は、今年度で15年目となる。これまで40人の若手がこのア カデミーから巣立ち、当団を含め日本、海外のオーケストラなどで活躍し ている。 2018年2月現在、8人がアカデミー生として在籍(ヴァイオリン5 人、チェロ2人、ホルン1人)しており、当団楽員によるレッスンの受講 やリハーサル見学、楽員の指導のもとで演奏会に出演するなどの研鑽を積 んでいる。今年度も継続する。

5. 特別支援・賛助会員の維持と新規開拓

特別支援・賛助会員の会費は、当団の財政を支える柱の一つである。賛 助会員は、入会と退会の数が一進一退を繰り返す状況が続いている。音 楽・文化活動への支援は、経済状況や企業業績に左右されやすい側面もあ るが、当団の演奏活動、社会貢献活動の取り組みをわかりやすく説明して 新規会員の勧誘活動に取り組む。既会員についても、当団の活動に深い理 解をいただきながら息の長い支援をお願いしていく。 従来の特別支援・賛助会員に加えて、特色ある企画公演への協賛など、 企業にとってメリットを得やすい形での支援も開拓する。 2017年度、新たな寄付制度として遺言による寄付を信託銀行による 「遺言信託制度」と提携して開始した。今後も賛助会員以外の新たな寄付 制度の導入についても検討していきたい。 6

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6. 多角的な広報活動

PC向け、スマートフォン向けのサイトを中心に、公演だけでなく当団 のさまざまな活動のPRを行っていく。 情報の波及効果が高い Facebook や Twitter といったSNSや、当団が 行うインターネットのハイレゾ配信(映像、音声)を有効に活用するな ど、多様なICTツールを使って当団の演奏や活動情報を国内、海外向け に発信し、より多くの方に興味を持ってもらい、公演に足を運んでいただ ける活動に取り組む。 また、インターネットを通じターゲットを絞った効果的な広告出稿も行 い、特色のある公演や文化的価値の高い公演などの魅力を積極的にアピー ルする。 これらに加えて新聞、雑誌広告、チラシなどの従来型の宣伝は、訴求力 の高い趣向を凝らしながら従来にも増して注力し、幅広い年齢層にアプロ ーチしていく。

7. 適正な業務運営の推進

公益財団法人として健全な財政運営を将来にわたって維持していくた め、費用対効果を最大限に発揮する業務運営に努め、メリハリのある予算 執行と適正な業務管理を徹底する。 「働き方改革」は、創造性が求められるオーケストラの現場においても 喫緊の課題である。「NHKグループ働き方改革宣言」の主旨に沿って改 革を進め、事務局職員を中心に一部に長時間労働のしわ寄せが生じること のないよう、十分な目配りとともに適正な要員配置、人材の確保を進めて いく。 当団が抱えるリスクとして、①楽員の就業形態の特殊性による管理監督 の難しさ、②音楽事務所など外部業者との契約が多いことによる癒着や共 謀の恐れ、③チケット売買に伴う現金の取り扱い、④定期会員等の個人情 報の管理、が監査で指摘されている。これらの点に重点を置いたリスク管 理を強化するとともに、ハラスメント防止に向けた取り組みを行い、コン プライアンスの徹底、風通しの良い組織風土の醸成を図る。 7

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8. 練習環境の整備

高輪練習所(兼事務所)は、2015年の全面改修により、音響、空調 など練習環境が大きく改善した。引き続き、必要な改修やこまめなメイン テナンスを継続しながら有効に活用し、演奏能力の向上に寄与するよう努 める。 将来は事務所を併設した専用のコンサートホールの建設が実現するよ う、関係各方面に息長く働きかけていく。 8

参照

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