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石田武久 前号では NAB 速報と言うことで 今大会の全体の概要 展示会場の状況 プレスコンファレンスなどについて概略を紹介した 本号と次号の 2 回にわたり 膨大で多岐にわたる各社の出展物について紹介したい これまでは大まかな機器別 カテゴリーに分けて 企業横断的に記事を書いてきたが 最近の機器は

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Academic year: 2021

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石田 武久 

石田 武久 

を視野に、各社、各グループが連携する動 きが出てきていたことは大いに注目され る。これまでソニーは“NMI”(Network Media Interface)を提唱し賛同社は各国 を通じかなり増えつつある。今回もそれに 添う機器、システム開発を進め(写 1)、多 彩な出展をしている。一方、グラスバレ ー も 以 前 か ら“Grass To Grass IP” を 掲げ、それをさらにトータル的に進める べ く“AIMS”(Alliance for IP Media Solutions)の中核メンバーとして活動し ている(写 2)。現在、世界の放送、映像業 界をリードしている両社が、プレス発表の 場で連携の動きを見せていたことは大いに 注目された。  今回、会場内を廻っていて、事業者団体 のアライアンスの AIMS への参加を表明す る企業が非常に増えていることは今後の IP 化の流れが急速に進みそうな気配を感じた。 さらに今後のインフラにとって重要な符号 化技術について、後述するロスレスで低遅 延の intoPix 社の“Tico”アライアンスが 急速に進展していることも注目された。  その他、会場内で目だったテーマとして は、番組、コンテンツの多様化、高度化に 応えるツールとして、昨今急速に巻き起こ ってきたドローン技術、ロボット技術、ア クション撮影技術などで、今回、集中的展 示エリアが設けられ、華麗な演出のプレゼ ンテーションが行われ人気スポットになっ ていた。それ以外にも多くの企業ブースで 多種多彩な機器がドローンあなどに装填さ れ展示されていた。

ソニー

 今回も常席となっているセントラルホー ル東側一番奥に場内随一の大規模なブース を構え、“Beyond Defi nition”をテーマに、 次世代を見据えた多彩な 4K 機器群、トレ ンドの HDR や広色域への対応、今後のメ ディア展開にとり重要な IP ベースのプロダ クション、ライブシステム、配信系に向け や関係する日本企業に限られていた出展が、 リオオリンピックをひとつの契機に 8K 試 験放送が本格的に始まることを反映し、今 回は日本企業以外にも広がりを見せ外国企 業の中にも 8K を視野に入れた展示、提案 が見られ始めた事は注目される。  また次世代放送・映像に関しては 4K や 8K といった解像度の向上に加え、欧米企 業や映画界が先導する状況で進んでいる HDR(High Dynamic Range)の動きと、 元々放送界にもその流れがあった広色域化、 さらに HFR(High Frame Rate)化に関 係する出展が多くのブースで見られたこと も今回の特徴である。このことは機器展示 ばかりでなく、セッションやコンファレン スでも取り上げられ関心を集めており大き な技術的流れになっている。  今回のもうひとつの大きなテーマは、高 精細度、高画質映像の流れに関係する IP 化 である。効率的で低コスト、高信頼性を併 せ持つと期待される IP 化がこれまでの伝 送・配信系だけでなく、制作系のインフラ 環境においても VoIP(Video over IP)に 関する展示物が非常に多かった。制作系の インターフェース、インフラについてはデ ータの大容量、高速化に伴い 3G、6G、さ らには 12G-SDI 化も進んでいる。しかし スタジオや中継車などにおいても、SDI ベ ースではシステム規模がふくらみ、煩雑な 布線、配信に比べ、IP 系は効率的で柔軟性 があり低コスト化も見込まれる。  現在の制作・配信のインフラ、環境がベ ースバンドを基調にした SDI 系でありメリ ットもあることを考えると、今後はハイブ リッド化も含めいかに効率的にコストを軽 減しつつ IP 化に移行して行くかが課題であ る。これら VoIP に関しては、ソニー、グ ラスバレー、ASPEN や EVERTS など多 くの企業やグループから提案が出ているが、 必ずしも互換性がとれておらず IP 化にとっ ての課題になっていた。   今 回 の NAB で は SMPTE で の 標 準 化  前号では NAB 速報と言うことで、今大 会の全体の概要、展示会場の状況、プレス コンファレンスなどについて概略を紹介し た。本号と次号の 2 回にわたり、膨大で多 岐にわたる各社の出展物について紹介した い。これまでは大まかな機器別、カテゴリ ーに分けて、企業横断的に記事を書いてき たが、最近の機器は技術の境界も重なり仕 分けも難しくなってきているので、今回は 概ね出展企業毎に順次紹介することにした い。

メディア状況・技術動向

 NAB はその時々の最新、最先端の技術動 向、メディア状況を反映している。今大会 の大きなテーマ、ポイントは、世界的に一 層進んでいる高精細度、高画質映像の流れ である。とりわけ 4K については、デジタ ルシネマの進展、日本で既に始まっている CS や今年から始まる BS での放送、ネッ トやパッケージで進んでいるコンテンツ配 信状況、さらには韓国や欧米での動きを反 映し、カメラ、制作系、記録、符号化技術、 配信系、表示系などあらゆる分野・領域で、 4K 対応機器やシステムの展示がなされて いた。8K に関しては、これまでは NHK 写 1. ソニーが進める NMI による IP 化 写 2. グラスバレーが進める AIMS アライアンス

NAB2016 レポート(その 1)

NAB2016 レポート(その 1)

ケーブル結線されるインフラからシステム が簡素で柔軟性のある IP ソリューション として、NMI インターフェースを装備した IP ライブプロダクションシステムを展示し ていた(写 4)。中核のスイッチャーは、昨 InterBEE に出ていた機種よりややコンパ クトなマルチフォーマット対応の 3M/E ス イッチャー“MVS 6530”で、操作卓は フラット型とカーブマウントタイプがある。 スイッチャー本体を実装したラックを見た が、配線ケーブル類が少なく大変すっきり していた。なおブラジル最大の民間放送局 “TV Globo”に納入した世界初の 4K IP 対 応中継車には、NMI 対応のスイッチャー、 カメラ、サーバーなどによるシステムが導 入されているそうだ。また後述の NHK の 8K 中継車に使われているスイッチャーに も NMI インターフェースが使われている。 両者とも今年夏予定のリオオリンピックな どでの活躍が期待されている。  またプロダクション系では、4K/60p コンテンツを手軽に再生できる小型軽量の 4K プレイヤー“PMW-PZ1”が展示され ていた。さらに同社が長年開発を続けてい るオプティカルディスクアーカイブシステ ムとして、第 2 世代モデルの 3.3TB 大容 量メディアと高速転送を実現した 8CH 光 学ドライブユニットを展示していた。  映像モニター系は、カメラステージでは 適材適所の各種モデルが使われていたが、 それとは別に映像モニターコーナーには、 豊富なラインナップの 4K、HD 対応の有機 EL および液晶タイプの各種モニターが展示 されていた。業界で実績高い 4K マスター モニター“BVM-X300”は、3G/HD-SDI × 4 入力で、デジタルシネマの DCI-P3 と BT2020 に対応するガンマモードを搭 載し、ピーク輝度を高めトレンドの HDR 映像表示にも対応する。同モニターを使い HDR と SDR 映像の比較をしていた。  さらに 55 インチ型 4K 有機 EL モニタ ーは、黒の再現性が良く、100 万 :1 の高 コントラスト、広色域で視野角も広く HDR 映像表示に最適なモニターである。また QUAD View 表示機能を持ち、画面を 4 分 割し、各領域毎に色域やコントラスト、色 温度を設定できる。放送局での映像モニタ ーだけでなく企業や大学での商品開発や研 究、産業用にも使えそうだ。  また別のエリアでは最近の大きなテーマ になっている HDR 技術に関する展示をし ていた。HDR については、Dolby が 3 年 位前に IBC に初めて HDR 映像を“Dolby Vision”と銘打って出展し大きな評判にな り、その後ソニーなどが追随し、大きな画 質改善効果が見込まれるということで、多 くの企業が取り組みだし急速に大きな技術 の潮流になっている。   但し、映画やドラマ、ドキュメンタリー などの場合には、十分時間をかけて映像処 理できるが、日の当たる所と当たらない所 など明暗差が大きく非常に見えにくいスポ ーツ中継などでは、リアルタイム性が求め られ制作時間に余裕が無い。ソニーはこの ようなライブ中継などにおいても、人間が 見たままのような映像を再現できる HDR ワークフローを開発し、その効果を NAB や IBC でも公開してきた。  現在、HDR は大まかに言うと、ドルビー や映画界が推奨する PQ1)方式と NHK や BBC が進めている HLG2)方式の二つの 流れがある。ブースでは 4K カメラ“HDC-4300” で 撮 影 し た 2 方 式 の HDR 映 像 を、上述の 4K マスターモニターと Quad View 機能を搭載した 55 インチ型 4K 有 機 EL モニターを使い、SDR 映像と比較し て見せていた(写 5) 。 多種多彩な出展をしていた。  広いカメラエリアでは、4K から HD ま で豊富なラインナップの機種が展示されて いた。注目の 4K カメラは従来機種の小型 コンパクトな“HDC-4300”に加え、新た なラインナップに加わった“HDC-4800” である(写 3)。新開発のスーパー 35mm 単板 CMOS を搭載し、データ読み出し速 度を高速化し、4K で最大 8 倍速、HD 画 質なら 16 倍速のスーパースロー映像を実 現した。同カメラヘッドと組み合わせ、撮 影データ画像処理・映像出力を行うプロセ ッサーユニット“BPU-4800”は、大容量 ストレージ機能を搭載し 4K 映像を 8 倍速 で最大 4 時間の記録ができる。スルー映像 制作時に外部ストレージにデータ転送不要 で本体内で編集できるため制作フローが効 率化され運用性も高い。さらに色域は現行 BT.709 と共に次世代放送の BT.2020 に も対応し、その上、IP 化に向けた NMI イ ンフラにも対応する。4K によるスポーツ 中継などをターゲットにしているそうだ。  その他には、CineAltaPremium 4K の “F65”、ミドルモデルの“PMW-F55”な どに加え、XAVC Intra/Long コーデック により 4K/60p に対応し、MPEG 422 な どの HD 記録にも対応する 2/3 インチ型 4K CMOS 搭載の XDCAM メモリーカム コーダ“PXW-Z450”も並んでいた。ま たカメラ本体とドッキングして使うことも でき、4K で 120p のハイフレーム撮影や 録画開始の 30 秒前からのスキップバック レコードも可能ポータブルメモリーレコー ダー“AXS-R7”も展示されていた。  プロダクション系としては、従来の SDI 写 4. IP ライブプロダクションシステム 写 3. HDR、広色域で IP 化対応の 4K カメラ 写 5. 2 方式の HDR と SDR 映像を比較表示 1:Perceptual Quantizer 方式 HDR  暗部から最大 10,000cd/ ㎡までを視覚的に好ましいと 感じる PQ カーブを適用し10bit や 12bit の諧調に収める 手法 SMPTE ST2084 として規格化

2:Hybrid Log Gamma 方式 HDR

 暗部から白レベルまでは従来の階調特性のままで白レベ ルを超えるハイライト部を拡大する方式、現行テレビと互 換性有

(2)

石田 武久 

石田 武久 

を視野に、各社、各グループが連携する動 きが出てきていたことは大いに注目され る。これまでソニーは“NMI”(Network Media Interface)を提唱し賛同社は各国 を通じかなり増えつつある。今回もそれに 添う機器、システム開発を進め(写 1)、多 彩な出展をしている。一方、グラスバレ ー も 以 前 か ら“Grass To Grass IP” を 掲げ、それをさらにトータル的に進める べ く“AIMS”(Alliance for IP Media Solutions)の中核メンバーとして活動し ている(写 2)。現在、世界の放送、映像業 界をリードしている両社が、プレス発表の 場で連携の動きを見せていたことは大いに 注目された。  今回、会場内を廻っていて、事業者団体 のアライアンスの AIMS への参加を表明す る企業が非常に増えていることは今後の IP 化の流れが急速に進みそうな気配を感じた。 さらに今後のインフラにとって重要な符号 化技術について、後述するロスレスで低遅 延の intoPix 社の“Tico”アライアンスが 急速に進展していることも注目された。  その他、会場内で目だったテーマとして は、番組、コンテンツの多様化、高度化に 応えるツールとして、昨今急速に巻き起こ ってきたドローン技術、ロボット技術、ア クション撮影技術などで、今回、集中的展 示エリアが設けられ、華麗な演出のプレゼ ンテーションが行われ人気スポットになっ ていた。それ以外にも多くの企業ブースで 多種多彩な機器がドローンあなどに装填さ れ展示されていた。

ソニー

 今回も常席となっているセントラルホー ル東側一番奥に場内随一の大規模なブース を構え、“Beyond Defi nition”をテーマに、 次世代を見据えた多彩な 4K 機器群、トレ ンドの HDR や広色域への対応、今後のメ ディア展開にとり重要な IP ベースのプロダ クション、ライブシステム、配信系に向け や関係する日本企業に限られていた出展が、 リオオリンピックをひとつの契機に 8K 試 験放送が本格的に始まることを反映し、今 回は日本企業以外にも広がりを見せ外国企 業の中にも 8K を視野に入れた展示、提案 が見られ始めた事は注目される。  また次世代放送・映像に関しては 4K や 8K といった解像度の向上に加え、欧米企 業や映画界が先導する状況で進んでいる HDR(High Dynamic Range)の動きと、 元々放送界にもその流れがあった広色域化、 さらに HFR(High Frame Rate)化に関 係する出展が多くのブースで見られたこと も今回の特徴である。このことは機器展示 ばかりでなく、セッションやコンファレン スでも取り上げられ関心を集めており大き な技術的流れになっている。  今回のもうひとつの大きなテーマは、高 精細度、高画質映像の流れに関係する IP 化 である。効率的で低コスト、高信頼性を併 せ持つと期待される IP 化がこれまでの伝 送・配信系だけでなく、制作系のインフラ 環境においても VoIP(Video over IP)に 関する展示物が非常に多かった。制作系の インターフェース、インフラについてはデ ータの大容量、高速化に伴い 3G、6G、さ らには 12G-SDI 化も進んでいる。しかし スタジオや中継車などにおいても、SDI ベ ースではシステム規模がふくらみ、煩雑な 布線、配信に比べ、IP 系は効率的で柔軟性 があり低コスト化も見込まれる。  現在の制作・配信のインフラ、環境がベ ースバンドを基調にした SDI 系でありメリ ットもあることを考えると、今後はハイブ リッド化も含めいかに効率的にコストを軽 減しつつ IP 化に移行して行くかが課題であ る。これら VoIP に関しては、ソニー、グ ラスバレー、ASPEN や EVERTS など多 くの企業やグループから提案が出ているが、 必ずしも互換性がとれておらず IP 化にとっ ての課題になっていた。   今 回 の NAB で は SMPTE で の 標 準 化  前号では NAB 速報と言うことで、今大 会の全体の概要、展示会場の状況、プレス コンファレンスなどについて概略を紹介し た。本号と次号の 2 回にわたり、膨大で多 岐にわたる各社の出展物について紹介した い。これまでは大まかな機器別、カテゴリ ーに分けて、企業横断的に記事を書いてき たが、最近の機器は技術の境界も重なり仕 分けも難しくなってきているので、今回は 概ね出展企業毎に順次紹介することにした い。

メディア状況・技術動向

 NAB はその時々の最新、最先端の技術動 向、メディア状況を反映している。今大会 の大きなテーマ、ポイントは、世界的に一 層進んでいる高精細度、高画質映像の流れ である。とりわけ 4K については、デジタ ルシネマの進展、日本で既に始まっている CS や今年から始まる BS での放送、ネッ トやパッケージで進んでいるコンテンツ配 信状況、さらには韓国や欧米での動きを反 映し、カメラ、制作系、記録、符号化技術、 配信系、表示系などあらゆる分野・領域で、 4K 対応機器やシステムの展示がなされて いた。8K に関しては、これまでは NHK 写 1. ソニーが進める NMI による IP 化 写 2. グラスバレーが進める AIMS アライアンス

NAB2016 レポート(その 1)

NAB2016 レポート(その 1)

ケーブル結線されるインフラからシステム が簡素で柔軟性のある IP ソリューション として、NMI インターフェースを装備した IP ライブプロダクションシステムを展示し ていた(写 4)。中核のスイッチャーは、昨 InterBEE に出ていた機種よりややコンパ クトなマルチフォーマット対応の 3M/E ス イッチャー“MVS 6530”で、操作卓は フラット型とカーブマウントタイプがある。 スイッチャー本体を実装したラックを見た が、配線ケーブル類が少なく大変すっきり していた。なおブラジル最大の民間放送局 “TV Globo”に納入した世界初の 4K IP 対 応中継車には、NMI 対応のスイッチャー、 カメラ、サーバーなどによるシステムが導 入されているそうだ。また後述の NHK の 8K 中継車に使われているスイッチャーに も NMI インターフェースが使われている。 両者とも今年夏予定のリオオリンピックな どでの活躍が期待されている。  またプロダクション系では、4K/60p コンテンツを手軽に再生できる小型軽量の 4K プレイヤー“PMW-PZ1”が展示され ていた。さらに同社が長年開発を続けてい るオプティカルディスクアーカイブシステ ムとして、第 2 世代モデルの 3.3TB 大容 量メディアと高速転送を実現した 8CH 光 学ドライブユニットを展示していた。  映像モニター系は、カメラステージでは 適材適所の各種モデルが使われていたが、 それとは別に映像モニターコーナーには、 豊富なラインナップの 4K、HD 対応の有機 EL および液晶タイプの各種モニターが展示 されていた。業界で実績高い 4K マスター モニター“BVM-X300”は、3G/HD-SDI × 4 入力で、デジタルシネマの DCI-P3 と BT2020 に対応するガンマモードを搭 載し、ピーク輝度を高めトレンドの HDR 映像表示にも対応する。同モニターを使い HDR と SDR 映像の比較をしていた。  さらに 55 インチ型 4K 有機 EL モニタ ーは、黒の再現性が良く、100 万 :1 の高 コントラスト、広色域で視野角も広く HDR 映像表示に最適なモニターである。また QUAD View 表示機能を持ち、画面を 4 分 割し、各領域毎に色域やコントラスト、色 温度を設定できる。放送局での映像モニタ ーだけでなく企業や大学での商品開発や研 究、産業用にも使えそうだ。  また別のエリアでは最近の大きなテーマ になっている HDR 技術に関する展示をし ていた。HDR については、Dolby が 3 年 位前に IBC に初めて HDR 映像を“Dolby Vision”と銘打って出展し大きな評判にな り、その後ソニーなどが追随し、大きな画 質改善効果が見込まれるということで、多 くの企業が取り組みだし急速に大きな技術 の潮流になっている。   但し、映画やドラマ、ドキュメンタリー などの場合には、十分時間をかけて映像処 理できるが、日の当たる所と当たらない所 など明暗差が大きく非常に見えにくいスポ ーツ中継などでは、リアルタイム性が求め られ制作時間に余裕が無い。ソニーはこの ようなライブ中継などにおいても、人間が 見たままのような映像を再現できる HDR ワークフローを開発し、その効果を NAB や IBC でも公開してきた。  現在、HDR は大まかに言うと、ドルビー や映画界が推奨する PQ1)方式と NHK や BBC が進めている HLG2)方式の二つの 流れがある。ブースでは 4K カメラ“HDC-4300” で 撮 影 し た 2 方 式 の HDR 映 像 を、上述の 4K マスターモニターと Quad View 機能を搭載した 55 インチ型 4K 有 機 EL モニターを使い、SDR 映像と比較し て見せていた(写 5) 。 多種多彩な出展をしていた。  広いカメラエリアでは、4K から HD ま で豊富なラインナップの機種が展示されて いた。注目の 4K カメラは従来機種の小型 コンパクトな“HDC-4300”に加え、新た なラインナップに加わった“HDC-4800” である(写 3)。新開発のスーパー 35mm 単板 CMOS を搭載し、データ読み出し速 度を高速化し、4K で最大 8 倍速、HD 画 質なら 16 倍速のスーパースロー映像を実 現した。同カメラヘッドと組み合わせ、撮 影データ画像処理・映像出力を行うプロセ ッサーユニット“BPU-4800”は、大容量 ストレージ機能を搭載し 4K 映像を 8 倍速 で最大 4 時間の記録ができる。スルー映像 制作時に外部ストレージにデータ転送不要 で本体内で編集できるため制作フローが効 率化され運用性も高い。さらに色域は現行 BT.709 と共に次世代放送の BT.2020 に も対応し、その上、IP 化に向けた NMI イ ンフラにも対応する。4K によるスポーツ 中継などをターゲットにしているそうだ。  その他には、CineAltaPremium 4K の “F65”、ミドルモデルの“PMW-F55”な どに加え、XAVC Intra/Long コーデック により 4K/60p に対応し、MPEG 422 な どの HD 記録にも対応する 2/3 インチ型 4K CMOS 搭載の XDCAM メモリーカム コーダ“PXW-Z450”も並んでいた。ま たカメラ本体とドッキングして使うことも でき、4K で 120p のハイフレーム撮影や 録画開始の 30 秒前からのスキップバック レコードも可能ポータブルメモリーレコー ダー“AXS-R7”も展示されていた。  プロダクション系としては、従来の SDI 写 4. IP ライブプロダクションシステム 写 3. HDR、広色域で IP 化対応の 4K カメラ 写 5. 2 方式の HDR と SDR 映像を比較表示 1:Perceptual Quantizer 方式 HDR  暗部から最大 10,000cd/ ㎡までを視覚的に好ましいと 感じる PQ カーブを適用し10bit や 12bit の諧調に収める 手法 SMPTE ST2084 として規格化

2:Hybrid Log Gamma 方式 HDR

 暗部から白レベルまでは従来の階調特性のままで白レベ ルを超えるハイライト部を拡大する方式、現行テレビと互 換性有

(3)

キヤノン

 セントラルホールの中央部、日本企業が 集中し地の利のよい場所に、広大なブース とシアターを設け、ラインナップを拡充し たカメラやレンズ類を展示し、それらを使 って制作した作品の上映や専門家によるセ ミナーを実施していた。  一層性能・機能向上した 4K 対応カメラ “EOS C300 Mark Ⅱ”は(写 6)、スーパ ー 35mm 相当(約 885 万画素)CMOS の採用と映像処理プラットフォーム“Dual DIGIC DV5”を搭載し、4K/QFHD/2K/ HD に対応し、高画質コーデック XF-AVC で高速の CFast2.0 に記録する。ファー ムウェアアップにより 10/12bit になり、 Canon Log 3 ガンマも搭載されハイライ トからシャドーまでダイナミックレンジ (1600%)が広がりトレンドの HDR にも 対応する。  その他の注目のカメラは、動画と静止 画が撮影可能な小型軽量の 4K カムコー ダ“XC10”で、新ファームウェアにより AF スピードが 2 倍まで高速化され MP43) 記録も可能なった。また初出展の超高感 度カメラ“ME20F-SH”は、フル HD 用 35mm フルサイズ CMOS を搭載し、ISO 感度 400 万相当で肉眼では見えない照度 下や暗闇でもノイズの少ないカラー動画が 撮影でき、自然災害監視や野生動物の生態 撮影など幅広い用途に使えそうだ。  8K 対応の機器開発も進んでおり、ス ーパー 35mm サイズで画素数 8192 × 4320、1.89:1、60fps の セ ン サ ー を採用したプロトタイプの 8K カメラを 初出展した(写 7)。本体の形状やサイズ は EOS500 に似ているが、背部に映像処 理、出力インターフェースと思われる EXT. BOX が装備されていた。説明パネルによ る と、 カ メ ラ 出 力 信 号 は Canon Log と Cinema Gamute お よ び PQ 式 HDR と BT.2020 に対応するとあった。  主力のレンズ系は豊富なラインナップの 機種が展示されていた。注目はスーパー 35mm 相当センサー搭載の 4K カメラに対 応する高い光学性能を備え、EF マウントの 小型軽量のコンパクトサーボレンズ“CN-E 18-80”である(写 8)。標準装備の電動 ズームユニットによりスムースな操作が可 能な上、マニュアル操作も可能である。T ナンバー 4)は全域で 4.4 と一定しており、 レンズシフト方式防振機能も搭載し動画撮 影に適している。その他のレンズ系は、従 来機種 4K 放送用 2/3 型フィールドズー ムレンズ“UHD Digisuper 90/86”に加 え、プロトタイプの 2/3 型スタジオ 4K カ メラ用“UHD Digisuper”も出展されてい た。また今後の 4K の展開に応えるべく機 動性の高い ENG/EFP 用の小型ズームレン ズ CJ シリーズも出展されていた。  映像モニター系は、ブース内の随所で 4K マスターモニターの 30 インチ型“DP-3010”と中型で可搬性がある 20 インチ型 “DP-2010”が使われていた。これらの機 種は NAB 終了後にファームウェアがアッ プされ、HLG、Canon Log 3 対応となり、 HDR コンテンツ制作がさらに進むようにな る。HDR については別のワークフローコー ナーでも、C300 やグラスバレーのカメラ で撮影した映像を SGO の“Mistika”でグ レーディング処理し、SDR との比較表示を していた。  大画面用ディスプレイについては DLP プロジェクターも製品化しており、それら を使い HDR 映像も上映していた。さらに 隣接の 8K シアターでは、レーザーを光源 に使い反射型 LCOS を採用した 4KDLP プロジェクターを 4 台使い 4 枚の映像をソ フトブレンディングし全体で 8K 画面にし、 前述の 8K カメラで撮影した素晴らしい映 像を公開していた(写 9)。シアターの壁面 には 8K Printing と称し、8K カメラで撮 影された画像の写真も飾られていた。

パナソニック

 キヤノンの隣、一段と高い眺望のよい場 所に今年も横長長大なブースを構え、4K 化、IP 化時代をも見据えた多種多彩な機器・ システムを展示し、さらに 4K シアターで は 4K 機器を使い制作した映画作品などの 上映が行われていた。  カメラ系の注目は、ハイエンドのコンテ ンツ制作に応える VariCam シリーズの新 機種で、高画質、小型軽量の 4K カメラレ コーダー“VariCam LT”である(写 10)。  従来機種同様のスーパー 35mm 相当の MOS センサーを搭載し、高感度、高ダイ ナミックレンジ、広色域である。本体は約 2.7kg と小型軽量で堅牢な一体型の筐体に 搭載し、ショルダースタイルだけでなく、 ジンバルやドローンへの搭載など自由な撮 影スタイルが取れる。また EF レンズマウ ントも採用し、PL レンズマウントと交換可 能でレンズ選択枝を広げ、映画から放送ま で利用分野が広がった。記録コーデックは AVC-Intra 4K/HD、Apple ProRes 2 を サポートし、デュアル記録によりメインお よびプロキシファイルが同時記録でき、イ ンカメラでのカラーグレーディング処理を 可能としワークフローを刷新することもで きる。  またもうひとつの注目機種は、4K 画 質と長距離光伝送を実現し、U HD/HD/ SD 対応のスタジオハンディカメラ“AK-UC3000” シ リ ー ズ と 1080p 4 倍 速 撮影が可能な HD ハンディカメラ“AK-HC5000”シリーズである。前者は新開発 の 4K 大判センサーを採用し、F10 の高感 度と SN 比 60 dB 以上を確保し、広いダ イナミックレンジで豊かな階調を表現でき る。後者の HD モデルは 2/3 型 3MOS を 写 6. 4K 対応となった“EOS C300 Mark Ⅱ” 写 7. プロトタイプの 8K カメラ 写 8. コンパクトサーボズームレンズ 写 9. 8K シアター映像公開 3: 動画像圧縮符号化 MPEG4で規定されるファイルフォー マット 4:F 値と透過率を考慮したレンズの明るさを示す指標 採用し F11 の高感度と 60 デシベルの SN 比を実現し、さらに 1080p で 4 倍速撮影 も可能で、スポーツやライブイベントなど の撮影で活躍できる。  両機種共通の特徴として、高速スキャン により MOS センサー特有のスキュー歪み を低減し、レンズのレジストレーションエ ラーの自動補正、周辺部の色にじみを抑え る色収差補正、スキントーンディテール補 正、黒ツブレと白トビを自動的に抑える機 能も装備している。またカメラコントロー ルユニットは 4K/HD を光ファイバーで非 圧縮長距離伝送とし、リモート操作パネル、 マスターセットアップユニット、ビューフ ァインダーは両機種共用になっている。  その他、従来機種の VariCam HS、昨年 のヒット商品の大判の 4/3 インチ MOS セ ンサーを搭載した 4K レンズ一体型ハンデ ィカメラ“AG-DVX200”、P2 HD カメラ “AJ-PX5000”や“AJ-PX380”なども 出展されていた。  制作系のインフラについては、遅延や圧 縮を考慮し SDI ベースが主流だが、4K や 8K と信号が大容量、高速化するのにあわ せ 12G-SDI 対応の機器開発を進めており、 当然 IP 化も視野に入っている。同社は IP 推進に向け、互換性相互補完性を重視し、 最近 AIMS アライアンスにも参加した。そ の経営戦略に沿い、今後の映像信号の伝送 ・ 配信にとって非常に大きな鍵となる VoIP に関し、4K/60p の IP による伝送を目標 に開発を進めている。  NAB 会期中に、同じく IP 化に積極的な キヤノンやグラスバレーと連携し、VoIP の 共同実験を行い公開した。隣接するキヤノ ンブース間と 10G イーサネットケーブル インナップのレンズ類を出展していた。  注目機種は、4K 対応のシネマカメラ 用ズームレンズの新しいラインアップと して、ワイド端焦点距離 20mm、望遠端 120mm の高画質ズームレンズ“XK6x20” である。 シネマカメラで多いスーパー 35mmPL マウントに対応し、ズーム全域 で T3.5 の明るさを実現した(写 14)。ズ ーム操作中に T ナンバーが変化しないた め本レンズ 1 本であらゆるシーンの撮影 に対応できる。さらにズームやフォーカス を電動で駆動させる着脱式のドライブユニ ットを搭載し、快適な運用ができる。その 他、PL レンズマウントで高い光学性能を 持つ HK/ZK シリーズも展示していた。こ れらの機種はシネマ業界だけでなく放送で の 4K 映像の制作現場でも実績を上げてい るそうだ。  放送カメラ用機種としては、スポーツ中 継やライブイベント用ズームレンズとし て、2/3 インチレンズを採用し広角 9mm か ら 望 遠 端 720mm の 4K 箱 型 ズ ー ム “UA80x9” と PL レ ン ズ を 採 用 し 広 角 8.4mm から 900mm まで対応の新製品 の超望遠レンズ“UA107x8.4”、さらに 4.5mm の超広角と最短撮影距離 0.3m を 実現した小型ワイドズームレンズなどを並 べ体験させていた。  さらに今回は NHK の 8K カメラ用に開 発、納入した“Fujinon 8K 12-36”単体 がショーケースの中に展示されていた(写 15)。このワイドレンズは水中ブリンプで の使用をも想定しているそうで、同レンズ で撮られた 8K 映像は NHK ブースで公開 されていた。 でつなぎ、4K カメラで撮った映像を新開 発の VoIP 対応ゲートウェイ“AV-UIP1” TX で送信し、受信側でデコードし映像を 表示していた(写 11)。4K 映像の圧縮に は低遅延で劣化が少なく、最近設立された intoPix のアライアンスに参加し Tico コー デックを使っていた。  またクラウド& IP コーナーでは、以前 から提唱している取材先と放送局とをクラ ウドサービスを介し撮影素材やメタデータ を伝送し、ハイライト編集やニュース制作 業務を効率化する "P2 Cast" の実演もし ていた。4K プロダクションコーナーでは、 ソフトウェアのバージョンアップで 4K 対 応となる 2ME モデルの“AV-HS6000” を 展 示 し て い た( 写 12)。 さ ら に P2/ microP2 対 応 の 小 型 レ コ ー ダ ー“AJ-PD500”も展示されていた。  4K 制作をサポートする映像モニターと しては、広視野角の IPS αパネルを搭載 し、10bit 階調とデジタルシネマのフル 4K および放送系の QFHD 両方の解像度と DCI P3 色域をクリアしている 31 インチ サイズ LCD 型リファレンスモニター“BT-4LH310”を展示していた。広色域、HDR 対応の新機種は見当たらなかったが、別コ ーナーでは HDR と SDR の比較表示を公 開していた。同社は 4K プロジェクターと して各種 DLP も製品化しているが、ブー ス隣接のシアターでは、VariCam で撮影し た 4K 映画作品を DLP で上映していた(写 13)。

富士フイルム

 日本企業が集中するエリアの右手、やや中 央よりにブースを構え、映画、放送界で進む 4K 制作に応える高画質、高機能の豊富なラ 写 10. 新製品の 4K カメラ VariCam LT 写 11. 4K/60p Video over IP 配信デモ 写 12. 小規模 4K 制作系用スイッチャー“HS-6000” 写 13. Varicm シアターで 4K 映画作品上映 写 14. 4K 対応シネマ用ズームレンズ XK6 × 20 写 15. 8K カメラ用レンズも展示 ( 左下のケース内 )

(4)

キヤノン

 セントラルホールの中央部、日本企業が 集中し地の利のよい場所に、広大なブース とシアターを設け、ラインナップを拡充し たカメラやレンズ類を展示し、それらを使 って制作した作品の上映や専門家によるセ ミナーを実施していた。  一層性能・機能向上した 4K 対応カメラ “EOS C300 Mark Ⅱ”は(写 6)、スーパ ー 35mm 相当(約 885 万画素)CMOS の採用と映像処理プラットフォーム“Dual DIGIC DV5”を搭載し、4K/QFHD/2K/ HD に対応し、高画質コーデック XF-AVC で高速の CFast2.0 に記録する。ファー ムウェアアップにより 10/12bit になり、 Canon Log 3 ガンマも搭載されハイライ トからシャドーまでダイナミックレンジ (1600%)が広がりトレンドの HDR にも 対応する。  その他の注目のカメラは、動画と静止 画が撮影可能な小型軽量の 4K カムコー ダ“XC10”で、新ファームウェアにより AF スピードが 2 倍まで高速化され MP43) 記録も可能なった。また初出展の超高感 度カメラ“ME20F-SH”は、フル HD 用 35mm フルサイズ CMOS を搭載し、ISO 感度 400 万相当で肉眼では見えない照度 下や暗闇でもノイズの少ないカラー動画が 撮影でき、自然災害監視や野生動物の生態 撮影など幅広い用途に使えそうだ。  8K 対応の機器開発も進んでおり、ス ーパー 35mm サイズで画素数 8192 × 4320、1.89:1、60fps の セ ン サ ー を採用したプロトタイプの 8K カメラを 初出展した(写 7)。本体の形状やサイズ は EOS500 に似ているが、背部に映像処 理、出力インターフェースと思われる EXT. BOX が装備されていた。説明パネルによ る と、 カ メ ラ 出 力 信 号 は Canon Log と Cinema Gamute お よ び PQ 式 HDR と BT.2020 に対応するとあった。  主力のレンズ系は豊富なラインナップの 機種が展示されていた。注目はスーパー 35mm 相当センサー搭載の 4K カメラに対 応する高い光学性能を備え、EF マウントの 小型軽量のコンパクトサーボレンズ“CN-E 18-80”である(写 8)。標準装備の電動 ズームユニットによりスムースな操作が可 能な上、マニュアル操作も可能である。T ナンバー 4)は全域で 4.4 と一定しており、 レンズシフト方式防振機能も搭載し動画撮 影に適している。その他のレンズ系は、従 来機種 4K 放送用 2/3 型フィールドズー ムレンズ“UHD Digisuper 90/86”に加 え、プロトタイプの 2/3 型スタジオ 4K カ メラ用“UHD Digisuper”も出展されてい た。また今後の 4K の展開に応えるべく機 動性の高い ENG/EFP 用の小型ズームレン ズ CJ シリーズも出展されていた。  映像モニター系は、ブース内の随所で 4K マスターモニターの 30 インチ型“DP-3010”と中型で可搬性がある 20 インチ型 “DP-2010”が使われていた。これらの機 種は NAB 終了後にファームウェアがアッ プされ、HLG、Canon Log 3 対応となり、 HDR コンテンツ制作がさらに進むようにな る。HDR については別のワークフローコー ナーでも、C300 やグラスバレーのカメラ で撮影した映像を SGO の“Mistika”でグ レーディング処理し、SDR との比較表示を していた。  大画面用ディスプレイについては DLP プロジェクターも製品化しており、それら を使い HDR 映像も上映していた。さらに 隣接の 8K シアターでは、レーザーを光源 に使い反射型 LCOS を採用した 4KDLP プロジェクターを 4 台使い 4 枚の映像をソ フトブレンディングし全体で 8K 画面にし、 前述の 8K カメラで撮影した素晴らしい映 像を公開していた(写 9)。シアターの壁面 には 8K Printing と称し、8K カメラで撮 影された画像の写真も飾られていた。

パナソニック

 キヤノンの隣、一段と高い眺望のよい場 所に今年も横長長大なブースを構え、4K 化、IP 化時代をも見据えた多種多彩な機器・ システムを展示し、さらに 4K シアターで は 4K 機器を使い制作した映画作品などの 上映が行われていた。  カメラ系の注目は、ハイエンドのコンテ ンツ制作に応える VariCam シリーズの新 機種で、高画質、小型軽量の 4K カメラレ コーダー“VariCam LT”である(写 10)。  従来機種同様のスーパー 35mm 相当の MOS センサーを搭載し、高感度、高ダイ ナミックレンジ、広色域である。本体は約 2.7kg と小型軽量で堅牢な一体型の筐体に 搭載し、ショルダースタイルだけでなく、 ジンバルやドローンへの搭載など自由な撮 影スタイルが取れる。また EF レンズマウ ントも採用し、PL レンズマウントと交換可 能でレンズ選択枝を広げ、映画から放送ま で利用分野が広がった。記録コーデックは AVC-Intra 4K/HD、Apple ProRes 2 を サポートし、デュアル記録によりメインお よびプロキシファイルが同時記録でき、イ ンカメラでのカラーグレーディング処理を 可能としワークフローを刷新することもで きる。  またもうひとつの注目機種は、4K 画 質と長距離光伝送を実現し、U HD/HD/ SD 対応のスタジオハンディカメラ“AK-UC3000” シ リ ー ズ と 1080p 4 倍 速 撮影が可能な HD ハンディカメラ“AK-HC5000”シリーズである。前者は新開発 の 4K 大判センサーを採用し、F10 の高感 度と SN 比 60 dB 以上を確保し、広いダ イナミックレンジで豊かな階調を表現でき る。後者の HD モデルは 2/3 型 3MOS を 写 6. 4K 対応となった“EOS C300 Mark Ⅱ” 写 7. プロトタイプの 8K カメラ 写 8. コンパクトサーボズームレンズ 写 9. 8K シアター映像公開 3: 動画像圧縮符号化 MPEG4で規定されるファイルフォー マット 4:F 値と透過率を考慮したレンズの明るさを示す指標 採用し F11 の高感度と 60 デシベルの SN 比を実現し、さらに 1080p で 4 倍速撮影 も可能で、スポーツやライブイベントなど の撮影で活躍できる。  両機種共通の特徴として、高速スキャン により MOS センサー特有のスキュー歪み を低減し、レンズのレジストレーションエ ラーの自動補正、周辺部の色にじみを抑え る色収差補正、スキントーンディテール補 正、黒ツブレと白トビを自動的に抑える機 能も装備している。またカメラコントロー ルユニットは 4K/HD を光ファイバーで非 圧縮長距離伝送とし、リモート操作パネル、 マスターセットアップユニット、ビューフ ァインダーは両機種共用になっている。  その他、従来機種の VariCam HS、昨年 のヒット商品の大判の 4/3 インチ MOS セ ンサーを搭載した 4K レンズ一体型ハンデ ィカメラ“AG-DVX200”、P2 HD カメラ “AJ-PX5000”や“AJ-PX380”なども 出展されていた。  制作系のインフラについては、遅延や圧 縮を考慮し SDI ベースが主流だが、4K や 8K と信号が大容量、高速化するのにあわ せ 12G-SDI 対応の機器開発を進めており、 当然 IP 化も視野に入っている。同社は IP 推進に向け、互換性相互補完性を重視し、 最近 AIMS アライアンスにも参加した。そ の経営戦略に沿い、今後の映像信号の伝送 ・ 配信にとって非常に大きな鍵となる VoIP に関し、4K/60p の IP による伝送を目標 に開発を進めている。  NAB 会期中に、同じく IP 化に積極的な キヤノンやグラスバレーと連携し、VoIP の 共同実験を行い公開した。隣接するキヤノ ンブース間と 10G イーサネットケーブル インナップのレンズ類を出展していた。  注目機種は、4K 対応のシネマカメラ 用ズームレンズの新しいラインアップと して、ワイド端焦点距離 20mm、望遠端 120mm の高画質ズームレンズ“XK6x20” である。 シネマカメラで多いスーパー 35mmPL マウントに対応し、ズーム全域 で T3.5 の明るさを実現した(写 14)。ズ ーム操作中に T ナンバーが変化しないた め本レンズ 1 本であらゆるシーンの撮影 に対応できる。さらにズームやフォーカス を電動で駆動させる着脱式のドライブユニ ットを搭載し、快適な運用ができる。その 他、PL レンズマウントで高い光学性能を 持つ HK/ZK シリーズも展示していた。こ れらの機種はシネマ業界だけでなく放送で の 4K 映像の制作現場でも実績を上げてい るそうだ。  放送カメラ用機種としては、スポーツ中 継やライブイベント用ズームレンズとし て、2/3 インチレンズを採用し広角 9mm か ら 望 遠 端 720mm の 4K 箱 型 ズ ー ム “UA80x9” と PL レ ン ズ を 採 用 し 広 角 8.4mm から 900mm まで対応の新製品 の超望遠レンズ“UA107x8.4”、さらに 4.5mm の超広角と最短撮影距離 0.3m を 実現した小型ワイドズームレンズなどを並 べ体験させていた。  さらに今回は NHK の 8K カメラ用に開 発、納入した“Fujinon 8K 12-36”単体 がショーケースの中に展示されていた(写 15)。このワイドレンズは水中ブリンプで の使用をも想定しているそうで、同レンズ で撮られた 8K 映像は NHK ブースで公開 されていた。 でつなぎ、4K カメラで撮った映像を新開 発の VoIP 対応ゲートウェイ“AV-UIP1” TX で送信し、受信側でデコードし映像を 表示していた(写 11)。4K 映像の圧縮に は低遅延で劣化が少なく、最近設立された intoPix のアライアンスに参加し Tico コー デックを使っていた。  またクラウド& IP コーナーでは、以前 から提唱している取材先と放送局とをクラ ウドサービスを介し撮影素材やメタデータ を伝送し、ハイライト編集やニュース制作 業務を効率化する "P2 Cast" の実演もし ていた。4K プロダクションコーナーでは、 ソフトウェアのバージョンアップで 4K 対 応となる 2ME モデルの“AV-HS6000” を 展 示 し て い た( 写 12)。 さ ら に P2/ microP2 対 応 の 小 型 レ コ ー ダ ー“AJ-PD500”も展示されていた。  4K 制作をサポートする映像モニターと しては、広視野角の IPS αパネルを搭載 し、10bit 階調とデジタルシネマのフル 4K および放送系の QFHD 両方の解像度と DCI P3 色域をクリアしている 31 インチ サイズ LCD 型リファレンスモニター“BT-4LH310”を展示していた。広色域、HDR 対応の新機種は見当たらなかったが、別コ ーナーでは HDR と SDR の比較表示を公 開していた。同社は 4K プロジェクターと して各種 DLP も製品化しているが、ブー ス隣接のシアターでは、VariCam で撮影し た 4K 映画作品を DLP で上映していた(写 13)。

富士フイルム

 日本企業が集中するエリアの右手、やや中 央よりにブースを構え、映画、放送界で進む 4K 制作に応える高画質、高機能の豊富なラ 写 10. 新製品の 4K カメラ VariCam LT 写 11. 4K/60p Video over IP 配信デモ 写 12. 小規模 4K 制作系用スイッチャー“HS-6000” 写 13. Varicm シアターで 4K 映画作品上映 写 14. 4K 対応シネマ用ズームレンズ XK6 × 20 写 15. 8K カメラ用レンズも展示 ( 左下のケース内 )

(5)

ォーマットカメラである。光学分離型構造 を採用しヘッド部の延長も可能となり、新 開発のカメラコントロールユニット“CCU-430”との伝送は 40Gbps の超広帯域を確 保し、RGB 444 の 4K 非圧縮信号伝送を 実現した。高倍率大型レンズを取付け可能 なエクスパンダもラインアップし、スタジ アム中継やスタジオでの番組制作に適した なシステム構成が可能である。  その他、カメラステージには放送用カメ ラ UnicamHD シリーズの高機能フラッグ シップモデルからコストパフォーマンスを 考慮した普及型まで各種カメラを並べてい た。デジタルシネマで実績高い ARRI と共 同開発した“HDK-97ARRI”は、スーパ ー 35mm CMOS の採用により、高感度、 広ダイナミックレンジ、高 S/N と高画質の 上、奥行き感のあるシネマテイストの映像 が表現できる。さらにベースステーション・ カメラコントロールユニットと組合せ 4K 映像も得られ、カスタムガンマ機能により HDR 撮影にも適している。  高性能プログレッシブ 16bit CCD を採 用し、3G-SDI の広帯域出力に標準対応す る“HDK-970A/97A”は 2 倍速スローモ ーションも可能で様々な運用形態がとれる。 またユーザガンマ機能を搭載し、PC で作 成したガンマカーブでの画作りが可能であ る。前機種同様に CCU と組み合わせ 4K 映像制作も可能である。なお、この CCU は超解像度技術を搭載しており、高倍率レ ンズなど既設の HD 機材を使い、HD カメ ラシステムの運用性を維持したまま 4K 映 像制作が可能となる。  その他、HD カメラは、2/3 インチ AIT CCD を搭載のスタンダードおよびポータブ ルタイプの“HDK-790GX/79GX”、高性 能 2/3 インチ 3 板 CMOS を採用したポー タブルカメラ“HDK-97C”、1/3 インチ CMOS を採用した超小型軽量のフル HD モデル“HDL-23”、さらに 260 万画素フ ル HD の CMOS を搭載し、月明かり程度 でも撮影可能な超高感度で、ヘッドと CCU 部の 2 ピースの小型カメラで防振装置に装 填しスペースや積載質量に制限のあるヘリ コプターや移動中継車へ設置可能な“HDL-F3000”などと多彩だった。  制作系の核となるスイッチャーはコンパ クトモデル“CSS-400”を展示していた。 18 入 力 9 出 力 で、1U の 本 体 と 2M/E 14 釦の操作卓で構成され、操作卓は卓上 設置タイプに加え、スペースの限られた中 継車などでの運用にあわせラックに実装し て使う2Uタイプがある。3G-SDI×4にて、 4 入 力、1 出 力、1M/E、1KEY の 4K ス イッチャーとしても運用できる。なお同社 も、今後の IP 化時代を視野に intoPix の符 号化技術“Tico”アライアンスに参加した。 映像モニター系は、4K 対応として新製品 の 31 インチサイズの“HQLM-3120W” と HD/SD 対応の有機 EL 型マスモニを展 示していた。前者は 3G-SDI × 4、12G に加えHDMIのインターフェースを装備し、 1450:1 の高コントラスト比と BT.2020 広 色 域 を 実 現 し た( 写 18)。 あ わ せ て HDR 対応機種も参考出品し、同社独自の ログガンマ i-Log を含めた HDR 映像を公 開していた。後者の有機 EL モデルは広い ダイナミックレンジと広い視野角、高速動 画応答性を備えた 25 型“HEM-2570W” と 17 型モデルである。忠実な色再現性に 加えユーザーマーカやエンベデッド音声出 力などの機能を搭載し、マスモニとしての 性能と、汎用モニターとしての使い勝手を 併せ持っている。

日立国際電気

 昨年はセントラルホールの別の場所にブ ースを構えていたが、今年は再び日本企業 グループエリアに戻り、ホール入り口の地 の利の良い場所で、次世代放送を見据えた 8K、4K、2K のフルラインナップのカメ ラを主に出展していた。  注目は今年、BS で始まる 8K 試験放送 に向け、NHK と共同開発した 8K 小型単 板式ドッカブル構造のカメラ“SK-UHD 8060B”である(写 19)。2.5 インチサ イズの 3300 万画素単板 CMOS を搭載し たハンディ型で、PL マウントを採用し映画 用や市販 4K レンズも使える。収録装置と の一体化構造により、従来、撮影困難だっ た環境でも使えるようになった。また最近 写 16. 小型軽量のポータブル型 8K カメラ 写 18. HDR にも対応の 4KLCD モニター 写 17. スポーツ中継向きの 4K カメラ 写 19. ドッカブルタイプの 8K カメラ

池上通信機

 前社に隣接する場所にブースを構え、” Broadcast Innovation”をテーマに掲げ 4K/8K をメインに最新の映像ソリューシ ョンを出展していた。  注目は今年から始まる NHK の 8K 試 験放送にあわせ開発された小型軽量の 8K カ メ ラ“SHK-810” で あ る( 写 16)。 3300 万画素、スーパー 35mmCMOS 単 板センサーを搭載し、光複合カメラケーブ ルによる映像信号の伝送、フォーカスアシ スト機能やレンズ色収差補正機能付きで、 CCU からは 8K/4K/HD の出力も可能で 従来の 8K カメラに比べ大きく機動性、 運 用性が向上した。NHK ブースの 8K 中継 車の横にも展示していたが、今年のリオオ リンピック中継などでも活躍が期待されて いる。  4K の展示は多岐にわたっていた。昨年 の InterBEE では参考出品だった 4K カメ ラは“UHK-430”の名で展示されていた(写 17)。現行の放送現場で広く使われている 2/3 型 CMOS センサーと B4 レンズマウ ントを採用し、深い被写界深度に加え、HD カメラと同様の運用性で、高精細度と高品 質な色再現性を実現した 4K/HD マルチフ れた高効率化、高品質のデジタル送信機な どを出展していた。

JVC KENWOOD

 日本企業が集中するエリアにブースを 構え、メインテーマとして“Broadcast over IP”を掲げ、ENG、プロダクション、 スポーツの各分野の IP 化を視野に入れた 4K/HD カメラやディスプレイをメインに 機器を出展していた。  4K カメラレコーダーはハンドヘルド型 の“GY-LS300”と“GY-HM200”の 2 機種が出展されていた。前者は新開発 4K 対 応 Super 35mmCMOS(1350 万 画 素)を搭載し、センサーサイズを生かし高 精細で被写界深度の浅い映像表現を実現し、 ワイドダイナミックレンジにより明暗差が 大きな被写体や低照度の環境下でも、鮮明 かつ色再現性の高い撮影が可能である(写 21)。レンズマウントはマイクロフォーサ ーズを採用しているが、アダプターにより EF/PL シネレンズにも対応する。H.264 コーデックで 4K は 150Mbps で HD は 50Mbps 4:2:2 の高画質で記録する。  後者の HM200 は小板の 1/2.3 インチ 型 1240 万画素の裏面照射 CMOS を採用 し、F12 の自社製レンズを搭載したハンド ヘルド型 4K カメラで、H.264 で SDHC/ SDXC メディアへ記録し、既存のノンリニ ア編集システムとスムースに連携できる。  HD カメラの新製品“GY-HM660”は、 新 開 発 の 250 万 画 素、1/3 型 フ ル HD 3CMOS を 搭 載 し、F12 の 高 感 度 と 低 ノイズを実現し、光学 23 倍の高倍率と 29mm のワイドズームレンズを搭載して いる。MPEG-2 と H.264 のデュアルコー デックを搭載し用途に応じて選択できる。  さらに SMPTE 2022-15)プロトコルを 採用しライブストリーミング機能を充実し た。その他、特殊用途のスポーツコーチン グ カ メ ラ“GY-HM650SC”、Bradley 社 と共同開発の IP リモートコントロールの PTZ 6)カメラ、ロボティック IP カメラな ども展示していた。  例年、LCD 型の各種映像モニターを出 展していたが今回は見当たらず、前述の 4K カ メ ラ“GY-LS300” に よ り 撮 影 さ れた JVC Log ガンマによる HDR 映像を 4K 対応リア BoX 型 DILA ディスプレイ を使い公開していた。同機はピーク輝度が 4500cd/ ㎡ と 高 く、 ピ ー ク 輝 度 1000 cd/ ㎡のフル HD 対応モデルと並べて映像 を表示していたが、暗部から明部まで鮮明 で広いダイナミックレンジの映像が表示さ れていた(写 22)。

朋 栄

 放送業界で高い実績を上げつつ、今年、 創立 45 年を迎える朋栄は、JVC に接す る場所にブースを構え、新たなテーマの “FOR-A World of Possibilities”(無限の 可能性に向けて)を掲げ、カメラ、プロダ クション、ファイルベース、バーチャルシ ステム、先端技術などのエリアに分かれ、 撮影から制作、配信までトータルのワーク フローをカバーする多種多彩な機器、シス テムを展示していた。  カメラエリアではフル 4K ハイスピード カメラとして実績ある FT-ONE を一層機能 アップしたモデルを出展した。運用性を向 上した“FT-ONE OPT”と、大幅に小型 軽量化(8.5kg)し機動性を改善した“FT-ONE-S”(写 23)の 2 機種である。後者は スーパー 35mm サイズで有効 4096 × 2304 画素の CMOS センサーを搭載し、 4K で 360fps、HD な ら 最 高 1670fps の高速度撮影ができる。カメラヘッドは小 型軽量で防塵、防水機能が強化され、ベー スステーションと光ケーブル(最長 1km) で接続され、機動性、運用性が大幅に向 上し利用分野がこれまでより広くなった。 EVS 社のビデオサーバ“XT-3”と連動し 4K、120p による高速度撮影の実演を公 開していた。  また同コーナーでは 4K を現行テレビ のトレンドの HDR、広色域にも対応する。

CCU は 1.5G-SDI(1 系統)と 3G-SDI(2 系統)を備え、8K と 4K/HD の同時出力 も可能で、4K ビューファを装備しドット バイドット信号で出力し VE によるフォー カス調整もできるようになっている。  4K カメラ“SK-UHD4000”(写 20)は、 新開発の 2/3 型 MOS センサーを搭載し、 独自に開発した高精度の映像信号処理によ り S/N 比 62dB の低ノイズ、広ダイナミ ックレンジを実現した。B4 マウントを採 用したことにより、既存の放送用レンズ類 が有効利用できる上、現行 HD カメラと同 等の操作性と運用性で 4K 撮影ができる。 特にスポーツ中継現場で問題となる感度と 被写界深度の問題をクリアし、さらに最近 のニーズである HDR にも対応しテニス中 継などでも利用され好評を得ている。CCU は小型コンパクトで 4K/HD 同時出力もで き HD カメラと混在使用もできる。  HD カメラについても豊富なラインナッ プのモデルが展示されていた。その中で注 目は、最新の MOS センサーを採用し高感 度、高 S/N で 1080i の 3 倍速撮影も可 能 な“SK-HD1300 HS” で、CCU な ど 既存の周辺機器を組み合わせることにより、 1080i、1080P のマルチフォーマット出 力が可能な上、HDR にも対応し収差補正機 能ほか操作性の向上を実現した。また CCU からトライアキシャルケーブルと光ケーブ ルでの伝送が可能なトライアックスアダプ ターも展示していた。  カメラ関係以外には、世界各国の地上デ ジタル放送の需要に応え、また現在米国で 標準化中の ATSC3.0 への対応も視野に入 写 20. 初公開の B4 マウントの 4K カメラ 写 21. ハンドヘルド 4K カメラレコーダー 写 22. Box 型 DILA による HDR 映像表示 写 23. 大幅に小型軽量化された FT-ONE S 5:圧縮符号対象の V o IP 用プロトコル 6:Pan Tilt Zoom カメラ

(6)

ォーマットカメラである。光学分離型構造 を採用しヘッド部の延長も可能となり、新 開発のカメラコントロールユニット“CCU-430”との伝送は 40Gbps の超広帯域を確 保し、RGB 444 の 4K 非圧縮信号伝送を 実現した。高倍率大型レンズを取付け可能 なエクスパンダもラインアップし、スタジ アム中継やスタジオでの番組制作に適した なシステム構成が可能である。  その他、カメラステージには放送用カメ ラ UnicamHD シリーズの高機能フラッグ シップモデルからコストパフォーマンスを 考慮した普及型まで各種カメラを並べてい た。デジタルシネマで実績高い ARRI と共 同開発した“HDK-97ARRI”は、スーパ ー 35mm CMOS の採用により、高感度、 広ダイナミックレンジ、高 S/N と高画質の 上、奥行き感のあるシネマテイストの映像 が表現できる。さらにベースステーション・ カメラコントロールユニットと組合せ 4K 映像も得られ、カスタムガンマ機能により HDR 撮影にも適している。  高性能プログレッシブ 16bit CCD を採 用し、3G-SDI の広帯域出力に標準対応す る“HDK-970A/97A”は 2 倍速スローモ ーションも可能で様々な運用形態がとれる。 またユーザガンマ機能を搭載し、PC で作 成したガンマカーブでの画作りが可能であ る。前機種同様に CCU と組み合わせ 4K 映像制作も可能である。なお、この CCU は超解像度技術を搭載しており、高倍率レ ンズなど既設の HD 機材を使い、HD カメ ラシステムの運用性を維持したまま 4K 映 像制作が可能となる。  その他、HD カメラは、2/3 インチ AIT CCD を搭載のスタンダードおよびポータブ ルタイプの“HDK-790GX/79GX”、高性 能 2/3 インチ 3 板 CMOS を採用したポー タブルカメラ“HDK-97C”、1/3 インチ CMOS を採用した超小型軽量のフル HD モデル“HDL-23”、さらに 260 万画素フ ル HD の CMOS を搭載し、月明かり程度 でも撮影可能な超高感度で、ヘッドと CCU 部の 2 ピースの小型カメラで防振装置に装 填しスペースや積載質量に制限のあるヘリ コプターや移動中継車へ設置可能な“HDL-F3000”などと多彩だった。  制作系の核となるスイッチャーはコンパ クトモデル“CSS-400”を展示していた。 18 入 力 9 出 力 で、1U の 本 体 と 2M/E 14 釦の操作卓で構成され、操作卓は卓上 設置タイプに加え、スペースの限られた中 継車などでの運用にあわせラックに実装し て使う2Uタイプがある。3G-SDI×4にて、 4 入 力、1 出 力、1M/E、1KEY の 4K ス イッチャーとしても運用できる。なお同社 も、今後の IP 化時代を視野に intoPix の符 号化技術“Tico”アライアンスに参加した。 映像モニター系は、4K 対応として新製品 の 31 インチサイズの“HQLM-3120W” と HD/SD 対応の有機 EL 型マスモニを展 示していた。前者は 3G-SDI × 4、12G に加えHDMIのインターフェースを装備し、 1450:1 の高コントラスト比と BT.2020 広 色 域 を 実 現 し た( 写 18)。 あ わ せ て HDR 対応機種も参考出品し、同社独自の ログガンマ i-Log を含めた HDR 映像を公 開していた。後者の有機 EL モデルは広い ダイナミックレンジと広い視野角、高速動 画応答性を備えた 25 型“HEM-2570W” と 17 型モデルである。忠実な色再現性に 加えユーザーマーカやエンベデッド音声出 力などの機能を搭載し、マスモニとしての 性能と、汎用モニターとしての使い勝手を 併せ持っている。

日立国際電気

 昨年はセントラルホールの別の場所にブ ースを構えていたが、今年は再び日本企業 グループエリアに戻り、ホール入り口の地 の利の良い場所で、次世代放送を見据えた 8K、4K、2K のフルラインナップのカメ ラを主に出展していた。  注目は今年、BS で始まる 8K 試験放送 に向け、NHK と共同開発した 8K 小型単 板式ドッカブル構造のカメラ“SK-UHD 8060B”である(写 19)。2.5 インチサ イズの 3300 万画素単板 CMOS を搭載し たハンディ型で、PL マウントを採用し映画 用や市販 4K レンズも使える。収録装置と の一体化構造により、従来、撮影困難だっ た環境でも使えるようになった。また最近 写 16. 小型軽量のポータブル型 8K カメラ 写 18. HDR にも対応の 4KLCD モニター 写 17. スポーツ中継向きの 4K カメラ 写 19. ドッカブルタイプの 8K カメラ

池上通信機

 前社に隣接する場所にブースを構え、” Broadcast Innovation”をテーマに掲げ 4K/8K をメインに最新の映像ソリューシ ョンを出展していた。  注目は今年から始まる NHK の 8K 試 験放送にあわせ開発された小型軽量の 8K カ メ ラ“SHK-810” で あ る( 写 16)。 3300 万画素、スーパー 35mmCMOS 単 板センサーを搭載し、光複合カメラケーブ ルによる映像信号の伝送、フォーカスアシ スト機能やレンズ色収差補正機能付きで、 CCU からは 8K/4K/HD の出力も可能で 従来の 8K カメラに比べ大きく機動性、 運 用性が向上した。NHK ブースの 8K 中継 車の横にも展示していたが、今年のリオオ リンピック中継などでも活躍が期待されて いる。  4K の展示は多岐にわたっていた。昨年 の InterBEE では参考出品だった 4K カメ ラは“UHK-430”の名で展示されていた(写 17)。現行の放送現場で広く使われている 2/3 型 CMOS センサーと B4 レンズマウ ントを採用し、深い被写界深度に加え、HD カメラと同様の運用性で、高精細度と高品 質な色再現性を実現した 4K/HD マルチフ れた高効率化、高品質のデジタル送信機な どを出展していた。

JVC KENWOOD

 日本企業が集中するエリアにブースを 構え、メインテーマとして“Broadcast over IP”を掲げ、ENG、プロダクション、 スポーツの各分野の IP 化を視野に入れた 4K/HD カメラやディスプレイをメインに 機器を出展していた。  4K カメラレコーダーはハンドヘルド型 の“GY-LS300”と“GY-HM200”の 2 機種が出展されていた。前者は新開発 4K 対 応 Super 35mmCMOS(1350 万 画 素)を搭載し、センサーサイズを生かし高 精細で被写界深度の浅い映像表現を実現し、 ワイドダイナミックレンジにより明暗差が 大きな被写体や低照度の環境下でも、鮮明 かつ色再現性の高い撮影が可能である(写 21)。レンズマウントはマイクロフォーサ ーズを採用しているが、アダプターにより EF/PL シネレンズにも対応する。H.264 コーデックで 4K は 150Mbps で HD は 50Mbps 4:2:2 の高画質で記録する。  後者の HM200 は小板の 1/2.3 インチ 型 1240 万画素の裏面照射 CMOS を採用 し、F12 の自社製レンズを搭載したハンド ヘルド型 4K カメラで、H.264 で SDHC/ SDXC メディアへ記録し、既存のノンリニ ア編集システムとスムースに連携できる。  HD カメラの新製品“GY-HM660”は、 新 開 発 の 250 万 画 素、1/3 型 フ ル HD 3CMOS を 搭 載 し、F12 の 高 感 度 と 低 ノイズを実現し、光学 23 倍の高倍率と 29mm のワイドズームレンズを搭載して いる。MPEG-2 と H.264 のデュアルコー デックを搭載し用途に応じて選択できる。  さらに SMPTE 2022-15)プロトコルを 採用しライブストリーミング機能を充実し た。その他、特殊用途のスポーツコーチン グ カ メ ラ“GY-HM650SC”、Bradley 社 と共同開発の IP リモートコントロールの PTZ 6)カメラ、ロボティック IP カメラな ども展示していた。  例年、LCD 型の各種映像モニターを出 展していたが今回は見当たらず、前述の 4K カ メ ラ“GY-LS300” に よ り 撮 影 さ れた JVC Log ガンマによる HDR 映像を 4K 対応リア BoX 型 DILA ディスプレイ を使い公開していた。同機はピーク輝度が 4500cd/ ㎡ と 高 く、 ピ ー ク 輝 度 1000 cd/ ㎡のフル HD 対応モデルと並べて映像 を表示していたが、暗部から明部まで鮮明 で広いダイナミックレンジの映像が表示さ れていた(写 22)。

朋 栄

 放送業界で高い実績を上げつつ、今年、 創立 45 年を迎える朋栄は、JVC に接す る場所にブースを構え、新たなテーマの “FOR-A World of Possibilities”(無限の 可能性に向けて)を掲げ、カメラ、プロダ クション、ファイルベース、バーチャルシ ステム、先端技術などのエリアに分かれ、 撮影から制作、配信までトータルのワーク フローをカバーする多種多彩な機器、シス テムを展示していた。  カメラエリアではフル 4K ハイスピード カメラとして実績ある FT-ONE を一層機能 アップしたモデルを出展した。運用性を向 上した“FT-ONE OPT”と、大幅に小型 軽量化(8.5kg)し機動性を改善した“FT-ONE-S”(写 23)の 2 機種である。後者は スーパー 35mm サイズで有効 4096 × 2304 画素の CMOS センサーを搭載し、 4K で 360fps、HD な ら 最 高 1670fps の高速度撮影ができる。カメラヘッドは小 型軽量で防塵、防水機能が強化され、ベー スステーションと光ケーブル(最長 1km) で接続され、機動性、運用性が大幅に向 上し利用分野がこれまでより広くなった。 EVS 社のビデオサーバ“XT-3”と連動し 4K、120p による高速度撮影の実演を公 開していた。  また同コーナーでは 4K を現行テレビ のトレンドの HDR、広色域にも対応する。

CCU は 1.5G-SDI(1 系統)と 3G-SDI(2 系統)を備え、8K と 4K/HD の同時出力 も可能で、4K ビューファを装備しドット バイドット信号で出力し VE によるフォー カス調整もできるようになっている。  4K カメラ“SK-UHD4000”(写 20)は、 新開発の 2/3 型 MOS センサーを搭載し、 独自に開発した高精度の映像信号処理によ り S/N 比 62dB の低ノイズ、広ダイナミ ックレンジを実現した。B4 マウントを採 用したことにより、既存の放送用レンズ類 が有効利用できる上、現行 HD カメラと同 等の操作性と運用性で 4K 撮影ができる。 特にスポーツ中継現場で問題となる感度と 被写界深度の問題をクリアし、さらに最近 のニーズである HDR にも対応しテニス中 継などでも利用され好評を得ている。CCU は小型コンパクトで 4K/HD 同時出力もで き HD カメラと混在使用もできる。  HD カメラについても豊富なラインナッ プのモデルが展示されていた。その中で注 目は、最新の MOS センサーを採用し高感 度、高 S/N で 1080i の 3 倍速撮影も可 能 な“SK-HD1300 HS” で、CCU な ど 既存の周辺機器を組み合わせることにより、 1080i、1080P のマルチフォーマット出 力が可能な上、HDR にも対応し収差補正機 能ほか操作性の向上を実現した。また CCU からトライアキシャルケーブルと光ケーブ ルでの伝送が可能なトライアックスアダプ ターも展示していた。  カメラ関係以外には、世界各国の地上デ ジタル放送の需要に応え、また現在米国で 標準化中の ATSC3.0 への対応も視野に入 写 20. 初公開の B4 マウントの 4K カメラ 写 21. ハンドヘルド 4K カメラレコーダー 写 22. Box 型 DILA による HDR 映像表示 写 23. 大幅に小型軽量化された FT-ONE S 5:圧縮符号対象の V o IP 用プロトコル 6:Pan Tilt Zoom カメラ

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