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http://www.unisys.co.jp

●Eマーケットの本質は “顧客中心市場への進化” いま急激に進んでいるネット革命と IT革命は、「Eマーケット」と呼ばれる、 まったく新しい性質の市場を出現させ つつある。 では、このEマーケットの本質は何か? それは、単なる「市場の効率化」では ない。その本質は、これまでの企業中 心市場から顧客中心市場への「市場の進 化」である。 では、この「顧客中心市場」とは何か? それは、市場における「情報主権」が 企業の側から顧客の側へと移行し、そ のため、すべてのビジネス・モデルが顧 客中心に組み変わっていく市場のこと である。 では、この「顧客中心市場」において、 我々は何をなすべきか? まず何よりも「古い常識」を捨てるこ とである。そして、この進化した市場 において求められる「次なる常識」(Next Common Sense)を身につけることである。 例えば、これからの企業は「販売促 進」という古い常識を捨てなければなら ない。なぜなら、この言葉は「いかにし て自社の商品を顧客に売りつけること ができるか」という「企業中心」の発想の 言葉だからである。 では、この常識がどう変わるのか? それは、「購買支援」である。 これからは、それが次なる常識とな る。「いかにして顧客のショッピングを 手伝えるか」という発想、それこそが顧 客の支持を得る。 ●顧客中心市場が求める 三つの“ワン・サービス” では、それはどのようなサービスか? 三つの「ワン・サービス」である。 第一に、顧客の特定のニーズに関連 するさまざまな商品の情報をすべて取 り揃えて提供する「ワンストップ・サー ビス」。 第二に、顧客のために同じジャンル の競合商品を比較・評価してアドバイス する「ワンテーブル・サービス」。 第三に、顧客に対して一対一で懇切 丁寧にアドバイスする「ワンツーワン・ サービス」。そうしたサービスである。 例えば、顧客の「資産運用」という ニーズに対して、株式、投資信託、国 債、定期預金などのさまざまな金融商 品の長短や、各社の競合商品の特長な どを、一対一で懇切丁寧にアドバイス するファイナンシャル・プランナーなど のサービスである。 ●古い常識を捨てよ しかし、これらのサービスを提供す るためには、やはり古い常識を捨てな ければならない。 第一に、「ワンストップ・サービス」に おいては、企業は、自社の商品が属す る「商品セグメント」を見ているだけで はなく、特定ニーズを中心に異業種の さまざまな商品が集まって形成する「商 品生態系」を見る必要がある。 例えば「快適なシニアライフ」という ニーズに関連して、二世代住宅、バリ アフリー家具、介護人材派遣、健康食 品、生涯教育、医療サービスなどの商 品が形成する生態系である。そしてこ れからは、異業種連合によってパッ ケージ商品開発や提携マーケティングを 進める商品生態系の戦略が常識となる。 第二に、「ワンテーブル・サービス」に おいては、まず、さまざまな競合商品 を客観的に比較・評価した「評価情報」を 顧客に提供する必要がある。 しかし、これからはそれに加え、さ まざまな商品に対する顧客の主観的な 声や意見、すなわち「評判情報」をも提 供することが望まれる。企業は、顧客 に対して「企業の声」や「識者の声」だけ でなく「顧客の声」をも伝えることが必 要な時代なのである。そして、そのた めの一つの優れた方法は、ネット上で 顧客同士が自由に意見交換する「顧客コ ミュニティ」を生み出すことである。 そして、こうした顧客コミュニティ は、まもなく企業と顧客との対話と協 働の場になっていく。それは、かつて アルビン・トフラーが予言した「プロ シューマ型開発」が行われる場である。 生産者(プロデューサ)と 消費者(コンシューマ)が共同して商品 開発を行う。それが、これからの時代 の次なる常識となっていく。 第三に、「ワンツーワン・サービス」に おいては、「ナレッジ・サービス」の提供 が次なる常識となる。 すなわち、企業は商品を売るために は、これまでのような「マニュアル」に 基づく顧客サービスではなく、高度な 「ナレッジ(専門知識)」を持ったスタッフ が、顧客に対して細やかなアドバイス をする必要がある。そして、今後、ブ ロードバンドが普及すると、テレビ電 話など、対面でのサービスが一般的に なっていく。そのため、単に「ナレッ ジ」だけでなく、顧客に対する細やかな 気配りなどの「マインド・サービス」が求 められるようになっていくだろう。 ●次なる常識は コンシェルジェ・サービス こう考えていくと、Eマーケットにお ける次なる常識を象徴するキーワード が見えてくる。 「コンシェルジェ」である。 24時間いつでも、一対一で、細やか な気配りと専門的な知識で三つのワン・ サービスを提供してくれる「コンシェル ジェ」。その発想は、これからの時代の 企業にとって、必ず身につけるべき「次 なる常識」となっていくだろう。

「次なる常識」が求められる時代

多摩大学 大学院教授/シンクタンク・ソフィアバンク代表 

田坂 広志

新事業/新サービスへの取り組み

ユーザ事例

b弁護士 畑中 鐵丸氏  日本ユニシス 白鳥 惠治 常務取締役 (2∼4・11面) b日本ユニシス・ラーニング株式会社設立 (5面) bベネフィット・システムズ 「日本版401k運営管理/レコー ドキーピング・システム」を構築 (6面) bJA新潟電算センター XIS-WebNetを活用しWebオンライ ン・システム稼働 (8面) b住友電装 SAN対応ストレージ「SANARENA2800」を導入 し、ストレージ統合を実現 (9面) 田坂 広志(たさか ひろし):1951年生まれ。1974年東京大学工学部卒業。1990年日本総 合研究所の設立に参画。民間主導による新産業創造をめざす「産業インキュベーション」 のビジョンと戦略を掲げ、20のコンソーシアムを設立、運営。2000年4月多摩大学教 授に就任。6月シンクタンク・ソフィアバンクを設立。情報、流通、金融、教育、バイ オなど各分野の企業の社外取締役や顧問も務める。著書に、「複雑系の経営」(東洋経 済新報社)、「創発型ミドルの時代」(日本経済新聞社)ほか多数。 UN    7月26日(金) 赤坂プリンスホテルで開催

(2)

クが存在しますね。市場予測や顧客ニーズの見誤り、 系列企業の事故、信用/市場リスク、さらにコンプ ライアンス・リスクなどがあります。弁護士のお立 場から、企業を取り巻くリスクを整理していただけ ますか。 畑中 リスクは、企業外で起こる外因的リスクと企 業内で起こる内因的リスクに分けられます。(図1) この中で、災害リスクやカントリーリスクなど外 因的リスクにおける非財務的リスクについては、多 くの企業経営者は、「そんなことは起きないし、起 きてから考えればいい」と考えるかもしれません。 しかし、阪神大震災が起こり、昨年9月11日の同時 多発テロが起こり、銀行や生命保険が次々と破綻に 追い込まれたり、さらにはアメリカの自治体で経営 破綻に陥ったことなど、つい最近までおよそ予想し 得なかったことがいとも簡単に発生するような時代 です。したがって、リスクの顕在化状況を具体的に 想定し、それによる受けるべき影響を特定しておく 必要があります。 内因的リスクについては、企業自身が責任をもっ てきちんと管理しなければならないことはいうまで もありませんが、これさえも不十分な企業が実に多 いです。 ◆企業の存亡に関わる法的リスク(コンプライアン ス・リスク) 白鳥 コンプライアンスという観点からいうと、企 業を取り巻く「法的リスク」が中心的課題になるわけ ですが、この法的リスクが具体化した場合、企業イ メージダウンと競争力の低下を招き、そしてそれを 回復するためのコストアップなど多大な負担を被る ことになります。最近の一連の企業不祥事は企業の 存亡に関わるほどになっており、今や法務体制の強化 がますます重要であると認識しています。 畑中 そもそも法的リスクとは、企業経営の過程に おいて、「法律・規則・命令などの法律上のルールに 違反することから生じる、損害賠償、債務不履行な どの民事責任、刑事責任ないし行政責任を負う危 リスクの例 企業のロス ①総会屋・暴力団 ②製品の欠陥・事故 ③粉飾決算・違法配当 ④検査妨害・談合 ⑤従業員の横領・インサイダー取引 など 法 的 責 任 社会的責任 ①民事責任…被害者からの賠償請求、株主代表訴訟       による取締役らの個人的な責任追及 ②刑事責任…懲役、罰金など ③行政責任…営業停止、免許停止、課徴金納付命令 ④企業イメージの低下 ⑤消費者による不買運動 ⑥規制強化に伴うコストアップ 法的リスク 法令遵守 (コンプライアンス)経営 企業経営の過程で、法律・規 則・命令などの法律上のルー ルに違反することから生じる、 損害賠償・債務不履行など の民事責任、刑事責任、行政 処分を負う危険 企業が法律上のルールを守り、 また、関係者に守らせることで 法的リスクを軽減する組織的 な取り組みを経営課題にして いこうという姿勢 昨今、企業の不祥事が相次ぎ、コンプライアンス (法令遵守)の不徹底が巨大なリスクであることを改 めて社会に再認識させた。企業倫理の確立は以前か ら重要な経営課題と認識されているが、企業による 法令違反などの法務関連不祥事は後を絶たず、コン プライアンス体制の確立が容易でないことを物語っ ている。以前にも増して、「コンプライアンス」は火 急に解決すべき経営課題として取り上げられ、「企 業生き残りのためのマストアイテム(必須条件)とし て、法務体制を確立すべき」という指摘が多い。 一方で、規制緩和やビジネス環境が大きく変遷す る中、リスクや従来の商慣行に積極的に挑む経営マ インドや危機状況における管理の巧みさがビジネ ス・チャンスをつかみ取り、勝ち組企業になるであ ろうことも指摘されている。 本紙では、こうした視点に立って、コンプライア ンス体制の確立に向けての課題と対応について、こ の分野に詳しい弁護士 畑中 鐵丸氏と、日本ユニシ ス チーフ・コンプライアンス・オフィサー(CCO) 白鳥 惠治常務取締役による対談を企画した。

企業経営とリスク・マネジメント

◆攻めの経営に必要なリスクテイク 白鳥 私は現在、財務、法務、経理などの部門を預 かっていますが、その方針としてリスク・マネジメ ントの徹底を掲げています。リスク・マネジメント というと、いかにも消極的にとられがちですが、そ うではなく、企業収益を上げるために、積極的に チャレンジするための方法であり、リスク・マネジ メントの徹底如何がビジネスの巧拙を左右すると考 えています。 なぜなら、リスクの所在、度合いをしっかり認識 すればこそ、攻めができるからです。「どんなリス クがあるか」、「もしリスクがあった場合、どれだけ の損失を被るか」、その数字が見極められれば、そ れに見合うリターンの兼ね合いで、勝負に出て行け るというのが私の考えです。 その際、事前にリスクの度合いを定量的に評価す ることが必要です。例えば、与信リスクと信用リス クを、取引先の格付けなどによって引き当てておく 考えもあります。もし非常に格付けの低い会社と取 り引きして、「損害を受けたらどうする」といって取 引を断念するようでは先に進まない。100社、200社 の取引相手の中で、そのうち2件ひっかかっても、 残りのプラス

α

を合計すれば、収益を上げられます。 したがって、その2社に対しては、一定のリスクの 度合いを設けて管理していけばよいわけです。 ◆経営者の仕事は“リスク判断業” 畑中 おっしゃるとおりです。ビジネス・チャンス とビジネス・リスクは常にコインの表裏の関係にあ ります。私は、リスクに対する認識が不足している 企業、横並び意識が強く、リスクと聞けば途端に逃 げ出すような企業、一旦危機が発生したらパニック に陥り適切な管理ができずに危機を「破滅」にまで増 幅させてしまうような企業は、敗残の列に加わる時 代がすでに到来していると思っています。 他方で、リスクと上手に付き合うことのできる企 業、すなわち、ビジネス・リスクを巧みにコント ロールしつつ、避けるべき規制リスクを避け、避け なくてもいい規制リスクに潜むビジネス・チャンスを 確実にモノできるような、積極経営のできる企業が 勝ち組となるであろうことも事実であると思います。 経営者の仕事は“リスク回避業”というこれまで のスタイルはすでに有効ではなく、“リスク判断業” であり“リスク管理業”であるといえます。リスク を精査した上で、事業を成長させるために取るべき リスクは、どんどんテイクしていかないと生き残れ なくなってきています。 ◆企業を取り巻くさまざまなリスクの把握を 白鳥 企業を取り巻くリスクには、さまざまなリス リスク 外因的リスク (企業外で起因) 内因的リスク (企業内で起因) 財務的リスク 非財務的リスク ストラテジー・リスク オペレーショナル・リスク ・クレジット  (信用リスク) ・マーケットリスク  (金利、通貨、  物価の変動) ・流動性リスク など ・災害リスク ・政治リスク ・カントリーリスク ・マーケティング 競争戦略リスク ・商品企画リスク ・操作ミスなどの プロセス・リスク ・評判リスク ・ITリスク ・コンプライアンス・ リスク (参考:伊藤勝教著「インターナル・コントロール」(商事法務研究会刊)49ページ) 図1 リスクのカテゴリー 図3 法的リスクの例と企業のロス 図2 法的リスクとコンプライアンス 畑中 鐵丸氏(左)と白鳥 惠治常務取締役

対談

「コンプライアンス体制の確立に向けて」

弁護士(日本国及び米国ニューヨーク州) 中島・宮本・畑中法律事務所 パートナー

畑中 鐵丸

日本ユニシス株式会社 常務取締役 チーフ・コンプライアンス・オフィサー

白鳥 惠治

特集.

コンプライアンス経営

(3)

◆コンプライアンスで力強い会社に切り替える 白鳥 法的リスクと合わせて、最近「コンプライア ンス経営」ということが語られるようになってきま した。これは、企業自ら、ルールを守り、あるいは 企業関係者にルールを守らせ、法的リスクを軽減す るような組織的取り組みであり、経営課題としてい こうという経営姿勢だと思います。 「法律を守るのは当たり前」といえばそうなのです が、実際、企業の法令違反に関する報道は後を絶た ない状況で、また、特定企業によっては法令違反が 複数回繰り返されているというのが最近の傾向であ ると言われています。世の中で起きている不祥事を 見ると、コンプライアンス体制を、違反した際のプ ロテクションとして位置付ける意味合いもあります が、我々はコンプライアンスを力強い会社に切り替 えていく一つの方法として位置付けています。 短期的な利益を求めて、社会に反する、顧客の信 頼を失うような行動は、結果的にはマイナスになる ことは明白です。企業というのは、やはり社会に付 加価値を提供し、その見返りの対価として利潤を求 めていくわけですから、社会に付加価値を提供でき ない会社というのは、存在価値がありません。 私が、今年の2月にチーフ・コンプライアンス・オ フィサー(CCO)を拝命したのも、コンプライアンス をさらなる企業活力とビジネス拡大に活かすという、 当社方針の具体化の一つと認識しています。 ◆コンプライアンスを競争優位確立に活かす米国 畑中 御社の具体的な取り組みは、リスクに対する 積極姿勢の現れと評価できますね。 現在グローバル市場をリードしている米国では、 潜在リスクに対応する点でも専門家と協同して徹底 した調査の上、これを抑止する具体的なプログラム を構築し、確実に運用するというコンプライアンス 実務を確立しておりますし、またこのような抑止体 制にもかかわらず法的リスクが具体化した時にも、 徹底した事実調査を行い、適切な有事対応を行って います。 (図4) すなわち、法をよく知り、適法と違法のグレー ゾーンを知悉した上で、たとえグレーゾーンであっ ても、解釈をめぐって裁判で争うことまで視野に入 れた万全の体制を確立し、積極的に事業展開を行い、 競争優位を築いていくというスタイルをとっている のがアメリカ流です。 (図5) 険」と定義できます。 (図2) 実際に法的リスクが具体化した場合、企業組織の 体制上の不備に対するネガティブな評価が大きく、 また、マスコミにおいても格好のニュース対象とし て取り上げられます。したがって法的リスクが現実 化した場合の損失は、一般的な事業損失とは比較に ならないほど企業に与える影響は大きい。 (図3) アメリカ企業 日本企業 徹底した事実調査を早急に行う 調査中はノーコメントで通す(最短期間でコメントを 出せるよう努力している旨を堂々とアピールする) 判明した事実を適切かつ最終的な声明として発表 事実調査の前に事実隠しを行う 調査はするものの、身内だけで行う 調査途中で、不確定情報も含めて情報をだらだら出す 「とりあえずの謝罪」を行い、事態の沈静化を図る とにかく、ひたすら頭を下げて、嵐が過ぎるのを待つ 図4 法的リスクが具体化した場合の日米企業の対応 リスクの ない分野 リスキー な分野 グ レ ー ゾ ー ン 規制のグレーゾーンにおける ビジネス・チャンス獲得の努力 ・リサーチ・分析の徹底 ・事業モデル変更による規制 の可能性の検討回避 ・ノーアクションレター摂取 グレーゾーンの排除・ グレーゾーンからの脱出 図5 グレーゾーンでのビジネス・チャンス 白鳥 私の過去の経験からも、米国企 業は、安易に行政に頼らず、自らの責 任で法を解釈してリスク分析を行い、 コンプライアンス・プログラムを駆使 して自ら定めた遵法基準を末端の従業 員にまで徹底させ、万全な体制でグ レーな法領域に飛び込んでビジネス・ チャンスをつかみ取る、そんな企業像 を描くことができます。 法律の解釈次第でビジネス領域拡 大が可能に 畑中 今まで、コンプライアンスが問 題になっていなかったのに、なぜ今か ら法令遵守なのだという点があると思 います。 法律とは、「それは明瞭かつ画一的 なルールであって、皆が守らないとい けないもの」というと、話が前に進み ません。そもそも「法律に書いてない ことはやってよいこと」なのであり、 その意味では、「法律」とは企業活動に とって有害な環境を設定しているもの にほかなりません。 「法律」というのは「読めば誰でもわ かるように一義的に書かれてあるし、 書いてあるとおり守ればいいのではな いか」と考える向きもありますが、法 の解釈には、行政当局の解釈もあれば 司法の解釈も、また学説の解釈もある。 これらがさらに時々刻々変わってくる 行 政 一般社会 企業(株式会社) 証券市場 経済社会 国際社会 経営陣(代表取締役、取締役ほか) 監督官庁 自治体 公正取引 消費者 地域住民 委員会 各種規制法 (株主) 条例など 独占禁止法違反事 件の審査、勧告、審 判、刑事告発など(独 占禁止法) 環境法(環境基本法、 大 気 汚 染 防 止 法、水 質 汚 染 防 止 法、廃 棄 物処理法、容器包装リ サイクル法、自治体条例) 消 費 者 契 約 法、金 融 商 品 販 売 法、製 造 物 責 任 法、個 人 情報保護基本など 株 主 総 会によ る監視、利益供 与罪(商法) 証 取 法 による 企業情報開示・ インサイダー取 引規制 不正競争防止法、 知的財産権侵害 など 契約違反、 顧客データの セキュリティ 優越的地位の 濫 用の禁 止な ど(独占禁止法)、 下請代金支払 遅延等防止法 など 株主代表訴訟 委任関係 忠実義務 善管注意義務 競業避止義務 外国法規制 贈賄の禁止 (不正競争防 止法) 証券取引法 外国預託証 券の規制 契約違反 国際仲裁 外国政府 株主 一般投資家 競合企業 取引先 下請企業 外国企業 外国人投資家 図6 企業を取り巻くコンプライアンス環境 のです。法律の解釈如何によって経営活動の許容範 囲も大きく変わってきます。抽象的に「法律をきち んと守りましょう」などとしか書かれていない企業 倫理憲章だけのコンプライアンス運営では、これら の高度な価値判断を統一的に管理・運営することな く、現場任せにするに等しく、組織として機能させ ることは到底困難です。 したがって、法律をいたずらに恐れることなく、 専門的視点をもって適切に解釈して、企業のプレイ ング・フィールドを確保し、これを組織的機能的に 実践する、という考えがないといけません。 法律というのは基本的に経営の手足を縛る一方、 それを上手に戦略的に使うことによって、企業活動 のフィールドが、どんどん広がって、ビジネス領域 を拡大することができるのです。 ◆企業を取り巻くコンプライアンス環境を描く 白鳥 そうすると、まず企業の業務内容の中に具体 的にどんなリスクがあるかを明確にしておく必要が あります。そのために、過去の事例や判例をキチッ と整理するなど、情報集積が非常に重要になってく ると思います。 畑中 そうですね。企業を取り巻くコンプライアン ス環境を明瞭に描く必要があります。 (図6) 規制環境を特定したうえで、過去の判例とか、当 該企業が経験したような当局のやり方とか、クレー ムや法的紛争などに発生した具体的事例に基づき、 訴訟リスクなどを洗い出します。 これらのリスクに対してはどういう方針で、どう 臨むのかということをルールとしてかためた上で、 それを実際に守らせるためのプログラムを作り、 「ルールやマニュアルと、現実のオペレーションの 間に乖離がないかどうか」を、教育と監査によって 検証する仕組をつくるのが次のステップになります。 無論、これらの履歴(教育や監査の履歴)が、後に 発生する可能性のある、法令違反やこれに基づく訴 訟・当局からの指導などに対応するための強力なエ ビデンスとして機能するのです。 ◆反証材料としての位置付けも 白鳥 最近の事例では、個人ではなく、“会社ぐる み”といわれるケースが多いようですが、実際はど うなのでしょうか。 畑中 例えば総会屋や食品不当表示の例をみた場 合、個人が「組織のためにやった」という弁解をして も、企業としてそれを反証できる材料がない故に、 結局「企業は間接的、黙示的に許容していた(組織ぐ るみ)」などと言われるわけです。 権威ある社内のルール(代表取締役名義やしかる べき組織的権威を有するコンプライアンス委員会名 義のルール)として、「社内ルールはこうです」、「消 費者の信頼を裏切るような行為や規制を特定して、 そういうものについては遵守する」体制を作り上げ ておき、「特に今まで、問題になりそうなところは、 全部専門家が特定した上でマニュアルを作って、当 該工場長も含めてきちんと教育、監査も受けてい た」ということが仮に形として具体的に存在すれば、 「たった一つの法令違反の影響が即企業崩壊リスク にまでつながる」ことにはならないのです。

コンプライアンス経営のすすめ

(4)

業としてどの解釈を採用し、あるいはビジネス構築 の上でどういう照会手順(法律専門家の意見採取)で 進めなさい」といった突っ込んだところまでルール 化することが必要なものもあるのです。 下請やアルバイトの管理に関しては、独占禁止法 や労働法などの規範とスレスレのことをやっている 企業はたくさんあります。実際どこが違反のボー ダーラインかについて(あるいは個別の案件でボー ダーラインを設定する上での専門家からの意見採取 基準等を設定するなどの手順確立について)、きちん と社内の自主規範として決めておく必要があります。 ◆ナレッジの集積と共有化を 白鳥 自主規範やルールの作成には、情報集積が非 常に重要だと思います。当社の場合でも、ノウハウ が個人に帰属している部分がかなりあり、そのノウ ハウを吸い上げて、組織的なナレッジ・マネジメン トが課題になると思っています。集積したノウハウ を共有化し、さらに積み上げることによって、より よいものに進化させることができるはずです。最初 のうちはコストがかかっても、いろいろな事例を集 積しながら徐々にモデルを増やしていくことで、よ り実のあるコンプライアンス・モデルに仕上げるこ とができます。 畑中 法律事務所などでも、弁護士がスター選手も 含めて何人もいるところがありますが、かようなナ レッジ・マネジメント上の課題は共通の悩みです。 結局、ナレッジは属人的に、個々の弁護士の頭脳の、 いわばローカル・ハードディスクの中に全部たまっ ていて、全然共有化されていないという状況が現実 として存在します。 私がかつて所属していたアメリカの有名な法律事 務所では、個々の弁護士の知的成果たる各ドキュメ ント・ファイルを一定の分類項目に従って、すなわ ち、「クライアント別、分野別、契約類型別、訴訟 類型別、準拠法別」、といった形で整理し、効率的 に管理していました。 ですから過去のドキュメント、知的成果について は、サーチすれば手に入る体制になっています。そ の辺が米国の強さの源泉だと思います。これだと、 人が変わっても、ある程度、デフォルトから起こす 必要がなく、さらに積み上げていくことで、より高 度なものになっていく。組織としての成果物蓄積・ 活用効率が上がっていきますね。 コンプライアンス運営もまったく同じで、こうい うナレッジのフローおよびストックが効率的に整備 されていないと、「体制が変わったとたん、また法 令違反が再発」といったことになりかねません。そ の意味では、「コンプライアンス云々の前に、ナ レッジ・マネジメントを整備するのが先決」という企 業も少なからずあります。 実際、コンプライアンスの構築を依頼されたとこ ろ、ドキュメント・フロー(およびストック)のシス テムがまったく整備されておらず、インプリメン テーションの前の運営調査が、いつのまにか、ド キュメント・フロー構築のコンサルテーションに なっていた例もあるくらいです。 ◆組織づくりの課題 白鳥 日本では、社員のロイヤリティは身近な組織 に強く出てしまう。各人は、大きな意味では社会に 帰属し、会社にも帰属し、社内の事業部門の一員で あり、部・室の一員でもあり、グループの一員でも あるというように重畳的に属していますが、自分の 一番身近かな組織への従属性が高い。 このため、一番近い組織のためにと思ってやった 行為が、一段と大きな組織である会社あるいは社会 に対して、問題のある行為だったというようにミス マッチが起きるケースがあります。最終的に会社や 組織のためにならない行為だと思いつつも、どうし ても、身近かな見えるところの世界に注目している というケースがあります。各人は決して自分のため にやったのではなくて、組織のためにやったのだと いう確信犯的に自らを納得せしめるわけです。直属 の上司にしても、「彼も、自分のためではなくて、 組織のためにやった行為だ」とカバーする。 結局、どこにレポートするかの問題になってくる わけです。世の中一般に自分の身を処してまで組織 を守ってしまう話もある。コンプライアンス・プロ グラム、コンプライアンス体制の中で、各人が直属 防止することもできると思うのですが。 ◆コンプライアンス委員会の位置付けがポイント 畑中 コンプライアンス委員会を作るところはあり ますが、これが当該コンプライアンス担当取締役個 人にのみ責任を負うべき組織なのか、代表取締役に 直接責任を負うべき組織なのか、あるいは、代表取 締役も監視しうる取締役会全体に対する責任を負う べき組織なのか、さらには「株主総会から権限と責 任を付与され、取締役全員を服せしめる規範を確 立・運用しうる強力な権威を有する組織」なのか、い ろいろなデザインが考えられます。 特定の取締役や代表取締役に委員会が責任を負う 場合だと、結局、「トップの不正やルール違反」を厳 しく指摘することができず、コンプライアンスが機 能しないこともあり得ます。他方で、株主総会から 権限を付託されたコンプライアンス委員会という と、「所有と経営の分離」という株式会社制度の根本 原理にそぐわず、また現実的にもあまりにもラディ カルな組織デザインとなってしまい、導入への強い 抵抗が予想されます。コンプライアンス委員会を組 織的にどう位置付けるかということが、まずは大き な問題となります。 ◆経営に資するコンプライアンス体制へ 白鳥 私どもでは、コンプライアンスを基本的に経 営戦略の一環として位置付けていますから、経営委 員会へのレポートという形になると思います。 もっと大きな意味での企業の正当性を確保するた めのチェック機関としてのコンプライアンス委員会 となると、総会に対してのレポートというのが1つ の徹底した形であると思います。しかし、そこまで いくのが、正直いって現実的かどうかという気がし ます。 当社の場合、今コンプライアンス委員の構成メン バーを想定すると、CCOの下に法務部門を中核に 据えて、あとは現場のメンバーを据えるというのが 基本的なスタンスになります。 (11面下段へ続く)Ç 白鳥 惠治常務取締役 ◆CCOの下、全社的な取り組みを推進 白鳥 当社は、関係会社が子会社として18社、関連 会社が7社と計25社あります。したがってグループ 企業を含め、全社的な取り組みが必要だと実感して います。昨年、一昨年と、社内教育研修の一環とし て、コンプライアンスに関わるセミナーを何回も 行って、なぜ今コンプライアンスが必要かという話 をしてきました。 今後はコンプライアンス体制の確立に向けて努力 していくつもりです。 体制を作ったら、まず全員が自分の問題として認 識してもらわないといけない。フィールドの各現場 のコンプライアンス・オフィサーを通じてやるだけ では、徹底していかない。そこで今、法務部が事例 集ハンドブックを作成中で、社員が実感として、 「コンプライアンスとは、こういうことを言ってい るのだ」ということを十分認識してもらうように啓 蒙活動に取り組みつつあります。 専門家の立場から、コンプライアンス体制を築く 上でのポイントを伺えたらと思いますが。 ◆まず社内規程の整備から始めよ! 畑中 コンプライアンス・プログラムは2つの側面か ら考える必要があります。 一つは、「コンプライアンス・プログラム」という のは基本的に手順 書でありマニュア ルに過ぎません。 マニュアルは何か のルールを具体化 したものであり、 これを守らせるた めのツールなので す。例えば、「基 本書があって、は じめて参考書があ る」、あるいは「法律があって、はじめて行政解釈や 判例が存在する」という状況と同様に、マニュアル はルールの存在を必ず前提としています。したがっ て、何らルールがないところに、コンプライアンス のマニュアルだけが存在するというのは、「戦略を 前提とせず、戦術のみが豊富にある」状況と同様、 きわめて不自然かつ不条理な事態です。 そもそも会社内の自主規範をどうするのかいう議 論が先決課題として存在し、この自主規範を具体化 したものとして、マニュアルがあるというのがしか るべき姿です。 ところが、企業の中には、一度もそういうことは 議論していないというケースが多い。さきほどの議 論にも戻りますが、法律があり、法律を読めば分か るではないかといっても、会社と関係のある法律も あれば関係のない法律もあります。すなわち、民商 法、訴訟法、労働法、知的財産権法等や独占禁止法、 さらには関係業法等の特定のルールについては、普 段あまり馴染みがなくても、会社や事業との関係が 深く、社内的にもルールとして役員・従業員に十分告 知させておく必要のある規範があります。 さらに、特定のルールについては解釈・運用をめ ぐって激しい争いがあったり、ある程度の摩擦を前 提としないとビジネスができない、といった類のも のもあり、「この法律は重要なので、皆さんよく守 りましょう」という社内規範だけでは不十分で、「企

コンプライアンス体制の

確立に向けての課題

の上司にレポート して、意見が合わ なかったとき、も う一段上の組織に レポートし、ある いは、会社に一定 のコンプライアン ス委員会を通じて レポートするとい う体制を作ること で、ミスマッチを 畑中 鐵丸氏

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UN 新会社・日本ユニシス・ラーニングの 特徴を挙げてみる。 ① 30余年にわたり蓄積された研修ノ ウハウの提供 多様な研修プログラム IT関連のみにとどまらず、ビジネ ス・スキルやヒューマン・スキル分野な ど、日本ユニシスの社員研修を目的に 開発してきた多様な研修プログラム (日本能率協会より能力開発優秀企業 賞を受賞)をお客様にも提供する。E ラーニングでは、さまざまな顧客ニー ズに応えるために、インターネットを 利用した教育ソリューション・サービ ス「dot-Learning」をASPサービスでも提 供する。 「インストラクショナル・デザイン (ID)技法」によるコンテンツ作成 教育企画設計の分野で高品質な学習 コンテンツを作成するための技法とし て注目を浴びているID技法を集大成し た方法論「UNIKIDS」により、教材作成 の企画から、学習目標・内容の設計、 教材作成、運用設計、評価、フィード バックという、すべてのライフサイク ルを支援する。 ②豊富な人材育成スペシャリスト集団 新会社は、日本ユニシスの研修部門 で、社内研修ならびにお客様への研修 サービスで培われた経験と実績を持 つ、人材育成に関するスペシャリスト 集団で構成されている。 経済のグローバル化など経済環境の変化とともに、新規ビジネス分野への参入 などで企業が求める人材も大きく変わりつつある。こうした変革の時代に対応で きる人材の育成は、企業の将来を左右する重要な経営課題となってきている。 日本ユニシスにおいて、長年にわたって蓄積してきた人材育成のノウハウや経 験を活かし、お客様の多様な人材育成ニーズに迅速に応えるため、日本ユニシス・ ラーニング株式会社を設立し、7月1日、営業を開始した。 日本ユニシス・ラーニングの事業内 容は、以下のとおりである。 ①お客様に対する教育サービスの提供 不特定多数のお客様を対象とした公 開コースの開催および人材育成コンサ ルテーションを含め、お客様のニーズ に合わせたオーダーメードの研修を提 供する。 これらの教育サービスでは、お客様 のニーズに応じて、IT分野の研修から、 ヒューマン・スキル、セールス・スキル、 プロジェクト・マネジメント、ビジネ ス・スキル教育まで、さまざまな分野 の教育研修プログラムを提供する。 さらにお客様のニーズに合わせて、 研修管理システム、スキル管理システ ム、人材管理システムなどの人材育成 支援のためのソリューションを開発し 提供していく。 ② Eラーニングを利用した研修サービ スの提供 Eラーニングシステム、コンテンツ の販売、コンテンツの受託開発、ASP サービス「dot-Learning」など、多様な サービスも提供する。 特に、Eラーニングを利用したサー ビスの面では、高品質なコンテンツの 開発・提供が重要となる。日本ユニシ ス・ラーニングでは、これまでのノウ ハウを集大成したID技法「UNIKIDS」 を開発し、それを利用した、極めて高 品質なコンテンツの開発・提供が可能 である。PCリテラシ、IT関連、情報 処理、コンピュータ言語、ビジネス・ スキル関連など、現在約100種類提供 しているコンテンツを、今年度中にビ お客様の人材育成ニーズ コンサルテーション (豊富なノウハウと経験) 教育サービス・インテグレーション (高品質な研修プログラムとシステム) Eラーニング・システム 経験豊富なインストラクター スキル管理システム コンテンツ ファシリティ コンピテンシ管理システム 研修管理システム 研修プログラム テキスト教材 到達度診断システム パートナー企業 日本ユニシス・ラーニングのサービス概要図 30余年という経験と実績を踏まえ て、これまでも日本ユニシスは幅広 い教育サービスを提供してきた。昨 年一年間のユニシス教育サービスの 受講者数は、日本ユニシス・グルー プでの社員教育で4万3千人日、顧客 企業向けが2万3千人日に上る。こう して蓄積されたノウハウや経験を活 かし、お客様の多様な人材育成ニー ズに対してこれまで以上に迅速に対 応するために新会社を設立した。 教育ビジネス分野はビジネス・ チャンスが多く、今後も成長が期待 される。Eラーニング需要など我々 が勝ち組となれる分野も多く、得意 分野にターゲットを絞っていくこと が重要と認識している。 新会社の事業内容には、「教育 サービス」と「Eラーニング」という 2つの大きな柱がある。「教育サービ

お客様の価値創造に役立つ

高品質の人材育成サービスを提供

日本ユニシス・ラーニング株式会社 代表取締役社長

斎藤 哲郎

ス」では、新人研修やプロダクト研 修はもとより、上流のマネジメント 研修などにまで踏み込み、「Eラー ニング」では、IT系に加えてビジネ ス系資格取得など、高品質で種類も 豊富なコンテンツを提供する。さら に、お客様企業の人材育成をトータ ルにコンサルテーションするなど、 他社と差別化できる質の高いサービ スで、お客様の価値創造に寄与でき る企業を目指していきたい。 ジネス・スキル関連を中心に拡充し、 250種類にする予定。 Eラーニングの長所は、受講者が業 務スケジュールなど自分の都合に合わ せて必要な勉強ができることにある が、集合研修でしか効果の現われない 領域もある。そこで、Eラーニングで 学習した後に集合研修を行うEラーニ ングと集合研修を組み合わせた“ブレ ンディング研修”も行う。 また、今年から汎用テスト・システ ム「UNILets」も開発し、サービスの提 供も開始している。これは、各種資格 取得を支援するための模擬試験システ ムである。学習者にランダムに関連試 験問題を提示し、そのテスト結果に基 づき、弱点となっている部分を再出題 して学ばせるという汎用的な能力診断 システムである。今後、IT関連だけで なく、ビジネス分野での資格試験も視 野に入れて提供していく予定である。 こうしたサービスを提供するため に、日本ユニシス・ラーニングでは、ノ ウハウと経験を活かした「コンサルテー ション」と、ID技法とIT技術の活用に よる「教育サービスインテグレーショ ン」をサービス基盤に据え、事業展開 を図っていく方針である。 (図) 提供可能なソリューション群には以 下のものがある。 b研修プログラム bインストラクター bファシリティ bEラーニングのインフラ bEラーニングのコンテンツ b教材 b汎用テスト・システム b研修管理システム bインストラクショナル・デザイン技法 bその他 また、お客様の多様な人材育成ニー ズに応えるため、それぞれの専門分野 で豊富な経験と実績を持つパートナー 企業とのアライアンスにも積極的に取 り組んでいく。 UN

日本ユニシス・ラーニング株式会社設立

お客様の人材育成ベスト・パートナーを目指して

変革の時代に即した教育サービスを提供

蓄積された研修ノウハウと人材育成のスペシャリスト集団

主なサービス

提供可能なソリューション群

■日本ユニシス・ラーニング株式会社 http://learning.unisys.co.jp/ ◆これまで蓄積された教育に関する経 験やノウハウを活かし、人材育成に 関する多様なニーズへ迅速に対応す ることを目指して設立された。Eラー ニングに代表される新規分野へ機動 的に参入し、教育ビジネスの拡大を 図る。 ◆本社=江東区豊洲1-1-1 (日本ユニシス本社内) 大阪事業所=大阪市北区中之島2-3-33 (日本ユニシス関西支社内) ◆資本金=5,000万円 (日本ユニシス100%出資) ◆代表者=斎藤 哲郎 代表取締役社長 ◆社員数=57名(設立時)

日本ユニシス

新事業/新サービスへの取り組み

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401kのスタートに照準を合わせて設 立されたベネフィット・システムズ (株) 代表取締役社長 佐藤 宏和氏は、 「確定拠出年金法において運営管理機 関は、運用 商 品 の 選 定・提示や 加入者向け の情報提供 を行う運用 関連運営管 理機関、加 入者口座の 管理や運用 佐藤 宏和氏 指図の取りまとめを行う記録関連運営 管理機関とに分けられているが、当社 は制度運営全体にかかるコストをトー タルで安くする狙いから、両方を手が ける(図1)。401k市場の発展段階に応 じて必要な規模のシステムを作ってい くことにすれば、コストは大幅に削減 できる。当社のサービスを一口にいう と、“ワンストップ、エニーサイズ (any size)、クイック&イージー”とな る。制度運営に関して必要なものをま とめて提供し、企業規模は問わない。 しかも企業の管理者に事務的負担をか けないのがモットー」と語っている。 同社では、事業戦略として以下の点 を挙げている。 ① 401k運営管理機関として、制度導 入企業からの業務受託、他の運営管 理機関からの業務再受託を行う。 ② 日本では、運営管理機関は運用関 連業務を行い、口座管理などの記録 関連業務はアウトソーシングするの が一般的だが、同社では両業務を 1社で行う。 ③ 今回構築したBenefit401kをパッケー ジ化し外販する。 ④ 提携各社との協業により、総合的 な福利厚生サービスの提供を目指す。 日本ユニシスは、同社に資本参加 (出資比率20%)し、ビジネス・パート ナーとして、同社のビジネス基盤であ る業務システムの開発およびシステム インフラの構築を行った。また、本シ ステムをパッケージ化した「Benefit Keeper」を、401k制度導入企業および 金融機関を中心とした運営管理機関向 けに販売する。(本紙7面参照) 佐藤氏は、「我々はオンライン証券 で培った証券業務やWebサービスのノ ウハウを持っている。また、日本ユニ シスは、信託銀行の受託資産管理分野 でのシステ ム構築経験 とノウハウ を持ってお り、双方の 強みを生か したビジネ ス関係を築 くことがで きると判断 し た 」 と 語っている。 システム構築に当たっては、Web基 盤としてWebアプリケーション・サー バ「COOLICE」、業務アプリケーショ ン構築には「OpenMAPPER」をそれぞ れコアプロダクトに採用し、要求定義 から業務運用テストまで、わずか1年 という短期開発を実現しており、今後 の機能追加などにも迅速に対応できる よう考慮している。 同社のシステムサービスの仕組みを要 約すると以下のようになる。(図2・7面) ◇ 一般および会員向けWebサービス 同社の会社概要やサービス内容、ま た制度内容などの紹介や、将来の年金 受取額の簡易シミュレーション機能な どを提供する「一般サイト」、より詳細 な情報提供を制度導入予定企業の管理 者向けに提供する「会員サイト」から構 成される。 ◇ 顧客向けWebサービス 制度導入企業において、制度運営に 必要となるサービスは「顧客サイト」と して提供。「管理者向けサイト」と「加 入者向けサイト」から構成されている。 ① 管理者向けサイト 制度の導入や保全のための加入者情 報、掛金情報などの一括アップロード や、資産残高、運用指図推移など統計 情報の照会を行うサイト。 ② 加入者向けサイト 運用指図、資産残高や取引履歴の照 会など加入者に必要な処理を行うとと もに、制度や投資などに必要な知識を 習得するためのサイト。 なお、顧客はWebサイトだけでなく、 コールセンターを利用した電話による サービスも受けることができる。 商品の売買 商品に関する 問い合わせなど 個人別残高・運用 に関する情報提供 運用指図/ 残高・運用に関する 問い合わせなど 情報提供など 従業員 受給者 掛金の拠出 信託銀行 銀行 証券会社 生命保険会社 etc etc 商品提供機関 ベネフィット・システムズ社 企業 商品提供機関 給付 運用指図 給付指図 運用関連運営管理機関 記録関連運営管理機関 運用商品の選定 運用商品の提示 商品情報の提供 加入者口座管理 運用指図のとりまとめ 給付に係る事務 図1 確定拠出年金(企業型)のスキームとベネフィット・システムズ社の位置付け ◇レコードキーピング・システム 「顧客サイト」を通じて入力された照 会情報や更新情報は、「仮受付」と呼ば れるサブシステムで内部処理し、蓄積 された後、事前に指定されたタイミン グで「バック」システムに確定データと して書き込まれる。このように「仮受 付」システムを構えることにより安全 性と運用の柔軟さを確保している。 「バック」システムでは、加入者個人別 の残高や異動をヒストリカルに管理す るとともに、関連機関(商品提供機関、 資産管理機関)とデータ交換を行うた めの運用指図の取りまとめや按分処理 を行う。また加入者や当局向けの報告 書データの作成・編集も実行される。 同社が提供するサービスの主な特徴 は以下のとおり。 ◇ バンドル・サービスによる利便性 運用関連と記録関連、双方を提供す ることで、顧客の窓口の一本化が可能 となり、顧客の煩雑さを軽減。 ◇ 独自システムによる柔軟性 自社開発したレコードキーピング・シ ステムの利用により劇的に低額な運営 管理手数料の設定を実現するとともに 顧客ニーズを反映したカスタマイズ対 応やサービスレベルの個別設定が可能。 ◇ パートナー企業との連携 制度設計、加入者教育など法定外業 務に関しては、グループ内外の専門ベ ンダーと連携することにより顧客ニー ズに合わせたさまざまなサービスの提 供が可能。 ◇ 単独型から総合型まで 単独での制度導入が困難な中小、ベ ンチャー企業に対しては、導入負荷の 低い総合型サービスを提供する。 佐藤氏は今後の抱負として、「401k 制度は始まったばかりであるが、導入 目的や必要なサービスの多様化ととも に、さまざまな参入業者が登場してく ると思われる。当社ではオープンなス タンスでパートナー企業との提携を進 め、お客様のニーズにマッチしたサー ビスを企画し、迅速かつ低料金で提供 していきたい」と語っている。 UN

システムの概要

ローコスト/ワンストップ・サー

ビス/フレキシブルな対応で顧客

の利便性向上を実現

日本ユニシスは

ビジネス・パートナーとして参画

ビジネス基盤を短期に構築

制度運営に関わる全方位営業を展開

顧客本位のサービスを提供

ベネフィット・システムズ

確定拠出年金(日本版401k、以下401k)の運営管理機関であるベネフィット・ システムズでは、運営管理業務の基盤となる「401k運営管理/レコードキー ピング・システム(Benefit401k)」を構築、ファーストユーザ向けの運営管理 サービスを7月1日からスタートした。 日本ユニシスは、同社のビジネス・パートナーとしてBenefit401kの受託開 発をはじめ、Webシステムやインフラ構築など全面的なシステム・インテグ レーションに当たった。 ◆確定拠出年金の運営管理会社としてソ フトバンク・ファイナンス(株)、日本 ユニシスの共同出資で2001年3月に設 立。(株)あおぞら銀行、(株)リロ・ホー ルディングズ、(株)オービックビジネ スコンサルタント、フィデリティ投信 (株)など現在9社が出資。確定拠出年 金に関わるサービスを「運用関連」、 ■ベネフィット・システムズ株式会社 http://www.benefit401k.com/ 「記録関連」と分けることなく、“ワン ストップ”サービスとして展開するこ とにより、顧客の利便性向上に務めて いる。 ◆所在地=東京都千代田区神田錦町3-23 ◆代表者=佐藤 宏和 代表取締役社長 ◆設立=2001年3月 ◆資本金=10億円

「日本版401k運営管理/

レコードキーピング・システム」を構築

運営管理業務受託サービスを開始

日本版401kソリューション

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毎月一定の掛け金を拠出し、その運 用成績によって将来の年金受給額が変 わる確定拠出年金(日本版401k、以下 401k)が2001年10月からスタートした。 401kの登場により、厚生年金など、あ らかじめ将来の年金受給額を定める確 定給付型年金と合わせ、企業年金の選 択肢が広がる。加入者ごとに口座が設 けられ、拠出金と投資収益が蓄積され るため、①現時点で自分の持ち分が明 確に把握できる上に、②転職の場合に 口座残高を一括で転職先に移せると いったメリットがある。 401kでは、掛け金を運用する加入者 (従業員)が確定拠出年金を効率的、安 この運営管理機関の代表的な業務が レコードキーピング(記録管理)業務で あり、401k制度運営のための中心的業 務となる。レコードキーピング業務は、 加入者一人ひとりの月々の掛け金の連 絡や、従業員データの登録・異動に伴 う更新から給付などに必要な情報をヒ ストリカルに管理するもので、さまざ まな事務処理業務が伴う。 これまで日本国内においては、レ コードキーピング・システムの構築に は莫大なコストがかかると言われ、一 部の大手専門会社のみにしか同業務は 行えないものとされてきた。 このため401k制度を導入しようとす る企業の多くは、外部の運営管理機関 に業務委託しているのが現状である。 一方、401k導入先進国の米国では、 制度導入企業のうち25%は運営管理業 務の一部を自営しており、また5%は、 レコードキーピングも含めた全業務を 自営しているほか、大小さまざまな運 営管理業務用ソフトウェア・パッケー ジが存在する。日本においても、外部 委託手数料が高額となる大企業を中心 に、運営管理業務の選択肢の一つとし て自営に対するニーズが高まるものと 予想されている。 こうした現状を踏まえて、日本ユニ シスは、401kを導入する事業会社向け に、企業自ら運用関連業務の一部(運 用商品にかかる情報提供)と記録関連 業務(レコードキーピング)を運営する た め の ソ フ ト ウ ェ ア ・ パ ッ ケ ー ジ

「Benefit Keeper for Company」(略称: BenefitKeeper)の販売を6月から開始し た。BenefitKeeperは、401k運営管理機 関であるベネフィット・システムズ社 (本紙6面参照)で利用されているシス テムをパッケージ化したもので、従来、 制度導入企業 管理者 顧客サイト 仮受付システム バックシステム COOLICE etc

OpenMAPPER etc OpenMAPPER etc

SQL Server 従業員 ベネフィット・システムズ社 顧客向けWebシステム レコードキーピング業務システム 更新系 照会系 認証システム 会員サイト 一般サイト コールセンター バックオフィス 照会用DB 仮受付DB レコードキーピング DB 認証用DB ■拠出割合更新 ■スイッチング ■加入者属性変更        etc ■資産残高照会 ■取引内容/履歴照会 ■商品情報        etc 登録情報の 仮受付更新 登録情報の バック更新 照会用データ の提供 Webからの登録の仮受付 仮受付からのデータの更新 企業/従業員情報管理 拠出金管理 運用指図管理 納定管理 統計資料管理 利子/分配金管理 外部接続管理 RKバックへの登録 各種照会 コールセンターからの登録の仮受付 資産管理機関 (金融機関) 商品提供機関 (金融機関) 商品提供機関 (金融機関) 図2 Benefit401kシステム概要 受託運営管理業務を営む金融機関を販 売対象としていたが、米国事例や市場 調査、事業会社および厚生年金基金か らの問い合わせ結果を受け、このたび 事業会社向け商品を設定した。 これまで日本ユニシスは、確定給付 型年金分野においてはⅠ型基金向け厚 生年金基金管理システム「NENKIN7」 を約100基金に導入しているが、401k 分野においては、「BenefitKeeper」を企 業の年金管理業務向けソリューション として位置付けている。 BenefitKeeper は、Windows 2000サーバをプ ラ ッ ト フ ォ ー ム と し 、 ま た 約100ライセン ス の 出 荷 実 績 を 持 つ 信 託 銀 行 向 け 業 務 ソ リ ュ ー シ ョ ン パ ッ ケ ー ジ 「TRUST21」を ア プ リ ケ ー ション基盤として利用している。シス テム構成は上図のとおり。 ① BFKフロント 管理者・従業員からの資産残高、商 品情報、各種属性などの照会/残高ス イッチング、拠出割合登録・変更など を受け付けるWebベースのシステムで、 加入者個人認証機能も持つ。 ② BFKミドル Webシステムを通じて従業員から入 力された情報を内部処理し、一時的に 蓄積し、一定期間後にバックシステム に引き渡す「仮受付」システム。 ③ BFKバック レコードキーピング・データベース ◆大企業においては、自社で運営する ことにより、制度運営費用の大幅な 削減が可能となる。 ◆制度導入・保全に必要な従業員属性 情報や拠出金情報を自社の人事シス テムや給与システムから自動的に アップロードすることにより、外部 委託した場合に比べて大幅な事業主 の事務負荷の軽減が図れる。 BenefitKeeperでは、運営管理事務の 大部分について自動処理と一斉処理 を実現しているため、事業主事務負 荷は外部委託の場合に比べて微増。 ◆自社専用システムとして管理できる ことから、秘匿性の高い従業員一人 ひとりの個人別資産に関する万全な セキュリティ体制のもとに管理する こが可能となる。 ◆BenefitKeeperの販売価格は、5万口 座まで、ライセンス使用権許諾料 を保持し、従業員個人別の残高情報や 異動情報をヒストリカルに管理し、運 用指図の取りまとめや按分処理を実行 する。さらに、資産管理機関、商品提 供機関などの関連機関とのデータ交 換、帳票/報告書用データの編集処理 などを行う。 これらの機能は b企業内管理者向け(事業主事務) bバックオフィス向け(運営管理機関 事務) b電話問い合わせ対応要員向け b従業員(制度加入者)向け に分化されており、認証機能/権限設 定により使用できる機能が特定される。 3,000万円(初期)および年間利用料金 300万円からとなっている。 例えば、預金と投資信託を運用商 品に組み入れた構成の場合は、初期 5,000万円および年間500万円の使用 料となり、1万人企業(単体または連 結)または厚生年金基金の場合、一 人当たりの年間ライセンス利用料 は、500円、2万人企業では250円と なり、一つのプランに参加する加入 者が多いほど、または制度を長く運 営するほど大きな経済的メリットを 享受できる。 ◆また、日本ユニシスのシステム・ア ウトソーシング環境を利用すること により、企業はサーバ機器などの導 入や維持管理などシステム運用負荷 をかけずに、短期間・低コストで業 務を開始することができる。 UN

制度運営のコアとなるレコードキーピング

運営管理業務の自営を低コストで可能に

BenefitKeeperのシステム概要

BenefitKeeper導入によるメリット

企業年金の選択肢を広げる401k

日本版401k導入企業向け

「レコードキーピング・システム」販売開始

自営化による運営管理コストの削減を可能に

新製品/新サービス

制度導入企業 資産管理機関用端末 商品提供機関用端末 商品提供機関用端末 従業員 更新系処理 照会用 DB 認証用 DB レコード キーピング DB 照会系処理 商品情報閲覧 管理部門 ヘルプデスク イ ン ト ラ ネ ッ ト Webからの登録の受付/更新 拠出データ作成 指図データ作成 残高情報作成 帳票データ作成 従業員情報更新 BenefitKeeper BFKフロントサーバ BFKミドル/バックサーバ G/W Windows2000 関連システム (人事システムなど) Windows2000 データ交換 BenefitKeeperシステム構成 定的に利用できるように、運営管理機 関、資産管理機関(信託銀行など)、商 品提供機関(銀行、証券会社、生命保 険会社など)など、さまざまな機関が 協力して業務を遂行する。 このうち、加入者にとっての窓口と なるのが、「運営管理機関」である。そ の役割は、①個別の運用商品を提示す る、②個別の運用商品に関する情報を 提供する、③加入者の運用指図を取り まとめて資産運用管理機関に指図す る、④加入者ごとの持ち分などの記録 管理を行う、⑤給付関係の事務などを 行う、などである。

参照

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