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8 第1章 地形 形質等による評価減 2 道路に接する距離の短い宅地 父から相続した宅地は 次のように路線価の付さ ケース れた道路に接する部分の距離の短い宅地である 道路 宅地 評価減の内容 間口狭小補正率及び奥行長大補正率を適用します 評基通20 3 POINT 間口が狭小な宅地や奥行距離が長大

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Academic year: 2021

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(1)

〔2〕 道路に接する距離の短い宅地

ケース

父から相続した宅地は、次のように路線価の付さ れた道路に接する部分の距離の短い宅地である。 道路 宅地

評価減の内容

間口狭小補正率及び奥行長大補正率を適用します。 (評基通20 3)

POINT

間口が狭小な宅地や奥行距離が長大な宅地の評価に当たっては、奥 行距離に応ずる減価(奥行価格補正)のほか、間口距離(正面路線に 接する距離)が狭小であることによる減価、間口距離に比して奥行距 離が長いために利用価値が低下することによる減価を考慮する必要が あります。 このような宅地については、その宅地の接する道路に付された路線 価に、その宅地が所在する地区区分と奥行距離に応じて財産評価基本 第1章 地形・形質等による評価減 8

(2)

通達付表1に定められた奥行価格補正率を乗じて求めた価額に、同通 達付表6に定められた間口狭小補正率及び同通達付表7に定められた奥 行長大補正率を乗じて求めた1m2当たりの価額に、その宅地の地積を 乗じて求めた価額によって評価します(評基通20 3)。

具 体 例

【前 提】 普通住宅地区に所在する次のような宅地 17m 12m 4.5m 204m2 280,000 円 【計 算】 (路線価) 280,000円 × (奥行価格補正率) 1.00 × (間口狭小補正率) 0.94 × (奥行長大補正率) 0.96 = (1m2当たりの価額) 252,672円 (注1) 奥行距離17mの奥行価格補正率 1.00 (注2) 間口距離4m以上6m未満の間口狭小補正率 0.94 (注3) 奥行距離17m/間口距離4.5m ≒ 3.77 奥行距離/間口距離の値が3以上4未満の奥行長大補正率 0.96 (1m2当たりの価額) 252,672円 × (地積) 204m2 (評価額) 51,545,088円

(3)

〔25〕 鉄道沿線の騒音や震動の著しい宅地

ケース

私鉄の線路沿いにある宅地で、電車が通過する際 には、大きな騒音や震動がある。近くには遮断機が あり、その警報音も気になる。 なお、この宅地は、路線価地域に所在する。

評価減の内容

騒音や震動が甚だしいため、付近の宅地に比して利用 価値が著しく低下している宅地については10%の減額が 認められます。 (国税庁ホームページ・タックスアンサーNo.4617)

POINT

1 利用価値が著しく低下している宅地の評価 相続税及び贈与税の課税価格の計算に当たり課税財産である宅地 は、路線価方式又は倍率方式により評価することとされています(評 基通11)。路線価方式においては、評価対象宅地の面する道路に付され た路線価を基に、その宅地の形状や接道状況等により一定の調整を行 うこととされています(評基通13)。また、倍率方式においては、一定の 区域ごとに定められた評価倍率を各宅地の固定資産税評価額に乗じて 評価することとなります(評基通21 2)。いずれの方式においても、 個々の宅地に個別的な事情が存する場合に、そのような事情を加味し た評価額が算出されるとは限りません。 そこで、課税実務上、評価対象宅地の利用価値が、その付近にある 第2章 周囲の環境による評価減 83

(4)

他の宅地の利用状況からみて、著しく低下していると認められるもの の価額は、その宅地について利用価値が低下していないものとして評 価した場合の価額から、利用価値が低下していると認められる部分の 面積に対応する価額に10%を乗じて計算した金額を控除した価額によ って評価することができることとされています。 2 鉄道沿いの騒音や震動のある宅地の評価 路線価地域における路線価や倍率地域における評価倍率の評定に当 たっては、地価に影響を及ぼす様々な価格形成要因が考慮されること となっています。したがって、一般的には、鉄道沿線の宅地について は、列車が通過することにより発生する騒音や震動、鉄道が存するこ とにより鉄道を挟んだ地域間の往来が不自由となっていることなどの 事情は、路線価や評価倍率に織込み済みであると考えられます。 しかしながら、例えば、同一の路線価が付された道路に接する複数 の宅地のうち、その一部の宅地についてのみその取引価額に影響を及 ぼすと認められるような著しい騒音や震動がある場合には、そのよう な個別的な要因は、路線価には織り込まれていないと認められますの で、別途、相当の斟酌を行うことが適当だと考えられます。このよう な場合の評価方法について、財産評価基本通達には特段の定めはあり ませんが、課税実務上、上記1で述べたように、その宅地について利用 価値が低下していないものとして評価した場合の価額から、利用価値 が低下していると認められる部分の面積に対応する価額に10%を乗じ て計算した金額を控除した価額によって評価することができることと されています。

判例・裁決例

〇鉄道沿線の土地について、①評価計算に採用された路線価が電車走行に

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よる振・動及び騒音の要因を斟酌して評定されていないこと、②鉄道沿線 から20m範囲内では電車走行による騒音が環境省の騒音対策における指 針である昼間の基準60デシベル、夜間の基準55デシベルの同程度を超え ていること、③同地区に存する分譲地における分譲価額に開差が10%を 超える取引事例が存在することからして、資産評価企画官情報による著 しく利用価値の低下している宅地として、鉄道から20mの範囲内の部分 について、その相続税評価額から10%を減額するのが相当である(平15・ 11・4裁決(東裁(諸)平15 95))。 〇第一種住居地域に所在し、評価上の地区区分が普通住宅地区にあるA土 地は、鉄道高架に隣接する土地であり、鉄道騒音と震動については、環境 省の定める指針に照らしても、A土地には、鉄道高架による騒音や震動 がなんらかの影響を与えていることは認められる。そこで、A土地の路 線価が環境要因を加味して付されたもので、更に鉄道騒音等を斟酌する 必要があるか否かについて、売買実例を基に検討すると、同じ鉄道高架 の北側ではあるが、鉄道高架から9m離れた地点に位置する売買実例地の 譲渡価額から時点修正、標準化補正及び場所的修正をして、相続開始日 におけるA土地の標準価額を求め、これに80%を乗じるとA土地の路線 価を上回る価額となる。そうすると、A土地の路線価は、鉄道騒音等の 環境要因を加味して付されており、評価額から更に斟酌をしなければな らないほどA土地の利用価値が落ちているとは認められないことから、 A土地について、評価額から10%を減額する必要はない。なお、騒音等 による10%の減額を斟酌する課税実務上の取扱いは、普通住宅地区内に ある宅地を対象としているが、これは、工業地域においては住宅地域に 比べ騒音等が価格に与える影響は少なく、騒音等を更に斟酌する必要は ないことによるものと認められるから、工業地域に所在し、地区区分は 中小工場地区にあるB土地については、当該取扱いの対象とはならない (平22・3・25裁決(関裁(諸)平21 94))。 《参考となる法令など》 国税庁ホームページ・タックスアンサーNo.4617「利用価値が著しく低下し ている宅地の評価」 第2章 周囲の環境による評価減 85

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〔38〕 セットバックを必要とする宅地

ケース

幅3mの道路に面している宅地がある。この宅地 上の建物を建て替える際には、道路沿いの部分を道 路敷として提供しなければならない。

評価減の内容

セットバックを要する部分については、70%の減額を します。 (評基通24 6)

POINT

1 セットバックを必要とする宅地 都市計画区域内に所在する宅地で、建築基準法42条2項の道路に面 する宅地は、その道路の中心線から両側に2mずつ後退した線が道路 との境界線とみなされ、将来、建物の建替えや増改築などを行う場合 には、その境界線まで後退(セットバック)し、その部分を道路とし て提供しなければならないことになっています。 2 セットバックを必要とする宅地の評価 上記1のように「セットバックを必要とする宅地」は、現在の宅地の 利用には何ら支障はないわけですが、将来、セットバック部分を道路 として提供しなければならないことから、その価額は、セットバック を必要としない宅地に比して、減価することになります。

(7)

そこで、セットバックを必要とする宅地は、セットバックの必要が ないものとした場合の価額から、その価額に次の算式により計算した 割合を乗じて計算した金額を控除した価額によって評価することとさ れています(評基通24 6)。 将来、建物の建替え時等に道路敷として 提供しなければならない部分の地積 宅地の総地積 × 0.7 このような評価方法については、セットバックを必要とする部分に ついて私道と比較すると、セットバックをしていない現状においては 宅地として利用されていることから、少なくとも私道の評価割合(自 用地価額の30%)を下回ることはないという考えのもとに、セットバ ックを必要とする部分について70%を控除し、評価割合を30%とする こととしたものであると説明されています。 3 セットバックを了した宅地の評価 建物の建替えや増改築等に伴いセットバックが行われた場合、その セットバック部分の所有権が依然として建物の敷地の所有者に残って いたとしても、その部分は、建築基準法上の道路であり、もはや建物 を建築するなど宅地として利用することはできないことから、私道と して評価することになります。したがって、このセットバック部分を 含めた道路が不特定多数の通行の用に供されている場合には評価せ ず、特定の者のみの通行の用に供されている場合には、私道ではない ものとして計算した価額の30%に相当する価額で評価することになり ます(評基通24)。 第3章 利用制限等による評価減 128

(8)

判例・裁決例

〇建築基準法42条2項に基づくセットバックを要する部分の土地について は、建築物が存在しないことは明らかであり、相続税の課税対象から除 外すべきであると納税者は主張するが、同条項に基づく指定により道路 とみなされた宅地上に既存の建物がある場合であっても、その建物につ いて直ちに除去等の義務が生じるわけではなく、将来において建築制限 を受けるにとどまるものであり、現に建築物の敷地として有効に利用さ れており、土地所有者は当該みなし道路部分の利用も含めた地代収受権 を有しているのであるから、当該部分が交換価値を有するものであるこ とは明らかであって、納税者は、申告において、セットバックを要する部 分について3割の減価を行って、評価額を算定していることが認められ、 この限度を超えて減価を行うべき事情は見当たらないとして納税者が求 める更正の請求は認められないとされた事例(東京高判平15・12・25税資 253・9504)。

参照

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