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をピークに漸減傾向を辿り 2010 年度には 金額 (2.6 兆円 ) 件数(107 件 ) ともに ピーク時の3 割前後の水準にまで落ち込んでいる 普通社債の発行が 2007 年度に大きく増加し その後も 10 兆円前後の水準で推移してきたのとは対照的な動きである ( 図表 1 参照 ) 一方 米

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平 成 2 3 年 7 月 日 本 証 券 業 協 会 証 券 化 商 品 に 関 す る ワーキング・グループ わが国の証券化市場の現状と課題 ―― 市場活性化の観点から ―― (証券化商品に関するワーキング・グループの当面の検討課題) 1.はじめに 証券化は、資金調達やリスクの移転の手段として有用な金融技術であり、 資金仲介チャネルの複線化の観点から重要な役割を果たし得るものである。 しかしながら、わが国では、投資家が多額の損失を被った米国のサブプライ ムローン証券化商品のような商品の組成がみられなかったにもかかわらず、 証券化市場は、先般の金融危機以降、低迷している。米国等において、既に 証券化市場が復活する兆しがみられる中で、わが国の証券化市場の出遅れ感 は否めず、活性化を図ることが望ましい状況にある。 本稿は、日本証券業協会・証券化商品に関するワーキング・グループ(以 下「証券化WG」という。)が、低迷するわが国の証券化市場の活性化の観点 から、わが国の証券化市場の現状を整理し、活性化のための課題を抽出した うえで、証券化WGとしての当面の対応について取り纏めたものである1 2.証券化市場の現状 (1)証券化市場の特徴 証券化市場の発行動向をみると、全体としては、低迷している。日本証券 業協会と一般社団法人全国銀行協会が実施している「証券化市場の動向調査」 2によると、証券化商品の発行は、2006 年度にかけて増加したものの、同年度 1 本稿は、日本証券業協会・証券化商品に関するワーキング・グループのメンバー(巻末参 照)によって作成されたものであるが、議論の過程において、外部有識者から貴重なご意 見を頂戴した(参考資料等は日本証券業協会ホームページに掲載)ほか、メンバー所属会 社の関係者にも議論に参加して頂いた。関係各位には厚く御礼申し上げたい。 2 本調査の対象範囲は、国内所在資産を主たる裏付資産として発行された債券、信託受益権 及びCP(短期社債等、短期外債を含む。)である。ただし、証券化商品プログラムの下で 発行されたものは除かれている。デリバティブ形式のものやローン形式のもの(資産担保 ローン<ABL>)は、別トランチで債券や信託受益権が発行された場合にのみ、対象と されている。本調査の対象範囲については、ご留意頂きたい(本調査の詳細は、日本証券 業協会ホームページ参照)。

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(単位:兆円) をピークに漸減傾向を辿り、2010 年度には、金額(2.6 兆円)、件数(107 件) ともに、ピーク時の3割前後の水準にまで落ち込んでいる。普通社債の発行 が 2007 年度に大きく増加し、その後も 10 兆円前後の水準で推移してきたの とは対照的な動きである(図表1参照)。 一方、米国等の証券化市場の動向をみると、わが国同様、先般の金融危機 以降、発行が大きく減少したが、このところ、復活する兆しがみられている3 こうした点では、わが国の証券化市場は、米国等の市場に比べて、出遅れ感 があることは否めず、活性化を図ることが望ましい状況にある。 (図表1)証券化商品の発行金額・件数 (参考)普通社債の発行金額 2004 年度 2005 年度 2006 年度 2007 年度 2008 年度 2009 年度 2010 年度 5.9 6.9 6.8 9.4 9.6 10.3 9.9 (出典)「証券化市場の動向調査~2010 年度の発行動向~」(日本証券業協会・一般社団 法人全国銀行協会) 3 米国では、例えば、CMBS の発行額をみると、2007 年にピーク(2,292 億ドル)を記録 した後、2009 年には7億ドルにまで落ち込んだが、2010 年には 62 億ドルに増加したほか、 2.6 2.9 5.3 8.2 9.8 6.8 3.7 107 296 312 314 261 204 146 0 2 4 6 8 10 12 04年度 05年度 06年度 07年度 08年度 09年度 10年度 0 40 80 120 160 200 240 280 320 (兆円) (件) 発行金額 <左目盛> 発行件数 <右目盛>

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証券化商品を裏付資産別にみると、住宅金融支援機構債券を中心とするRMB S(住宅ローン債権等担保証券)が発行市場全体の4分の3を占めるに至ってい る。住宅金融支援機構債券は、RMBS全体の9割超を占めているが、裏付けと なる住宅ローン(フラット35)の利用を背景に、2009 年度以降、発行が増加し てきており、証券化市場を下支えしている。また、ショッピング・クレジット債 権担保ABSも、比較的安定的に推移しており、発行市場の1割程度のシェアを 有している。 一方、CMBS(商業用不動産担保ローン債権等担保証券)やリース料債権担 保ABSの発行が大きく減少しているほか、消費者ローン債権担保ABSやCD Oも、引き続き低迷している(図表2、3参照)。 (図表2)裏付資産別の発行高構成比 (備考1)図表等における表記は、次の裏付資産を担保とする証券化商品を意味する。 「RMBS(Residential Mortgage Backed Securities)」:住宅ローン債権、アパート

ローン債権

「CMBS(Commercial Mortgage Backed Securities)」:商業用不動産担保ローン債権、 商業用不動産

「CDO(Collateralized Debt Obligations)」:企業向け貸付債権、社債、CDS等 「リース」:リース料債権 「消費者ローン」:消費者ローン債権、カードローン債権 「ショッピング・クレジット」:ショッピング・クレジット債権、オートローン債権 「売掛金・商業手形」:売掛債権、手形債権 「その他」:事業キャッシュフロー、診療報酬債権、基金債権等 (備考2)比較対象とした 2006 年度は、市場全体としての発行金額のピークを記録した年。 (備考3)「証券化市場の動向調査~2010 年度の発行動向~」(日本証券業協会・一般社団法 人全国銀行協会)をもとに作成。

(4)

(図表3)裏付資産別の発行高推移 (図表2)証券化商品の「裏付資産」別発行金額 (出典)「証券化市場の動向調査~2010 年度の発行動向~」(日本証券業協会・一般社団 法人全国銀行協会) 証券化商品を発行形式別にみると、住宅金融支援機構債券を除くと、公募 の債券の例は非常に少なく、私募の信託受益権による発行が主体である。 また、証券化商品への投資家としては、金融機関等の機関投資家が主体で あり、投資スタイルとしては、持ち切り(バイ・アンド・ホールド)型が多 いとみられている。こうしたことを背景に、流通市場全般は、一部を除き、 十分に発達しておらず、厚みに欠けている。 この間、証券化商品の信用力については、格付の変動の観点からみると、 CMBS以外の格下げ事例は限定的であり、全体としてみると、普通社債と の比較においても、安定しているように窺われる。 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 04年度 05年度 06年度 07年度 08年度 09年度 10年度 (兆円) その他 売掛金・商業手形 ショッピング・クレジット 消費者ローン リース CDO CMBS RMBS

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(2)市場低迷の背景 わが国の証券化市場が低迷している背景としては、次のものが考えられる。 ① 実体経済の低迷等を背景とする裏付資産の伸び悩み 第一に、実体経済の低迷等を背景とする裏付資産の伸び悩みがある。例 えば、オートローン債権やリース料債権を担保としたABSや民間RMB Sなどは、投資家の需要は旺盛とみられるが、裏付資産の積み上がりが緩 やかであることが一因となって、証券化商品の供給が需要に追い付いてい ないように窺われる。 ② 資金調達のアベイラビリティの増加 第二に、資金調達のアベイラビリティの増加が考えられる。銀行融資や 普通社債といった他の手段による資金調達が十分可能な状況のもとで、資 金調達者が、あえて証券化という仕組みを利用するインセンティブを持ち にくくなっているとみられる。 ③ 高リスク商品としてのイメージの広まり 第三に、証券化商品はリスクの高い商品であるとのイメージが広まって しまったことが挙げられる。 米国で組成されたサブプライムローン証券化商品が先般の金融危機の 一因とされたことが、そうした商品の組成がみられなかったわが国におい ても、証券化商品のイメージを悪化させ、投資家の投資意欲を削いでいる 面があることは、否定できない。 また、わが国においては、特に、CMBS市場において、資本市場を通 じた不動産投資市場と金融市場の資金媒介という機能を十分に発揮する ために有用である長期資金の導入が、十分に進んでいないという課題を抱 えてきている。そうした中で、過去に販売されたCMBSについて、アレ ンジャーの撤退等により裏付資産情報の取得が困難化したこと、裏付資産 であるノンリコースローンがデフォルトした場合の取り扱いの確定に時 間を要したケースがあったこと、格付の引き下げがみられたこと等が、証 券化商品について、リスクが高いという印象をもたらし、投資家の参入を 妨げてきている面もあるのではないかとみられる。 さらに、流通市場が十分に発達していないため、保有証券の売却可能性 が十分に担保されておらず、そのことがリスクとして認識されている可能 性もある。

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④ 投資コストの増大 第四に、投資のコストが大きくなってきていることが挙げられる。 投資コストとしては、信用リスク管理等のための情報の取得や分析にか かるコストが挙げられる。先般の金融危機の教訓である過度な格付依存の 回避の観点からも、必要な情報の取得や分析の重要性は増している。 こうした情報の取得や分析をサポートするために、日本証券業協会では、 標準情報レポーティング・パッケージ(SIRP)4を定め、証券化商品の 販売に当たっての情報提供の場面で活用できるようにしている。しかしな がら、SIRPのさらなる有効活用の点では、改善の余地があるものとみ られる。 また、多くの証券化商品が私募形式で発行されていることもあって、発 行時点での投資家に個別に開示された情報は、必ずしもすべて公表される わけではない5。流通市場の発展に必要な発行済みの証券化商品の情報の入 手が、投資家にとって必ずしも容易ではない状況にある。 さらに、投資家は、証券化商品購入後のモニタリング(時価評価等)の ための情報の取得や分析を行う必要がある。流通市場が十分に発達してい ないこともあって、時価の取得が容易ではなく、保有する証券化商品の評 価を行うために、労力を要しているものとみられる。 このほか、金融機関が証券化商品の主要な投資家である現状では、自己 資本規制も市場全体に影響を与えているものとみられる6 4 日本証券業協会では、自主規制規則(「証券化商品の販売等に関する規則」)によって、協 会員が証券化商品を販売するに当たって、投資家である顧客に対し、当該証券化商品の原資 産等の内容やリスクに関する情報を適切に伝達するための態勢整備を行うことを定めてい る。これは、証券化商品のトレーサビリティの確保を企図したものである。さらに、標準情 報レポーティング・パッケージ(Standardized Information Reporting Package, 略して SIRP)として、RMBS、狭義ABS、CLOとCMBSの4つの類型毎に、一般的にみ て有益と考えられる情報の項目を一覧にしている(詳細は、日本証券業協会ホームページ参 照)。 5 なお、格付会社規制においては、信用格付業者は、発行者、アレンジャー等の名称や、損 失・キャッシュフロー・感応度分析に関する情報の公表のほか、 第三者が資産証券化商品 の格付の妥当性を評価するために重要と認められる情報の項目を整理して公表することや、

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3.証券化市場の課題 ―― 証券化WGの当面の取り組み 証券化市場の低迷の背景として掲げたもののうち、「①実体経済の低迷等を 背景とする裏付資産の伸び悩み」及び「②資金調達のアベイラビリティの増 加」については、とりあえず与件として考えざるを得ないとしても、「③高リ スク商品としてのイメージの広まり」及び「④投資コストの増大」について は、改善の余地のある課題として認識することが適当である。 すなわち、投資家に証券化商品のリスクを適切に評価してもらうための環 境の改善と、投資コストの引き下げは、今後、投資家層やオリジネーター層 の拡大を期待するうえで、必要な取り組みである。 こうした認識のもと、証券化WGとしては、当面の具体的な取り組みとし て、次の事項の検討を行うこととする。 ① 標準情報レポーティング・パッケージ(SIRP)の利用に関するガ イドブックの作成 日本証券業協会において定めた標準情報レポーティング・パッケージ (SIRP)は、証券化商品のリスクやキャッシュフロー等の分析を行 うために有用な情報項目の一覧である。もっとも、現時点では、SIR Pの具体的な利用方法について、特に記した参考資料が用意されていな い。特に、新規の投資家や証券化商品への投資を中断している投資家を 念頭に、SIRPの活用方法をよりよく理解してもらうために、SIR Pの活用に関するガイドブックの作成を検討する。 ② 標準情報レポーティング・パッケージ(SIRP)の利便性向上(フ ォーマット化等) 標準情報レポーティング・パッケージ(SIRP)については、現状、 項目の一覧にとどまっている。情報の提供方法について、例えば、一部 でもフォーマット化が図られれば、投資家が証券化商品の評価を行う際 に、利便性が高まる可能性があるものと考えられる。SIRPの利用は 任意であることを前提としつつ、また、フォーマット化等に対する投資 家のニーズが一様ではない可能性があることにも十分留意しながら、ベ スト・プラクティスとしてのSIRPのフォーマット化も視野に入れた SIRPの利便性の向上策について検討する。

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③ 証券化市場の動向に関する情報発信の充実 証券化市場の動向に関する情報については、私募の案件が多いことも あり、一部を除いては、発行市場のものが大半である。発行後の市場動 向等に関する情報発信の充実は、投資家やオリジネーターの新規参入や 再参入を促すうえで、有用と考えられる。証券化商品の残高情報の収 集・公表の可能性の検討を含め、証券化市場全体に関する情報の収集及 びその発信方法について、改善策を検討する。 以上の当面の具体的な取り組みのほか、次のような課題についても、市場 等の動向をフォローし、どのような具体的な取り組みが必要かについて、議 論を継続していくこととする。 ① 流通市場の活性化 流通市場の活性化について、例えば、私募主体の市場のもとでの流通 市場における情報伝達・開示のあり方、特に、情報の保有者であるオリ ジネーターの情報開示に関するインセンティブ付け、流動性が極端に低 い市場における価格情報に関する匿名性や信頼性の確保、投資のメルク マールとなるようなインデックス作成の可能性等、さまざまな論点があ り得るところである。流通市場の活性化は、発行市場における長期資金 の導入の観点からも重要な課題であり、有効かつ実現可能な取り組みと して、どのような対応があり得るかについて、議論を継続していくこと としたい。 ② 証券化商品の商品性等の改善 証券化商品の商品性等については、例えば、販売した証券会社が撤退 した場合でも、投資家が、購入した証券化商品に関する情報を継続的に 入手できる態勢、裏付資産がデフォルトした場合における対応、商品の 仕組み自体の標準化や、投資家にとって分かりやすくパターン化された 商品の開発サポート等、さまざまな論点があり得るところである。有効 かつ実現可能な取り組みとして、どのような対応があり得るかについて、 議論を継続していくこととしたい。 ③ 東日本大震災の復興ファイナンスにおける証券化手法の活用 東日本大震災の復興ファイナンスにおいては、民間からの資金の円滑 な投入も必要と考えられるところであり、その手段としての証券化手法

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4.おわりに

冒頭述べたとおり、証券化は、有用な金融技術である。証券化WGとしては、 本稿で掲げた課題に早急に取り組み、証券化が、その有用性を発揮するための 環境作りに積極的に貢献していきたい。

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(参 考) 日本証券業協会・証券化商品に関するワーキング・グループ 主 査 奥 崎 智 之 ( 三 菱 U F J モ ル ガ ン ・ ス タ ン レ ー 証 券 投 資 銀 行 本 部 キャピタル・マーケッツ・グループ マネージング・ディレクター ) 副 主 査 赤 井 厚 雄 ( モ ル ガ ン ・ ス タ ン レ ー M U F G 証 券 債 券 統 括 本 部 クレジット・プロダクト本部 副 本 部 長 ) 〃 原 田 章 男 ( み ず ほ 証 券 I B プ ロ ダ ク ツ グ ル ー プ ) 委 員 青 木 優 知 ( 三 井 住 友 銀 行 投 資 銀 行 統 括 部 ) 〃 浅 見 祐 之 ( S M B C 日 興 証 券 資 本 市 場 本 部 ストラクチャード・ファイナンス部長 マネージング ディレクター ) 〃 伊 藤 知 行 ( ド イ ツ 証 券 債証券化商品オリジネーション部長券 本 部 ) 〃 小 沢 元 ( み ず ほ 信 託 銀 行 信 託 プ ロ ダ ク ツ 企 画 部 ) 〃 下 川 展 正 ( メ リ ル リ ン チ 日 本 証 券 コ ン プ ラ イ ア ン ス ) 〃 長 尾 弘 一 ( 大 和 証 券 キ ャ ピ タ ル ・ マ ー ケ ッ ツ ストラクチャード・ファイナンス部 ) 〃 松 本 喜 一 朗 ( 野 村 證 券 アセット・ファイナンス部 ) 〃 渡 辺 学 ( バ ー ク レ イ ズ ・ キ ャ ピ タ ル 証 券 投 資 銀 行 本 部 債 券 資 本 市 場 部 デ ィ レ ク タ ー ) オブザーバー 青 木 剛 ( オ リ ッ ク ス 債 権 回 収 常CMBSサービシング本部長務 執 行 役 員 ) 〃 古 賀 仁 ( 日 本 銀 行 金 融 市 場 局 ) (平成 23 年 6 月 30 日時点)

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