自主的取組の検討状況の確認:沖縄電力からの回答
自主的取組の
検討状況
(進捗の確認)
沖縄電力における自主的取組の検討状況
「需給調整用の卸電力メニュー」の創設(平成29年5月15日に表明)に向けた検討の進捗状況
‒ 主に負荷追従にご使用いただくことを想定した、低DC型の卸電力メニューを検討しております。
‒ メニューの具体的な考え方等については検討中であり、次回の制度設計専門会合にて提示させて頂
きたいと考えております。
電発電源の切出しに係る検討状況
‒ 平成28年4月から1万kWの電源切出しを実施済みであり、更なる切出しに関する検討は行ってお
りません。
その他の自主的取組に係る検討状況
‒ 平成28年10月から沖縄には卸電力取引所がないことを踏まえ、自然変動電源を活用する新電力
に対し、「適正な電力取引についての指針」に定めのある新電力の獲得需要の3割程度(特高・高
圧)を超える柔軟対応を実施しております。
‒ また、新電力電源の定期検査時にバックアップ供給を行うメニューも用意しております。
第20回制度設計専門会合における議論を踏まえ、定期的に沖縄電力における自主的取組の検討状況の進
捗について確認していくこととしたい。検討に進捗がない場合は、どのようなことが課題となっており進捗しないのか
についてもご回答いただきたい。
(株)エネットからの回答(1/5)
取引所取引の
活用状況
JEPXにおける各市場の活用状況及び足元の課題(市場の厚み、取引価格の水準、入札量や価格水
準以外の点で、各市場の活用における足元の課題等)
スポット市場
【期待】 高い流動性(総電力需要の30%程度以上) と信頼ある価格指標性が確保された上で、
①直近(前日)の需給ギャップの解消や発電所トラブル等への対応
②主要な供給力として活用
【活用状況】 ①のみ(流動性や価格指標性に課題があるとの認識のため)
(②は価格変動が大きく、ヘッジ手段(先物市場)も不在の為、供給力として活用しづらい)
【課題等】
• 7月、8月の昼間時間帯の売り入札量が少ないことに起因して、取引所の需給が逼迫し、例えば7月
19日には東日本エリアにおいて約定価格の高騰が発生(45.81円/kWh)
•
前日に公表された供給予備率は、必要供給予備力8%を大きく上回っており、供給予備率と市場
供出量の適切性の評価が必要
(参考;前日(7/18)に公表された翌日(7/19)の供給予備率)
•
本会合で指摘されているように、送配電部門と小売部門が二重で予備力を確保しているケースがあ
るのであれば、その必要性等の評価も必要
•
停止情報が公表されている発電所以外の全ての電源が、前日・当日の供給力として運用されてい
るかの検証も必要
• 価格が高騰した時間帯において、余剰インバランスが発生しているケースも多いが、旧一般電気事業
者の需要予測の1%のずれは、現状のスポット市場の取引量(総需要の3%程度)に対しては
30%程度の影響を与えることになるため、需要想定の適切性の検証や再エネの発電量予測等の
精度向上に向けた取り組みも重要
北海道電力 東北電力 東京電力
26.9% 22.1% 13.1%
(株)エネットからの回答(2/5)
JEPXにおける各市場の活用状況及び足元の課題(市場の厚み、取引価格の水準、入札量や価格水
準以外の点で、各市場の活用における足元の課題等)
スポット市場(続き)
【課題】(続き)
•
スタートしたグロスビディングの動き・課題を評価し、多くの旧一般電気事業者が表明している目標
(今年度末までに販売電力量の10%、2018~2019年度末までに20~30%を市場を介して取
引するという目標)の早期実現に向けた課題の棚卸と対策、新規参入者による約定量の増加状
況等を検証することが重要
•
信頼性の高い価格指標形成に向け、グロスビディングについても、売り・買いともに限界費用ベース
(発電コスト/仕入れコスト)での入札を基本として運用を行い、例外ケースについては分析・評
価・対策が必要
【その他の課題】
• スポット価格よりもインバランス価格が安い状況を見越して、一部の事業者が常態的にインバランス補
給を供給力の一部として手当し、スポット市場を十分活用していないケースも存在する
• この行為は、スポット市場活用を妨げるばかりか、結果として系統の需給調整コスト増となり、ひいては
託送料金アップにもつながりうる問題ある行為であるため、事業者の同時同量責務を遵守する観点
から行政指導等により是正すべき
取引所取引の
活用状況
(株)エネットからの回答(3/5)
JEPXにおける各市場の活用状況及び足元の課題(市場の厚み、取引価格の水準、入札量や価格水
準以外の点で、各市場の活用における足元の課題等)
一時間前市場
【期待】 旧一般電気事業者がスポット市場へ投入して約定しなかった電源や、当日断面での需要予測
精度向上による追加的な供給余力を供出することにより、十分な流動性が確保された上で、
①直近(前日~当日)の需給ギャップの解消や発電所トラブル等への対応
【活用状況】 ①(基本的に所期の目的で活用しているが、一層の流動化・価格適正化を期待)
【課題等】
• 電力システム改革専門委員会報告書(2013年2月)では、当日断面で、「3~5%又は最大電源
ユニット相当の予備力」を超える電源を時間前市場に投入することが求められており、この趣旨と照ら
し合わせて十分な量の売入札が行われていることの検証が必要
•
一時間前市場においても、売り手・買い手双方のニーズに合う時間帯でのブロック入札を認める(利
便性の向上)ことで、売り入札量が増えるのであれば、導入に向けた検討も必要
先渡市場
【期待】 ①先物市場が不在の環境下でのスポット市場の価格変動リスクヘッジとしての電源調達
②ベース電源代替としての電源調達(常時バックアップ/相対卸契約も同様)
【活用状況】①②ともに活用困難(定常的に購入できる流動性がなく、市場分断リスクがあるため)
【課題等】
• 現状では、適切な価格で十分な売り入札が行われていないことに加え、市場分断時のリスクがあるた
め、流動性向上策に加え、リスクヘッジ手段(先物市場)の整備が必要
•
ベースロード電源市場が整備されるまでの間、ベースロード電源市場の設計思想も踏まえた活用施
策として検討を要望。(ただし、後述の旧一般電気事業者による卸メニューが整備される場合は必
要性が限定化)
取引所取引の
活用状況
(株)エネットからの回答(4/5)
常時バックアップ
契約の活用状況
常時バックアップ契約の活用状況等(具体的な活用方法、活用における足元の課題等、活用していな
い場合はその理由)
【期待】 ベース電源代替として、需要家の利用状況(低負荷
/高負荷)に関わらず供給可能な水準(価格・量)で
調達可能な卸メニューとして整備
(先渡市場②/相対卸契約も同様)
【活用状況】制度改正により、調達可能量は改善したものの、旧一般
電気事業者の全電源平均価格基準のため、ベース電源
代替としては価格水準が高く、適用可能な需要家は
限定的(右図)
【課題等】
•
高負荷需要家にも供給可能な料金水準・調達可能量の
料金メニューの整備が必要
• また、現状では旧一般電気事業者の小売部門が販売窓口
が小売部門となっているが、常時バックアップの契約電力や調
達量実績を把握可能であるため、買い手である新電力の電源調達状況が一定程度推測可能であり、
競争上の問題が懸念されることから、販売窓口は発電部門に置くことのルール化が必要
特別高圧
高圧
低圧動力
低負荷
需要
低圧電灯
高負荷
需要
<常時
BUを適用可能な領域>
※適用可能な領域:
※※販売電力量ベースでの
イメージ図
(株)エネットからの回答(5/5)
旧一般電気事業
者との常時バック
アップ以外の相対
契約の状況
旧一般電気事業者との常時バックアップ以外の相対契約のニーズの有無(域内・域外を問わず、ある
場合は具体的なニーズの詳細とこれまでの交渉実績、ない場合はその理由等)
【相対契約のニーズ/期待】
•
自助努力では調達困難なベース電源代替としてニーズは高い(先渡市場②/常時バックアップと同様)
• また、現状の常時バックアップにある、燃調や前日通告変更等のオプションを外すことや、調達時間・期間
の限定化など、一定の制約を付けることで電源調達の選択肢として広がるのであれば、ベース電源代替
以外の卸メニューとしてのニーズもある
【交渉実績】
• 複数の旧一般電気事業者との供給エリア内向け/エリア外向けの相対卸の交渉に着手
•
域外供給に限定する事業者や検討体制が未整備との事業者もあり、交渉に時間を要する見通し
常時バックアップ以外の相対契約を進めるうえでの足元の課題や阻害要因等(域内・域外を問わず)
【課題・阻害要因等】
• ある旧一般電気事業者から「自社の小売部門と新電力を同等に扱うが、ボリュームディスカウントを設ける
方針」との趣旨の説明もあり、ボリュームの定義によっては旧一般電気事業者に有利な条件となることが
懸念
• 発電部門(会社)の競争力ある電源が小売部門(会社)へ長期で割り当てられている条件下では、
競争力ある卸電力の調達交渉を行うことは困難、または交渉に相当な時間を有すると想定
•
買い手の交渉力が弱いため、卸メニュー整備の考え方(価格や量の考え方も含む)についてガイドラ
イン化するなどの一定の支援策が必要
【その他の課題】
• 貫徹小委の中間とりまとめ(2017年2月)において、「一部の事業者が自社で多くの非化石電源を保
有していることで、事業者間のアクセス環境に差が生じ、小売競争に与える影響等に留意する必要があ
る。」と示されているが、自社の水力発電による電気と環境価値をセット販売している旧一般電気事業者
も存在。このような動きに対して、他社に対しても内外無差別な条件で相対取引を行うことや環境価値
イーレックスからの回答(1/2)
取引所取引の
活用状況
JEPXにおける各市場の活用状況及び足元の課題(市場の厚み、取引価格の水準、入札量や価格
水準以外の点で、各市場の活用における足元の課題等)
スポット市場
受渡し日前日断面での需給調整(調達・販売)が可能な市場の厚みがあると認識しています。
ただし、重負荷期は売り入札量が不足し、成行の高い買い入札価格で約定するため、これを解消する
ことが課題と考えます。
一時間前市場
1時間前市場は「シワ取り」の目的で、受渡し直前での需給バランスの微調整に活用しております。今
後はより多くの情報開示、例えばエリア毎の約定結果の開示を要望致します。
先渡市場
夏期は多くの参加者が週間商品に札を入れ、一定の市場の厚みがあると認識しており、当社におき
ましても活用しております。しかし夏期以外は市場の厚みが無く、先渡し市場の活性化の施策を期待し
ます。
常時バックアップ契約の
活用状況
常時バックアップ契約の活用状況等(具体的な活用方法、活用における足元の課題等、活用し
ていない場合はその理由)
弊社では原則としてベース需要の範囲内において活用しています。
イーレックスからの回答(2/2)
旧一般電気事業者との
常時バックアップ以外の
相対契約の状況
旧一般電気事業者との常時バックアップ以外の相対契約のニーズの有無(域内・域外を問わず、
ある場合は具体的なニーズの詳細とこれまでの交渉実績、ない場合はその理由等)
需給ギャップを解消するためのニーズはあり、これまでに交渉実績もあります。
交渉内容および成約の可否については守秘義務のもと協議しているのでコメントは差し控えさせていた
だきます。
沖縄エリアにおいては、先般沖縄電力殿が表明された需給調整用の卸電力メニューの早期実現を
希望します。また、市場がない沖縄での同時同量達成のためには、短期の供給力確保のみならず余
剰インバランス解消手段も不可欠であり、需給調整用メニューには売り買い双方向の取引が必要です。
また、同取引により電発切り出し電源も活用されやすくなり、結果として競争の活性化に繋がるものと
考えられます。
常時バックアップ以外の相対契約を進めるうえでの足元の課題や阻害要因等(域内・域外を問わ
ず)
一般的に新設電源からの引取りを前提とした相対契約の場合、契約期間が長期に渡り、引取り
量も多い為、
・将来の電力価格を見通す指標がない
・リスクをヘッジする商品がない
・電力制度が今後も変化していく環境下にある
等の理由により、現段階において具体的に契約内容を取り決めることは極めて困難となります。