放射線の健康への影響
平成24年6月21日
西郷 正雄
(15回生)
1 非公開資料三 木 会
於) 銀座 三笠会館
既に浴びている自然放射線と人口放射線
○ 地 球 誕 生 か ら の 生 命 体 と 放 射 線
○ 生命体は自然放射線 を浴びている
○ 地域による自然放射線量の違い
○ 日本の各地域における自然放射線量
○ 核実験による人工放射線量 (地表面放射能濃度)
○ 核実験による地表面放射能濃度 および
白米中のセシウムとストロンチウムの含有量
○ 日 常 生 活 と 放 射 線
3
地 球 誕 生 か ら の 生 命 体 と
放 射 線
46億年 地球誕生宇宙線
(放射線)
地球磁場 大気 オゾン層宇宙線より
生命を守る地球の
多重バリアー
生 命 誕 生 38億年 ラジウム温泉生命体は、自然放射線を浴びている
外部線量 : 外部被ばくによる被ばく線量 内部線量 : 内部被ばくによる被ばく線量 「シーベルト (Sv) 」 : 放射線を「人間」が浴びた時に 「どのような影響があるのかを 評価する」ための単位 一人当たりの 年間被ばく線量 世界平均 約2.4 mSv 日本平均 約1.5 mSv (1.46mSv)
生命体は、
自然放射線
を浴びている
日本 外部線量 0.67mSv/年 =0.076μSv/h 日本 内部線量 0.79mSv/年 =0.090μSv/h5
(単位 : mSv/年)
地域
自然放射線量
福 島
1.04
神奈川
0.81
千 葉
0.85
岐 阜
1.19
広 島
1.07
福 岡
1.10
長 崎
1.00
広 東 (中国)
~3.00
ケララ (インド)
~ 17.00
ラムサール (イラン)
~ 71.00
[ラドン等の吸入 (~0.4mSv/年・日本~) によるものを除く]地域による
自然放射線量
の違い
日本全体 平均 0.99 ラドン等の吸入による ものを含めると 1.46
7
(気象研究所:環境における人工放射能の研究2005より)
(mBq/m
2)
1960年代は、現在の1,000倍から10,000倍観測される
核実験による人工放射線量 (地表面放射能濃度)
核実験による地表面放射能濃度 および
白米中のセシウムとストロンチウムの含有量
9
日 常 生 活 と
放 射 線
(0.05)
(0.2~) (6.9~)
放射線について
○ 放射線とは
○ 放 射 線 の 種 類
○ 放 射 線 の 種 類 と 透 過 力
○ 放 射 線 の 特 徴
○ 放射線・放射能・放射性物質とは
○ 放射線量の単位
○ 放射線をうける経路
○ 身体の外からの線量 (外部被ばく)
○ ベクレルからシーベルトへ
○ 線量換算係数 (内部被ばく)
○ 放射性物質の性質
(ヨウ素、セシウム、ストロンチウム)
○ 放 射 性 物 質 の 半 減 期 と 体 内 蓄 積 器 官
放射線とは
11
放 射 線
の 種 類
放
射
線
電 磁 波
電荷をもった粒子線
電荷をもたない粒子線
X線
γ線
中性子線
原子力発電所から発生する放射線
α線
β線
電子線
陽子線
その他
原子核の外で発生する
原子核から出る
原子核から飛び出る
ヘリウム原子核
原子核から飛び出る電子
加速器などで作られる
加速器で作られる
原子炉、加速器、アイソ
トープで作られる
13
放 射 線
の 種 類
アルファ線
は,原子核から放出される陽子2個・中性子2個からなるかたまり。
ベータ線
は,原子核中の中性子が陽子に変化する際に発生する電子。
ガンマ線
は,高エネルギー状態の原子核から放出される電磁波。
中性子線
は,核分裂の際などに放出される。
X線
は,原子核の外側のエネルギーの高い軌道にいた電子が,エネルギーの
低い軌道に落ちる際に発生する電磁波。
放 射 線
の 種 類 と 透 過 力
壁の後ろが安全
(コンクリート建屋の中など)
15 出典 あとみん原子力防災
放 射 線
の 特 徴
放射線は五感で感知できない
・
国
・
事
業
者
に
は
、
予
防
・
応
急
対
策
に
つ
い
て
重
要
な
責
務
・
放
射
線
防
護
の
基
本
知
識
が
必
要
放射線量の単位
17
身体の外からの線量 (外部被ばく)
19
出典) 放射線医学総合研究所 放射線防護研究センター 米原英典
年間の線量= 0.6×屋外の線量率×24時間×365日
ベクレル
から
シーベルト
へ
10 50 100 100 100 10 新規制値21
核種
乳児
幼児
成人
実効線量 換算係数
I 131
2007年以前
0.000140
0.000075
0.000016
2007年以降
0.000112
0.000060
0.000013
Cs 134
0.000026
0.0000130
0.000019
Cs 137
0.000021
0.0000097
0.000013
甲状腺 等価線量 換算係数
I 131
0.002800
0.001500
0.000320
(mSv/Bq)
線量換算係数 (内部被ばく)
経口摂取による実効線量 及び
甲状腺 等価線量
緊急時における食品の放射能測定マニュアル 平成14年3月 厚生労働省医薬局 食品保健部監視安全課 線量換算係数---P36 (出典)23
放 射 性 物 質
の 半 減 期 と 体 内 蓄 積 器 官
全身 全身 甲状腺 骨 体内蓄積器官 全身 全身 肺 肝臓,脾臓, 下部消化器 腎臓,骨,肺 肝臓,骨,肺放射線と人体
○ 放射線の人体DNAに与える様子
25
放射線
の人体DNAに与える様子
(1/2)
確 率 的 影 響 DNAを修復できる状態は、確率的 にはゼロにならないために、しき い値を設けることができない。 計算上のリスクを多人数に適用 して、死亡数を算定することは適 切ではない。低放射線被ばくの場合 :
DNA を 修復することが多い
出典) 放射線医学総合研究所 放射線防護研究センター 米原英典放射線
大部分は放射線がH2Oを照
射したときの発生期の活性酸
素による影響
○ 放射線
の人体DNAに与える様子
(2/2)
高放射線被ばくの場合 : DNA を 修復することができないことがあり機能喪失
[ 確率的影響 ] しきい値がない ・遺伝的影響の可能性 ・発がんの可能性 [ 確定的影響 ] しきい値以上 ・障害の発生 し き い 値高放射線被ばくの場合
正常細胞のDNAの分子結合が切れ、分子配列に狂いが生じるなどして機能喪失
低放射線被ばくの場合
障害は発生しないが、 確率的影響は無視できない 体内には、その傷を治す修復遺伝子 があるので、少々の被ばくでは、癌に ならないとも言われている。 [ 確定的影響 ] [ 確率的影響 ]放射線の人体への影響
27
[ 確定的影響 ] --- 急性障害
放射線の人体への影響
[ 確率的影響 ] --- 晩発障害
29
低線量被ばく
○ 低線量被ばくでのICRPの考え
○ 低線量被ばくに対する混沌とした諸説
○ 放射線の生物影響
: 線量・線量率マップ
○ 低線量放射線の効果
低線量被ばくでのICRPの考え
■ 年間100mSv以下の被ばく
・
健康への影響は認められていない
・高線量での影響に直線的につながると仮定する
(Linear Non-Threshold model:しきい値なし
LNT仮説
)
・放射線防護のために「合理的に達成できる限り低くすること」
(As Low As Reasonably Achievable:
ALARA
)
を目指す
低線量被ばくに対する混沌とした諸説
(1/3) 31低線量被ばくについて
--- 学者間で意見が分かれる
・20mSvあびると「
ガンの発症が0.1%増大する
」と
まるで
千人に一人が実際に起こるかのように
言う有識者がいる
・子供たちに対して、20mSvの制限から
「1mSvの制限を目指す」と政府が発表
⇒ 制限を超える地域の親は不安に駆りたてられる
一方
・生体影響には特異的なものがあり、高線量域での反応から
は単純に推測できない次のことが指摘されるようになって
いる
○ 修復機能 ○ アポトーシス ○ 放射線適応応答
○ ホルミシス効果 ○ バイスタンダー効果
出典) 「低レベル放射線影響についての諸説混沌の実態」 STS研究会 2011/09/03○
修復機能
[科学的に認められている]
損傷に対し、破壊された分子(DNA)を修復する、あるいは破
壊された細胞を取り除く機能
○ アポトーシス(apoptosis)
[科学的に認められている]
損傷した細胞は、自爆することによって損傷を除去する機能
○ 放射線適応応答(radiation adaptive response)
大用量の薬剤処理する前に少量の処理をしておくと、その後の大
用量の処理に対して抵抗性を示す現象
⇒ 小線量γ線を照射して自己免疫疾患治療に役立てること
○ ホルミシス効果 (hormesis)
[電中研等より、動物実験を発表]
小さな刺激が生体に良い影響を与えるという効果
○ バイスタンダー効果
lつの細胞に放射線が当たると、放射線を受けていない周りの細
胞に作用して細胞死などを引き起こす
低線量被ばくに対する混沌とした諸説
(2/3)100mS
v
低線量被ばく
生体影響への特異的領域
33プラスの影響
マイナスの影響
低線量被ばくに対する混沌とした諸説
(3/3) 出典) 「低レベル放射線影響についての諸説混沌の実態」 STS研究会 2011/09/03★
セシュウム・ヨウ素等では Gy ≒ Sv
国民に解り易い
解説を
~放射線ホルミシス効果~
ラドン温泉周辺住民の“がん”リスク
低線量の放射線は 生命にとって有益 Missouri-Columbia大 T.D.Luckey教授 出典: Health Phyisics 1987 35 1.1x365≒400mSv/年 ↓ 三朝温泉: 鳥取県人形峠U鉱山の麓低線量放射線の効果
1治療当たりの被曝量 :
100 mSv /2時間×10回
三朝温泉サウナ:0.033 mSv /2時間/日×1週間
オーストリア
Bad Gastein
トンネル内のラドン放射能濃度 :110 Bq/
ℓ
日本の家屋内の濃度: 0.002 Bq/ℓ
金鉱山の廃坑
37
低線量・低線量率での発がん
○ 発がんの原因
○ 発がんの原因と相対リスク
発がんの原因
発がんの原因と相対リスク
39 発がんの原因 相対リスク * 発がん 相対リスク がん死 100 mSv/年 (1.02)倍 **** 1.005倍 ** 受動喫煙の女性 1.02~1.03倍 野菜不足 1.06倍 放射線を 短時間に 100 ~ 200 mSv を浴びる 1.08倍 1.02倍 *** 塩分の取りすぎ 1.11~ 1.15倍 放射線を 短時間に 200 ~ 500 mSv 浴びる 1.16倍 1.12倍 *** 運動不足 1.15~1.19倍 肥満 1.22倍 放 射 線 を 短 時 間 に 1,000 ~ 2,000 mSv を浴びる 1.4倍 毎日2合以上の飲酒 放射線を 短時間に 2,000 mSv以 上を浴びる 1.6倍 喫煙 毎日3合以上の飲酒 (註) * 発がん相対リスクは、例えば 喫煙者と非喫 煙者の発がんの頻度を比較した値 出典:津金昌一郎がん研究センター予防研究 部長、日本経済新聞 平成23年4月25日 ** 放医研 放射線被ばくに関する基礎知識 第2報 平成23年3月17日 (ICRP Pub60) *** 放射線影響研究所HP **** 1+0.8/4 がん死相対リスクの放射線 100~200mSvの場合との比例計算低線量・低線量率での発がんリスクの想定
(1/2)
41
100mSv以下
では、発がんのリスクは、
他の要因が大きく
影響
して、放射線の影響は隠れてしまうほど小さくなり、放
射線の影響であると証明することが難しい
子ども・妊婦の被ばくによる発がんリスクについても、成人
の場合と同様、
100 mSv以下の低線量被ばく
では、他の要
因による発がんの影響によって隠れてしまうほど小さく、
発がんリスクの明らかな増加を証明することは難しい
。
一方、
100 mSvを超える高線量被ばく
では、思春期までの
子どもは、成人よりも放射線による発がんのリスクが高い。
低線量・低線量率での発がんリスクの想定
(2/2)
出典) 「低線量被ばくのリスク管理に関するワーキングクループ 報告書」(平成23年12月22日)より抜粋 <細野豪志原発事故の収束及 び再発防止担当大臣の要請>放射線被ばくを減らす方法
○ 体 内、食 物 中 の 自 然 放 射 性 物 質 (放射能)
○ 野菜の放射性物質の減らす方法
○ 妊婦さんと授乳婦さんの生活
○ 赤ちゃんの食事について
○ 幼児・子供の線量低減法
43
60kg
の人の
体内には
約
7,000ベク
レル (Bq)
の
放射能がある
体 内、食 物 中 の
自 然 放 射 性 物 質 (放射能)
「ベクレル (Bq) 」 : 「放射能の強さ」を表わす単位 (1秒間に1つの原子核が崩壊して放射線を放つ放射能 の量が1ベクレル)日常的に摂取している放射性カリウムの含有量(1キロあたり15〜58ベクレル)
野菜の放射性物質の減らす方法
45
出典) 放射線医学総合研究所 放射線防護研究センター 米原英典
幼児・子供の線量低減法
47
被ばく線量の実測データによる分析
○ 外部被ばく
49
~~~ 外部被ばく (1/2) ~~~
「個人の行動記録」 (実効線量)
測定期間 (被ばく期間) 事故直後
4ヶ月間
対象者 : 先行調査地域 (川俣町山木屋地区、浪江町、飯舘村)
( 総計
9,747 人 )
注) 20歳未満
1,693 人 (
17 %
)
累積外部被ばく線量
被ばく者数
被ばく者割合
~ 1mSv未満
5,636 人
57.8 %
1mSv ~ 10mSv未満
4,040 人
41.4 %
[ 10mSv未満
9,676 人
99.3 % ]
10mSv以上
71 人
0.7 %
( 最大の被ばく者
23.0mSv
)
[ 避難の目安
20mSv ]
被ばく線量の実測データによる分析
(1/5)
~~~ 外部被ばく (2/2) ~~~
「線量計」による直接の測定 (実効線量)
測定期間 (被ばく期間) 2011年9月~11月 (
3ヶ月間
)
対象者 : 福島市 中学生以下の子どもと妊婦
36,767 人
累積外部被ばく線量
被ばく者数
被ばく者割合
0.5mSv未満
32,076 人
87.2%
0.5mSv ~ 1mSv未満
4,581 人
12.5%
[ 1mSv未満
36,657 人
99.7% ]
1mSv以上
110 人
0.3%
(但し、内 5人は、2.5mSv以上であるが、
置き忘れ、放置などの誤った過剰データ)
( 最大の被ばく者
2.7mSv )
年間ベースに換算
1mSv未満
52%
2mSv未満
87%
被ばく線量の実測データによる分析
(2/5)
51
被ばく線量の実測データによる分析
(3/5)
~~~ 内部被ばく (1/3) ~~~
甲状腺の内部被ばく測定 [等価線量の測定 ]
被ばく期間 事故直後の2011年3月26日 (30日間)
対象者 : いわき市、川俣町、飯舘村 0歳から15歳
( 総計
1,080 人 )
○ 安定ヨウ素剤の服用必要者
0 人
(100mSvに相当する0.2
μ Sv/hを超える子供)
○ 99.0%の子供 : 0.04
μ Sv/h(20mSv相当)以下
○ 55.4%の子供 : 測定感度以下
~~~ 内部被ばく (2/3) ~~~
甲状腺の内部被ばく測定 [等価線量の測定 ]
被ばく期間 : 4月11日から 6日間
対象者 : 浪江町の17人と福島市に避難した48人 の子供
( 総計
65 人)
累積内部被ばく線量
被ばく者数
被ばく者割合
20mSv以下
49 人
75.4%
20mSv ~ 50mSv
11 人
16.9%
50mSv ~ 100mSv
5 人
7.7%
100mSv以上
0 人
0%
( 最大の被ばく者
47.5mSv )
○ 以降の放射性ヨウ素被ばくは無いと考えられるため、
安定ヨウ素剤の服用必要なし
[弘前大学のグループの測定結果]
被ばく線量の実測データによる分析
(3/5)
53
被ばく線量の実測データによる分析 (5/5)
~~~ 内部被ばく (3/3) ~~~
ホールボディカウンタによる「全身の放射能」の結果 [ 実効線量の測定] 測定時期 : 2011年6月~2012年2月末 対象者 : 福島県各地 22,717 人 累積内部被ばく線量 被ばく者数 被ばく者割合 1mSv未満 22,691 人 99.9% 1mSv以上 26 人 0.1% ( 最大の被ばく者 3mSv ) (2012年2月に検査 7,308 人) 1mSv未満 7,307 人 99.99% 1mSv ~ 2mSv 1 人 0.01%○ 2月末までに福島県内の方たちを測定した結果
従来の暫定規制値でも、99.9%が新しい基準 (1mSv) 以下
放射性セシウムの規制値 対象 新規制値 従来の暫定規制値 飲料水 10Bq/kg 200Bq/kg 牛乳.乳製品 50Bq/kg 野菜類 100Bq/kg 500Bq/kg 穀類 肉・卵・魚・その他放射線被ばくについて
55
R
等価線量 :
H
T
= ∑ W
R
D
T,R
(単位 : シーベルト[Sv])
[
w
R
: 放射線荷重係数
(単位 : Sv/Gy)
D
: 吸収線量
(単位 : グレイ[Gy=J/kg])
T
: 組織
R
: 放射線の種類
]
等価線量と実効線量
実効線量 : H
eff
= ∑ W
T
・等価線量
(
単位 : シーベルト[Sv]
)
H
eff
= ∑ W
T
・ H
T
= ∑ W
T
W
R
D
T,R
T,R
T
[
w
T:
組織荷重係数
∑ W
T= 1
]
等価線量と実効線量
T
組 織 荷 重 係 数
(W
T
)
組織・臓器
組織荷重係数 :
W
T(全組織・臓器 合計 = 1)
ICRP23 (1977年)
ICRP60 (1990年) ICRP103 (2007年)
生殖腺
0.25
0.2
0.08
赤色骨髄、肺
各 0.12
各 0.12
各 0.12
結腸、胃
項目なし
各 0.12
各 0.12
乳房
0.15
0.05
0.12
甲状腺
0.03
0.05
0.04
肝臓、食道、膀胱
項目なし
各 0.05
各 0.04
骨表面
0.03
0.01
0.01
皮膚
項目なし
0.01
0.01
唾液腺、脳
項目なし
項目なし
各 0.01
残りの組織・臓器
0.3
0.05
0.12
57
IAEAに対する日本政府報告書
○ 安全確保に向けて
得られた教訓
59
第1の教訓のグループ:シビアアクシデント防止策の強化
(1)地震・津波への対策の強化 (2)電源の確保 (3)原子炉及び格納容器の確実な冷却機能の確保 (4)使用済燃料プールの確実な冷却機能の確保 (5)アクシデントマネジメント(AM)対策の徹底 (6)複数炉立地における課題への対応 (7)原子力発電施設の配置等の基本設計上の考慮 (8)重要機器施設の水密性の確保第2の教訓のグループ:シビアアクシデントへの対応策の強化
(9)水素爆発防止対策の強化 (10)格納容器ベントシステムの強化 (11)事故対応環境の強化 (12)事故時の放射線被ばくの管理体制の強化 (13)シビアアクシデント対応の訓練の強化 (14)原子炉及び格納容器などの計装系の強化 (15)緊急対応資機材の集中管理とレスキュー部隊の整備(IAEAに対する日本政府報告書より) (1/2)
安全確保に向けて 得られた教訓
第3の教訓のグループ:原子力災害への対応の強化
(16)大規模な自然災害と原子力事故との複合事態への対応 (17)環境モニタリングの強化 (18)中央と現地の関係機関等の役割の明確化等 (19)事故に関するコミュニケーションの強化 (20)各国からの支援等への対応や国際社会への情報提供の強化 (21)放射性物質放出の影響の的確な把握・予測 (22)原子力災害時の広域避難や放射線防護基準の明確化第4の教訓のグループ:安全確保の基盤の強化
(23)安全規制行政体制の強化 (24)法体系や基準・指針類の整備・強化 (25)原子力安全や原子力防災に係る人材の確保 (26)安全系の独立性と多様性の確保 (27)タスク管理における確率論的安全評価手法(PSA)の効果的利用第5の教訓のグループ:安全文化の徹底
(28)安全文化の徹底(IAEAに対する日本政府報告書より) (2/2)
安全確保に向けて 得られた教訓
61
わが国の電力・エネルギー
○ 太陽光買取価格
○ 将来の消費者負担金額
○ 電源構成の推移
○ エネルギーの用途
○ 主要国のエネルギー輸入 (依存量 依存率)
○ 国別の一人当たり電力消費量と電力消費量割合
○ 1人当たりの電力消費量
環境省WG 太陽光買取価格(高位ケース)
○ 発電コスト低下を前提
環境省WG 消費者負担金額
1960年代
水力
⇒
1970年代
石油
⇒
1980年代
原子力
と
LNG
続いて
石炭
も
65
エネルギーの用途
○ 石油危機後、産業部門が横ばい
海外への依存率 :
日本は96%で、韓国98%、 ドイツ72%と高い。
中国は7%、イギリスは27%
(石油換算100万トン 2008年)
67
主要国のエネルギー輸入
(依存率)
日本のエネルギー自給率 : 4 %
原子力を準国産と見なすと自給率 : 18 %
69
国別の一人当たり電力消費量と電力消費量割合
○ 1人あたり
の電力消費量は、
カナダ
や
米国
が極めて
多い
○
日本
も
韓国
も他の先進国と比較するとかなり多い
⇒ 節約の余地がある
各国の債務
○ 先進7カ国の債務残高の対GDP比率
71
2011年度末には
1000兆円を突破
債務残高は国内総
生産(GDP)比
(12年末)
ギリシャ :181.2%
日本 : 219.1%
ただ、日本国債の
94%
は国内で所有
先進7カ国の債務残高の対GDP比率
日本
ギリシャ
イタリア
73
死 亡 リ ス ク
○ 私 た ち を と り ま く リ ス ク
75