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かんがい用貯水池の堆砂に関する研究 X 貯水池における密度流について(その6)-香川大学学術情報リポジトリ

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111 第11巻 通巻第29号(1959)

かんがい用貯水池の堆砂に関する研究

Ⅹ 貯水池における密度流について(その6)

吉 良 八 郎

Studies on the sedimentationinirTIigationalreservoir・S

X On the dpensity curr・entin reservoir.s(6) Hachir・0壬(IRA (Labor・atOr・y Of AgT・iculturalEngineer’ir].g) (ReceivedJuly13,1959) Ⅷ 神内上池に関する実測(続) (3)調査結果の総括(続) 今回ほ前後9回にわたる神内上弛の水温,濁度,pH,アルカリ度,透明度,などの水質観測結果,計算による密 度,鉛埴安定度,限界速淀勾配などの分布から,その水理,水質楷性を検討してみよう・ さてこれまで各回観測ごと述べた観測当日の水文,水理,水質轟項について,その周年変化をまとめたのが爵24表 であるL. (e.)水温分布について まず水温変動やその成層状態を換討するためまとめたのがそれぞれ鶴101(a,b,C,d)因,102図,103(a, b)因である.こごで鶴101因はそれぞれ測点No1(a因),No2(b図),No4(c図),No6(d図),におけ 第101−a因 水温鉛臆分布とその 鶴101−b図水温鉛酒分布とその 第101−C因水温鉛債分布とその 周年変化(測点Nol) 水 温l 周年変化(測点No2) 周年変化(測点No4) l一一・−Jl し水面1 7k i∼籠い 6 8 川】21】】G】こ⇒狛 q−−【+◇」一】 ̄ケ、【■▼一9 キ.∫今 寸−今寸寸← 、∴∵・∫ 、. .ナ ノ? ホ 攫冊 ︷m .や−9・d一 ︵m︶ 一〇・・¢一.〇・人YO .ql・ム 寛101−d図フK溜戯直分満とその 周年変化(測点No6二) 水 ざ品(C) 16 819嬰14161800霊別お水如恕 【水市) 水 探 る水温鉛債分布の年間変動を示すもので,これにより表水屑,変水屑(踵層),深水屑などの位置変化が明瞭となり, 第102囲は,測点No1における水深別池水温と流入水混との周年変化を京すもので,表層,中層,底層に.おける水温 変イヒが概観でき,流入水の流入深度が明際になってくる・・また第103囲は,それぞれ測点No1(a図),No2(b図) における等温深緑変化図で,池水内部の水温変化や弛水の循環,停滞状態が明瞭となってくる.この際,等漏深浅変

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香川大学農学部学術載嘗 112 仔観戦昧袈監笹壁艮分解 れぐりふ己︷艶美e囁罵癖 −・、∴ニ⊥ 置河地離監砂地長倉堪 れぐりふ己l雛嘗e囁貢醇 笹野計 旦重恩讐警最遠冒蚕疲 れぐりふ已t計累e礎冒陳 声点描.N野 牡鹿 ハ財冨職野軒哩買泄 軟質 野掛e監醍轟ハ∈︶財監憎 璽 竜野瞥霊箋竃情 感義盛 曝嘗胆 嘗麗這云J品管玉翌零畢聾 堪貢盛 時忠簸りふ撃素瑚匿≡ 埋躾将と箪足翼賛唾 軍服拡貫審匿一 撃茸諒恕呑喧衰悩葺畜︰㌔ ︶ /一山、・■一・一−\ 屯tC町c 失卜0〇.〇︶ 軋70TXCS 失讐.〇︶ ○の.〇 C.〇N ∞.∽ N∞.卜1 ぐ81∝)・寸 ⊂)【n ・ ⊂つ 0〇 の 「1 の の ・寸 − ⅡC町N Jl町∞Sのt 華麗将中経りふ餅素 ■剖素 叫国儀将±簸りふ妻丁監草 正一町コ Ⅱ寸N町の 檻《???1日 L?て ぐ??≒ 麗コさ=ヨ† 2=コト 汽竺 鵬F朗 m の 寸N 氾寸N呵00 打)‘勺■ ⊂) ⊂〉 ∽ ・ ⊂) 、 − 寸 m 「1 の rl ● 正卜叫∞ 正一町卜 氾寸叫∽ 鱒OC叫寸 掛卜Sのl ︵己qd︶裾;二でミh Hd ︵己ddし観 照 ︵00︶璧 養 厨 + 野鶴嘉一韮﹂

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第11巻 通巻第29号(1959) 113 水 化︵m︶ 10 2 4 6 ︵る 0 2 第102因 神内上他に.おける流入水 温と池水偲の周年変化 (測点Nol) 第103−a図 神内上池における等漏深線変化図(測点Nol) 札Ⅴ・ト Watertemperatl∬e(OC) モ

デデナ

6 4 2 0

7 十

T

19f;7 1958 務103←b図 神内上池における等温深緑変イヒ図(測点No2)

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香川大学農学部学術報告 114 化閻では,一服に春,秋,および冬季のごと.く池水が循環状態にあるときはその等混線が縦の平行線となり,成層期 にほ横の平行線となって襲わされ,前者ほ各層等温であり,後者は上層ほど水泡が高いこと.を示しており,またこの 固から停滞状態ノ⊃形式は下層から,循環状態への移行ほ上層から行われるという原則も明らかに・読みとることができ るい さて水濫変動やその成層状態をみると,大体吉村博士の分類による亜熱帯塾深湖のそれに.類似していることが了解 される.,すなわち,真率6,7,8月頃は天然湖沼における選挙停滞期Summer stagnation periodにあたり,水面 近く約2′・一9mの第1次躍闇と,水面下杓10′・→15mに府:在する第2次躍頓のslabilityほそれぞれ約(2801−′540)×

10ペおよび約(160′→340)×10 ̄βで極めて強く,この頃の流入水温ほ20′−250Cであるため,千苅貯水池の場合にお

けるがごとく,流入水ほ鶉1次躍層の痔下をstratified flowと.して流れる場合が多いまたこれに.対して鶴2次躍 屑鉄下の水温は■大体120Cl或下であり,放下層では冬季の水温に;丘づいている(すなわち,底層の年間変化は貯水位 変動の影響を受けて約40Cを示すが,夏季に・おいてはたかだか1∼20Cに止まっている).このように儲1次躍層ほ外 気の影響を強く受けて,地表を基準にしても,また地底を基準忙しても,その位置変動が戯著であるが,舞2次躍層 でほあまりその影響を受けず,地底を基準にすれば多少位署変動あるが,池表を蓮華陀すればその水深位:置があまり 変動しない・さらに夏季成慣期に・おける変化状態を第103固からみると,等温娘が水平の時期と右下りに傾斜してい た時期とが交互に反復していること.がわかるが,これほ全噴水温が余り変化しない時期と.,全層が著しく暖められる 時期があること.を示しており,この現象ほ水位県下の時期に・当ること.が了解できるまたこの図で等濡硯は必ずしも 平行でなく,著しく膨らんだり収赦したりして,前者は水位上昇時,後者ほ水位蘭下時に見出される. このように雷季地表を基準/こ・してみると,第1次避熟立静は水温の上月や貯水位上昇に伴い次掛こ上昇して躍慣の staもilityも強大となるが,流入水の影響で6月温室礎層から分讃した第二2次確執ま,大体水裸約10ノー15m月近に.固 定されるやがて流入水猛の嘩下や逐次流人深さが深くなり,籠1次躍熟ま.水位抵下とと.もに降下して再び第2次躍 層と融合し下層に㌧垂抵昏を形成するに至るこの襟第1次頗百の嘩下戯今の様相は,1957軍8月24日のd幻a(鶴44 因)および19う7串9月24E【のdata(鶏52因)によ.り明らかとなるこれは秋季に至りて一塊1次躍層のsモ・abiヱityが弱く なり,水蘭から鶴2次躍再の範囲に・腹壁の均」・化がみられ,夜間に・起る表層水の過冷却のために鉛埴面内の循環が起 り,この水偲均一イヒの傾向がますます助長されるわけで,湖沼学でいう部分循環期に当る.やがて融合した達魔境ほ 循藁混合とそれに伴う熱の伝導拡散のため躍層のsねbilityが漸次弱くなり,その位置は下降して遂に地底にて消滅 するに至る.この頃はすでに完全循環期の段階に達するわけで,195プ年11月1日のdata(飽59図)は,融合した妾躍 層が下方に押し下げられ,やがて消滅し完全循環期に入らんとする様棺を示している‖ 次に冬季停滞期は,一腰に鰭氷をみない風当りの湖沼では存在しないのが普通とされているが,この場合も40c以 下の水温は観測されなかったので冬季停滞期は存在しなく,1957年2月3Fiのda七a(第7J図)でもわかるように,全 層を通じて「循環し水温ほ約5∼プ⊃Cで金閣ほぼ均一・である・この際冬季における等温線の暗涙は,流入口において密 であること,および夏季の等温線が水平であるのに倒して1部地底や堰堤内法に沿って平行とな っている点であり, この際池水温より温暖な混濁流入水が,池内縦断面内大循環をなしていることがわかる 次に春季部分循環斯こ該当サーるd扇aはユ95フ年4月30日(第13囲〕,および1958年3月こ31日(第86図)であり,こ の時期の流入水ほ表層水温に等しいので,表情にst工ati封edfhwが生じ,日中のヨ光照射や外気の影響あるいほ流 入水との混合によって衷代引こ傾度の小さい塊1次躍憎が生ずるに至るこの混合交換による熟柿給は,表層範囲で摘 発に行われるため,鶴1次雄層は押し下げられて−,その臥引事さが増大してくるやがて初卦こ入り表層水温も急に 上昇してくるので,流人深度も深くなり,厚みのある第1次躍層内に流入して起る混合と,それに伴う熱の伝導拡 散のため,蓬躍智が分離して第2次躍督が生じ,これは次鄭こ降下を続けやがて巽季成層斯こ至りて水面下′杓ユ0∼ 15m付近に落潜き, それ以下の水温は10一−12〇C以下の表層に虻し約150Cも温安産を有する冷水であることがわか るい 以上第1次および第2次躍書の生ずる位窟や機密変化を,各班削lの最大機壁1mの位眉(変曲点inflexion

laye工)と,温度校農(円の虐使として表示)を図示したのが第1〕4i表(測点No1,2)であるこれによると,春

先き表層に生じた第1次躍矧ま次第にその厚さや頓壁を増して下カに移苦し,やがて夏季表層水温の上昇,流入深度 降下,あるいは貯水位変動の影莞斯こよりて主躍憎が上下に分離して第2次貯f雪を生じ下脚こ.押し一下げられた第2次 鷹国は,夏季停滞執こ至りてその隕斐を増し水面下杓1〇→・15m菰紗こ止まるが(この憩等水際変化の影響により多少

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第11巻 通巻第29号(1959) 第104因 神内上弛における水温躍層変化図 (躍層内水温傾度最大の位置および大きさの周年変化) 115 位置変化がある),第1次躍熟ま贋水位変化の影響を受けながら表層に止まり,やがて秋季に至りて,水温低下や貯水 位変動などの影響を受けて第1次躍層が降下して下カの第2次躇屑と融合し,下層に強い主踵層を形成,これがやが て底部に至りて消滅し秋季から冬季に・かけてほ池内全層にわたり循環混合する傾向がうかがわれる∴このような,第 2次躍層の分離融合による位苦変化は,天然潮召の笥木 湖(中部地溝)や池田湖(南九州)で認められたもの(44), また野尻湖(43)で観測されたものと異っている.その他 人工的貯水池たる三浦貯水池(発電用)(40)や山口貯水 池(上水用)(43),あるいは千苅貯水池(」二水間)(4)で観 測されたものとも多少異っている.たとえば第105図は 、野尻湖における大正2年,1,3年庚料に・基き,最大傾度1 mの位置とその温壁較差を円の酒径として表わしてあ り,春先表面近くにできた躍層が擾乱作用で下カに.押し 下げられ,翼季表層水温の上昇に伴いそのstabilityが大 となりて第2次躍層は上層に止まり,これに鶴2,3の 鶴105図 野尻湖における水温躍層変化図(小島原因) (大正2年および大正13年) 246810篭び娼劫 深さ︵m︶ 00 7 血U 5 4

9 10 11月

年 3 1 正 大 大正2年 2次躍層が融合して諷抑こ火きな主踵層を形成するが,やがて放熱只那こ入り,次掛こ下カに.移動して消失する様相を 鶴106因 山口貯水池における水温躍闇変化図(小島) 示している‖ また山月貯水池(昭朋22年)の場合, (昭和22年) 僚大横壁2mの位眉と.温壁較差を示したのが第106図 であり,この場合は,表層に生じた底J酌ま次第に下 方に移行し,底層に達して消失し,再び表層に別の 躍層が優じて下督に移行消失,年間に数回このよう な反復が渇水期と増水期の間を1周期として行われ ることを示しているさらに千苅貯水池の場合は第 14因に・示したように,夏季の第2次踵闇位置を原点 とすると,1種の周期函数として表わされている. 以上要するに人工的貯水池の水温変動には,流入水 や流入流出による貯水位魔化の影響が相当大なるこ とが察せられる, 以上は当神内上池における縦断面内主要部分の【一一版的水温傾向を述べたのであり,特異な位乱たと.えば測点No5

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香川大学濃学部学術報告 ユ16 より上流側においては貯水位変イヒによりて相当水深も浅くなり,循環期に・おいてほ池水と流入水の混合帯となって入 口密度流と関連を・もちその鉛債分布が複雑な変励を示すまた堰堤近くの測点No1の観測結果ほ,上流側測点No・2, No3などとほ芳干異なる場合がある.たと.えば第44図の測点Nolでほ,鴇1次,鶴2次両躍層の融合状態が京され (この点,両躍層の融合した原因と.して硬水ロによる砺水の影響も相当あったのでほないだろうか),また飽70図の 測点No“1では,下層部において1都道列成層も見受けられ,さらに堰堤内港面に沿った等温線を画くなど,相当趣 を異にしている.この現象ほ,その堰堤近くにおいては取水口による取水,あるいは堰埠内沫面に潤う循環流や犀層 密寒流のはい上り現象などの影響を受けて流水力向が変ったり,あるいは熱補給機構が他の部分と異なるためと考え られるが,このような将兵な水温分布の1例として内場および長柄貯水池について換討してみようl・ 香川県の主項な多目的ダムである内場貯水池(堤高50mコシ′クリ−・ト霊力堰填,有効貯水盈フ,200,000m8,汲水両 税486,000m2)および長柄貯水池(堤高30mコソクリート富力堰墳,有効貯水意3,800,000m8,湛水蘭礎357,000m2 ほ,ともに1953年3月完成したものであるが,1954萌変よりその管理の1つとして水温鉛檀分布せダム伺近において 定期的に観測している‥その 結果(7578)によると,鶴107園 (内場貯水池の水深別水温の周 年変化,昭和30),第108因(長 柄貯水池の水深別水温の周年変 化,招30),第109図(内場貯水 池の水温鉛直分布),第110因 (長柄貯水池の水温鉛直分布) に示されるごとく,成層期にお いて朗捺な躍層の存在が認めら れ,時期的には第2次躍闇を生 ずることもある,またとくに8 月頃第1次躍閻以撫に1部高湿 水屑が認められ,水渦逆列成層 を示すことがあるが,これはダ ム付近における観測値であり, 8月頃かんがいや上水のための 大風放水によるためか?,また は比較的温暖な混濁密度灘の潜 行流動によるものか?,何れに せよ,天然湖沼と.は大いに異な ることで,人工的貯水池とくに 多目的ダムにおいてほ,発電, かんがい,上水道,洪水防禦な どの各目的による取水や放水に よりて,その貯水位変化が極め て複雑であり,とくにダム付近 に.おいてほ,堰塊や取水口の影 静で極め七複雑な水温分布をな すことがうかがえる. 寛107園 内場貯水池水深別水混の周年変化(暗部30年) か 内堀他の水位 水弧の周年変化(聯和30年) C 10 鴇108因 長柄満水池水深別水濡の何年変化(昭和30年) 0 5 崇) b u 5 0 水 温 ( 貼 3 9 15 1 l

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第11巻 通巻第29号(1956) 117 鶴109国 内場貯水池の水温鉛直分布 −・・水 温(C) 2J6810121416 024681012141(iほ202224 024(;81012】4161828222426283032みl 飽 、− 1吊 ▲‖≠ bO .い −・・・・・▲l 昭和三〇年 i‘l≡,昭和三一年 ・■■■l︻■1−一昭和二九年 謂 和 0 35 15 5 鶴110園 長柄貯水池の水温鉛直分布 I−−−− 昭和三〇年 − 昭和二人年 (f)濁度および透明度について 従来湖召や人工的な上水道尉貯水池,沈澱也などを対象にした濁寛(潤澄蜜)や透明壁の測道結果が多々報告され ているが,かんがい水源を目的とする貯水池について,とくに池内の流動,沈澱作用と結びつけて詳細にわたって調 査されたものはほと.んど見当らないさて濁度(清澄度)分禰は,上水道水源としての貯水池では,その日的とする 浄水作風ことって極めて墓賽な意義をもつもので,その沈澱作用による浄水効胎や取水gaieの位歴と関連づけた調査 研究が必要となってくるが,当かんがい阻貯水池面から考えてみると,その堆妙による埋没問題と関連づけた溜濁流 入水の流動,拡散状態や沈澱,堆積現象について換罰することが賽当であろう・すなわち,かんがい用貯水池におい てほ,上水源としての場合とほ迎に∴流入潤質をなるべく池内に沈澱させなくてそのまま密度流を利用して放出する 力が,沈澱さ且止率の軽減笹よる貯水池寿命の助長,あるいは放出溜濁水を農桝地に直接かんがいすることによる colmatageとしての効果など−−−・・挙両得の目的にかなうことになろう1 さて,これまでの濁壁鉛積分布の年間変化を測点ごとまとめたのがそれぞれ鶴111=一a因(測点No1),b図(測 点No2),C図(測定No4),d閣(測蕉No6),であり,また鶴112図は流入間質盈と測点No1における等濁度 深線周年変化を示すもので,この際豹112図における等濁壁費線変化図ほ,前掲水温の場合(簡103因 り,貯水位変イヒを水深の変化として嚢わし,その他底の位乱L昇は,貯水位がそれだけ下降したことを愚昧してい る また流ノ、濁讐鼠の糊竿酎ヒは,川溺淡水堰における流人濁欝資料(1957年7月∼1958年3月)をもとにして求め た飢死人濁肇凝(kgd・ay)の句肌ザ均庖Qs(kg′′day)を縦柚(lo三S〇ユ1e)にと.ってその変化を示したものであ る‖ 一般に潮告における濁壁(消燈斐)の鉛lfよ分布をみると,停滞湖にその中層が故も濁っていて,それより上下暦は

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香川大学盛挙部学術報告 集111−C因 濁度鉛直分布と.その 周年変化(測点No4一) 油 性(ppm) 118 弟111−a図 濁度鉛債分布とその 周年変化(測点Nol) 第111−b図 濁度鉛直分布と.その 周年変化(測点No2) 独 此 rpl〉】11) 0 20 30 40 獄)60 フ0 執)001(刀110120 独 涯(ppm1 010 20 30 亜)50 60 70 80 執)1(刀110120 (木lれl 50(う0 70 叙)901∝)110120 水仙 (水面) 1 2 3 ′勺 5 水 6 ・′ ︵−V lリ <U 溌 ハm︶ 川箪 :ごjγ8 第111−d因 濁度鈴音分布とその 周年変化(測点No6) 1′11 油 圧(ppm) 1020 二斑 40 鎚60 70809〇1仰110120

肯れ 2音′古、、

17 18 19 20

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第112因 神内上池における流入濁質藍と.等濁度深緑変 化因(測点Nol) かえって清澄であったり(たとえ ば膏木湖(6】}78),木崎潮〈77),野尻 湖(59697n),河口湖や酉湖(80)など), 表層のみ消澄で中層以下の水が急に 濁ったりする(Mendota潮の部分 循環期)ことが知られており,また 循環期に際してほ,一一般笹湖水の鉛 直混合によりて湖底や湖倖の濁質を 池内一輝に腰痛し全水城を溜濁させ ると.考えられているが,今期間の観 測を総偏してみ.ると,潤濁流入水や それに伴う密度流の影響がむしろ安 配的であり,この点天然湖沼の場合 と大いに趣きを異に.しているり まず濁度に関する平面,鉛直,縦 断および横断力向の各分布図 (第 1S,22,29,37,45,53,61,71, 72,73,87,111,112図)を概観す ると,朗著な季節的変化が認められ るが,これは湖沼で普通み.られる池 水の循環停滞現象の影静を受けたことにより,当神内上弛の場合はその流域や貯水池形態の関係から,むしろ潤濁流 入水やdensityunderflowにもとづく縦断面内大循環の影響によるものであることがうなづける1春先きの4∼6 月頃においては,たいした溜濁流入がなく,またこの頃は半停滞期で部分的循環によりて池水濁度は全域にわたって 約10ppm以下でほぼ均一・であるが,本格的な夏季停滞期に入りては,梅雨前線の摘発な張出しが強雨をもたらし, 異常な流出による瀾濁水が流入後densityunderflowとして流動し,濁質の沈澱,堆積笹よりて貯水池の寿命 というトラブルを助長したことが,その濁度分布図からも了解できるい

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第11巻 通巻第29写(1959) 119 すなわち,筑29因(7月1日),鵠37因(8月7日),籠45図(’8月24日,台風9号時)などのごとき濁度分布図で は,高速高濁流入水が水温成層と関係なく池底を聴うdensityunderflowと.して流下し,堰堤内法尻に達して setupoIdaTnup現象と.してはい1=りを生じ この際stabilityの高い塊1,第2次躍屈の抵抗によりて,若干凹 凸を示す上向の潤濁成層流として池表まではい上り,満水の場合ほそのまま余水吐より放流されるが,もし貯水位が 満水下であれば,吹送流などの影響を受けて上流側に向う逆向流となり,demarcationlineに達して再びdensity underflowの随伴流として潜行すると.いうような縦部面内大循矧こよって滞澄池永との混合拡散が行われることを 明示するものといえよう1. この事実は,当神内上弛におけるtrapefficiencyを軽減し,その寿命を助長する1手段として,densitycurrent により堰堤内法尻まで運ばれた高濁流動水を,dam付近に沈澱,堆概しているdensitycurrentbedsと共に・その まま底値管(排妙口)を通じて放流する力演の可能性せ意味すること・になろう‖ さらに,循環期(と.くに冬季に・おける完全循環期)における弛水の濁度分布ほ,他の理化学的性質と同牒に・全層ほ ぼ均一・であることが箱態であるが,この頃は池水の密度が上下層ほぼ埼卜・で槻勾鮒なわち鉛直安定度(E=−) が小さく不安窯な状態笹あり,しかも水温傾壁が小さく僅かの濁壁蒼で密度のバラントスが破れる状態にあるから(池 水密度は主として水温差に.もとづくが,たとえば2月3日の例では水温傾度が平均0り160Cで小さく,Pの差は10■6の orde=であり,かかる水温均一・で不安冠な状態171では濁蟹違約8ppm以上で費匿pの差が10− ̄5の0Iderとなって漬ちに バラソ・スが破れることになる),たとえば2月3日,:3月31日の観測例のごと・く流入高濁水(この際貯水位低下のた め上流側蕗出の新生沈澱物を侵蝕撹乱再浮遊させて,瀾濁を助長している)は,池内全域にわたって循環,混合しな がら流下して細水の瀾濁化粧あづかっている‖しかして2月3日の飢で中流部左折攣曲点から下流帥こおいて・潤濁 流の偏先(儲71,72,73図参照)が確認されたが,これほ主としで慣性力や砲領頁転に・もとづく見かけ上の偏向カ( この茶化半濁だから石偏句のC〇RIOlISの力と.なる)に・よるものであり,過去の浮流や掃流作戸別こよりもたらされ た敬砂地泥の沈澱,堆傾が,その攣曲氏より下流帥こ淑、てとくにその右酎帥こ発達している結果から・貯水池形態 の堰妙分布に.およぼす影響の大なることがうかがえる‖さて水の濁っている度合が濁壁tuIbid砺澄んでいる度合が 透明匿†てanSpaTenCyと呼ばれているが,この際測領したセッキー円仮による透明度は比較的の値であり,直線的 に、比例する盈でない… 次に池水間壁と透明牽の調係について検討して:みよう・一腰に透明財よ観測日時の天候すなわち日射盈,雷魚・雲 形(81),あるいは放浪の有凰太陽の高車などの気象質素によ′る変化,水瓶や塩分による変化(82),水深の昇降や貯水 池の環境による変化(88),観測者の視力その他に・よる変化など種々な囁因に・よる変化が考えられるが,貯水池の透明 度でほ,とくに池水中のseston〔水中浮遊物で無生 物セストソ(粘土,bumusなどのコロイド)と生 物セストソ(ブラシクーソ)がある一〕の影響が著し いほずであるいまこれまで観測した透明度と濁度 に関する7J資料について両対数方眼紙にPlotする と第113因のごとくなり,この相関係数を求めてみ るとT=−0.722***(***‥P=0001で統計的に有 患で工の有意性が酎、)となり,濁度と透明度の問 に有意な逆脛僕が認められ,この関係ほ(34状のごと き曲線式で示される.この際透明度観測時の定測点 T㌧ニ8‖2フ9 T ̄▲073 朋 鶴113因 透明度と濁度の関係(n=70) h↑−︵∈︶hU岩岳dS焉h↑ q■QU76 5 一t 3 2 10000 0 0 0 0 Tr:透明度(m) T:濁度(ppm) Ⅰ・=−0.722***(P<:〇001) ここに 濁度は,その.替の水喋で示した透明草(′町)範囲内 の平均値を似て示し,不定期測窯濁摩は.,地表濁度 または透明度紺矧朋く深の濁劇宣をもってそれぞれ 透明酵7J資料に対応させた・ 1 2 3 4 5 678910 20 30 40 506070釦901(旧 Turbidity(ppm)→T

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香川大学農学部学術報告 120 さらに流入水や池水滞留と透明度の周年変化などを表したのが駕114図であり,流入濁質にもとづく池水の潤濁は もちろん,その貯水位(水準)変化や天候(一日射 第114閻 水位と透明辟および濁度の周年変化 盈,寒塵)などの影響も小さくないことが山応7解 できるその他透明度の水平分布でも,流入濁質の 影響に.よりて頚従断方向では上流側ほど透明度小さ く,また横断方向でほ攣曲点より下流側に.おいては 瀞濁流の右偏流によりて右樺例ほど透明度が小さく なる傾向もみられ,さらに瀾鞠密摩流のdaTn up の結果としてダム付近においで若干透明度が小さく なる現象がみられる 透明度の全年またほ罫季平均をみると全年平均 2.39m(6′・■9月平均2..71m)となり,これを香川 県内における環境別貯水池(8き)のそれ(.1955年6月 ん1955年7月)たとえば城池(山地):全年平均 2‖38m(6′・一9月平均2.81m),奥の望池(山地的 藤池):2−19m(20フm),男井問弛(野池的寵池) 油 皮 ︵ppm︶ 醐 亜 誠 :2‖45m(.2.31m),平田池(野池):221m(1.87 m)に比較すると,僅かながら差が認められる山地的性格を示し,神内上池(山池)を含めて,とくに.夏季に.おいて は野池,徳池,山地の順に.弛水は澄んでいることがいえるであろう.. (g)pHおよびアルカリ度について 元来天然水の水素イオ・ソ洩葬pHの値ほ,遊離茨竣の洩塵〔鮎COさ〕と届:茨鞭塩濃準〔HCO′8〕により魔窟され錮式の ごとき関係式で示されており,p王iとアルカリ度の観測値には著干相調があることが考え.られる.有泉(呵は田沢湖に 〔HCO′8〕 pHニ6..52+・log 流入する玉川流入水の膨響を水質化学的に調査し,、7・ユノール7クレソ酸斐の低から理論的のpHを出して実測した p‡i値と比餃し.その差は酸度に・して大体12×10【5mg/1程寛の適合をなしたまた合田(4)ほ千苅貯水池におけるpHと アルカリ度(ノメチルオレゾヂ濃による)の測定結果について,時間的,基間約な考慮をしなく で単に.数値的な相関 関係を検討し,r=0..63のごとくかなり強い順相関を認めている漆調査に・おいて−ほPhenolphthaleinacidity (P王】enO工p王1也aはnallこalinity) ではなくMethyloごangealkalinity によるわけで,錮式の適合度を論ず るこ.とができないので,相関の要因 を一応時間的および塞間的なものを 含めるものとして比較してみたいす なわち各測点各水深の全年資料のう ち夏季完全停滞鰍である7′−8月( 7月1日,8月7日,8月24日の各 測点,各水深のdata)のみのdata 133実測薮料を材料としてpHとアル カリ度の相閑をみたい その結果を示 したのが飽25表であり,計算結果は 次のようにかなり高い有志な相関が 認められ上質季完全停滞期のごとき 成層下では,pH値とアルカリ度しメ ナールオレソヂ・アルカリ摩すなわ ち全アルカリ度ノほ.逆相関をなすよ 第25表 pHとアルカリ魔の相関表 00 0 00 0 0 0 0 0 0 0 0 000 0 000 00 0

3 13

∩︶10∩︶O l︵∠021 003 1 2 2 5 5 1 0 0 0 1 3 3 2111 0 0 1 3 000001430100000000000 9 ∩︶00∩︶0︵∠︵∠10〇州u 202122232425262了28293031詔333435363了33940 計 l l1000∩︶0000 0 1 201フ︼0∩︶00ハUO O l

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121 第11巻 通巻艶29写(1959)

うに・考えられる,この際Ⅹ‥pH,y‥アルカリ度とすると酎昂洒線ほし3闘式のごとくなるが,年間全資料4SO(循環期に

回帰両線 Ⅹ=71−003(y−29.5) y=29.5−767(Ⅹ−7.1) 平均値 Mx=フ.1 My=29‖5(ppTn一) 相関係数 Tニー0498***(***:P=0.001で統計的に有意) pH,アルカリ度の成層が崩れて■全層均一状態に.近づくので)については,その平均値Mx=7.2,My=35い3となる が,あまり相関ほ認められないようである ざてpHとアルカリ度および酸寒は必ずしも比例するものでほないが,pHは実際の0打またはH●を示し,アルカリ 度または酸度ほ予備を含めた0二i′またほH●を示すものであるから,∵肢匿.pH■大なればアルカリ度高く,pH小なれ ば酸度高いことが多いと.されており,これらp王iと.アルカリ度および酸度についてほなお論談の余地があるが,たと えば限来(91)による琵琶湖の夏季水質調査結果でも,pHが表層7・4′−76(平均75)で徴アルカリ性であるのに刻し牒 層ほ68∼7.0(’平均69)の徴酸性を示し,これに/対しメチルオレゾヂ・アルカリ摩ほ,表層26∼30(平均27)であ るのに対して深層で2フー42(呼均30.)となり,深層の力が大きく,pHとアルカリ度が逆比例するがごとき様相を京 しており,本調査のごとき結果も夏季においてしばしば出現するのではないかと考えられる巾 いまpHとアルカリ度についての年変化の傾向を著〒考察してみよう さて筍115(a)∼(d)因ほ,それぞれ測点Nol,No2,No4,No6,におけるpH鉛直分布の周年変イヒを示し 第115・a因 pH鉛墳分布とその周 第115←b図 pH鉛債分布とそ周年 飴115−C図 pH鉛債分布とその周 年変化(測点No4) l)tl 変化(測点No2) いIi 年変化(測点No1)

・三:、・・∴

n†←・一一一▲▲劇帽−−−−−−−t・●・・サーーーーー▼・十一一− 60626イ6668707274 767880828486 60626466()8 7〔 lll._.一___▲.▼ 727476コ880828486 ●● 12 3 4 5 6 7 8 9 10 11 彪 13 1ィ 15 16 17 18 19 飢 水 深 ︵m︶ 深 ㌫一 高∴∵≠ム\タイ

t′

4 J 、○ わ・ 6 旬 ′ 〃 ○一▲ごリノ9−OL← 第115d因 pH鉛蹟分布と.その周 年変化(測点No6) h l川 H‖ ほ⋮川 加封” 朋417別211ユ31 ㌣・:ニ禦 叫⋮㍍⋮⋮︰岬⋮ いIl ()727476788082籍4S6 6

・∴・一、

皇〟 托 ●●▼. 鳩 たもので,また第116囲は, 測点N〇1における等pH値の 決線変化を示したものであ るい たとえば典型朋な循環期 である冬季12,1,2月頃 (1958年2月‘3Fほata)のpH 鉛抵分布をみると,水温分布 とおなじようによく換絆され て湖沼でみられるようにほぼ 各層均一・であり,この時糊の pHは神内▲上池では壌も■高い 時期であるが,春先から夏季 195L7

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香川大学農学部学術報賃 ユ22 にかけ気温の上昇と共に表層以下のpHは次鶴に低下して,貰季成層卿こは618以下になる傾向があるい 流入水のpH は時期により異なり(おそらく流域に相当民家や水田があり,かんがい水,上水など用水の反復利用が.主要閏と考えら れる),pH値ブ0ル7‖4の範囲であるが,成層斯こ至りて深水閻のpHが若干低くなるのほ,主とLて浮遊,汲澱堆積 物申の有横物分解による炭酸増加や水温踵層叱関連した水の流動の不満発さなどによるものと考えられる・さらに成 層期のpH分布をみると,たとえば夏季の典型的な停滞期である第30図(1957年7月1日),賂38因(1957年8月7 日),第46図(1957年8月24日)では,上層から下層にかけてpH値が低くなる明瞭なpH成層が見られ,と.くにユ957 年8月7日のdataでは,水温の第1次躍層伺近から上層(0′→3m)にpH傾度の高い(p‡i8.1・→72)pH不連続 層(成層)がみられる… この際成層期に水面高温部でと.くに・pHが高くアルカリ性に傾くのは,高湿による蒸発作用 やCO2の溶解脚こも関連していることがすぐ懲橡され,また水温分布とおなじように選挙に腰署なp托成層ができる のは,大体以下のごとき生物学的,化学的説明で了解できるだろういすなわち,まず生物学的な面(生物,細菌によ る坐イヒ学的現象)から神内上池における生物の繁粗状態を若干しらぺてみると,相当動植物性ブランクナノが繁略し ており,そのうち植物性ブラソクトソ(藻類)は,表水屑で日光が十分入るので,盛んな同化作用を営み・,その結果 CO2を消費してp甘を高め,これに反して深層水では日光不十分で同化作用が行われず,しかも生物死骸などが分散 されるために.02が消費されてCO2が発生,炭酸が増すからpH値は低く酸性に・近づき,そこでこれら両面の働きが釣 合う深さ,すなわち補慣深度にpH不連続闇(成層)を生ずるようになるい このpH成層ほ,停滞期に・おける水温 躍層形成によりてその躍層を境界層と.して上下層の水ほ混合し難くなるので,pH不連続層が保存強化されるに至 る 次に.pH値を化学的に考えてみると,各溶解成分(アニオソ,カチオソ)と,溶存ガスの分析が必要となり,またpH 値ほ水中に解関している水素イオ・ソ濃度なるにより,溶存カチオソ,アニオンの組合せの列,外界条件により著しく 変化するもので,太陽光線による光化学反応,各種珪酸墟の炭酸塩化,またほ酸化,還元,加水分解を伴う化学反応 などにより異なってくる・しかして,いまCO2とCO8〝との平衡関係のみについて考えると.,水溶液中の茨鰍ま.(37)式 のような形で存在しており,CO2が水に溶膠する際にほ,大気中のCO2と次のような一定の分配率にしたがうもの で,そ・の淡水中におけるpH,遊離炭酸H2CO8,箋炭酸イオ・ソHCO8′,および茨酸イオソCO8〝の関係は解式(4)によ り示される

CO2+H20ニH2CO8ニ甘+H十CO8′

J H■十CO8〝 故に

牒=Rl,一担羞欝㌢ニK2

pIトlogTJl〔HOO8′〕ヰlog〔H2CO8〕=pRl pH−log工2〔CO8〝j+log工1〔HC・08′ニ〕=pR2 ここでK1,K■2ほ淡水巾では大体水温のみに依存するからpHおよび水源がわかれば,水中の全炭酸盈に対する H2008,HCO8′およびCO8〝の濃度比を求めることができるが,PP アルカリ度(.FheroIFhⅧalein∈一比alinity) をA旨,MOアルカリ度(Methylorangealkalinity)をAnIとすると 〔CO8〝〕・=Ap 〔HCO8′〕=AM−2Ap pH−log(AM−2AP)+log〔H2CO8〕=pKl pH−logAp+log(AM−2Ap)=pK2 故に大気に.さらされている池而が昇期成慣期のごと.く高湿の場合にはCO2を■失い易く,pH値大でアルカリ性が大 となり,これに対して,洪水阿では水圧犬で低温なるにより,CO2保持力が倍加されるに至り,かくして水温成層期 におけるpH成層が生ずる傾向の説明がつくであろうl 次にアルカリ度について測点Nol,No2,No4,No6における鉛直分布の周年変化を示したのがそれぞれ筍 117(a)一(d)因であり,また測点No1について等アルカリ度深般変化を京したのが静118図・であるアルカリ度に. ついては,すでにpHとの相関を換討し,夏季の完全停滞期(7∼8月頃)におけるdataから,かなり高い逆相関が 認められたが,これは主として流入水やかんがいのための取水の影響によるものと考えられ,これまで表示した各ア ルカリ度分布でもわかるように,そのアルカリ度分布が,流入水の胎内における流動状態を裏付けるがごとき様相を

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第11巻 通巻鶴29号(1959■) 舞11トa 図アルカリ度鉛垣分布 とその周年変化(測点No1二) 7 ノし カリ 度】)l)l】 12:3 第117【C図 アルカリ度鉛砥分布 とその周年変化(測点No4.) ア ル カリ 度 ppm〉 第11㌣【b 因アルカリ度鉛債分布 と.その周年変化(測点No2) フ1 ル カ ノ 吐l−」一日) 、什 小” \▲−=ユVlメ 第117−d因 アルカリ度鉛直分布 とその周年変化(測点No−6′) ア ル カリ 庇旬pm) 加 水 攫∵㌫︶ 弟118刃 等アルカリ度深緑変化図(測点Nol‘) 示している.さらにアルカリ 度でも大体典型拍勺な冬季循環 期異にほ.,水温分布やpH分 布とおなじように全層ほぼ均 −・で,しかも年間で最も高い 値を示すが,水温成層期妃は 流入,流動,流出水の影沓を 受けているに.もかかわらずな おアルカリ度の成層が認めら れ,とくに水温躍層を生じた 付近に腰著なアルカリ度の躍 層が生じ,これほ水温躍層と おなじように,やがて循環期 に至りて次第に庶層に押下げ られて行く傾向がうかがえ.る. 以上pH分布と・アルカリ度(全アルカリ度)分布を池内の流動状態と関連づけてみると,pH分布よりアルカリ度分 布の万カミ,その流入,流動水の影響を麒著にうけており,その池水の流動状態を裏付けていることほ注目すべきこと である‖ (b一)密度分布,鉛直豪定座および限界速度勾配について 神内上池に・おけるdensitycurrentの流動状態を検討するにあたり,密度pおよび鉛直安定度Eほ,水質調査でえ た水温針および濁度Tのdataをf臥、て第6報で誘導した抑,㈹伺式から,さらに流体の乱れに.対す安定度を表現する ところのindexとされている無次元盈,すなわちRICHARDSON β餌=β=1−(6()2−36eト47−0.54T)×10−6 α男 再 出 し18)討 出

E=笠=意=((36−12∂)意・0・54昔)×10−6

number Ri(5式)をもとに,一応乱流感襲の限界値 ● Ri=1聖1__旦___二==_且 P(意)2 声(笠)2 (5)再 出 Ri=1(異論もあるが)に対応する限界速度勾配

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香川大学農学部学術報嘗 ユ24

G。;旦を89式から求めて,童として躍層の流動 ∂Z

Gc=(莞亮it=J普 q幼 帝 出 に対する抵抗について考凱た一・この際躍層のごとき密度勾配(すなわち鉛直雉郎=一富)の大なるところを乱 流が通過すると.,密度勾配に抗して運動魔の輸送が行われるから,乱れを絆拇するeneIgyを減少させ,また(5憤‘に

示すRICHARDSONnumbeIRiほ,流体の乱れに対するstabilityを表わすindexと考えられ,鉛直7j向に密度勾配

がある場合これに抗して運動最輸送を行うために瀾貸されるenergyと,これを補う乱れのene柑yとの比率を示す

璃 坦 一に比例する畳でGcが 無次元盈であり,さらにこれをもと.にした限界速度勾配Gcはfrictionvelocity U*=

大となるためにほ,それだけ大きなsheIingstressを生ずる必要があるわけで,池内のある任意部分で乱流交換が

可能か否かの判矧′こ役立つことになろう まず密度分布により弛水流酌状況の変化を考察してみよう・以上一のごとき計算でもとめた密度分布図ほ前掲の策

18,25,32,40,48,56,64,82,90図であり,測点No1,恥2,No−4,No6について密度の鉛直分布とその

第119−b図 密度鉛恒分布とその 周年変化(測点No2) 辞テ 雌 第119−a因 密度鉛債分布とその 周年変化(測点No1) 密 度 d図 密度鉛債分布と.その 周年変化(測点No6) 密 度 09快;0997 0≦駆 0999 】∝り】(沿 第119 ∵ .. ・︰ <>−r 涌 水 深毎 第120図 神内上池における等密度深緑変化図(測点No1) 周年変化をまとめたのがそれ ぞれ第119(a)ノ・叫・(d)囲,さ らに測点No1に.おける等密 度深緑変化を示したのが第 120図と.なるい これら密度に 関する各因をみると,大体濁 度はT=100pp m以下であ り,この程度の濁掛ま密度p に.たいした影響を与えず,第 83図(pとβおよびTとの関 係)に示すように,専ら温度 (β)差によって密度差が塊 宝されるので,池内の密度分 布図や密度鉛直分布あるいは  ̄− フ〒くて∵  ̄… − ̄‥ 番卒部分循環期l 二二 __ 6 7 8 9 4 5 1957年 12 1 1958年

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第11巻 通巻第29登(1959) 125 等密度深緑変化の様相は,ほとんど水渦の場合の・それと.おなじ傾向め成層状態を表すことがわかる小 この際水熟まほ

とんど4〇C(轡敢nax)′以下であるので,水況化密鄭の成暦分凍は逆であり,βは下郡まど喋く′βは下暦ほど大

きいことは当然である.これら密度分布から水温分禰で確認さrわ東襲孝炭剛腫轟ける躍屑(琴1次,第2次)の発

る、全屑物{化の傾向がよくうかがわれ 生,融合,消波状況が明瞭となり,また冬季循環期における循環,※滑 る さて夏季の碑層状態をみる七1成層の発達が良嘩であと・,流水も あり,VeIt画sta嘩ityEが東きいほど,その脇の流動の ほぼ等しい等密度層を捲うこ控転なり。秦として夏季の流入水ほ,判 暦流となることほ当然で へ水は池内のdensityの とく計1次踵層と第2次 躍層の間の等密度層(この場合濁度の影響があまりないから等塩野層とみてよい)に・そってほぼ水平に流れることに なるい この際流入水の水温は,流入彼の減食や熱交換により▲で多少の変動を・生ずるから,その池内における流動厚さ stab∃1ityの高い鮭闇が存在しているとはし は,下流側になる、ほど相当な厚みをもつものと考えられ,また え,流入水が洪水のごとき高速高濁水である時ほ密度成層にあ 水は前逝めごとく地底に沿う これほ地表に達して上流側に density unde如lowと.して流下し,damに達してdam up特′3:{るを

嘩伴流と・しセ海行し,池内縦 向う逆向流と・跨り;;攣が■でノ・d甲a㌍a如nlip咋・達して再び、de毒 ノ′ 断面内大循環を起すことほもちろんのことである さらに第120図でほ,その等密度深緑変化の様相がうかがえ,水温の場合とおなじようにリ 6,7,8月頃の夏季 停滞期,9,助11月頃め部分循環期,1j,1,2′月頃の冬季完全循環瓢 3,‥4:,5月頃の春季部分循環期が明瞭 となっでくる 次に.密度勾配すなわち 鉛直安態度E諾を計算 し,その鉛直分布の周年変 化を示したのがそれぞれ第 iゴ1a図(測点No1),b 因(町民No2一),C図(卿

j 画04),咽(郷原甲0

6)とな各一 この因では貯 水位変化があるのでム応各 鵠121a因 鉛漬安定度の周年変化(測点No1ノ) 109︵バ︶76543210 221111111111 深 さ⊥m︶ 測/り軍

,、■まご賀田乱された鉛直硬

度に.106を森じた値を,

鉛担架帯の巾として図示し てあり,その鉛癖黒帯の肥 大部分が密度勾壁の太さ1、 第121−b閣r銘酒安定度の周年変化憫り点No。2) 嘩層位萄を示すわけセ,こ \ れにより/恵琴停滞雛発 達した第1次, 嘩やミ)L、秋季部分循環期に入 ら・壱融合・し次卿こ地底に押 下げられやがてこれが消滅 して∴冬季循環期には密度 され,再び春先き 地盤瑠近転鹿層が畢生,発 達しセ行く傾向あ頑療とな らてくる

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香川大学農学部学術報望 126 算121−C図 鉛蹟安定度の周年変化(測点No4) 第121−d図 鉛酒安窯度の周年変化(測点No6′) 543210 深さ︵m︶ この際踵層部分の平均鉛直安定度の変化をみると,舞24表に示すごとく,それぞれ8月頃をpeakとして増強, 軽供される傾向が知られ,その躍層総平均は,4月30日(129×10瓜6),6月4日(215×106),7月1日(223×

10−¢),8月7日(407×10−6),8月24日(:373×10−6),9月24日(367×10 ̄6),11月1日(282×10【6),と・なり,

冬季には捉層が消滅し2月3日の池内全域平均では僅か6・5×10 ̄ ̄6となり春先再び躍層発生して3月31日(91× 10 ̄6)と.なっている

次笹Gcについては,Gc=\/普による計算値に104sec−1を乗じた値をもってその緋的な分布図胤9,26,

33,41,49,57,65,84,91因)のみを示したが,これらGcの値の比較に・よりても畳季成層期における強力な各躍 層の存在や,池内における流動状態,郎こほ冬季における循環の模様がよくう なづけることである.たと.えば,第24表から主と.して躍層内のGc平均値をみ ると,鉛直安定度とおなじように春先き発生した第1次躍層のGcは次第檻大 となり,第2次躍層を生じて8月頃何れもmax値を示し,以後漸次軽減され 第122因 Lal【e Meadにおける電 解質濃度mg/1(点線)と鉛蹟 循環(実線)の特性型 (Anderson,P工ichard) でやがて筒躍層が融合し,冬季に至りて底部に消滅春先再び表層にGc値大息 0 る躍層を生じ,これら躍層のGc総平均をみると,4月30日(0”041secrl),6月 50 4日(0.045sec ̄1),7月1日(0‖046secul),8月7日(0”063secMl)・8月.。 24日(0‖061sec−1),9月24月(0.060sec十),11月1日(0.052sec ̄1),3月 m 31日(0.029sec−1)で,これらほ2月3日の池内全域Gc平均(0007sec山1) に比較して次数が1次ほど高く,相当大きい乱れのene柑yをもってしても, 混合ほ行われがたいことを示している. (i)池水の流動状掛こついて 駿後に池水の流動状態をLakeMeadや千苅貯水池に・おける場合を対象に・し で比較検討してみよう. さて流入水による離著な密度流のシステムは,ANDERSON&PRITCHARD(85) (1951)によってCororado河のHoover dam建設による人工的貯水池 LakeMeadで発見されているが,この貯水池ほ不娩則な肢節のある最大巾 に.比して極めて長い形態をなし,その全貯水容盈は1‖64年間以上の流入水盈に ひとしい大規模な貯水池である.いま4季に分類された電解質濃度と弛水の流 動,循環特性型を示したのが第122因となる.これによると冬季間における池 水は水温約100C,電解質淡度700mg/1でほとんど均質であるが,春季は至り て貯水池に流入する水は温暖,稀薄になって水温は約19.50C,電解質濃度は 0 50 1∝〉 nl O 50 100 m \1・−__4(め −−・−−一 500 600【■ ̄‥ ̄●一’ 0 50 1(泊 nl 60 40 20km 120 1(粕 80

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第11巻 通巻第29弓(1959) 127 275mg/Jとなってくる小 さらに暖かとなると濃度の増加で選挙の値に近づくが,典型的な夏季池水でほ水渦24−50C, 儒解澄渡度800mg/ほなり,やがて秋季における冷却により濃度増加を伴い,約19L′Cの水瀞こおいて儒解質濃度は 最高90CIng川こ達するに至る.このように冬季の流入水濫は池水のそれより冷たく濃度はますます高いので,旧河床 勾配に沿って流下し,地表にほい上っで上流向のreturn currentとなり,縦断的な嘩循環を生ずる.r また春季にお いてほ比較的冷い水が池内表面に拡散されその下層においては,上層琉の随伴流にもとづいた循環流が地底近くに 生ずることを推測している.さらに夏季から秋季にかけて−ほ,漸次濃厚になった流入水が,流れの上下において若干 還元循環として,表層下に入ってきた水の流動を誘導するに至る. また合田(4)ほ,千苅貯水池における流動状態を,第123囲に示す・ようにおなじく4型(成層期,成層末期,全循環 期,移行期)に分類しているが,この場合も流域面積93.5km2,有効貯水容最約11,700,000m8,背水延長約8km, 最大水深約33m,水面巾約160ル320mという全体に細長い峡谷型の貯水池である小 この際〒苅貯水池においては成層 期に第1次,第2次躍層が発達し,その筋2次躍層の生ずる位置ほ,夏季の位置を原点と.すると,餓6報第14因に示 したように.一囁の周期函数と.して表わされるとされている… まず真率成層期(6ル8月頃)においてほ,その第1次躍 層の安定度は時期的にかなり差がある(Gc=002∼0‖08sec−1)のに対して,第2次躍闇のそれほ気掛こ関係なく犬侍 一L敢Gc=0.04sec」r)であり,流入水ほ第1次躍層と第2次躍層の問の等密度頓にそってほゞ水平に流れるt成層末 弟123因 子苅貯水池の代表的流状,4態(G6da)

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6月 移行期(循環期 →成層斯) ①,④,(むは流れのCOTれpOnentを表わし,うち①ほ主流を示す 期(9−10月頃)になると第2次躍周の上流端あたりまで池底に.平行に斜め下向きに流過し,籍2次躍同部の安窯度 高い壁に当って方向を転ずるが,この部分で若干の混合,弾!交換が行われ,そのため躍層端のS七abiⅢyが弱まる, さらに全循環期(1レー3月)に入ると,気瀾降下によりその安定度弱まり鉛直蘭内の循環が盛となって池水に比し1 ×10 ̄一4の0Iderで密度の高い流入水は,循環帯の底をほう底部密度流となって流下し,これが表層逆向流となって 弛水と流入水のdernarcation zoneから再び潜行するが,とくに冬季においては,−■厳にGcが低く交換混合が随所 に行われ,この際の密度流は,上昇,7降,回転,底流,表層流,表層逆流,水平流などが同時に存在して,部分的 にバラソスが崩れると異なった流れiこ.移転し,極めて橡雑な様相を示す.次に循環期から成層期への移行期(4∼6 月)においては,気偏の上昇に伴って飽水より流入水が溢暖に・なると流向はやゝ安定化し,表層流がきわだってきて 縦力向の循環は全くみられず,鉛酎昆合も弱まり,結局流入水は日r‥11強い太陽帽射によりて表層に生じた第1次躍層 近くの成層流となり,その下闇に第2次躍貯を生ずるに至る 以上のような内外2例の貯水池流動状態を対象にして,神内上池における池水の流動状態を給指すると,もちろん その流入水盈や流入濁質盗または取水盈の多少にLよって特異な流状を示すことがあるが,外気温,流入水温,池水温 などの相対的関係によって,第124囲のように大胡的に春,夏,秋,冬の4塑に分類できるだろう, すなわち春季から夏季にかけての移行期(3∼5月)には,荒塩が上昇するにつれて流入水温が温暖となり,地表 水温に近づくと表層流が発達して日rl−1強い太陽輯射により表層に塵じた鵠1次踵脛u限付近の成層流となり,さらに

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香川大学戯学部学術載儀 表屠水温の上郷こよりて流入深度も浮くな′って,相 当好みをもった鋳1次躍層が分離しで下層に儲2次 躍層を生ずるに至る.この際縦断的な循環ほ行われ ず,流入水はそのまゝ表層部成層流としてダムに達 する 次に翠季成層脚(6,7,8月)には,額、1次躍 闇の位置および安定度は,貯水位(水深),気脂な どの影野で時期的に相当差があるのに対し,筋2次 躍層ではあまりその影響を受けず;こ.の際の流入水 は通常第1次躍層と賂2次躍層め問め等密度(等温 度層とみてよい)に∴そってほゞ水平な成層流としセ 流れる さらに叔軍部分循環期に入ると水温低∴1とや貯水位 変動によりその弟1次躍層が下降して鶴2次躍層と 融合するが,この際の流入水は,融合Lた垂躍層の 上流端付近まで地底にそ・った潜行密度琉として流下 し,このSl早坤ityの高い主躍頓に達して力向を転 じ,躍層の上限付近を婚ゞ水車に流下してダムに達 しdaTnUpして縦断方向?循環を起す・この際垂 とレて躍層」二流端では欝干流入水とゐ混合,熱交換 が行われ,そのため躍層端わs碑bi1年yが弱まり, 卓躍層が次掛こ押下げられ,ヰヵミニて冬季循環期に入 り消滅するに・至る L やがて冬季循環期に.入ると,東海降下により stabilityが弱まや,女中躍層も全く消滅してG。は 低くpもほゞ均一・であるから鉛直海内の循環盛とな り,交換混合が容易に行わ粗,dqnsitycur工ellt も上勇,下降,回転,表層流,底流,逆向流,水平 流などが同時に存在するがごとき極めて復雑な流状 を示すことが推察される また,主として春秋部分循環斯や夏季成層期にお ける高速高濁流入水は, 地底をはう1u中dily density underflowとしてダムまで達し,これが 由mupされて地表まではい上っで上流向の逆向流 128 第124囲 神内上池の流動状態 キt,てdemarcationl阜neまで達し,再びdensま1・yanderflowの随伴流として潜行するがごとき,縦断訪向の本 楯罪過琴をたどることは前述の通りである‖このような池底勾掛こそって流下するdensitycu工Ⅰentの ̄戯即存在に つゝ このような流れほ,鼠季停滞期にイオ・ソ物質が多盈に境入され,還元過程に作用する時発達することになろう 一版に,湖沼の湖底軋上二においてほ.02が減少し,NH4,Fe,Mnが激増していわゆる底成層(mud中有機物P酸イヒ 作用のため水中の02を吸収し,CO2,HCO8′,Fe…,Mn‥などを出すことによって生ずる化学成層)を形成するの は,、mudヰーの有機物の酸化のために02が消費されて無酸素状態となった時に,N,Fe,叩nの酸化物の酸化還元電位 が有機物の.それより小さいキめに還元されて溶出し,湖水叫こ戻るのを意味しており,この際mud中?水酸化鉄, 水酸化マソガンは還元されてFe…,Mn…となり,SO1〝ほ還元されてH2Sを生じ,封02′,NO8′は還元されてNK4● となるわけである.いま香川県下のかんがい用貯水池を対象にした玉置による弛泥の研究によると,pHは3・4′・ノ6小5 (平均5小2),全酸度は4.2∼86.3(平均28∴3)で酸性反応がかなり強く(8$),灼熱損失盈は3り3L7∼1フ、16(平均9.一23)

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弟1も巻∼通巻第29噂(1959) 129 %,隔絶藍は1.02′一1179(平均4.6)%,炭素盈ほ0nS9∼684(平均2…マフ)・%,会窒素盈ほ0\・136ナ0929(平均 01姶3二)%で水田土壌匿比してそれぞれ多く,その教案率C/Nほ宥02′−9。83(平均フ..04)で狭い傾向にあり($7),′針た 全置換性塩基盈ほユ、.38∼12126(平均5.ト48)ノ血g当盈藩閥楷念塵との関係から池泥は塩基に不飽和の状態港おるとい う(号§).さ、らに陽イオ・ゾ置換容量ほ12..91・′も′28…\78ノ(平均21…49)mg当患であり塩基飽和度はS52′−76117・(平均29;66) %で吸収塩基に乏しいものが多く,また水溶性硫酸盈ほ.0032∼0.564(平均0.234)%で,池泥の酸性反応の旗Ⅴこ\駄 因め」J・二・ら、と心て水溶性硫酸め多いことを澄げている(89)、.この際炭素率の逆数ほN/C≠0一.1.38となりiこれな∵ブラブタ トンのN/C平均値0.18や,わが国湖底堆積物のN/C平均値0い11などの値(42)から考え.ると.,ノ湖沼で一厳にみられるご とソく考の池水庫への回帰速度ほ窒累の一カが炭緊より速やかであることが推察でき、る また太田(9?)めかんがい用山池(奈良市,地嶽谷池)を対象に∴した水質鉛臆分布調査によると.,NH4、∴N,NO占 N,喜 P206,K20,CaO,SiO2,Clなどの各層成分最の差は僅少であるが,Fe203やSO4′などは相当鉛酒澄を示し;と\く に鉄,硫酸についてほ深層付近で急増する傾向を確認し,化学脚暫1(底成層)の存在を暗示しそいる √ 漆調査においてほ,これら池水または池泥の無機塩類調査ほ行おなかったが,前記dataやそゐ他香川痕下貯水池 に関する池泥や池水調査資料(929き94)などから考え.ると.,当神内上池匿・おいても,と.くに夏季捌覿阿東いて,池底 付近′こ化学的底戎層が存在し,この層においてとくに照度が高かったことは疑いなく;d6nsi七yunde圭flowめ発達 には,この池滝からの溶解働層の拡散と.,流入イオン物質の関係が多分に影響してい恵ものと湾え.られる

\ 本研究においてほ,水温0と濁蜜丁資料をもと.にして池水密度Pを計算し,鉛鳩安定嘩E,限界速壁勾配Goの計算

に厳し,池内?流動状脚こついて論じたが,今後は溶解物腰濃度も考窟した主と・して化学的密度流開脚こついて検罰 し六こい Ⅴ 結 p 算者ほ,かんがい翔貯水池の唯妙に関する研究の1部として,秦として浮流物腰の沈澱堆積機構に・露要な関連を、も っ密蜃流問題をとりあげ・,これに関する貯水池調麿や水瀾艶験を待った“これまで第5−10掛こわたり毒とノして香川 県の神内土地を夷象とした各砥の観測調査結果について逐次考察してきたが,水柑試験や環境別貯水池のdbns主ty 。。:董ientbedsの浄性などについては後日新ためて険罰することとし,今回ほ神内上池に・関する実測緒巣の襲約を試 み\よサ.さ、で実測対象とした神内」一泡をわが国現存貯水池からみると,渓流を土堰像で直接堰止めたものであるがら 巌も普通の塾に属するものであり,またその貯水容盈,流域の地形,咄凰渓流盈,水葦などをみると,わが国にお ける他の発硯,上水潰たはかんがい用の嵩堰堤などと比唆して小規模ではあるが,当否川県内に古くから数多く分布∴し ているかんがい用貯水池のうら、では,むしろ大規模なしU他に隠するものである・・また気温や水温の周年変化ほ年によ り多少異なるが,亜熱帯塾の浮湖のそれ軋似ており,その探水屑の水源ほ年間を通じてほとんど不敗であり,、−しかも 水源踵層の変戯順脚が1年であることなどを考え合せると,わが国や欧米の代表的貯水池のそれと大体おなじと考え られる。最大水深(約23m)や平均水深はト香川県下のかんがい用貯水池ゅでほむしろ浬い乃に執し この水際や背水 延昇(約1いユk血)に此して巾は狭く(最大巾約200m)細長い峡谷塾の貯水池(窪み度0114)であるu 以上のごとぐ 神内史.池は・−厳にありふれた貯水池の一つであるといえるが,′香川県下のかんがい用貯水池聯か\らみ\ると密度流観音肛 に最も適した貯水池といえるだろう・いま,主として神内上池を対象とした観測網恋および考察を通じて明らかに.さ れたとLこぢの重要事項を列挙すると,大体次のようになる (1)貯水池の竣投を支配する因子から神内上池を換討すると√,垣援土砂給源となる流域面債(85地a)はそ・の満水両 税(8.フ38ba)の約100倍にあたり,C/A比(0‖0フ4847)やC1比(0・244)は,ともにわが国発電用ダムの′坪均値( C/Aニ0052537,C/Ⅰ=0,411)とorderがおなじ七大体近似しているlまた流域地層ほ受蝕性高い花崗岩風化土鰊 であり,蘭械の地形は平均勾配Sニ0.294で相当急峻な山地雅域をなし,HoRTONの形状係数は天満川でFニ0..j∼0 8の範囲にあり相当大きく,縦研勾配も急であるこれをわが国−■磯に埋没速壁の著しい発電周ダムに比較したら, その規慎も′J、さく山∴㌫矧星型埋没捌く也に・相当す−るが,当酬巨県内かんがい用貯水姐降車では,−一腰に碓妙に史る 埋没危険性の大なる貯水池と考えられる

(2)流域の水文調敷こよると,その流亡土砂の主環困となる畢‡両条件は,大体winter dry,Summer Wetの傾向を し,降雨盟の季節分祁をみると6,7月頃の椀雨脚および9月頃の台即捌こそのpeakが∼日硯,この限劇場絶如輝こ侵蝕 性危険降雨(限界強度2mm′101Ⅵin以上)が叔発して,流出慮,流出率(年間平均371・4ヲ乙)したがって貯水池流入土

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香川大学農学部学術報償 ユ30 砂畳もこの頃peakを示すことはいうまでもないい (3)神内上池における密度成層(またほ水深成層)の発達,消滅の周斯は,春季部分循環期,鼻季停滞期,秋季部分循 環期,冬季完全循環期の過程をたどって規則的に1年であり,同様な環境にある亜熱帯型の深潮に似ているが,夏季 成層期には麒著な籍1次,第2次両躍層が発達し,秋の躍階下降期や,蓉の表層成層期には,とくに.流入水の影響に より遷移速度を早めるい ㈲池内における流動状態や躍層の抵抗を換討するに当りては,誘導された次式から,水温βおよび濁度Tなる観測値 巧灯ニP=1−(6♂2−・36♂−47→0い54T)×10{ ̄β をもと.にして密度Pを求め,さらに流体の乱れに.対する安定度を襲わすindexとしての鉛店安定度EやRICIiARDSON 数RiJまたは乱流交換の可否判断に役立つ限界速度勾配Gcなどの計算に資したが,それぞれ次式から比較的正確に その流動状態を究明しえた.

E=掌ニ・笠=‡(36−12β)意柏54意〉×10←6

二二」 ., Ri

Gc寸芝)。tit蒜ノ草

(5)池内の流動伏態は,流入水盈や流入濁質義・または取水盈の多少により将異な流状を示すこと.もあるが,大体外気 温,流入水温,池水温などの相対的関係によりて春,盈,秋,冬の4型(鵠124図参照)に分瀕できるだろう“ (6)春先き部分循環期に・おいて表層瓢′こ塵じた第1次躍層(主躍闇)は,夏季停滞具酎こ入りて下層に・第2次躍層を分 離,発達し,秋各部分循環卿こ至りてこの両躇層が融合し,やがて地底に押下げられて消滅,冬季循環期には密度 (またほ水温)均一化の傾向を示すが,上層部の第1次躍囁(分離,融合前後の主躍層を含む.)の位静や安定度が, 気温や流入水温または貯水位昇降によりて著しく変動するのに対して,下層の鶴2次踵層の位置,安嚢魔の変動は比 較的少く簡慢である・この躍層部鉛痘安登度は,一腰に・下層鵠2次躍闇より上層弟1次踵層の力が強く,またその 値ほ探さ1m当り10【4(c,g,S)の0工deTを示して,躍岡部以外の襲水屑,深水屑またほ冬季均一層のそれ(10 ̄∂∼ 10−6)に比して0工de工が1∼2次ほど高くなっており,この躍同上下で行われる混合作周,運動盈交換,物質交換を 妨げてし、る・ (7)貯水池の上流側(流入口付近)や下流捌(ダム付近)においては,流入水や二硬水またはdensityunde=fb〝の damup現象などの膨執こよりて,将異な水温鉛碕分布を示すことがある春秋の部分循環期のごとく流入水と弛 水の温度董カミ大なる場合には,池水と流入水の混合帯に流入口密度流が観著に現われ,またダム付近において1時部 分的に逆列成層を示したり,ダム内法面にそった等温線を示したり,さらに鵠1次,第2次両雄闇の鰍合がダム村近 から始まるというような現象ほ,damupによる循環流や取水などにより惹起すものと考えられる. (8)池水の流動状態は,季節に・より場所により変動するが,春秋の部分循環期や賃率成層糊匿おいては,しばしば強雨 がもたらす洪水の襟の高速高濁流入水が,池底凌はう de工王Sityu王1derfiowとして流下し,これがダムに達し,daI刀 u.pされてStability高い躍層の抵抗により若干』凸を示す内法面にそった⊥向の洞濁成層流として地表まではい上 り,これに吹送流の影響も加わり上流側に向う逆向流となり,これがdemaTCationline に達して再びdensity unde出lowの随伴満として潜行するがごとき,いわゆる縦嚇面内大循環に・よって清澄池水と.の混合拡散が行われる 実態を確認しえた・ (9)前項に示すような,瀾濁密度流にもとづく縦斬領内大循環ほ,鉛砥混合と共に上下流の水質を均一する作用をなす が,減水期貯水位低下時に・おける高速流入水は,上流側露柑の新生沈澱物や池底付近の半浮遊状態のSedimentを屑 び洗掘,浮遊する傾向を示し,これが循環流により運搬されて池内全域に拡散されるが,この事実はtuIbidity densityunderflow放出による阻止率憧戯の可能性を示すことになろう (吋密度分布におよぼす濁壁の影響ほ,′r=100ppm以下では専ら瀧既設によりその怒壁差が規髪されるから,成層期 にはほとんど間親にならないが,循環期(とくに冬季完全循環糊)においては池内の理化学性が全曙ほゞ均一・であ り,水温傾壁も小さいから,僅かの濁度芸茎で密度のバラン十スが破れる不貞定な状態(たとえば,2月3日の例では, 水温傾度平均0.16つCで小さく,濁度差杓8pp,ml乳Lでも密壁Pの熟ま10−・6から10h5のorderになり迫ちにバラyス

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