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§10 屈折の法則、反射率と透過率を表すフレネル(Fresnel)の公式

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(1)

理科大応用物理学科教授 工学博士 石井行弘著

2010.11.30

2 次の非線形分極は、 2 ) 2 ( ) 2 ( ( ) ~( ) ~ t E t P  となり、(80)式を代入し、

    

 (2) 2 2 2 2 ( ) ( ) (2) ) 2 ( ( ) 2 2 . . 2 ~ t E e 1 E e 2 EE e 1 2 EE e 1 2 cc EE E E P1 it 2 it 1 2   t 1 2   t1 1 2 2 2 2 2 1 2 1 2 2 1 1 となる。非線形分極から以下に示す新たな光が発生する。 2 1 ) 2 ( 1) 2 ( E P    (周波数1の2 倍高調波が発生する。) 2 ) 2 ( ) 2 ( E P   (周波数2の2 倍高調波が発生する。) 2 1 ) 2 ( 2 1 ) 2 ( EE P     (和周波数12が発生する。)    ) 2 (2) ( EE P    (和周波数12が発生する。) ) ( 2 ) 0 ( (2) E E E E P  {静電界が結晶中に発生する。光整流(optical rectification)} となる。  問題 光パラメトリック増幅について、 上式の和周波数 3=12 のように、高い周波数3 のポンプ光から低周波数 1(信号光)と2(アイドラー光)へとパワーが流れる。この信号光を増幅するレ

ーザー装置をパラメトリック増幅器(optical parametric amplifier、 OPA)という。

このパラメトリック増幅の複屈折を利用した位相整合条件(角度位相整合)に付 き記述しなさい。 §10 屈折の法則、反射率と透過率を表すフレネル(Fresnel)の公式 とブリュスタ(Brewster)の法則 マックウェルの電磁方程式を用いて、屈折率n1の媒質からn2の媒質に光が入 射する際の振幅反射率、振幅透過率を求める。反射率、透過率は光の偏光に依存 するので、図34 は、紙面内に振動している光電界を p (parallel)で、紙面に垂直

(2)

に振動している光電界をs (Senkrecht) と表す。また、電界の添え字は、入射の 光電界は1、屈折光は2、反射光は3 と表す。入射角は1、屈折角は2、反射 角は3である。媒質の境界の入射側、反射側の電界は等しいので、p 偏光の電界 は(83)式が成立する。 図34 境界面における入射,反射と屈折 x x ik p x x ik p x x ik p e a e a e a 2 2 2 3 3 3 1 1

1 cos   cos   cos  (83)

(83)式の波動成分が等しいことにより、電界振幅の境界成分が等しくなる。よっ て、 x x ik x x ik x x ik e e e 1  3  2 (84) が成立し、位相成分が等しいことから位相整合条件(phase-matching condition)と 呼ばれている。(84)式の第一の式と第三の式が等しいことから、k1xx=k2xx すなわ ち(2n1sin1/)x=(2n2sin2/)x が成立し、屈折の法則の関係式

(3)

n1sin1=n2sin2 (85) が成り立つ。この屈折の法則は、スネル(Snell)の法則とも呼ばれる。同様に、(84) 式の第一と第二の式から反射の法則 1=3 (86) が成立する。 電界振幅 a3p,a2pの2 変数を解くため、もう一つの方程式が必要となる。光は横 波で、電界と対となる磁界の方程式を導出する。(83)式から波動インピーダンス Z を用いて、(84)式の Ex成分からz 成分の Hz成分へ変換する。マックスウェ ル(Maxwell)の電磁方程式のうち、磁界の時間的変動が電界の空間的変化を表す 方程式は、 ) rotE ( t H    (87) となる。これより,平面波の場合,E=|E|exp{j(kr - t)}, H=|H|exp{j(kr - t)}を (87)式に代入し,jk, /t-j の関係式が得られ E k H   1 (88) が成立する。ここで,k=を用いると、(83)式に相当する磁界の方程式は、 z z ik p z z ik p z z ik p e Z a e Z a e Z a 2 02 2 3 01 3 1 01 1  ()89) なる。ここで空気中の波動インピーダンスは、 0 1 0 1 1 1 1 01 1 1 1           n Z r とな り、0は真空の誘電率でn1は空気の屈折率である。波動インピーダンスZ02は、 0 2 02 1   n Z となる。磁性物質がないので1=21 としている。 纏めとして、あらゆる x, z について、電界についての(83)式と磁界についての (89)式が成り立つための位相整合条件が成立する。よって、反射の法則が導 出される。

(4)

以下の境界条件(i),(ii)は、(83)、(89)式の境界の接線成分の連続性から成立され ている。改めて、金属面と誘電体境界面で記述する。界面(interface)における境 界条件(boundary condition)は、 i)金属の境界面では、電気伝導率を=∞であるので、抵抗が R=0 と見なして良 く、電位差は0 となり結果として電界は 0 である。式で書くと図 34 を参考に Ex(y)y=0=0 (90) と記述できる。ただ金属の内部には光は入らないので、金属面の光の反射に適用 するときに使用する。本章で扱う Fresnel の公式の導出には、透明物体の反射や 透過を扱うので、 ii)誘電体(dielectric material)境界面での境界条件は、誘電体すなわち絶縁体表面で は、電流は流れなく i=0 であり結果として電位差 V は 0 となる。このことを線 積分で書くと、Ex

 

ydl0であり、図34 の境界を拡大した図 35 に従い、

 

ydl a a y a y 0 Ex1p3p   2p    が成立する。 35 電界の境界条件(線積分のループ図) (86)式の1=3 を(83)式に代入すると (a1p-a3p)cos1=a2pcos2が導出され p 2 1 2 p 3 p 1 a cos cos a a     (91) となる。Hz成分について、(89)式から

(5)

2p 1 2 p 2 2 2 1 1 p 2 02 01 p 3 p 1 a a a Z Z a a           (92) となる。 (92)式は(85)式のスネルの法則を用いて、

p p

p a p a p n n a a a 2 2 1 2 1 2 2 1 2 3 1 sin sin       (93) となる。(91)式と(93)式から

1 2 1 3 2 1 1 3 2 1 2 3 1 2 1 3 1 sin sin 1 cos cos 1 sin sin cos cos                                p p p p p p p p p a a a a a a a a a (94)

となる。=a3p /a1p, C= cos1/cos2, S= sin2/sin1とおくと、 (94)式は、

(1-)C=(1+)S から(S+C)=C-S となる。この関係式から p 偏光の振幅反射率 rp、

rp=a3p/a1p は、(95)式になる。最後の結果は小角度近似(small-angle approximation)

である、cos1, sin. tan を用いている。10º 以内の角度で sintanが

小 数 点 二 桁 目 で 一 致 し て い る 。 因 み に 、 º で 、 sintanである。

 

 

 

 

 

 

1 2 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 2 1 1 2 1 2 1 2 2 1 1 1 3 p 1 2 2 1 2 1 1 2 1 3 tan tan cos cos cos sin 2 2 1 cos cos cos sin 2 2 1 cos cos sin cos sin cos cos cos sin cos sin cos r sin sin cos cos cos cos sin sin                                                                                 p p p p a a a a (95) (91), (92)式から、

(6)

2p 1 2 p 3 p 1 a cos cos a a     p 2 2 1 p 3 p 1 a sin sin a a     の両辺の和を取り、 p 2 2 1 1 2 p 1 a sin sin cos cos a 2             が成立する。これからp 偏光の振幅透過率 tpは、

1 2

 

1 12 2

1 22 1 2 2 1 1 2 2 2 2 2 1 2 2 1 2                      cos sin sin cos sin sin sin cos p p p a a t (96) となる。(92)式から p 1 p 2 1 2 p 1 p 3 a a n n a a 1  が成り立ち、p 偏光の振幅反射率と透過率の 関係式が p 1 2 p t n n r 1  が導かれる。 スネルの法則の小角度近似を用い、n11=n22となり、反射率rp, 透過率 tpはそ れぞれ、(95)、(96)式は(97),(98)式となり、入射側と屈折側の屈折率のみで表すこ とができる。

2 1 2 1 1 2 1 1 1 2 1 1 2 1 2 1 2 1 2 1 1 3 n n n n n n n n a a r p p p                           tan tan (97) 2 1 1 1 2 1 1 2 1 2 1 2 1 2 2 1 2 2 n n n n n n n a a t p p p                 (98) s偏光については、図34 の入射面と屈折面での境界の z 方向の光電界が等し いことから、a が成立する。ここで、位相整合条件 より波数の関係は k1z=k3z=k2zである。z 方向の光電界に対して、(89)式の導出と 同様に x 成分の磁界成分に変換し、 z z ik s z z ik s z z ik se 1 a3 e 3 a2 e 2 1     

(7)

x x ik s x x ik s x x ik s e Z a e Z a e Z a 2 02 2 2 3 01 1 3 1 01 1

1 cos  ( cos  ) cos  となる。

上式の2式を用いて、a1sa3sa2s, n1(a1sa3s)cos1n2a2s cos2 (99) となる。s 偏光の振幅反射率 rs, 振幅透過率 tsの関係1+rs=tsが成立する。 s 偏光の振幅反射率 rsと振幅透過率 tsは、(97),(98)式から

p s s s nn nn r n n n n n n a a r                              2 1 2 1 2 2 1 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 2 1 1 3 sin sin           (100)

p s s s n nn t n n n n n a a t                 1 1 1 2 2 1 1 1 2 1 2 1 2 2 1 1 2 1 2 2 2 2 2          sin cos sin (101) 小角度近似の基で成立する。 これまでは、光波が媒質1から媒質2へ入射している。以下は、媒質2から媒 質1へ入射したとする。媒質1から媒質2の p 偏光の振幅反射率は(95)式で 与えられ,媒質2から媒質1への境界で反射したときの振幅反射率rp’は,

p 2 1 1 2 ' p r tan tan r         となり, rs=rs が成 立する。よって,疎から密の反射は,の位相 を伴うことを表すr = - r が成り立つ。 p,s 偏 光に依らず成立する。(96)式の振幅反射率 tp と媒質2 から媒質 1 への入射したときの振幅 透過率tpを用いると, tp×tp+rp2=1 となる。 問題10.1 tp×tp+rp2=1 を導出しなさい。 p 偏光の上記の等式が s 偏光についても θ B=56.3 (n1=1.0, n2=1.5) 図36 振幅反射率 r と透過率 t の変化 ts×ts+rs2=1 として成立する。p,s 偏光に共通な エネルギー保存則である tt’ + r2 = 1 (102) が成立し,これをストークス(Stokes)の定理と呼ぶ。(102)式のストークスの定理 は,§5.1 で記述した繰り返し反射干渉計の干渉強度の計算に利用されている。

(8)

ブリュスタ(Brewster)の法則は、 入射角と屈折角の関係が、 2 2 1    であるとすると、(97)式から (103)

tan ( )

0 2 tan 2 1 1 1                         p r となり、p 偏光の反射率 rpが0となる。 この入射角1 をブリュスタ(Brewster)の角 度Bと呼ぶ。(100)式の振幅反射率 rsから図 36 のB=56.3のとき、rs=-cos2B=0.38 とな る。(85)式のスネルの法則から B B B n n n n     cos 2 sin sin sin 2 2 2 2 1          θ B=52.4 (n1=1.0, n2=1.3) 図37 振幅反射率 r と透過率 t の変化 が成立し、この関係式から tanB=(n2/n1) (104) となる。n1=1, n2=1.5 とするとブリュスタ 角は、B=56.3である。 図36~38 は,媒質 1 から媒質 2 へ入射し た際の入射角θに対する反射率rp,rs 透過率tp,ts の計算結果を示す。各図は、 媒質1 は空気であり、媒質 2 の屈折率 n2 が異なる。 いま(97)(98)式を用いて垂直入射の反 射率、透過率は、 n1=1 n2=1.5 として、

0.2 5 . 1 0 . 1 5 . 0 2 1 2 1         n n n n r rp S

1 0.2

0.8 5 . 1 1   S p t t となる。 問題10.2 1)ガラス板を n 枚重ねた積層偏光子の s 偏光の強度透過率は、一枚のガラス板の 強度反射率を rS2とし、くり返し反射がないとすれば、(1− rS2)nであることを導 きなさい。ここで、一枚目のガラス板への入射角は、ブリュスタ角B=56.3であ 図38 振幅反射率 r と透過率 t の変化 θ B=63.4 (n1=1.0, n2=2.0)

(9)

る。ブリュスタ窓を使用しているので、p 偏光の射出光となっている。 この積層偏光子を図22 で示すレーザー共振器のブリュスタ窓(Brewster’s window)に適用すると垂直入射に比べ反射ロスがどのくらい抑えられるか計算 しなさい。 問題の解答 1) ブリュスタ角Bでガラス板へ入射しているので、rp=0 である。一枚のガラス 板の強度反射率をrS2であり、単位強度 1 の光が入射しており s 偏光の透過強度 は 1- rS2、2 枚目のガラスの透過強度は、(1-rS 2)- (1-rS 2) r S 2 =(1-rS 2)2となる。 よって n 枚のガラスの透過強度は、(1− rS2)nとなる。ブリュスタ窓つきガラス レーザー管の多数回の反射、透過により s 偏光の強度透過率(1− rS2)nはほぼ 0 となり p 偏光成分が取り出せることになる。s 偏光の強度反射率は、一回の反射 で rS2、2回の反射で(1− rS2) rS2、n 回の反射で(1− rS2)n-1 rS2となる。たとえば、 n=5 で強度反射率は 0.078(rS2=0.15、図 36 参照)である。 ブリュスタ窓の採用は、 (102)式からn 回ブリュスタ窓を透過した p 偏光の 強度透過率は(tp×tp)n=(1- rp2)n =1 (rp2=0)であり 1 となる。p 偏光のレーザー光は反 射ロスが0 で効率よく励振される。上述のように s 偏光の強度透過率は(1−rS2)n は、ほぼ 0 となっている。 p 偏光のガラスへの垂直入射の強度反射率を rp2とすると、単位強度 1 がガラ スに垂直入射すると強度透過率は、tp×tp=1- rp2 =0.96 (rp2=0.04、図 36 参照)で 反射ロスが 4%生じている。n 回の強度透過率は、(tp×tp)n=(1- rp2)nとなり、例えば n=5 で p 偏光の強度透過率は 0.82 となり、反射ロスは 1-(tp×tp)nとなり18%とな る。レーザー光の励起が効率よく行えない。 2)ブリュスタの法則、 2 2 1    を、 使用して、 2 2 2 1 2 2 2 1 n n n n rs    が成立することを示しなさい。 §11 全反射 図39 に示す(x,z)座標系で、スネルの法則から 1 2 1 2 sin sin   n n が成立し、屈 折率n1>n2の媒質から入射すると,屈折角が90°(=2)になる入射角cが存在する。

(10)

よって、 c n n     1 sin sin 2 1 2 が成立し入射角c を臨界角(critical angle)という。た とえば、ガラスから空気中の入射の際 c=41.8となる。この角度が、全反射角 で、c以上の角度で入射すると反射ロスがなく100 パーセントの反射率で反射さ

れる。この現象を全反射(total internal reflection, TIR)という。光ファイバー中の 伝播において、コアのガラスとクラッドのガラスとの反射に使われている。また, 光導波路(Optical Wave Guide)内の誘電体境界の反射に利用されている。

11.1 エバネッセント(Evanescent) 波

z

図39 は、n1›n2のとき、ガラス(n1=1.5) から空気(n2=1.0)へ入射した場合を示 している。 全反射を起こす臨界角以上の入射 角1は、1cであり、sin1sinc よ り sin sin 1 2 1 1 2 1 c n n n n が成立する。媒 質n2側のcos2 は、 ) ( 1 sin sin 1 sin 1 cos 1 1 2 2 2 1 1 2 2 2 1 2 2 2                         iQ n n i n n (105) 図39 全反射における臨界角c となる。 (105)式から、n2の媒質側のcos2は純虚数の値を有する。 臨界角やブリュスタ角は、n1=1.5, n2=1.0 で、臨界角c=41.8であり、ブリュスタ 角 B=33.7である。 そこで、全反射において光エネルギーは空気側の n2側に入っていない。n2側 のz 方向の電界 E2は、振幅をa2として、

E2(r,t)=a2exp[i(xk2sin2+zk2cos2-t+2)]

=a2

 

                   1 2 2 1 2 1 2 sin t n n xk i exp Q zk exp (106) である。ビーム幅のx 方向の界面に進む平面波は、expixk2sin2 であり、減 衰しない波であり進行波となる。 n2側には、境界面に沿ったz軸方面に進む進行波が存在し、振幅は境界面から

(11)

離れるにつれて指数関数的に急激に減少する。これを、エバネッセント波 (evanescent wave)という。 臨 界 角C に つ い て 、 c 1 2 sin n n   が 成 立 し 、 臨 界 角c 以 上 の 入 射 角1 は 1 sin sin c 1   である。図40 に示す z 方向の エ バ ネ ッ セ ン ト 波 の 振 幅 で あ る exp(-1)=0.37 の伝搬距離 z は、(106)式か ら1 2 2

 

1   Q n z  となり、

 

1 2 2   Q n z (107) となる。ここで、入射角1 が 50で Q=0.57, 1=70とすると Q=0.99 となる。 1=70の入射では n2側に z/6 浸入し ている。    2 1 2 1 ) ( 2 1  nQ を満足する入射角1 は1=42.5であり、z程度浸入している。 図 40 z~の場所で、n2側の空 気側に滲みだしているエバネ ッセント波の振幅は、n1側の振 幅の37 %である。 エバネッセント波は、波長程度の伝播 距離で消滅するので、非伝播光と呼ばれる。1ミクロン程度の伝播であり、回 折の影響が少ない。光のビームスポットは、回折限界で決まる大きさのスポッ ト以下には絞り込めない。ところがエバネッセント波は、わずかな伝播距離に より回折の影響が少なく、数nm のスポットの光を取り出すことが出来る。エバ ネッセント波の光である近接場の光を扱う光学を、近接場光学(Near-field optics) と言う。これを利用し滲みだした光の強度を一定にトレースすることにより、透明位相 物体の表面形状の測定ができる。この光学装置のことを近接場顕微鏡と言う。 光ファイバーでは、コア(core)とクラッド(clad)との境界を全反射により光が伝 播する。図40 に示すように n2側をクラッド部と見立てればクラッド部を迂回し て反射しており、入射角1 に依存して反射光の位相が変化する。この迂回し境 界に沿って推移した後反射される現象をグース・ヘンシェン(Goos-Haenchen)シ フトと呼ばれる。 11.2 エバネッセント波を応用する光学素子 図41 は、ブリュスタ入射角とエバネッセント波を用いる偏光ビームスプリッ

(12)

タ、(Polarization beam splitter, PBS}を示す。境界の誘電体多層膜は、半波長の厚 みを何層も重ねて蒸着したもので、問題 10.2 に記述した積層偏光子となる。ブ リュスタ角で入射する s 偏光は積層偏光子の個々の境界面で少しずつ反射を受 けて減衰し、p 偏光は反射ロス無しで透過する。p 偏光の直線偏光の光を透過す ることができ、空気層はエバネッセント波が生じている。空気層におけるエバ ネッセント波のパワーが半分になる距離に誘電体多層膜を置き、ビームスプリ ッタとしての透過パワーとなる。反射は、s 偏光となり入射パワーの半分が反射 される。 図41 偏光ビームスプリッタ、 は p 偏光、○・は、s 偏光を表す。 図42 は、誘電体多層膜を蒸着していない偏光依存のないプリズム・ビームス

プリッタ(Prism beam splitter)を表す。キューブ・ビームスプリッタ (Cube beam splitter)とも呼ぶ。ビーム・スプリッタ間隔は、半波長程度の厚みであり、屈折 率が入射側のガラスと同じであるガラスと接すると波のエネルギーのおおよそ 半分が透過し、半分は反射される。 近接場光を容易に説明できるものに全反射現象がある。この時に境界面への 入射角を深くすると、光は透過せず、すべて反射される。まず、図43 に示す光 学系によりプリズムへの入射角を全反射角に設定する。 次に図 44 に示す光学 系を組む。このとき、プリズムと計算機ホログラム(Computer-generated hologram, CGH)間の距離を光源の波長程度にしなくてはならないため、プリズムと CGH 間は屈折率マッチングオイルであるキシレンにより圧着させてある。これによ り滲み出したエバネッセント光が再生光となり CGH へ入射し、CGH の再生像 をカメラにより撮影した。図45 に再生像を示す。

(13)

図42 無偏光キューブ・ビームスプリッタ 図 43 直角プリズムを用いる全反射 光学系 図 44 直角プリズムのエバネッセント波 が計算機ホログラム(CGH)の再生光 図 45 図 44 の光学系を用いるエバネ ッセント波によるCGH の再生像

(14)

エバネッセント波を用いる指紋センサーは、図46 で示すように、指紋を 45 度 プリズムに押し付けて表面に沁み出しているエバネッセント波は散乱を起こし、 反射センサー上に弱い光が届く。よって、2 次元 CCD(charge-coupled device)セン サー上に指紋のパターンが生ずる。 それ以外に、45 度プリズムの表面に微小な細菌等を拡大結像するための全反 射顕微鏡への応用がある。 指紋(finger print) エバネッセント波 2 次元 CCD センサー 弱い 強い 図46 エバネッセント波を用いた指紋センサー 問題11.1

全反射の際のエバネッセント波の cos2 は(105)式で記述でき cos2 =iQ(1)を

(95)式の rpと(100)式の rsに代入し、rpexp(-ip), rsexp(is) とおけば、 それぞれの位相が ) ( sin cos 2 tan 21 1     Q N 1 1 cos tan 2   pNQ 1 1 cos tan 2     N Q s になることを示しなさい。ここで、N=n1/n2である。 この位相差=p-sとすれば、 問題11.2 となることを示しなさい。

(15)

この結果から全反射によりp 偏光とs偏光との位相差が生じる。屈折率 N と

全反射入射角1を選ぶことにより、の位相変化を与えることが出来る。こ

の偏光素子は、反射を使用しているので波長に依存せず色消しの位相シフター achromatic phase shifter)を構成している。図 47 に示す菱形(rhomb)プリズム内の 2回の反射により位相板を実現したプリズムをフレネルロム(Fresnel rhomb) という。 図 47 フレネルロム。垂直入射で i1=47°52´ (n=1.516, BK7)の2回の反射 で,p,s 偏光の位相差が/4+/4=/2 となる。色消し(achromatic)の四分の一波 長板である。 §12 偏光 (Polarization) x z y Ey Ex 図48 二つの電界振動面 Ex,Ey を表す。

(16)

光波は、マックスウェルの2階の微分方程式に従われ、2根の解を有し、こ れらが電界ExとEyを示していることになる。この二つの光電界が

( ) exp ) exp( ) , ( x y x y x t kz i i A A E E t z E               

(108) となり、Ex,Eyについて解き、光電界の軌跡を表す式は、   2 2 2 sin cos 2                  y x y x y y x x A A E E A E A E , (109) である.位相差は、 y x であり各々の電界の初期位相の差で表される。 (109)式の電界の軌跡は、楕円を表し楕円偏光(elliptically polarized light)という。

偏 光 状 態 は 、 複 素 振 幅 の Ax、Ay の 大 き さ と 位 相 の 関 係 で 決 ま る 。

光波は、z方向に進む横波で、図48 で示す振動方向が互いに独立な光電界Eの

位相差により、位相差が=mm=0,1,...のとき、Ex/Ax=(-1)mEy/Ay となり直線偏

光(linearly polarized light)という。位相差が=2m±(/2)、そして振幅が Ax=Ay=A

のとき、Ex2+Ey2=A2となり、円偏光(circularly polarized light)という。

12.1 ジョーンズ(Jones) ベクトル 偏光状態を表すベクトルで、時間(t)と空間(kz)に依存する項を省略し、直線、 円、楕円偏光を表すベクトルをジョーンズベクトル(Jones vector)と言う。Jones ベクトル J()は、(108)式を電界振幅 2 2 y x A A  で規格化して、 J()=         exp( ) 1 2 2 A i A A A y x y x (110) となる。よってJones ベクトル(110)式を用い電界 E(z,t)を記述すると

( ) exp ) ( ) , ( x2 y2 x y x A A J i kz t E E t z E           

(111) となる。電界振幅Ax、Ayの方位角をとすると tan = Ay/Axである。=0 である 直線偏光のJones ベクトル J()は、方位角を用いて(110)式から

(17)

 ) 0 ( J                sin cos 1 2 2 y x y x A A A A となる。円偏光は、(110) 式に Ax=Ay=0,   2を

代 入 し て 、 右 回 り 円 偏 光 (right-handed circularly-polarized light) は 、             J( i 1 2 1 ) 2 、左回り円偏光は、          i J 1 2 1 ) 2 ( となる。図50 は、=0 から =/2 まで変化した際の偏光ベクトルの軌跡を表す。 = =/2 = 図50 Ax=Ayとするとき、位相差の変化による偏光ベクトルの変化 問題12.1 =0、Ay=0 の直線偏光 J=0 は、右回り円偏光と左回り円偏光に分解できること を、Jones ベクトルを用いて示しなさい。 12.2 ジョーンズ(Jones)マトリックス 受動的(passive)な偏光素子は、2×2の行列で表すことができる。この行列を ジョーンズマトリックス(Jones matrix)と呼ぶ。入射のジョーンズベクトルから偏 光変換作用を表すジョーンズマトリックスを介して出力のジョーンズベクトル が求まる。これらの入出力関係は、線形である。 移相子(retarder)は、良く使用する偏光素子である。そのジョーンズマトリッ クス R()は、                          2 2 2 0 0 0 0 1 ) ( i i i i e e e e R (112) である。 水晶のような複屈折結晶は、2つの軸である位相が進む進相軸(fast axis)と位相が遅れる遅相軸(slow axis)がある。x、y 軸が、f、s 軸にそれぞれ一致 している。ここで、x、y 方向の屈折率nx、 がny nxnyであり、位相速度vx, vy

(18)

vxvyである。いま半波長板(/2 板、=)を使用し、反時計方向に方位角の 入射直線偏光が半波長板に入射し、出射偏光面は                          sin cos sin cos 1 0 0 1 となり、x 軸に対して時計方向に回る方位角の直線偏光に変換される。複屈折 の二つの屈折率を表す屈折率楕円体は、12.5 章に示す。 12.3 偏光子(polarizer)-位相板(phase plate)-検光子(analyzer)の組み合わせ 図51 の 入射直線偏光は、方位角を有する。直線偏光が入射し設定角の偏 光板を透過後の電界を求める。(112) 式で表す R() の位相板の座標系 x’,y’は、 設定角に設定されている。今、入射光と偏光板を回転して、位相板の座標 x’ を実験室座標系x 軸に一致させる。直線偏光のジョーンズベクトル J(0)が回転 を行い、この回転の操作を旋光子(rotator)の作用 T(で表し、Jones ベクトルは T() J(0)となる。 この T() J(0)の光が、位相板 R()に入射する。位相板通過 後の電界は、R()T()J(0)となる。 位相板の座標 x を xに戻すため、旋光子 T()を乗じる。位相板通過後の光電 界E は, E= T()R()T()J(0)となり、ここで旋光子の行列 T()は、         cos sin sin cos (113)      ) ( T であり、ユニタリー行列で表される素子である。 ユニタリー行列とは、TT=I (単位行列)の関係で、はダガー(dagger)と発音し 短剣印を意味する。Tは、T 行列の転置に複素共役をとった行列である。 旋光子は、複屈折結晶から作ることができる。旋光子は、2 波長板のこと である。纏めとして、固有軸x, y → 回転 → T() → 実験室座標系 x,y 軸に合わせる。最後に、位相板R()を通過したのち、位相板の座標 x, y を固有 軸x, yに戻す。 図51 の位相板の代わりに直線偏光子がある場合、偏光子通過後 Jones ベクト ルはP()T()J(0)となる。よって直線偏光子の座標 xを x に戻し偏光子通過後の 電界はP(0)T()J(0)となる。その後偏光子の座標 x を固有軸 xに戻す。偏光子通 過後の電界は、T()P()T()J(0)となる。ここで、入射直線偏光は、方位角=0, Ax=1, Ay=0 としているので、ジョーンズベクトルは、J(0)となる。また、直線偏

(19)

光 子 の 作 用 行 列 P(0) は 、 方 位 角=0 の 直 線 偏 光 子 の ジ ョ ー ン ズ 行 列 、 として与えられ、              0 0 0 1 0 1 となる。よって、直線偏光子のジョーンズ行列 P(0)は     0 1 ) 0 ( P    0 0 である。

x

x

y

x

y

θ

J(0)

α

y

z

図51 設定角で配置された位相板の座標系 問題12.2 入射光の方位角である直線偏光 Jが、 設定角、位相量の波長板を通過した Jones ベクトルを求めなさい。 12.4 ストークスパラメータ 四つのパラメーターで偏光状態を表すストークス・パラメータ(Stokes parameter)がある。偏光状態を表現するには 12.1 章で記述したジョーンズ行列 とストークスパラメータの 2 種類がある。ジョーンズ行列は振幅と位相を扱う がストークスパラメータは電界の 2 乗である強度で記述しておりインコヒーレ ント光でも成り立つ。(108)式の電界E ,x Ey振幅A ,x Ay位相差を用いて

(20)

                            sin 2 cos 2 3 2 2 2 1 2 2 0 y x y y x x y x y y x x y x y x y y x x y x y x y y x x A A E E E E S A A E E E E S I I A A E E E E S I I A A E E E E S として表すことができる。…は 2.2 章で記述したポインティングベクトルを測 定する際の時間平均を表し、I は x, y 方向のポインティングベクトルであり強度 を表す。ストークス・パラメータの各成分の意味を考えると S0成分は入射光自 体の強度、 成分は水平偏光成分、S2成分は 45°直線、 成分は右まわり円偏 光成分を表す。これらのストークスパラメータは実測することができる。 1 S S3 図52 すべての偏光状態をポンアカレ球の球面上で表す。 図 52 のような球面上で、偏光状態を表すポアンカレ球がある。赤道上に直線 偏光、北半球に左回り楕円偏光、南半球に右回り楕円偏光が示され、北極、南 極はそれぞれ左回り、右回りの円偏光に対応する。その測定は一枚の偏光板と 一枚の/4 板があればできる。その測定は、偏光板の透過軸を 45°きざみに回し ながら光を通し、それぞれ都合 4 通りの透過光強度を測定する、 次に、偏光板 の前に透過軸に対して異方軸を 45°傾けた/4 板を入れて透過光強度を測定す

(21)

る。最後に、その状態で偏光板の透過軸を 90°回転させて透過光強度を測定す る。これで合計 6 つの光強度が得られたことになる。これら値から 4 つの値で 構成されるストークスパラメータが導出できる。 12.5 屈折率楕円体 図53 屈折率楕円体 複屈折材料である光学結晶は、異なる誘電率を有するx,y,z 軸を座標とする屈 折率楕円体で表すことができる。複屈折は、図 53 で示す x,y 面が円であり x,y 軸の屈折率が縮退した屈折率楕円体で表すことができる。n0 が常屈折率を、ne が異常屈折率を示す。 屈折率楕円体の式は、 1 2 2 2 0 2 2 0 2    e n z n y n x となる。異常光線の屈折率neは、屈折率楕円体を用いて ne2(θ)=y2+z2 となる。ここで、光線s は、光学軸に対して傾いている。 常光線は、に無関係に一定の屈折率 noである。よって複屈折の大きさは、 ne()-noとなる。neとn0の関係式は、以下の通りである。

(22)

である。 となる。ここで、 である。 楕円の式は、 e e o e e o e e o e e e n n n n n n n n z n y n y n z n z                   ) 0 ( , ) 90 ( ) 114 ( sin cos ) ( 1 1 cos ) ( sin ) ( sin ) ( 2 2 2 2 2 2 2 2 2   図53 の網掛けの部分で示す屈 折率楕円体の子午面を描いたの が、図54 である。これを法線面 (normal surface)と言う。これは、 光線の伝搬方向の屈折率を描い た図である。光学軸(z 軸)につい ての回転楕円体を表す。常屈折 率noの法線面は球面であり、異 常屈折率neの法線面は、楕円で ある。原点からの距離ne()は、 (114)式で与えられる。図 54 は、 ne>no である正結晶の切断面で ある。フェルマー(Fermat)の原理 54 複屈折材料の法線面 から、光線と波面は直交し、光線 ベクトル s と直交するのは常光線であり、図 54 に示すように異常光線は直交し ていない。 §13 幾何光学 13.1 アイコナールの式 光の現象を解析するには、Maxwell の方程式を解くことが必要である。回折現 象を無視し、光の経路のみを考慮する光学を幾何光学と言う。幾何光学は、レ ンズの設計に威力を発揮する。 (21)式のヘルムホルツの波動方程式、において、波長を 0 に近づけると, 波

(23)

数k はになる。近似した式が光学距離を意味するアイコナール(Eikonal)から アイコナールの式 (Eikonal equation) と言う。 この導出は、計算量を要する が以下に記述する。 (21)式のヘルムホルツの波動方程式は、 0 2 2 E k E 波面の光が x 方向に伝播するとして、E(x)A(x)eik(x)を(21)式に代入する。 ここで、波面は光路長に相当し、n は屈折率、k は波数で k= c       2  で あり, k0は真空における波数である。

                                               x ik ikA x A ik x x E x x E x ik ikA x A ik Ae x x E ik exp exp exp exp 2 2 第2 項の微分は、

22 2 2 exp exp exp exp x ik ikA x ik ikA x ik ikA x x ik ikA x                                       となる。第1 項と合算して、

となる。     で割ると となり、さらに より を真空中の波数として ここで となる。 ) 115 ( 0 exp 2 1 exp 0 exp 2 exp exp ) exp( exp 0 2 2 0 2 2 2 0 2 2 2 2 2 2 0 2 0 0 2 2 0 2 2 2 0 2 2 0 2 2 2 2 0 2 0 2 2 2 2                                                                                                                                        ik x x A k i x A k i x A k ik x n A E n x E k 1 k ik x x A ik x A ik ik ik x n Ak E n k x E n k k k ik x ikA x A x ik ik x ikA x A x x E 幾何光学は、回折を無視するため、 λ→0、k0→ を(115)式に代入する。

(24)

となる。 を用いて変形すると 線ベクトル 単位ベクトルである光 となる。 となり、 より ) 116 ( 0 exp 0 exp 2 2 2 2 2 2 2 2 s n grad s n grad n x ik A ik x n A E n                                           (116)式をアイコナール (eikonal) の式と言う。n=1 の空気中の伝播において、 光線ベクトル s は、波面のグラディエントである。波面の傾きが光線ベクトル s=k/kに等しいとのことを意味しており、波面と光線は直交することを表す。 また、光が不均一の屈折率の媒質中を通過するさいに、屈折率の大きい方向 にその光路が曲がる。それは、アイコナールの式より導出され、(117)式のフレ ネー・セレ(Frenet-Serret)の定理となる。光路の曲がり方を光線の経路の曲率半 径ρで表すと、  N ds ds ) 117 ( ) 0 ( 1 n ds ds n N n       ここで、N は法線単位ベクトルである。この(117)式の左辺は、屈折率 n が正、 曲率半径ρが正より、従って右辺は正なので光路は屈折率 n の値が増加する方 向に光線が曲がることを表している。 屈折率分布が2 乗分布している平板マイクロレンズは、球面レンズと同様に焦 点に集光作用に応用されている。フォトリフラクティブ結晶に於いて、電気電 界の方向にポッケルス効果により屈折率勾配が生じ、電気電界の方向に、すな わち屈折率が増える方向にレーザービームが曲がっていく現象も、フレネー・ セレの定理から説明できる。また、太陽が地平線に沈むとき、地平線以下に沈 んだ太陽も、大気の密度の濃く屈折率勾配の大きな方向に曲がり見ることが出 来る。これも(117)式により説明できる。 13.2 フェルマー (Fermat) の原理 図55 に示すように、s が光線ベクトルを表す屈折率分布 n(s)を持つ媒質中の 2点P1からP2への光の伝播の、光学的距離 L が . min ) ( ) 118 ( . min ) ( 2 2 1        ds c s n c L t ds s n L P P P

(25)

最小となる光路を選択し伝わることになる。ここで、光学的距離のことをアイ コナールと言う。(118)式は、変分量L=0 と書いても同等である。(118)式の別の 解釈は、光学的距離を光速度で除した時間は、最小をとり最短時間の原理 (principle of least time)ともいわれ、フェルマー(Fermat)の原理と呼ばれる。ま

た、問題13.1 のように、経路差は位相速度の比に等しいことになる。 図55 フェルマーの原理を示す光路図 問題 13.1 0 . min ) ( 2 1   

dx dL ds s n L P P フェルマーの原理は、光線が光学的距離 L を最小となる光路を選択し伝わるこ とを示している。図13.3 の屈折率 n1の媒質中S から B へ光路を形成し、屈折率 n2の媒質へ屈折し、経路BP を形成する。光学的距離 L= n1×SB+ n2×BP を図 13.3 のh, x, b, a-x を用いて記述し、 より、1,2を用いて屈折の法則(スネルの法則)を導きなさい。 図 13.3

(26)

問題13.2 屈折率が増える方向に光が曲がっていく現象を説明する(117)式のフレネー・セ レの定理は、(118)式のフェルマーの原理を用いて説明できることを示しなさい。 13.3 無収差レンズの設計 点物体の点像を結像の誤差を表す収差なく結像するため、フェルマーの原理を 用いて、レンズの形状を球面ではなく、非球面にすると無収差の結像関係にな ることを導出する。 図56 の屈折率 n の平凸レンズの結像は、左側から平行光が入射し焦点 F に光 が収束するとする。FP、FH は 図56 平凸レンズの焦点 F への集光 FP= FH=f+n(cos - f) (119) である。図56 の平凸レンズの左から平行光が入射しており、フェルマーの原理 により入射光はPF と HF までの伝搬は、同時刻であるので、無収差にするには FH=FP=にならなければならない。を x,z で表すと、 2 2 2 2 cos z x z z z x         (120) となる。(119 ) 式に(120)式を代入し、   fn

cos  f

(27)

             f z x z z x n f z x 2 2 2 2 2 2 = f + n ( z - f ) となる。両辺を平方し、(n2-1)で割ると

   

 

) 121 ( 1 1 1 1 1 ) 1 1 1 1 1 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2 2                                               f n n x n f n n f z f n n n x z n n nf z となる。ここで (121)式を a, b, c の定数を用いて表わすと

1 2 2 2 2    b x a c z の双曲線である。 ただし各定数 f n n c f n n b n f a 1 , 1 1 , 1        である。よってレンズの形状が双曲線のとき、結像点が点像となっており、無 収差レンズである。 問題 13.3 フェルマーの原理を用いて、無収差の反射鏡は放物面鏡であることを証明しな さい。 13.4 凸レンズの結像関係 物距離をa, 像距離を b、焦点距離を f として、薄いレンズの結像関係式は、 ) 122 ( 1 1 1 f b a  となる。幾何光学では、光軸を縦方向、光軸に垂直方向を横方向と言う。

(28)

図57 凸レンズの結像関係 図58 ビーム・エキスパンダの光学系 (122)式と対になるレンズ結像関係のレンズ製作者の公式(lensmaker’s formula) は、 ) 123 ( ) 1 1 )( 1 ( 1 2 1 r r n f    となる。ここで、n は凸レンズの屈折率であり、r1,r2 はそれぞれ凸レンズ前面、 後面の曲率半径を表す。図57 の凸レンズの横倍率は、図の相似性を用い、m=b/a となる。

(29)

問題13.4 図57 の縦方向の物体の大きさと像の大きさを da、db とする。(125)式の微分を 用いて、縦倍率mlongを計算し、mlong= - m2であることを示しなさい。 図58 は、ビームエキスパンダの光学系を示す。焦点距離 f1の対物レンズを用い 焦点距離 f2のコリメータ・レンズを設置し、拡大平行光を実現するのに使用さ れる。図58 の二つのレンズの間隔を D とすると、二つのレンズの合成レンズの 焦点距離f は、 ) 124 ( 1 1 1 2 1 2 1 f f f D f f    となる。図58 は、Df1f2であり、(127)式より1 f 0となり、平方光が拡大 されて平行光になる。1 f は焦点能focal power) と言い、図 58 のビーム・エキ スパンダのパワーは0 である。 光軸の無限方向である図57 の右側に星がある場合、星の像がコリメータレン ズの焦点面に小さくが形成される。対物レンズは無収差であることが必要であ る。分解された星の像を接眼レンズで拡大して見ることになる。図58 のビーム・ エキスパンダの光学系は、望遠鏡の光軸方向と逆方向に使用しているので、光 軸方向と逆になり、逆望遠鏡(inverse-telescope system)と呼ばれる。 13.4.1 シュミット(Schmidt) カメラ 球面鏡の曲率中心に絞りを置き、コマ収差、非点収差を除去し、残存の球面 収差を補正板で除いた凹面鏡である。」凹面鏡の像面は、凹面の曲率半径の半 分を半径とする球面であり、像を記録する感光フィルムをこの球面に合わせて 曲げて像面湾曲を除去している。よって、シュミットカメラは、すべての収差 を除去した反射凹面鏡である。 + 13.5 顕微鏡対物レンズ 図59 に示す顕微鏡は、対物レンズ Loと接眼レンズ(eyepiece)Leで構成される。 生体試料や切削面を収差なく拡大結像する役目のレンズは、対物レンズである。 対物レンズによる結像点は、レンズの後ろ側焦点距離 fo’と機械的筒長 Doのと ころに結像し、Do=160 mm または 170 mm に設定している。 対物レンズの倍率が高いものほど焦点距離は短くなっている。分解能は、レン ズの開口数(Numerical Aperture; N.A.)=nsinで決まり、分解能を高くするために

(30)

は、を大きくしなければならない。そこで、高倍率と分解能を要求する場合 は、対物レンズと物体の間に高屈折率の油を挿入しを大きくする。これを油 浸対物レンズという。 無収差の顕微鏡対物レンズを使用し、物体がインコヒーレント光に照明されて いるとき、対物レンズの直径が D で、物側焦点距離を fとすると、対物レンズ の分解能は、  NA s f s kD     61 . 0 . Re 22 . 1 2 ) 2 / . (Re 0 より   で与えられる。分解能は、ページの式で与えられる回折の広がりの直径 である。 図59 顕微鏡の光学系 透明物体を顕微拡大する際、物体の位相差のコントラストを強調し、透明物 体を可視化するゼルニケ(Zernike)の発明による位相差顕微鏡がある。 §14 干渉 14.1 二光波干渉 波動は、二つまたはいくつかを重ね合わせると、これらの波の位相差が 2の 整数倍のとき強め合ったり、の奇数倍の時打ち消し合ったりする現象を示す。 この現象を干渉(interference)と言う。

(31)

単色平面波の電界は、(1)式より

E(z,t)=Re{Aei(kz-t+)}=Acos(kz-t+) (125)

である。ここでA は振幅,は角周波数,k は波数でを波長とするとk 2/ で表される。はz t0, 0におけるこの光波の位相である。 図60 の のとき、半透鏡により二つに分かれて位置ベクトル ( ) の 点 において二つの光波が位置ベクトル 0  t ri i 1,2 i P rの観測点Q で伝播したとし、真空の 波数k0を用い、 (125)式より ま

i i

i i r t A t kr r E ( , ) cos    (126) となる。ここで、rri は、 からri rまで伝播距離である。ここでnrrilは、

光学的距離であり光路長(optical path length; OPL)と呼ぶ。光源から光路長が一定

の面は、等位相面を表す。いま屈折率n を n=1 とし、図 60 に示すように半透鏡 から分かれた2光束が観測点Q(r)に達する二つの光波の光路長をl1rr1 , 2 2 r r l   図60 二光束干渉 と記述される。干渉強度は、l1,l2の光路上での偏光状態により異なる。l1,l2の光 路上での直線偏光の単位ベクトルの偏光ベクトルを p1,p2とすると、 IE E 2 A 2A 2 A A p p (127)

(32)

である。ここで 2 2 2 2 2 1 2 1 E ,A E A   であるから、二光波の干渉強度は、二光波 がそれぞれ単独に観測点に到達したと考えたときの強度の和 のほかに、 観測点における位相の差 2 2 2 1 A A  1 2    によって正弦波的に変動する。この位相差2 1 をとして、 ) ( ) ( 2 1 2 1 1 2         k l l (128) となる。 (127)式において p1p2とすると、干渉強度I を位相差に対し示すと図61 の ような正弦波的波形となる。干渉強度分布を干渉縞(interference fringe)と呼び、 その直流成分 - 2 - 1 0 1 2 3 4 I - 1 0 0 4 0 0 9 0 0 1 4 0 0 1 9 0 0 2 4 0 0 2E1E2 E12+E22 位相差 0 2π 4π 6π -6π -4π -2π 図61 干渉縞の強度分布 は であり、交流成分の最大振幅は に等しい。(127)式の cos 関数の 偏角が位相差 2 2 2 1 E E2 EE1 2  であり、2の整数倍のとき、干渉縞の強度は最大となり、 2 1 2 2 2 1 max E E 2E E I    (129) 位相差 がの奇数倍のとき、干渉縞の明るさは最小、 2 1 2 2 2 1 min E E 2E E I    (130) となる。図61 は位相差の変化による干渉強度の変化を表す。この干渉縞の直流

成分(ImaxImin)/2に対する交流分(ImaxImin)/2の比C を、干渉縞のコントラス

ト(contrast),または可視度 (visibility) と呼び(129),(130)式から C は、 2 2 2 1 2 1 min max min max 2 E E E E I I I I C      (131) となる。(131)式のCの値は0 から 1 まで変化する。もし、両光波の振幅が等し

(33)

いときは、 を(131)式に代入し、コントラスト C は最大値 となる。 もし重ね合わせる一方の光波の振幅が他方の光波の振幅に対して非常に小さい 場合は、干渉縞はその直流分に対して交流分が小さく、コントラストは0に近 くなる。 2 1 E EC 1 14.2 振幅分割による干渉 光源からの光を一つの境界面に入射させると、透過光と反射光に分かれる。 このとき入射光の振幅は、透過光の振幅と反射光の振幅に分割される。振幅分 割された光波をふたたび重ね合わせれば,干渉が生ずる。 振幅分割干渉計として、マイケルソンとモーレイが、図 26 の Michelson(マイケ ルソン)干渉計を用い、エーテルと毎秒 30km の速さで動いている地球との相対 速度が0 であることを実験的に証明した干渉計として有名である。図 26 のマイ ケルソン干渉計の広帯域光源は、低圧水銀灯を用いていた。光源の光をハーフ ミラーで1:1 に振幅分割し、両ミラーの反射光が再びハーフミラーで重なり干渉 が生ずる。 5.1 章で示した平行平面版の干渉において、図 62 に示す厚み d、屈折率 n のガ ラス板があり、の入射角で,波長λ,単位振幅の平面波が入射する場合を考え る。空気からガラス板への透過率,反射率をt,r,板から空気への透過率,反射 率を ,'t r'とすると,透過光L1 の振幅は ,2 回の内面反射をともなう透過光 L2の振幅は となり,2光波の透過光の位相差は、(128)式からは、 ' tt ) ' ( ' r tt 図62 ガラス板の両面による振幅分割干渉 ) (l2 l1 k    } sin ' tan 2d  ' cos 2 { 2     nd

(34)

   4 ndcos ' (132) となる。したがってL1とL2の干渉波の複素振幅は、r'rの関係を用い )} ' cos 4 exp( 1 { ' 2     tt r i nd At となり、干渉縞の強度は )} ' cos 4 cos( 2 1 { ) ' ( 2 4 2 2        A tt r r nd It t (133) となる。ガラスの屈折率は であり、§10 のフレネルの公式で記述したよう ガラスの振幅反射率は小さく 、 であり、 , と近似できるので、(133)式は 5 . 1  n 2 r 0.04 tt'1r2 0.96 r4 0 (tt')2 1 )} ' cos 4 cos( 2 1 { 2      r nd It (134) となる。この干渉縞は直流分が1,交流分が2r2で,1 2 2 r  であるから図63(a) に示す低コントラストの干渉縞となる。 反射の2 光波の干渉は、図 62 に示す第 1 面からの反射光 と第2 面からの反 射光 の重ね合わせと成る。これらの振幅反射率は ' 1 L ' 2 L rtt'r'で2 光波の位相差 は             k(l2 l1) 2 {(AB BC)n AF} 4 ndcos ' となり、L1'とL2'の重ね合わせの光波は )} ' cos 4 exp( ' 1 {      r tt i nd Ar であり、ガラス板の透過率tt'1,(tt')2 1を用い干渉強度Irは )} ' cos 4 cos( 1 { 2 )} ' cos 4 cos( ' 2 ) ' ( 1 { ) ( 2 2 2 2             A r tt tt nd r nd Ir r (135) となる。(134)、(135)式から として、It+Ir=1 が成立する。図 63(b)に示すよ うに干渉縞の直流分 0 2 r 2 2r は小さいが、交流分も同じ値であるので、(131)式のコン トラストC は 1 である。また図(a)と(b)を比較し、干渉縞の明が反転している。 図62の平板内を光が繰り返し干渉する、繰り返し反射干渉法 (multiple-beam interferometry)は、§5に説明してある。

(35)

(a) It O  1 2r (b) I r 2r 2r O 図63 振幅分割による平行平面板の透過光(a)と反射光(b)の干 渉強度分布 14.3 等傾角干渉 5.1 章で記述した平行平面板の厚さ d が一定のとき、図 64 で示す面光源で照明 すると、面光源の一点から見ると干渉縞の強度はcos'に依存して変化する。こ の干渉縞は屈折角'の等しい光の軌跡と考えられるから、等傾角干渉縞、また はHaidinger(ハイディンガ)の干渉縞と呼ぶ。図 64 で示す平行平面板に入射光 が平行に入射するので、干渉縞は透過も反射も無限遠に形成され、光線の方向 すなわち傾角の関数である。 単色光源からの光で曇りガラスである拡散板を照射すると、この面が面光源と なる。この面とレンズは焦点距離 f にあり面光源の各点からの光は種々の傾きの 平行光となり、平行平面板に入射する。平行平面板を透過して無限遠に形成さ れる等傾角干渉縞はレンズにより、その焦点面に図64 で示す同心円状の干渉縞 となる。 (132)式の平行平面板の位相差が 2mm; 整数のとき m 次の明るい縞を形成 するので、次数m と屈折角mの関係は   ' cos 2nd m m (136)

(36)

となる。したがって、傾角の小さいほど次数は高く,垂直入射光(=0)に対して 最高の次数を示す。 ym 図64 等傾角干渉とその干渉縞   m=0における最高次数 mmax は、mmax=2nd/である。傾角m'は小さいとして 2 ' 1 ' cos 2 m m     と近似でき、入射角mと(85)式の小角近似のスネルの法則 ' 0 m n m n    から(136)式は

(37)

} ) ( 2 1 1 { 0 2 max n n m m  m (137) となる。ここでn0は空気の屈折率である。図64 で示すm次の縞の半径を 、 レンズの焦点距離を とすると ' m y fmym f であるから、次数mは } ) ( 2 1 1 { 0 2 max nf y n m m  m (138) である。これをymについて解くと、 2 1 max max 0 } ) ( 2 { m m m n nf ym   (139) である。 はy=0 から ymまでの干渉縞の本数であるから、これを とす ると、(139)式は mmax=2nd/を用いて m mmaxpm 2 1 0 ) ( d np n f y m m   (140) となる。(140)式から中心からpm番目の干渉縞の半径ympm に比例する。 番目の外側の m p 1  m p 番目の干渉縞はm1次の干渉によるものであり、干渉縞の 半径をym1とすると、pmpm1番目の間の面積は(140)式、pm-1-pm=1 を用い て 2 0 2 2 1 2) ( ) ( n f d n y y y  m  m      (141) となり、次数 に関係なく、二つの干渉縞の間の面積も一定である。また、波 長や平面板の屈折率 n が大きいほどこの面積が大きく縞の密度は粗になり、板 の厚み d が大きいほどこの面積は小さく縞の密度は密になる。 m 図19 は、縦モードが 2 本ですなわち 2 波長で発振しているレーザーを用い、 レーザー光を拡散板に照射し発散球面波で平行平面板に入射し観察された等傾 角干渉縞である。縞の間隔がymで、中心に行くに従い縞の次数m が大きくなる。 図64 は、単一縦モードで発振しているレーザーによる、等傾角干渉縞である。 14.4 等厚干渉 板または空気層の厚さ d が一定でない場合、すなわち被検両面が平行ではな

(38)

く、または凹凸があるときは、照明光の傾角'を0º におき平行光入射にて干渉

縞を形成すれば、縞は厚さ d の等しいところの軌跡を与える。この干渉縞を等

厚干渉縞(fringes of equal thickness)という、あるいは Fizeau(フィゾー)の干渉縞と 呼ぶ。 図 65 のフィゾー干渉計に示すように、ビームスプリッタ状に平行光に入射し 表面の形状に比例する光路差により干渉縞が生ずる。この干渉縞を等厚干渉縞 と言う。点光源から焦点距離f に置かれたレンズの透過光は平行光で、このレン ズのことをコリメーターレンズ(collimator)という。平面波を被検物体に垂直に入 射させこれからの反射干渉光を点光源の像の位置に眼またはカメラをおき,試 料面に焦点を合わせて観測する.干渉縞の強度分布は(135)式で与えられ、 次の暗い干渉縞の見えるところの厚さ dmは m    dm 2m 4 より となる。 よって、干渉縞の次数は厚さに比例して増大する。また干渉縞の暗線は,厚さ が 2 /   m dm 2  変化するごとにあらわれる。図66 は、図 65 のフィゾー干渉計を用いて観 察された明暗の干渉縞を記録した銀塩乾板の表面形状である。干渉縞の形状は、 この試料面を 2の高さごとに切った等高線をあらわすことになる。 図65 フィゾー干渉計

(39)

図66 フィゾー干渉計を用いる干渉縞を記録した銀塩乾板の表面形状 R y d 図67 ニュートンリング 図66 平面と球面による等厚干渉 図66 の干渉に関与する二面のうち、一方の面が参照平面で、他方が曲率半径 R をもった球面のとき、図 67 に示す等高線を与える干渉縞は、多くの同心円か らなりこれをNewton(ニュートン)リングと言う。 図66 の両面の接触点から y の距離での空気層の厚さ d は、d Rより R y R d d 2 2 2 2 2   y であり、これを(135)式に代入して干渉縞の強度分布は ) ( sin 4 2 2 2 R y r Ir    (142)

(40)

となる。(142)式の正弦波形強度の位相は、中心からの距離 y の 2 乗に比例して 大きくなり、干渉縞は,外側に向かうに従って間隔がせまくなる。y=0 の中心か らymの距離にm番目の円状の暗い干渉縞があるとする。(142)式から     m R ym2 より   m y R m 2 からレンズの曲率半径を求めることができる。ここで、mおよびはymは大きな 値ではないが、波長がこれらにくらべて極めて小さい値を持つので、大きな曲 率半径Rの測定に有効である。図 67 のニュートンリングの中心 y=0 は、(142) 式から Ir=0 となり暗縞であるが、ガラスと平板に空気層があり位相が付き、明 るい縞を示している。 14.5 マイケルソン干渉計を用いる移動物体鏡のスピード測定法 図68のマイケルソン干渉計で、一方の鏡が速度vで移動しているとする。その 移動のスピードvの測定について記述する。レーザー光の一周期T中の鏡の光路 差は、2vTであり、一周期Tあたりの光路差 2v [m/sec]となる。鏡の移動による 周波数のシフト量は、一波長で除算し2v /となる。鏡が移動することから、ド ップラー効果によりビート周波数が発生する。 ビート周波数は、 レーザー

v

CCD

 

Hz A kv      2 2 1    となる。CCD面の受光干渉信号から 周波数カウンターにより測定された ビート周波数A Hzが100 MHzと測定 されたとする。レーザーの波長=0.6 m とすると上式からスピードvは、 v=30 m/s=108 km/hとなる。 図 68 速度v で移動する物体鏡による マイケルソン干渉計

(41)

Reference Mirror

Laser Diode Object

Photodetector /4 Plate PBS Lens Lens Mirror Image ATC Analyzer Waveform Generator

LD

l/2

トワイマン・グリーン干渉計 トワイマン・グリーン干渉計

図 42  無偏光キューブ・ビームスプリッタ            図 43  直角プリズムを用いる全反射 光学系 図 44 直角プリズムのエバネッセント波が計算機ホログラム (CGH)の再生光    図 45  図 44 の光学系を用いるエバネ ッセント波による CGH の再生像
図 57  凸レンズの結像関係  図 58  ビーム・エキスパンダの光学系  (122)式と対になるレンズ結像関係のレンズ製作者の公式(lensmaker’s formula) は、  )123(1))(111( 21rnrf となる。ここで、n は凸レンズの屈折率であり、r 1 ,r 2 はそれぞれ凸レンズ前面、 後面の曲率半径を表す。図 57 の凸レンズの横倍率は、図の相似性を用い、m=b/a となる。
図 66  フィゾー干渉計を用いる干渉縞を記録した銀塩乾板の表面形状  R y d 図 67  ニュート ンリング  図 66  平面と球面による等厚干渉 図 66 の干渉に関与する二面のうち、一方の面が参照平面で、他方が曲率半径 R をもった球面のとき、図 67 に示す等高線を与える干渉縞は、多くの同心円か らなりこれを Newton(ニュートン)リングと言う。  図 66 の両面の接触点から y の距離での空気層の厚さ d は、 d  R より RyRdd22222y    であり、これを(
図 4  剃刀の開口の Fraunhofer 回折像  15.3  円形開口の回折像  図4の光学系で、直径 l の開口に平行光が入射したとき、z 伝播した面(f x ,f y )で の回折像の振幅分布を求める。 今、開口の振幅透過率 g(x,y)のフーリエ変換は、   f f    g x y   i  f x  f y  dxdyGx,y(,)exp2xy             (20)  から、図4に従い、デカルト座標を極座標に変形し、dxdy=rdrd  を用い  
+2

参照

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