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(1)

平成

23

年度

学士学位論文

ペン自然操作時の圧力、傾きと方位に関す

る実験的調査

Experimental investigation of Natural Use Profiles of

Pen Pressure, Tilt and Azimuth

1120230

尾原 功剛

指導教員

任 向実

2012

3

1

(2)

要 旨

ペン自然操作時の圧力、傾きと方位に関する実験的調査

尾原 功剛

ペン入力は使用するペンの形状が一般的に使用されている鉛筆などに酷似しているため, 誰でも使用することが可能である. ペン入力は電子カルテや携帯ゲーム機, 電子ホワイト ボードなど多くの場所で運用されている. このようにペンによる入力は短い学習曲線や高い 移植性, 屋外での利用, 操作の容易さなどのため入力方法として優れている. そのため, 多く の研究者たちがペン入力に関する研究を行っている. ペン入力はペン先のX座標とY座標を読み取り操作が行われている. この座標情報以外 にもペン入力に関する要素は存在する. そこで本研究では, ペン入力の要素として圧力,傾き と方位に関して実験的に調査する. このペン入力の要素として圧力, 傾きと方位に関する調 査は先行研究[1]で行われている. しかし, 先行研究ではペンを保持した状態における調査, 文字を入力する場合における調査が行われていたが, これ以外のペンを操作する場合におけ る調査は行われていない. そこで, 本研究では先行研究で調査されていなかったトレーシン グ操作における圧力, 傾きと方位に関する実験的調査を行う. 本研究はペン入力の効率化や 新たなデザインのための基礎研究となると考えられる. キーワード HCI, 圧力, 傾き, 方位, 自然操作, ペン操作, 異なるサイズ, 異なる位置

(3)

Abstract

Experimental investigation of Natural Use Profiles of Pen

Pressure, Tilt and Azimuth

Yoshitaka OHARA

People can easily use the digital pen because the digital pen and the regular pen are similar in shape. Pen input has been widely adopted as a major interaction modality for electronic charts, portable game machines and electronic whiteboards, due to its short learning curve, portability, outdoor availability, and ease of manipulation. Therefore, pen input has received much attention in recent years.

For pen input, only a single point, the x-y position of the pen tip, is commonly used for interaction. To expand the communication bandwidth, additional pen characteristics such as pen pressure, tilt and azimuth are needed. Previous studies have investigated pen pressure, tilt and azimuth for holding, normal drawing and writing [1]. In this study, we experimentally investigated pen pressure, tilt and azimuth for tracing operation. The results of our study will be beneficial to pen-based interaction design.

key words HCI, Pressure, Tilt, Azimuth, Natural operation, Pen operation, Differ-ent sizes, DifferDiffer-ent positions

(4)

目次

1章 はじめに 1 1.1 背景. . . 1 1.2 目的. . . 2 第2章 関連研究 3 2.1 保持状態, 文字入力時のペンの圧力, 傾きと方位. . . 3 2.2 ペンによる直接操作と間接操作の傾きの特性 . . . 3 第3章 実験方法 5 3.1 実験者 . . . 5 3.2 実験装置 . . . 5 3.3 実験デザイン . . . 6 3.3.1 入力枠の設定 . . . 6 3.3.2 トレーシング . . . 7 3.3.3 実験タスク. . . 7 3.3.4 試行回数 . . . 8 3.4 実験の流れ . . . 8 3.5 評価項目 . . . 9 第4章 実験結果 10 4.1 圧力. . . 10 4.1.1 異なるサイズ . . . 10 4.1.2 異なる位置. . . 12 4.2 傾き. . . 16 4.2.1 異なるサイズ . . . 16

(5)

目次 4.2.2 異なる位置. . . 17 4.3 方位. . . 21 4.3.1 異なるサイズ . . . 21 4.3.2 異なる位置. . . 22 4.4 全体. . . 26 4.5 主観評価 . . . 33 4.5.1 操作の速さ. . . 33 4.5.2 操作のしやすさ . . . 34 4.5.3 操作の正確性 . . . 35 4.5.4 疲労度 . . . 35 4.5.5 使いやすかったもの . . . 36 第5章 考察と今後の課題 37 5.1 考察. . . 37 5.2 今後の課題 . . . 38 5.2.1 年齢の違いによる操作性の変化 . . . 38 5.2.2 左利きによる操作性の変化 . . . 38 第6章 結論 40 謝辞 42 参考文献 43

(6)

図目次

3.1 Cintiq21UXインタラクティブLCDグラフィックディスプレイタブレット . 6 3.2 尺性チップ付きワイヤレススタイラスペン . . . 6 3.3 操作画面 . . . 7 3.4 タスクの種類 . . . 8 4.1 異なるサイズにおける圧力の度数(全体図) . . . 11 4.2 異なるサイズにおける圧力の度数(拡大図) . . . 11 4.3 異なるサイズにおける圧力の平均 . . . 12 4.4 異なる位置における圧力の度数(全体図) . . . 13 4.5 異なる位置における圧力の度数(拡大図) . . . 14 4.6 異なる位置における圧力の平均 . . . 15 4.7 異なる位置における圧力の等高線図 . . . 16 4.8 異なるサイズにおける傾きの度数 . . . 17 4.9 異なるサイズにおける傾きの平均 . . . 17 4.10 異なる位置における傾きの度数 . . . 19 4.11 異なる位置における傾きの平均 . . . 20 4.12 異なる位置における傾きの等高線図 . . . 21 4.13 異なるサイズにおける方位の度数 . . . 22 4.14 異なるサイズにおける方位の平均 . . . 22 4.15 異なる位置における圧力の度数 . . . 24 4.16 異なる位置における圧力の平均 . . . 25 4.17 異なる位置における圧力の等高線図 . . . 26 4.18 操作全体の圧力・傾き・方位の度数 . . . 27 4.19 先行研究[1]の圧力・傾き・方位の度数. . . 28

(7)

図目次 4.20 操作全体における圧力・傾き・方位の平均 . . . 28 4.21 操作全体における圧力の等高線図 . . . 29 4.22 操作全体における傾きの等高線図 . . . 30 4.23 操作全体における方位の等高線図 . . . 31 4.24 操作全体における圧力の使用範囲 . . . 32 4.25 操作全体における傾きの使用範囲 . . . 32 4.26 操作全体における方位の使用範囲 . . . 33 4.27 主観評価(操作の速さ) . . . 34 4.28 主観評価(操作のしやすさ) . . . 34 4.29 主観評価(操作の正確性) . . . 35 4.30 主観評価(疲労度) . . . 36 4.31 主観評価(使いやすかったもの) . . . 36

(8)
(9)

1

はじめに

本章では本研究の背景, 目的について述べる.

1.1

背景

コンピュータの操作を行う方法には, ディスプレイ上に表示されるカーソルによってファ イルやフォルダなどを操作するマウス, テキストエディタなどに文字の入力を行うキーボー ド, ディスプレイやタブレットデバイスにペンデバイスで直接触れて操作を行うペン入力な どがある. ペン入力はペンデバイスを用いてコンピュータを操作する操作方法である. ペン入力は使 用するペンの形状が一般的に使用されている鉛筆などに酷似しているため, 誰でも使用する ことが可能である. 電子カルテや携帯ゲーム機, 電子ホワイトボードなど多くの場所で運用 されている. このようにペンによる入力は短い学習曲線や高い移植性, 屋外での利用, 操作の 容易さなどのため入力方法として優れている. そのため, ペン入力はキーボードやマウスに 続き一般的な入力方法となっている. ペン入力はペン先のX座標とY座標を読み取り操作が行われている. この座標情報以外 にもペン入力に関する要素は存在する. そこで本研究では, ペン入力の要素として圧力,傾き と方位に関して実験的に調査する. このペン入力の要素として圧力, 傾きと方位に関する調 査は先行研究[1]で行われている. しかし, 先行研究ではペンを保持した状態における調査, 文字を入力する場合における調査が行われていたが, これ以外のペンを操作する場合におけ る調査は行われていない. そこで, 本研究では先行研究で調査されていなかったトレーシン

(10)

1.2 目的 グ操作における圧力,傾きと方位に関する実験的調査を行う.

1.2

目的

ペン入力はペン先のX座標とY座標を読み取り操作が行われている. この座標情報以外 にもペン入力に関する要素は存在する. そこで本研究では, ペン入力の要素として圧力,傾き と方位に関して実験的に調査する. このペン入力の要素として圧力, 傾きと方位に関する調 査は先行研究[1]で行われている. しかし, 先行研究ではペンを保持した状態における調査, 文字を入力する場合における調査が行われていたが, これ以外のペンを操作する場合におけ る調査は行われていない. そこで, 本研究では先行研究で調査されていなかったトレーシン グ操作における圧力,傾きと方位に関する実験的調査を行う. 本研究は, トレーシング操作時における圧力, 傾きと方位の変化を入力枠のサイズと位置 から調査する. また, トレーシング操作時における圧力, 傾きと方位の使用範囲を調査する. この調査結果をペン入力の効率化や新たなデザインに役立てることが目的である. 本論文では第2章に本研究に関連する過去の研究を紹介する. 第3章では本研究で行う実 験の方法について説明する. 第4章では実験によって求められた入力枠のサイズと位置によ る圧力, 傾きと方位の実験結果, そして, トレーシング操作時における圧力, 傾きと方位の使 用範囲の実験結果を紹介する. 第5章では実験によって得られた結果から考察を述べて, 今 後の発展のための課題を記す. 第6章では本研究の結論を記述する.

(11)

2

関連研究

本章は,本研究に関連性の高い研究を述べる.

2.1

保持状態

,

文字入力時のペンの圧力

,

傾きと方位

ペンの圧力, 傾きと方位に関する研究の関連研究としてXINらの「Natural Use Profiles for the Pen: An Empirical Exploration of Pressure, Tilt, and Azimuth」[1]がある. こ

れは, 保持状態, 文字入力時のペンの圧力, 傾きと方位に関する研究である. ペン入力の要素 として圧力, 傾きと方位の研究を行っている. この研究では, ペンを保持した状態と文字を書 く時に関して, 入力枠のサイズと位置を変えて研究を行っている. この研究の結果として, 圧力・傾き・方位の各要素は一定の範囲で使用されていることが 分かった. また, 入力枠の大きさや位置によって圧力・傾き・方位が変化していることが分 かった.

2.2

ペンによる直接操作と間接操作の傾きの特性

座標以外のペン入力の要素に着目した研究として植村有美子氏の「ペンによる直接操作と 間接操作の傾きの特性」[2]がある. これは, 直接操作と間接操作のペンの傾きに関する研究 である. ペン入力の要素として傾きの研究を行っている. この研究では, ディスプレイタブ レットを使用した直接操作とペンタブレットを使用した間接操作に関してペンの傾きの研究 を行っている.

(12)

2.2 ペンによる直接操作と間接操作の傾きの特性

(13)

3

実験方法

本章は本研究で行う実験方法について述べる.

3.1

実験者

実験協力者は, 年齢20歳から23歳までの大学生(平均 21.3歳)で検証を行った. 右利き の8名が実験に参加した. 視力が正常(矯正含む)である人を対象とした.

3.2

実験装置

実験装置には, Wacom社製のCintiq21UXインタラクティブLCDグラフィックディスプ レイタブレット (図3.1)と尺性チップ付きワイヤレススタイラスペン(図3.2)を使用する.

実験用のOSは, Microsoft Windows XP である. 画面のサイズは, 1600×1280 pixelsで ある. この装置で検知できる圧力, 傾きと方位は, 圧力のレベルが0∼1023 unit, 傾きのレベ ルが22∼90 °, 方位のレベルが0∼359 °である. 自然に操作するためディスプレイの角度 は45 °である.

(14)

3.3 実験デザイン 図3.1 Cintiq21UXインタラクティブLCDグラフィックディスプレイタブレット 図3.2 尺性チップ付きワイヤレススタイラスペン

3.3

実験デザイン

3.3.1

入力枠の設定

本実験では, 表示された実験タスク(図3.4)をペンでトレースする形(トレーシング)で操 作する(図3.3). 本実験には2種類あり, 1つ目が異なるサイズの入力枠への入力である. 入 力枠のサイズが1280×1024, 800×640, 320×256 pixelsである. 2つ目が異なる位置の 入力枠への入力である. 最大枠1280×1024 pixelsを上下左右に4分割したものである. 1 つのサイズが640×512 pixelsである.

(15)

3.3 実験デザイン

3.3.2

トレーシング

本実験では, 表示された実験タスク(図3.4)をペンでトレースする形(トレーシング)で操 作する (図3.3). トレーシングでの操作は, 表示されたタスクをペンで上書きするようにペ ンを動かす入力方法である(図3.3). 図3.3 操作画面

3.3.3

実験タスク

実験タスクは, ペンを各方向に動かすことを意識している. この実験タスクを選んだのは, 鉛筆やボールペンなどの自由筆記と同じ動作が行えるからである. 実験タスクの種類は10 種類(図3.4)である.この実験タスクの順方向と逆方向への操作を行う.

(16)

3.4 実験の流れ 図3.4 タスクの種類

3.3.4

試行回数

本実験の一人当たりの試行回数を記す. タスクの種類:10× 方向:2× 繰り返し:2× 入力枠:7× =280回  実験協力者は8名なので本実験の総試行回数は 8×280=2240回となる.

3.4

実験の流れ

1. 実験前に, 実験協力者に実験の趣旨, 方法, 実験によって得られる成果を説明し実験内容 を把握してもらう. 2. 実験のメイン画面で実験者番号を入力してもらう. 3. 実験の練習をしてもらう. 4. 練習後, 本実験を開始する. 5. 始点の矢印が追加された状態で実験タスクが表示される.

(17)

3.5 評価項目 6. 始点の矢印にペンを接地させる. 7. 設置したままキーボードを押し, トレーシング操作を開始する. 8. 操作終了後, ペンを設置したままキーボードを押すと, 1試行が終了する. 9. 1試行が終了すると次の実験タスクが表示される. 10. 次のタスクも同じように操作を行う. 実験が終了するまで指定された操作を繰り返す. 11. 異なるサイズの入力枠への入力と異なる位置への入力がすべて完了した後に主観評価を 行ってもらう. トレーシングの際には,可能な限り正確に,かつ操作を迅速に行ってもらった.

3.5

評価項目

圧力(Pressure)は操作時のペン圧力である. 傾き(Tilt)は操作時のペンの傾きである. 方位(Azimuth)は操作時のペンの方位である. 主観評価はアンケートにより入力枠ごとの操作の速さ, 操作のしやすさ, 操作の正確さ, 疲労度を評価したものである. それぞれ7段階(悪い:1, 良い:7)で記入してもらっ た. また, 使いやすかった入力枠を選択してもらった. そして, 感想を任意で記入しても らった.

(18)

4

実験結果

本章では本実験により得られた結果を述べる.

4.1

圧力

4.1.1

異なるサイズ

図4.1は異なるサイズの入力枠における圧力の度数(全体図)の結果である. 図4.2は異な るサイズの入力枠における圧力の度数(拡大図)の結果である. 図4.3は異なるサイズの入力 枠における圧力の平均の結果である. 入力枠のサイズが大, 中と小との間に有意差が見られた(F2,2046 = 3.614, p < 0.05). 結 果から,入力枠が大きくなると圧力が大きくなることが分かる.

(19)

4.1 圧力

図4.1 異なるサイズにおける圧力の度数(全体図)

(20)

4.1 圧力 図4.3 異なるサイズにおける圧力の平均

4.1.2

異なる位置

図4.4は異なるサイズの入力枠における圧力の度数(全体図)の結果である. 図4.5は異な るサイズの入力枠における圧力の度数(拡大図)の結果である. 図4.6は異なるサイズの入力 枠における圧力の平均の結果である. 図4.7は異なるサイズの入力枠における圧力の等高線 図である. 入力枠の位置が左上, 右上, 右下と左下との間, 左上と右上との間に有意差が見られた (F3,3069 = 4.014, p < 0.05). 結果から,入力枠が右上に行くと圧力が大きくなることが分 かる.

(21)
(22)

4.1 圧力

(23)

4.1 圧力

(24)

4.2 傾き 図4.7 異なる位置における圧力の等高線図

4.2

傾き

4.2.1

異なるサイズ

図4.8は異なるサイズの入力枠における傾きの度数の結果である. 図4.9は異なるサイズ の入力枠における傾きの平均の結果である. 入力枠のサイズが中, 小と大との間に有意差が見られた(F2,98= 7.063, p < 0.05). 結果 から,入力枠が大きくなると傾きが大きくなることが分かる.

(25)

4.2 傾き

図4.8 異なるサイズにおける傾きの度数

図4.9 異なるサイズにおける傾きの平均

4.2.2

異なる位置

(26)

4.2 傾き

きの等高線図である.

入力枠の位置が右上と左下との間に有意差が見られた(F3,147 = 1.830, p < 0.05). 結果

(27)
(28)

4.2 傾き

(29)

4.3 方位 図4.12 異なる位置における傾きの等高線図

4.3

方位

4.3.1

異なるサイズ

図4.13は異なるサイズの入力枠における方位の度数の結果である. 図4.14は異なるサイ ズの入力枠における方位の平均の結果である. 入力枠のサイズが大, 中, 小の全ての間に有意差が見られた(F2,718= 61.058, p < 0.05). 結果から,入力枠が小さくなると方位が大きくなることが分かる.

(30)

4.3 方位 図4.13 異なるサイズにおける方位の度数 図4.14 異なるサイズにおける方位の平均

4.3.2

異なる位置

図4.15は異なるサイズの入力枠における方位の度数の結果である. 図4.16は異なるサイ ズの入力枠における方位の平均の結果である. 図4.17は異なるサイズの入力枠における方

(31)

4.3 方位

位の等高線図である.

入 力 枠 の 位 置 が 左 上, 右 上, 左 下, 右 下 の 全 て の 間 に 有 意 差 が 見 ら れ た(F3,1077 =

(32)
(33)

4.3 方位

(34)

4.4 全体 図4.17 異なる位置における圧力の等高線図

4.4

全体

図4.18は操作全体の圧力・傾き・方位の度数の結果である. 図4.19は先行研究[1]の圧 力・傾き・方位の度数の結果である. 図4.20は操作全体における圧力・傾き・方位の平均の 結果である. 図4.21は操作全体における圧力の等高線図である. 図4.22は操作全体におけ る傾きの等高線図である. 図4.23は操作全体における方位の等高線図である. 図4.24は操 作全体における圧力の使用範囲である. 図4.25は操作全体における傾きの使用範囲である. 図4.26は操作全体における方位の使用範囲である. 結果から,入力枠が右に行くほど圧力, 傾きと方位が大きくなることが分かる. また,先

(35)

4.4 全体

行研究と本研究を比較した場合,先行研究と本研究の圧力, 傾きと方位の度数が同じ傾向を

示すことが分かる.

(36)

4.4 全体

図4.19 先行研究[1]の圧力・傾き・方位の度数

(37)

4.4 全体

(38)

4.4 全体

(39)

4.4 全体

(40)

4.4 全体

図4.24 操作全体における圧力の使用範囲

(41)

4.5 主観評価 図4.26 操作全体における方位の使用範囲

4.5

主観評価

主観評価は各入力枠ごとの操作の速さ, 操作のしやすさ,操作の正確さ, 疲労度を7段階で 評価した. 評価は 1(最も悪い)∼7(最も良い)までの単一選択として記入を行ってもらった. 本実験では図4.27から図4.31うな結果が得られた.

4.5.1

操作の速さ

図4.27は操作の速さについての主観評価の結果である. 操作の速さでは下側の入力枠の

(42)

4.5 主観評価 図4.27 主観評価(操作の速さ)

4.5.2

操作のしやすさ

図4.28は操作のしやすさについての主観評価の結果である. 操作のしやすさでは下側の 入力枠の評価が高いという結果となった. 図4.28 主観評価(操作のしやすさ)

(43)

4.5 主観評価

4.5.3

操作の正確性

図4.29は操作の正確性についての主観評価の結果である. 操作の正確性では大きい入力 枠の評価が高いという結果となった. 図4.29 主観評価(操作の正確性)

4.5.4

疲労度

図4.30は疲労度についての主観評価の結果である. 疲労度では下側の入力枠の評価が高 いという結果となった. また, 入力枠が小さいと評価が高いという結果となった.

(44)

4.5 主観評価 図4.30 主観評価(疲労度)

4.5.5

使いやすかったもの

図4.31は手の疲労度についての主観評価の結果である. 使いやすかったものは下側の入 力枠の評価が高いという結果となった. また, 入力枠が小さいと評価が高いという結果と なった. 図4.31 主観評価(使いやすかったもの)

(45)

5

考察と今後の課題

本章では実験結果の考察と今後の課題を述べる.

5.1

考察

本研究では先行研究[1]で調査されていなかったトレーシング操作における圧力, 傾きと 方位に関する実験的調査を行った. 本研究はトレーシング操作の実験であるため, 先行研究 [1]の文字を書く場合の実験的調査の結果と比較する.また, 調査結果からペン入力の効率化 や新たなデザインを考える. 圧力については, 最大値(1023 unit)を超えている部分は先行研究よりも少なかった. こ れは, 文字を書く場合と違い, 操作時には強い圧力をかける必要がないからだと考えられる. また, 文字の場合は鉛筆で書く時の癖が出てしまっていると考えられる. しかし, 全体的には 操作時の圧力が高い. これは, 文字とは違い圧力の強弱をつける必要がないからだと考えら れる. 傾きと方位については,先行研究との違いが見られなかった. これは, ペンを動かす時の手 首や腕の駆動がほぼ決まっているからだと考えられる. 傾きと方位の結果はペン入力の効率 化や新たなデザインのために役立つと考えられる. 圧力, 傾きと方位の使用範囲に関して, よく使用される範囲(95%使用範囲)が一定の範囲 に決まっている. これは, ペンの動かし方の傾向が決まっているということだと考えられる. そのため, よく使用される範囲(95%使用範囲)のデータを利用することでペン入力の効率 化が可能になると考えられる. また, ほとんど使用されない範囲(95%使用範囲以外)を利用

(46)

5.2 今後の課題 することで新たなデザインを開発することができると考えられる. 新たなデザインの具体案 として次のようなものを考えている. 圧力を利用する場合, 絵を描くときにペンを軽く操作 することで入力に変化を与えることが考えられる. 傾きや方位を利用する場合, ほとんど使 用していない(95%使用範囲以外)を切り替えスイッチとして利用することにより, 入力の 切り替えを行うことができると考えられる. 主観評価については, 大きな入力枠が全体的に低い評価となっている. また, 離れている位 置に入力する場合も低い評価となっている. 逆に, 小さな入力枠や近い位置に入力する場合 は高い評価となっている. このことから, 手首や肘を動かすことで入力することができるも のが高い評価となり,腕全体を動かして入力するものは低い評価になっていると考えられる.

5.2

今後の課題

本研究の今後の課題として, 以下の課題があげられる. ・年齢の違いによる操作性の変化 ・左利きによる操作性の変化

5.2.1

年齢の違いによる操作性の変化

今回は20代のみで検証したため年少者や高齢者が20代と同じように入力できるかは検 証されていない. 幅広い年齢層を対象にした場合の実験結果では検証結果が変わる可能性が ある. そこで10代の年少者や50代の高齢者など幅広い年齢層で実験協力者を募り本実験を 行う必要があると考えられる. これにより年齢層による操作性の変化を知ることができ, ペ ン入力の操作性についての研究に貢献できると考えられる.

5.2.2

左利きによる操作性の変化

今回は右利きのみで検証したため左利きの人が右利きと同じように入力できるかは検証さ れていない. 左利きの人と右利きの人の実験結果では検証結果が変わる可能性がある. そこ

(47)

5.2 今後の課題

で左利きの実験協力者を募り本実験を行う必要があると考えられる. これにより左利きの人

による操作性の変化を知ることができ, ペン入力の操作性についての研究に貢献できると考

(48)

6

結論

ペン入力はペン先のX座標とY座標を読み取り操作が行われている. この座標情報以外 にもペン入力に関する要素は存在する. そこで本研究では, ペン入力の要素として圧力,傾き と方位に関して実験的に調査する. このペン入力の要素として圧力, 傾きと方位に関する調 査は先行研究[1]で行われている. しかし, 先行研究ではペンを保持した状態における調査, 文字を入力する場合における調査が行われていたが, これ以外のペンを操作する場合におけ る調査は行われていない. そこで, 本研究では先行研究で調査されていなかったトレーシン グ操作における圧力,傾きと方位に関する実験的調査を行った. 具体的には, トレーシング操作時における圧力, 傾きと方位の変化を入力枠のサイズと位 置から調査した. また, トレーシング操作時における圧力, 傾きと方位の使用範囲を調査し た. そして, 調査結果からペン入力の効率化や新たなデザインの考察を行った. トレーシング操作時における圧力, 傾きと方位の変化を入力枠のサイズと位置から調査し た結果, 入力枠が小さくなると圧力と傾きが小さくなり, 方位が大きくなることが分かった. また, 入力枠の位置が左に行くと圧力, 傾きと方位が小さくなることが分かった. この結果か ら, トレーシング操作時の傾向を知ることができ, ペン入力の効率化が可能になるといえる. トレーシング操作時における圧力, 傾きと方位の使用範囲を調査した結果, 圧力の使用範 囲が0∼1023 unit の全体で, 良く使用されている範囲 (95%使用範囲)が645∼1023 unit であることが分かった. 傾きの使用範囲が45∼126 °で, 良く使用されている範囲(95%使 用範囲)が54∼84 °であることが分かった. 方位の使用範囲が0∼359 °の全体で, 良く使 用されている範囲(95%使用範囲)が19∼131 °であることが分かった. この結果から, よ く使用される範囲(95%使用範囲)のデータを利用することでペン入力の効率化が可能にな

(49)

ると考えられる. また, ほとんど使用されない範囲(95%使用範囲以外)を利用することで新 たなデザインを開発することができると考えられる. 新たなデザインの具体案として次のようなものが考えられる. 圧力を利用する場合, 絵を 描くときにペンを軽く操作することで入力に変化を与えることが考えられる. 傾きや方位を 利用する場合, ほとんど使用していない(95%使用範囲以外)を切り替えスイッチとして利 用することにより, 入力の切り替えを行うことができると考えられる. 本研究はペン入力の効率化や新たなデザインのための基礎研究の一つになり, 将来的にペ ン入力の活躍の場を広げるための研究に貢献できるであろうと考える.

(50)

謝辞

本研究を行うにあたり,その機会を与えてくださり,多大なるご指導,ご助言をいただい た,高知工科大学情報システム工学科の任 向実教授に心よりお礼を申し上げます. また,本論文を発表するにあたり,本学情報システム工学科の妻鳥 貴彦講師及び 繁桝 博 昭准教授には学士論文の副査として論文審査に携わって頂き大変お世話になりました. 同研究室のTU Huawei氏, FU Yuan氏には英語のご指導や異文化交流の機会を与えて頂 き心より感謝いたします.また,楠葉 匡敏氏, 林 勇介氏らには本研究及び学生生活に関し て,ご助言と激励をいただき,心より感謝いたします. 本研究の実験に参加して下さった同研究室の学生諸氏,また,本研究を手伝って下さった 研究生の皆様には貴重な時間を割いて頂き,厚く感謝いたします. 最後に私の4年間の学生生活を身近で支えて下さった学友の皆様と高知工科大学の教職員 の皆様,また,本大学で勉強する機会を与えてくれただけでなく,常に私を支えてくれた家 族に深く感謝いたします.

(51)

参考文献

[1] Xin, Y., Bi, X. and Ren, X. (2012). Natural Use Profiles for the Pen: An Empirical Exploration of Pressure, Tilt, and Azimuth, to appear in Proceedings of the ACM

Conference on Human Factors in Computing Systems (CHI 2012, 5- 10 May 2012, Austin, Texas), ACM Press.

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図 4.2 異なるサイズにおける圧力の度数 ( 拡大図 )
図 4.5 異なる位置における圧力の度数 ( 拡大図 )
図 4.6 異なる位置における圧力の平均
図 4.10 は異なるサイズの入力枠における傾きの度数の結果である . 図 4.11 は異なるサイ
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参照

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