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非鉄金属市況と需給動向

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Academic year: 2021

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(1)

非鉄金属市況と需給動向

平成30年1月(銅、亜鉛、ニッケル、金・白金)

おことわり:本レポートの内容は、必ずしも独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構としての見解を示すものではありません。正確な情報をお届けするよう最大限の努力を行っ てはおりますが、本レポートの内容に誤りのある可能性もあります。本レポートに基づきとられた行動の帰結につき、独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構及びレポート執

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非鉄金属市況と需給動向

■ベースメタル

当該期間、銅は7,181US$/tでスタート。上旬は緩やかなドル高の進行を受けてやや軟調に 推移。中旬はほぼ横ばい推移となったものの、下旬はLME在庫の急増を受けて一時 7,000US$/tを割り込んだ。その後はドル安の進行が好感される中持ち直し、7,100.5US$/t で越月。3,377US$/tでスタートした亜鉛は、供給不足見通しが続くもドル高の進行が重し となり上旬はほぼ横ばい推移。中旬は、ドル安の進行や中国の大気汚染問題を受けての生産 減少が懸念され上昇傾向を辿った。下旬はLME在庫が2008年10月以来の低水準となったこ とを受けて10年半ぶりの高値水準を月末まで維持し、3,589.5US$/tで越月。12,690US$/t でスタートしたニッケルは世界経済見通しの上方修正を受け9日に上昇。その後ほぼ横ばい 推移したが、16日には12,415US$/tまで下落。下旬はドル安の進行が好材料となる中、LME 在庫減少や中国経済成長への期待感から29日には13,890US$/tと2年8か月ぶりの高値を付 けた。月末は世界の株式相場につられたことなどから下落し、13,555US$/tで越月。

■貴金属

金は1,312.4US$/oz、プラチナは936.5US$/oz、パラジウムは1,079US$/ozでスタート。 上旬はドル高の進行が重しとなりほぼ横ばい推移。中旬は、日本銀行や欧州中央銀行などで 金融緩和が縮小されるとの観測を受けて相対的にドル安が進んだことが好感され、金・プラ チナは緩やかに上昇。パラジウムも15日には史上最高値となる1,128.5US$/ozを付けた。 下旬はドル安の進行が一服したことが下方圧力となり緩やかに下落した。 米国経済 1月の製造業PMI改定値は55.5(前月確定値:55.1)。2/5労働省発表の12月非農業部門雇用者数は前月比+20.0万人(前月:+14.8万人) と市場予想の18万人増を大幅に上回った。失業率は4.1%(前月:4.1%)と低水準を維持した。 中国経済 1月製造業PMIは、国家統計局発表が51.3(前月:51.6)と下落、財新/Markit発表の速報値は51.5(前月:51.5)と横ばい。 欧州経済 1月製造業PMIは、確定値59.6(前月確定値:60.6)と下落。 (JOGMEC作成)

総括

主要非鉄金属の価格推移 (2003年5月=1) 製造業購買担当者景況指数(PMI) 44 46 48 50 52 54 56 58 60 62 64 2 0 1 7 /1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 2 0 1 8 /1 欧州 米国 中国(国家統計局) 中国(財新) 0.00 2.00 4.00 6.00 8.00 10.00 M ay -0 3 M a y-0 4 M a y-0 5 M a y-0 6 M a y-0 7 M a y-0 8 M a y-0 9 M a y-1 0 M a y-1 1 M a y-1 2 M a y-1 3 M a y-1 4 M a y-1 5 M a y-1 6 M a y-1 7 銅 ニッケル 鉛 亜鉛 金

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非鉄金属市況と需給動向

■LME価格

① 年初に7.200US$/t超:2日に7,181.0US$/tでスタート。3日に7,115.5US$/tと下げ たものの4日には7,202.5US$/tに上昇。2017年12月米国製造業PMIの前月比での上 昇を受けて需要拡大への期待感が高まった模様。しかし、ドル高に振れたことが下方 圧力となり、8日には7,084.5US$/tへと値を下げた。その後はドル安から 7,100US$/t台を推移。 ② 一時上昇あるも、緩やかな下落傾向:12日利益確定売りの動きからか7,070.5US$/t に下げたものの、15日には日本銀行や欧州中央銀行などで金融緩和が縮小されると の観測を受けてドル安が進み7,180.0US$/tに回復。しかし、ドル高に振れたことや 旧正月を前に中国需要が減少するとの見方が出た結果、16日7,023.0US$/tに下落。 その後は、2017年の中国GDP成長率6.9%増との発表による同国経済への期待の一 方、中国の銅供給過剰観測等もある中、7,050US$/t前後で推移。 ③ 7,000US$/tを割り込むも米財務長官の発言で上昇:23日、銅のLME在庫増が嫌気 され、7,000US$/tを割り込んだが(6,905.0US$/t)、ムニューシン米財務長官が米国 の貿易にとって「ドル安は良いこと」と発言したことを受けたドル安進行から再び 7,000US$/tを超えた(25日7,112.0US$/t)。月末は韓国やシンガポール等のLME在 庫増加、ドル高や世界の株式相場下落による下方圧力等があったものの、横ばい維持 し7,100.5US$/tで越月。

■需給動向

・国際銅研究会(秋季)予測は2017年15.1万tの供給不足、2018年10.4万tの供給不足。 ・BHPが、2017年12月まで半年間の銅生産量はチリEscondida鉱山の増産などにより対 前年同期比で17%増加して833千t、2018年6月までの1年間の生産目標は据え置きの 1.66~1.79百万tと発表。(2018年1月18日)

7,100US$/tを中心に小幅な値動き、下旬にはLME在庫が増加

(出典:ICSG) 当該期間の値動き LME価格(US$) LME在庫(千t) 銅地金の需給バランスと在庫の動き 150 200 250 300 350 6,000 6,200 6,400 6,600 6,800 7,000 7,200 7,400 7,600 1/2 1/4 1/8 1/10 1/12 1/16 1/18 1/22 1/24 1/26 1/30 LME在庫 LME価格

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非鉄金属市況と需給動向

亜鉛

■LME価格

① ドル高進行が下方圧力となりほぼ横ばい推移:3,377US$/tでスタートした亜鉛は、供 給不足見通しが続く中、3日に発表された米国製造業PMIの前月比上昇などが好材料と なったものの、ドル高の進行が重しとなり上旬はほぼ横ばい推移。 ② ドル安の進行と中国生産減少懸念から緩やかに上昇:中旬は、日本銀行や欧州中央銀行 などで金融緩和が縮小されるとの観測を受けてドル安が進行したことから堅調に推移。 中国の大気汚染問題を受けて生産減少が懸念されたことも上昇要因となった模様。 ③ LME在庫の減少と需給タイト感を好材料に上昇:下旬もドル安基調が好感され上昇傾 向を辿った。LME在庫が2008年10月以来の低水準となったことから需給のタイト感も 意識されたものとみられ、29日には当該期間最高値となる3,609.5US$/tと10年半ぶり の高値を付けた。月末まで同水準を維持し、3,589.5US$/tで越月。

■需給動向

✍ 国際鉛亜鉛研究会(秋季)の予測では2017年は39.8万tの供給不足、2018年は22.3万t の供給不足。 ✍ 主要鉱山操業状況:Nyrster社は加・Myra Falls鉱山(30万t/年)や米国・Middle Tennessee鉱山(50万t/年)で操業再開。Rampura-Agucha鉱山やAntamina鉱山も 高品位鉱体開発により増産。Teck社はRed Dog鉱山の亜鉛生産量について今後5年間 は525~550千t/年に達する見通し及びマインライフ延長を発表(2017年9月18日)。 MMG社は豪・Dugald River鉱山の鉱石出荷開始を発表(同11月8日)、また豪・ Century鉱山の尾鉱からの亜鉛採掘計画を発表(同11月28日)。GlencoreはLady Loretta鉱山の2018年上半期再開計画を発表(同12月12日)。

ドル安基調とLME在庫減少が好材料となり、 10年半ぶりに3,600US$/tを超える高値記録

当該期間の値動き LME価格(US$) LME在庫(千t) SHFE在庫(t) SHFE在庫の推移 (2017年2月~2018年1月) 150 200 250 300 350 3,000 3,200 3,400 3,600 3,800 1 /2 1/3 1/4 1/5 1/8 1/9 1 /1 0 1 /1 1 1 /1 2 1 /1 5 1 /1 6 1 /1 7 1 /1 8 1 /1 9 1 /2 2 1 /2 3 1 /2 4 1 /2 5 1 /2 6 1 /2 9 1 /3 0 1 /3 1 LME在庫 LME価格 0 50,000 100,000 150,000 200,000 250,000 2017 年 2 月 2017 年 3 月 2017 年 4 月 2017 年 5 月 2017 年 6 月 2017 年 7 月 2017 年 8 月 2017 年 9 月 2017 年 10 月 2017 年 11 月 2017 年 12 月 2018 年 1 月

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非鉄金属市況と需給動向

ニッケル

■LME価格

① ドル高傾向が下方圧力となるも世界経済見通し上方修正で上昇:2日に12,690US$/tで スタート、3日には12月の中国製造業PMI低下等を受け12,465US$/tに値を落とすも、 4日には12月の米国製造業PMIの上昇を受け回復。その後はドル高傾向が下方圧力とな り12,500US$/t前後で推移したが、10日には世界銀行の2018年世界成長見通し上方修 正から需要増加への期待感が高まり12,900US$/tに上昇、半ばまで横ばい推移した。 ② ドル安傾向を背景に中国経済成長への期待感などから上昇:16日、中国の旧正月の需 要減少見通しなどから12,415US$/tまで値を落としたが、その後は日本銀行や欧州中 央銀行などの金融緩和縮小観測を受けたドル安進行を背景に上昇傾向となり、18日発 表の中国2017年通年のGDP成長率が2010年以来の加速となったことによる同国経済成 長への期待感も相場を下支えしさらに上昇、25日には13,695US$/tに急伸した。 ③ 2年8か月ぶり高値も世界株式相場下落につられ値を下げる:その後はドル安進行が一 服したことなどを受け13,000US$/t台後半を小幅に上昇、LME在庫の減少も好感さ れ、29日には2年8か月ぶり高値となる13,890US$/tを付けた。月末は世界株式相場の 下落につられ値を下げ13,555US$/tで越月した。

■需給動向

✍ 国際ニッケル研究会(秋季)の予測では2017年は9.7万tの供給不足、2018年は5.3万t の供給不足。 ✍ 主要鉱山操業状況:フィリピン環境天然資源省が国内23鉱山の閉鎖・5鉱山の生産一時停 止を命令(2017年2月2日)。ValeがカナダBirchtree鉱山閉鎖計画を発表(2017年5月 17日)。First Quantum Mineralsが豪Ravensthorpe鉱山の9月閉鎖を発表(2017年8月 11日)。Independence Group社は豪Long鉱山の坑内掘り採掘活動の2018年5月末終了 を発表(2018年1月31日)。 ✍ フィリピン新環境天然資源大臣にRoy Cimatu氏を任命(2017年5月8日)

ドル安地合いを背景に中国経済成長への期待感などから2年8か月ぶり高値へ

当該期間の値動き LME価格(US$) LME在庫(千t) (出典:INSG) 需給バランス(千t) 340 360 380 400 420 440 11,000 11,500 12,000 12,500 13,000 13,500 14,000 1 /2 1/3 1/4 1/5 1/8 1/9 1 /1 0 1 /1 1 1 /1 2 1 /1 5 1 /1 6 1 /1 7 1 /1 8 1 /1 9 1 /2 2 1 /2 3 1 /2 4 1 /2 5 1 /2 6 1 /2 9 1 /3 0 1 /3 1 LME在庫 LME価格 (15) (10) (5) 0 5 10 需給バランス 需給バランス

(6)

非鉄金属市況と需給動向 14.5 14.8 15.1 15.4 15.7 16.0 1.16 1.18 1.20 1.22 1.24 1.26 1 /2 1 /9 1 /1 6 1 /2 3 1 /3 0 USD ZAR

金・プラチナ・パラジウム

■金

① ドル安地合いに下支えされ上昇傾向辿る:当該期間1,312.4US $/ozでスタート、1月 前半はドル安地合いを背景に1,300US$/oz台前半を緩やかに上昇。9日にはドル高に 振れたことから小幅に値を下げたものの翌10日には回復。月半ばまでは日本銀行や欧 州中央銀行などの金融緩和縮小観測を受け、ユーロや円が買われたことによるドル安 進行を材料に続伸。16日以降はドル安進行が一服したことなどから1,330US$/t台を 横這い推移した。 ② さらなるドル安進行を背景に1年5か月ぶり高値をつける:24日の米財務長官による 「米国貿易にとってドル安は良いこと」との発言を受けさらにドル安が進み金相場も 上昇、25日にはおよそ1年5か月ぶり高値となる1,357.6US$/tをつけた。その後はド ル安進行の一服感から1,340US$台を横這い推移し、1,344.2US$/ozで越月した。

■プラチナ・パラジウム

① プラチナ:ドル安地合いから上昇、中旬以降は横ばい:プラチナは936.5US$/ozで スタート。金同様、ドル安地合いを背景に900US$/oz台を堅調に上昇し、22日には 1,017.5US$/ozの高値を付けた。23日には高値の反動から1,000US$を切ったもの の、24日には米財務長官のドル安容認発言を受けてのさらなるドル安傾向を材料に 1,000US$台を回復、その後はほぼ横這い推移し1,003.5US$/ozで越月した。 ② パラジウム:米国経済好調とドル安地合いを背景に史上最高値を更新:パラジウムは 1,079.0US$/ozでスタート。自動車排ガス触媒用途が需要の8割を占めるパラジウム は、米国経済の好調さとドル安地合いを材料に引き続き高値水準を維持、15日には史 上最高値となる1,128.5US$/ozをつけた。その後も最高値圏で推移したが、月末に は利益確定売りの動きなどから下落傾向となり、1,057US$/ozで越月した。

ドル安地合いを背景に堅調推移、パラジウムは史上最高値を更新

当該期間の値動き (US$/oz)

(European Central Bank)

ユーロに対する為替の値動き (米ドル・南アランド) (US$/€) (R/€) 外貨高・ユーロ安 900 1,000 1,100 1,200 1,300 1,400 1 /2 1/3 1/4 1/5 1/8 1/9 1 /1 0 1 /1 1 1 /1 2 1 /1 5 1 /1 6 1 /1 7 1 /1 8 1 /1 9 1 /2 2 1 /2 3 1 /2 4 1 /2 5 1 /2 6 1 /2 9 1 /3 0 1 /3 1 金 プラチナ パラジウム

(7)

非鉄金属市況と需給動向

亜鉛

ニッケル

プラチナ

パラジウム

LME現物 LME現物 LME現物 AM・PM平均 AM・PM平均 AM・PM平均

(US$/t) (US$/t) (US$/t) (US$/oz) (US$/oz) (US$/oz)

本報告期 期 初 7,181.0 3,377.0 12,690.0 1,312.4 936.5 1,079.0 期 末 7,100.5 3,589.5 13,555.0 1,344.2 1,003.5 1,057.0 最高値 7,202.5 3,609.5 13,890.0 1,357.6 1,020.0 1,128.5 1月4日 1月29日 1月29日 1月25日 1月25日 1月15日 最安値 6,905.0 3,350.5 12,415.0 1,312.4 936.5 1,057.0 1月23日 1月3日 1月17日、1月18日 1月2日 1月2日 1月31日 平 均 7,080.3 3,447.2 12,880.2 1,332.2 989.2 1,094.9 先物 (1月31日) Dec 13か月 7,140.07,250.0 3,527.03,267.0 13,880.013,550 - Dec 2 7,245.0 3.037.0 14,050.0 - - - 2018年 期 初 7,181.0 3,377.0 12,690.0 1,312.4 936.5 1,079.0 (当年) 期 末 7,100.5 3,589.5 13,555.0 1,344.2 1,003.5 1,057.0 最高値 7,202.5 3,609.5 13,890.0 1,357.6 1,020.0 1,128.5 1月4日 1月29日 1月29日 1月25日 1月25日 1月15日 最安値 6,905.0 3,350.5 12,415.0 1,312.4 936.5 1,057.0 1月23日 1月3日 1月17日、1月18日 1月2日 1月2日 1月31日 平 均 7,080.3 3,447.2 12,880.2 1,332.2 989.2 1,094.9 2017年 期 初 5,574.0 2,552.5 10,205.0 1,149.8 917.5 695.0 (前年) 期 末 7,157.0 3,309.0 12,260.0 1,296.5 927.0 1,056 最高値 7,216.0 3,370.0 12,830.0 1,348.6 1,029.5 1,057.5 12月28日 10月4日 11月6日 9月8日 2月27日 12月27日、28日 最安値 5,466.0 2,434.5 8,715.0 1,149.8 877.0 695.0 5月8日 6月7日 6月2日 1月3日 12月13日 1月3日 平 均 6,166.0 2,895.9 10,411.3 1,257.6 948.5 869.8

非鉄市況

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