*当社の提供したすべての資料は信頼できると判明した情報に基づいて作成されていますが、その正確性、安全性を保証するものでは ありません。投資などのご利用に際しては、お客様ご自身の判断でお願いいたします。 2012年2月3日 欧州連合(EU)27加盟国は1月23日ベルギーの首都ブリュッセルで外相会合を開き、 イラン産原油及び石油製品の輸入禁止やイラン中銀等の経済機関に対する一括の経済 制裁措置について合意した。具体的内容として、すべてのEU加盟国はイラン産原油及び 石油製品の輸入が禁止された。また、現行契約書について、今年7月1日までに取引を 終え ること。原油産業はイラン経済の命脈であり、天然ガスと原油工業はイラン GDP の 30%、対外貿易の 80%と財政収入の 60%を占めている。アメリカ、ヨーロッパが相次いでイ ラン産原油の輸入を禁止することが、イランの実体経済に大きなダメージを与えることはいう までもない。一方、イラン側はEUの「禁油令」に強く反発している。イラン外交事務と国家 安全委員会モハメド・コサリ副委員長は、「原油取引に関して何らかの支障が生じた場合、 ホルムズ海峡を必ず封鎖する」と言明した 。また 、イラン憲法審議と起草専門家会議メン バーアリ・ファルシアンは政府に EU への原油輸出を直ちに停止するよう求める議案を提出 しました。当地域の原油供給への影響を懸念するためか、NYMEX 原油先物 3 月限は 23日約1.30%値上がりした。 EU のイラン産原油輸入禁止策の公表に伴い、イランの緊張情勢はさらにグレードアップ された。国際通貨基金(IMF) は、イランに対する原油輸入禁止策の実施によって、世界 原油供給が毎日150万バレル減少し、原油価格が1バレル当たり20~30ドル上昇する 可能性があると警告した。その直前、イラン外交部が、西洋諸国がイランの原油輸出を抑 制する場合には、国際の原油価格が現行の倍になるという威嚇的な発言があった。これは 合理的な 予測なの か、 そ れとも 大げ さ を言 って いる だ けなのだ ろうか 。 石油輸 入禁止 策を 下記の3つの視点に沿って分析する。 一、石油輸入禁止がもたらすイランへの影響 イランは世界においても主な石油大国であり、原油埋蔵量は世界4位で、原油の生産 日量は350万バレルである。また、イランは第三大石油輸出国であり、輸出総量は約220 万バレルである。そのうち、45万バレルはEUへ、輸出総量の20%を占めている。イラン側は 積極的に他のイラン産石油輸入国と接触し、斡旋することで、残った 80%の輸出シェアを 確保する意図を示した。
イラン
イラン
イラン
イラン情勢
情勢
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情勢緊迫化
緊迫化
緊迫化
緊迫化
原油高騰はいつまで続く
原油高騰はいつまで続く
原油高騰はいつまで続く
原油高騰はいつまで続くか
か
か
か
*当社の提供したすべての資料は信頼できると判明した情報に基づいて作成されていますが、その正確性、安全性を保証するものでは ありません。投資などのご利用に際しては、お客様ご自身の判断でお願いいたします。 グラフ1:世界の原油埋蔵量ランキング(単位:10億バレル) グラフ2:イラン産石油の輸出対象国(2011年1月-6月) アジア諸国はイランにとって 重要な石油輸出対象国である。中国とインド、日本、韓国 の輸入量はイランの毎日輸出総量(220万バレル)の60%を占めている。2011年上半期ま で、イランは毎日中国へ54 万バレルの原油を輸送し、中国の日石油輸入総量の 10%を 超え 、サウジアラビアとアンゴラにつ ぎ、中国の第三大石油供給国である。しかし、ガイトナ ー米財務長官は今年 1 月、中国を訪問し、中国もイラン産原油輸入禁止の輪に加わる ようプレシャーをかけた。その後、アメリカのメディアによると、中国の1月のイラン産原油輸入
*当社の提供したすべての資料は信頼できると判明した情報に基づいて作成されていますが、その正確性、安全性を保証するものでは ありません。投資などのご利用に際しては、お客様ご自身の判断でお願いいたします。 量は約28.5 万バレル減少し、既往輸入量の半分に相当することが分かった。一方、日本 では、安住淳財務相は1月12日、アメリカの要求に応じ、日本はできるだけ早めに「計画 的に」イランの石油輸入を減少する措置をとり、イラン産原油の輸入量を日本輸入総量の 1割程度に控えたいと公表した。よって、アジア諸国はアメリカのプレッシャーを受けて、イラン 石油の輸入を控える可能性が高く、イランは EU 以外の 80%の輸出シェア確保は安易に 実現できないことが予想される。 二、石油輸入禁止は西洋諸国への影響 アメリカはすでに 1987 年からイランからの石油輸入を停止しているので、今回の石油輸 入禁止策の ア メリ カへの 影響は限 られて いる 。た だ し、 債務危 機に 陥って いるヨーロ ッパ諸 国にとって、イランのような長期にわたって協力してきた原油市場を放棄することは、経済へ の衝撃が小さくない。2011年、イランはEUへ、一日平均45万バレルの石油を輸送した。 一旦、イランの石油輸入禁止はもたらす心理的影響が国際原油価格に反映されれば、ヨ ーロッパの経済回復に大きな支障が出ることが予想される。また、EU 諸国では、スペイン、 ギリシアとイタリアなどはイラン石油への依存度が高く、かつ今回のEU財務危機の「被害の 大きい地域」である。一旦、石油供給が中断すると、実態経済はさらなる試練を臨まざる 得ないことが分かる。データによると、イランから EU へ輸入した石油において、イタリアとスペ インを合わせて 70%を占め、ギリシアはイランから輸入する原油が原油輸入総量の三分の 一を占めていた。 た だ し 、 現 在 国 際 原 油 市 場 の 供 給 が 十 分 で 、EU 諸 国 は サ ウ ジ ア ラ ビ ア や 他 の OPEC 加盟国より、原油を調達できる。国際エネルギー機関(IEA)では、サウジアラビアの 未使用日原油産量は最大220万バレルであり、エネルギー国際研究センターでは、この数 字は最大250万バレルに達するのではないかと予想されている。サウジアラビアのアリ・ヌアイ ミ石油相は1 月 16日、サウジアラビアは「気楽に」原油生産能力を現行の 980万バレル 程度から1,140万バレルか1,180万バレルに拡大し、かつ「ほぼすぐ」できると発言した。 表1:OPEC加盟国原油産量(単位:万バレル/日) OPEC加盟国 2011年 10 月 2011年 11 月 2011年 12 月 12月-11 月 アルジェリア 125.9 125.3 123.5 -1.8 アンゴラ 172.9 181.1 179.1 -2.0 エクアドル 49.2 49.4 49.1 -0.3 イラン 355.9 355.3 353.1 -2.2
*当社の提供したすべての資料は信頼できると判明した情報に基づいて作成されていますが、その正確性、安全性を保証するものでは ありません。投資などのご利用に際しては、お客様ご自身の判断でお願いいたします。 イラク 263.7 268.6 272.3 3.7 クウェート 264.6 270.3 270.6 0.3 リビア 34.8 56.3 77.3 20.9 ナイジェリア 199.4 208.7 204.3 -4.4 カタール 80.8 81.0 80.5 -0.5 サウジアラビア 941.1 978.3 976.3 -2.1 ア ラ ブ 首 長 国 連 邦 256.7 252.0 258.8 6.8 ベネズエラ 239.9 238.7 237.3 -1.4 OPEC総計 2985.0 3065.1 3082.2 17.1 OPEC(イ ラ ク 除 外)総計 2721.3 2796.5 2809.9 13.3 表2:世界の原油需給バランス(単位:百万バレル/日) 2010 1Q11 2Q11 3Q11 4Q11 2011 1Q12 2Q12 3Q12 4Q12 2012 OECD需要 46.2 46.3 44.6 46.1 46.5 45.9 46.2 44.6 46.1 46.4 45.8 非 OECD 加 盟国の需要 40.8 41.2 41.8 42.3 42.6 42.0 42.3 43.0 43.5 43.7 43.1 世 界 の 総 需 要 86.9 87.5 86.3 88.4 89.1 87.8 88.5 87.5 89.5. 90.0 88.9 非 OPEC 及び OPEC供給す る液化石油ガ ス 57.2 57.9 57.2 57.4 58.3 57.7 58.6 58.5 58.7 59.1 88.9 OPEC原油産 量 29.3 29.6 29.2 29.9 30.4 29.8 -- -- -- -- --世 界 の 総 供 給 86.5 87.5 86.4 87.4 88.7 87.5 -- -- -- -- --バランス -0.5 0.0 0.1 -1.0 -0.4 -0.3 -- -- -- -- --三、イランホルムズ海峡封鎖がもたらすリスク 欧米諸国の石油輸入禁止及び経済制裁に対し、イランの切り札はまさにホルムズ海峡 封鎖である。しばらくの前、イラン側は欧米諸国がイランの原油輸出に制裁を科せば、「悪 い結果を招く」と警告した 。イランはホルムズ海峡封鎖を報復手段として 、「原油は一滴も 通さない」。また、決心を知らしめるため、去年12月24日から、ホルムズ海峡で10日間の 日程で海上軍事演習「ヴェラーヤト90」が開始された。ホルムズ海峡東部から、オマーン海
*当社の提供したすべての資料は信頼できると判明した情報に基づいて作成されていますが、その正確性、安全性を保証するものでは ありません。投資などのご利用に際しては、お客様ご自身の判断でお願いいたします。 をまた がり、東は北インド洋の公海まで、西はアデン湾、2,000 平方キロメートルの広範な 地域で行う記録的な海上軍事演習である。 ホルムズ海峡はアラビア半島とイラン南部の間にあり、人字型に似ている。ペルシア湾か らインド洋への唯一の輸 出ルートである。東西に 約 150 km、最も 狭いと ころでの幅は約 38.9km である。ホルムズ海峡こそ中東地域の「原油タンクのメインバルブだ」といっても過言 ではない。毎 日 、何百 万 バレル もの石 油はこの 航 路を 通し 、 世界各 地へ輸 送され る 。米 国エネルギー情報局(EIA)の統計によると、ホルムズ海峡は世界の 40%近くの石油輸出 供給を担い、5 分間に 一隻の原油タンカーが出入りするそうである。ホルムズ海峡経由の 原油は毎日1,340 万バレルに達している。また、毎日約200 万バレルのガソリンや液化天 然ガスなど他の原油産品も当航路を利用している。 グラフ3:ホルムズ海峡 ホルムズ海峡はペルシア湾地区石油輸出の大動脈であり、欧米諸国に「戦略的要所」 とみなされている。ホルムズ海峡がイランに封鎖されれば、国際の石油供給の「生命線を断 たれ」、国際原油価格は大幅に高騰するだろう。債務危機で手を焼いている EU 諸国の 実態経済に深刻なダメージを与えるのみでなく、ペルシア湾地域の石油輸出に依存するア ジア諸国にとっても、大きな影響を受けるだろう。
*当社の提供したすべての資料は信頼できると判明した情報に基づいて作成されていますが、その正確性、安全性を保証するものでは ありません。投資などのご利用に際しては、お客様ご自身の判断でお願いいたします。 イラン側では、ホルムズ海峡封鎖は「水を飲むより簡単」だと述べたものの、実際に実施 する場合は困難だろう。現在イランは艦隊を改編して いるが、ホルムズ海峡を封鎖する実 力はない。なぜかというと、艦船の容積トン数が小さく、何日にもわたって船団を組んで広い 水 面 に と ど ま る こ と が で き な い か ら で あ る 。 一 方 、 ア メ リ カ の 軍 事 実 力 も 軽 視 で き な い 。 米 「世界安全」サイトに よる と、バ—レ—ンに 駐在す る米第五艦隊は航空母 艦、水陸両用 作戦艦、水上戦闘艦、ミサイル駆逐艦、補助艦、潜水艦など、各種の艦艇や海洋哨戒 航空機から成っているそうである。ホルムズ海峡の西側に常駐する主戦闘艦は 15 隻程度 である。イランは軍事行動を開始し、ホルムズ海峡の石油輸送を破壊する可能性があるも のの、ホルムズ海峡を封鎖する能力がないだろう。 しかし、上述のように、石油はイラン経済の大動脈であり、一旦、ホルムズ海峡が封鎖さ れ、イランの石油輸出ルートも塞がれる。よって、イランとしては安易にホルムズ海峡を封鎖 しないと予想される。イランとしては、欧米諸国と協力しない姿勢さえ見せれば、市場は政 治リスクを懸念し、原油価格を引き上げ、イランは利益を獲得できる。 要するに、EU のイラン石油輸入禁止策が実施されば、共倒れになる。現在、イランは 客観的に ホルムズ海峡を 封鎖する能力 がなく 、主 観的に も自国の大動 脈 を断ち切 りた く ないだろう。イランの政策は実に欧米諸国と心理戦をすること、また、今後の核問題談判の 駆け引きの道具にするだろうと予想される。緊張感が高まるペルシア湾情勢は原油価格を 押し上げるが、原油の需給不足によるものでないので、一時的な現象ではないかと予想さ れている。両方が談判に戻る前、原油価格は 20-30 ドル上昇するのは合理的であるが、 現在の価格の倍まで高騰する可能性は低いだろう。