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藤田学園第8回市民公開講座テキスト

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Academic year: 2021

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藤田学園第9回市民公開講座テキスト

*講座名*

「くらしと健康」 “婦人科腫瘍”

―早く見つけて確実に治すには―

*講 師* 『婦人科腫瘍とは?』 ■宇田川康博 (藤田保健衛生大学医学部産婦人科学教授) 『良性腫瘍―からだに優しい手術をめざして―』 ■廣田 穣 (藤田保健衛生大学医学部産婦人科学助教授) 『悪性腫瘍―癌治療の基本と実際―』 ■長谷川清志 (藤田保健衛生大学医学部産婦人科学助教授) 『検診―画像を活用して早期診断を行う―』 ■関谷 隆夫 (藤田保健衛生大学医学部産婦人科学講師) 『なってしまったら―通院時および入院時に行われること―』 ■矢野 真理 (藤田保健衛生大学病院産婦人科病棟看護長) *日 時* 平成 18 年 2 月 25 日(土) 14:00~17:00

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プ ロ グ ラ ム

第 9 回藤田学園市民公開講座 テーマ 「くらしと健康」“婦人科腫瘍”―早く見つけて確実に治すには― 開会の挨拶(14:00~14:05) 中野 浩(学長) 総合司会:辻 孝雄(医学部教授/実行委員長) セクション 1(14:05~15:15) 座 長:中川 研二(医学部整形外科学教授) 演題-1 婦人科腫瘍とは? (14:05-14:25) 医学部産婦人科学教授 宇田川康博 演題-2 良性腫瘍―からだに優しい手術をめざして― (14:25-14:50) 医学部産婦人科学助教授 廣田 穣 演題-3 悪性腫瘍―癌治療の基本と実際― (14:50-15:15) 医学部産婦人科学助教授 長谷川清志 休憩(15:15-15:25) セクション2(15:25-16:05) 座 長:森本紳一郎(医学部内科学教授) 演題-4 検診―画像を活用して早期診断を行う― (15:25-15:40) 医学部産婦人科学講師 関谷 隆夫 演題-5 なってしまったら―通院時および入院時に行われること― (15:40-16:05) 藤田保健衛生大学病院産婦人科病棟看護長 矢野 真理 休憩(16:05-16:15) 総合討論(16:15-17:00) 座 長:中川 研二(医学部整形外科学教授) 森本紳一郎(医学部内科学教授) 次回の案内と閉会の挨拶 滝田 毅(短期大学教授/副実行委員長)

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《婦人科腫瘍とは?》

藤田保健衛生大学産婦人科学教授 宇田川 康博 代表的な婦人科腫瘍には良性では子宮筋腫、卵巣嚢腫、悪性では子宮頸癌、子宮体癌、 卵巣癌があります。本日は、これらについて概説することにします。 1) 子宮筋腫:成人女性の 3 人に 1 人は筋腫があります。筋腫は女性ホルモン(エス トロゲン)により発育するので閉経後は大きくなりません。筋腫のできる部位によ り症状が異なります。外方に大きく発育すると腹部が膨隆し、子宮内腔に発育する と月経量が増え貧血に陥ります。 2) 良性卵巣腫瘍:よくみられる嚢胞性腫瘍(嚢腫)のほかにホルモン産生腫瘍や若 年者に多い胚細胞腫瘍があります。通常、痛みはなく月経も順調なことが多いので すが、捻転を起こすと下腹部痛を伴います。嚢腫では大きくなると腹部が膨隆し、 今までのスカートがはけなくなります。 3) 子宮頸癌:子宮頸部では前癌病変(異形成)を経て癌化します。発癌にはヒトパ ピローマウィルスの感染が密接に関与しています。頸癌は日本では減少傾向にあり ます。好発年齢は 40 代ですが、若年者での発生が増えています。初期癌では不正出 血が目立たないことや、早期にみつかると子宮を残せる可能性もあるので、毎年の 検診が薦められます。 4)子宮体癌:子宮腔内に生じる体癌は、エストロゲンの影響下で前癌病変(内膜増 殖症)を経て発生するものと萎縮内膜が直接癌化するものとがあります。体癌は増 加傾向を示し 50 代にピークがあり、未婚、不妊や高血圧、糖尿病の人に多く見られ ます。不正出血(ほぼ必発)を機に、検診により早期癌でみつかることも少なくな いのです。 5)卵巣癌:40〜60 代に好発するのですが、30 歳未満の若年者にもしばしば発生し ます。進行癌でみつかることが多いため、予後が悪く、しかも増加傾向にあります。 画像診断と腫瘍マーカーが診断の決め手になります。腫瘍の発育につれ腹部膨満感 が生じます。通常、根治手術に加え化学療法を行いますが、これが有効なことも少 なくないのです。 何事もないのが一番ですが、万一上記の特徴や症状で気がかりなことがございましたら、 いつでもお気軽に御来院下さい。 【講師プロフィール】

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婦人科腫瘍とは

婦人科腫瘍とは

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藤田保健衛生大学医学部産婦人科 藤田保健衛生大学医学部産婦人科 宇田川 宇田川 康博康博 婦人科腫瘍の発生部位 ー良性ー 卵巣嚢腫 子宮筋腫 卵巣 腟 卵管 ポリープ 子宮腺筋症 子宮体部 子宮頸部 婦人科腫瘍の発生部位 ー悪性ー 卵巣癌 子宮体癌 子宮頚癌 婦人科がん 卵管 子宮頚部 卵巣 腟 卵管 子宮体部 卵巣 子宮肉腫 卵管癌 絨毛癌 腟癌 外陰癌

婦人科腫瘍

良性 境界型 悪性 子宮頸部 (異形成) 子宮頸癌 子宮体部 (子宮内膜増殖症) 子宮体癌 子宮筋腫 子宮肉腫 卵巣 卵巣嚢腫 卵巣境界悪性腫瘍 卵巣癌 絨毛癌、卵管癌 腟癌、 外陰癌 その他

子宮筋腫の特徴

• 女性の3人に1人は子宮筋腫がある。 • 卵巣からの女性ホルモン(エストロゲン)により大き くなる。 • 閉経後は大きくならない。 • 症状や合併症が重ければ治療(手術、薬物療法 等)する。

子宮筋腫の種類と症状

筋層内筋腫 ・月経過多 ・不妊 ・月経困難症 漿膜下筋腫 ・腹部膨隆・腰痛 ・頻尿・便秘 粘膜下筋腫 ・月経過多⇒貧血 ・不妊 ・不正出血 筋腫分娩 ・不正出血⇒貧血

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卵巣嚢腫の症状

• 大きくなると腹部が膨隆して来る(膨満感)。 ⇒今までのスカート等がはけなくなる。 • 通常痛みはなく、月経も順調であるが、時に急激な 下腹痛を起こす場合(茎捻転、破裂)もある。

良性卵巣腫瘍の種類と特徴

1)嚢腫(漿液性、粘液性) ・粘液性嚢腫では巨大になりやすい。 2)ホルモン産生腫瘍(女性/男性ホルモン) ・早発性徴、閉経後性器出血、男性様症状等を示す。 3)胚細胞腫瘍(皮様嚢胞腫等) ・10~30歳代の若年者に多い。

子宮頸癌の自然史

良 性 ⇒ 前癌病変 ⇒ 癌 中等度 軽度 高度 0 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ (異形性) 上皮 真皮 <顕微鏡下> 婦人科関連悪性腫瘍の年齢調整罹患率の 将来予測 卵巣 乳房 全部位 子宮

子宮頸癌の進行期分類

0期;上皮内癌 Ⅰ期;子宮頸部に限局した浸潤 Ⅱ期;腟壁や頸部側方靭帯に進展 Ⅲ期;腟壁下方や骨盤壁まで進展 Ⅳ期;膀胱、直腸や遠隔臓器に進展

子宮頸癌の特徴

• 減少傾向にある。 • 通常ヒトパピローマウィルス(HPV)の感染による。 • 扁平上皮癌(90~95%)と腺癌(5~10%)がある。 • 腺癌の方が予後不良である。 • ピークは40歳代だが若年化傾向にある。 • 不正出血は初期癌では少ないが、 進行につれて増加する。 • 初期癌では妊孕能温存も可能である。 検診 (細胞診) が有用

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子宮体癌の自然史

良 性 ⇒ 前癌病変 ⇒ 癌 0 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ 内膜増殖症 良 性 ⇒ 癌 Ⅰ Ⅱ Ⅲ Ⅳ Ⅰ型 Ⅱ型 (エストロゲンと関連あり) (エストロゲンと関連なし)

子宮体癌の進行期分類

0期;異型内膜増殖症 Ⅰ期;子宮体部に限局 Ⅱ期;子宮頸部に進展 Ⅲ期;子宮外(腟、卵巣・卵管、リンパ節) に進展 Ⅳ期;膀胱、腸や遠隔臓器へ進展

子宮体癌の特徴

• 増加傾向にある。 • 50歳代にピークがある。 • 未婚、不妊や高血圧、糖尿病の人に多い傾向がある。 • 一部に家系内発生するものがある。 • 発生は女性ホルモン(エストロゲン)と関連がある。 • 症状(不正出血)が出やすい。 • 検診法が確立されている。 • 殆どが腺癌であるが、性質のおとなしいものが多い。 • Ⅰ期癌が多い。 • 治療は手術が基本である。

閉経前後における要体癌検診者

1、不正性器出血のある人 2、閉経が遅れている人 3、長期間エストロゲン補充療法を受けている人 4、内膜増殖症の既往がある人

卵巣癌の進行期分類

Ⅰ期 ;卵巣内限局発育 Ⅱ期;骨盤内進展 Ⅲ期;骨盤外(腹腔内)進展、リンパ節転移 Ⅳ期;遠隔転移

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卵巣癌の特徴

• 40~60歳代に多いが、30歳未満の若年者にもみられる。 • 増加傾向にある。 • 進行癌で見つかることが多い。 • 婦人科癌の中では最も予後が悪い。 • 組織型が多種多様である。(上皮性、胚細胞由来等) • 子宮内膜症性嚢胞からも発生する。 • 大きくなると腹部膨満感(腫瘍増大/腹水貯留)を訴える。 • 画像診断(エコー、MRI)と腫瘍マーカーが診断に有用。 • 根治手術に加えて化学療法が有効なことが多い。 ⇒「卵巣がん治療ガイドライン」

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《良性腫瘍―からだに優しい手術をめざして―》

藤田保健衛生大学医学部産婦人科学助教授 廣田 穰 腹腔鏡下手術の最大の特徴は、手術侵襲の少ない(からだに優しい)手術である ことです。本手術は開腹手術に比べ痛みが少なく、術後の回復が早いため術後 4 日 目には退院が可能となり、退院後 1 週間で家事や仕事に復帰できます。また、お腹の 傷が小さい(美容的に優れた)ことも女性には大きな福音です。 日本では 1994 年から以下の 7 つの腹腔鏡下手術に保険が適用されております。 ① 子宮全摘術 ② 子宮筋腫核出術 ③ 子宮内膜症病巣除去術 ④ 子宮付属器腫瘍摘出術 ⑤ 子宮付属器癒着剥離術 ⑥ 子宮外妊娠手術 ⑦ 卵巣部分切除術 私達はこれら全ての手術を手掛けており、現在までの総手術件数は 2,000 例を超 えています。また、東海地方で唯一、複数名の技術認定医が在籍する施設でもありま す。子宮筋腫や子宮腺筋症、子宮内膜症、良性卵巣腫瘍、不妊症、子宮外妊娠、月 経痛や原因不明の腹痛などでお悩みの方は、是非御相談下さい。当施設では、最 高レベルの腹腔鏡下手術を受けて頂けるものと確信しております。 【講師プロフィール】 1978 年、名古屋保健衛生大学医学部卒業。日本産科婦人科学会認定医、母体保 護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会理事、同学会技術認定医、同学会技術認 定審査委員、日本内視鏡外科学会評議員、同学会技術認定医、米国婦人科腹腔鏡 学会メンバー。

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婦人科良性腫瘍

婦人科良性腫瘍

--からだに優しい手術をめざしてからだに優しい手術をめざして- -藤田保健衛生大学 産婦人科 廣田 廣田 穰穰 第9回 市民公開講座 – 婦人科腫瘍 婦人科良性腫瘍に対する手術治療婦人科良性腫瘍に対する手術治療 ● 開腹手術 ● 腟式手術 ● 内視鏡下手術 腹腔鏡下手術 子宮鏡下手術 卵管鏡下手術 適応が非常に限定される 標準術式 1990年以降 (子宮内膜症,不妊症等も含む) 内視鏡下手術の種類と適応疾患 内視鏡下手術の種類と適応疾患 子宮筋腫 腹腔鏡下子宮全摘術 腹腔鏡下筋腫核出術 子宮鏡下筋腫核出術 卵巣嚢腫 腹腔鏡下付属器切除術 腹腔鏡下嚢腫摘出術 子宮外妊娠 腹腔鏡下卵管切除術 腹腔鏡下卵管線状切開術 ● ● ● (妊孕性温存手術) 内視鏡下手術の種類と適応疾患 内視鏡下手術の種類と適応疾患 子宮奇形 子宮鏡下子宮中隔切除術 卵管閉塞 腹腔鏡下卵管開口術 腹腔鏡下卵管形成術 卵管鏡下卵管形成術 子宮内膜症 腹腔鏡下子宮内膜症病巣除去術 腹腔鏡下子宮付属器癒着剥離術 多嚢胞性卵巣 腹腔鏡下卵巣開窓術/楔状切除術 ● ● ● ● (妊孕性温存手術) 不妊検査・セカンドルック 不妊検査・セカンドルック 体腔外卵巣嚢腫核出・付属器切除・内膜症病巣焼灼 体腔外卵巣嚢腫核出・付属器切除・内膜症病巣焼灼 仙骨子宮靱帯切断・軽度癒着剥離・卵巣開窓術 仙骨子宮靱帯切断・軽度癒着剥離・卵巣開窓術 子宮全摘 子宮全摘(癒着のない)・子宮筋腫核出(漿膜下)(癒着のない)・子宮筋腫核出(漿膜下) 外妊保存手術・卵管開口術・中等度癒着剥離 外妊保存手術・卵管開口術・中等度癒着剥離 体腔内卵巣嚢腫核出・ 体腔内卵巣嚢腫核出・子宮全摘子宮全摘(癒着のある)(癒着のある) 卵管端々吻合術・子宮筋腫核出術(筋層内)・高度癒着剥離術 卵管端々吻合術・子宮筋腫核出術(筋層内)・高度癒着剥離術 造腟術・リンパ節生検・ 造腟術・リンパ節生検・ 当科での実施手術 当科での実施手術 腹腔鏡下手術の種類と難易度 腹腔鏡下手術の種類と難易度 広汎子宮全摘術・リンパ節郭清 広汎子宮全摘術・リンパ節郭清 難易レベル 難易レベル 手術の種類手術の種類 0 0 1 1 2 2 3 3 4 4 (堤ら (堤らを改変)を改変)

何故,腹腔鏡下手術なの?

何故,腹腔鏡下手術なの?

腹腔鏡下手術の実際 腹腔鏡下手術の実際 腹腔鏡下手術の利点と欠点 腹腔鏡下手術の利点と欠点

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2 開腹手術での術創 横切開 縦切開 腹腔鏡下手術の術創と手術の模式図 腹腔鏡下手術の術創と手術の模式図 A:スコープ A B:鉗子挿入 C:鉗子挿入 B C 鉗子:組織を切断したり,把持したりする 専用の手術機材 径5~10 mm 腹腔鏡下手術の実際 腹腔鏡下手術の実際 ● ●手術創が僅少手術創が僅少 ● ●審美性に優れる審美性に優れる ● ●術後の創部痛が少ない術後の創部痛が少ない ● ●早期離床が可能早期離床が可能 入院生活の向上 入院生活の向上 ● ●癒着が少ない癒着が少ない ● ●術後回復が早い⇒早期退院・早期社会復帰術後回復が早い⇒早期退院・早期社会復帰 ● ●対象臓器の拡大視が可能対象臓器の拡大視が可能 ● ●準マイクロサージャリー的手法の活用準マイクロサージャリー的手法の活用 臓器に対する愛護的な操作 臓器に対する愛護的な操作 ● ●特殊機材が必要特殊機材が必要 ● ●腹腔鏡に特有の合併症が存在腹腔鏡に特有の合併症が存在 気腹にともなう合併症 気腹にともなう合併症 気腹針 気腹針//トロカールでの臓器損傷トロカールでの臓器損傷 ● ●手術手技の習熟が必要手術手技の習熟が必要 トロカールを介した操作(操作上の制約) トロカールを介した操作(操作上の制約) 三次元操作の二次元モニター上での再現 三次元操作の二次元モニター上での再現 視軸と操作軸の解離・立体の平面化 視軸と操作軸の解離・立体の平面化 ● ●手術時間の延長手術時間の延長 ● ●摘出物の回収が困難摘出物の回収が困難 メリット メリット デメリットデメリット 腹腔鏡下手術のメリット・デメリット 腹腔鏡下手術のメリット・デメリット 腹腔鏡下手術の術創 腹腔鏡下手術の術創 5 mm 2 mm 5 mm 開腹手術と腹腔鏡下手術の比較 開腹手術と腹腔鏡下手術の比較 腹腔鏡下手術 開腹手術 術後の痛み 入院期間 社会復帰 手術創 術後癒着 大きい (12cm前後) (0.2-1.5cm前後,3-4ヵ所)小さい 強い 弱い 約1週間 約2週間 頻度高い 約1か月 約2週間 頻度低い

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腹腔鏡下手術は健康保険が

腹腔鏡下手術は健康保険が

使えますか?

使えますか?

腹腔鏡下手術と保険適用 腹腔鏡下手術と保険適用 ● ●子宮付属器癒着剥離術子宮付属器癒着剥離術 ● ●卵巣部分切除術卵巣部分切除術 ● ●子宮付属器腫瘍摘出術子宮付属器腫瘍摘出術 ● ●子宮内膜症病巣除去術子宮内膜症病巣除去術 ● ●子宮外妊娠手術子宮外妊娠手術 ● ●子宮筋腫核出術子宮筋腫核出術 ● ●子宮全摘術子宮全摘術 婦人科良性疾患のほとんどは保険の枠内 で腹腔鏡下手術を受けることができる

腹腔鏡下手術の実績は?

腹腔鏡下手術の実績は?

総手術件数 総手術件数 2,007 2,007 例例 ( (19941994--2005 2005 年)年) 手術件数の年次推移 手術件数の年次推移 50 100 150 200 250 300 1994 1995 1996 1997 1998 1999 2000 2001 2002 2003 2004 2005 (症例数) (年度) 60 70 80 90 100 19941995 19961997 19981999 20002001 20022003 20042005 前 期 中 期 後 期 60 70 80 90 100 (%) (%) (年) 1994-1997年 1998-2001年 2002-2005年 前 期 中 期 後 期 腹腔鏡下手術実施率の年次推移 腹腔鏡下手術実施率の年次推移 95 % (腹腔鏡下手術と開腹手術の割合) (腹腔鏡下手術と開腹手術の割合) 腹腔鏡下手術腹腔鏡下手術2,007 2,007 症例の内訳症例の内訳 子宮全摘術 子宮全摘術 子宮筋腫核出術 子宮筋腫核出術 卵巣嚢腫摘出術 卵巣嚢腫摘出術 子宮外妊娠手術 子宮外妊娠手術 付属器切除術 付属器切除術 卵管形成術 卵管形成術// 癒着剥離術 癒着剥離術 子宮 子宮腫瘍腫瘍に対する手術に対する手術29.6 %29.6 % 卵巣腫瘍 卵巣腫瘍に対する手術に対する手術43.4 %43.4 % 23.7 23.7%% 5.9 5.9%% 32.5 32.5%% 10.9 10.9%% 6.5 6.5%% 6.3 6.3%% その他 その他 14.214.2%%

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内視鏡手術の専門医は?

内視鏡手術の専門医は?

愛知県下の内視鏡下手術の専門の先生 愛知県下の内視鏡下手術の専門の先生 日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医 * 日本内視鏡外科学会技術認定医 兼任 (052)221-1595 成田病院 大沢政巳 (052)961-2491 中日病院 万歳 稔 (0562)93-2206 藤田保健衛生大学 西澤春紀 (0564)21-1585 おおはらマタニティー クリニック 大原 聡 (0562)93-2206 藤田保健衛生大学 廣田 穰 (052)788-3588 さわだウィメンズ クリニック 澤田富夫 (052)251-8801 可世木病院 可世木成明 * * * *

腹腔鏡下手術の特徴 腹腔鏡下手術の特徴 現代女性のニーズに即応した,審美性 現代女性のニーズに即応した,審美性 に優れた低侵襲手術. に優れた低侵襲手術. 手術後約 手術後約22週間で社会復帰が可能.週間で社会復帰が可能. 術後癒着も少なく,妊孕性を温存すべ 術後癒着も少なく,妊孕性を温存すべ き若年婦人には最適な手術. き若年婦人には最適な手術. 婦人科良性腫瘍における 婦人科良性腫瘍における 腹腔鏡下手術の限界 腹腔鏡下手術の限界 子宮筋腫 子宮筋腫 子宮全摘術子宮全摘術 約約90 %90 % 子宮筋腫核出術 子宮筋腫核出術 約約80 %80 % 卵巣嚢腫 卵巣嚢腫 嚢腫摘出術嚢腫摘出術//付属器切除術付属器切除術 95 % 95 %以上以上 --開腹手術を回避してどこまで内視鏡で手術ができるか開腹手術を回避してどこまで内視鏡で手術ができるか-

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-《悪性腫瘍−癌治療の基礎と実際−》

藤田保健衛生大学医学部産婦人科学助教授

長谷川清志 子宮頸癌、子宮体癌、卵巣癌は婦人科の3大癌で、それぞれ疫学的にも臨床 的にも特徴・個性が存在します。 子宮頸癌は進行癌の罹患率・死亡率が減少していましたが、2000 年前後より 子宮頸癌検診の受診率の低下とともに罹患率・死亡率ともに徐々に増加に転じ ています。また、初期癌、進行癌ともに若年化傾向が強まっています。子宮頸 癌検診は死亡率の低下のみならず若年者の前癌病変や初期癌を発見することに より子宮温存治療を可能とすることも目的としており、受診率を再び増加させ るため検診事業は強化される必要があります。 また、子宮体癌および卵巣癌は食生活の欧米化、少子化傾向などを受けて近 年欧米並に増加しており、その対策(予防と治療)も課題です。子宮体癌は頸 癌検診に付随して検診が行われており,約 6 割が早期癌であるため手術のみで 完治することも多いのです。一方、卵巣癌には現時点では有効な検診手段はな いため発見時には進行癌であることが多く、ほとんどが化学療法(抗癌剤)を 必要とします。 婦人科癌の治療の3本柱は手術、放射線療法、化学療法であり、進行の程度、 年齢、全身所見などにあわせ治療法が選択されます。これらの治療法はエビデ ンス(証拠)に基づいて行われますが、このエビデンスは世界各国で行われて いる臨床試験の成績を元にしています。これらのエビデンスの集大成として 様々な癌で治療ガイドラインが作成されていますが、婦人科癌では卵巣がん治 療ガイドラインが2004年に発刊されており、子宮頸癌・体癌とも現在作成中で す。治療ガイドラインは日本での治療指針を示し、施設間差・医師間差をなく し治療の標準化・治療成績の均質化を目的としており、安全性にも配慮されて います。治療ガイドラインは医療従事者、患者双方にとって癌治療の大きな拠 り所となっているのです。

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悪性腫瘍

−癌治療の基本と実際−

長谷川清志 平成18年度 市民公開講座 ・子宮頸癌 ・子宮体癌 ・卵巣癌 ・卵管癌 ・外陰癌 ・腟癌 ・その他(子宮肉腫,腹膜癌) 3大癌 !!

婦人科悪性腫瘍

・絨毛癌

総論

子宮頸癌

子宮体癌

卵巣癌

治療の3本柱 ・手術 ・化学療法(抗癌剤) ・放射線療法 ・病気の進行度(0期,Ⅰ〜Ⅳ期) ・年齢 ・全身状態 ・その他(社会的,経済的,宗教的問題) 治療法の選択 その他の治療 ・ホルモン療法(体癌) ・実験的治療 新しい抗癌剤 免疫療法 分子標的治療 遺伝子治療 など IC (インフォームド・コンセント) 0 1000 2000 3000 4000 5000 6000 7000 8000 9000 1983 1986 1989 1992 1995 1998 2001 子宮癌報告症例数 子宮癌報告症例数 ( (0期癌を除く)0期癌を除く) 日本産科婦人科学会 ・腫瘍委員会報告 (19832003) 子宮癌全体 子宮頸癌 子宮体癌 人 年 子宮頸癌の進行期分布 子宮頸癌の進行期分布 1999年度子宮頸癌患者年報 日産婦誌541527-1555,2002 0期 41% I期 32% II期 14% III期 9% IV期 4% 治癒率が高い 子宮の温存が可能 検診の重要性

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子宮体癌の進行期分布 子宮体癌の進行期分布 0期 8% I期 62% II期 7% III期 19% IV期 4% 1999年度子宮体癌患者年報 日産婦誌541556-1571,2002 手術のみで治癒 する例が多い 卵巣癌の進行期分布 卵巣癌の進行期分布 I期 23% II期 13% III期 48% IV期 16%

FIGO Annual Report 1991 化学療法の 必要性 手術のみで 治癒する例は まれ 婦人科癌の進行期分布の 婦人科癌の進行期分布のまとめまとめ 0% 50% 100% 卵巣癌 子宮体癌 子宮頸癌 0期 I期 II期 III期 IV期

総論のまとめ

総論のまとめ

•癌治療はエビデンス(証拠)に基づいて行われる •エビデンスは臨床試験によってもたらされる •癌治療ガイドライン;卵巣癌は完成 頸癌・体癌は作成中 •患者個々の状況に応じた個別化も重要 •婦人科三大癌にはそれぞれ特徴がある

総論

子宮頸癌

子宮体癌

卵巣癌

子宮頸癌の疫学 初期・・無症状のことが多い,検診で発見 浸潤癌・・不正性器出血,接触出血,帯下 さらに進行すると 膀胱・直腸障害,下腹痛, 腰背部痛,下肢浮腫など 上皮内癌(0期癌)は増加傾向 浸潤癌は2000年前後より減少からやや増加に転 じている 全体で40歳代(体癌より10歳若い) 上皮内癌(0期癌)は30代にピーク 若年齢層(20〜40歳)での罹患率が上昇 • •発生率発生率 • •好発年齢好発年齢 •症状

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3 正常 子宮頸部の発癌過程 子宮頸部の発癌過程 異形成 上皮内癌 浸潤癌 • •ヒトパピローマヒトパピローマ ウイルス感染 ウイルス感染 •その他 軽度 中等度 高度 遺伝子異常 の蓄積 • 免疫能 •喫煙 • その他の 感染症 遺伝 頸癌 頸癌ٛٛ •ヒトパピローマウイルス 感染 ・初交年齢が低い ・多妊娠(多産) ・本人や性的パートナー (夫)の性行為の相手の 数が多い •喫煙 体癌 体癌 •未婚 •不妊 •初婚、初妊年齢が高い •妊娠回数、出生児が少ない •30歳以降の月経不規則 •エストロゲン服用歴 •肥満 •高血圧 頸癌および体癌の危険因子 頸癌および体癌の危険因子 住民検診 職域検診 施設検診 自己採取法 子宮頸癌検診とその流れ 子宮頸癌検診とその流れ 〜 〜19601960年代から年代から〜〜 車検診,保健所, 検診センター, 一般産婦人科医 •1次検診(集団検診) •2次(精密)検診 対象者:疑陽性・陽性とされた受診者 検査:細胞診・コルポスコピー・狙い組織診の 3者併用により確定診断 •3次検診 癌治療機関で行われる精密検査 臨床進行期・治療方針の決定 臨床進行期・治療方針の決定を目的 • •検診対象年齢:検診対象年齢:2020歳以上歳以上 • •検診間隔:検診間隔:22年に年に11度度 子宮頸癌検診の対象年齢と間隔 日本 欧米 従来;30歳以上,毎年 ・25歳から (欧州) ・性交開始後3年以内(米国) ・異常がない場合は検診間隔は2~3 年 変更 (厚生労働省 2004年4月) 検診率は80~90%と高率 2001年の検診率はわずか22% 子宮頸癌の診断 ・細胞診 ・コルポスコピー ・組織診 ・内診 ・画像診断 •CT •MRI •DIP (腎盂尿管造影) •膀胱鏡・尿細胞診 •大腸ファイバースコープ、注腸 •腫瘍マーカー 診断の確定 進行期の決定 子宮頸癌の進行 腟へ(Ⅱa期) 筋層深くへ 子宮傍結合織へ (Ⅱb - Ⅲb期) 膀胱へ(Ⅳa期) 直腸へ(Ⅳa期) 骨盤 リンパ節へ 遠隔転移(Ⅳb期) (肺・肝・骨・脳など)

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0期(上皮内癌)の治療 •子宮頸部円錐切除術 •単純子宮全摘術(いわゆる全摘) • 子宮頸部のみ切除 •子宮の温存可能(妊娠も可能) • 診断目的にも用いる • レーザーメスや高周波電気メスなどを用いる • 円錐切除が困難な場合(高齢者,再発など) • 子宮の温存を必要としない場合 • 根治性が高い •子宮頸癌の 40%は0期である0期は転移しない Ⅰa期(微小浸潤癌)の治療 Ⅰa1期 Ⅰa2期 •子宮頸部円錐切除術 •単純子宮全摘術 •準広汎子宮全摘術+骨盤リンパ節郭清 (単純子宮全摘術+骨盤リンパ節郭清) ・・0期と同様の治療 Ⅰb 〜Ⅱb期(浸潤癌)の治療 Ⅰb〜Ⅱa期 •広汎子宮全摘術+骨盤リンパ節郭清 Ⅱb期 •広汎子宮全摘術+骨盤リンパ節郭清 再発の危険因子あり 術後放射線療法 +術後放射線療法 複数の選択肢あり •放射線療法+化学療法 同時併用 •術前化学療法(腫瘍の縮小) 広汎子宮全摘術+骨盤リンパ節郭清 •放射線療法単独 Ⅲ,Ⅳ期の治療 Ⅲ期 •放射線療法+化学療法 同時併用 •術前化学療法(腫瘍の縮小) 広汎子宮全摘術+骨盤リンパ節郭清 •放射線療法単独 Ⅳa期 放射線療法+化学療法 同時併用 •放射線療法単独 Ⅳb期 •放射線療法+化学療法 同時併用 •化学療法単独 複数の選択肢あり 子宮頸癌の化学療法全身投与 •プラチナ系 シスプラチン カルボプラチン ネダプラチン •イホマイド •ブレオマイシン •5-FU •オンコビン •マイトマイシンC •タキサン系 タキソール タキソテール 併用療法 併用療法 •シスプラチン+ブレオマイシン+マイトマイシンC+オンコビンシスプラチン+5-FU •シスプラチン+イホマイド+ブレオマイシン •シスプラチン+タキソール •シスプラチン+トポテシン •トポテシン 予後(5 年生存率) 2000年全国統計 Ⅰ期・・・81.8% Ⅱ期・・・63.7% Ⅲ期・・・41.7% Ⅳ期・・・10.4% Ⅰ期・・・87.8% Ⅱ期・・・50% Ⅲ期・・・58.3% Ⅳ期・・・25% 当院 1996-2001

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5 子宮頸癌のまとめ •子宮頸癌にはヒトパピローマウイルス感染が関係 •上皮内癌(0期癌),浸潤癌とも増加,若年化上皮内癌やⅠa1期では子宮温存が可能 •癌検診受診率が低下している 子宮癌検診の勧め •治療は進行期に応じて決定される •手術,放射線療法,化学療法 が単独あるいは併用 で用いられる •進行期によっては治療に複数の選択肢がある

総論

子宮頸癌

子宮体癌

卵巣癌

• •発生率発生率 • •好発年齢好発年齢 •症状 子宮体癌の疫学 子宮体癌は漸増 子宮癌全体の約4 割 平均50歳代 若年齢層での増加傾向 不正性器出血・ ・ ・ ・90% 以上 帯下 若年体癌では月経不順、不妊 未婚、不妊、初婚・初妊年齢が高い 妊娠回数・出生児が少ない 30歳以降の月経不規則 エストロゲン服用歴 • •危険因子危険因子 子宮体癌の診断の流れ 内膜細胞診 胸部X線検査 CT MRI 経腟超音波検査 子宮鏡 腫瘍マーカー 内膜組織診 経腟超音波検査 子宮鏡 不正出血 月経異常 など スクリーニング 診断の確定 診断の補助 総合診断 臨床的進行期診断 子宮体癌の進行 骨盤 リンパ節へ(Ⅲc期) 腹腔内へ(播種) (Ⅲa期) 筋層深くへ (Ⅰb,Ⅰc期) 頸部へ (Ⅱa,Ⅱb期) 腹腔内へ 腹腔内へ (播種) (播種) ( (ⅢⅢaa期)期) 傍大動脈 リンパ節へ 腟へ(Ⅲb期) 腫 瘍 遠隔転移 (Ⅳb期) 治療の基本 手術 再発危険因子を有する場合 術後療法 ・欧米での主体 ・我が国での主体 放射線療法 化学療法 どちらが良いか現在検証中

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手術 •単純(準広汎)子宮全摘術+骨盤リンパ節郭清 ±傍大動脈リンパ節郭清 0期〜Ⅰa期 Ⅱb期 基本手術 但し, •単純子宮全摘術 •広汎子宮全摘術+骨盤リンパ節郭清 ±傍大動脈リンパ節郭清 化学療法 子宮体癌に使用する主な抗癌剤 •プラチナ系 シスプラチン カルボプラチン •タキサン系 タキソール タキソテール 併用療法 併用療法 •アドリアマイシン アドリアマイシン+シスプラチン シクロフォスファミド+アドリアマイシン+シスプラチン タキソール+カルボプラチン タキソテール+カルボプラチン •シクロフォスファミド 予後(5年生存率) 2001年日産婦統計 Ⅰ期・・・79.0% Ⅱ期・・・66.8% Ⅲ期・・・37.5% Ⅳ期・・・ 8.5% Ⅰ期・・・100% Ⅱ期・・・100% Ⅲ期・・・ 66.7% Ⅳ期・・・ 0% 当院 1996-2000 子宮体癌のまとめ •体癌は増加傾向 •治療の基本は手術 •Ⅰ期癌が多く手術のみで完治することも多い •再発の危険因子があれば術後治療が必要 •術後療法として,放射線療法と化学療法の どちらが優れているか検証中 •若年者のⅠa期癌では子宮の温存も可能 (黄体ホルモン療法)

総論

子宮頸癌

子宮体癌

卵巣癌

• •発生率発生率 • •好発年齢好発年齢 •症状 • •危険因子危険因子 卵巣癌の疫学 増加傾向 35歳以上のあらゆる年齢で罹患率が増加 上皮性腺癌は50歳代前半にピーク 胚細胞腫瘍は10~20 歳 ほとんど無症状 腫瘍の増大による腹部の増大 腹水貯留による腹部膨満 妊娠数・出産数が少ない(体癌と類似) 排卵誘発剤の使用 肥満 家族内発生(遺伝性卵巣癌)

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7 卵巣癌の診断 •超音波検査 •CTMRI腫瘍マーカー(CA125, CA602,その他) •腹水(胸水)細胞診:癌細胞の証明 卵巣癌治療の基本 基本手術 基本手術 正確な進行期の把握 標準的化学療法 腫瘍減量手術 完全手術 不完全手術 可能な限り腫瘍を摘出 1cm以下に 再発危険因子 なし あり 経過観察 手術 • 単純子宮全摘術 • 両側付属器切除術 • 骨盤〜傍大動脈リンパ節郭清 • 大網切除術 •基本手術 •縮小手術 若年者で早期癌の場合(Ⅰa期疑い) 若年者の胚細胞腫瘍の場合 • 患側付属器切除術(腫瘍摘出術) (子宮と片側の卵巣温存) •プラチナ系 シスプラチン カルボプラチン •タキサン系 タキソール タキソテール 卵巣癌の化学療法 •アドリアマイシン •シクロフォスファミド •トポテシン 併用療法 併用療法 タキソテール+カルボプラチン シスプラチン+トポテシン タキソール+カルボプラチン 標準的化学療法 タキソール+シスプラチン 卵巣癌に対する併用療法臨床試験の歴史 卵巣癌に対する併用療法臨床試験の歴史 1989年 1996年 2000年 シクロフォスファミド +アドリアマイシン +シスプラチン vs シクロフォスファミド +シスプラチン シクロフォスファミド +シスプラチン タキソール +シスプラチン vs vs タキソール +カルボプラチン 2000年 タキソール +シスプラチン 標準的化学療法

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予後(5年生存率) 国立がんセンター 1980-1997 Ⅰ期・・・83% Ⅱ期・・・66% Ⅲ期・・・24% Ⅳ期・・・ 9% 当院 1997-2000 Ⅰ期・・・91.7% Ⅱ期・・・66.7% Ⅲ期・・・63.2% Ⅳ期・・・50% 卵巣癌のまとめ •早期発見のための有効な検診はない •診断時にⅢ,Ⅳ期症例が多い •卵巣がん治療ガイドラインに基づいた治療の実践 •基本手術による正確な進行期診断が重要 •標準的化学療法はタキソール+カルボプラチン 療法

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《検診―画像を活用して早期診断を行う―》

藤田保健衛生大学医学部産婦人科学講師

関谷隆夫 昨今、我が国の平均余命は世界のトップレベルとなっています。しかし、長生きしても 病気でいる期間が延長すれば、障害を抱えて暮らす高齢者が増えて、介護ニーズや医療負 担が増えてしまいます。したがって、シルバー世代を病気や障害が少ない状態で過ごす「健 康寿命の延長」こそが、これからの高齢化社会を生きる我々に与えられた最重要課題です。 人間が現在の身体の状態を知るには、健診と検診という2種類の方法があります。健診 とは、職場や学校の「健康診断」や行政による「健康診査」のように、からだの状態を調 べて、その時点での健康状態を判定する行為です。一方、検診とは各種がん検診のように、 特定の病気の早期発見を目的に行なう行為です。ここでは、健康寿命の延長のための子宮 がん検診の現状と画像診断を活用した女性検診の展望について解説します。 21 世紀になって男女の性差を考慮した医学が台頭し、女性特有の病気の早期診断が注目 されています。特に子宮がん検診については、行政を中心に推奨されてきましたが、いま だ欧米に比べて受診率が低いのが現状です。一方、近年では工学技術の進歩により身体の 状態を目で見る画像診断が普及し、人間ドックでも超音波検査をはじめ CT スキャンや MRI も行われています。実際に子宮がん検診で画像診断を行ってみますと、一見健康にみえる 女性でもがん以外に様々な病気が発見されます。こうした潜在的な病気の存在を自覚する ことは、その病気を早く、軽く、安く治療することを可能にします。 病気の予防や健康教育は、医療や福祉と異なって、効果がすぐに現れません。病気にな ってからの治療や介護も大切ですが、それ以上に、病気にならない、寝たきりや痴呆にな らないように予防や健康増進につとめることが、最終的に一人一人の健康と幸福につなが ります。女性の健康年齢の向上のために子宮がん検診を受けましょう。 【講師プロフィール】 1985 年、日本医科大学医学部卒業。日本医科大学付属第二病院研修。87’年、同大産婦人 科助手。91’年、東京都立母子保健院産婦人科医員。92’年、日本医科大学付属第二病院 産婦人科助手。同医局長を経て、99’年、日本医科大学医学部講師。01’年、藤田保健衛 生大学医学部第二教育病院産婦人科講師。04’年、同大第一教育病院産婦人科に配置換と なり現在に至る。専門は、超音波医学、産科学。医学博士。

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− −画像を活用して早期診断を行う画像を活用して早期診断を行う−− 藤田保健衛生大学医学部 藤田保健衛生大学医学部 産婦人科学産婦人科学教室教室 (指導 (指導 講座教授講座教授 宇田川康博)宇田川康博) 講師 講師 関谷隆夫関谷隆夫 第6回 藤田保健衛生大学市民公開講座 『家族をささえる女性と健康』 “婦人科腫瘍” −早く見つけて確実に治すには− Q 検診とはなんですか? 『 『健診健診』』とはとは…… 職場や学校の「健康診断」や,市区町村が行う「健康診 職場や学校の「健康診断」や,市区町村が行う「健康診 査」のように,からだの状態や機能を調べて,その時点 査」のように,からだの状態や機能を調べて,その時点 での健康状態を判定・評価する行為. での健康状態を判定・評価する行為. 病気の早期発見という効果もあるが,これは「健診」の本 病気の早期発見という効果もあるが,これは「健診」の本 来の目的ではありません. 来の目的ではありません. 『 『検診検診』』とはとは…… 各種の「がん検診」のように、特定の疾病や異常の早 各種の「がん検診」のように、特定の疾病や異常の早 期発見を目的に行なう行為。 期発見を目的に行なう行為。 Q 理想的な検診のありかたとは? 辻 辻一郎:一郎:『『予防医学ジャーナル予防医学ジャーナル』』(予防医学事業中央会発行)(予防医学事業中央会発行)20002000年5・6月号年5・6月号 『 『よぼう医学よぼう医学』』317317((19991999年1月)より引用年1月)より引用 病気を発見できるか? 病気を発見できるか? 早く発見できれば早く発見できれば 経済的効果があるか? 経済的効果があるか? 効果と効率の正しい評価 効果と効率の正しい評価 病気の予防や早期発見・早期治療 病気の予防や早期発見・早期治療 「健康寿命」の延長 「健康寿命」の延長 Q Q 健康寿命とは?健康寿命とは? 長い寿命の終盤を,病気や障害が少ない状態で過 長い寿命の終盤を,病気や障害が少ない状態で過 ごす「健康寿命の延長」こそが重要課題. ごす「健康寿命の延長」こそが重要課題. 理想の形 理想の形 =「健康寿命の延長」 =「健康寿命の延長」 以前の形 以前の形 現在の形 現在の形 寿命が延びても障害期間が延長すれば,障害を抱えて暮らす 寿命が延びても障害期間が延長すれば,障害を抱えて暮らす 高齢者が増えるだけで,介護ニーズや医療負担が増える. 高齢者が増えるだけで,介護ニーズや医療負担が増える. Q 検診を受ければ医療費は安くなる? 理由 理由 1.早期発見・治療による医療費減少効果 1.早期発見・治療による医療費減少効果 ・早期がんの医療費は低い ・早期がんの医療費は低い ・良性疾患や危険因子への治療による疾病予防 ・良性疾患や危険因子への治療による疾病予防 2.健(検)診後の生活習慣指導の疾病予防効果 2.健(検)診後の生活習慣指導の疾病予防効果 3.受診者は健康レベルが高く、生活習慣も健康的 3.受診者は健康レベルが高く、生活習慣も健康的 辻 辻一郎:一郎:『『予防医学ジャーナル予防医学ジャーナル』』(予防医学事業中央会発行)(予防医学事業中央会発行)20002000年5・6月号年5・6月号 『 『よぼう医学よぼう医学』』317317((19991999年1月)より引用年1月)より引用 Q Q からだの機能と医療費の関係は?からだの機能と医療費の関係は? 辻 辻一郎:大崎国保加入者コホート研究より引用一郎:大崎国保加入者コホート研究より引用 「健康寿命の延長」は重要課題 「健康寿命の延長」は重要課題 身体的健康度( 身体的健康度(MOSMOSスコア)が高い人ほど、医療費が安い。スコア)が高い人ほど、医療費が安い。

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2 Q Q からだの機能と医療費の関係は?からだの機能と医療費の関係は? 辻 辻一郎:大崎国保加入者コホート研究より引用一郎:大崎国保加入者コホート研究より引用 人口の1割に満たない身体能力の低下した人たちが 人口の1割に満たない身体能力の低下した人たちが 年間医療費の 年間医療費の1919%、入院医療の%、入院医療の2525%を、使っていた。%を、使っていた。

病気や障害を予防すれば,生活の質を高め医療費を 病気や障害を予防すれば,生活の質を高め医療費を 節約することができます. 節約することができます. 障害や疾病があることは,とがめられるべきものではあ 障害や疾病があることは,とがめられるべきものではあ りませんが,積極的に検診を受診し,よりよい生活習慣 りませんが,積極的に検診を受診し,よりよい生活習慣 を身につけることで,障害や疾病を防ぐことができます. を身につけることで,障害や疾病を防ぐことができます. このように国民一人一人の「健康寿命」を延ばすことが. このように国民一人一人の「健康寿命」を延ばすことが. 高齢化が進むわが国の最重要課題です。 高齢化が進むわが国の最重要課題です。 Q 子宮がん検診の方法は? 1.問診 1.問診 過去にどんな病気にかかったか? 過去にどんな病気にかかったか? 妊娠/分娩/月経は? 妊娠/分娩/月経は? 2.視診,触診,内診 2.視診,触診,内診 全身の状態は? 全身の状態は? 下腹部や外陰部の状態は? 下腹部や外陰部の状態は? 3.画像診断 3.画像診断 超音波 超音波 レントゲン レントゲン その他 その他 Q 婦人科腫瘍の画像診断法は? 1.超音波検査 1.超音波検査 2. 2.XX線線検査検査 単純,造影 単純,造影XX線線検査検査 CT scan CT scan 3.核医学検査 3.核医学検査 核磁気 核磁気 MRI MRI 放射性同位元素 放射性同位元素 PET PET シンチグラフィー シンチグラフィー 簡単で経済的 簡単で経済的 その場ですぐ見れて その場ですぐ見れて 身体への影響も少ない 身体への影響も少ない 身体全体の悪性腫瘍の診断 骨転移の診断 身体全体の病気の診断 身体全体の病気の診断 身体全体の病気の診断 検診に活用できる 検診に活用できる 画像診断法 画像診断法 Q 子宮がん検診でみつかる病気は? 超音波検査を用いて 超音波検査を用いて 子宮がん検診の受診した女性が 子宮がん検診の受診した女性が もっている病気をしらべてみると... もっている病気をしらべてみると... 子宮筋腫 子宮腺筋症 子宮内膜増殖症 子宮内膜癌 Q 検診でどんな病気が見つかるか?

月経困難症 月経困難症 不正出血 不正出血 不正出血 不正出血 生命の危険 生命の危険

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Q 検診でどんな病気が見つかるか? 双角子宮 妊娠 子宮内膜ポリープ 子宮内異物

不正出血 不正出血 貧血 貧血 不妊 不妊 不正出血 不正出血 痛み 痛み 分泌物 分泌物 胎児への障害 胎児への障害 不妊 不妊 その他 その他 卵管留水症 類皮嚢胞腫 子宮内膜症性嚢胞 ムチン性嚢胞腺腫

卵巣/卵管

卵巣/卵管

Q 検診でどんな病気が見つかるか? 腹部膨満 腹部膨満 下腹痛 下腹痛 下腹痛 下腹痛 不妊 不妊 月経困難症 月経困難症 下腹痛 下腹痛 不妊 不妊 Q Q..超音波でどんな病気がみつかるか?超音波でどんな病気がみつかるか? 子宮 奇形 6例 異物 11例 筋腫 228例 (粘膜下 18例) (筋層内 -漿膜下 210例) 腺筋症 17例 内膜ポリープ 57例 内膜増殖症 27例 内膜癌 1例 妊娠 3例 付属器 卵巣腫瘤 10例 卵管留水症 2例 検診を受けた女性の1100人のうち362人( 32.9% )に なんらかの女性特有の病気があった. 内診のみでは,このうち7割が見逃されていることになる. 350例 (31.8%) 12例 (1.1%)

子宮がん検診で超音波画像診断を行なうと, 子宮がん検診で超音波画像診断を行なうと, 1.検診をうける女性は,子宮がん以外にも 1.検診をうける女性は,子宮がん以外にも 多くの女性特有の病気をもっている. 多くの女性特有の病気をもっている. 2.特に,内診のみでは診断が難しい疾患の 2.特に,内診のみでは診断が難しい疾患の 正診率が著しく向上する. 正診率が著しく向上する. 正確な医療情報の提供 正確な医療情報の提供 正確な健康状態の把握正確な健康状態の把握 健康維持と早期の受診 健康維持と早期の受診 効率的な医療の提供 効率的な医療の提供 医療施設 医療施設 受診者受診者 Q 検診をうけるメリットは? 1.自分の身体の状態を知ることができる 1.自分の身体の状態を知ることができる 安心 安心 2.病気に対する心構えができる 2.病気に対する心構えができる 冷静で的確な判断 冷静で的確な判断 3.病気に対して早くから対応できる 3.病気に対して早くから対応できる 悪くならないような生活の構築 悪くならないような生活の構築 早く治る 早く治る 軽くすむ 軽くすむ 安くすむ 安くすむ Q Q.女性特有のがん検診の受診率.女性特有のがん検診の受診率 QuickTimeý Dz TIFFÅiLZWÅj êLí£ÉvÉçÉOÉâÉÄ Ç™Ç±ÇÃÉsÉNÉ`ÉÉǾå©ÇÈǞǽDžÇÕïKóvÇ-Ç ÅB 全国平均で約15% 全国平均で約15%

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4 Q Q..子宮がん検診をどのように受けるか?子宮がん検診をどのように受けるか? 現状と対応策 現状と対応策 • •扁平上皮癌:1扁平上皮癌:1〜〜2年に1回で充分の可能性あり2年に1回で充分の可能性あり • •腺癌腺癌 :1年間隔でも不十分:1年間隔でも不十分 • •若年女性では癌の進行による死亡の回避や,癌に若年女性では癌の進行による死亡の回避や,癌に なっても子宮を残す目的のため毎年検診を受ける. なっても子宮を残す目的のため毎年検診を受ける. • •若年者や検診歴の少ないものは毎年受ける若年者や検診歴の少ないものは毎年受ける • •定期的な受診により,異常なしとされた定期的な受診により,異常なしとされた3030歳以上の歳以上の 女性は,検診間隔をのばしても良い可能性がある. 女性は,検診間隔をのばしても良い可能性がある. • •女性特有の疾患を見つけるために画像診断もうける女性特有の疾患を見つけるために画像診断もうける..

まとめ

病気の予防や健康教育は,医療や福祉と異なって,その 病気の予防や健康教育は,医療や福祉と異なって,その 効果がすぐには現れません。 効果がすぐには現れません。 病気になってからの治療や介護も大切ですが,それ以上 病気になってからの治療や介護も大切ですが,それ以上 に,病気にならない、寝たきりや痴呆にならないように,予 に,病気にならない、寝たきりや痴呆にならないように,予 防や健康増進につとめることが,最終的に一人一人の健 防や健康増進につとめることが,最終的に一人一人の健 康と幸福につながります. 康と幸福につながります. 女性の健康年齢の向上のために 女性の健康年齢の向上のために 子宮がん検診を受けましょう. 子宮がん検診を受けましょう.

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《なってしまったら-通院時および入院時に行なわれること-》

藤田保健衛生大学病院 産婦人科病棟看護長 矢野真理 産婦人科疾患では、同じ症状でも女性のライフサイクルである年齢や月経周 期の変化にあわせて考えていく必要があります。最近では、早期発見・早期治 療を目指し検診率も上昇してきています。しかし、一般に生殖器に関しては羞 恥心も高く、1 人で思い悩んでいることも少なくありません。いざ病気になって しまうと家庭での役割が大きいことにも気づかされます。ましてや子宮や卵巣 を失う喪失感とともに女性としての魅力がなくなるなど性生活への影響も大き く、夫との関係や家族との関係も変化していくといわれています。看護師は疾 患に対する治療援助だけではなく、こうした心理的・社会的なサポートも行な うようにしています。 また、入院・手術を受けることは生活環境が変化します。少しでも日常生活 の影響が少なくなるように回復していくためには医療者だけでなく患者さんに 治療参加してもらい、一緒に取り組んでいく必要があります。これにはクリニ カルパスと呼ばれる経過表をもとに、入院から退院まで安静度や食事、排泄な どが明記されています。目標ができることで満足のいく医療をうけることが期 待されています。 しかし、良性腫瘍の場合は手術だけで経過をみることができますが、悪性腫 瘍の場合は手術だけでなく抗癌剤治療や放射線治療なども行なわれ、数年にわ たり経過をみていく必要があります。入退院を繰り返すことは患者さんの負担 でもありますが、できるだけ家庭で生活ができるように支援しています。 女性の社会進出など、めざましく発展していく変化の中で自分の健康を守っ ていくことが大切です。 【講師プロフィール】 1983 年 藤田保健衛生大学病院看護部入職,88‘年 藤田保健衛生大学看護

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なってしまったら

なってしまったら

ー ー通院時および入院時に行われることー通院時および入院時に行われることー 藤田保健衛生大学病院 藤田保健衛生大学病院 産婦人科病棟 産婦人科病棟 看護長 看護長 矢野真理矢野真理

女性のライフサイクル

女性のライフサイクル

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小児期・・・膣炎、性器奇形、性早熟など

小児期

・・・膣炎、性器奇形、性早熟など

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思春期・・・月経異常、機能性出血など

思春期

・・・月経異常、機能性出血など

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成熟期・・・不妊、子宮筋腫、卵巣腫瘍など

成熟期

・・・不妊、子宮筋腫、卵巣腫瘍など

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更年期・・・更年期障害、月経異常など

更年期

・・・更年期障害、月経異常など

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老年期・・・膣炎、悪性腫瘍など

老年期

・・・膣炎、悪性腫瘍など

まず、定期検診

病院には 行きたくない 診察は 恥ずかしい 仕事が忙しく て行けない 私は病気 にはならない

平成

平成

17

17

年産婦人科外来

年産婦人科外来

受診患者延べ数

受診患者延べ数

1850 1900 1950 2000 2050 2100 2150 2200 2250 人 1月 3月 5月 7月 9月 11月

病名の告知

病名の告知

通院時に行なわれること

通院時に行なわれること

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治療の選択(インフォームドコンセント)

治療の選択

(インフォームドコンセント) 手術療法 薬物療法 (内服・注射) 自宅療養 (経過観察)

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手術が決定したら・・・

手術が決定したら・・・

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手術前検査

手術前検査

採血・検尿

採血・検尿

胸部レントゲン

胸部レントゲン

心電図

心電図

肺機能検査

肺機能検査

CT・MRI

CT・MRI

手術前の不安

手術前の不安

病気に 関するもの 手術に 関するもの 家庭に 関するもの 社会的・経 済的なもの 麻酔に 関するもの 子宮や卵巣 を失うこと

入院の説明

入院の説明

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入院手続きの案内

入院手続きの案内

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入院病室の案内

入院病室の案内

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入院・手術の必要物品の案内

入院・手術の必要物品の案内

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入院経過の案内

入院経過の案内

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不安に対する援助

不安に対する援助

入院期間

入院期間

ƒ ƒ良性腫瘍良性腫瘍 – –腹腔鏡下手術・・・約腹腔鏡下手術・・・約66日間日間 – –開腹手術・・・約開腹手術・・・約1010日間日間 ƒ ƒ悪性腫瘍悪性腫瘍 – –開腹手術・・・約開腹手術・・・約22週間週間 – –化学療法追加・・・約化学療法追加・・・約11ヶ月間ヶ月間 – –放射線療法追加・・・約放射線療法追加・・・約22ヶ月間ヶ月間

入院経過を把握するには

入院経過を把握するには

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クリニカル・パス

クリニカル・パス

看護を必要とする人が、変化によりよく 看護を必要とする人が、変化によりよく 適応できるように支援すること。 適応できるように支援すること。 入院前指導、入院時オリエンテーション、 入院前指導、入院時オリエンテーション、 検査、食事、安静度、退院指導などが 検査、食事、安静度、退院指導などが 経時的 経時的にスケジュール表にスケジュール表 にまとめてあるもの にまとめてあるもの

入院時に行なわれること

入院時に行なわれること

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入院オリエンテーション

入院オリエンテーション

– –病棟案内病棟案内 – –避難経路の案内避難経路の案内 – –職員案内職員案内

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手術前準備

手術前準備

– –必要物品の確認必要物品の確認 – –身体面・精神面の確認身体面・精神面の確認

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手術後の援助

手術後の援助

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手術後の観察

手術後の観察

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合併症予防)

合併症予防)

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食事への援助

食事への援助

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排泄への援助

排泄への援助

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早期離床に向けての援助

早期離床に向けての援助

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精神面の援助

精神面の援助

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退院指導

退院指導

退院指導

退院指導

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日常生活

日常生活

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食事・排泄

食事・排泄

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清潔

清潔

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性生活

性生活

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卵巣欠落症状

卵巣欠落症状

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外来受診

外来受診

化学療法

化学療法

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抗癌剤の投与

抗癌剤の投与

投与方法・期間の説明

投与方法・期間の説明

副作用の説明

副作用の説明

副作用出現時の援助

副作用出現時の援助

感染予防

感染予防

放射線療法

放射線療法

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皮膚の観察

皮膚の観察

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副作用の観察

副作用の観察

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長期入院によるストレスの援助

長期入院によるストレスの援助

治療への参加

治療への参加

ƒ ƒ医療者だけでなく、患者・家族も参加医療者だけでなく、患者・家族も参加 する する ƒ ƒクリニカル・パスの実施クリニカル・パスの実施 ƒ ƒ目標を設定することで意欲がでる目標を設定することで意欲がでる ƒ ƒ経過を知ることで家庭での予定が立経過を知ることで家庭での予定が立 てやすい てやすい ƒ ƒ脱「おまかせ」医療脱「おまかせ」医療

FIGO Annual Report 1991

参照

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