アルコールの
楽しく賢い楽しみ方
~アルハラをしない!
させない!
友情もお金も体も長持ちする飲み方~
2013/05/13 沖縄協同病院 心療内科・精神科 小松知己 [email protected]本日のなかみ
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Ⅰ. アルコールに関する一般的知識
アルコールって そもそもどんな物質? 効用と害 吸収・代謝に要する時間 「1単位」のアルコールが含まれるアルコール飲料Ⅱ. WHOが推奨する低リスク飲酒とは?
『え ?! ほんと ?! こんなの飲んだうちに入らないよ・・・』 日本の常識は世界の非常識Ⅲ. 実習タイム ♪
体質判定テストⅣ. アルコールが関与するハラスメントって?
なぜ起こる? どう防ぐ?
アルコール・ハラスメントの定義 飲み会の主催者・参加者5つの責任 医療人として「健康的な飲酒文化」を作っていこう ! !Ⅰ. アルコール その効用と害
Ⅰ. アルコール その効用と害
Ⅰ. アルコール その効用と害
4兆1483億円
日本におけるアルコール乱用による社会的費用の推計値
2008年
1)654万人
日本における AUDIT 12点以上
=介入を要する危険な飲酒者の推計値
2002年
1)Ⅰ.アルコール その効用と害
男性の外来通院している
高血圧症
患者の
36%
がアルコール症(注)
心疾患
患者の
36 %
肝障害
患者の
84%
高脂血症
患者の
77%
糖尿病・耐糖能異常
患者の
69%
痛風・高尿酸血症
患者の
60%
注:定義内容はICD-10のアルコール有害使用+依存症とほぼ同じ(仙台市郊外の一内科クリニックでの開院2年半の外来初診
患者4271名の全数調査 1989年)
2)Ⅰ. アルコール その効用と害
飲酒運転経験の男性61.9% 女性57.1%が
純アルコール1日60グラム以上の多量飲酒者である
『免許取消処分者講習受講者を対象にした調査』 (樋口進、神奈川県警察本部交通部交通総務課 2007)より一般成人では 男性12.7%、女性3.4%が
多量飲酒者である
厚生労働科学研究『成人の飲酒実態と関連問題の予防に関する研究』2003より免許取消処分者
のうち
飲酒運転検挙を経験した男性の36.9%、女性の42.9%
にアルコール依存症の疑いがある
『免許取消処分者講習受講者を対象にした調査』 (樋口進、神奈川県警察本部交通部交通総務課 2007)よりⅠ. アルコール その効用と害
国民1人あたりの飲酒量と自殺率の間には相関がある
(日本・諸外国での報告)3)多量飲酒が自殺の危険を高めるという調査報告もある
アルコール使用障害の有無にかかわらず
自殺者の多くが自殺の前に飲酒をしている
自殺既遂者の32.8%からアルコールが検出されている(伊藤ら、
1988)
この割合は海外の調査結果とほぼ同じ割合
3)アルコール依存症者の方がうつ病よりも自殺の危険
性が高いとする報告 がある
自殺で死亡するリスクはアルコール依存症で7% 気分障害(うつ病など)で6% 3)Ⅰ. アルコール その効用と害
*英国研究チームが数十種類の薬物を 死亡率・依存度・ 精神への影響・社会的影響・家庭的影響・経済的コスト・国際的存在・・・ 等のカテゴリ に分けて それぞれ数値化 ↓ 社会的に害のある薬物ワースト3 :アルコール ヘロイン クラック・コカイン 個人的に害のある薬物ワースト3 :ヘロイン クラック・コカイン メチルアンフェタミン ↓ 総合して有害な薬物ワースト 3 : アルコール (有害ポイント 72ポイント) ヘロイン (同 55 ポイント) クラック・コカイン (同 54 ポイント) ・・・・・ タバコ (26 ポイント) 覚せい剤 (23 ポイント) 大麻 (20 ポイント) 『Lancet』 2010年11月1日より *飲酒の強要 暴言・暴力 セクシャルハラスメント などの
被害人口は 約3040万人
(2002年の推計調査) 1)Ⅰ. アルコールは薬物です
* 非選択的な
中枢神経抑制剤
作用のしかたは麻酔薬に近いが
作用量と致死量が近接
している
→
危険
で“麻酔薬”としては落第
アルコールの致死量は作用量の約4倍
クロルプロマジン(第一世代抗精神病薬)の致死量は 作用量の20倍以上* それぞれの
文化で
危険性を減らすための
「つきあい方」が工夫
されてきた
合法化された向精神薬
日本:「お天道様が明るいうちは 呑まない」=飲酒時間を制限して 飲酒量を制限 ヨーロッパ:「呑んでも 決して乱れない」=酔いの深さを制限して 飲酒量を制限Ⅰ.「1単位」のアルコールが含まれる飲料
Ⅰ.アルコールの吸収・代謝に要する時間
アルコールの約70%は小腸から約30%は胃から 吸収される
血中濃度は摂取後45~60分で最大になる
アルコールの代謝(分解)は体質・体重・体格などにより個人差
さらに同じ個人でも体調により差が生ずる
1単位
のアルコールの代謝にかかる時間の目安は
*男性:飲み終わってからおよそ
4時間
*女性:およそ5時間
↓
3単位飲んだら半日アルコールが体内から消えない
アルコールの代謝(分解)は睡眠中はぐっと遅れる
↓
「仮眠を取ったら大丈夫」ではない ! !
*
アルコールは
使い方ひとつで
対人関係の潤滑油にもなるが
個人にも社会・コミュニティにも
多大な損失を与えうる
猛獣のような薬物
Ⅱ. WHOが推奨する低リスク飲酒とは?
原則 :1日1単位以下 and 週休2日 の飲酒
飲酒してはいけない時
運転や機械操作を行なうとき
妊娠中や授乳中のとき
薬を服用中のとき
など
Ⅱ.日本の常識は世界の非常識
Ⅱ. 日本の常識は世界の非常識
きゃり~ぱみゅぱみゅ のPV
『ふりそで~しょん』が引き起こした波紋
*
日本の飲酒習慣と欧米の飲酒習慣の違い 「お天道様が明るいうちは 呑まない」日本 =飲酒時間を制限して飲酒量を制限 酔って乱れることに甘い 「呑んでも 決して乱れない」欧米 =酔いの深さを制限して飲酒量を制限 *WHOの「アルコール有害使用の低減世界戦略」を 実行していない日本と着々と実行している欧米の認識ギャップ ↓PVのあちこちで (1’42”~1’55”~2’12”)(3’00~3’13”)
ぱみゅぱみゅ が演じた「イッキ飲み」「酔っ払った醜態」
は世界標準から見ると とんだ笑いものだった・・・
WHOの推奨する
低リスク飲酒
とは
1日1単位
(ビール500ml or 25度泡盛0.5合
or 缶チューハイ350ml)
× 週休2日
の飲酒である
ただし
妊娠中・授乳中と
薬の内服中は
飲酒しないこと !!
! !
Ⅲ. 実習タイム♪
Ⅳ. アルハラの定義
以下のどれかが一つでも当てはまれば アルコール・ハラスメント ! ! 飲酒の強要 上下関係・部の伝統・集団によるはやしたて・罰ゲームなどといった形で心理 的な圧力をかけ 飲まざるをえない状況に追い込むこと イッキ飲ませ 場を盛り上げるためにイッキ飲みや早飲み競争などをさせること 「イッキ 飲み」とは一息で飲み干すこと 早飲みも「イッキ」と同じ 意図的な酔いつぶし 酔いつぶすことを意図して飲み会を行なうこと 傷害行為にもあたる 酷いケースでは吐くための袋やバケツ「つぶれ部屋」を用意していることも 飲めない人への配慮を欠くこと 本人の体質や意向を無視して飲酒をすすめる 宴会に酒類以外の飲み物を用 意しない 飲めないことをからかったり侮辱する等 酔ったうえでの迷惑行為 酔ってからむこと 悪ふざけ 暴言・暴力 セクハラ その他のひんしゅく 行為Ⅳ.アルハラが起こる背景
「まさか、死ぬとは思わなかった・・・」
アルハラ死亡事件が起きたときに 加害者・傍観者が必ずもらす一言↑
「
アルコールは
致死量が作用量の約4倍しかない
薬物
であり 取り扱い要注意」
という認識の欠如
+
「アルコールが飲めない体質のひともいる」
「アルコールを飲ませてはいけないコンディション
のひともいる」という認識の欠如
+
参加者ひとりひとりの意向や想いを尊重せず
「盛り上がる」ことだけを追求する
飲み会運営・コミュニケーションのありよう
Ⅳ.飲み会主催者・参加者の「5つの責任」
*
アルハラをなくすこと
飲酒にまつわる嫌がらせ・人権侵害をしない 飲めない人への配慮として、ノンアルコール飲料を用意する*
吐く人を出さないこと
「吐けば大丈夫」という考え方は非常に危険であると認識する 限界以上に飲ませないよう心がけること*酔いつぶれた人が出たら 介抱し保護すること
決して放ったらかしにしてはいけない 救急医療に連絡するなどの対処をとること*未成年者に飲酒させないこと
法律で禁止されている +20歳未満は身体が未発達なため 飲酒による影響が大きいということを忘れないこと*車を運転する予定の人に飲酒させないこと
飲酒した人はもちろん勧めた人も法的に罰せられる 飲酒運転が惨劇を生み出すことを理解することⅣ. 新しい飲酒文化の創造へ !
もうひとつ 宣伝
・・・
毎月
第1火曜日 午後7時~9時
沖縄大学本館 多目的学習スペース
にて
沖縄ANDOGネットワーク
(愛称:沖縄あんドーナツ)例会を
開いています
Alcohol + Nicotine +Drug
+
severeObesity +Gamble
という五大依存症回復支援のノウハウを共有し
MI=動機づけ面接 のスキルを楽しく磨く場です
守秘義務をもつ援助職なら誰でも参加可能です
年会費 1000円です
参考文献・サイト
1) 『アルコール関連問題基本法推進ネット』サイト http://alhonet.jp/ 上記トップページ (バナーあり) から 「アルコール関連問題」→ 「日本のアルコール関連問題の規模」 2)「仙台市の一内科無床診療所の外来患者の アルコール症に関する統計的研究」 『アルコール医療研究』6(4) , 303~310p, 1989 下記サイトから 全文無料ダウンロード可能 http://www.geocities.jp/m_kato_clinic/ 3) 『簡易版アルコール白書』 日本アルコール関連問題学会等 編 2011年刊 下記サイトから 全文無料ダウンロード可能 http://www.j-arukanren.com/ 4) 『医学のあゆみ』 156号 , 1991 5) 『AUDIT ~アルコール使用障害特定テスト使用マニュアル』 『Brief Intervention ~危険・有害な飲酒への簡易介入: プライマリケアにおける使用マニュアル』 WHO 発行 2001年英語版刊 2011年日本語訳刊 下記の 沖縄協同病院サイト(トップページにバナーあり)から 全文無料ダウンロード可能 http://oki-kyo.jp/参考文献・サイト
6)『アルコール薬物問題全国市民協会(ASK)』サイト イッキ飲み・アルハラ防止のページ