“タッチ対応 ”に並ぶ Windows 8 の強化ポイントが“クラウド連携”だ。 Windows 8は、パソコンが常にイン ターネットに接続しているという前 提で作られている。「天気」「ニュー ス」などの標準アプリも、基本的に インターネットから情報をダウンロ ードして表示する仕組み。さらに、 クラウドサービスと連携させるため に、パソコンにログオンするときに 必要な「アカウント」の概念を根本 的に変更している。 Windows 7 の場合、ユーザーア カウントには「管理者」と「標準ユー ザー」という2 種類があった。一方 Windows 8では、従来の「ローカル アカウント」(通常は標準ユーザー相 当)と、クラウド連携が可能になる 「Microsoftアカウント」の2 種類に なる(図1、図2)。ローカルアカウン トを後からMicrosoft アカウントに 変更すること、またはその逆も可能 だ(図3)。 Microsoft アカウントは、同社の 個人向けクラウドサービスで使われ ていた「Windows Live ID」の名称 を変えたもの。従来の「SkyDrive」 や「Hotmail」などWindows Liveの サービスを使っていた場合には、そ のアカウントとして登録したメール アドレスが、そのままMicrosoftア カウントとして利用できる。 アカウントを持っていない場合は、 自分のメールアドレスを登録する。 すると、そのメールアドレスがその ままアカウント名になる。グーグル の「Gmail」やプロバイダーのメール アドレスなど、任意のアドレスを登 録できる。マイクロソフトが提供す る「live.jp」といったドメイン名の無 料メールアドレスを新たに取得して もよい。その際、「パスワード」のほ か、「姓」「名」「国/地域」「郵便番号」 を登録する。
「ローカル」は制約が多い
Windows 8では、Microsoftアカ ウントでログオンしていれば、自動 的に同社のクラウドサービスが使え る仕組みになっている。このため、「MSアカウント」でWebサービス連携
アカウントは「ローカルアカウント」と「Microsoftアカウント」の2種類 Windowsストアを利用するには、Microsoftアカウントが必要 マイクロソフトの各種Webサービスとは自動的に連携 FacebookやTwitterなど他社サービスにも「接続」が可能クラウド連携機能のポイント
クラウド連携
●メールアドレスを入力すると「Microsoftアカウント」に 図 1 Windows 8 の初期設定 時にサインイン(ログオン)用 のアカウントを設定する。既に Microsoft ア カ ウ ン ト( 旧 Windows Live ID)を持ってい る場合は、そのメールアドレス を入力しよう。Microsoft アカ ウントは、任意のメールアドレ スで作成することもできるので、 普段使っているメールアドレス を入力してもよい。新規にメー ルアドレスを取得することも可 能だ 図 2 図 1 で「Microsoft アカ ウントを使わずにサインインす る」を選ぶと、従来と同様の「ロ ーカルアカウント」を任意の名 前で作成できる。この場合は、 パスワードを設定しなくても構 わない 図 3 後からでも、アカウント の種類を切り替えたり、新たな アカウントを追加したりできる。 「設定」チャームで開く画面の 下端で「PC設定の変更」を選び、 表示された「PC 設定」画面で 「ユーザー」を選択。種類の切 り替えには「ローカルアカウン ト へ の 切 り 替 え 」 ま た は 「Microsoft アカウントへの切 り替え」を、追加には「ユーザ ーの追加」を選べばよい メールアドレスを入力 切り替え アカウントの追加 Microsoftアカウント ローカルアカウントWindows
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Windows 8では、従来の「ログオン」 のことを「サインイン」と呼ぶように なった。 ローカルアカウントでもパソコン を使うことはできるが、いくつか制 約がある。例えば、ローカルアカウ ントだけでは「Windowsストア」で アプリを入手できない。ストアにア クセスすると、インストール時に Microsoftアカウントの入力を求め られる(図4)。家族でパソコンを共 用するときに子供のアカウントをロ ーカルアカウントにした場合、アプ リを購入するときは親の Microsoft アカウントを利用する、といった使 い分けが必要になりそうだ。 このほか、複数のパソコンで画面 のデザインを同期する機能(61ペー ジ参照)などが、ローカルアカウン トでは使えない。SkyDriveなどと連携
では、Windows 8 の標準アプリ で、どのようなクラウドサービスと 連携できるのかを見ていこう。 Microsoft のクラウドサービスと 直接連携するのが、「メール」「カレン ダー」「SkyDrive」「People」という4 つのアプリだ。これらがそれぞれ、 「Outlook.com」「Hotmailカレンダー」 ●ローカルアカウントでは「ストア」も利用できない 図4 ローカルアカウントには、さまざまな制限がある。例えば、Windowsストアでアプリをインス トールしようとすると、Microsoft アカウントの入力を求められる。ローカルアカウントは、自分の パソコンを家族などほかの人に使わせるときに利用するとよいだろう ローカルアカウントでサインイン Windowsストア これまで、パソコンにログオンする ときは、アカウント名を選んでパスワ ードを入力するのが標準だった。しか し、タブレット端末のタッチキーボー ドは、複雑なパスワードを入力するの に向かない。 そこでWindows 8には、「ピクチャパ スワード」や「PIN」で簡単にサインイ ン(ログオン)する機能が追加された。 まず、通常通りにパスワードを設定。 そして「PC設定」画面の「ユーザー」を 開き、サインイン手法を選ぶ(図A)。 ピクチャパスワードの場合は、使用 する写真を選んで 3 つの動きを設定。 すると、ロック画面の解除後に3つの 動きを再現すればサインインできる(図 B、図C)。「PIN」の場合は4桁の暗証 番号を設定する(図D)。 どちらも、忘れてしまったときは通 常のパスワードでサインインできる。タッチ操作や暗証番号でもサインインできる
図 A パスワード入力以外の方 法でもサインインできる。「PC 設定」画面で「ユーザー」を選ぶ と「 ピクチ ャ パスワ ー ド 」や 「PIN」を設定できる 図C ピクチャパスワードは、あらかじめ設定 した写真の上で、点や円、直線を描く操作を再 現すると、サインインできるというものだ図D PIN(Personal Identification Number) は、銀行の ATM の暗証番号のように、4 桁の数 値を入力するだけでサインインできる 図B パソコンにサインインするには、まずロ ック画面を解除する。下から上に指をスライド させるか、マウスでクリックする ピクチャパスワード PIN
「SkyDrive.com」「People」という Web上のサービスと連携する(図5)。 同社のクラウドサービスには、以前 「Windows Live」という統一名称が あったが、Windows 8 の登場に合 わせて名称を変えた。それと同時に、 画面のデザインもWindows 8 風の シンプルなものに変わ っ ている。 Hotmailカレンダーについても、今 後デザインなどのアップデートが行 われる見込みだ。 「メール」は、Windows 8 標準の メールソフト。HotmailやOutlook. comのメールアドレスでサインイン していれば、自動的に設定が完了し、 メールを送受信できる状態になる。 Gmailも簡単な設定で受信できるし、 メールサーバー(現在はIMAPサー ●マイクロソフトのクラウドサービスと密接に連携 Windows 8の標準アプリ マイクロソフトのクラウドサービス Outlook.com Hotmailカレンダー SkyDrive.com People
図5 Microsoftアカウントでサインインしていれば、Windows 8の標準アプリ「メール」「カレンダー」「SkyDrive」「People」がそれぞれ、同社のクラウ ドサービスである「Outlook.com」(メール)、「Hotmailカレンダー」(予定表)、「SkyDrive.com」(オンラインストレージ)、「People」(アドレス帳)と自動的 に連携する。Windows 8上でデータを入力しておけば、ほかのパソコンでもサインインするだけで同じデータを利用可能だ。本記事の執筆時点では「Hotmail カレンダー」のみ旧Windows Liveサービスのままだが、いずれはほかと同じ新しいデザインに更新されるだろう メール カレンダー SkyDrive People
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バーのみ対応)などの情報を入力す ればプロバイダーのメールも受信可 能だ。なお、デスクトップアプリ版 のメールソフトはWindows 8に標準 で付属しない。必要なら「Windows Liveメール」など、ほかのメールソ フトをインストールして利用しよう。 予定表アプリの「カレンダー」は、 同社の「Hotmailカレンダー」と連携 する。SNSの「Facebook」と連携さ せていると、知人の誕生日などを表 示することが可能だ。このほか、設 定すれば「Googleカレンダー」とも 接続できる。 「SkyDrive」アプリは、オンライ ンストレージサービスの「SkyDrive. com」と連携する。無料で7GBまで 使え、有料で 100GB まで追加でき る。オンラインストレージ内のファ イルを直接開くことができ、写真な どはサムネイルが表示される。また Officeがインストールされていない パソコンでも、Word や Excel のフ ァイルをWebブラウザー上で開くこ とが可能だ。「SkyDrive」にはデス クトップアプリ版もあり、「Windows Essentials 2012」の一部として無料 でダウンロードできる。SNSはPeopleに集約
「People」はアドレス帳アプリで、 同名のオンラインアドレス帳( 旧 Hotmail アドレス帳 )と連携する。 氏名やメールアドレスだけでなく、 Facebook、Twitter、Google +、 LinkedInなど、各種ソーシャルメデ ィアのアカウント情報を一元管理で きるのが特徴だ。 Peopleを起動して、「設定」チャー ムの画面から「アカウント」を選ぶ と、自分の使用しているFacebook やTwitterのアカウントと「接続」で きる(図6)。すると、「友達」や「フ ォロワー」としてつながっている人 が、全て People の画面に取り込ま れる。これらの知人がSNSに書き込 みをすると、その人の「更新情報」 欄に表示され、自分に関係ある書き 込みは「通知」欄にも表示される。 こうして取り込んだSNSなどにお ける知人のアカウントは、「リンク」 機能を使ってWindows 8 上で作成 ●アドレス帳にSNSなどのアカウントを関連付けられる 図 6 Twitter や Facebook の メッセージ機能で連絡を取るこ とも増えてきた。アドレス帳ア プリである「People」は、「設 定」チャームで開く画面から「ア カウント」→「アカウントの追 加」を選ぶことで、Twitter や Facebook などの SNS と接続 し、SNS 上で登録した知人の 情報を取り込める 図 7 Twitter などから取り込 んだ知人の情報が、Windows 8 上で登録した連絡先などと重 複している場合は、「リンク」機 能で結び付ける。一方の連絡先 を開いて「リンク」を選び、開 いた一覧で同一人物の情報を選 択して、「追加」を押す 図 8 図 7 右下の画面で「メッ セージの送信 Facebook」を選 択すると、「メッセージング」ア プリが起動。Facebookのメッ セージ機能を使ってリアルタイ ムで会話ができる。このほか、 Windows メッセンジャーのア カウントを持っている相手と会 話をすることも可能だ 統合できた Facebook の メッセージ機能 でチャット 1 2 3 同じ人物のSNSアカウントを選ぶ 接続したいSNSなどを選択したアドレス帳と関連付けて統合で きる( 図 7)。 例えば、同じ人物の Facebook や Twitter のアカウント を統合すれば、同じアドレス帳の画 面から、メールの送信、Facebook でのメッセージの送信、Twitterで の返信など、好きな手段で連絡を取 れる。複数のコミュニケーション手 段を、1つのアドレス帳画面で一元 管理できるわけだ。 なお、People上で「メッセージの 送信」を選ぶと、自動的に「メッセ ージング」アプリが起動する。相手 がオンラインであれば、チャットの ように、リアルタイムにメッセージ をやり取りできる(図8)。