• 検索結果がありません。

原 著 最近の動向から見た子宮頸がん検診の判定と事後指導に対する提案 人間ドック 26: , ,4) 岩﨑武輝 1,5) 奥村次郎 1,6) 山本嘉昭 松井 1,2) 薫 1,2) 水口善夫 1,3,7) 宇野正敏 要約 キーワード 目的 : 今までの子宮頸部細胞診のいわゆる

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "原 著 最近の動向から見た子宮頸がん検診の判定と事後指導に対する提案 人間ドック 26: , ,4) 岩﨑武輝 1,5) 奥村次郎 1,6) 山本嘉昭 松井 1,2) 薫 1,2) 水口善夫 1,3,7) 宇野正敏 要約 キーワード 目的 : 今までの子宮頸部細胞診のいわゆる"

Copied!
8
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

1)武田病院グループ婦人科検診協議会 連絡先 : 〒 611-0021 京都府宇治市宇治里尻 36-26 2)武田病院 健診センター 宇治武田病院健診センター 3)ラクト 健診センター Tel : 0774-25-2072 Fax : 0774-25-2180 4)宇治武田病院 健診センター 5)東山武田病院 健康管理センター 6)医仁会武田総合病院 健康管理センター 7)武田病院グループ 本部 緒 言 子宮頸部の扁平上皮系の病変についての細胞診 判定方法は,パパニコロウによってクラス分類と して1954年に提唱された.米国でも,わが国で 採用している先の5段階評価のもととなったパパ ニコロウ分類がかつては用いられ,このことか ら子宮頸部の細胞診はPap testとも呼ばれていた. わが国では,1978年に日本母性保護産婦人科医 会によって「日母分類」が作成された1).この分類 は表1に示すように,5段階評価であり,クラスⅢ, クラスⅣ,クラスⅤが腫瘍細胞の存在を示唆する もので,それぞれ異形成,上皮内がん,浸潤がん を想定するものである.クラスⅢはさらに,異型 の程度が軽度から中等度と高度であることを示す a と b に亜分類されている. 1987 年に Pap test の精度管理,つまり進行がん における陰性標本の多さという大きな社会問題が 生じた.このことを受けて,米国メリーランド州 ベセスダにあるNational Cancer Institute(NCI) が迅速な対応を図り,単純な5段階評価に代えて

最近の動向から見た子宮頸がん検診の判定と

事後指導に対する提案

岩﨑武輝1,4) 奥村次郎1,5) 山本嘉昭1,6) 松井 薫1,2) 水口善夫1,2) 宇野正敏1,3,7) 要 約 目的:今までの子宮頸部細胞診のいわゆる日母分類からベセスダ新分類の移行に伴い,成績 判定及び事後指導に関する日本人間ドック学会のガイドラインを再考する必要が出てきた. 武田病院グループ健診施設の婦人科部門の子宮頸がん検診において,ベセスダ新分類を導入 した判定基準を作成し,それを基に今後事後指導を実施したいと考える. 方法:武田病院グループ5健診施設のうち,同一検査所に依頼している4施設の,2010年2月 初めから6月末までの子宮頸がん検診受診者4,948人について,受診者年齢・ベセスダ分類・ 日母Class分類を行った.新分類に基づいて,健診施設としての判定及び診断をつけ,それ に対応した事後指導表を新たに作成した. 結果:武田病院グループの4健診施設における最近5ヵ月間の子宮頸がん検診受診者数は4,948 人であった.ベセスダシステム2001分類では,異常なしを示すNILMは4,853人であった.従 来の日母Class分類では,異常なしを示すClassⅠ,Ⅱは4,914人であった.異常なしに関して, 単純に計算すると新分類(ベセスダ分類)では従来分類(日母分類)に比べて61人の減少, 総受診者数の1.23ポイント減となった.主な原因は,採取方法による細胞数の不足によるも のと考えられた.新分類では,NILMは異常なしの結果報告でよく,それ以外の診断のつい た受診者はすべて受診勧奨となり,要精密検査の紹介状を必要とする事後指導が必要であっ た.新分類の結果に対する受診者への平易な説明文が重要と思われた. 結論:NILM以外に判定された区分は,すべてD判定となり,事後指導が必要である.今後, 現在学会で分類されているA,B,C,D,Eと子宮頸部細胞診結果の対応を,新しくベセス ダ分類に対応した判定区分の新ガイドラインを学会としても設定すべきと考えられた. キーワード 子宮頸部細胞診,日母Class分類,ベセスダ分類,人間ドック 人間ドック 26531-538, 2011

原 著

ClassⅠ 正常. ClassⅡ 異常細胞を認めるが良性. ClassⅢ 悪性を疑うが断定できない. Ⅲ a 悪性を少し疑う.軽度・中等度異形成を想定.組織学 的に調べると,この Class より5%程度に癌が検出さ れる. Ⅲ b 悪性をかなり疑う.高度異形成を想定. この Class より 50%程度に癌が検出される. ClassⅣ 極めて強く悪性を疑う.上皮内癌を想定. ClassⅤ 悪性である.浸潤癌(微小浸潤癌を含む)を想定. 表 1 日本母性保護医協会分類(日母分類)1978

(2)

記述によって細胞診の報告を行うベセスダシス テム(The Bethesda System ; TBS)が新しい細胞 診報告の形式として公表された2,3).さらに日母 分類クラスⅢaに「軽度異形成」と「中等度異形成」 の両者が含まれ,かつ両者間でがん化に有意差が あることがわかってきた.両者を区別しないクラ スⅢaとの異型度分類の回答のみでは,予後を予 測した適切な管理と治療の対応ができない問題点 を抱えていた.また,不十分な数の検体細胞で無 理をしてパパニコロウのクラス分類を行ったため, 偽陰性や誤陽性を引き起こしたこともあり,ベセ スダシステムでは不適材料では判定してはならな いことになった.ベセスダシステムでは,適切な 標本でがん化への進行リスクの低い軽度扁平上 皮内病変「LSIL」と,がん化への進行リスクの高 い高度扁平上皮内病変「HSIL」とに大別し,軽度 異形成か中等度異形成以上かの推定病理診断と所 見・診断理由の記述も必須となった. 近年,病因としてのヒトパピローマウイルス (HPV)の遺伝子検索から両病変で感染HPVの 種類が異なり,「HSIL」では発がんハイリスク HPV16型18型の感染があることもわかってきた4) 細胞診で両病変を区別できることで今後ワクチン 接種との関連や患者管理上の意義も出てきた. ベセスダシステムは,国際的に種々の議論を経 て最終的に2001年にベセスダにおいて会合がも たれ,“ベセスダシステム2001”として改訂版が 公表された5,6).表2の(1)と(2)に示されるように, 日本産婦人科医会より,2009年度からの子宮頚 部細胞診報告書をベセスダシステム2001に準拠 した子宮頚部細胞診報告様式に改定される通知が なされた7).それを参考に,武田病院グループ健 診施設の婦人科部門の子宮頸がん検診においても, 新分類を導入した判定基準を作成し,変更による 結果の実状の解析,ならびにそれを基に今後の実 施指導にあたっての意義・問題点を明らかにする ことを目的に本研究を行った. なお,本研究で使用した項目は各施設で問診票 において個人情報保護の点からその取り扱いにつ いて了承を得ており,個人の特定化には結びつか ないように配慮した.また各施設の倫理委員会の 承諾を得て発表した. 表 2 ベセスダシステム 2001 準拠子宮頸部細胞診判定7) (1):扁平上皮系 結果 略語 推定される病理診断 クラス分類従来の 英語表記 運用

1)陰性 NILM 非腫瘍性所見,炎症 Ⅰ,Ⅱ Negative for intraepithelial lesion or malignancy 異常なし : 定期検診

2)意義不明な異型扁  平上皮細胞 ASC-US 軽度扁平上皮内病変疑い Ⅱ - Ⅲ a Atypical squamous cells of undetermined significance (ASC-US) 要精密検査 : ① HPV 検査が望ましい   陰性 :1 年後に細胞診,HPV,併用検査   陽性 : コルポスコープ,膣部生検 ② HPV 検査非施行   6ヵ月以内に細胞診 3)HSIL を除外できない  異型扁平上皮細胞 ASC-H 高度扁平上皮内病変疑い Ⅲ a,Ⅲ b Atypical squamous cells cannot exclude HSIL(ASC-H) 要精密検査 :  コルポスコープ  膣部生検 4)軽度扁平上皮内病変 LSIL HPV 感染,軽度異形成 Ⅲ a Low grade squamous intraepithelial lesion

5)高度扁平上皮内病変 HSIL 中等度異形成 Ⅲ a High grade squamous intraepithelial lesion 高度異形成 Ⅲ b 上皮内癌 Ⅳ 6)扁平上皮癌 SCC 扁平上皮癌 Ⅴ Squamous cell carcinoma (2):腺細胞系 結果 略語 推定される病理診断 クラス分類従来の 英語表記 運用 7)異型腺細胞 AGC 腺異型または腺癌疑い Ⅲ Atypical glandular cells 要精密検査 :  コルポスコープ 膣部生検  頸管および内膜  細胞診または組織診 8)上皮内腺癌 AIS 上皮内腺癌 Ⅳ Adenocarcinoma in situ 9)腺癌 Adenocarcinoma 腺癌 Ⅴ Adenocarcinoma 10)その他の悪性腫瘍 Other malig. その他の悪性腫瘍 Ⅴ Other malignant neoplasms 要精密検査 : 病変検索

(3)

対象と方法 武田病院グループ健診施設のうち,同一検査所 に依頼している(医仁会武田総合病院を除く)4施 設の,2010年2月から6月末までの子宮頸がん検 診受診者4,948人について受診者年齢・ベセスダ 分類・日母(Class)分類を行った.細胞診の結果 について,日本産婦人科医会の報告様式を参考に, 新分類を用いて健診施設としての判定および診断 をつけ,それに対応した事後指導表を作成した. 結 果 武田病院グループ4健診施設の平成22年2月か ら6月までの5ヵ月間の子宮頸がん検診受診者の 集計を,受診者年齢・ベセスダ分類・日母(Class) 分類について分析すると,表3のようになった. 受診者年齢のピークは,40歳代の1,419人が最 高を示した.受診者の最少年齢は17歳,最高年 齢は92歳であった.ベセスダ分類では,陰性を 示すNILM(Negative for intraepithelial lesion or malignancy)が 4,853 人と全体の 98.1% を占め,日 母分類では,陰性を示すClassⅠ,Ⅱは,4,914人 と99.3%を占めていた. ベセスダ分類の結果を基に,日母分類を併記 して集計すると表4のように,NILMは前述のよ うに4,853人の98.1%を占め,ASC-US(Atypical squamous cells of undetermined significance)は 13 人の0.26%を占め,ASC-H(Atypical squamous cells cannot exclude HSIL)は,3人の0.06%を占 めた.LSIL(Low grade squamous intraepithelial lesion)は,14人の 0.28%を占め,HSIL(Highgrad esquamousintraepitheliallesion)は,8人の 0.16% を占めた.AGC(Atypical glandular cells)は2人の 0.04%を占めた.不 適 正は,55 人の1.11%を占めた.表4に示す ように,ベセスダ分類の各項目 に日母Class分類の結果が混在 していた.ベセスダ分類の不適 正の55人は,ほとんどが十分な 扁平上皮細胞が採取できていな い結果であった.その他,乾燥 して固定が不良のもの,月経中 で赤血球がほとんどで不明瞭の ものなどであった.不適正の標 本中,日母分類では,ClassⅠが 40人,ClassⅢaが14人と判定さ れ,判定不可が1人見られた. ベ セ ス ダ シ ス テ ム2001の 細 胞診判定結果について総合的に みると,表2の(1)と(2)のよう に表記される.判定結果に対応 した略語,推定される病理診断, 従来の日母クラス分類,英語表 記,検診や実地臨床における運 用(方針,対応)を列記した.上 皮異常は,扁平上皮系の異常(1) と腺細胞系の異常(2)に区別して 示される.判定結果については, 表 3 武田病院グループ4健診施設の子宮頸がん検診集計データ (H 22 年 2 月~ 6 月) 1)受診者年齢 2)ベセスダ分類 3)日母分類 受診者年齢 人数 ベセスダ分類 人数 日母分類 人数 ~19 歳 9 NILM 4853 Class Ⅰ 2246 20~29 448 ASC-US 13 ClassⅡ 2668 30~39 1092 ASC-H 3 ClassⅢ 2 40~49 1419 LSIL 14 ClassⅢ a 28 50~59 1144 HSIL 8 ClassⅢ b 2 60~69 627 SCC 0 ClassⅣ 1 70~79 176 AGC 2 ClassⅤ 0 80~ 33 AIS 0 判定不可 1 総受診者数 4948 不適正 55 総受診者数 4948 総受診者数 4948 表 4 子宮頸がん検診集計データのベセスダシステム 2001 に準拠した分類と日母分類の併記による内訳 ベセスダ分類 日母分類 総数(人) 割合(%) NILM Class Ⅰ:2209 Class Ⅱ:2644 4853 98.1 ASC-US Class Ⅱ:6 Class Ⅲ a:7 13 0.26 ASC-H Class Ⅲ:2 Class Ⅲ a:1 3 0.06 LSIL Class Ⅲ a:14 14 0.28 HSIL Class Ⅲ a:6

Class Ⅲ b:1 8 0.16 Class Ⅳ:1 AGC Class Ⅱ:1 Class Ⅲ b:1 2 0.04 不適正 Class Ⅰ:40 Class Ⅲ a:14 55 1.11 判定不可:1 総受診者数 4948 100

(4)

大きく分けて,陰性,扁平上皮系の異常,腺細胞 系異常およびその他の悪性腫瘍に分かれる. 考 察 ベセスダシステム2001準拠子宮頸部細胞診報 告様式は,日本産婦人科医会が平成20年12月に 「同報告様式の理解のために」と題した小冊子7) 全国の産婦人科医師に配布して周知された.その 中で記載されているように,いわゆる「日母分類」 1)の改訂の必要性は,1.検診の精度管理のため, 単なるクラス分類ではなく推定病変を記述する必 要がある,2.標本の適正・不適正を評価し,不 良(不適正)標本をなくす,3.診断困難な異型細 胞に対して,新しいクライテリアを設ける必要が ある,4.子宮頸がんの発がんにおけるヒトパピ ローマウィルス(HPV)関与8)のエビデンスを取り 入れる,と掲げている. 報告様式の実際として7,9),1.標本の種類,2. 検体の適否,3.細胞診判定,の順に報告される. 標本の種類は,標本の作成法として,従来の直接 塗抹法と液状検体法10)があるがベセスダシステ ム2001 5,11)ではどちらにも適応しているので,ど ちらかを選択する.また,細胞採取器具(サイト ピック,ヘラ,ブラシ,綿棒など)を明示して選 択する.検体の適正または不適正を明示する.不 適正には,検体が不合格(例:検体にラベルがな い,スライド破損など)のため,鏡検による評価 そのものが除外される場合と,鏡検はされるが, 評価するには,不適正な場合がある.適正検体の 条件は,保存状態がよく,鮮明に見える扁平上皮 細胞が直接塗抹法では8,000~12,000個,液状検 体法では5,000個以上である.不適正標本に関し ては,坂本ら6)も述べているように,上記のごと く,塗抹から封入に至るまでの不合格検体と扁平 上皮細胞数が少ないなどの不適正検体に分けて考 慮し,不適正と評価した場合には,臨床現場に再 検査を依頼する.受診者には,約1ヵ月以内に再 検査を受けるように当グループとしては勧奨して いる.受診者が当グループ健診施設に再受診した 場合は,費用は請求しない.不適正標本に関して は,成績判定には反映していない. 当グループの不適正は,表4に示すように4,948 件中55件あり,不適正率は1.11%となった.施 設により,担当医により多少その率は変動するが, 宮城県対がん協会の不適正率12)は,システム導入 前(65,879件)と綿棒からブラシなどに変更した導 入後(32,622件)の実態調査では,3.62%から1.88% に低下した.当グループの健診施設でも,細胞採 取器具は綿棒がまだ多く,全施設でのサイトピッ ク,またはブラシ使用について検討し,今後さら なる低下を図りたい. 以上のように,ベセスダシステムの要点は,1. 検体の適・不適をまず判断し,適切とされた検体 のみ判定を下す,2.判定にあたっては,従来の Class 分類ではなく推定病変名を記述する,3.記 述されるべき推定病変名は,HPV感染と発がん に関する研究の知見を反映させたものとする,と なっている. 分類の中のASC-USは,日本語で「意義不明な 異型扁平上皮細胞」という訳になっており,LSIL を示唆するが,質的・量的にLSILの定義を完全 に満たさない細胞変化である.推定される病理診 断は,軽度扁平上皮内病変の疑いとなり要精密検 査となる.そして,HPV-DNA検査13)による判定 が望ましく,陰性の場合は1年後に細胞診,HPV 併用検査,陽性の場合は子宮膣部のコルポスコー プ,膣部生検となる.HPV-DNA検査非施行時は, 6ヵ月以内に細胞診検査が勧められる.現在,日 本ではASC-USと診断された場合,保険適用で HPV-DNA 検査が可能となった. 日本産婦人科医会は,会員医師向けに,子宮頸 部細胞診報告様式を上記の判定以外に標本の種類, 標本の適否などを追加した表57)を提案している. また,結果の受診者説明に対して,表6の上半分 の扁平上皮系に対する案14)を示している.腺細胞 系についても追加すれば,表6全体のような表記 になると考える.現在,各医療機関において独自 の説明書15)を,特に受診者向けに頭を痛めながら 考案中と考える. 今回,武田病院グループの4健診施設での5ヵ 月間の子宮頸がん検診の結果を,従来の日母分類 も併記してベセスダ分類すると,表4のような結

(5)

1.標本の種類 標本作成法 □直接塗抹法 □液状塗抹法 細胞採取器具 □サイトピック □ヘラ □ブラシ □綿棒 □その他 ベセスダ分類 推定病変 用語説明 日母分類 次の対応 2.標本の適否 □適正 □判定可能 □不適正 □判定不可 再検査 3.細胞診判定 ■陰性 (NILM) 微生物 Ⅰ,Ⅱ 定期検診 その他の非腫瘍性所見 ■扁平上皮系異常 以下は要精密検査 ASC-US 軽度扁平上皮内 意義不明な 異型扁平上皮細胞 Ⅱ~Ⅲ a ① HPV 検査が望ましい ② 6ヵ月以内に細胞診 病変疑い ASC-H 高度扁平上皮内 病変疑い HSIL を除外できない異型扁平上皮細胞 Ⅲ a,Ⅲb コルポスコープ 膣部生検  LSIL HPV 感染 軽度扁平上皮内病変 Ⅲ a コルポスコープ  軽度異形成 膣部生検 HSIL 中等度異形成 高度扁平上皮内病変 Ⅲ a コルポスコープ  高度異形成 Ⅲ b 膣部生検 上皮内がん Ⅳ SCC 扁平上皮がん 扁平上皮がん Ⅴ コルポスコープ  膣部生検 ■腺系異常およびその他の悪性腫瘍 AGC 腺異型または腺癌疑い 異型腺細胞 Ⅲ コルポスコープ 膣部生検 頸管および内膜 細胞診または組織診 AIS 上皮内腺癌 上皮内腺癌 Ⅳ Adenocarcinoma 腺癌 腺癌 Ⅴ Other malig その他の悪性腫瘍 その他の悪性腫瘍 Ⅴ 病変検索 4.細胞所見 (通称:ベセスダシステムあるいは医会分類) 表 5 ベセスダシステム 2001 準拠子宮頸部細胞診結果報告様式(案) 表 6 ベセスダシステム報告様式:受診者への説明のために(1)(案)(日産婦医会報 2010 年 2 月一部追加) 表 7 ベセスダシステム報告様式:受診者への説明のために(2)(案)(日産婦医会報 2010 年 2 月を一部追加・改変) ベセスダ判定       英略語 受診者説明用略語(案) 受診者への説明例(案) 1) 陰性 NILM 異常なし 異常はありませんでした 2) 意義不明な異型扁平上皮細胞 ASC-US 軽度病変疑い HPV 検査もしくは 6ヵ月内に細胞診を検査してください 3) HSIL を除外できない異型扁平上皮細胞 ASC-H 高度病変疑い 精密検査が必要です 4) 軽度扁平上皮内病変 LSIL 軽度病変 精密検査が必要です 5) 高度扁平上皮内病変 HSIL 高度病変 精密検査が必要です治療が必要になる場合があります 6) 扁平上皮がん SCC がん 治療のできる医療機関を受診してください 7) 異型腺細胞 AGC 高度病変疑いまたは,がんの疑い 精密検査が必要です 8) 上皮内腺癌 AIS がん 治療のできる医療機関を受診してください 9) 腺癌 Adenocarcinoma がん 治療のできる医療機関を受診してください 10)その他の悪性腫瘍 other malig. がん 治療のできる医療機関を受診してください ベセスダ判定   英略語 受診者への結果報告   受診者への事後指導の付加説明 1) 陰性 NILM 異常なし 異常はありませんでした 2) 意義不明な異型扁平上皮細胞 ASC-US 軽度病変が疑われます HPV 検査もしくは 6ヵ月内に細胞診を検査してください 3) HSIL を除外できない異型扁平上皮細胞 ASC-H 高度病変が疑われます 精密検査が必要です 4) 軽度扁平上皮内病変 LSIL 軽度病変があります 精密検査が必要です 5) 高度扁平上皮内病変 HSIL 高度病変があります 精密検査が必要です治療が必要になる場合があります 6) 扁平上皮がん SCC 悪性と判定できる細胞を認めます 治療のできる医療機関を 受診してください 7) 異型腺細胞 AGC 悪性が疑われる細胞を認めます 精密検査が必要です 8) 上皮内腺癌 AIS 悪性と判定できる細胞を認めます 治療のできる医療機関を受診してください 9) 腺癌 Adenocarcinoma 悪性と判定できる細胞を認めます 治療のできる医療機関を受診してください 10)その他の悪性腫瘍 other malig 悪性と判定できる細胞を認めます 治療のできる医療機関を受診してください

(6)

果になった.NILMを示す4,853人は陰性で異常 なく,不適正を除く40人は要精密検査というこ とになる.表2(1)(2)から判断すると,NILM(陰 性)と診断されるもの以外はすべて要精密検査と いう結果になる.受診者への説明として,扁平上 皮系のHSILの上皮内がん,SCC及び腺細胞系異 常・その他の悪性腫瘍についての精密検査は,他 の部分の精密検査と区別する必要があると思われ た.表6,7のように,単に「精密検査が必要です」 だけでなく,さらに付加した説明文が必要と考え られた.当グループ健診施設では,表6を参考に 一部追加・改変して表7のような受診者説明のた めの報告書を作成し,現場のスタッフの理解を深 めながら情報を共有して,試験的に使用していき たいと考えている. 従来の日本人間ドック学会の細胞診に関する成 績判定及び事後指導に関するガイドラインは,学 会誌「人間ドック」の2008年3月に掲載されている もの16)が現在共通的に使用され,表8のように分 類されていると考えられる.そして,従来の日母 分類を用いて判定区分されている.婦人科検診に ついては,細胞診以外の内診・経膣超音波検査な どの所見についても,本来判定と事後指導があっ ても良いが,ここでは触れない. 新しいベセスダシステム2001に準拠した細胞 診分類と現在の学会のガイドラインを併記し,グ ループ健診施設としての診断及び対応を示す と,表9のように示される.先程述べたように, 判定区分:細胞診に関して(日母 Class 分類を採用) 項 目 A異常なし B軽度異常 C要経過観察 生活改善 D1 要治療 D2要精検 E治療中 特定健診・特定保健指導 A情報提供 B動機付け支援 C1積極的支援(1) C2積極的支援(2) 受診勧奨 細胞診(日母 Class 分類) 1 2 3-5 表8 日本人間ドック学会による健診成績判定及び事後指導に関するガイドラインについて16) 表9 ベセスダシステム 2001 分類導入後の武田病院グループ健診施設における細胞診の判定と事後指導 ベセスダ 2001 分類(略語) 日本人間ドック学会の判定(案) としての診断健診施設 としての対応健診施設 運用 NILM(陰性) A 異常なし 定期検診 ASC-US D 精密検査 紹介状 ① HPV 検査による判定が望ましい または② 6ヵ月以内細胞診検査 ASC-H D 精密検査 紹介状 要精密検査:コルポスコープ,生検 LSIL D 精密検査 紹介状 HSIL D 精密検査 紹介状 SCC D 精密検査 紹介状 AGC D 精密検査 紹介状 要精密検査: コルポスコープ,生検,頸管および 内膜細胞診または組織診 AIS D 精密検査 紹介状 Adenocarcinoma D 精密検査 紹介状 Othermalig D 精密検査 紹介状 要精密検査:病変検索 表 10 ベセスダシステム 2001 分類導入後の細胞診の判定と事後指導に関する提案(武田病院グループ・婦人科検診協議会) 項目 A 異常なし B 軽度異常 C 要経過観察・生活改善 D1 要治療 D2 要精検 E 治療中 特定健診・特定保健指導 A 情報提供 B 動機付け支援 C1積極的支援(1) C2積極的支援(2) 受診勧奨 細胞診 (ベセスダ分類) (新分類) NILM ASC-US,ASC-H,LSIL, HSIL,SCC,AGC,AIS, Adenocarcinoma,Other malig * 細胞診 (日母 Class 分類を併記) (従来の分類) Ⅰ,Ⅱ Ⅲ~Ⅴ

(7)

NILM 以外の ASC-US 以下の項目はすべて精密検 査を要し,紹介状の対象となる. 細胞診に関して,学会に模して表にすると,表 10のようになると考えられ,参考的に最下段に従 来の日母分類を併記した.ベセスダ分類を導入す ると,細胞診に関してはこのような判定と事後指 導になると考えられるが,受診者へ分かりやすく 十分な説明ができるように,学会にこの部分に関 して早急に検討し導入していただきたいと考える. 結 語 婦人科検診の細胞診に関しては,2009年4月か ら新しいベセスダシステム2001に準拠した細胞診 分類と判定が開始されており,各健診施設・各検 査所が順次そのシステムに移行していくと考えら れ,我々のグループ施設でもそれを基に今後事後 指導を実施したいと考えている.学会に対し,今後, 新分類に沿った細胞診のガイドラインを事後指導 も含めて設定していただくように希望し,日本人 間ドック学会の婦人科部門の細胞診ガイドライン 作成に少しでも参考になればと提案する. 本研究についての利益相反はない. この内容の一部は,平成22年8月26日に旭川 市で開催された第51回日本人間ドック学会学術 大会にて,口演発表した. 謝 辞 検査所(株)「いかがく」サイトセンター細胞検査 士・太城勘介氏にデータの集計,分析を行ってい ただき,投稿にあたり感謝申し上げます. 文 献 1) (社)日本母性保護産婦人科医会 がん対策委員会・がん対 策部: 子宮がん検診の手引き, 東京, 1997: 57-59.

2) The 1988 Bethesda System for Reporting Cervical/Vaginal Cytologic Diagnosis. Acta Cytologica 1989; 33: 567-574. 3) (社)日本母性保護産婦人科医会 がん対策委員会・がん対

策部: 子宮がん検診の手引き, 東京, 1997: 62-70.

4) 松本光司 : HPV 感染の疫学と自然史-地域,病変,年齢に よる型分布の違い-, 産婦の実際2010; 59: 559-564. 5) Solomon D, Nayar R: The Bethesda System for Reporting

Cervical Cytology, Springer-Verlag, New York, 2004. 6) 坂本穆彦 , 今野 良 , 小松京子 ほか : 子宮頸部細胞診ベセス ダシステム運用の実際, 医学書院, 東京, 2010, 6-15. 7) (社)日本産婦人科医会 がん対策委員会・がん部会 : ベセス ダシステム2001準拠 子宮頸部細胞診報告様式の理解のた めに, 東京, 2008: 1-11. 8) 井上正樹 : 子宮頸癌予防-検診と予防ワクチンをめぐって HPV による発癌メカニズム . 産婦の実際 2010; 59 :565-573. 9) 平井康夫:[ 子宮頸がん検診-普及をめざして 3] 細胞診の 判定方法と新しい記載-ベセスダシステム2001細胞診報 告様式の実際. 臨婦産 2010; 64: 299-303. 10) 林 由梨 , 浅尾有紀 , 根津幸穂 ほか : [ 子宮頸がん検診 3] 子 宮頸部細胞診の液状検体の利点と問題点. 臨婦産 2009; 63: 1128-1133.

11) Birdsong G.G, Davey D.D, Darragh TM, et al: 第 1 章検体の 適否,Solomon D, Nayar R編 平井康夫監訳. ベセスダシ ステム2001アトラス. シュプリンガー・ジャパン, 東京, 2007, 1-20. 12) 小澤信義 , 牧野浩充 , 亀セツ子 ほか : 子宮頸癌予防-検診 と予防ワクチンをめぐって ベセスダシステムを用いた子 宮頸癌検診の課題とその解決-不適正標本とASC-USに 対する宮城の対応に. 産婦の実際 2010; 59: 597-603. 13) 井上正樹:[ 子宮頸がん検診-普及をめざして 4] 子宮頸 がん検診におけるHPV検査の位置づけ. 臨婦産 2010; 64: 304-309. 14) 日本産婦人科医会:ベセスダシステム 2001 準拠子宮頸部 細胞診報告様式(医会分類2008)Q&A, 東京, 2010, 1-8. 15) 広島市医師会 : 広島市医師会臨床検査センターにおけるベ セスダシステム(TBS)2001対応コメント表. 広島市医師会 だより, 第530号付録, 広島, 2010. 16) 人間ドック健診成績判定及び事後指導に関するガイドラ イン作成委員会: 人間ドック健診成績判定及び事後指導に 関するガイドライン作成委員会報告. 人間ドック 2008; 22: 865-877. (論文受付日 : 2011.1.29 論文採択日 : 2011.7.14)

(8)

Proposal on Judgment of Uterine Cervical Cancer Screening Results

and Aftercare Based on them in View of Current Trends

Takeki Iwasaki1,4), Jiro Okumura1,5), Yoshiaki Yamamoto1,6), Kaoru Matsui1,2), Yoshio Minakuchi1,2), Masatoshi Uno1,3,7) 1) Takeda Hospital Group Gynecological Examination Council

2) Takeda Hospital Medical Examination Center 3) Racto Medical Examination Center 4) Uji Takeda Hospital Medical Examination Center 5) Higashiyama Takeda Hospital Health Management Center 6) Ijinkai Takeda General Hospital Health Management Center

7) Headquarters of Takeda Hospital Group

Abstract

Objective: With the switch to the Bethesda classification from the so-called Nichibo classification that has been in use up till now for reporting pap smear results, a revision of the Japan Society of Ningen Dock’s guidelines concerning judgment of results and aftercare has become necessary. For cervical cancer screening conducted by the gynecology departments of health check-up facilities in the Takeda Hospital Group, we have prepared judgment standards for the newly introduced Bethesda classification and aim to use them as a basis for aftercare in the future.

Methods: We applied the Bethesda classification and the Nichibo class classification to 4,948 persons undergoing cervical cancer screening from the beginning of February to the end of June 2010 at 4 health check-up facilities using the same screening center among the 5 such facilities in the Takeda Hospital Group, and also classified them by age. Based on the Bethesda classification, we assigned judgments and diagnoses for the individual health check-up facilities and made new aftercare charts based on them. Results: On applying the Bethesda 2001 system to the total of 4,948 persons undergoing cervical cancer screening at the 4 health check-up facilities in the Takeda Hospital Group in the 5-month period, 4,853 people were judged as NILM, which indicates no abnormalities. According to the conventional Nichibo

Class classification, 4,914 people came under Class I or II which indicate no abnormalities. Simple calculations show that the number of people with no abnormalities under the Bethesda classification was 61 less than that under the former Nichibo class classification and there was a decrease of 1.23% in such people with respect to the total number of examinees. The major reason for this was thought to be insufficient cell numbers due to the cell collection procedure. Under the Bethesda classification, a reported pap smear result of NILM was considered to be fine, while examinees receiving other diagnoses required aftercare including referral for more detailed screening. We also felt that it was important to provide a simple explanation of the results of screening according to the Bethesda system to examinees.

Conclusion: All judgments other than NILM were D, for which aftercare was necessary. In the future, the Society should establish new guidelines concerning judgment grades under the Bethesda classification corresponding to the grades of A, B, C, D and E for pap smear results under the existing system of classification.

Keywords

参照

関連したドキュメント

1外観検査は、全 〔外観検査〕 1「品質管理報告 1推進管10本を1 数について行う。 1日本下水道協会「認定標章」の表示が

(吊り下げ用金具) ●取扱説明書 1 本体      1台. 2 アダプタ-   1個 3

事業セグメントごとの資本コスト(WACC)を算定するためには、BS を作成後、まず株

12―1 法第 12 条において準用する定率法第 20 条の 3 及び令第 37 条において 準用する定率法施行令第 61 条の 2 の規定の適用については、定率法基本通達 20 の 3―1、20 の 3―2

基本目標2 一 人 ひとり が いきいきと活 動するに ぎわいのあるま ち づくり1.

近年、気候変動の影響に関する情報開示(TCFD ※1 )や、脱炭素を目指す目標の設 定(SBT ※2 、RE100

そこで、そもそも損害賠償請求の根本の規定である金融商品取引法 21 条の 2 第 1

具体的な取組の 状況とその効果 に対する評価.