【論 文】 日本建 築 学 会 構 造 系 論 文 報 告集 ng 453号
・
1993年11月Journal of Struct
,
Constr,
Engng,
AIJ,
No.
453.
Nov.
,
1993冷 間
ロー
ル
成
形
角
形
鋼管
の
材質
と そ
の
改善
に
関
す
る
研
究
EXPERIMENT
ON
THE
MECHANICAL
PROPERTIES
AND
THEIR
’
IMPROVEMENT
QF
COLD
ROL
レFORMED
.
STEEL
COLUMNS
桑 村
仁
* ,邱
榮 政
* * ,秋 山
宏
** *ffitoshi
KUWAMURA
,Jit
ng−
Cheng
C
册 σandffiroshi
AKIYAMA
This
research aims at clarifyinglthe mechanical−
propettydistribution
in cold roU.
formed
steel square tubeshavi
【}g
,
large
thickness,
It
was,
found
tha年both
corners and flat portions are signifi−
cantlyhardened
and consequ6ntly thatincrease
in
strength,
decrease
bbth
in
elongation and im.
pact energy are
・
sig出ficant over 出e entire section in comparison wi しh” hot−
rolled steel.
However,
these
defici6ncies
were completely recoveredby
heat
treat靼ent of 850°
C .
normalizing.
.
The transition
.
valtie of.
Width−
to−
thickness ratiofrom
local
bucklipg
tobrittle
fracture
was rough 且y estimated tQbe
25for
the roll−formed
columns.
HQwever,
theheat
treatment of normaliz ;ing is considered to effecti ぜely reduce the
’
transi
’
tion va 且ue to ユ7.
Keg
ωorzlS:cold−
forming
,
bOX−
section column,
brittte
fra
砌 re,
heat
treatment冷 間成形
,
角形鋼管,
脆性破壊,
熱処理1『
序・・
,
鋼 構 造 建 築 物の柱に多・
く使 用され て いる冷 間成 形 角 形 鋼 管 樋 称ボ ック スコ ラ厶)は 2種 類の方 法で製 造さ・
れ てい る。 1つ は冷間 プレス曲 げに よっ て鋼 板 を4箇 所で90
度に折 り曲げ た後,
溶 接に よっ て角形 断 面に組み立 て る方 法であ り,
も う1つ は円 形 鋼 管 を サ イジン グロー
ル で冷 間 圧 延する ことに よって角 形 断 面に成 形する方 法 であ る。 前 者による鋼 管をプレ ス成 形 角 形 鋼 管 あるい は プレス コ ラム と称 し,
後者をロー
ル 成形角形鋼管あるい はロ』 ル コ ラムと 称 してい る’
。
プレ ス コラム は比較 的 大 形 厚 肉の断 面 とし て用い ら れ て お り,’
ロー
ルコ ラム は比 較 的 小 形 薄 肉の断 面と して用い ら れて いる。
しか し,
最 近の圧 延 能力の増 大に伴い板 厚 が 大 きい ロー
ル コ ラムが 製 造さ れ る よ う に なっ て き ている。
プレスコ ラム とロー
ル コ ラム はい ずれ も冷 間 塑性加工に よっ て製 造さ れて い る が,
製 造 プロ セス が 異 な る た めに 断 面 内の材質は両者 で様子 が異なっ て お り, 必然 的に部 材と して の挙 動 も 違っ て く る と考え られ てい る。
プレ ス コ ラ ム に関し て は,
冷 間 プレ ス曲 げに よっ て鋼 板の材 質が どの よ うに変 化する か につ い て文 献2)で詳 細に検 討さ れてい る。 こ れに よる と,
冷 間 プレス曲げ を 受け た角部は,
硬さ と 強度が上昇 し,
延性 伸 び能 力と 切 欠き靭 性が著し く低 下 す る が,
平板 部の材 質は原 板と変 わ ら な い こ と が明ら か に さ れ て い る。
角 部に お け る こ れ ら の材 質 劣 化は角 形 鋼 管の繰 返し曲げ実 験で報 告さ れて い る高 応 力 脆 性 破 壊3 )・
4 )と密 接に関 係し て いる と考え ら れて い る。一
方, ロー
ル コラム の破 壊に関 連す る材質にっ いては ほ と ん ど デー
タが ない状 況で ある。
冷 間ロー
ル コラム の 材 質を調 査し た文 献 5)に お い て も,
板 厚が 12mm 以 下の断 面が扱わ れてお り,
脆 性 破 壊に関 する情 報には乏 しい。 比較 的厚 肉の鋼管
が脆性 破 壊す る と きめ 様 相は文 献3 >に詳 述さ れて い る よ うに,
降 伏 応 力 を 超えた繰返 し負 荷の途 中で溶 接 止 端 応 力 集 中部から延 性 亀 裂 が 発 生 し,
そ れ が徐々 に進 展して あ る限 界 値に達し たとき突 然 破 壊す る もの で ある。
し たがっ て,
延 性 亀 裂に か か わ る 鋼 材 表 面近傍の延 性 伸び能力,
お よ び脆 性 破 壊に か か わ る 切欠き靭 性とい う 2つ の性 能に関す る厚肉ロー
ル コ ラ ム の デー
タが必 要である。
建 材メー
カー
か ら もこ れ らに 関す るデー
タ は ほと ん ど 公表さ れ て い ない の が現状であ 本 論文は.
参 考文献 1〕 に加筆し,
ま と め たもの である。
*
東 京 大 学 工 学部 建 築学科.
助 教 授・
Ph.
D.
樽 東 京 大学 工 学 部 建 築 学 科 大 学 院生・
工修 1現巴コー
ポレイ ショ ン) # * 東 京 大 学工学 部建 築 学 科 教 授・
工 博Assoc
,
Prof,
,
Dept.
of ArchLtecture,
Faculty of Eng.
,
Univ,
of Tokyo,
Ph’
.
D.
.
G・adua ・・ St・d…
,
DgPt,
・f A・chitec 面e,
F螽・ulty ・I E・g、
,
U・i・.
。fTokyo
,
M.
Eng.
Prof
,
,
Dept.
of Architecture,
Faculty of Eng.
,
Univ.
of Tokyo,
NII-Electronic Library Service る。 以 上の ような背 景に基づ き
,
本 研 究は,
板厚の大きい 冷 聞ロー
ル成 形 角 形鋼 管の 材質,
さ らに熱 処 理に よ る材 質 改 善につ いて実 験 的 調査 し た もの であ り, ロー
ル コラ ム の母 材お よ び溶接 熱影響 部の基 本 的な性 能 を明ら かに す る こと を 目的と し たもの である。
また,
既に脆 性 破 壊 が 報 告 されて いるプレ ス コラム と材質を 比較す ることに よっ て,
ロー
ル コ ラム に お け る臆性破 壊の可能性をどの よ うに判 定す ればよい か に つ いて も考 察 を加え た。
2.
実 験 概 要2.
1 使用材 料 実 験に使 用し た冷 間ロー
ル成 形 角 形 鋼 管の断 面サ イ ズ は全幅350mm
×板 厚 22 mm (公 称 値 )で,
現在 製造さ れ てい る中で最 大の厚み を有す るものであ る。
実測 板 厚.
は平板部で 21.
6mm,
角 部で 22.
3mm で あっ た。
な お,
角 部の内 側 半 径は34mm であ り,
板厚の L55 倍で あっ た。
製 品規格6}はSTKC
400R
であり,
引 張 強 さの規 格 最 小 値は 400MPa であ る。
こ の角形鋼 管の形 状 寸 法を’
Fig.
1に,
化 学 成 分をTable
1
に示す。
2.
2 試 験 体 製 作 要 領 冷 問ロー
ル コ ラム その もの の材 質, お よ び溶 接や熱 処 理による材 質 変 化を謂べ る た めに次の 4種 類の試 験 体 RA,
RB,
RC ,
RD
を準備 し た。
こ れ らは,
冷 間 プレ ス 曲げ鋼 板につ い て既に行わ れ た実 験2;と同様の 内容で 計画され て おり, 両 者の材 質 比 較がで き る よ うに配 慮 し た。 試 験 体RA
:ロー
ル コ ラム 試験 体RB : ロー
ル コ ラム → 熱処 理 試験 体RC
:ロー
ル コ ラム→
溶 接試 験体
RD
: ロー
ル コ ラム→
溶 接→
熱 処理tf
;21.
6
内R
=34o
い 笛 II 餡 肱;22.
3
単 位 : Fig.
1 実 験用ロー
ルコ ラム の断面 Table 1 試 験 用ロー
ルコ ラム の化 学成 分 〔STKC400
R,
t=
22mm )一 172 一
’
aphragmpla
簓,卜25
鶉
ユ1ac
9
Plate
FB −
6x20
(単位 :mm ) Fig.
2 溶接ディテー
ル 試 験 体RA
は 入手し た冷間ロー
ル成 形 角 形 鑷 管その ま ま の試験 体で あ り, 試 験 体RB は そ れ に熱処 理 を施 し たもの である。
試 験 体 RC はロー
ル コ ラム にダ イア フ ラ ムを突 合せ溶 接し た試 験 体で あ り,
試 験 体RD
は そ れに熱 処 理 を施 し た試 験体である。
試 験 体RC,
RD はロー
ル コ ラムの柱梁 接 合に用い られ て い る柱 貫 通 ダ イ ア フラム形 式の溶 接継 手を模 し たもの である。
試 験体
RB
とRD
に お け る熱処 理 は,
通常の応 力 除 去 焼き なまし (600〜
650℃ )で は な く, 材 質の ほ ぼ完 全な 回復を狙っ て A,変 態点温度を超え た850
℃ まで炉 内で昇 温 し30分 保 持 した後,
炉外で緩やか に空 冷した もの であり,
焼 きならし処 理に相 当す る ものである。
通 常の応 力 除 去 焼 きなま しで は,
強 度・
伸び・
靭 性に対 す る材質 改善効 果は小さ いこ と が 知 られてい る13,・
lo。
試 験 体RC
とRD
にお け る溶接は,Fig.
2
に示すよ う に裏 当て金を付けて レ形開先でCO
,半 自動 溶 接によ り 行っ た。
この 時の,
溶 接 条 件は溶 接 電 流300A,
アー
ク 電 圧35V
, 溶 接 速 度15 cm /min,
入熱量 40kJ
/cm で あ り,
予 熱 な し,
パ ス間 温 度 無制限と し た。
使 用し たロー
ル コ ラ ム の規 格上の 最小引 張 強さは 400MPa であ る が,
冷 間 加工に よっ て強度がかな り上 昇し て い る こと が予想 さ れ た の で溶接 材 料 とし て は600MPa 用ソ リッ ド ワイ ヤ (il.
・
1.
6
)を用いた。
これ は,
後 述の 引 張試験に お いて溶 接金属での破 断 を 防い でロー
ルコ ラム の 熱 影 響 部 の強度と伸び を調べ る た めで ある。 な お,
ダ イア フラム に用い た鋼板はSM490
であり, ラ ボ試 験による下降 伏 点は338
MPa ,
引張強さは 502 MPa であっ た。 2.
3 試 験 項 目と試験片 採取実施し た試 験は, 小 形 引 張 試 験
,
シャ ル ピー
衝 撃 試 験,
ビッ カー
ス硬さ試験,
断 面マク ロお よ び ミ クロ観 察であ る。
試 験 片の数はすべ てのケー
ス につ い て各 1本で あ る。 断 面 内に お ける これ ら試 験 片の採 取 位 置は,Fig.
3−
(1),
(2)に示す よ うに,
角 部90°
を4等 分し た位置 と 角 部 終 点か ら25mm ずつ 離れ た平 板 部と し、
外 側と内 側か ら対に採 取し た。 採 取 位 置を図に示す 1〜
18の番 号 で表す。
小 形引張試験片お よび衝撃 試験片の軸線はロー
ル コ ラムの管 軸と平 行であ る。
これ は 冷 間 成 形 コラムの 破 壊が管 軸 方 向の引 張応 力に よっ て発 生し,
管 周 方 向に 伝 播する事 実に基づ く もの であ る3) 。 試験 片の名称は,
N工 工一
Eleotronio Library(1> 小 形 引 張 試験 片の採 取 位 置
(2) シャ ルビ
ー
衝 撃試 験 片の採 取 位 置’
Fig.
3
試 験 片の採 取位 置 (断 面 ) (haphragm plate(SM49q
》、
rol1
−fo
ed column24
(
STKC400R
)G
O
‘
」
匸
、
5。 t。ns虱e specimen (outer ) 自tens蠶e specilnen (
inner
)∀
25
1−
mm roo亡face.
b
ゆ
gplate9
−
mm mOt gap、
(1>小 形 引 張 試 験 片の採 取 位 置 diap血 a 即 plaに(
SM490
) rolトf
面 column
.
( YGW21 TS>570MPa ) ( S皿C
卿 R)i
灘鸚鑠靆鞴 鰈
.
5
臼 鞭.
照 鼎1
蕁驪.
.
.、
.
.
… 韈翻』
.
耋 _韆
鬢灘 驪.
」,Ω.
5
259−
mm roOtgap
(2) シャ ル ビー
衝 撃 試 験 片の採 取 位 置 Fig.
4 試験片の採取 位 置 (溶 接 試 験 体 } 「RA
3]の よ うに試 験 体 記 号と採 取 位 置を示す番 号の組 み 合わ せ で表 記する。
な右,
断 面マ クロ 試 験 片は,Fig.
3−
(2)に示 す 角 部と平 板 部か ら採 取し,、
マ ク ロお よびミ ク ロ観 察と と もに硬さ試験に も用い た。 溶 接 試 験 体RC ,
RD
にお け る 試験 片の 採 取 位 置 を Fig.
4−
(1
),
(2
)に示す。 小形 引 張 試 験 片は Fig.
4−
(1) に示 す よ うに ダ イ アフラム と 溶 接 金 属 を含む よ うに試 験yickers
marks Wit11−
mmiltervals
{
1−
・ L= ve 25 4 2 2.
loo 5 単 位: Fig.
5 小 形引張 試験 片の形 状・
寸 法 片を採取し た。
こ の と き,
開先が レ形に な っ て い る た め 小 形 引 張試験 片の 平 行 部に含ま れ る溶 接 金 属 部の長さ は,
外側か ら採取し た試験 片の ほうが内 側か ら採 取し た 試 験 片よ り 長 く なっ て い る。
ま た,Fig.
4−
(2)に示す よ うに シャル ピー
衝 撃試験片は,
ノ ッチ先 端が脆 性 破 壊’
の起 点と な り や すい熱 影 響 部 内の溶接ボン ド付近に一
致 するように配 慮 し た た め外 側 と 内 側で採取位置演ずれ て い る。
衝 撃 試 験に おける破 断 面は, 外側か ら採 取し た試 験 片で は熱 影 響 部と母 材牽
横 断 する の に対し て, 内 側か ら採取し た試験片で は溶接金属を横 断 することにな る。
脆 性 破 壊の 引 き 金 と な る 延 性 亀裂は局 部 的な応 力 集 中 部か ら発 生す るの で, 材料の延 性に関す る情 報 もで きる かぎり断 面 を細か く分 割し た位置 か ら 取 り出し た ほうが よい。
従 来の ロー
ル コ ラム の 引張試験 は 金厚 試 験5 )で あ るのに対し, こ こ で の引張 試 験 片は全 厚で は な く,
ロー
ル コラム の表 面か ら深さ 3mm の範囲で採取し た小 形 サ イ ズの試 験 片と し た。
そり形状は.
Fig.
5 に示すもので
あり,一
様伸びを測 定する ために材軸 方向に1mm
ピッ チで ビッカー
ス打 痕 (標 点 ) を付け た。
ひずみ ゲ7 ジの 追 随 限 界を超え た大ひずみ域で は ひずみ の測定が 不 能 と なるが,
そ の場 合で もこの.
よ うな細か い ピッチ の標 点を あ ら か じ め付け て お くこと に よ り残 留 伸びの分 布 を 測 定.
す ること がで き,
非破断部の残留伸びか ら一
様 伸びを知 るこ とが で きる。
さ らに,
この標 点を 頼 りに 破断 位 置が 溶 接 継 手の どの位 置で起こっ た かを特定す ること がで き る。
衝 撃 試 験 片はv ノ ッチシ ャ ル ピー
衝 撃 試 験 片 (JIS
−
4号 )で あり,
ノッ チ先 端が ロー
ル コ ラム の表面 か ら 2.
5mm
とな る ように採 取し た。
3.
実 験 結 果と考 察’
.
3.
1 硬さ試 験 結 果,
硬さの測 定 位 置 をFig.
6−
(1),
(2
)に示す。
母材 試 験 体RA
と RB につ い て は,
角 部と平 板 部か ら 切 り 出 し たマ クロ試 験 片を用い て板 厚 方 向の ビッ カー
ス硬さ を試 験 荷 重10kgf で 調べ た。
そ の結 果をFig.
7−
(1)に示 す g こ のロー
ル コラム の材 質は規 格 上引張 強さ が 400MPa である の で, 原 板の ビッカー
ス硬さは ユ25程 度の は ずで あ る。 し か し,
Fig.
7−
(1).
に よ る と, 冷 間ロー
ル 成形 の ま ま の試 験 体 RA につ いて は, 角 部RA
l
お よび平板 部 RA 2 と もに硬 さが著 し く上昇 し て い る こ と が わ かNII-Electronic Library Service 220 (1)母 材 試験 体 (2> 溶 接 試 験 体 Fig
,
6
硬 さの測 定 位 置ξ
2・ ・1
;
:
:
ll
;
:
iOO } 哩一
一
…
一
・
・
一
…
『
…
う・
一
.
一
一
一
』
…
L’
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「
「
「
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+−.
tt
ド
リ
ロ
ド
コ
ヰiRA1
くAsR。眦1C。 rnerli ! 歪窄
”
一
一
・
餽
1郵
・1
膕蜘
:
藁
;
;
!
r
T
興
1
ど鰍鯉
日鍛画 0 5 101520Dlstanoe om Outer Surface〔mm 】
(1) 母材 試 験 体 (RA
,
RB )の角 部お よ び平 板部 240 畫 220霾
2°°fi
・
180 呈 160 器 養 140 > 120100 SO丘ening zone 一 0 10 20 30 40 Distancefrom
the
Side
ot
Roll
・
FormedCotumn{mm )
(2) 溶 接 試 験 体 (
RC ,
RD )の角 部 Fig.
7 ビッ カー
ス硬さ分布 る。 特に,
角 部の 内側の硬さ が非 常に高くな っ てお り,
冷 間 加工 により大き な圧縮 予ひずみを受けたこと が推 定 さ れ る。
角 部 内 側の硬さの最 高値 は 216と なっ て お り,
こ れ は SAEJ417
に 基づ い て引張 強 さに換 算する と 680MPa に相 当 する (後述 の引 張…式験に おいて角 部 内 側で引 張 強さ670MPa が得ら れ てい る)。
冷 間 プレ ス コ ラム で は角 部の み が硬化 し平板 部は原 板と変わ らな い2)の に対し て,
冷 間ロー
ル コ ラ ムは角 部のみ な らず 平 板 部も硬化 する と い う特 徴を有 し てい ること が わか る。
Fig.
7−
(1)に は,
焼き な ら し熱処 理 を し た試 験 体RB
の角 部RB
1と平板部RB
2
の硬さ分 布 も合わ せて描い て あ るが,
いずれ も熱 処 理に よっ て冷 間 加工 に よ る硬化 状 態か ら 回復し, 125程 度の値 (原板の硬さに相当 )に 復帰し, かつ 板厚 方 向に均一
化 して いること が わ か る。 溶 接 試 験 体RC
とRD
に つ い ては,
溶 接金属 を含ん一
174
一
765 4〔
£ Σ95
引
3 2 ω ω 9 あ 10 0 5.
0 10rO 15.
O Strain (%1 (1) 母 材 試 験 体 (RA,
RB)の角部 765 4 言 ぽ Σ O「
x)
刊
3 2 ω ω 9 あ 10・
・
野 RA8−・
『
・
『
一
、
.
一
一
・
…
…
一
・
・
lRA7
唾・
・
一
・
・
…
R RA6 i 4 彡 RA2i要
l
i
…
〆・
・
…
i 1 : RA,■
6卩
,
,
.
・
,
.
,
.
.
「
1
}
l I ・
i
・ II
‘
,
1
…
R、 B1
・
2・
617・
81i
il
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l
…
1『
5 1 :i
i
一 20.
0匹
F RA14 i } 』…
「
一
.
.
RA15RA13捫
・
・
h− 、
・
『
RA12 RA16 /覦
゜
P曙
F1
弓 1/
: Ii鬯 1i.
.
一
.
.
、
『
.
li上.
.
.
.
.
.
』
・
} 1馳
… 至’
r’
RA1■
1…
.
「「iIl
回
.
回
−n−n.
PL
,
乳_
RB11・
12・
13・
14115・
167 1 …”
1’
←「
’
冖
1.
一
一
.
.
’
.
争
「
1i1li1
… … ヨ 世
ー
ー }
.
r.
{lil
‘
ヨ 11
・
・
一
・
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憎
…
’
2
.
”
1”
11−『
一
.
一
.
一
…
;li:
圉1L
【
一 0 5.
0 1D.
O t5.
O Strain 〔%} (2) 母 材 試 験 体 (RA,
RB>の平 板 部 Fig.
8 小 形 引 張 試 験によ る応 カー
ひず み線図 20.
0 で外 側 表 面と内 側 表 面か らそ れ ぞ れ2mm の深さで測定 し た硬さを 角 部につ い て のみFig.
7−
〔2
}に示し た。
同 図に は ミ クロ組 織 観 察に基づ い て 母材 (B
}, 熱 影 響 部 (H),
溶 接金属 (W )の各 域を▼ 印で区切り そ れ ぞれ の記 号で示し て あ る。
溶 接 試 験 体RC
の角 部RCl
の内 側 (図中RC
1−inner
)で は,
ロー
ル コ ラム熱影響部周 辺に明 瞭な軟 化 域が観 察さ れ る。
これ は 冷 間 塑 性 加工 で 硬 化した材 質が溶 接 熱によっ て局 部 的に焼き な ま され た もの で ある。
た だし,
外 側 (図 中RC
1−
outer )にっ い て は明 瞭な軟 化 域が観 察さ れ な かっ た。
熱処 理 を施し た 溶 接 試 験 体 RD の 角 部RD
lにつ い て は, 塑 性 加 工 や 溶 接入熱の影 響が取り除か れ るの で,
ロー
ル コ ラム, 溶 接 金 属, ダ イア フ ラ ムがそれ ぞ れの金属組成に対 応する固 有の硬さを示し てい る。
つ ま り,
ロー
ル コ ラム は硬さ約 125 (引 張 強さ400MPa 相当),
溶 接 金 属は硬さ約 180 (同 580MPa 相 当),
ダイ アフ ラム は硬 さ約150 (同500MPa
相当)を示し てい る。3.
2 小 形 引 張 試 験 結 果 小 形 引張 試験か ら得ら れ た代 表 的な応 カー
ひずみ線 図 を 試 験 体RA ,
RB の 角 部と平 板 部に っ い て そ れぞ れFig.
8−
(1
),
(2 )に示す。
本 研 究に おける応 力とひずみ は すべ て公 称 応 力 と公 称ひずみで あ る。 ひずみ は塑 性ひ ずみゲー
ジに よ る測 定 値であるが,
除 荷カー
ブのない応 カー
ひずみ線 図 (試 験 体RB につ い て)はひずみゲー
ジ N工 工一
Eleotronio Libraryア
匣
6耄
,34
羃
3 お・
2.
・
・
1.
雪1 > o RA tASRell) RO 〔AsWe「の9
:
:
琶
・・舘
15 ∈1°§
5 ⊃o
.
.
.
RB 鯉章旦L
工軆剣量望一
.
ム馳里.
.
59
勉.
.
蕎 RD {Hea置T哈飢ed After Weid)1 2 3 4 5 11 13 15 17 6 7 B 9 1012 14 16 t8 Lecation
ID
No
.
(1) 降 伏 強さOs の断 面 内分布証
7創
Σ6oV5f4 ? o3 お 2 2 誓1 β。 123451113151 マ 67891012 属 1618 Locatio冂 ID No,
(2) 引 張 強さ σ tiの断 面 内 分 布 1234511131517 67891012141618 Location lD @No (3
) 一 様伸びεu
の 断面内布
3
。 =E2
. 疂菖
15齬
1 55 °1 2 3、4 5 11 1 @15 11 Loeatio
@ID
No
.(4}
HAZ
一 Lびの
断面内分布 <TAB>RDHg飢
Treatd<TAB> 「e
u<TAB>
<TAB>酬<TAB><TAB>「P<TAB>C
〔
AsWe叫
<TAB><TAB><TAB><TAB>
.
.
D1<TAB>
」
一
L」
一
一
.
.
一
<TAB><TAB>
.
.
一
.
.
」
一
.
.
一
.
.
.
一
L.
圏..」
一. .1
瞭 .. r<TAB><TAB><TAB><TAB>Fig ,9
引 試験 か ら得られた 各 種特性 値 の 断面内 分 布 の 追 随範 を 超え た ため最 大 荷重ま で のひず
みが
測定で き なか
った も で あ るeFig .8 − (1 ) よ り,ロ ール 成形の
まの試験体RA
で は , 角 部 内 の位 置 によ
っ て カー
ブが
しく 異なって いる ことがわかる。これ は ,冷閻 ロー 成形に よ って受
ける予ひず み量
が角 部内
の位置にょっ
て異な
るt
,t
ナ あ ろう。しかし
, 平板
部 では ,Fig
.8
− (2
) に示すように
カ ーブは. 場所 に よらず比較 的一
定で あ る (た だ し ,一 様伸 び は内側のほう
が 大きい)
。焼
きなら し 熱処理
し た試験 体RB
では ,Fig
.8
− (IL
(2
)よ り 角 部 およ び 平板部 と も カ ーブが 均一化 さ れ,降伏強
お
よび引張強
さが 低下 すると と も に 明瞭
降 伏 棚 が現れ
, 一様伸
び が著し
. く 増大 す る こと が かる
。 降 伏 強さ , 引 張強 さ ,一 様 伸 び , および
熱影
部のみ の一様
伸びの断
面内における分 布 をそれぞ れFig .9 − (1
), (2
),
(3
),(4
)に示 す。
各 図にお い て左
半 分に断 面 外 側 の デ ータ, 右 半 分 に断
面内側
のデ ー タ プロ ット .さ
れている。 こ こに示 し た降 伏強 さ は0
2
%.オ フ セ ッ ト 耐 力であ る。 一 様伸び 嫉文献2
) な ら って小 形 引張 試験片 にあ ら じ め 付けておいた1mm ッチ の標 点問を 試 験後 に顕微鏡 測定 するこ と( 測定 度1 /100mm
) に よ っ て 求め た 残留局 部伸び を に計 算したも ので
ある。 このと
き ,破 断縁
か ら5m
ィよ び両 端標 点 から5mm
の範
囲は除いた 。熱影響 のみの 一様伸 び は, 熱影響部 で破 断 し な か た 試験片に
っい
て,試験
後 に熱 影響
部内
の標 点 間 の伸びを測定 て求め た もので ある ホ Fig .9 − (1
) .に ると
,ロー ル 成 形の ま ま の試 験 体RA が ほ と ん ど の 置 にお い ても っとも 高い降伏強ざ
を示
し,特 に 角部 内 側に い て降 伏 強さ が高く なっ てい る こ とがわ かる。こ の 向はFig
.9 − (2
)に示し た 引張強さ におい ても同 で ある。引張強 さを 既に 述べ た硬 さ 分布 と比
較
す ると 角 部内側を 除いてSAE
J417
の 硬さ換 算則 は成 り立 て いないことがわ か る。例え ば, .平 板部
外側
の硬さ1
から 換算 される引 張強 :さ545MPa
に対 して実 引張強さは480MPa である 。つまり,
硬さか . 換 算され た引
張強さよ
り実 際 の引 張 強さの ほうが 低 い を 示 し ている 』平 板部
内側
お よ び 角 部外 側 に つい ても 様で あ る。こ れ は ,お そ らく 冷間加工 による異 方性S
の
た め と 考 え られる。ロ ールコ
ラム
につ いて は ,硬 .か ら 引張強 さを推定す
る と き こ の 点に
注 意 する 必 があ る。熱処 理試
験体RB
の強 さ は,
ロ ール 成形の ま の 試験 体RA
に比べ て著 しく・低 下 し てお り,し も 断面 内で均一化して い る 。こ
の 熱 処 理試
験 体 .RB の 伏 強 さと引張 強 さは 断面内の
位置 に よら
ず そ れ ぞ れ 約2
MPa
と 約420MPa
であり, これはロ ールコ ム原
板 の 特性 を表
し
ているものと
:推 . 定 さ れる 。 溶接 験 体RC
の角部 内 側について は, 硬さ分布
で見た よう 明 瞭な 溶 接 、軟 化が
あるので, . 引張 強さ
が.母 材 験 体RA
よ り低 下す る 傾 向が見ら れるはず で ある が 試 験 片 .が標 点 外で 破断した た め 有効
な デ ー タが得 れなかった 。角部 外側で
は 硬 さ分
布 にお い て 溶 接 軟 化 認め られなかっ たこ
と と 対応して引張 強さ の低下 も ら れない
。 熱 処 理 を 施しNII-Electronic Library Service 30 25 兮 20
§
1,晶
,
。 1 2 Fig.
10 3 4 5 11 131517 1012 1416 しocation ID No.
0°
C シャ ル ピー
吸 収x ネルギー
の断 面 内 分 布Fig.
9−
(3
)に示 した一
様 伸びの分布をみ る と,
ロー
ル 成 形の ま まの 試 験 体 RA は断 面の角 部お よ び平 板部 と も延 性 伸び 能力が極め て低下 している こと が わ か る。
特に,
角 部では一
様 伸 びが 1%に満た ない もの が あ る。
し か し,
熱処理 した母 材 試 験 体RB
の一
様 伸び は ほ と ん どの 位置で 20% を 超 えて お り, 熱 処 理によっ て原 板 (軟鋼)の状 態に回 復 し たこ とがわ か る。 溶 接 試 験 体RC
の一一
様 伸び は,
母材試 験 体RA と同 程 度で あ る。 熱 処 理 し た溶 接 試 験 体RD
の一
様伸び は,
外 側と内 側で は それぞれ ほ ぼ一
定の値と なっ てい る。
内 側は熱処理 母 材 試 験 片RB
と同 程 度で あ るが, 標点 間に溶 接金属の 含ま れ る長さの大き な外 側につ い て は一
様 伸び が内 側よ り小さい 。 こ れ は,
溶 接金 属の伸び性 能が相 対 的 に低い た め と考え られ る。Fig.
9−
(4)に示し た熱 影 響 部の み の一
様伸 び を 見る と,
溶接試 験体 RC で は3−
6% と なっ て お り,
母 材 試 験 体RA
の一
様 伸び よ り高 く な っ て い る。 これ はt 溶 接入熱によ る熱影 響のためである。 熱処理し た溶 接 試 験 体 RD の熱 影 響部の一
様 伸びは 20% 前 後であり,
熱 処 理母材試 験体 RB と同 等であ る。
3.
3 シャ ル ピー
衝 撃 試 験 結 果 0℃ に お け るシ ャ ル ピー
吸 収エ ネル ギー
が断 面内で ど の よ うに分 布し てい るか をFig.
10 に示 す。
こ れ に よ る と,
ロー
ル の ま まの母材 試 験 体 RA では,
平 板 部の 内 側を除い て シャル ピー
値が極め て小さい ことがわか る。
特に,
外 側に お い て は,
シャ ル ピー
吸収エ ネルギー
が 10J (1.
Okgf・
m )に満たない もの が ある。
熱処 理 し た 母材 試 験 体RB
の シ ャ ル ピー
値は断 面の どこ に おいて も250J (25kgf・
m ) 以上 の値を有して お り,
切欠き靭 性が十 分 回復し てい る こ と を示 して い る。
溶 接試 験体RC
にっ い ては,
溶 接 熱に よっ て材 質 が 好 ましい方 向に 変 化し,
つ まり,
冷間加工に よ るひずみ脆 化 部の勒 性が 回 復す る ので, シャ ルピー
値がロー
ル成 形のま まの試 験 体より高 く なっ て い る。
熱 処 理した溶 接 試 験体RD
に つ い て は,
外側は熱 処 理 した母 材 試 験体RB
と ほ ぼ同 じで あるが,
内 側は破 断 面が溶 接金 属 を横 切る の で熱処 理の効 果は現れず, 溶 接 試 験 体RC
と ほ ぼ同 じ値 を示 す。一
176
一
R
.
R
R
R
Fig.
11 シャ ル ピー
試 験 片の破 面 (0℃ )外 側の角 部 (位 置4)か ら採 取 し た衝 撃 試 験片の 試験 後の破面を
Fig.
11 に示 す。 ロー
ル成 形のま ま の試験片RA
4で は ほ ぼ 100 % 脆 性 破 面で断 面に全く絞り が生じ てい ない。
しか し,
熱 処理 母材 試 験 片RB 4 と熱 処 理 溶 接 試 験 片RD
4 は逆に100
% 延 性破 面で断 面に十 分な 絞り が生 じ て い る。
溶 接 試 験 片RC
4 は溶 接 熱 影 響に よっ て予ひずみ脆化 部の勒 性が 回 帰 する の で ノ ッ チ底 近 傍に延 性 破 面が認め られ る。 6.
0 言窶
5・
5ヤ
5.
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の4.
5 $84
.
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3.
5 タ 3.
0 30520251015O宀
「9x
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疊 O1
『
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Comer O Roll,
Flat ▲ Press,
Comer △ PreSS、
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.
一
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0 5 10 15 Uniform Elongation(%} (1} 降 伏 強さ と一
様 伸 び 20」
F
.
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i … ム ▲:
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巴
:
1.
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、
嵐 )己 11.
.
P
● o ▲ △ Roll,
Corner Roll,
FlatPress,
Corner P厂ess,
Flaヒ「
1.
「
一
.
.
.
r 0 5 10 15 Uniform Elongation(%120
(2} シャ ル ピー
吸収エ ネルギー
と一
様 伸び Fig.
12 ロー
ルコ ラ ムとプレ ス曲げ鋼 板の比 較 N工 工一
Eleotronio Library4
.
プレス曲げ鋼 板 との比較
ロ
ー
ル成形の ま まの母 材 試 験 体RA
につ い て, 冷 問 プレ’
ス曲 げ鋼 板と主要な 力 学特
性につ い て比 較 して み る。
プレ ス 曲げ鋼 板 (原板SM490 ,
板 厚25 mm )のデー
タ は文献2
)によっ た。ま ず
,
材 料 力学の観 点か ら,
降 伏 強 さσyと一
様伸び εL
を プロ ッ ト し たの が Fig.
12−
(1)で ある。 すべ て鋼 管 外 側n,
・ら採取 し た 引 張 試 験 片の デー
タであ る。
図 中の 記 号は,
白抜きが平 板部、
黒が角 部 (角 部と平 板 部の境 界を含む)であり, 丸印 がロー
ル コ ラ ム, 三角 印がプレ ス曲 げ鋼 板である。
両 者の原板の規 格は異なっ ている が,
角部の σ y と ε u は同 程 度の 値を有し て い る こ と が わか る。
平 板 部につ い て は,
プレ ス曲 げ 鋼 板 は ほとん ど材 質 変 化 を う けて いない の に対し て, ロー
ル コラム の平 板 部 は角 部と同 程 度の硬 化 状 態にある。
次に
,
破 壊の 観点か ら,
鋼 管外 側の 0℃ シ ャル ピー
値 vE 。’
cと一
様 伸び εu を プロ ッ ト し たの がFig.12−
(2
) である。
図中の記 号は上 述 と同じで ある。
角 部の シャル ピー
値はロー
ル の ほうがプレス曲げ鋼 板より低い こ と が わ か る。
平板部に つ いて は, プレス 曲げ鋼 板は脆 化して いない の に対して,
ロー
ル コ ラム の平 板 部は角 部と 同 程 度の脆 化 状 態にあ ること がわ か る。
5.
ロー
ル コラムの脆 性 破壊の可 能 性に関 する検討板厚の大きい冷 間 成 形 角 形 鋼 管は
,
プレス コ ラム の場 合 もロー
ル コ ラム の場 合も それぞ れ文 献2)お よ び本 論 で見た よ うに冷 間塑 性 加 工に よっ て鋼 材が本 来 持っ て い る延 性 伸 び 能 力と 切欠き靭 性 を大 幅に 喪失し て.
しま うの で,
脆 性 破壊の危険を潜 在 的に有してい る。 し か し, こ の種の大形冷 間 成 形 角 形 鋼 管の実 験は少な く,
脆 性 破 壊 の危 険 性 をどの程 度まで深 刻に考え る 必要がある か は,
い まの とこ ろ はっ きり し てい ない。 文 献3)によ る と,
断 面 形状お よ び寸 法がほぼ同じロー
ル コ ラ ム と プレ ス コ ラ ム の繰 返し曲げ実験で,
プレス コラム は脆 性 破 壊し,
一
方,
ロt
一
ル コ ラムは脆 性 破 壊せ ず局 部座屈に よっ て崩 壊し た例が報 告され てい る。 また,
こ れ以外におい ても ロー
ルコ ラム の脆 性 破 壊 例は1
件 も報 告 され てい ない。
しか し な がら,
こ れ を もっ て厚 肉ロー
ル コ ラ ム の脆性 破 壊の危険は無 い と断 定する こ とは で き ない と考え ら れ る。
ロ
ー
ル コ ラムがフ レスコ ラ ム よ り相 対 的に脆 性 破 壊が 生じ に くい理由と して,
本 研 究で明らか に さ れ たよ うに, ロー
ル コ ラムは平 板部
が角 部と同 様に硬 化し降 伏 強さ が一
ヒ昇してい る た め,
局 部座屈が脆 性 破 壊に先 行し や すい 状 態にあるという要因 が考え ら れ る。 二方, プレ ス コ ラ ムは、
上で見た よ うに,
平 板 部は冷 間 塑 性 加 工の影 響 を 受け ないた め硬化して お らず,
降伏 応 力 度が原 板の低い レベ ル に保た れ ているの で,
相 対 的に局蔀
座屈が生じ に 40 3020 祀 0
.
♂ 酔 − 呈.
9
誉
曽§
」 台 か 詈 。 δ鬘
あ O.
5 1.
0 1.
5 2.
0 2.
5G・ne・allzed Wrdth
−
t。−
Tbi・k・e・s R・tl。,
Pt(B1・t,)・(・ y,ジ ’2 Fig.
13 角 形 鋼 管 短 柱の局部座屈 限 界ひずみ塑 性率 くい状 態にあ る, そこで,
最 大 耐 力が局 部 座屈に よっ て支 配 さ れ る条 件 をひずみの観 点か ら整 理 し たのがFig.
ユ3
で あ る。 使 用 し た デー
タ は,
文 献9)に よる もの で,
ロー
ル成形,
プ レ ス成形,
溶接 組 立の 3種 類の方 法で製 造 さ れ た角 形 鋼 管の短柱 圧 縮 実 験の デー
タである。
試験体の板
厚は9〜
25mm で,
比較 的 厚 肉の 断 面が 中心 と なっ て い る。 す べて,
同一
時期に同一
の試 験 機を 用いて同一
の試 験 方 法 で行わ れた もの であるの で,
デー
タの一
貫性が高いと考 え られ る。
図の横軸 βは一
般 化 幅 厚 化 と 呼ばれ る もの で,
降 伏 強さの異な る鋼 種を統一
的に扱うために,
幅厚 比 B/t/に降 伏ひずみ ε。f の平 方 根を乗じ た無 次 元 量で あ る。 こ こで の降 伏ひずみ εy 」は, 局 部 座 屈 する平 板 部 の 引張 降 伏 強ざafy を鋼のヤン グ率E
で除し た値と し た。
縦 軸 PtLeは,
局 部 座 屈によっ て決ま る最 大 荷 重 時の「
圧 縮ひずみ εLe を降 伏ひずみ εyf で除し た ひずみ塑性 率 である。
こ の局 部座屈 限 界ひずみ 恥 は,
最 大 荷 重 時に おける短 柱の縮 み 量 を 元の長さ で除し た もの であ る。 こ の 図よ り,
局部座屈 限 界ひずみ塑 性 率μLe と一
般化幅厚 比 βの 関係は,
角 形 鋼 管の種 類に あ まり依 存し ない こ と が わ か る。
これ は,
μム。 とβの関 係が鋼 材の応 カー
ひ ずみ カー
ブに ほ と ん ど依 存し ない という 既 往の実 験結 果101とも対 応 し ている。
図 中の デー
タ を外側で包 絡す る 曲 線に簡 単な数 式を あて はめ ると次 式が得ら れる (外 側 での包 絡 線 を採 用す れ ば後述の ように脆 性 破壊に対して 安 全 側の判 定がで き る)。
・LB
一
論
、,・ ・・ … 短 柱に・ ・、・…
(・〉 こ こ で,
μL8=
εLfi/εyf :局 部座屈 限 界ひずみ塑 性 率fl
−
£
VE
[;・一
般 化 幅 厚 比 εyt=
σ。ノ/E
:平 板部の引 張 降 伏ひずみ ε,.
s 1局部座屈 限 界ひずみ B ;角形 鋼管断面の金 幅t
ノ:平板 部の厚み σ.
.
、
f :平 板 部の引 張降 伏強さ E :鋼の ヤング率 (210000MPa )NII-Electronic Library Service
一
方, 文 献 ll)に よ る と, 高 応 力 脆 性破 壊の引 き金と な る応 力集中部か らの初 期 延 性 亀 裂は, そ の位 置での ひずみ が素 材の一
様伸 びεt に到 達し た と きに発 生しうる こと が 明 ら かに さ れ ている。
延 性 亀 裂 発 生が直ちに脆 性 破 壊を 意 味 す る 訳 では な いが,
高応 力 状 態 にお け る 延性 亀 裂の進 展や脆 性 破壊の発生 伝 播の条 件が
今の ところはっ き り し ていない の で,安 全 側の評 価と して,
延性 亀 裂 発 生をもっ て破 壊の限 界と考え る。
す る と,
角 形 鋼管が 脆性 破 壊す る か局部座 屈す るか は,
引 張 側の ひずみが素材の一
様 伸び εu に到 達す るのと, 圧縮側の ひずみ が局部 座 屈 限 界ひずみ εLB に 到達す るの とどち ら が早いかで決ま ることに な る。
こ れにっ い て,
文 献3)で報 告さ れて い る 大 形角形鋼管の繰 返し曲 げ実 験デー
タ を整 理 μLB = £LB/EUf 120 80侮 = ε〃勾 し て グラ フに 表し たの がFig
.
14で あ る。
図の第 1象 限 に,
実 験か ら得ら れ た局 部 座 屈限界ひずみ塑 性 率を一
般 化 幅 厚 比に対して プロ ッ ト してある。
プロ ッ トした デー
タは,
ロー
ルコ ラム5
体, プレ スコ ラム 3体,
溶接コ ラ ム 2体の計10 体である。
局 部 座 屈 限 界ひずみは,
局 部 座 屈 波の ほぼ頂点と な る位 置 (材端ダイ アフ ラ ム か ら約0.
4B の位 置に おける平 板 部中央)の値とし た。 実験は 漸 増 振 幅 繰 返し載荷で行わ れ てい る の で,
局 部座屈 限 界 ひずみ は局 部座屈で耐 力が低下し始め る点までの スケル トン部 分の累 積ひずみ と した。
また,
図中に はFig.
13 で示 し た 短柱試 験か ら得ら れ た包 絡 線 も記入 し てある。
こ の 曲げ 試験か ら得られ た局 部 座 屈 限 界ひずみ塑 性 率は 短柱か ら得ら れ た包 絡線の や や上に位 置して い る。
こ れ は,
曲 げを受け る梁の場 合, 引 張 応 力場にあ る ウェ ブ部 分が局 部 座 屈に対す る 拘束 効果を発 揮す るためで あ る。
ボッ クス コ ラム の梁と し て の実験 は あ ま り行わ れ て お ら ず,
ま た局 部 座 屈 限 界ひず みにつ いて も公 表さ れている デー
タが無いの で,
こ こ で は短 柱で得られ た (1 )式の 係 数を割 増し た 次 式で梁の局 部 座 屈 限 界ひずみ塑 性 率 と する。PtLfi
−
≠
1
.
25
・
・… 5 梁につ ・・……
… (2) 式の適 用 性につ いては今 後 検 討が必 要で あ るが, 曲 げ を 受け る溶接 組 立 箱 形 断 面 材15}お よ びロー
ル コ ラ ムIG+の 局 部座 屈 実 験か ら得られ て いる最大モー
メ ン トと 素材の応 カー
ひずみ カー
ブか ら計 算に よっ て求め た局部 座 屈 限界ひずみ塑性 率の値に (2)式は お お む ね適合し てい る こと が確か め ら れてい る。
実験に お い て
,
脆 性 破 壊が先 行した プレ スコ ラム2
体 (図中の試 験 体番号7 と8
)につ い て は,
脆性破 壊発 生 時の ひずみ塑性 率は, 当 然の こと な が ら,
局部 座屈限 界 Fig,
14 40 0 0.
5 1,
0 1.
5 2.
0 2,
5 3.
Oβ
= 旦何 ア
tf 角形 鋼 管の局部座 屈・
脆性破 壊の判 定 方 法 ひずみ塑 性 率カー
ブ より か な り 下にプロ ッ トされ る。
そ こ で,
脆 性 破 壊が生 じ な かっ た と し たときの局 部 座 屈 限 界ひずみ塑性 率を (2
)式の曲 線 上に もプロ ッ トし,
後 述の脆性破 壊 先 行の判 定に用い る こと とす る。Fig.14
の第 2象 限の横 軸は,
延 性亀裂 発生の 指 標と す る一
様 伸びEu を平 板 部の降伏ひずみ εyl で除し た一
様 伸び塑 性 率絢 であ る。
この と きの一
様 伸びにっ い て は,
ボックス コラムの脆 性 破 壊の引き金とな る延性 亀 裂 が角 部 外 側の溶 接 止 端か ら発 生す るの で3 〕,
この位 置に お け る一
様伸び を用い る必 要がある。
既に述べ た ように,
ダイアフラム に溶接し たロー
ル コ ラム (試 験 体RC )の 熱影 響 部の一
様 伸び は3〜6
% であっ たeFig.
14に示 し た 梁試 験 体につ い ては,
その デー
タが無い の で,
ここ で は梁 試 験体の母 材 角 部か ら採取した全厚引 張 試 験 片の一
様伸び を 用い る ことに し た が上 記の熱 影 響 部の一
様 伸 び とお おむね等し い よ う であ るD一
様 伸び塑 性 率と局 部 座屈 限界ひずみ塑 性率に関する試 験 体 10体の デー
タ を 第2象 限に プロ ッ ト し てある。
脆 性 破 壊の原 因とな る初 期 延 性亀裂の起 点は角 部 外 側 溶 接止端で あ るの で, こ こ にお け る引 張ひずみが圧 縮 側 局 部 座屈位置の ひずみ の何 倍になっ てい る か を知る 必要 が あ る
。
こ こ で引 用し た曲げ実 験3Jで は,
こ の値が か な り ば らつい て お り,
平均 的に 見る と L5 倍 程度になっ て い るが,
これ はひずみゲー
ジに よる値であ るの で,
ひず み集 中は拾わ れて いない。
有 限 要 素 解 析に よっ て ひずみ 分 布を 検 討 した文献 12)に よる と,
コ ラ ム の材端で は 角部外 側にひ ずみ が集 中し,
平板部 中央の約3倍にな る とい う結 果が得ら れて いる。
こ こで は,
こ の数値を暫定 的に用い ること と し,
次式で x = 3の場 合 をFig,
14の 第2
象 限に示した。μ
。・
x・
μ。。…………・
・
………・
・
…・
…・
・
………
(3
)一 178
一
N工 工一
Eleotronio Libraryこ こ で
,
μμ
;
εu/εy ! ;一
様 伸び塑 性 率 eu :一
様 伸び π : ひず み集 中 係 数上 式 中の X は
,
延 性 亀 裂 発 生 位置で の ひずみ集 中を 表す係 数で あ(e。
g
の ひずみ集中係数の値は,
溶 接ビt ド止端の幾 何 学 的 形 状 と溶 接 軟 化,
板 厚,
角 部 R形 状,
材 質の断面 内分 布,
軸 力比などの影 響を受け る と考え ら れ,
当 然,
コ ラムの種 類によっ て も値は異なっ て く るで あろ う。
しか し,
その値
を厳 密.
に求める
こと は現 段 階で は でき ない の で,
ここ で は暫 定 的に鋼 管の種類に よ ら ず 疋=
3.
Oで表示し た が,
今 後 詳 細 な 検 討 が必要で あ る 。 Fig.
14の第 2象限 に おい て,
こ の 直 線よ り下は局 部 座屈が先 行 するが,
こ の 直 線より上は延 性 亀 裂が先 行し て脆性 破 壊に至る危険を有す.
る領 域とい うこ とにな る。
曲げ実 験では・
こ の直
綜
よ り上に位置してい るプレ スコ ラム2
体 (黒丸印)が脆 性 破 壊して いる。
ロー
ル コラム は, 実験 では局 部 座 屈が先 行し脆 性 破 壊には 至 ら な かっ た が, こ の境 界 線よ り上に位 置して い るものは局 部座 屈一
脆 性 破 壊の 微 妙な遷 移 領 域にあっ たものと 推 測さ れ る。 溶 接コ ラム2
体につ い て は; 局 部 座屈 限界ひずみ がか な り高い に.
も か か わ らず,
延 性 伸 び 能 力お よび切欠き靭性 が高い の で脆性破壊に至 ら なか っ たも
の と考え ら れ る。
上記の方 法を 用いて
,
ロー
ル コ ラ ム が高 応 力 脆性破 壊 し ない で局 部座屈で終 局 状 態が決 まる幅 厚 比の下 限,.
つ まり遷移 幅厚比を計算す る と次の よ うに な る。
(2 )式 を (3)式に代 入 して,B
/tfにつ い て解く と次式が得 ら れ る。
.
(
Et
∫)
T,
〒・
・
・
・
・
・
・
・
・
・
…
(4)r
・で・
(
Bt ∫)
T。 ・齶 幅 厚比STKC .
400R にっ い て,
本 研 究で得ら れ.
た デー
タ を基に, σyr
=450
MPa ,
εst!=
O.
0021,
εu;O.
05,
κ=
2.
5・ 上 式・代入 す る と
・
(
雛
一
25が得 … . ・ず・ 集 中 係 数を少 し下 げ た値2.
5とし た の は,
既に述べ た よ うに,
ロー
ル コラム の外 表面における熱 影 響 部の軟化が 見ら れ な かっ た ことを灰
映さ せた もの で あ る が,.
そあ
定 量的根拠は明ら か で は ない の で,
今 後さら に解 析 的な面 か ら検討が 必要で あ る。 以 上の概算に よ る と,
ロー
ル コ ラムSTKC400R
は,
幅 厚 比が 25以 上で あ れ ば高 応 力 脆 性 破 壊は生 じ ない とい うことに な る。
な お
,.
本研究の焼き なら し熱 処 理 を施し た場合に は,
σyf