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骨転移診療に対する職種別の意識調査

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Academic year: 2021

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(1)理学療法学 第 46 巻第 3 号 181 ∼ 187 頁(2019 骨転移診療に関する多職種アンケート 年). 181. 実践報告. 骨転移診療に対する職種別の意識調査* ─メディカルスタッフ間の相違─. 河 村 健 太 1)2)# 篠 原 正 和 2) 齊 藤 久 子 3) 峯 岸   忍 2) 会 田 育 男 3). 要旨 【目的】骨関連事象(以下,SRE)カンファレンスの問題点や課題を抽出するため,骨転移診療にかかわ るメディカルスタッフの認識と実際の診療を調査した。【方法】リハビリテーションスタッフ,看護師, 介護士,主診療科医師にアンケートを配布した。骨転移への関心,SRE の悩み,多職種連携の悩み,リ ハビリテーションスタッフや医師に期待すること,医師が骨転移を確認した際に行うことを調査した。 【結果】医師以外では安静度・リスク管理の悩みが 90% 以上で,医師の 41.7% に比し高値であった。医師 は安静度設定を期待されているが,画像診断や患者・家族への説明,鎮痛薬の処方が 80% 以上であるの に比べ,他のメディカルスタッフへの周知,動作制限,補装具装着の指示を行うとしたのは,それぞれ 68.2%,40.9%,18.1% と低値であった。 【結論】医師以外は SRE の安静度・リスク管理に悩み医師に対応 を期待していたが,医師の認識や診療と差があった。 キーワード 骨関連事象,カンファレンス,多職種連携,アンケート. い。しかしながら,骨転移が生じていても,主診療科医. はじめに. 師のみでは専門的な荷重制限や補装具の選択などの決定.  がんは日本人の死因の第 1 位であるが,早期発見や 1). が難しいケースがある。そのため,SRE のリスクを解. 治療の進歩により生存期間が延長してきている 。その. 決するためには,リハビリテーションスタッフや主診療. ため,がんリハビリテーションの対象は広がり,日常生. 科医師だけではなく,整形外科,放射線治療科,緩和医. 活動作(activities of daily living;以下,ADL)や生活. 療科,リハビリテーション科,看護師,介護士など多診. の質(quality of life;以下,QOL)の維持や改善の重. 療科・多職種と情報を共有して包括的なチームとして対. 要性は高まってきている。骨転移はがん患者全体の約. 策を検討する必要がある。近年では連携を充実させるた. 10% に発生するといわれており. 2). ,骨転移に伴う病的. 骨 折 や 脊 髄 圧 迫 な ど の 骨 関 連 事 象(skeletal related 3)4). め,SRE カンファレンス. 5‒7). や骨転移診療のシステム 8). について報告されている。. のリスクはリハビリテーショ.  当院においても 2016 年 5 月より月に 1 回リハビリテー. ンを進めていくうえで十分に検討されなければならな. ション科とリハビリテーション療法科が主催で主診療科. events;以下,SRE). *. Awareness Survey of Bone Metastasis Treatment by Occupational 1)茨城県立医療大学理学療法学科 (〒 300‒0394 茨城県稲敷郡阿見町阿見 4669‒2) Kenta Kawamura, PT, MSc: Ibaraki Prefectural University of Health Sciences Department of Physical Therapy 2)筑波メディカルセンター病院リハビリテーション療法科 Kenta Kawamura, PT, MSc, Masakazu Shinohara, PT, Shinobu Minegishi, PT, MSc: Department of Rehabilitation Therapy, Tsukuba Medical Center Hospital 3)筑波メディカルセンター病院リハビリテーション科 Hisako Saito, MD, PhD, Ikuo Aita, MD, PhD: Department of Rehabilitation, Tsukuba Medical Center Hospital # E-mail: [email protected] (受付日 2018 年 5 月 2 日/受理日 2019 年 2 月 8 日) [J-STAGE での早期公開日 2019 年 5 月 29 日]. 医師,整形外科医師,放射線治療科医師,緩和医療科医 師,看護師などの多職種による SRE カンファレンスを 開催している。しかしながら,参加メンバーが限定され, この取り組みが院内全体に広がっているとはいえない。  そこで本研究では SRE カンファレンスを実施してき たなかでの問題点や課題を抽出するために,骨転移診療 にかかわるメディカルスタッフに対して,骨転移診療に おける認識や実際の診療を調査した。.

(2) 182. 理学療法学 第 46 巻第 3 号. 表 1 アンケート内容 Q1.. 骨転移に関心はありますか? とてもある・少しある・どちらでもない・あまりない・まったくない. Q2.. SRE カンファレンスを開催していることを知っていますか? 知っていた・知らなかった. Q3.. SRE カンファレンスに参加したことはありますか? ある・ない. Q4.. SRE カンファレンスは必要だと思いますか? 思う・思わない. Q5.. 普段の業務の中で SRE に悩むことはありますか? とてもある・少しある・どちらでもない・あまりない・まったくない. Q6.. Q5. でとてもある・少しあると答えた方へ。どのような点に悩みますか?(複数回答可) 安静度やリスク管理・治療の選択や開始時期・知識不足・リハビリテーション内容・疼痛対策. Q7.. SRE で他職種との連携に悩むことはありますか? とてもある・少しある・どちらでもない・あまりない・まったくない. Q8.. Q7. でとてもある・少しあると答えた方へ。どのような点に悩みますか?(複数回答可) SRE の理解度の差・安静度変更の周知・他職種とのコミュニケーション不足. Q9.. リハビリテーションスタッフに期待していることはなんですか?(複数回答可) 患者への動作指導・家族への動作指導・スタッフ指導・ポジショニング・疼痛緩和・安静度設定・ 精神的ケア. Q10.. 主診療科医師に期待していることはなんですか?(複数回答可) 安静度の設定・整形外科へのコンサルテーション・疼痛コントロール・治療方針の決定・生命予 後の告知. Q11.. 骨転移に気がついたときに,なにをしますか?(複数回答可) MRI,骨シンチなどの精査・メディカルスタッフへの周知・患者への説明・家族への説明・日常 動作の制限の指示・コルセットやカラーの使用の指示・鎮痛薬・骨修飾薬・放射線治療科へのコ ンサルテーション・整形外科へのコンサルテーション・緩和医療科へのコンサルテーション (それぞれの項目に選択) 必ず行う・しばしば行う・ときどき行う・行うのはまれ・行わない. Q6, Q8, Q9, Q10 はあてはまる項目をすべて選択する複数回答とした. Q11 は医師のみに質問した.. 照に,リハビリテーション科医師,整形外科医師,理学. 対象と方法. 療法士,作業療法士にて協議のうえでアンケートを作成. 1.対象. した(表 1) 。質問のうち 8 項目は多職種共通で,骨転.  当院に在籍する骨転移診療にかかわるリハビリテー. 移への関心,SRE への悩み,多職種連携の悩みについ. ションスタッフ 46 名(理学療法士 22 名,作業療法士. て記載した。その他,3 項目は職種別にリハビリテー. 12 名,言語聴覚士 12 名),看護師 107 名,介護士 15 名,. ションスタッフや医師に期待すること,医師が骨転移を. 医師 75 名を対象とした。看護師と介護士は,がん患者. 確認した際に行うことを質問した。Q6,Q8,Q9,Q10,. がおもに入院する 4 病棟を対象とした。医師は骨転移診. Q11 の問いに関しては複数回答可とした。項目は選択式. 療にかかわる主診療科医師として呼吸器外科,呼吸器内. で無記名にて実施し,2017 年 12 月にアンケートの主旨. 科,消化器外科,消化器内視鏡科,総合診療科,乳腺科,. を説明したうえで紙面にて配布し,1 週間以内に回収し. 脳神経外科,泌尿器科,婦人科を対象とし,骨転移のコ. た。回収したアンケートは連結不可能匿名化されたデー. ンサルテーションを受ける側の整形外科,放射線治療. タを解析した。本研究は筑波メディカルセンター病院倫. 科,緩和医療科は除外した。. 理委員会の承認を受けて実施した(2017-065) 。.  また,骨転移患者を受けもった経験がないメディカル スタッフは除外した。. 3.統計学的手法  各職種間の差は Fisher の正確確立検定を用いた。Fisher. 2.方法  アンケートは骨転移診療に関する調査報告. の正確確率検定において有意差が見られた項目のみ多重 9)10). を参. 比較を行い,Bonferroni 法にて補正した。統計解析ソフ.

(3) 骨転移診療に関する多職種アンケート. 183. 表 2 骨転移への関心・SRE カンファレンス リハビリテーション スタッフ n=37. 看護師 n=67. 介護士 n=10. 医師 n=22. 計 n=136. PT/OT/ST 17/10/10 骨転移に関心がある. 34 (91.9 %) 16/10/8. 59 (88.0 %). 9 (90.0 %). 12 (54.5 %)*†. 114 (83.8 %). SRE カンファレンスにつ いて開催を知っている. 37 (100.0 %) 17/10/10. 36 (53.7 %). 0 (0 %). 15 (68.2 %). 88 (64.7 %). 参加経験がある. 28 (75.7 %) 14/10/4. 12 (17.9 %)*. 0 (0 %)*. 8 (36.4 %)*. 48 (35.3 %). 必要性があると思う. 35 (94.6 %) 17/10/8. 61 (91.0 %). 10 (100.0 %). 21 (95.5 %). 127 (93.4 %). 回答者数(各質問の回答者の割合) 理学療法士(PT),作業療法士(OT) ,言語聴覚士(ST) 多重比較にて P<0.05: * リハビリテーションスタッフ,† 看護師. 表 3 SRE に関する悩み リハビリテーション スタッフ n=37. 看護師 n=67. 介護士 n=10. 医師 n=22. 計 n=136. PT/OT/ST 17/10/10 SRE の悩みがある. 32 (86.5 %) 17/10/5. 60 (89.6 %). 7 (70.0 %). 12 (54.5 %)†. 111 (81.6 %). 安静度・リスク管理. 30 (93.8 %) 17/8/5. 54 (90.0 %). 7 (100.0 %). 5 (41.7 %)*, †. 96 (86.5 %). 治療の選択や開始時期. 6 (18.8 %) 6/0/0. 17 (28.3 %). 1 (14.3 %). 5 (41.7 %). 29 (26.1 %). 知識不足. 15 (46.9 %) 10/2/3. 35 (58.3 %). 6 (85.7 %). 5 (41.7 %). 61 (55.0 %). リハビリテーション内容. 22 (68.8 %) 14/8/0. 20 (33.3 %)*. 0 (0 %)*. 5 (41.7 %). 47 (42.3 %). 疼痛対策. 19 (59.4 %) 13/6/0. 50 (83.3 %). 4 (57.1 %). 5 (41.7 %)†. 78 (70.3 %). 回答者数(各質問の回答者の割合) SRE の悩みがあると回答した対象に対して,あてはまる項目すべてを選択する複数回答の質問を実施した.各項 目では SRE の悩みがあると回答した対象の中での割合を示す. 理学療法士(PT),作業療法士(OT) ,言語聴覚士(ST) 多重比較にて P<0.05: * リハビリテーションスタッフ,† 看護師. トは EZR version 1.36(自治医科大学附属さいたま医療 11). センター血液科,さいたま市). を用いた。有意水準. は 5% とした。 結   果. と 回 答 し た の は リ ハ ビ リ テ ー シ ョ ン ス タ ッ フ 34 名 (91.9%),看護師 59 名(88.0%)であったが,医師では 12 名(54.5%)とリハビリテーションスタッフや看護師 に対し有意に低値であった。  リハビリテーションスタッフは全員がカンファレンス.  アンケートはリハビリテーションスタッフ37名(80.4%) ,. の開催を認知しており,75.7% の参加経験があり,他の. 看護師 67 名(62.6%),介護士 10 名(66.7%),医師 22. 職種と有意差を認めた。カンファレンスの必要性はすべ. 名(29.3%)の合計 136 名(56.0%)から回答を得た。. ての職種において 90% 以上あると答えていた。. 1.骨転移への関心・SRE カンファレンス(表 2). 2.SRE に関する悩み(表 3).  骨転移への関心が「とてもある」,または「少しある」.  SRE に関する悩みが「とてもある」 ,または「少しあ.

(4) 184. 理学療法学 第 46 巻第 3 号. 表 4 SRE に関する多職種連携の悩み リハビリテーション スタッフ n=37. 看護師 n=67. 介護士 n=10. 医師 n=22. 計 n=136. PT/OT/ST 17/10/10 多職種連携の悩みがある. 23 (62.2 %) 13/9/1. 28 (41.8 %). 3 (30.0 %). 5 (22.7 %)*. 59 (43.4 %). SRE の理解の差. 13 (56.5 %) 6/7/0. 10 (35.7 %). 1 (33.3 %). 1 (20.0 %). 25 (42.4 %). 安静度変更の周知. 19 (82.6 %) 10/8/1. 18 (64.3 %). 3 (100.0 %). 1 (20.0 %)*. 41 (69.5 %). 他職種とのコミュニケー ション不足. 8 (34.8 %) 5/2/1. 16 (57.1 %). 1 (33.3 %). 4 (80.0 %). 29 (49.2 %). 回答者数(各質問の回答者の割合) 多職種連携の悩みがあると回答した対象に対して,あてはまる項目すべてを選択する複数回答の質問を実施した. 各項目では多職種連携の悩みがあると回答した対象の中での割合を示す. 理学療法士(PT),作業療法士(OT),言語聴覚士(ST) 多重比較にて P<0.05: * リハビリテーションスタッフ. 表 5 リハビリテーションスタッフに期待すること 看護師 n=60. 介護士 n=7. 医師 n=16. 計 n=83. 患者への動作指導. 50 (83.3 %). 5 (71.4 %). 12 (75.0 %). 67 (80.7 %). 家族への動作指導. 45 (75.0 %). 1 (14.3 %)†. 12 (75.0 %). 58 (69.9 %). 他のメディカルスタッフ指導. 52 (86.7 %). 4 (57.1 %). 9 (56.3 %)†. 65 (78.3 %). ポジショニング. 45 (75.0 %). 3 (42.9 %). 8 (50.0 %). 56 (67.5 %). %)†. 40 (48.2 %). 0 (0. %)†. 疼痛緩和. 39 (65.0 %). 安静度設定. 31 (51.7 %). 3 (42.9 %). 2 (12.5 %)†. 36 (43.4 %). 精神的ケア. 21 (35.0 %). 0 (0 %). 4 (25.0 %). 25 (30.1 %). 1 (6.3. 回答者数(各質問の回答者の割合) 内容はあてはまる項目すべてを選択する複数回答とした. 多重比較にて P<0.05: † 看護師. る」と回答したのはリハビリテーションスタッフ 32 名 (86.5%), 看 護 師 60 名(89.6%), 介 護 士 7 名(70.0%). て,医師は他職種とのコミュニケーション不足(80.0%) に関する悩みが高値であった。. で高値を示し,看護師は医師の 12 名(54.5%)と比較し 有意であった。安静度・リスク管理に関する悩みは医師. 4.リハビリテーションスタッフに期待すること(表 5). 以外で 90% を超えており,医師の 5 名(41.7%)に比し.  他職種から,SRE に関して患者や家族への動作指導. 高値であった。また,リハビリテーションスタッフはリ. (患者指導 80.7%,家族指導 69.9%) ,スタッフ指導(78.3%). ハビリテーション内容について 22 名(59.4%),看護師. やベッド上でのポジショニング(67.5%)を期待される. は疼痛対策について 50 名(83.3%)と高値を示した。. 割合が高値であった。看護師は 51.7%,介護士は 42.9% がリハビリテーションスタッフに安静度の設定を期待し. 3.SRE に関する多職種連携の悩み(表 4). ていた。.  SRE に関する多職種連携の悩みが「とてもある」 ,ま たは「少しある」と回答したのはリハビリテーションス. 5.医師に期待すること(表 6). タッフ 23 名(62.2%),看護師 28 名(48.1%),介護士 3.  すべての職種において安静度の設定に対する期待が高. 名(30.0%),医師 5 名(22.7%)であり,リハビリテーショ. 値であった(リハビリテーションスタッフ 90.9%,看護. ンスタッフで高く医師と比較し有意に高値であった。リ. 師 75.4%,介護士 100.0%)。リハビリテーションスタッ. ハビリテーションスタッフは SRE の理解の差(56.5%). フからは整形外科へのコンサルテーション(87.9%)が,. や安静度の周知(82.6%)について悩んでいたのに対し. 看護師からは疼痛コントロール(83.6%)に対する期待.

(5) 骨転移診療に関する多職種アンケート. 185. 表 6 主診療科医師に期待すること リハビリテーション スタッフ n=33. 看護師 n=61. 介護士 n=7. 計 n=101. PT/OT/ST 16/10/7 安静度の設定. 30 (90.9 %) 15/10/5. 46 (75.4 %). 7 (100.0 %). 83 (82.2 %). 整形外科へのコンサルテー ション. 29 (87.9 %) 16/9/4. 24 (39.3 %)*. 0 (0 %)*. 53 (52.5 %). 疼痛コントロール. 22 (66.7 %) 11/6/5. 51 (83.6%). 1 (14.3 %)†. 74 (73.2 %). 治療方針の決定. 25 (75.8 %) 11/9/5. 50 (82.0 %). 0 (0 %)*, †. 75 (74.3 %). 生命予後の告知. 11 (33.3 %) 5/2/4. 14 (23.0 %). 0 (0 %). 25 (24.8 %). 回答者数(各質問の回答者の割合) 内容はあてはまる項目すべてを選択する複数回答とした. 理学療法士(PT),作業療法士(OT) ,言語聴覚士(ST) 多重比較にて P<0.05: * リハビリテーションスタッフ,† 看護師. 表 7 主診療科医師が骨転移を確認した際に行うこと 必ず. しばしば. MRI, 骨シンチグラフィー. 11 (50.0 %). 8 (36.4 %). 他のメディカルスタッフへ周知. 7 (31.8 %). 8 (36.4 %). 患者への説明. 15 (68.2 %). 3 (13.6 %). 家族への説明. 13 (59.1 %). 4 (18.2 %). 動作制限の指示. まれ. 行わない. 0 (0 %). 1 (4.5 %). 2 (9.1 %). 3 (13.6 %). 3 (13.6 %). 1 (4.5 %). 3 (13.6 %). 1 (4.5 %). 0 (0 %). 4 (18.2 %). 1 (4.5 %). 0 (0 %). 3 (13.6. %) 1 (4.5 %). 6 (27.3 %). 7 (31.8 %). 5 (22.7 %). 1 (4.5 %). 3 (13.6 %). 9 (40.9 %). 6 (27.3 %). 3 (13.6 %).  鎮痛薬. 7 (31.8 %). 11 (50.0 %). 4 (18.2 %). 0 (0%). 0 (0 %).  骨修飾薬. 4 (18.2 %). 9 (40.9 %). 4 (18.2 %). 3 (13.6 %). 2 (9.1 %).  放射線治療科. 5 (22.7 %). 8 (36.4 %). 5 (22.7 %). 2 (9.1 %). 2 (9.1 %).  整形外科. 4 (18.2 %). 9 (40.9 %). 4 (18.2 %). 5 (22.7 %). 0 (0 %). 0 (0%). 12 (57.1 %). 5 (23.8%). 2 (9.5 %). 2 (9.5%). 補装具着用の指示. ときどき. (n=22). 薬物療法. コンサルテーション.  緩和医療科. 回答者数(各質問の回答者の割合) 磁気共鳴画像(MRI) 緩和医療科へのコンサルテーションに関しては非回答者 1 名を除いて計算を実施. が高値であった。. 療科)へのコンサルテーションを,「必ず行う」「しばし ば行う」と回答したのはそれぞれ 59.1%,59.1%,54.5%. 6.医師が骨転移を確認した際に行うこと(表 7). に留まり,「行うのはまれ」または「行わない」と回答.  「必ず行う」または「しばしば行う」を含めると多く. したのは 18.2%,22.7%,18.2% であった。. の医師は骨転移を確認した際には磁気共鳴画像や骨シン チグラフィーなどの画像検索(86.4%),患者や家族への 説 明( 患 者 81.8%, 家 族 81.3%) ,疼痛コントロール (81.8%)を行うとしている。それに比べ,メディカルス. 考   察  骨転移診療に対する包括的な介入の効果は数多く報告 されている. 6)7)12)13). 。篠田 6)らや角谷 7)らは骨転移診. タッフへの周知(68.2%),動作制限の指示(40.9%),補. 療において SRE カンファレンスやキャンサーボードな. 装具装着の指示(18.1%)は低値であった。回答した医. どの多職種での情報共有の場を設けることで,整形外科. 師のうち専門診療科(放射線治療科,整形外科,緩和医. 的に治療が必要な症例を確実に拾い上げ,骨折や運動麻.

(6) 186. 理学療法学 第 46 巻第 3 号. 痺が生じる前の予防的な手術件数が増加したと報告して いる。また Ibrahim ら. 12). は骨転移患者への多職種連携. による診療は患者の精神的な苦痛を減少させるとし, Hayashi ら. 13). は放射線治療後の重篤な骨病変のある患. 活動を保ち,ADL や QOL を改善することを目標とす る. 4). 。また,骨転移で ADL やパフォーマンスステータ. スが低下すると化学療法の適応ではなくなることもある ため,適切な骨転移診療により ADL を維持することも 14). とされている。その中でも骨転移部の状況を適. 者に対して SRE カンファレンスを開催することで,自. 重要. 宅退院した患者の増加や,抗重力姿勢を保持するまでの. 切に評価したうえで,病変部に負担の少ない安全な動作. 時間が短縮されたと推察している。当院においてもこれ. を指導することは重要である。今回の結果からもリハビ. らの効果を期待して,SRE カンファレンスを開始した. リテーションスタッフには患者や家族への動作指導への. ものの,参加メンバーが限定され,院内全体としての広. 期待が多く寄せられた。加えて,他のメディカルスタッ. がりに欠ける状況であった。我々はその理由として,骨. フへの指導や動作だけでなく疼痛の少ないベッド上での. 転移への関心が低く SRE カンファレンスの必要性を感. ポジショニングについての期待の割合が高値であった。. じないことが原因のひとつと予測していた。しかしなが. リハビリテーションスタッフは骨転移診療を行うメディ. ら,本研究では 8 割のメディカルスタッフが骨転移への. カルスタッフと綿密に連携をとり,個々の患者に合わせ. 関心を示し,6 割のメディカルスタッフは SRE カンファ. ての動作やポジショニングを共有していく必要がある。. レンスの開催を知り,ほぼすべてのメディカルスタッフ. 理学療法士は医学的知識を有した運動療法の専門家とし. がその必要性を感じていた。このことは,SRE カンファ. て,患者の安静度や疼痛,骨転移などの医学的情報から. レンス定時開催を 2 年継続し,徐々に骨転移診療に対す. 適切な運動強度と方法,動作指導,環境調整を行うなど. る意識が高まっている可能性がある。しかし,参加経験. 主導的な役割を果たすべきである。がん患者では予後に. 者は 4 割弱程度と低値であり,カンファレンス参加まで. よって骨転移の状況以上にニーズやデマンドが優先され. はつながりにくい状況や,医師と医師以外における骨転. るべき場合もあり,理学療法士が ADL 能力や見込みを. 移への関心の差は存在している。. 情報提供することで、患者にとってよりよい方向性を迅.  医師以外の 8 割が SRE の悩みがあると回答しており,. 速に決定することが可能になる。それらのことは,がん. 各職種とも 9 割以上が安静度やリスク管理の悩みを訴え. 患者への不必要な活動制限を防ぎ,パフォーマンスス. た。骨転移を有する患者へのリハビリテーションや日常. テータスや ADL,QOL の維持改善につながると考える。. 生活のケア場面で不安を感じていることがうかがえる。.  医師以外の 9 割以上が主診療科医師に安静度の設定を. 一方で医師においては SRE の悩みは 5 割程度で,安静度. 期待していた。しかしながら,主診療科医師は骨転移を. やリスク管理についてはそのうちの 4 割にすぎなかった。. 確認した際に画像診断での精査や他診療科へのコンサル. キャンサーボードを未導入施設で主診療科医師 93.2% が. テーションを必ず行うわけではなく,動作制限や補装具. 9). 骨転移診療に関して困ることがあると回答し ,内容は. 装着の指示まで至らないことが多いことが明らかとなっ. 治療方針や安静度についてが多かったと報告している。. た。指示をだす主診療科医師と指示を受ける医師以外の. 今回の主診療科医師に対するアンケートの結果では. メディカルスタッフの間に骨転移患者への対応について. SRE に関する悩みが低率であり,カンファレンス参加. 認識の差が存在しており,このことがより SRE への悩. 率が 4 割弱程度であったことを考慮すると,カンファレ. みを大きくしていることが考えられた。また,職種間の. ンスによって悩みが解決したとは考えにくい。むしろ当. 認識の差が大きいものの,SRE に悩みがあるとの回答. 院の主診療科医師は未だ専門分野外にあたる骨転移診療. に比べ,多職種連携に悩みがあるとの回答が少なかっ. に関心が低かったか,あるいは生命予後を考え骨転移診. た。しかし,各職種が抱えている SRE の悩みは各職種. 療に消極的になったために SRE に関する悩みが生じな. のみでは解決できないものが多く,多職種が連携し,お. 10). の骨. 互いの専門性を生かして方針を決め,情報を共有してい. 転移患者治療における実態調査では,骨転移の治療方針. くことでより適切な骨転移診療が可能になり,各々の悩. やリハビリテーション施行時のリスク管理はおもに主診. みが解決すると考えられた。主診療科医師は専門外の骨. 療科医師が行っていたと報告している。つまり,主診療. 転移診療に関する安静度を設定することは難しく,多忙. 科医師が骨転移を問題と捉えない場合は,骨転移診療の. な業務の中,他診療科へのコンサルテーションを行うこ. 方針やリスク管理がなされないままリハビリテーション. とにも消極的になっていることが推察された。そのた. やケアを行うことになりかねない。主診療科医師に対し. め,骨転移が存在しても見過ごされてしまい,病的骨折. て骨転移治療への関心や問題意識をもつような働きか. や脊髄圧迫などの重大な症状が生じてからの骨転移診療. け,整形外科等の専門診療科と連携をとることが重要で. に至っているケースも潜在的にあることが考えられる。. ある。.  アンケートの結果からは当院では SRE カンファレン.  骨転移患者のリハビリテーションは安全で適切な身体. スを実施しているものの,SRE の悩みが解決されてい. かった医師がいた可能性が推察された。大森ら.

(7) 骨転移診療に関する多職種アンケート. な い こ と が 推 察 さ れ た。 そ の 理 由 と し て, 当 院では SRE カンファレンスの開催が月 1 回と少ないため,日々 のメディカルスタッフの臨床上の悩みに対応できていな いことや,リハビリテーションスタッフが主催し症例を 提示する形で開催してきたため,他職種の参加は受動的 になりがちであることが考えられた。そのため,開催頻 度の増加や,カンファレンス以外の方法を追加して悩み を迅速に解決することは有用である。また,悩みを抱え ているメディカルスタッフが能動的に参加し,自分の悩 みを相談できる場になるように多職種協働でのカンファ レンス運営を検討する必要がある。主診療科医師が他職 種からの安静度設定やリスク管理を期待されていること を認識するよう働きかけることも重要である。骨転移患 者を漏れなく収集するため骨転移が判明した段階で登録 するシステムなど. 8). 画期的な方法が導入されている施. 設もあり,当院でも検討していきたい。  本研究の限界としては,医師の回収率が非常に低く, データの偏りがあることが考えられた。その理由として 当院は救急救命センターであるため,がん診療よりも救 急診療に重きを置いている医師が多いことや,アンケー トをがん診療に関わる全ての診療科に拡大して配布した ため,骨転移診療が稀な診療科や,原発巣の手術を終え ると転科することの多い各外科も回答に難渋した可能性 がある。また,サンプル数が少なくリハビリテーション 職種別やコンサルテーションを受ける側の整形外科,放 射線治療科,緩和医療科などの認識や診療の調査はでき ていないため,継続した評価検討が望まれる。 結   論  今回,骨転移診療にかかわるメディカルスタッフを対 象としてアンケート調査を行い,骨転移診療への悩みや 職種間の認識の違いを検討した。多くの医師以外のメ ディカルスタッフは骨転移診療に関して安静度やリスク 管理について悩み,主診療科医師にその対応を期待して いたが,医師の認識に差があった。多職種協働での SRE カンファレンス運営やすべての骨転移患者に対応できる システム導入の検討が必要と思われた。 謝辞:当院での SRE カンファレンスの立ち上げに尽力 いただいた,慶應義塾大学医学部リハビリテーション医. 187. 学教室辻哲也先生に心より感謝いたします。 利益相反  申告すべき利益相反はない。 文  献 1)国立がん研究センターホームページ がん情報サービスが ん統計.https://ganjoho.jp/reg_stat/statistics/stat/annual. html(2018 年 2 月 27 日引用) 2)荒木信人:転移性骨腫瘍診療の現状[厚生労働省がん研究 助成金 がんの骨転移に対する予後予測方法の確率と集学 的治療法の開発班(編):骨転移治療ハンドブック].金原 出版,東京,2004,pp. 3‒13. 3)Coleman RE: Bisphosphonates: clinical experience. Oncologist. 2004; 9 Suppl4: 14‒27. 4)大森まいこ,辻 哲也,他(編):骨転移の診療とリハ ビ リ テ ー シ ョ ン. 医 歯 薬 出 版, 東 京,2014,pp. 60‒71, 86‒91. 5)髙木辰哉:転移性骨腫瘍に対する包括的アプローチ─診 療科・職種横断的マネージメント─.関節外科.2016; 35: 368‒373. 6)篠田裕介:骨転移診療に関するキャンサーボードの役割. 臨床外科.2016: 51: 443‒450. 7)角谷賢一朗,酒井良忠,他:転移性脊椎腫瘍の診断と治療 戦略─骨転移 Cancer Board の活用.臨床外科.2016; 51: 601‒605. 8)中田英二,杉原進介,他:骨転移診療システム─脊椎転移 による麻痺や廃用症候群予防を目的とした取り組み─.関 節外科.2016; 35: 374‒387. 9)山家健作,遠藤宏治,他:骨転移診療についてのアンケー ト調査 整形外科以外の医師に対して.整形外科.2018; 69: 22‒27. 10)大森まいこ,辻 哲也:骨転移患者における治療方針決定 やリハビリ施行時のリスク管理に関する実態調査─がんの リハビリテーション研修会参加施設へのアンケートまとめ ─.日本整形外科学会雑誌.2015; 89: 757‒762. 11)Kanda Y: Investigation of the freely available easy-touse software ‘EZR’ for medical statistics. Bone marrow transplantation. 2013; 48: 452‒458. 12)Ibrahim T, Flamini E, et al.: Multidisciplinary approach to the treatment of bone metastases: Osteo-Oncology Center, a new organizational model. Tumori. 2009; 93: 291‒297. 13)Hayashi Y, Nagaoka M, et al.: Effectiveness of interdisciplinary team conference to manage skeletal related events in rehabilitation for patients with cancer. Juntendo medical Journal. 2015; 61: 426‒436. 14)有賀悦子,田中 栄,他(監) :運動器マネジメントが患 者の生活を変える ! がんの骨転移ナビ.医学書院,東京, 2016,pp. 71‒73..

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参照

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