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63._豊橋ハートセンター_Dr.木下_160420_2版.indd

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Academic year: 2021

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(1)

Stent の拡張不十分はイベント発生に関連する。NSE や Rotablator が施行できない状況下にお いて、多くは Non-compliant balloon を使用した POBA で良好な Stent Apposition を獲得し なければならない。

一般に Non-compliant balloon に求められる性能は、 ①フラットに近い Compliance

②高耐圧であること(高い RBP と Mean Burst Pressure) ③長軸方向に伸長しないこと(ショートショルダー) 以上の 3 点があげられる。 しかしながら、市販されている Non-compliant balloon 個々の特性は一様ではない。 これらの特性を正確に知ることは、病変前後の血管損傷を予防し、安全に病変拡張を行なうことに 繋がる。弊社は、上記に述べた特性に加え、術者が病変性状に適した Non-compliant balloon の 選択と安全性の高い拡張圧コントロールを行なうための指標の一つとして「拡張応力」という新し い定義を提案する。本レポートでは、外部機関に委託して実施した Pantera LEO をはじめとする 主要メーカーの Non-compliant balloon の拡張応力の実験結果と二次的に得られた balloon ショ ルダー部長軸伸長(Nominal/RBP 拡張時)の分析結果も合わせて解説する。

Non-compliant balloon の拡張応力の検証実験

応力の概念 物体の内部に生じる力の大きさや作用方向を表現するために用いられる物理量で、物体の変形や破壊などに対する負担の大 きさを検討するのに用いられる(Fig-1)。 PTCA balloon における拡張応力の定義 拡張応力=Non-compliant balloonの本来の目的である硬い病変やステント拡張不十分部位を拡張するための能力(Fig-2)。

Non-compliant balloon の拡張応力と

正確な拡張性能(有効長の正確性)の検証

実 験 1

【背 景】

変形 (変位) 力を加えないときの高さ 力を加えたときの高さ 応力 荷重 ひずみ Fig. 2 Fig.1

(2)

・3.5/15mm長のStentを留置後、IVUSにて Stent中央部に長さ5.0mm/深さ1.0mmの拡張 不十分を確認。 ・5つのNon-compliant balloonで拡張した場合、 Pantera LEOが一番「拡張応力」が強い。 ・各検体測定点(5種類 x 5測定点=計25点)  -12atm・14atm・18atm・20atm・22atm  -各balloonのNP・RBPを測定  -16atmは14atmと18atmの平均値でデータを 推定 ・計測位置設定  A)balloon設置場所は42mm幅で一定とする B)中央にスタイレットを固定し、同じ個所に balloonが設置できるようにする C)ディスタルマーカー外側部を設置マーカーに 合わせる。balloonショルダーには圧センサーが かからないようにする ・計測方法   -圧センサーがballoonと接触し、反発力を少し でも感知した時点を0mm地点とし1分間かけて 1mm押し込み、その反発力(N:ニュートン) を計測 ・測定点順番   -12atmから22atmまで小さい気圧から順番に 統一された方法で実施 仮説の設定 ・3.5/15mmのballoonの中央部を計測装置(圧 センサー φ5mm)がballoonに接触してから 1mm押し、その反発力を測定する。 ・試験実施日: 2015年4月14日(火) ・試験場所: 島津製作所本社 三条工場 ・試験者: 島津テクノリサーチ ・計測機械: EZ Test EZ-LX (島津製作所社 製) ・データ処理: TrapeziumX シングルソフト ・検体数: 5種類 × 各1本 Pantera LEO 3.5/15 mm A社 3.5/15 mm B社 3.5/15 mm C社 3.5/15 mm D社 3.5/15 mm 仮説の実験方法 プロトコール

【実験方法】

(3)

拡張応力が強いNon-compliant balloonを使用するメリットは以下の3点が考 えられる。 1.Stent拡張不十分部位に少ない気圧で、強い力をかけることができ、より 良いStent Appositionを得ることができると考えられる。従って、良好な Stent長期予後に繋がりうる。※SAT、PSSの予防 2.硬い病変に対しても過拡張によるDog bone現象発生を予防でき、且つ適切 な拡張が期待できる。NSE不通過病変やRotablator未認定施設での不十分 拡張が予想される症例に対して有用と考える。 3.精度の高い拡張コントロールができるため、必要以上の圧をかけず安全な PCIの施行を行うことができる。 社Non-compliant balloonと 同程度の拡張応力を得ること が出来た。 ・ complianceチャートの低さと今回測定された反発力は、相関関係がみられない。 ・“拡張応力”とcomplianceとは別に評価すべき項目である可能性がある。 例:Pantera LEOとほぼ同じcomplianceを描くB社はPantera LEOより“拡張応

力”が低い。 考察 まとめ PanteraLEO B社 ATM mm mm 6 3.36 3.27 7 3.38 3.31 8 3.40 3.35 9 3.42 3.38 10 3.43 3.42 11 3.45 3.44 12 3.47 3.47 13 3.49 3.49 14 3.50 3.50 15 3.52 3.52 16 3.54 3.54 17 3.55 3.55 18 3.57 3.57 19 3.59 3.58 20 3.61 3.60 21 3.62 3.62 22 3.64 3.63 23 3.65 24 3.67 NP RBP B 社 A 社 C 社 D 社 B 社 B 社 balloon 径

(4)

Balloon に求められる正確性とは、どのような状況においても正確に規格(径と有効長)通りに拡 張できることである。しかしながら、加圧に伴う有効長の仲長について添付文書には記載がなく、 製造メーカーは殆ど情報開示をしていない。その為、術者は拡張中の balloon の有効長がどの位伸 長しているかを予測できないまま病変を拡げているのが現状である。 そこで、拡張応力の実験から得た病変部の拡張を想定した場合の主要 Non-compliant balloon(5 種類 3.5/15mm)の有効長を測定し、個々の balloon の有効長の正確性を検証する。

Non-compliant balloon 有効長の正確性の検証実験

Balloon 有効長 血管壁に接触し、押し広げることができる長さ ・血管への接触は、コーンの起点が重要な尺度となってくる。 ・体内にあるballoonの有効長の位置を医師が確認できる手段は、X線不透過マーカーのみ。 推定有効長の定義 Proximalコーンの起点からDistalコーンの起点までの距離を主観で測定する。 プロトコール 通常時12atmと限界拡張時点22atmのマーカー外々長を計測。 通常時12atmと限界拡張時点22atm のProximalコーンの起点からDistalコーンの起点までの距離を主観で計測。 それぞれを比較する。 実験の方法 ・3.5/15mmのballoon は、12atmを通常の形態と想定する。限界状態での22atmに拡張後、balloonに擬似病変を 1.0mm押し込んだ後の形状を比較する。 ・試験実施日: 2015年4月14日(火) ・試験場所: 島津製作所本社 三条工場 ・試験者: 島津テクノリサーチ ・計測機械: EZ Test EZ-LX (島津製作所社製) ・データ処理: TrapeziumX シングルソフト ・検体数: 5種類 × 各1本 Pantera LEO 3.5/15 mm A社 3.5/15 mm B社 3.5/15 mm C社 3.5/15 mm D社 3.5/15 mm

実 験 2

【背 景】

【実験】

balloon有効長 血管壁に接触し、 押し広げることができる長さ 0mm 地点 15mm 地点

(5)

12atm マーカー外々長(15mm) 推定有効長(15mm) 22atm マーカー外々長(15mm) 推定有効長(15mm) 12atm マーカー外々長(15mm) 推定有効長(15mm) 22atm マーカー外々長(15mm) 推定有効長(17.5mm) 12atm マーカー外々長(15mm) 推定有効長(15mm) 22atm マーカー外々長(15.5mm) 推定有効長(16mm) 12atm マーカー外々長(16.5mm) 推定有効長(15mm) 推定有効長(17mm) 12atm マーカー外々長(15mm) 推定有効長(13.5mm) マーカー外々長(15mm) 推定有効長(14mm) 22atm

Pantera LEO

A 社

B 社

C 社

D 社

(6)

・マーカーを指標とした拡張は、各メーカーによって長さが違う。 ・Dog bone現象により有効長が伸びる。 ・規格長はメーカーによって設定基準が違う。 以上3点において注意が必要と考える。 考察 現在市販されているNon-compliant-balloon は、balloon部分にSemi-compliantの様な柔軟性を持たせた通過性重視の 設計になっているモデルが少なくない。それらのballoon特性はそのcomplianceチャートから正確にはNon-compliantで はなくLow-compliant であり、拡張力は多少なりとも犠牲になっていると推測していた。実験-1はそれを裏付ける検証結 果であったと考えられる。 当然、balloon catheterのデリバリーに難渋する症例においてはこのような通過性重視のNon-compliant-balloonが必要 とされるが、その際、実験-2の検証結果からも推察できるように通過性重視のNon-compliant-balloonは柔軟性があるが 故に加圧によって一定の径とballoon有効長も伸長することに注意すべきである。病変が拡がらないからといってその特性 を知らず、必要以上に高圧をかけてしまい血管損傷を誘起することは避けるべきである。 本稿は、各社のNon-compliant-balloonの特性を知り、石灰化病変を安全にPOBAするうえで非常に有意義な情報である と考える。 監修者のコメント

(7)
(8)

【監修】 豊橋ハートセンター 循環器内科 部長

参照

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