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第17回日本助産学会学術集会集録 一般演題 (口演)(その6)

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助産学 生の分娩介 助技術の到達度 と実習指導 者の

学生指 導に関す る認識

国立病 院東京 医療 セ ンター 附属 東が丘 看護助 産学 校

石渕

夏子

○岩嶋

恭子

国立病院東京医療センター 産婦人科病棟

木下 好子

I緒 言 助 産 師 教 育 で は 「正 常 分 娩 の 介 助 」技 術 の 修 得 は 最 も重 要 な 課 題 で あ る。1997年 の 看 護 教 育 カ リキ ュ ラ ム の 変 更 以 来 、 学 生 の 分 娩 介 助 件 数 の 減 少 に よ る技 術 修 得 の 低 下 が 危 惧 され て い る 。1999年 ∼2002年 ま で の 学 生 卒 業 時 分 娩 介 助 件 数 を 平 均9例 以 上 を 維 持 す る た め に 分 娩 実 習 を 年 間 分 娩 件 数800件 以 上 の3施 設 で 行 う 、 夜 間 を 含 め た オ ン コ ー ル 体 制 な ど 実 習 場 と の 調 整 を 行 っ て い る。 実 習 指 導 体 制 は 教 員 ・助 手 と病 棟 の 実 習 指 導 者 と の 連 携 で 行 な って い る。 学 生 の 技 術 修 得 に と っ て 指 導 者 の 関 わ りは 重 要 な 要 因 で あ る 。 今 回 は 学 生 の 分 娩 介 助 技 術 到 達 度 と 、 そ の結 果 を も と に 指 導 に 対 す る 実 習 指 導 者 の 認 識 を 調 査 した 。 質 の 高 い 助 産 援 助 の 提 供 が 求 め られ て い る現 在 、助 産 師 の 分 娩 介 助 能 力 は さ ら に 向 上 させ て い く必 要 が あ る。 正 常 な 分 娩 を 安 全 に 介 助 で き る 能 力 は 卒 業 時 の 学 生 に と っ て 重 要 な 要 件 と考 え る 。 学 生 の技 術 修 得 を 向 上 さ せ る 効 果 的 な 指 導 方 法 に つ い て 指 導 者 か ら示 唆 が 得 られ た の で 報 告 す る。 II方 法 研 究 対 象:2001年 ・2002年 卒 業 生62人 の実 習 自 己 評 価 表431件(個 人 が 特 定 さ れ な い よ う に デ ー タ 処 理 し、分 析 す る こ と を説 明 して 了 解 を 得 た 。評 価 項 目 に 未 記 入 の も の は 除 い た 。) 分 娩 実 習 指 導 を 担 当 す る助 産 師(経 験4年 目 以 上)で 協 力 の得 られ た 実 習 指 導 者11名 研 究 方 法:分 娩 介 助 自 己 評 価 表 の 「と て も 良 くで き たjr良 く で き た 」「で き た 」あ ま りで き な か った 」 「で き な か った 」を5点 か ら1点 ま で 点 数 化 し平 均 得 点 を 算 出 した 。 そ の 結 果 、1 例 目か ら10例 目 ま で3点 「で き た 」 に 到 達 す る 技 術 と して 表 を作 成 した 。 そ れ に対 す る指 導 者 の 認 識 を 「技 術 の 要 因 」 「学 生 の 要 因 」 「指 導 上 の 要 因 」 に つ い て 、 無 記 名 ・自 由 記 述 式 ア ン ケ ー ト用 紙 で 調 査 した 。 配 布 と 回 収 は 病 棟 の 看 護 師 長 に 依 頼 した 。 回 収 率81、8%。 記 述 内 容 を す べ て コー ド化 し てkJ法 に よ り分 類 し た 。 III結 果 学 生 の 経 験 件 数 と と も に到 達 す る 技 術 は 表1の と お りで あ る。1例 目 で「で き た 」と す る 技 術 は 「介 助 時 の 無 菌 的 手 洗 い 」の1項 目 で あ る。2例 目で は 「産 痛 緩 和 へ の 援 助」 「ガ ウ ン テ ク ニ ッ ク 」「産 婦 へ の 分 娩 後 の ケ ア」「後 片 付 け 」 で あ り、3例 目で は 「胎 盤 お よ び 出 血 の 観 察 」「胎 盤 剥 離 兆 候 の 確 認 」で あ る 。 以 上 、 実 習 初 期 到 達 は7項 目で あ り全 技 術 項 目 の33.3%で あ る 。 120 日本 助 産 学 会 誌 第16巻 第3号(2003.3)

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5例 目 で は 「産 婦 の 基 本 的 欲 求 へ の 援 助」「児 娩 出後 の 産 婦 の 観 察 」の2項 目 があ り、7例 目で は 「外 陰 部 の 消 毒 」 「肛 門 の 保 護 」「躯 幹 の 娩 出 」「臍 帯 の 処 置 」 があ る。8例 目か らは 「呼 吸 法 の 指 導 」 「清 潔 領 域 の作 成 」 「胎 盤 の 娩 出 」の3 項 目が あ る。9例 目 か らは 「会 陰 の 保 護」「児 頭 の 娩 出 」 「出生 直 後 の 児 へ の 処置 」 が あ り、 実 習 後 期 達 成 は19項 目とな り、 全 体 の90.5%と な る。 未 到 達は 「肩 甲 の 娩 出 」と 「産 道 損 傷 の 確 認 」の2項 目で あ る 。 学 生 の 分 娩 介 助 到達 に対 す る実 習 指 導 者 の 認 識 は表2 のと お り既 習 技 術 、 学 内 演 習 と の ギ ャ ップ な ど 「技 術 の 難 度 の 問 題 」 や 学 生 の緊張 度 や 事 前 学 習 な ど 「学 生 の 準 備 性」、 指 導 者 側 の 問 題 と して 「不 適 切 な 指 導 方 法 」 「医 師 の 協 力 」で あ る 。 指 導 の 改 善 と して 「基 礎 から応 用 へ の 適 応」 「で き な か っ た 技 術 の 反 復 練 習 「状 況 設 定 練 習 」 「適 切 な 手 の 添 え 方 」 「医 師 への説 明 」な ど が あ げ られ た 。 V考 察 学 生 の 到 達 は 先 行 研 究 の 結 果 と ほ ぼ 同 様 の 結 果で あ った(松 村 他,1990)。 児 の 娩 出 に 直 接 関連 す る 、 状 況 に 合 わ せ た 援 助 は 難 度 が 高 い技 術で あ り6例 程 度 で は 修 得 で き ず 、7例 若 し くは9例 以 上 で 達 成 す る 。 この 学 生 の 評 価 に対 ノて 実 習 指 導 者 は 難 度 の 低 い 技 術 か ら 高 い 技 術 へ と 意 識 的 に 指 導 して い る指 導 者 自 身 の 指 導 方法 を 省 み て 、 妥 当 な 結 果 と し て 受 け 止 め て い る 。 そ して 、 難 度 の 高 い 技 術 の 達 成 に は 現 状 の経 験 は 必 要 と して い る も の の 、 指 導 方 法 の 改 善 に よ り、 よ り早 期 に 学 生 の 到 達 レベ ル を 向 上させ る こ と は 可 能 で あ る と考 え て い る。 I結 論 1)自 己 評 価 と し て の 産 婦 の ケ ア や 分 娩 の 準 備 、 分 娩 後 の 後 片 付 け な ど は 分 娩 介 助 経 験 件 数3例 程 度 で 達 成 す る 。2)児 の 娩 出 に 直 接 関 わ る難 度 の 高 い2項 目 の 技 術 以 外 は9例 目で 達成 す る 。3)実 習 指 導 者 は学 生 の 技 術 到 達 の 問 題 に つ い て 改 善 で き る と認 識 し て い る。 I文 献1) 松村恵子他: 助産婦学校 におけ る5年 間の臨床 での分娩 介助実習の実施結果[3]チ ェ ッ クリス トの効果II行動 目標 か ら学生の到達度 を明らか に し指 導方法を考え る , 看 護教育, 31(13), 1990. 表1経 験 件数と技術到達得点 衰2学 生 の到達度 に対 する実 習指導 者の認識

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4年 制大学 におけ る分娩介助実習 の教授法 の検 討

一分娩 介 助実 習到 達状 況 につ いて1期 生 と2期 生 の比

較-群馬大学医学部保健学科 ○ 常 盤 洋 子 土 江 田 奈 留 美 國 清 恭 子

中島久美子

今関

節子

I緒 言 こ こ数 年 、看 護 教 育 の 大 学 化 に伴 い 、大 学 に お け る 助 産 師 養 成 数 が 増 加 して い る1)。一 方 、 4年 制 大 学 教 育 に お け る分 娩 介 助 実 習 で は 、 過 密 ス ケ ジ ュー ル に よ る学 生 の 不 適 応 感 等 が 指 摘 され て お り2)、分娩 介 助 実 習 の 効 果 的 な 教 授 法 の 検 討 は 必 須 で あ る。 そ こ で 、 本 研 究 で は 、4年 制 大 学 に お い て 助 産 学 選 択 科 目 を履 修 した1期 生 と2期 生 の 実 習 到 達 状 況 の 比 較 、 お よび 、 実 習 に つ い て の 満 足 度 の 分 析 か ら4年 制 大 学 に お け る分 娩 介 助 実 習 の効 果 的 な 教 授 法 を検 討 す る こ と を 目的 とす る。 II方 法 1.調 査 方 法 調 査 期 間 は 、 平 成12年9月 ∼ 平 成13年12月 で 、 調 査 対 象 は 、 学 士 課 程 で 助 産 学 選 択 科 目 を履 修 した30名(1期 生15名 と 、2期 生15名)で あ る。 調 査 内 容 及 び 方 法 は 、助 産 実 習 状 況 、 臨 床 指 導 者 か ら の評 価 に よ る分 娩 介 助 実 習 到 達 度 、 学 生 に よ る 自記 式 質 問 紙 を用 い た 実 習 の満 足 度(0-100点)と 減 点 の理 由 、及 び23項 目か ら構 成 され る 達 成 動 機 測 定 尺 度3)か ら 構 成 され た 。 学 生 に は 、 この 調 査 が 研 究 の た め で あ り、 個 人 的 な 情 報 は 一 切 外 部 に 漏 れ な い こ とを 説 明 して 協 力 を求 め 、 同 意 が 得 られ た 。 2.実 習 指 導 体 制 お よび 実 習 状 況 1期 生 、2期 生 の 実 習 体 制 お よび 実 習 状 況 は 、 表1と 表2に 示 され た。 表1実 習指導体制2 表 実習状況 注)分 娩 介 助 実 習 は24時 間on-call制 で 実 施 さ れ た 。 尚 、 実 習 方 法 に つ い て は1期 生 の 結 果 か ら2期 生 は 、 実 習 時 期(初 期;1∼3例 、 中 期;4∼6 日本 助 産 学 会 誌 第16巻 第3号(2003.3) 122

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例 、 後 期7∼10例)を 考 慮 し た 分 娩 介 助 実 習 教 授 案4)を 作 成 し 、 振 り返 り 学 習 を 強 化 し た 。 III結 果 1.分 娩 介 助 実 習 到 達 状 況 分 娩 介 助 実 習 到 達 状 況 に つ い て1期 生 と2期 生 を 比 較 す る 目 的 で 、 実 習 時 期 を 独 立 変 数 と し、 分 娩 介 助 実 習 項 目別(入 院 時 診 断 、 助 産 計 画 、 分 娩 第1期 、 分 娩 第2期 、 分 娩 第3期 、 産 後 ケ ア)到 達 度 を 従 属 変 数 と し た 一 元 配 置 分 散 分 析 を 実 施 し た 。 そ の 結 果 、1期 生 は 、 す べ て の 項 目 に つ い て 、 初 期 よ り も 後 期 に お い て 有 意 に 得 点 が 高 く 、2期 生 は 、 入 院 時 診 断 以 外 の5つ の 項 目(助 産 計 画 、 分 娩 第1期 、分 娩 第2期 、 分 娩 第3期 、産 後 ケ ア)に つ い て は 、 初 期 よ り 中 期 、 中 期 よ り後 期 と 実 習 時 期 が 進 む に つ れ て 有 意 に 到 達 度 得 点 が 上 昇 し た 。 2,実 習 終 了 時 に お け る 満 足 度 と 達 成 動 機 の 関 係 達 成 動 機 測 定 尺 度(価 値 あ る 仕 事 に 挑 戦 し 、 成 し 遂 げ よ う とす る 傾 向 の 強 さ を 測 定 す る) に つ い て 主 成 分 分 析 を 行 っ た 結 果 、I-T(項 目.全 体)相 関0.5以 上 、 因 子 負 荷 量0.4以 上 で 「自 己 充 実 的 達 成 動 機 」 を 構 成 す る1因 子(15項 目)が 抽 出 され た(寄 与 率40 .6%、Cronbach's α係 数0.87)。 ま た 、 満 足 度(平 均80点,SD10.5)と 自 己 充 実 的 達 成 動 機 尺 度 の 相 関 求 め た 結 果 、 有 意 な 高 い 相 関 が 得 ら れ た(r=058,p<0.05)。 満 足 度 の 減 点 理 由 の 主 な も の は 分 娩 介 助 例 数 が10例 に 満 た な か っ た 、 産 婦 と の 関 わ りが 少 な か っ た 、 技 術 が 未 熟 な ど で あ っ た 。 IV考 察 分 娩 介 助 到 達 状 況 に つ い て 、1期 生 に 比 べ2期 生 は 段 階 的 に 得 点 が 有 意 に 上 昇 し て い る こ とか ら 実 習 が よ り 有 効 的 で あ っ た こ と が 示 唆 さ れ た 。 こ れ は1期 生 と2期 生 で は 実 習 体 制 、 実 習 状 況 に 大 き な 相 違 が な い た め 、 実 習 時 期 別 の 実 習 目標4>を ふ ま え た 振 り返 り学 習 の 強 化 に よ る と考 え られ る。 ま た 、 実 習 に 対 す る 満 足 度 が 上 昇 す る こ と で 自 己 充 実 的 達 成 動 機 、 す な わ ち 助 産 師 の 仕 事 に 挑 戦 し 、 成 し遂 げ た い と い う気 持 ち を 高 め た こ と が 示 唆 され た 。 よ っ て 、 満 足 度 の 減 点 理 由 を 改 善 す る こ と で 、 よ り効 果 的 な 教 授 法 に つ な が る と 考 え られ る 。 V結 論 1.実 習 時 期 の 目標 を ふ ま え た1例 ご と の 振 り返 り を 行 う教 授 法 は 、 実 習 到 達 度 を 向 上 さ せ る 効 果 が あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。 2.学 生 の 満 足 度 を 高 め 助 産 師 の 仕 事 に 対 す る 向 上 心 を 育 て る た め に は 、 分 娩 第1期 か ら の 産 婦 へ の 関 わ り と10例 の 分 娩 介 助 を 可 能 に す る こ と が 有 効 で あ る こ と が 示 唆 さ れ た 。 VI引 用 文 献 1) 加藤 尚美: 助産婦養成数か ら見えて くるもの-深 刻な助産婦不足の予測. 助産婦, 55 (2) : 21. 29, 2001. 2) 三井政子・他: 学士課程における助産学教育の現状 と課題. 京都大学医療短期大学部紀要, 10, 31. 37. 3) 堀洋道・山 本真理子・松 井豊: 人 間と社会を測 る 心理尺度 ファイル. Pp172-175, 垣 内出版, 1996, 4) 常盤洋子・今 関節子: 4年 制大学における分娩介助実習の効果的 な教授法の検討 実習状況および実習到達度の分析か ら. 助産婦雑誌, 56 (6) : 69-75, 2002,

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22大

学教 育 カ リキ ュ ラム に お け る助 産 学 実 習 の 検 討(第1報)

一 助産学実習期間の学生の疲労 ・不安 ・課題達

成の推移-名古屋大学医学部保健学科 ○ 渡 邊 実 香 赤 川 里 美 岡 山 久 代

濱松加寸子

玉里八重子

森田せつ子

I緒 言 当 大 学 の 前 身 で あ る 、 医 療 技 術 短 期 大 学 専 攻 科 時 代 の助 産 師 教 育 は助 産 学 を 中 心 に1 年 間教 育 で あ り、助 産 学 実 習 は 約3ヶ 月 間 で あ っ た 。 一 方 、 現 在 の 当 大 学 助 産 学 実 習 は 4年 制 の カ リキ ュ ラム の 中 に組 み 込 まれ 、4年 時 の 夏 休 み 期 間 を 中 心 に分 娩 介 助10例 を 目標 と し、 助 産 学 に 必 要 な ケ ア 技 術 や 助 産 診 断 能 力 を習 得 しな けれ ば な ら な い。 短 期 間 で これ らの 課 題 を 達 成 す る 為 に 学 生 は 臨床 施 設 へ の 環 境 適 応 を ス ム ー ズ に行 い 、 さ らに 習 得 した 知 識 や 技 術 を活 用 し状 況 判 断 を 要 求 され る こ とに な る。 こ の よ うな状 況 下 で 不 安 や 緊 張 を覚 え 、 ま た そ れ が未 知 の もの で あれ ば あ る ほ ど緊 張 や 不 安 は 大 き い と い わ れ て い る1)。1年 間 コー ス に お け る助 産 学 実 習 に 関 す る不 安 の 程 度 や 疲 労 状 況 を 調 査 した 結 果 、 実 習 時 の状 態 不 安 は 高 得 点 を示 し1)疲 労 状 態 は 実 習 前 よ りも増 加 す る とい っ た 報 告 が あ る2)。 大 学 教 育 課 程 で の助 産 学 実 習 期 間 に お い て 学 生 の疲 労 ・不 安 の 推 移 や 、 自 己課 題 の 達 成 度 を 明 確 化 す る こ とで 、 よ り効 果 的 な 実 習 の あ り方 を模 索 す る 足 が か りに な る は な い か と考 え 、 本 調 査 を実 施 した 。 II方 法 対 象 は 、 調 査 の意 図 を説 明 し了 解 の得 られ た某 大 学 助 産 選 択 学 生14名 。 記 名 式 質 問 調 査 と し調 査 期 間 は 、平成14年7月18日 ∼8月30日 。実 習 開 始 前 と以 後2週 間 毎 に 合 計4回 実 施 した 。 調 査 内容 は 、 山 崎 らに よ る蓄 積 疲 労 徴 候 調 査 票 の 簡 約 化 版(CFSI)の 疲 労 の18項 目(Cronbach'sα=0.67∼0.92)、The State-Trait Anxiety Inventory日 本 語 版 (STAI)の 状 態 不 安(STATE)の20項 目(Cronbach'sα=0.92∼0.96)及 び 特 性 不 安(TRAIT) の20項 目(Cronbach'sα=0.87∼0.91)に よ る不 安 の 程 度 、Self-Efficacy日 本 語 版(SE尺 度)の 特 性 的 自 己 効 力 感 尺 度(自 己 効 力 感)の23項 目(Cronbach'sα=0.89∼0.92)。 ま た 、 今 回 の調 査 に お い て 助 産 技 術 到 達課 題(自 己 評 価)は 、 全 国 助 産 師 協 会 の 指 針 に基 づ き6 因 子35項 目を4段 階 の リカ ー トに て 記 入 して も らっ た 。研 究 者 は 、実 習 担 当教 官 で あ り 各 実 習 施 設 に お け る 臨床 指 導 者 と と も に 同 大 学 教 授 お よび 助 手 が 指 導 に携 わ っ て い る。 実 習 形 態 は6グ ル ー プ7施 設 に 分 け られ 、24時 間待 機 実 習3施 設 、そ の 他 は 日勤 帯 の 実 習 が 中 心 とな っ て い た 。 日本 助 産 学 会 誌 第16巻 第3号(2003.3) 124

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分 析 は 、統 計 ソ フ トのSPSS10.0 for Windowsに て 、Pearsonの 相 関 係 数 の 算 出 、1元 配 置 分 散 分 析 に よ る 検 定 、 を 行 っ た 。 III結 果 調 査 項 目 ご と に お け る1元 配 置 分 散 分 析 の 結 果STATEの1回 目 と4回 目 に 有 意 な 差 が 認 め ら れ(p<0.05)実 習 経 過 と と も に 不 安 は 軽 減 さ れ て い く こ と が 示 唆 さ れ た 。 自 己 評 価 に お い て1回 目 と3回 目 ・4回 目、2回 目 と4回 目 に 有 意 に 差 が 認 め ら れ(p<0.05) 実 習 経 過 と と も に 自 己 評 価 に よ る 技 術 課 題 は 達 成 され て い っ た と考 え られ た(図1)。 調 査 回 数 ご と の 質 問 項 目 と の 相 関 は 、1回 目 は 疲 労-STATE、 疲 労-TRAIT、 自 己 効 力 感 一TRAIT 、STATE-TRAIT、2回 目 は 自 己 効 力 感-TRAIT、STATE-TRAIT、3回 は 疲 労-TRAIT、 自 己 効 力 感-TRAIT、STATE-TRAIT、 自 己 評 価 一 自 己 効 力 感 、4 回 目 は 疲 労 一TRAIT、 自 己 効 力 感-TRAIT、STATE-TRAIT、 自 己 評 価-STATE、 の 間 に 有 意 な 相 関 が 認 め ら れ た(表1)。 自 己 効 力 感-TRAIT及 びSTATE-TRAITと の 相 関 は 毎 回 認 め られ 、 個 人 の 行 動 能 力 に 対 す る 確 信 の 程 度 は 特 性 不 安 と 関 与 す る こ と が 示 唆 され た 。 表1相 関 の み られ た 質 問 項 目(pearsonの 相 関 係 数) 1回 目2回 目3回 目4回 目 疲 労-S丁ATE0.55* 疲 労-TRAIT0.79**0.69**0.58* 自 己 効 力 感-TRAIT-0.75**-0.73**-0.77**-0.63* STATE-TRAIT0.55*0.64*0.84**0.81** 自己評価-STATE-0.69** 自己評価-自 己効 力感0.61* * p<0.05** p<0.01 調 査 回 数 図1自 己評 価 平 均 合計 得 点*p<0.05 IV考 察 ・結 論 本 調 査 結 果 よ り助 産 学 生 の 疲 労 は 実 習 中 大 き く変 化 す る こ と な く 推 移 し 、 自 己 評 価 に よ る 技 術 課 題 は 実 習 経 過 と と も に 達 成 さ れ る こ と が 明 確 と な っ た 。 不 安 は 実 習 開 始 時 点 よ り高 く 推 移 し 予 定 実 習 終 了 時 に 低 下 す る な ど 、 不 安 状 態 は 実 習 期 間 中 継 続 し て い た と 考 え ら れ た 。 さ ら に 不 安 は 個 人 の 遂 行 確 信 程 度 に 影 響 を 及 ぼ して い る こ と が 示 唆 さ れ た こ と な ど か ら 、 不 安 の 高 い 学 生 に は 、 実 習 開 始 前 か ら 不 安 軽 減 の 為 の 援 助 や 安 心 し て 実 習 に 望 め る よ う な 環 境 調 整 な ど も 必 要 と な っ て く る と 考 え ら れ た 。 し か し 、本 研 究 は 対 象 人 数 が14名 の た め 、一 般 化 に は 限 界 が あ り今 後 も調 査 を 重 ね て い く必 要 が あ る と 考 え ら れ る 。 V文 献 1) 村 山陵 子, 渡 邊 典子: 助 産婦 教 育 にお ける分 娩 介助 実 習 の検 討 (第2報) -分 娩 介助 実 習 で の学 生 の ス トレス反 応 の 測 定-, 日本 看護 科 学会 誌, 22 (1), 44-52, 2002. 2) 松 村 十 和, 山下 信子, 神 谷和 世, ほ か: 助産 学 実 習 にお け る性 格 特性 とス トレス ー学 内 実習 と臨 床 実 習-, 聖 霊 学 園 浜 松衛 生 短 期 大 学紀 要, 17, 95-104, 1994.

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大学教育カ リキ ュラムにおけ る助産学実習の検討(第2報)

助産学実習期間の学生の疲労への影響要因-名古屋大学医学部保健学科 ○ 赤 川 里 美 渡 邊 実 香 岡 山 久 代

濱松加寸子

玉里八重子

森田せつ子

I緒 言 助 産 師 教 育 の 変 遷 にお い て 、4年 制 大 学 の カ リキ ュ ラ ム の 中 で は 、 短 期 間 に集 中 した 実習 形 態 とな っ て い る。1年 間 コー ス の カ リキ ュ ラ ム に お け る助 産 学 実 習 に 関 す る不 安 の程 度 や 疲 労 状 況 を調 査 した 結 果 、 実 習 前 の状 態 不 安 は 高 得 点 を示 し疲 労 状 態 は 実 習 前 よ りも増 加 す る とい っ た報 告 が あ る2)。 本研 究 の 第1報 で は 、 学 生 の疲 労 感 に つ い て 、 実 習 中の 大 き な 変 化 は認 め られ な か っ た 。 しか し、 実 習 の 進 行 に 伴 い 、 取 り巻 く環 境 、 求 め られ る能 力 な ど、疲 労 感 に対 す る さま ざま な要 因 の 変 化 が 予 測 され る。 疲 労 は 、 日 常 生 活 や 健 康 へ の 身 体 的 な影 響 だ け で な く精 神 的 な 不 安 兆 候 や 労働 意 欲 へ の低 下 に 結 び つ く。 学 生 が 効 果 的 な 実 習 を行 うた め に 、疲 労 感 の軽 減 を 図 る必 要 が あ る と考 え 、 実 習 期 間 の 変 化 に 伴 う疲 労 感 へ の影 響 要 因 を 明 らか に す る こ と を 目的 に 本 研 究 を 行 っ た 。 II方 法 対 象 は 、 調 査 の 意 図 を 説 明 し了 解 の 得 られ た 某 大 学 医 学 部 看 護 学 科 助 産 選 択 学 生14 名 。 記 名 式 質 問 調 査 と し、 調 査 期 間 は 、 平 成14年7月18日 か ら8月30日 で 、 測 定 実 施 日は 実 習 開 始 直 前 と以 後2週 間毎3回 の合 計4回 で あ る。調 査 内 容 は 、第1報 と同様 の 蓄 積 疲 労 徴 候 調 票(CFSI)簡 約 化 版 に よ る疲 労 感 得 点 、 日本 語 版STAI(The State-TraitAnxietyInventory)に よ る 不 安 得 点 、 特 性的 自 己効 力 感 尺 度(邦 訳 版)に よ る 自己効 力 感 得 点 、 全 国 助 産 婦 教 育 協 議 会 の指 針 に基 づ い た 助 産 技 術 評 価 表 に よ る助 産 技 術 に対 す る 自己評 価(6下 位 ス ケ ー ル 計35項 目)、 そ の 他 疲 労 に 関連 す る と思 われ る6項 目(有 効 な 時 間 の活 用 、 チ ー ム メ ンバ ー との 関係 、 臨 床 指 導 者 との 関係 、 担 当 教 官 との 関係 、指 導 者 以外 の ス タ ッ フ との 関係 、経 済 的 心 配)、 待 機 の 有 無 、分 娩 介 助 数 で あ る。疲 労 に 関 連 す る と思 われ る6項 目 と助 産 技 術 に 対 す る 自 己評 価 は4段 階 リカ ー ト で 、 得 点 が 高 い ほ ど良好 で あ る、 と した。 実 習 形 態 は6グ ル ー プ7施 設 に分 け られ て い る。 実 習 施 設 に よ り実 習 時 間 は異 な り、24時 間待 機 実 習 施 設 は3施 設 で あ り、そ の 他 は 日勤 帯 中 心 の 実 習 形 態 で あ っ た 。 研 究 者 は 、 実 習 担 当教 官 で あ り、 各 施 設 に お い て は 同 大 学 教 授 お よび 助 手 、非 常 勤 の 教 官 が 臨床 指 導 者 と と も に指 導 に 携 わ っ て い る。分 析 は 、 統 計 ソ フ トのSPSS10.0 J for Windowsに て 、Pearsonの 相 関 係 数 の 算 出 、 重 回 帰 分 析

日本助 産 学 会 誌 第16巻 第3号(2003,3)

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を 行 っ た 。 III結 果 は じめ に 、 疲 労感 とそ の他 の 調 査 項 目の 相 関 を み る た め 、Pearsonの 相 関 係 数 を算 出 した。 結 果 を表1に 示 した 。 そ れ ぞ れ の時 期 に お け る疲 労 感 は 、 実 習 直 前 の 状 態 不 安 と 特 性 不 安 、4週 目終 了 時 の 特 性 不 安 と指 導 者 以 外 の ス タ ッ フ との 関係 、6週 目終 了 時 の 特 性 不 安 との 関連 性 が 示 され た 。 次 に 、 疲 労 へ の 影 響 要 因 を 分 析 す るた め 、 従 属 変 数 を 疲 労感 、 そ の他 の 項 目 を独 立 変 数 と し、 実 習 直 前 、2週 目終 了 時 、4週 目終 了 時 、6週 目終 了 時 、 それ ぞ れ に ス テ ップ ワイ ズ 法 を 用 い た 重 回 帰 分 析 を行 っ た。 結 果 を表2に 示 した そ の結 果 、 実 習 直 前 と6週 目終 了 時 の疲 労 感 に は 特 性 不 安 の み が 有 意 な影 響 力 を 示 し、4週 目終 了 時 の 疲 労 感 に は 特 性 不 安 、 分 娩 介 助 実習直前2週 目終了時4週 目終了時6週 目終了時 状態不 安0.55*0.480.530.33 特性 不安0.79**0.190.69**0.58* 自己効力感-0.440.34-0.46-0.1 分 娩介助数0.360.520.2 助産技 術自己評価-0.210.31-0.2-0.22 有効な時間の 活用-0.220.3-0.45-0.28 チ 「ム メンバ ーとの関 係0.460.04-0.190.14 臨 床指導者 との 関係0.190.51-0.45-0.16 担 当教 官との関係-0.290.4-0.49-0.24 指導 者以外 のスタッフとの関 係0.170.37-0.63*-0.16 経済的心 配-0.47-0.18-0.53-022 Pearsonの 相関係数N=14,**p<0.01,*p<0.05 p 表2疲 労感に関す る重回帰 分析の結 果 実習 直前2週 目終 了時4週 目終 了時6週 目終 了時 特 性 不 安0.79*0.38*0.58* 分娩数0.38* 指導者 以外の他 の -0 .51** スタッフとの関係 調 整済みR2乗0.590.720.28 ステ ップワ イズ法,標 準 偏 回 帰 係 数(β),***p<0.001,**p<0.01,*p<0 .05 数 、 指 導 者 以 外 の ス タ ッ フ との 関 係 が 有 意 な影 響 力 を示 した 。 IV考 察 本研 究 結 果 よ り、 助 産 専 攻 学 生 の 実 習 中 の疲 労感 は 、 実 習 開 始 時 と終 了 時 に は 特 性 不 安 に影 響 を受 け て い る こ とが 示 され た。 しか し、 実 習 施 設 に慣 れ 、 見 学 か ら 自分 で 介 助 を行 うとい う境 界 期 で あ る 実 習 第2週 目終 了 時 とい う時 期 に は 、 本 研 究 で 調 査 した 因 子 以 外 の影 響 要 因 の 存 在 が窺 わ れ 、 実 習 第4週 目終 了 時 に は 、 分 娩 件 数 が進 む こ とに よ り 分 娩 介 助 、 記 録 、反 省 会 、 カ ン フ ァ レ ンス な どそれ に 付 随 す る もの も増 え て くる こ と、 ま た 、指 導 者 以 外 の ス タ ッフ との 関 係 性 との 関 連 が示 す よ うに 、 実 習 中 の人 間 関係 も疲 労 感 に影 響 を 及 ぼす こ とが 示 され た 。 実 習 前 の 性 格 特 性 を 把 握 して お くこ とが 重 要 で あ り、 実 習 の 時 期 や 学 生 の 個 別 性 に 合 わ せ た 実 習 環 境 調 整 が 求 め られ る。 しか し、 本 研 究 は 対 象 人 数 が14人 の た め 、一 般 化 に は 限界 が あ り、今 後 も調 査 を重 ね て い く必 要 が あ る。 V結 論 実 習 期 間 中 の 疲 労 感 に は 、 特 性 不 安 の影 響 が 大 き い が 、 実 習 の進 行 に伴 い 、 分 娩 介 助 数 や 実 習 環 境 も影 響 を及 ぼ して い た。 VI文 献 1) 南妙子ほか: 初回臨地実習における看護学生の不安 と疲 労感の関連, 香川 医科大学医学部看護 学雑 誌, 4 (1), 25-32, 2000. 2) 村松十和ほか: 助産学実習 における性格特 性 とス トレスー学内実習 と臨床 実習一, 聖霊学園浜松衛 生短期 大学紀要, 17, 95-104, 1994.

参照

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