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はしがき 配偶者控除 と 配偶者特別控除 は 昭和 36 年と昭和 62 年の税制改正で導入された歴史ある制度です ここ数年 配偶者控除の改正について様々な議論が行われてきましたが 平成 29 年度税制改正において 就業調整を意識しなくて済む仕組みを構築する観点から配偶者控除と配偶者特別控除の見直し

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Academic year: 2021

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はしがき

 「配偶者控除」と「配偶者特別控除」は、昭和36年と昭和62年の税制改正で導入 された歴史ある制度です。  ここ数年、配偶者控除の改正について様々な議論が行われてきましたが、平成 29年度税制改正において、就業調整を意識しなくて済む仕組みを構築する観点 から配偶者控除と配偶者特別控除の見直しが行われました。新たな制度は、平成 30年分の所得税から(住民税は平成31年度分から)適用されます。  実務的には、平成30年1月支給給与の源泉徴収事務から改正の影響を受けるこ とになります。平成30年といいますと少し先のように感じられますが、平成30 年分の「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を受け取るときには、見直しの内 容について理解しておく必要があります。  平成30年1月からの源泉徴収実務に本冊子をお役立ていただければ幸いです。 目次

Q1

配偶者控除の見直しの概要は? ……… 2

Q2

源泉徴収方法はどのように変わるの? ……… 6

Q3

配偶者に係る扶養親族等の数の数え方は? ……… 9

Q4

扶養控除等申告書の変更点は? ………12

Q5

配偶者控除等申告書とは? ………15

Q6

毎月の源泉徴収で考慮されず年末調整で適用を受けるケースとは? ………16 参考1 給与所得の源泉徴収税額表(月額表)(平成30年分) ………20 参考2 給与所得の源泉徴収税額表(日額表)(平成30年分) ………27 参考3 賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表(平成30年分) ………34 参考4 月額表の甲欄を適用する給与等に対する税額の電算機計算の特例 (平成30年分) ………36 ※この小冊子は、平成29年10月1日現在の法令等によっています。

(3)

配偶者控除等の見直しの概要は?

Q1

 平成29年度税制改正による配偶者控除・配偶者特別控除の見直しの概要を教え てください。 控除額が38万円となる配偶者の所得制限の引上げ

1

配偶者控除の適用に納税者本人の所得制限を設定

2

納税者本人の所得に応じて控除額が逓減する仕組みの導入

3

※1 給与所得のみの場合、給与収入103万円以下 ※2 給与所得のみの場合、給与収入150万円以下 ※3 給与所得のみの場合、給与収入1,220万円以下 【配偶者の所得制限】 合計所得金額 38万円以下 改正前 改正後 合計所得金額85万円以下 【納税者本人の所得制限】 所得制限なし 改正前 改正後 合計所得金額1,000万円以下 【配偶者控除額】 一律38万円 改正前 改正後 合計所得金額が900万円を超えると控除額は 段階的に減少 【配偶者特別控除額】 配偶者の合計所 得金額に応じた 控除額 改正前 改正後 配偶者の合計所得金額が同じでも、納税者本人の 合計所得金額が900万円を超えると控除額は 段階的に減少 ※1 ※2 ※3

A1

 平成29年度税制改正において、就業調整を意識しなくて済む仕組みを構築す る観点から配偶者控除と配偶者特別控除の見直しが行われました。見直しのポ イントは下記のとおりです。これらは、平成30年分の所得税(住民税は平成31 年度分)から適用されます。 解 説

1

見直しのポイント

 見直しのポイントは、次の3つです(5ページ参照)。

(4)

1

控除額が38万円となる配偶者の所得制限の引上げ

 改正前後で、配偶者控除の対象となる配偶者の所得制限(合計所得金額38万円以下)に見直し はありません。今回の見直しで、38万円控除される配偶者の範囲が広がっていますが、これは配 偶者特別控除の適用範囲が拡大されたことによります。(→ 参照)  

2

配偶者控除の適用に納税者本人の所得制限を設定

 改正前は、配偶者控除の適用に納税者本人の所得制限はありませんでした。改正後は、納税者 本人の所得に上限が設けられます。具体的には、納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超え ると、配偶者控除の適用を受けることができなくなります。(→ 参照)  なお、配偶者特別控除の適用には、改正前から納税者本人の所得制限(合計所得金額1,000万 円以下)がありました。この所得制限に変更はありません。  以上より、改正後は、納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超えると、配偶者控除と配偶 者特別控除のいずれも適用できません。

3

納税者本人の所得に応じて控除額が逓減する仕組みの導入

 改正前の配偶者控除額は、一律38万円でした。改正後は、納税者本人の合計所得金額が900 万円超1,000万円以下にある場合には、控除額が段階的に減少する仕組みとなります。(→ 参照)  また、配偶者特別控除についても、改正後は、納税者本人の合計所得金額が900万円超1,000 万円以下にある場合には、控除額が段階的に減少する仕組みとなります。(→ 参照)

2

改正後の配偶者控除

 改正後の配偶者控除額は、次のとおりです。納税者本人の合計所得金額が900万円を超える と、控除額は26万円(老人控除対象配偶者は32万円)、13万円(老人控除対象配偶者は16万 円)と減少し、1,000万円を超える納税者は配偶者控除を適用できません。 配偶者控除額

38

万円 (老48万円)

26

万円 (老32万円)

13

万円 (老16万円) 納税者本人の合計所得金額(万円) 900 950 1,000 1,000万円を 超えるとゼロ (注)「老」は、老人控除対象配偶者(70歳以上)の場合の控除額 3 2 2 3

Q

Q

(5)

3

改正後の配偶者特別控除

 配偶者特別控除の対象となる配偶者の合計所得金額は、改正前の「38万円超76万円未満」か ら「38万円超123万円以下」に引き上げられます。一方で、納税者本人の合計所得金額が900 万円を超えると控除額は減少します。  なお、改正前と同様に、納税者本人の合計所得金額が1,000万円を超えると配偶者特別控除は 適用できません。  改正後の配偶者特別控除額は、次のとおりです。 配偶者特別控除額

38

万円~

3

万円

26

万円

2

万円

13

万円

1

万円 納税者本人の合計所得金額(万円) 900 950 1,000 1,000万円を 超えるとゼロ

(6)

■改正後の配偶者控除額と配偶者特別控除額の一覧表 納税者本人の合計所得金額 (給与所得だけの場合の納税者本人の給与等の収入金額) 【参考】 配偶者の収入が給 与所得だけの場合 の配偶者の給与等 の収入金額 900万円以下 (1,120万円以下) 900万円超 950万円以下

1,120万円超 1,170万円以下

950万円超 1,000万円以下

1,170万円超 1,220万円以下

配偶者控除 配偶者の合計所得金額   38万円以下 38万円 26万円 13万円 1,030,000円以下 老人控除対象配偶者 48万円 32万円 16万円 配偶者特別控除 配偶者の合計所得金額   38万円超   85万円以下 38万円 26万円 13万円 1,030,000円超1,500,000円以下   85万円超   90万円以下 36万円 24万円 12万円 1,500,000円超1,550,000円以下   90万円超   95万円以下 31万円 21万円 11万円 1,550,000円超1,600,000円以下   95万円超 100万円以下 26万円 18万円 9万円 1,600,000円超1,667,999円以下 100万円超 105万円以下 21万円 14万円 7万円 1,667,999円超1,751,999円以下 105万円超 110万円以下 16万円 11万円 6万円 1,751,999円超1,831,999円以下 110万円超 115万円以下 11万円 8万円 4万円 1,831,999円超1,903,999円以下 115万円超 120万円以下 6万円 4万円 2万円 1,903,999円超1,971,999円以下 120万円超 123万円以下 3万円 2万円 1万円 1,971,999円超2,015,999円以下 123万円超 0万円 0万円 0万円 2,015,999円超 (注)合計所得金額が1,000万円を超える納税者は、配偶者控除及び配偶者特別控除の適用を受けることはできません。 (出典:国税庁「源泉所得税の改正のあらまし 平成29年4月」一部加工)

Q

Q

(7)

源泉徴収方法はどのように変わるの?

Q2

 平成29年度税制改正により、給与と賞与に対する源泉徴収税額の計算方法が一 部変わると聞きました。どのように変わるのでしょうか。

A2

 源泉徴収税額表の甲欄を適用して源泉徴収する場合の、扶養親族等の数の計 算における配偶者の取扱いが変わります。平成30年1月支給分から変更となり ます。

1

用語の定義

 今回の見直しに伴い、配偶者に関して3つの用語が定義されました。 用  語 定  義 ① 源泉控除対象配偶者 (控除額※1が38万円となる配偶者) 納税者(合計所得金額900万円以下に限る)と生計を一にす る配偶者※3で、合計所得金額が85万円以下の人 納税者本人:合計所得金額≦900万円 配偶者:合計所得金額≦85万円 ② 同一生計配偶者 (障害者控除の対象となる配偶者) 納税者と生計を一にする配偶者※3で、合計所得金額が38万円 以下の人(改正前の控除対象配偶者に該当) 納税者本人:所得制限なし 配偶者:合計所得金額≦38万円 ③ 控除対象配偶者※2 (配偶者控除の対象となる配偶者) 同一生計配偶者のうち、合計所得金額が1,000万円以下の納税者の配偶者※3 納税者本人:合計所得金額≦1,000万円 配偶者:合計所得金額≦38万円 ※1 配偶者控除額又は配偶者特別控除額 ※2  改正前の控除対象配偶者とは定義が異なります。改正前は、控除対象配偶者の定義に納税者本人の所得要件は設けられてい ませんでした。なお、控除対象配偶者のうち70歳以上の人を、老人控除対象配偶者といいます。 ※3 いずれも、青色事業専従者等に該当する配偶者は除かれます。  以上①、②、③の配偶者を、納税者本人の所得及び配偶者の所得との関係で整理すると次の とおりです。 解 説

(8)

0 85 〔配偶者の合計所得金額〕 (万円) 〔納税者本人の 合計所得金額〕 (万円) 38 ■配偶者の範囲 ①源泉控除対象配偶者 ①源泉控除対象配偶者 ②同一生計配偶者 ③控除対象配偶者 ③控除対象配偶者 900 950 1,000 (出典:国税庁「源泉所得税の改正のあらまし 平成29年4月」一部加工)

2

改正後の扶養親族等の数の計算方法

1

原則的な取扱い

 甲欄を適用して源泉徴収税額の計算を行うとき、改正前の取扱いでは、控除対象配偶者に該 当する配偶者がいる場合、扶養親族等の数に1人を加算していました。  平成30年1月以後に支給する給与等では、配偶者が源泉控除対象配偶者に該当する場合に、 扶養親族等の数に1人を加算することになります。 改正前 改正後 配偶者=控除対象配偶者 納税者本人の合計所得金額:要件なし 配偶者の合計所得金額≦38万円 扶養親族等の数に1人加算 配偶者=源泉控除対象配偶者 納税者本人の合計所得金額≦900万円 配偶者の合計所得金額≦85万円 扶養親族等の数に1人加算

2

配偶者が障害者に該当する場合の取扱い

 改正前は、控除対象配偶者が障害者に該当する場合、扶養親族等の数に1人(同居特別障害 者に該当する場合には2人)を加算していました。平成30年1月以後に支給する給与等では、 同一生計配偶者が障害者に該当する場合に、扶養親族等の数に1人(同居特別障害者に該当す る場合には2人)を加算することになります。  なお、定義に使う用語が変わりましたが、下記のとおり実質的な取扱いは変わっていません。 (改正前の定義)

Q

Q

(9)

改正前 改正後 控除対象配偶者=障害者 納税者本人の合計所得金額:要件なし 配偶者の合計所得金額≦38万円 扶養親族等の数に1人加算 (同居特別障害者の場合は2人加算) 同一生計配偶者=障害者 納税者本人の合計所得金額:要件なし 配偶者の合計所得金額≦38万円 扶養親族等の数に1人加算 (同居特別障害者の場合は2人加算)

3

まとめ

 改正後の配偶者に係る扶養親族等の数の計算方法をまとめると、次のとおりです。  納税者本人の合計所得金額を見積もる必要があること、また、源泉控除対象配偶者に該当す るのは合計所得金額が85万円以下の配偶者である(配偶者特別控除の対象となる配偶者も一部 含まれる)ことに注意が必要です。 ■配偶者に係る扶養親族等の数の数え方 納税者本人の合計所得金額 (給与所得だけの場合の納税者本人の給与等の収入金額) 900万円以下 (1,120万円以下) 900万円超 950万円以下

1,120万円超 1,170万円以下

950万円超 1,000万円以下

1,170万円超 1,220万円以下

1,000万円超 (1,220万円超) 配偶者の合計所得金額 (給与収入だけの場合の配偶者の給与等の収入金額) 38万円以下 (103万円以下) 1人 0人 0人 0人 38万円超 85万円以下

103万円超 150万円以下

1人 0人 0人 0人 85万円超 (150万円超) 0人 0人 0人 0人 (注) 給与等に対する源泉徴収税額の計算における扶養親族等の数は、上図により求めた配偶者に係る扶養親族等の数に、控除対 象扶養親族に係る扶養親族等の数等を加えた数となります。 (出典:国税庁「源泉所得税の改正のあらまし 平成29年4月」一部加工) (改正前の定義) 配偶者が障害者に該当する場合は1人(同居特別障害者の場合は2人)加算

(10)

配偶者に係る扶養親族等の数の数

え方は?

Q3

 源泉徴収するとき、配偶者について、扶養親族等の数をどのように計算するのか 具体例を示してください。

A3

 甲欄を適用して源泉徴収するとき、配偶者に係る扶養親族等の数は次のよう に計算します。   ① 配偶者が源泉控除対象配偶者に該当する場合⇒1人加算 ② 同一生計配偶者が障害者(一般、特別)に該当する場合⇒1人加算 ③ 同一生計配偶者が同居特別障害者に該当する場合⇒2人加算  改正前は、配偶者に係る扶養親族等の数を計算するとき、納税者本人の合計 所得金額を考慮する必要はありませんでした。改正後は、源泉控除対象配偶者 の定義に、「納税者本人の合計所得金額900万円以下」という要件が加えられて います。  扶養親族等の数の具体的な計算方法を、納税者の合計所得金額(見積額)が900万円超の場 合と900万円以下の場合に分けて解説します。

1

納税者本人の合計所得金額(見積額)が900万円超の場合

 納税者本人の合計所得金額(見積額)が900万円を超えている場合、配偶者は、所得金額に 関わりなく源泉控除対象配偶者には該当しません。  配偶者が同一生計配偶者に該当し、かつ障害者にも該当する場合には、扶養親族等の数に1人 加算します。 ■扶養親族等の数の計算方法(概要) 配偶者の合計所得金額(見積額) 障害者 扶養親族等の数 38万円以下 (同一生計配偶者) 該当する 1人※ 該当しない 0人 38万円超 該当する 0人 該当しない 0人 ※同居特別障害者に該当する場合には2人 解 説 =改正前後で計算方法が変わった部分

Q

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参照

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