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目 次 Ⅰ. 研究開発の目的 Ⅱ. 研究開発の内容

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平成24年度

漁場環境・生物多様性保全総合対策委託事業

赤潮・貧酸素水塊漁業被害防止対策事業

シャトネラ属有害プランクトンの魚介類への

影響、毒性発現機構の解明に関する研究

報告書

平成25年3月

独立行政法人水産総合研究センター西海区水産研究所

長 崎 大 学

平成24年度水産庁委託 水産物安定供給対策事業費

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目 次

Ⅰ.研究開発の目的 --- 1 Ⅱ.研究開発の内容--- 1 Ⅲ.研究実施機関及び担当者 --- 2 Ⅳ.平成24年度研究の成果 1)シャトネラ属有害プランクトンの水産生物への影響解明 (Ⅰ)--- 3 (Ⅱ)--- 11 2)シャトネラ属有害プランクトンの毒性発現機構の解明--- 18

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Ⅰ.研究開発の目的 平成10 年以降、有明海および八代海において、有害ラフィド藻シャトネラ属によ る大規模な赤潮が頻発している。特に平成21 年および 22 年夏期に有明海、橘湾お よび八代海において大規模な赤潮が発生し、ブリ,カンパチ、シマアジ等の養殖魚 が大量にへい死し(被害総額 85 億円)、地域の水産業を担う養殖漁業に経済的な打 撃をもたらすとともに、次年度のタネとなるシストの大量供給による赤潮再発リス クの増大、漁場環境の悪化が懸念されている。 こうした喫緊の課題に対応するためには、シャトネラ属有害プランクトンが魚介 類をへい死に至らしめる科学的な機作を早急に解明し、この情報に基づいた適切な 赤潮被害防除技術の基礎を確立する必要がある。 そこで、独立行政法人水産総合研究センター(以下略称:水研センター)西海区水 産研究所が、長崎大学水産学部および同大学院水産・環境科学総合研究科附属環東 シナ海環境資源研究センターと共同して、これまで培って来た赤潮生物の毒性発現 機構の解明技術を提案された事業の中で積極的に応用、活用することで、シャトネ ラ属の毒性評価手法の確立や魚介類へい死因子を特定し、長らく科学的に不明とさ れていたシャトネラ属による魚介類への毒性発現機構の解明を目指す。 Ⅱ.研究開発の内容 シャトネラ属は魚介類の大量へい死を引き起こす有害プランクトンの一つであり、 1969 年に初めて赤潮が発生して以来、我が国で累計 285 億円もの漁業被害をもたら している。シャトネラ属の毒性については、過去に調査研究が取り組まれてきたも のの、最終的に魚介類が死に至らしめられる機作については以前複数の学説が存在 して明らかとなっていない。またその毒性については、魚種やサイズによっても大 きくことなることが指摘されている。 そこで本研究では、シャトネラ属が水産生物の種類やサイズへ及ぼす影響を詳細 に解明するために、シャトネラ属によってへい死しやすいブリ、へい死が起こりに くいマダイやヒラメなど用いた研究を実施する。特に、ブリについては、小型魚を 用いた試験系を確立するとともに、養殖現場で指摘されているサイズ別の感受性の 有無について確認を行う。さらに有明海側で問題となっている二枚貝の大量へい死 や甲殻類の不漁との関係を明らかにするために、魚類以外へのシャトネラ属の影響 についても研究を実施する。さらにシャトネラ属によるへい死要因の一つとして示 唆される活性酸素や粘液の影響などを精査し、魚類のへい死に至るメカニズムを解 明する。

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実施機関 調査項目 水産総合研究センター 西海区水産研究所 1.シャトネラ属有害プランクトンの水産生物 への影響解明(Ⅰ) 長崎大学大学院水産・環境科 学総合研究科附属環東シナ 海環境資源研究センター 1.シャトネラ属有害プランクトンの水産生物 への影響解明(Ⅱ) 長崎大学水産学部 2.シャトネラ属有害プランクトンの毒性発現 機構の解明 Ⅲ.研究実施機関及び担当者 研究全般、研究結果の解析及び取りまとめは下記の実施機関及び担当者により実 施した。 水産総合研究センター 西海区水産研究所 有明海・八代海漁場環境研究センター 有瀧 真人 松山 幸彦 永江 彬 鈴木 健吾 栗原 健夫 橋本 和正 長崎大学 〃 水産学部 小田 達也 山口 健一 大学院水産・環境科学総合研究科附属 環東シナ海環境資源研究センター 石松 惇

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シャトネラ属有害プランクトンの水産生物への影響解明(Ⅰ) ( 独 ) 水 産 総 合 研 究 セ ン タ ー 西 海 区 水 産 研 究 所 有 明 海 ・ 八 代 海 漁 場 環 境 研 究 セ ン タ ー 松 山 幸 彦 、 永 江 彬 、 鈴 木 健 吾 、 栗 原 健 夫 、 橋 本 和 正 1 全体計画 (1)目的 シャトネラ属は魚介類の大量へい死を引き起こす有害プランクトンの一つ であり、1969 年に初めてシャトネラ属赤潮が発生して以来、我が国で 285 億 円もの漁業被害をもたらしている。シャトネラ属の毒性については、過去に 調査研究が取り組まれてきたものの、魚介類を死に至らしめる機作について は依然として複数の学説が存在し定まっていない。またその毒性については、 魚種や魚体サイズにより大きく異なることが指摘されている。さらに近年、 シャトネラ属赤潮が頻発する有明海では、瀬戸内海ではあまり取り上げられ ていなかった甲殻類や貝類のうち、クルマエビ、ガザミ、マダコ、ナマコ、 アワビ、サルボウやアサリなどの有明海や八代海で特産となる介類影響につ いても問題視されている。 そこで、有明海産の強毒培養株を用いて、ブリなどと同じスズキ目の魚類 のうち、小型の魚類を使った影響試験法を確立する。また、赤潮密度のシャ トネラ曝露が有明海など干潟域の重要水産生物へ与える影響、さらには重要 放流対象種の稚仔魚に対する影響を明らかにする。 (2)試験等の方法 有明海などで干潟域の重要介類であるガザミおよびサルボウを、培養され た Chattonella antiqua(強毒株)を含んだ海水に曝露し、毒性の有無および影 響発現濃度を確認する。サルボウについては低濃度曝露時のろ水活動に対す る影響も評価する。 魚類については、周年の室内試験に適した小型魚を選定し、培養株に対す る感受性試験を実施する。具体的には魚種ごとに C. antiqua の有害プランク トンに対する細胞密度と生残時間との関係を調べ、半致死濃度を算出する。 それらのデータから、最も飼育が容易でかつ少ない曝露海水量、低い細胞密 度でも再現性のある魚種に絞り込みを行い、魚類へい死機構解明のための試 験魚と試験法を確立する。 C. antiqua の曝露によってへい死した場合、鰓の組織切片映像を解析し、 ハマチ等で認められるような鰓組織の傷害の有無について調査し、ブリなど で発生するへい死魚と同じ病理像が得られているかどうか検証する。 2 平成24年度計画及び結果 (1)目的 ・放流対象種への影響試験 有明海で資源回復のために放流されている重要魚種のうち、放流効果が高 いものの回遊性が低く、沿岸に滞留する赤潮の影響を受けやすい異体類(ホ シガレイやヒラメ)やナマコへの影響試験を実施する。試験には有明海産の

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強毒性シャトネラ属を用い、試験に用いる異体類やナマコは種苗放流用の個 体を入手し、放流直後のサイズを中心に試験を実施する。室内曝露試験によ ってへい死密度やへい死個体の鰓組織の観察を行う。 ・小型魚を用いた曝露試験の確立 シャトネラ属による毒性を評価するために、培養株を用いた繰り返し試験 を実施してデータを蓄積し、細胞密度とへい死時間との関係を数式化する。 試験は入手が可能な時期はブリの幼魚であるモジャコを中心に実施し、比較 対象のためにブリなどと同じスズキ目の魚類のうち、小型の魚類を使った影 響試験法についても確立する。モジャコと他魚種とのへい死機構の異同につ いては、へい死魚の鰓組織切片像を比較検討する。 (2)試験等の方法 イ)ヒラメに対する Chattonella antiqua の影響試験 本年度の当初計画では、有明海での放流成績が良好なホシガレイを試験魚 として選定したが、予定されていた種苗生産施設において有害性の強いウイ ルス性神経壊死症(VNN)が発生して移動禁止措置となり、入手困難となっ た 。 そ こ で 、 同 じ 異 体 類 で 同 様 に 放 流 成 績 が 良 好 な ヒ ラ メ Paralichthys olivaceus を選定して試験を行った。 水産総合研究センター日本海区水産研究所宮津庁舎で生産されたヒラメ の人工種苗(図1)を恵与頂き、曝露試験に用いた。2012 年 7 月に放流用の 種苗を西海区水産研究所の室内水槽に受け入れ、実験開始時まで 1 日 2 回、 人工餌料(おとひめ C1 および C2:日清丸紅社製)を総尾数の体重の 1-2% になるように与えて飼育した。試験に用いた個体の体長と体重は、36.4±4.2 mm, 0.73±0.22 g 試験であった。大量培養された C. antiqua 細胞を 0、500、 1,000、2,500、5,000、10,000、15,000、20,000 cells/mL の 7 段階の細胞密度な るよう GF/C ろ過海水で希釈して試験に使用した。曝露時間は 24 時間とした。 実験個体数は、各試験区 6 個体を 1 ターンとして実施した。曝露試験には、 容量 500 mL のガラスビーカーを用いた。ろ過海水に C. antiqua 試験液を加え て各濃度に調製した試水を 400 mL 注入し、1時間静置して C. antiqua が水面 に活発に蝟集するのを確認後、試験魚を投入した(図2)。実験時はビーカ ー の 周 囲 を 調 温 海 水 を 掛 け 流 し て 水 温 を 一 定 に 保 っ た ( 24.3~ 25.5℃ の 範 囲)。試験中は緩やかな通気を施し、溶存酸素濃度を確認するために DO メ ータで適宜確認した。 ヒラメの生残については、呼吸時に認められる口顎の開閉運動の有無を確 認するとともに、衰弱個体では水温測定用の棒状温度計で頭部を刺激し、運 動性の有無を確認した。口顎の運動が全く認められず、ピンセットで裏返し にしても反応の認められなくなった時点で絶命したと判断した。 す べ て の 試 験 は 予 備 実 験 で 毒 性 が 高 い と 認 め ら れ た C. antiqua 培 養 株 (OP27 番株、有明海産)を用いた。 試験中にへい死した個体は、へい死が確認された時点で Davidson 固定液に より固定し、鰓組織切片作成用試料とした。また、生残個体についても実験 終了時に固定した。

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図 1 試 験 に 用 い た ヒ ラ メ 幼 魚 赤 色 ラ イ ン = 10 mm 図2 ヒラメ幼魚の曝露試験の様子 ロ)小型魚類に対する Chattonella antiqua の影響試験 ブリ(幼魚であるモジャコ)Seriola quinqueradiata は、西海区水産研究所 五島庁舎で生産された一系群の人工種苗を入手し、実験に供した。実験時の 重量は 1.9~4.4 g で、実験開始まで室内水槽において人工配合飼料(おとひ め C1 または C2、日清丸紅社製)を与えて飼育した。曝露試験はヒラメの曝 露に準じて実施した。

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ハ)マナマコに対する Chattonella antiqua の影響試験 有明海では不漁が続くタイラギ等潜水器漁業者の代替漁業として、マナマ コの放流試験が検討されており、漁獲に繋がるなど良好な成績が得られてい る。しかし、同海域で頻発する C. antiqua がマナマコ資源に与える知見が全 くない。そこで、活動が活発化する 11 月以降に、大村湾からマナマコ(アオ 1個体;27.7 g、クロ個体;21.9 および 31.1 g)を購入し、室内水槽で二枚貝 用の人工餌料(M-1, 日本農産工業社製)を毎日給餌して飼育したものを試験 に用いた。なお、マナマコは水槽底面に沈降堆積した M-1 を摂餌して、排糞 することを確認している。 マナマコは魚類と異なり急性毒性の確認が困難であることから、今回は行 動に与える影響を調べた。マナマコを水温 20 度で1時間以上馴致したのち、 2.5L のろ過海水(C. antiqua 培養用 SWM3 培地を 14%含有するろ過海水)を 収容した透明丸形水槽に収容した。ゆるやかな通気条件で2時間以上撮影を 行った。静止画像を 10 秒おきに取得し、試験開始後 1~2 時間の範囲の画像 を 1 分毎に 60 枚抽出し、画像解析ソフトで処理を行い、行動に与える影響を 調べた。 C. antiqua 曝露区は、2,500、5,000、8,500 cells/mL の 3 段階とし、全 3 個体 のデータを取得した。また、陰性対照区として、P. lutheri を C. antiqua の最 大曝露密度と同じクロロフィル量となるように希釈して、同様にデータを収 集した。C. antiqua 培養株は検鏡によって直接計数し、P. lutheri 培養株は Aquafluor でクロロフィル蛍光値を測定した。試験水温は 17.5~20.1℃の範囲 にあった。 急性毒性については、20,000 cells/mL に調製した培養株 5L に 2 個体(34.1 g および 37.5 g のクロ)を収容し、曝気条件下で 48 時間観察を行った。 すべての試験は予備実験で毒性が高いと認められた Chattonella antiqua 培 養株(OP27 番株、有明海産)を用いた。 (3)結果及び考察 イ)ヒラメに対する Chattonella antiqua の影響試験 曝露試験時の結果について、カプラン・マイヤー法で当てはめた生残曲線 を図3に示す。ヒラメ幼魚は、20,000 cells/mL の C. antiqua 曝露区では 3 時 間過ぎからへい死個体が認められ、9 時間過ぎですべての個体がへい死した。 半数致死時間は 20,000 cells/mL で約 7 時間となった。15,000 cells/mL の C. antiqua 曝露区では 8 時間過ぎからへい死個体が認められ、試験終了時の 24 時間経過時に、6 個体中 5 個体がへい死した。対照区であるろ過海水区、10,000 cells/mL 以下の曝露試験区では、ヒラメ幼魚のへい死は認められなかった。 C. antiqua へ曝露されたヒラメはへい死直前までほとんど異常行動は認め られないが、へい死数時間前から水面で鼻上げ行動を示すようになり、徐々 に衰弱して死亡した。また、死亡が認められる高密度の曝露試験区では、す べてのヒラメの鰓に C. antiqua 細胞が絡む様子が観察された(図4)。 有明海産の強毒株である OP27 株を用いたこれまでの曝露試験によれば、 各種魚類のへい死密度は、ブリの幼魚では 1,000 cells/mL 付近から、マアジ では 2,000 cells/mL 付近から、デバスズメダイでは 4,000 cells/mL 付近から認 められる(松山ら 2012)。今回の試験でヒラメ幼魚は 10,000 cells/mL まで へい死が認められず、15,000 cells/mL 以上という極めて高密度の曝露環境下 でのみへい死が認められた。既往知見においても、ヒラメはシャトネラ属へ の耐性が最も強い魚種であることが示唆されており(菱田 1999)、その要因 として鰓の構造、酸素要求量、粘液特性などが示唆されている(菱田 1999)。 このことから、ヒラメはシャトネラ属に対する耐性が強く、赤潮海域での放

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流によっても、へい死などによる減耗の可能性は他の魚種に比較すれば低い ものと推察された。2年魚、3年魚の耐性については未確認であるものの、 赤潮頻発海域での転換魚種として、本種は推奨される。

図3 Chattonella antiqua に曝露されたヒラメ幼魚の生残曲線

図4 Chattonella antiqua 20,000 cells/mL に曝露されたヒラメの鰓蓋付 近に付着した C. antiqua 細胞集塊(矢印付近の紐状物体)

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ロ)小型魚類に対する Chattonella antiqua の影響試験 昨 年 度 実 施 し た ブ リ 幼 魚 の 試 験 で は 、 一 部 の 試 験 区 で 細 胞 密 度 と へ い 死 時 間 と の 逆 転 現 象 が 認 め ら れ 、こ の 要 因 と し て 、C. antiqua の 希 釈 作 業 の 違 い に よ る 魚 毒 性 へ の 影 響 が 示 唆 さ れ た 。 今 年 度 は 、 こ の 希 釈 作 業 を 厳 密 に 統 一 し 、 曝 露 試 験 を 実 施 し た 。 そ の 結 果 を 図 5 に 示 す 。 ブ リ の 幼 魚 は 、720 cells/mL 以 上 の C. antiqua 曝 露 区 で へ い 死 が 観 察 さ れ た 。生 残 率 の 低 下 は 細 胞 密 度 の 上 昇 と と も に 指 数 級 数 的 に 増 加 し 、 5,000 cells/mL 以 上 の 曝 露 密 度 で は ほ ぼ 1 時 間 以 内 に 全 滅 し た 。 こ れ に よ り 、 C. antiqua の 強 毒 株 と ブ リ 幼 魚 を 用 い た 魚 毒 性 試 験 系 が 完 全 に 確 立 さ れ た 。 こ れ ま で 赤 潮 に よ る 毒 性 試 験 は 天 然 赤 潮 発 生 時 に 散 発 的 に 実 施 さ れ て き た が 、 今 後 は ブ リ 幼 魚 を 用 い る こ と で 、 周 年 、 環 境 要 因 に 左 右 さ れ る こ と な く 、 毒 性 の 評 価 が 実 施 で き る 体 制 と な っ た 。 ま た 、 へ い 死 魚 の 餌 組 織 切 片 は 、 既 往 知 見 で 大 型 の ブ リ で 観 察 さ れ た 組 織 傷 害 と 一 致 し て お り 、 酸 欠 な ど 二 次 的 な 影 響 が 排 除 さ れ た も の で あ る 。 今 後 こ う し た 技 術 を シ ャ ト ネ ラ 属 の み な ら ず 、 カ レ ニ ア 属 な ど 、 他 の 赤 潮 生 物 の 毒 性 評 価 手 法 に 活 用 す る こ と が 可 能 で あ る 。 図5 Chattonella antiqua に曝露されたブリ幼魚の生残曲線 ハ)マナマコに対する Chattonella antiqua の影響試験 マ ナ マ コ の 行 動 に つ い て 図 6 に 示 し た 。 本 図 は 曝 露 試 験 中 に 一 定 速 度 で 撮 影 し た 静 止 画 を 重 ね 合 わ せ た も の で あ り 、 静 止 し た 個 体 と 盛 ん に 移 動 し た 個 体 が 定 性 的 に 判 別 可 能 で あ る 。 こ れ を 見 る と 、 ろ 過 海 水 中 で は マ ナ マ コ の 活 動 は 不 活 発 で あ り 、ほ と ん ど 一 カ 所 に 停 止 し た 状 態 で あ る 。 こ の 状 態 は 2,500 cells/mL の 曝 露 試 験 で も ほ ぼ 同 様 で あ っ た が 、 5,000 cells/mL を 越 え る と 動 き が 活 発 に な り 、8,500 cells/mL で は 、盛 ん に 水 槽 内 を 動 き 回 っ て い た 。 陰 性 対 照 区 と し て 、 8,500 cells/mL の C. antiqua に 相 当 す る ク ロ ロ フ ィ ル 濃 度 で Pavlova lutheri を 曝 露 し た 場 合 、 1 個 体 を

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除 い て 活 動 は ほ と ん ど 認 め ら れ な か っ た 。C. antiqua に 曝 露 さ れ た ナ マ コ は 体 を 伸 縮 さ せ た り 頭 を 振 り な が ら 水 槽 の 中 を し き り に 動 き 回 る こ と か ら 、 何 ら か の 忌 避 反 応 の 結 果 と し て 、 運 動 が 亢 進 さ れ て い る こ と が 推 定 さ れ た 。た だ し 、P. lutheri の 1 試 験 区 の み 、C. antiqua 同 様 の 運 動 亢 進 現 象 が 認 め ら れ た こ と か ら 、 忌 避 反 応 な の か 、 餌 の 探 索 行 動 な の か 引 き 続 き 慎 重 な 見 極 め が 必 要 で あ る 。 急 性 毒 性 試 験 の 結 果 、 20,000 cells/mL、 48 時 間 の 曝 露 試 験 で は マ ナ マ コ の へ い 死 は 確 認 さ れ な か っ た 。た だ し 、曝 露 試 験 後 半 は 運 動 が 停 止 し 、 体 表 の 突 起 が 縮 小 す る 様 子 が 観 察 さ れ た た 、 何 ら か の 害 作 用 が 認 め ら れ た 可 能 性 は 排 除 で き な い 。 図 6 Chattonella antiqua を 曝 露 さ れ た マ ナ マ コ の 水 槽 内 で の 行 動 1 時 間 の 画 像 を 重 ね 合 わ せ た も の 上 段 : ア オ ナ マ コ 、 中 段 : ク ロ ナ マ コ 1 、 下 段 : ク ロ ナ マ コ 2 飯 塚 ・ 入 江( 1966)で は 、 大 村 湾 で 発 生 し た Karenia mikimotoi 赤 潮 時 に 、 マ ナ マ コ の 大 量 へ い 死 現 象 を 認 め て い る 。 し か し な が ら 、 シ ャ ト ネ ラ 赤 潮 発 生 時 に は 、 マ ナ マ コ の 漁 業 被 害 は ほ と ん ど 報 告 が な く 、 毒 性 の 有 無 に つ い て は 長 ら く 不 明 で あ っ た 。 有 明 海 の 奥 部 に は 広 大 な 軟 泥 域 が 拡 が り 、 マ ナ マ コ の 餌 料 環 境 と し て は 好 適 で あ る も の の 、 そ の 生 息 が ほ と ん ど 認 め ら れ な い 。 こ の 原 因 と し て 、 有 明 海 特 有 の 大 き な 潮 位 差 に 由 来 す る 早 い 潮 流 に よ り 、 マ ナ マ コ が 物 理 的 な 逸 散 を 受 け 、 一 定 の 生 息 密 度 を 達 成 で き な い こ と が 考 え ら れ る 。 こ の た め 、 マ ナ マ コ 放 流 事 業 は 転 石 礁 を 設 け て 、 そ の 岩 陰 に 放 流 し て 逸 散 の 影 響 を 回 避 し て い る 。 今 回 の 試 験 結 果 に よ れ ば 、 仮 に 5,000 cells/mL 以 上 の 赤 潮 が こ れ ら の 転 石 礁 を 覆 っ た 場 合 、 忌 避 行 動 等 に よ っ て マ ナ マ コ が 転 石 礁 か ら 這 い 出 し 、 早 い 潮 流 に よ っ て 放 流 地 点 か ら 速 や か に 逸 散 し て 消 滅 す る 危 険 性 が あ る 。 シ ャ ト ネ ラ 属 の 赤 潮 発 生 期 は マ ナ マ コ に と っ て 夏 眠 期 で あ る た め 、 今 回 の

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試 験 結 果 と 同 様 の 反 応 で 這 い 出 し 行 動 が 発 生 す る か ど う か 確 認 が 必 要 で あ る 。 し か し 、 少 な く と も 行 動 亢 進 効 果 が 明 瞭 で あ る こ と か ら 、 念 の た め 、 赤 潮 発 生 時 は 移 植 や 逸 散 防 止 の た め に 転 石 の 周 囲 を 網 で 囲 う な ど の 逸 散 防 止 対 策 も 考 慮 す べ き で あ る 。 今 後 は 高 密 度 の 曝 露 で 、 成 長 や 生 残 に 与 え る 影 響 を さ ら に 評 価 す る 必 要 が あ る 。 (4)引用文献 菱田泰宏(1999)赤潮プランクトンChattonellaによる魚類斃死に関係する諸 要因の解明. 長崎大学学位論文, pp. 85 松山幸彦・吉田誠・鈴木健吾・栗原健夫・橋本和正(2012) シャトネラ属 に対する甲殻類・貝類の影響試験.平成23年度漁場環境・生物多様性 保全総合対策委託事業 赤潮・貧酸素水海漁業被害防止対策事業「シ ャトネラ属有害プランクトンの魚介類への影響、毒性発現機構の解明 に関する研究報告書.平成24年3月:3-16. 飯塚昭二・入江春彦(1966)1965年夏期大村湾赤潮時の海況とその被害-Ⅱ. 後期赤潮とその生物学的特徴について.長崎大学水産学部研究報告, 21, 67-101.

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シャトネラ属有害プランクトンの水産生物への影響解明(Ⅱ) 長 崎 大 学 大 学 院 水 産 ・ 環 境 科 学 総 合 研 究 科 附 属 環 東 シ ナ 海 環 境 資 源 研 究 セ ン タ ー 石 松 惇 1 全体計画 (1)目的 シ ャ ト ネ ラ 属 有 害 プ ラ ン ク ト ン の 魚 類 な ど 水 産 生 物 に 与 え る 影 響 は 必 ず し も 一 様 で は な く 、 例 え ば 最 も へ い 死 し や す い ブ リ と へ い 死 が ほ と ん ど 認 め ら れ な い マ ダ イ と の 間 に は へ い 死 に 至 る 細 胞 密 度 ・ 時 間 に 100 倍 近 い 開 き が 生 じ て い る 。実 際 に 2009・2010 年 の シ ャ ト ネ ラ 赤 潮 発 生 現 場 に お い て も 、 全 滅 し た ブ リ 養 殖 生 簀 に 隣 接 し た マ ダ イ 生 簀 で 全 く へ い 死 が 発 生 し な い 事 例 が 多 く 報 告 さ れ て い る 。 ま た 同 じ ブ リ で あ っ て も 、 当 歳 魚 で あ る モ ジ ャ コ は 餌 止 め に よ っ て へ い 死 が 発 生 す る こ と は ほ と ん ど な い 。 こ の こ と か ら 、 シ ャ ト ネ ラ 属 有 害 プ ラ ン ク ト ン の 毒 性 は 魚 種 特 異 性 や サ イ ズ 特 異 性 が 明 瞭 で あ り 、 こ れ ら に 影 響 を 与 え る 要 因 の 解 析 が へ い 死 機 構 解 明 の た め の 重 要 な 知 見 を 提 供 す る 。 本 研 究 課 題 に お い て は 、 シ ャ ト ネ ラ 属 有 害 プ ラ ン ク ト ン が 水 産 生 物 の 種 類 や サ イ ズ へ 及 ぼ す 影 響 を 詳 細 に 解 明 す る た め に 、 シ ャ ト ネ ラ に よ っ て へ い 死 し や す い ブ リ 、 へ い 死 が 起 こ り に く い マ ダ イ や ヒ ラ メ な ど 用 い た 研 究 を 実 施 す る 。 そ れ ぞ れ の 魚 種 間 、 あ る い は 同 一 種 で も サ イ ズ 間 で の 脂 肪 組 成 、 過 酸 化 脂 質 含 量 、 各 種 血 液 性 状 な ど の 変 化 に つ い て 精 査 を 行 う 。 なお、実験には、有明海もしくは八代海海域で採取したシャトネラ属培養 株のうち、活性酸素産生能などを指標として毒性の高いものをスクリーニン グして用いる。 (2)試験等の方法 シ ャ ッ ト ネ ラ 耐 性 が 異 な る 複 数 の 養 殖 魚 種 に つ い て 、 ま た 養 殖 現 場 で 良 く 言 わ れ て い る ブ リ の サ イ ズ に よ る シ ャ ッ ト ネ ラ 耐 性 の 違 い に つ い て 、 脂 質 等 の 体 成 分 が シ ャ ッ ト ネ ラ 耐 性 の 違 い を 説 明 す る 要 因 と な り 得 る か に つ い て 検 討 す る と と も に 、 現 在 ほ と ん ど 唯 一 の 被 害 抑 制 策 と し て 実 施 さ れ て い る 絶 食 の 効 果 が 脂 質 等 の 体 成 分 に 与 え る 影 響 を 分 析 す る 。 2 平成 24 年度計画及び結果 (1)目的 シャトネラ属によってへい死しやすいブリ、へい死が起こりにくいマダイ やヒラメなど用いた研究を実施する。鰓粘液含量と血漿中抗酸化物質のビタ ミン C をブリ 2 歳魚(給餌および絶食)、ブリ当歳魚、ヒラメ、マダイ、ヒ ラマサで比較するとともに、絶食がこれらの測定値に及ぼす影響をブリを用

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いて検討する。ヒラメを用いてシャトネラ属曝露実験を行い、鰓通過による シャトネラ属細胞の濃度変化や活性酸素産生への影響を昨年度のマアジを用 いた実験結果と比較することによって、魚種特異性のメカニズムを探る。 (2)試験等の方法 ( 2 - 1 ) 鰓 粘 液 含 量 ・ 血 漿 ビ タ ミ ン C 濃 度 の 比 較 長 崎 県 の 養 殖 業 者 に 依 頼 し て ブ リ 2 歳 魚 を 給 餌 お よ び 絶 食 ( 10 日 間 ) 状 態 で 養 成 し 、 実 験 に 供 し た 。 ま た 、 同 業 者 か ら 購 入 し た マ ダ イ ( 3 歳 魚 ) 、 ヒ ラ マ サ ( 3 歳 魚 ) 、 ブ リ 当 歳 魚 、 さ ら に 別 業 者 か ら 購 入 し た ヒ ラ メ も 用 い た 。ブ リ 2 歳 魚 以 外 は 給 餌 条 件 の み で 飼 育 さ れ た 。ブリ 2 歳 魚 とヒラマサは EP 飼 料 (2 歳 魚 マリン ECO12 号 )を 2~4 日 毎 に、ブリ当 歳 魚 は EP 飼 料 (M 8 号 )を 1~3 日 毎 に、マダイは EP 飼 料 (茜 10 号 )を 3 日 毎 に飽 食 給 餌 した。ヒラメはモイストペレットを 1~2 回 飽 食 給 餌 させた。供 試 魚 の 体 重 ・ 全 長 を 表 1 に 示 す 。 こ れ ら 魚 類 を 海 面 生 簀 ( ヒ ラ メ に つ い て は 陸 上 水 槽 ) か ら 取 り 上 げ て 即 殺 し 、尾 部 血 管 か ら 抗 凝 固 剤( へ パ リ ン ナ ト リ ウ ム 注 射 液 1000 iu/ml) を 少 量 満 た し た 注 射 器 で 採 血 を 行 っ た 。尾 部 か ら の 採 血 が 困 難 な 場 合 は 、 心 臓 を 切 開 し て 採 血 し た 。 採 取 し た 血 液 は 、 氷 冷 し て 実 験 室 に 持 ち 帰 っ た 。 採 血 後 、 左 第 一 鰓 弓 か ら 鰓 弁 を 約 5 グ ラ ム 採 取 し た 。 採 取 し た 鰓 弁 は 、 プ ラ ス チ ッ ク チ ュ ー ブ に 入 れ 、 窒 素 で 封 入 し て 冷 凍 し 、 実 験 室 に 持 ち 帰 っ た 。鰓 粘 液 含 量 は 、安 田・木 原( 2011)の 方 法 を 用 い て 定 量 し た 。 血 漿 の ビ タ ミ ン C 濃 度 は 市 販 の キ ッ ト( コ ス モ・バ イ オ R01K02)を 用 い て 比 色 定 量 し た 。 ( 2 - 2 ) ヒ ラ メ を 用 い た シ ャ ト ネ ラ 曝 露 試 験 ( 図 1 ) 11 月 29 日 に 西 海 区 水 研 で 培 養 さ れ た シ ャ ト ネ ラ 株 を 用 い て 、 曝 露 試 験 を 行 っ た 。 曝 露 に 先 立 っ て 、 ヒ ラ メ ( 体 重 約 500g, 対 照 区 1 個 体 、 曝 露 区 3 個 体 ) を フ ェ ノ キ シ エ タ ノ ー ル で 麻 酔 し 、 口 腔 と 鰓 腔 に 採 水 用 カ ニ ュ ー ラ( PE-50)を 装 着 し た 。数 時 間 流 水 状 態 で 回 復 さ せ た 後 、曝 露 実 験 を 行 っ た 。 曝 露 開 始 後 、 定 期 的 に 口 腔 お よ び 鰓 腔 か ら 採 水 し 、 シ ャ ト ネ ラ 濃 度 、 酸 素 分 圧 お よ び 化 学 発 光 法 に よ り 活 性 酸 素 産 生 に つ い て 定 量 し た 。 シ ャ ト ネ ラ 曝 露 は 4 時 間 ま で と し た 。 (3)結果及び考察 ( 3 - 1 ) 鰓 粘 液 含 量 ・ 血 漿 ビ タ ミ ン C 濃 度 の 比 較 表 2 と 表 3 に 鰓 粘 液 含 量 お よ び 血 漿 ビ タ ミ ン C 濃 度 の 測 定 結 果 を 示 す 。 ブ リ 当 歳 魚 と ヒ ラ マ サ の 鰓 粘 液 含 量 は 、 そ の 他 の 魚 種 と 比 較 し て 、 統 計 的 に 有 意 に 低 い 値 を 示 し た 。 ブ リ 2 歳 魚 の 給 餌 区 と 絶 食 区 の 間 に は 有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た( 表 2 )。血 漿 ビ タ ミ ン C 濃 度 は ブ リ 当 歳 魚 の 平 均 値 ( 0.24 µg/mL) は 他 魚 種 の 個 体 よ り 低 い も の の 、 ブ リ 2 歳 魚 の 給 餌 区 、 ブ リ 2 歳 魚 絶 食 区 、 ヒ ラ メ と ブ リ 当 歳 魚 の 間 に は 有 意 差 は な か っ た ( 表 3 ) 。 ブ リ 当 歳 魚 と ブ リ 2 歳 魚 給 餌 区 の 個 体 の 血 漿 ビ タ ミ ン C の 濃 度 は 、 文 献 値 ( 1.4-5.3µg/mL, Gieseg et al. 2000) に 比 し て 低 い 。 絶 食 は 、 赤 潮 発 生 時 の 被 害 防 除 策 と し て 広 く 実 施 さ れ て い る が 、 今 回 測 定 し た 鰓 粘 液 含 量 お よ び 血 漿 ビ タ ミ ン C 濃 度 に は 有 意 な 変 化 を も た ら さ な か っ た 。 ま た シ ャ ト ネ ラ に ブ リ よ り 高 い 耐 性 を も つ こ と が 知 ら れ て い る ( Hishida et al. 1998) 、 マ ダ イ ・ ヒ ラ メ と ブ リ 2 歳 魚 ( 給 餌 区 ・ 絶 食 区 と も に ) の 間 に は 鰓 粘 液 含 量 の 有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た 。 ( 3 - 2 ) ヒ ラ メ を 用 い た シ ャ ト ネ ラ 曝 露 試 験

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実 験 区 の 3 個 体 は い ず れ も 曝 露 終 了 の 4 時 間 目 ま で 生 残 し た 。 シ ャ ト ネ ラ 濃 度 は 曝 露 水 槽 に よ っ て 若 干 の 相 違 は あ る も の の 、 実 験 期 間 中 は ほ ぼ 安 定 し た 値 を 示 し た( 図 2 )。鰓 通 過 に よ っ て 、シ ャ ト ネ ラ 濃 度 は 40-500 cells/ml増 加 し た ( Fish 2 の 最 終 測 定 で は 1100 cells/ml増 加 ) 。 口 腔 水 の 酸 素 分 圧 (PO2)は 140-150 mmHgで 安 定 し て い た 。 鰓 腔 水 PO2は 実 験 区 の 1 個 体 ( Fish 4) で は 対 照 区 と 同 様 30-50mmHgで 実 験 終 了 ま で 推 移 し た も の の 、実 験 区 の 他 の 2 個 体 (Fish 2, Fish 3)で は 曝 露 時 間 の 延 長 と と も に 増 加 し 、 4 時 間 目 に は 100-115 mmHgと な っ た ( 図 3 ) 。 鰓 腔 水 PO2が 低 い ま ま で 推 移 し た 個 体 (Fish 2)で は 、鰓 通 過 に よ る 活 性 酸 素 産 生 が ほ ぼ 負 の 値 を 示 し た 。他 の 2 個 体 で は 正 の 値 を 示 す 傾 向 が あ っ た( 図 4 ,5 )。 昨 年 度 に 行 っ た マ ア ジ を 用 い た シ ャ ト ネ ラ 曝 露 実 験 で は 、約 5000 細 胞 /ml で 曝 露 し た 2 個 体 は 、曝 露 開 始 後 18 お よ び 25 分 後 に 斃 死 し た 。2500 細 胞 /ml で 曝 露 し た 1 個 体 は 90 分 で 斃 死 し た 。マ ア ジ 実 験 で は シ ャ ト ネ ラ 濃 度 は 曝 露 開 始 後 40 分 ま で は 鰓 通 過 に よ っ て 減 少 し た( シ ャ ト ネ ラ 濃 度 差:曝 露 20 分 で 400 cells/ml、40 分 で 700 cells/ml)が 、そ の 後 は 鰓 前 後 で の シ ャ ト ネ ラ 濃 度 差 は 減 少 し た ( 75 cells/ml) 。 活 性 酸 素 産 生 は 、 常 に 鰓 通 過 後 の サ ン プ ル の 方 が 高 い 値 を 示 し 、斃 死 直 前 に 最 大 と な っ た 。 鰓 腔 水 の 酸 素 分 圧 は 、 シ ャ ト ネ ラ 曝 露 期 間 中 に 鰓 の 酸 素 摂 取 機 能 が 一 時 的 に 障 害 さ れ て い た こ と を 示 し た 。 鰓 を 通 過 す る 際 の シ ャ ト ネ ラ 濃 度 お よ び 活 性 酸 素 産 生 の 変 化 が 、 マ ア ジ と ヒ ラ メ で 異 な っ て い る 可 能 性 が 示 さ れ た 。In vitro 測 定 で は 、ヒ ラ メ の 鰓 粘 液 は ブ リ の 鰓 粘 液 と 比 較 し て 効 果 が 弱 い も の の 、 シ ャ ト ネ ラ の 活 性 酸 素 産 生 を 増 大 さ せ る こ と が 示 さ れ て い る ( Nakamura et al. 1998) 。 よ り 精 度 の 高 い In vivo 実 験 に よ る 検 討 が 必 要 で あ る 。 ( 4 ) 3 ヶ 年 の 成 果 鰓 脂 質 含 量・脂 肪 酸 組 成 お よ び TBA 値 に つ い て は 、魚 種 間 お よ び ブ リ の 体 重 比 較 に つ い て シ ャ ト ネ ラ 感 受 性 と の 明 確 な 関 連 は 見 い だ せ な か っ た 。 白 筋 の 脂 肪 含 量 は 、 魚 種 間 お よ び 体 重 比 較 で は シ ャ ト ネ ラ 感 受 性 と 関 連 を 示 唆 す る デ ー タ が 得 ら れ た( 平 成 22 年 度 )も の の 、絶 食 に よ っ て 増 加 す る 傾 向 を 見 せ る な ど( 平 成 23 年 度 )、明 確 な 結 論 を 得 る に は 至 ら な か っ た 。 マ ア ジ と ヒ ラ メ を 用 い た シ ャ ト ネ ラ 曝 露 実 験 で 、 鰓 通 過 前 後 の シ ャ ト ネ ラ 濃 度 差 、 活 性 酸 素 産 生 差 に 両 種 間 で 異 な っ た 傾 向 が 見 ら れ た 。 シ ャ ト ネ ラ 感 受 性 と の 関 連 で 注 目 さ れ 、 さ ら に 検 討 す べ き で あ る 。 ( 4 ) 引 用 文 献

Gieseg et al. (2000) Comp. Biochem. Physiol. 125B 371-378.

Hishida, Y., H. Katoh, T. Oda and A. Ishimatsu (1998) Fish. Sci., 64, 875-881. Nakamura et al. (1998) Fish. Sci. 64, 866-869

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図 1 ヒ ラ メ を 用 い た シ ャ ト ネ ラ 曝 露 実 験

実 験 前 に 麻 酔 下 で 口 腔 と 鰓 腔 に カ ニ ュ ー ラ を 装 着 し た 。 麻 酔 回 復 後 、 シ ャ ト ネ ラ 曝 露 実 験 中 に 口 腔 お よ び 鰓 腔 カ ニ ュ ー ラ か ら 経 時 的 に 採 水 し て 、 シ ャ ト ネ ラ 濃 度 、 活 性 酸 素 産 生 お よ び 酸 素 分 圧 を 測 定 し た 。

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表 1 鰓 粘 液 含 量 ・ ビ タ ミ ン C 測 定 に 用 い た 魚 類 の 体 重 と 全 長 体 重 ( kg) 全 長 ( cm) N サ ン プ リ ン グ ブ リ 2 歳 魚( 給 餌 ) 4.24 ± 0.54 57.4 ± 2.3 7 12 月 3 日 ブ リ 2 歳 魚( 絶 食 ) 3.71 ± 0.26 56.8 ± 1.4 7 12 月 3 日 ブ リ 当 歳 魚 0.89 ± 0.15 34.5 ± 1.3 7 12 月 20 日 マ ダ イ 1.86 ± 0.10 38.6 ± 1.1 7 12 月 3 日 ヒ ラ メ 0.53 ± 0.04 32.1 ± 0.4 7 11 月 14 日 ヒ ラ マ サ 4.72 ± 0.31 63.4 ± 1.6 7 12 月 20 日 平 均 値 ± 標 準 偏 差 、 N は 使 用 し た 個 体 数 。 表 2 鰓 粘 液 含 量 測 定 結 果 ( 平 均 値 ±標 準 偏 差 ) 鰓 粘 液 含 量 ( µg/g wet weight) N ブ リ 2 歳 魚 ( 給 餌 ) 1122 ± 465 bc 7 ブ リ 2 歳 魚 ( 絶 食 ) 849 ± 282 ac 7 ブ リ 当 歳 魚 477 ± 111 a 7 マ ダ イ 1139 ± 754 bc 7 ヒ ラ メ 1232 ± 150 bc 7 ヒ ラ マ サ 782 ± 183 a 7 異 な る ア ル フ ァ ベ ッ ト を も つ 数 値 間 に は 有 意 差 が あ る( p < 0.05、Tukey test) こ と を 示 す 。 表 3 血 漿 ビ タ ミ ン C 濃 度 測 定 結 果 ( 平 均 値 ±標 準 偏 差 ) 血 漿 ビ タ ミ ン C 濃 度 (µg/ml) N ブ リ 2 歳 魚 ( 給 餌 ) 0.84 ± 0.48 a 7 ブ リ 2 歳 魚 ( 絶 食 ) 1.47 ± 0.40 ac 6 ブ リ 当 歳 魚 0.24 ± 0.18 a 6 マ ダ イ 3.17 ± 0.77 bcd 7 ヒ ラ メ 1.22 ± 0.67 ad 7 ヒ ラ マ サ 3.47 ± 0.98 bcd 7 異 な る ア ル フ ァ ベ ッ ト を も つ 数 値 間 に は 有 意 差 が あ る ( p < 0.05 、 Dunn’s method) こ と を 示 す 。

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図2 シャトネラ曝露実験におけるヒラメ口腔水(黒塗りシンボル) と鰓腔水(白抜きシンボル)のシャトネラ濃度の経時変化

図3 シャトネラ曝露実験におけるヒラメ口腔水(黒塗りシンボル)と鰓 腔水(白抜きシンボル)の酸素分圧の経時変化。 Fish1 は対照魚。

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図4 シャトネラ曝露実験におけるヒラメ口腔水(黒塗りシンボル)と鰓 腔水(白抜きシンボル)の活性酸素産生。 Fish1 は対照魚。

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シャトネラ属有害プランクトンの毒性発現機構の解明 長崎大学水産学部海洋生物機能科学講座 海洋生物物理化学研究室 小田達也・山口健一 1 全体計画 (1)目的 シ ャ ト ネ ラ 属 の 毒 性 に つ い て は 、 本 種 が 産 生 す る 活 性 酸 素 に よ る 鰓 組 織 の 生 理 機 能 の 低 下 、 さ ら に は グ ラ イ コ カ リ ッ ク ス と 呼 ば れ る シ ャ ト ネ ラ 細 胞 表 層 の 粘 液 性 物 質 が ブ リ な ど の 鰓 表 面 に 付 着 す る こ と に よ る 閉 塞 ・ 炎 症 誘 発 作 用 が 誘 導 さ れ る 可 能 性 が 指 摘 さ れ て い る 。 し か し な が ら こ れ ら の 毒 性 発 現 機 構 に つ い て は 短 時 間 で 分 子 レ ベ ル で の 反 応 の 結 果 生 じ て お り 、 古 典 的 な 目 視 ・ 組 織 観 察 の み で は そ の 毒 性 発 現 機 構 を 解 明 す る こ と は 困 難 で あ る 。 従 っ て 、 シ ャ ト ネ ラ 属 有 害 プ ラ ン ク ト ン に よ る 毒 性 発 現 機 構 の 解 明 に 関 す る 研 究 の う ち 生 化 学 的 手 法 を 用 い て 活 性 酸 素 や 粘 液 等 が 及 ぼ す 影 響 を 中 心 に 、 シ ャ ト ネ ラ 属 有 害 プ ラ ン ク ト ン の 水 産 生 物 に 対 す る 毒 性 発 現 機 構 に つ い て 室 内 暴 露 実 験 及 び 種 々 の 生 化 学 的 手 法 に よ り 解 析 す る 必 要 が あ る 。 シ ャ ト ネ ラ 培 養 株 の 活 性 酸 素 産 生 に 関 わ る 知 見 を 得 る と と も に 、 活 性 酸 素 産 生 能 と 魚 毒 性 発 現 と の 関 係 を 解 析 す る 。 ま た 、 魚 種 に よ る 感 受 性 の 相 違 に つ い て 解 析 を 行 う 。 (2)試験等の方法 平 成 22 年 に 島 原 半 島 沿 岸 域 で 発 生 し た シ ャ ト ネ ラ 赤 潮 か ら 分 離 し た Chattonella antiqua を用いた研究を中心に継続して実施する。前年度まで の研究においては、海洋細菌に対する増殖抑制作用等、マイクロバイオアッ セイ(溶血活性、海洋細菌増殖抑制作用、ワムシ毒性、培養細胞毒性)による シャトネラ毒性因子解析を行い、幾つかの興味ある知見が得られたことから 、今後もこれらの手法での解析を継続する予定である。特に、本シャトネラ 株の毒性因子について、活性酸素、溶血毒素、ブレーベ様神経毒素、粘液物 質の存在について生化学的観点から解析を実施している。その結果、島原分 離シャトネラ株は他のシャトネラ株に比べ、高い活性酸素産生能を示すこと が見出された。そこで、マイクロバイオアッセイに加え、比較的小型のアジ やマダイの稚魚を用いた室内暴露実験により、シャトネラの魚毒性因子につ いて検討する。これまで、小型の魚種でのシャトネラ室内暴露実験では、な かなか斃死が確認できないとの問題が指摘されていることから、暴露時のシ ャトネラ細胞密度を 10,000 cells/mL として実施する。海外の研究により、さ らに小型魚種であるスズメダイがシャトネラ毒性に高い感受性を示すとの報 告があることから、スズメダイを用いた暴露実験も実施する。また、シャト ネラの活性酸素産生能についても、これまでと同様化学発光法で調べる。 2 平成 24 年度計画及び結果 (1)目的 平成 22 年度からの継続研究として、島原半島沿岸域で発生したシャトネラ 赤潮海水から分離した Chattonella antiqua の魚毒性因子の解明を目的とする 。これまでの多くの研究結果から、シャトネラ赤潮による魚類斃死は窒息死

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であると考えられていることから、特に、室内シャトネラ暴露実験で斃死し た魚の鰓組織の変化を詳細に解析する。また、1985 年に鹿児島湾で分離され 、これまで研究室内の人工環境下で培養されている C. marina についても 2010 年分離株 C. antiqua と同様な解析を実施し、比較検討する。 (2)試験等の方法 島原半島沿岸域からの Chattonella antiqua 分離株及びについて、海洋細菌 、溶血活性、培養細胞毒性試験等のマイクロバイオアッセイに加え、小型魚 種での室内暴露実験により、魚毒性の有無やその強さについて詳細に調べ、 その毒性因子について解析する。小型魚種での室内暴露実験については、C. antiqua 株と 1985 年鹿児島湾分離 C. marina 株との比較を実施する。これらの 実験で得られた結果を総合的に考察し、特定毒性因子の解明を目指す。 (3)結果及び考察 これまでに実施したマイクロバイオアッセイの内、培養動物細胞に対する シャトネラ細胞の直接暴露による細胞傷害をLDH放出法により解析する方法 を確立した。海外の研究グループにおいても同様な方法によるシャトネラ毒 性因子解析法の有用性が報告されている。標的細胞としてサル腎臓由来株細 胞であるVero細胞が比較的海水塩濃度に耐性を示し、本研究目的に対応でき る細胞株として見出されている。これに加え、魚類組織由来細胞であるニジ マ ス 鰓 由 来 細 胞 RTgill-W1 及 び ブ リ 鰭 由 来 MJF 細 胞 に つ い て も 同 様 にChattonella antiqua暴露による細胞傷害性を調べた。標的細胞の細胞傷害の 度合いはこれまでMTT法やアラマーブルー法が用いられてきたが、これらの 方法は標的細胞からシャトネラ細胞を一旦分離する必要があり、また、数時 間の反応時間を必要とする。LDH放出法は操作がより簡便で短時間で結果が 得られる。C. antiqua及び他の有害及び無毒プランクトンとの比較を行った結 果 を 結 果 1 に 示 す 。 暴 露 に 用 い た K. mikimotoi, C. antiqua, H.

circularisquama, H. triquetra, C. neogracile, 及びN. oculata の細胞濃度は 1.0 x

105 cells/ mL, 8.0 x 104 cells/mL, 3.5 x 105 cells/mL, 1.6 x 105 cells/mL, 2.0 x 106 cells/mL, 及び 3.5 x 106 cells/mLである。いずれの標的細胞に対しても有害種 3種の内、C. antiquaは最も低毒性であった。より強い細胞毒性を発現した前 者 2 種は生細胞レベルで溶血活性が観察されていることから、これらのプラ ンクトンは細胞膜を破壊する毒素を表層に有していると推定された。一方、C. antiquaにはその様な活性は認められず、結果 2 に示すように高い活性酸素産 生が検出され、その活性は他の種に比べ著しく高い。そこでC. antiquaの3種 細 胞 に 対 す る 毒 性 と そ れ に 対 す る 活 性 酸 素 消 去 酵 素 (superoxide dismutase; SOD)の影響を調べた結果、ニジマス鰓由来細胞RTgill-W1 に対する毒性にお いてSODの阻害効果が認められた。他の2種細胞ではSODの効果は顕著でな かった事から、活性酸素以外の毒性因子の関与の可能性も示唆された(結果 3)。マダイ稚魚に対する暴露実験においては昨年度と同様、C. antiquaの細 胞密度を 10,000/mL とした場合、試験魚の半数以上で斃死が確認された。本 年度はSODとカタラーゼなどの活性酸素消去酵素及び、低分子量抗酸化物質 としてビタミンC (ascorbic acid)、Theaflan(緑茶抽出物でカテキンを多く含む) 、alginate oligomer (重合度5) 添加の影響を調べた。Theaflan はC. antiquaが 産生する活性酸素を強力に消去したが、それ自体強い魚毒性を示した。ビタ ミンCも活性酸素消去活性を示したが、マダイ暴露時にビタミンC添加の顕著 な延命効果は認める事が出来なかった(結果4)。SODとカタラーゼ存在下 ではC. antiquaの活性酸素産生レベルは著しく低下し、理論的には全ての活性

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酸素分子は水となる。しかしながら、これら活性酸素消去酵素添加でのマダ イ延命効果は確認できなかった(結果5)。一方、アルギン酸の酵素分解で 得られるアルギン酸オリゴマー(重合度約5)添加においては、延命効果が 認められた(結果4)。本実験に用いたアルギン酸オリゴマーは活性酸素消 去作用の他、免疫賦活作用も有することが見出されており、複合的影響で延 命に繋がったと考えられる。 1985 年に鹿児島湾で分離され、これまで研究室内の人工環境下で培養され ている C. marina の活性酸素産生能と魚毒性について C. antiqua と比較した。 マダイ稚魚に対する暴露実験では C. antiqua は明らかにより強い魚毒性を発 現し、C. marina の魚毒性は低い結果であった(結果 5)。化学発光での解析 結果は実験に用いる細胞の状態で異なるものの、常に C. antiqua は C. marina に比べ高い化学発光を誘導した事から、C. antiqua は C. marina よりも高い活 性酸素産生能を有すると考えられる(結果 6)。次にスズメダイに対する暴 露実験を実施した。本研究では体長2− 3センチの市販のルリスズメダイを 用いた。マダイに比べ斃死が観察されるまでにはより長時間を要し、24時 間後においても約半数の個体は生存していたが、C. marina の方が C. antiqua に比べ強い魚毒性を示した。これらの結果から、シャトネラの魚毒性因子と して活性酸素以外の因子の存在が推定され、複合的毒性発現機構が示唆され た(結果 7)。 以 上 の 研 究 か ら 、シャトネラの魚毒性因子として活性酸素を完全に解除で きないものの、活性酸素以外の因子の存在を想定する必要があると考えられ る。本研究及びこれまでの知見から、シャトネラの標的器官は鰓であり、酸 素取り込みを阻害することで窒息死を引き起こすことが斃死機構と考えられ るが、どのような因子がどのような作用により鰓機能を阻害するか、その解 明にはさらに検討が必要である。 3年間の本研究取り組みにおいて、シャトネラの魚毒性因子解明を目指し て、種々の観点から解析した。多くのシャトネラ魚毒性機構に関する研究か ら、鰓の機能不全による窒息死である点は多くの研究者の一致見解であるが 、残念ながらその原因となる毒性因子特定には至っていない。破壊した細胞 では魚毒性は発現しないとする点は今回のマダイを用いた暴露実験でも再確 認された。この点を考慮すると活性酸素が想定されるが、活性酸素産生レベ ルと魚毒性の強さが必ずしも相関しない知見も得られた。細胞破壊に伴って 活性が消失する極めて不安定な毒性因子の関与が推定され、今後、その様な 因子の解明にはさらに検討が必要である。

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結果1:LDH-release 法で測定した Vero (A), MJF(B)及び RTgill-W-1(C)細胞に対する種々 の海洋性プランクトンの毒性

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結果 2: 化学発光法により測定した種々の海洋性プランクトンの活性酸素産生レベル

結果 3: LDH-release 法で測定した Vero, MJF 及び RTgill-W-1 細胞に対する Chattonella

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結果 4: Chattonella antiqua 暴露によるマダイ斃死;ascorbic acid と alginate oligomer の影

結果 5: Chattonella antiqua 暴露によるマダイ斃死;SOD + catalase の影響及び C.marina との比較

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結果 6

: Chattonella

antiqua と C. marina の 活性酸素

産生能の比較

図 1   試 験 に 用 い た ヒ ラ メ 幼 魚           赤 色 ラ イ ン = 10 mm  図2  ヒラメ幼魚の曝露試験の様子  ロ)小型魚類に対する Chattonella antiqua の影響試験  ブリ(幼魚であるモジャコ)Seriola quinqueradiata は、西海区水産研究所 五島庁舎で生産された一系群の人工種苗を入手し、実験に供した。実験時の 重量は 1.9~4.4 g で、実験開始まで室内水槽において人工配合飼料(おとひ め C1 または C2、日清丸紅社製)
図 1  ヒ ラ メ を 用 い た シ ャ ト ネ ラ 曝 露 実 験
表 1   鰓 粘 液 含 量 ・ ビ タ ミ ン C 測 定 に 用 い た 魚 類 の 体 重 と 全 長   体 重 ( kg)   全 長 ( cm)   N  サ ン プ リ ン グ   ブ リ 2 歳 魚( 給 餌 )  4.24 ± 0.54  57.4 ± 2.3  7  12 月 3 日   ブ リ 2 歳 魚( 絶 食 )  3.71 ± 0.26  56.8 ± 1.4  7  12 月 3 日   ブ リ 当 歳 魚   0.89 ± 0.15  34.5 ± 1.3  7  12

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2)海を取り巻く国際社会の動向

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は、金沢大学の大滝幸子氏をはじめとする研究グループによって開発され

は、金沢大学の大滝幸子氏をはじめとする研究グループによって開発され

本研究の目的は,外部から供給されるNaCIがアルカリシリカ反応によるモルタルの