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着色砂を用いた浜名湖今切口における砂移動の把握

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Academic year: 2022

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(1)II-011. 土木学会中部支部研究発表会 (2011.3). 着色砂を用いた浜名湖今切口における砂移動の把握 豊橋技術科学大学 学生会員 中垣聡,尼崎貴大 正会員 青木伸一,加藤茂,岡辺拓巳 1.はじめに. 3.着色砂投入実験. 日本の海浜はここ 20~30 年で急速に進行しており, 防災上, 環境保全上, 種々の問題を引き起こしている.. 着色砂投入実験は浜名湖今切口にて行った. 1)実験条件. この問題解決には沿岸域での総合的な土砂管理が必要. 図 1 中に B および Y で示す地点に,青と黄の 2 色の. であるが,海域での土砂動態を把握することは非常に. 着色砂 (粒径 0.3 ㎜,山一サンド工業所㈱製)をそれぞ. 難しい.漂砂の観測手法の中でも,着色砂を用いた土. れ 500kg ずつ投入した.着色砂の投入は 2010 年 3 月. 砂の追跡は直接的で理解しやすい手法であるが,従来. 18 日午前の下げ潮時に行った.底質の採取は投入日の. の手作業による分析法では大きな労力や時間を要する.. 午後,3 月 19 日の午前および午後,4 月 7 日および 5. このような背景から,目視による計測を機械化して自. 月 21 日の計 5 回である.着色砂投入点(B=青,Y=黄). 動計測するための着色砂計測用砂粒子分析システムが. および採砂位置(P01~P 22)は,図 1 に示すとおりであ. 開発された.本研究では,この砂粒子分析システムを. る.ただし,P02 は礫分を多く含むため砂採取を行っ. 利用し,浜名湖今切口を対象として実施した着色砂実. ていない.1 回目の採砂は 15 ヶ所であったが,回を追. 験の結果から,今切口の砂移動の特徴を考察する.. うごとに採砂範囲を沖方向に広げた.また,浜名湖今 切口付近を図 1 に示すように,浜名湖西(橙色の枠), 浜名湖東(緑色の枠),今切水路(赤色の枠),外海側(青. 2.着色砂計測用砂粒子分析システム 着色砂を用いた砂の追跡では,着色砂を特定の地点. 色の枠)の 4 つのエリアに分けて考察を行った.. に投入し,所定期間経過後に投入点から離れた複数の 計測地点の土砂を採集する.本研究で用いた着色砂計 測用砂粒子分析システムは,多点でサンプリングした 砂から着色砂を自動検出する装置であり,多数の砂面 画像の分析によりサンプルに含まれる着色砂を濃度と して検出するものである. 構成 本体部:撮像のため砂の運送,攪拌,平坦化 撮像部:画像の撮像範囲が重複しない間隔で撮像 計測部:画像の録画および着色砂の濃度の演算 原理 着色砂と天然砂のスペクトルの違いから色度弁別に より,一画像内に検出した着色砂の数を計数する.こ の処理を,攪拌と均しを行いながら高速で繰り返し行. 図 1 浜名湖今切口. い,多数の画面の個数を積算する.このように求めた 一画像あたりの平均着色砂数から,あらかじめ既知の. 2)実験結果. 濃度の砂で行った検量線を用いて,着色砂の濃度を推 定する.. 多くの着色砂が検出された,青色着色砂の結果を図 2 に示す.この結果は,サンプルを 1ℓ分析し,2000 回. -101-.

(2) II-011. 土木学会中部支部研究発表会 (2011.3). 撮像したときの着色砂の検出個数である.グラフの色. 注目すると,水路付近では着色砂検出に空間的な連続. は,図 1 中のエリアに対応しており,それぞれ浜名湖. 性が見られる.しかし,水路と沖側の中間では検出が. 西(P00,P01,P03)が黄色系統,浜名湖東(P04,P05)が. ない.これは,導流堤の外側では複雑な流れに加えて. 緑系統,今切水路(P06,投入点青)が赤系統,太平洋側. 波の影響も受けるため,今切口水路から沖へ運ばれた. (P07~)が青系統の配色である.まず,太平洋側(外. 土砂は速やかに拡散してしまうためだと考えられる.. 洋)とそれ以外のエリア(湖内)について比較する.下げ 潮時に今切口水路で着色砂を投入したので,3 月 18 日. 3月18日. の時点で湖内より外洋の検出量が多いという結果は妥. 3/19(AM). 3/19(PM). 4月7日. 5月21日. 34.69. 当である.その後も外海での検出のほうが多くなって 34.685. いるが,最大で 2m/s 程度の流れが生じる水路内でも, 土砂の移動は比較的ゆっくりしていることがわかる.. 34.68 緯度. さらに,今切口水路の北側(P03 と P06 の間)には最大 で水深 20m 程度の深みがあるが,この深みを越えて着. 34.675. 色砂が移動しており, 0.3 ㎜程度の粒径の砂は浮遊状態 で輸送されることが確認できた.. 34.67. 100. 34.665 137.58. 90. 137.585. 137.59 137.595 経度. 137.6. 137.605. 80. 図 3 青色着色砂の空間分布. 検出個数. 70 60 50. 3.浜名湖今切口における砂移動のまとめ. 40. 着色砂投入実験の結果から推測される浜名湖今切口. 30. の砂移動の特徴は以下のとおりである.. 20. (1)今切口では下げ潮時の流れが強く,水路内の砂は全. 10 0. 19 15 14 10 9 8 7 投 6 3 4 5 0. 体として沖へ運ばれるが,この移動は比較的緩やかで 2010/3/18 2010/4/07 3/19(AM) 青 3/19(PM) 青 青 青. 0 0 0 31. 0 0 0 0 0 229. 1 9 0 0 0. 2 4 2 1 1. 1 1 0 0 0 96 1 4 0 0 0 0. ある.. 2010/5/21 青. 1 0 0 1 3 2 7. 0 0 0 0 3 15 22. 0 8 0 0 0. 15 0 0 0 2. (2)今切口では粒径 0.3 ㎜程度の砂でも浮遊砂となり, 湖内と外海の砂が交換されている. (3)今切口水路より沖側へ出ると,砂の拡散が著しい. 参考文献 1) 宇多高明:海岸侵食の実態と解決策,山海堂(2004) 2) 齋藤晴久,坂本繁,鈴木誠,尼先貴大,青木伸一, 上山聡,佐藤慎司:土砂動態の高頻度モニタリングの. 図 2 青色着色砂の検出個数. ための着色砂分析システムの開発,海岸工学論文集第 57 巻,pp 1391-pp1395 (2010). 図 3 は青色着色砂の検出の分布である.グラフの軸. 3) Syamsidik,青木伸一,加藤茂,岡辺拓巳:タイダル. は緯度経度,円の位置が採砂位置を示し,円が大きい. インレット近傍の強潮流による底質浮遊に関する研究,. ほど着色砂濃度が高い.投入点付近に大円が集中し,. 海岸工学論文集 第 56 巻,pp.461-465.(2009). ここから離れるほど円が小さくなることから,着色砂 が拡散してゆく様子がわかる.また,3 月 19 日午後に -102-.

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