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魚群探知機情報を活用した低コスト海底地形測深システムの開発

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Academic year: 2022

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魚群探知機情報を活用した低コスト海底地形測深システムの開発

北海道東海大学 正会員 ○畑中 勝守 公立はこだて未来大学 和田 雅昭 北海道東海大学 上瀧 實 東亜建設工業株式会社 増田 稔 有限会社ネクサス 土池 政司 1.はじめに

海底地形は,海洋土木や水産などで必要とされる重要な情報のひとつである.海底地形の測深は,例えばマ ルチビーム音響測深システムを用いて行われるが,装置本体が非常に高額(数千万円)であり,測量を委託す る場合においてもコストが高く,一般的には手軽に海底地形を測深することは困難である.一方,魚群探知機 はほとんどすべての漁船に搭載されており,水深をシングルビームで常時測定している.そこで本研究では,

これまで使用されることのなかった魚群探知機の水深情報を使い,低コストに海底地形を測深するための技術 開発を試みた.本報告では,本システムの概要と精度検証実験について報告する.

2.システム概要

開発したシステムの概念を図1に示す.図1 のとおり,魚群探知機により測深された水深情 報は GPS の位置情報とともに“μCube”と呼ば れる装置を介して Web データベースに保存され る(バックアップ用に CF デバイスにも保存され る).このμCube は,センサネットワーク用汎 用プラットフォームとして本研究で開発したボ ード型マイコンの呼称である(1).μCube は無 線 LAN 経由でインターネットと接続したコント ロール PC を経由し情報を WebDB に送るが,DoPa や FOMA などの公衆通信経由で直接 WebDB にデー タ送信することも可能である.μCube には TCP/IP プロトコルスタックが実装され,HTTP に

よりデータの取得が可能なよう設計されているため,Internet Explorer のような一般的な Web ブラウザから もデータが読み取れるなど,利用者のプログラム開発が容易なよう工夫されている(2)

3.精度検証実験

システムの精度検証のため,2004 年 7 月 19~22 日の期間,北海道留萌市三泊港付近の沿岸にて現地実験を 実施した.現地は,ウニの増養殖実験を実施している 150m×150m のエリアであり,精度検証はマルチビーム 音響測深機による測量結果と比較することにより実施した.使用した機材は,マルチビーム音響測深機が Seabat8101/DMS2,マルチビームの位置情報は StarFire/VectorSensor(Differential 型 GPS)を用い,シン グルビーム(GPS 付魚群探知機)は FURNO 製 GP-1850WF を用いた.図2にマルチビームと本システムで取得し た情報をもとに作成された海底地形図の鳥瞰図を示す.本システムによる結果は部分的には差異があるものの,

マルチビームの結果と比較し遜色ないものと思われる.また,マルチビームの値を真値としたときの誤差(真 値からの差)の分布を図3に,平均相対誤差(真値からの差を真値の比で除した割合の平均)の水深方向の分 布を図4に示す.本システムの誤差の平均値は-18cm(図3)とやや大きく,船の動揺による補正を行ってい キーワード リモートセンシング,海底地形,魚群探知機,GPS

連絡先 〒005-8601 札幌市南区南沢 5 条 1 丁目 1-1 北海道東海大学 011-571-5111 [email protected] システム概要

システム概要

プロッタ 魚探

CF

X,Y

Z GPS衛星

魚群探知機の水深情報

GPSの位置・時間情報 魚群探知機の水深情報

GPSの位置・時間情報

DB化し 海底地形図

DB化し 海底地形図

漁船に搭載

コントロールPC WeDB

Internet 通信

μCube

図1 魚群探知機を用いた測深システムの概念図 土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月)

-521- 4-261

(2)

ないため,波浪の影響により 1~5m の水深域において 10%以上の誤差が生じた(図4).しかし,水深が 5m 以深では 7%程度(図4)であり,誤差分布(図3)も正規分布に近いため測定系の偏りは補正可能と思われ る.以上から,海底地形測深システムとして十分な実用性を示すことができたと考えられる.

4.おわりに

魚群探知機の水深情報を用いた安価な海底地形測深システムの開発を行った.開発したシステムの費用は,

GPS 付き魚群探知機が 25 万円程度,μCube が 10 万円程度であり,全体として 50 万円未満である.マルチビ ーム音響測深機と比較して 40~100 分の一程度のコストであり,精度の信頼性は低いもののコストの面で極め て優位である.精度は測線を細かくし何往復もすれば平均的に向上するものと考えられるが,根本的には測深 時の船の動揺を記録し補正する必要がある.今後はこうした改良を加え,システムの完成度を高め,実用化に 向けた開発を継続していきたいと考えている.

参考文献

(1) 上瀧實・畑中勝守・増田稔・和田雅昭・盛雅道・土池政司・アクメトフ・ダウレン,「自律型空間情報取得ムバコン の開発」,北海道東海大学紀要理工学,15,pp.17-25(2002)

(2) 和田雅昭, 畑中勝守, 土池政司, 増田稔, アクメトフダウレン, 上瀧實,「燃料電池を動力源とする無人 環境調査船の IP コントロール」,電気・情報関係学会北海道支部連合大会講演論文集, pp.317-318 (2004)

図3 誤差のヒストグラム

(誤差はマルチビーム音響測深機の測定結果を真 値とし、本システムとの差により定義した)

図2 精度検証実験エリアの海底地形鳥瞰図(左:マルチビーム音響測深機 右:本システム)

図4 平均相対誤差の水深方向の分布

(相対誤差は、マルチビーム音響測深機を真値と し、本システムの誤差を真値との比で定義した)

0 100 200 300 400

-4 -3 -2 -1 0 1 2 3 4

誤差 (m)

度数

平均(-18cm )

29%

19%

16%

11%

7%

7%

0% 5% 10% 15% 20% 25% 30% 35%

1-2

2-3

3-4

4-5

5-6

6-7

水深 (m)

平均相対誤差

土木学会第60回年次学術講演会(平成17年9月)

-522- 4-261

参照

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