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胆石症

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CQ3-17

胆汁酸製剤は有効か?

肝内結石に対する胆汁酸製剤の有用性に対する報告は少なく,また,大規模検討もみら れないため,明確な結論を出すことは困難である.

3 肝内結石

【薬物治療】

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CQ3-17 胆汁酸製剤は有効か?

肝内結石はビリルビンカルシウム石が多

く,その成分は胆管結石に比べてコレステ

ロール成分が多い.また,肝内結石の胆汁

は比較的コレステロール過飽和であり,胆

汁酸製剤が有用との報告もあるが,結石溶

解効果については明らかな根拠があるとは

いえない.

C1 Ⅳa Ⅳb 可

解 説

(2)

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stone)では,胆管のそれに比べてコレステロール成分が多く,ビリルビンカルシウムが相 対的に少ない.また,肝内結石の肝内胆汁ではコレステロールが増加しており,胆汁酸が 減少している.さらにリン脂質の濃度も,著しく減少しているとされている.肝内結石の 存在している肝区域では HMG-CoA reductase 活性は上昇しており,cholesterol 7 alpha-hydroxylase 活性は低下しており,肝内結石患者の肝臓ではコレステロール,胆汁酸およ びリン脂質代謝障害が存在していると考えられる1,2) 一方臨床的には,胆汁のコレステロール過飽和を伴う Caroli 症候群の肝内結石では, UDCA 治療で 25%に完全消失,75%で部分溶解を認めるとともに,臨床的寛解を維持し たと報告されている3) .また,MDR

3

遺伝子の欠損を伴う肝内結石例でも,全例で UDCA 治療にて再発が防止できたと報告されており4),コレステロール過飽和胆汁に伴う肝内結 石に対しては UDCA が有効である可能性もあるが,いずれも少数例のケースシリーズでの 報告であり,今後の症例蓄積,前向き検討が必要である.

1) Shoda J, He BF, Tanaka N, et al. Primary dual defect of cholesterol and bile acid metabolism in liver of patients with intrahepatic calculi. Gastroenterology 1995 ; 108 : 1534-1546(レベル Ⅳ b)

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33: 1194-1205(レベルⅣ b)

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CQ3-18

経皮的内視鏡治療(PTCS)の適応と限界は?

PTCS(図 20)を用いての完全結石摘出は,EHL を併用することで 80∼ 89.4%の高率で 可能と報告されている1-3).不成功の原因としては,肝内胆管狭窄があげられている1,2).特 に高度狭窄例では完全結石摘出率は,58%まで低下すると報告されており2),高度の狭窄 を有する症例に対する有用性は限定的である. 一方,結石再発率はかなり高く,35∼ 49.8%で再発したとされている1,2).最長 22 年間

【経皮的内視鏡治療】

クリニカルクエスチョン

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CQ3-18 経皮的内視鏡治療(PTCS)の適応と限界は?

肝 内 結 石 に 対 す る 経 皮 的 内 視 鏡 治 療

(PTCS)の適応は,胆管狭窄のある場合,

あるいは狭窄がなくても症状がある場合で

ある.

電気水圧衝撃波結石破砕術(EHL)の併

用により,肝内結石に対する PTCS の完

全結石摘出率は向上しているが,頻回の内

視鏡処置を必要とすることが多く,完全結

石摘出後も再発する傾向があること,肝内

胆管癌を合併する頻度も比較的高いことか

ら,外科的手術も考慮する.

C1 Ⅳb Ⅴ 可

解 説

(4)

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の長期経過観察例の報告では,胆管狭窄の有無では再発率には差はないが,狭窄例では再 発までの期間が短いとされており1) ,狭窄例ではより注意が必要である.その他,肝内胆 管拡張例や Child B・C の進行肝硬変例でも,それぞれ 58.8%,89%の高い再発率を認めた と報告されている1,2).合併症は 1.6∼ 13.2%で認めているが,いずれも保存治療で軽快し ており,重篤な合併症は報告されていない1-4).完全結石摘出までの平均治療回数は平均 3.9 ∼ 6 回2,4)を要したとされており,頻回の内視鏡的処置を要することが問題である.また, 術後胆管炎や胆管癌の合併も知られており4,5),術後長期間の経過観察が必要である. 以上より,結石発生母地を取り除くための外科的手術が治療の基本である5)が,外科的 手術が困難な症例では,PTCS が代替療法となりうるものと考えられる. 肝内結石は日本を含む東アジアで多いことが知られており5),PTCS を用いた肝内結石除 去に関しても,東アジアからの報告が多い.しかし,エビデンスレベルの高い報告に乏し く,今後の日本からのエビデンスレベルの高い研究発表が望まれる.

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2) Lee SK, Seo DW, Myung SJ, et al. Percutaneous transhepatic cholangioscopic treatment for

a b c 図 20 肝内結石症に対する PTCS a :両葉の肝内結石(矢印) b :経皮経肝胆道鏡下結石除去 c :ビリルビンカルシウム石

文 献

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CQ3-19

肝切除術の適応は?

肝内結石症の病態は多様であり,結石の存在部位,種類,胆管狭窄の有無,肝萎縮の有 無,胆管癌合併の有無,などを評価したうえで肝切除の適応を決定する.ビリルビンカル シウム石の場合,胆管狭窄に起因した胆汁うっ滞,胆道感染が結石形成に関与していると 考えられるのに対し,コレステロール石は胆汁の組成の変化などが起因していると推察さ れる.したがって,前者には肝切除(図 21)が,後者には内視鏡的結石摘出術が優先され る場合が多い. ビリルビンカルシウム石の場合,CT など画像所見で肝葉萎縮のある症例はその領域の機 能は落ち,発癌の危険性もあるため肝切除の適応と考えられる1) .また,画像所見,腫瘍 マーカー(CEA,CA19-9)の上昇から胆管癌が疑われる症例も肝切除の適応になる.萎縮 のない症例は,経皮経肝胆道内視鏡的結石摘出を行い,胆管狭窄,胆管癌合併の有無を検 討する2).狭窄が残存する場合,結石再発率は高く,胆管癌発生の危険性も指摘されてお

【肝内結石に対する肝切除術】

クリニカルクエスチョン

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CQ3-19 肝切除術の適応は?

肝萎縮が認められる場合,胆管癌が疑われ

る場合,内視鏡的結石摘出が困難な場合,

その亜区域,区域,葉の肝切除の適応にな

る.

C1 Ⅳb Ⅳb 可

解 説

(7)

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り,肝切除を推奨する意見もあるが3-7),経過観察する施設もあり,肝切除の相対的適応と 考えられる.経皮経肝胆道内視鏡的結石摘出が不成功な場合,やはり胆管狭窄部を含めた 肝亜区域,区域,ないし葉切除が推奨される.結石が両葉に存在する場合は内視鏡的結石 摘出術を片葉ないし両葉より行い,胆管狭窄など原発病巣の診断を行ってから肝切除を考 慮する.結石除去後,左右どちらかの胆管狭窄が明らかになれば葉切除を,両葉に認めら れる場合でも,一部の領域に限局していれば区域切除,亜区域切除を適応することにより 根治的治療が可能になる8,9) コレステロール結石の場合,無症状なら経過観察する場合が多く,有症状の場合,内視 鏡的結石摘出により比較的良好な成績が得られている10).しかし,肝機能良好な場合,根 治的治療として肝切除を適応してもよい. a b c d 肝内結石 中肝静脈 萎縮した肝左葉 図 21 肝切除適応例 a : CT.萎縮した肝左葉 b : MRCP.左肝管内に結石を認める. c :切除した肝左葉 d :ビリルビンカルシウム石

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CQ3-20

経乳頭的内視鏡治療の適応と限界は?

肝内結石に対する経乳頭的内視鏡治療は,胆道狭窄のない,あるいは軽度であり,かつ 胆道異型のない症例に適応すべきである.Takada らは,肝内結石患者 86 例に対する経乳頭 的内視鏡治療に対する検討から結石完全除去率 69%(結石再発率 3%)を報告している1) . 胆管狭窄のない症例では成功率 98%だが,軽度狭窄では 63%,高度狭窄では 0%と,胆道 狭窄の有無が成功率を左右する.さらに,後区域胆管の形成異常も重要な因子となる.一 方,総胆管結石併存例に対する内視鏡的乳頭切開術(EST)の長期予後の検討(54 例)では完 全結石除去例(18 例)では,後期合併症は認められなかったのに対して,遺残結石例(36 例)では,10 例に後期合併症(胆管炎 7 例,肝膿瘍 3 例)を認めた.すなわち,EST 後の肝

【経乳頭的内視鏡治療】

クリニカルクエスチョン

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CQ3-20 経乳頭的内視鏡治療の適応と限界は?

肝内結石に対する経乳頭的内視鏡治療は,

胆道狭窄がないか,あるいは軽度であり,

なおかつ胆道異型のない症例が適応であ

る.しかし,完全結石摘出率は決して高く

はなく,遺残結石例では,高率に後期合併

症として続発性胆道感染症(胆管炎,肝膿

瘍)を認めるため,種々の追加治療により

完全に除去すべきである.

C1 Ⅳb Ⅳb 可

解 説

(10)

UNCONTROLLEDCOPY

去すべきである2).また,さまざまな治療法で結石除去が不成功であった難治性肝内結石

にはレーザー破砕術による補助療法や PTCL との併用療法も選択されうるが効果について は明確なエビデンスに乏しい3,4).confluence stone に対しては

EST,EML,PTCS,PTCC-SL,PTBD,ESWL,EHL を組み合わせることにより内視鏡的治療の成功率は高まるが,症 例の積み重ねと個々の手技に対する適応や手技別の治療成績など今後検討すべきである5,6)

1) Takada T, Uchiyama K, Yasuda H, et al. Indications for the choledochoscopic removal of intra-hepatic stones based on the biliary anatomy. Am J Surg 1996 ; 171 : 558-561(レベルⅣ b) 2) Tanaka M, Ikeda S, Ogawa Y, et al. Divergent effects of endoscopic sphincterotomy on the

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Gastroenterol Endosc 2001 ; 43 : 969-973(レベルⅤ)

文 献

(11)

UNCONTROLLEDCOPY

CQ3-21

胆道再建術後の肝内結石症に対する治療法は?

胆管消化管吻合より上での術後肝内結石症 25 例の検討では1) ,結石摘出と胆管空腸吻合 9 例,結石摘出と肝管空腸吻合 7 例,術中部分結石摘出と肝管空腸吻合+術後 PTCS 5 例, 葉切除と肝管空腸吻合 4 例であった.吻合部狭窄の最も高い位置での吻合再建と術中結石 摘出,術後の経皮内視鏡による結石摘出や結石破砕を組み合わせることによりよい結果が 得られるとしている.また,胆管空腸吻合後の sump syndrome の 1 例報告では2) ,Roux-en Y の肝管空腸吻合を行い皮下に術後の結石摘出のための Roux ループを置いている. 日本での胆道再建術後の肝内結石 13 例の治療の報告では3) ,再吻合および吻合部形成 6 例,肝切除 2 例,PTCS 3 例,ESWL 1 例,無治療(自然排石)1 例であった.1 回のみの治 療でその後の経過良好例が 7 例,2 回以上の治療を要した例が 6 例であった.この結果か ら MDCT や MRCP などによる正確な病態の把握が必要で,PTCS を中心に ESWL なども

【胆道再建術後の肝内結石症に対する治療法】

クリニカルクエスチョン

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CQ3-21 胆道再建術後の肝内結石症に対する治療法は?

PTCS を中心に ESWL なども組み合わせ

た低侵襲で繰り返し行える治療法を選択す

る.肝萎縮や癌の合併,繰り返し結石が再

発する場合にはその原因を除去する手術を

考慮する.

B Ⅴ Ⅴ 可

解 説

(12)

UNCONTROLLEDCOPY

小児の先天性総胆管拡張症術後については,日本からの 28 例の晩期合併症の検討で4) 3 例(10.7%)に肝内結石を認め,経皮内視鏡で治療でき手術は不要であった. 79 例の早期晩期の成績の検討では5),2 例で吻合部狭窄と胆管炎をきたし,8 年後と 11 年後に肝内結石を発症して,狭窄部再吻合と結石除去術施行した.他の 1 例に超音波で肝 内結石が認められたが症状なく経過観察としたと報告している. 147 例の術後の検討では6),12 例で肝内結石症を発症し,膜様狭窄か索状狭窄の 2 種類 の先天性狭窄が原因でさらに胆道感染が加わることにより結石が形成されるとしている. 治療は胆道再建と狭窄部の切除・形成でバルーン拡張は無効であるとしている.また 2 つ の 1 例報告では7,8),過長な空腸脚を胆管空腸吻合部とともに切除し再吻合したと報告して いる. 一方,胆道閉鎖症については,術後 31 年目に肝内結石症を併発した 1 例報告で9) ,術後 12 年で両葉の肝内結石を発症し,肝左葉切除と胆道再建を行った.胆道閉鎖症術後の肝内 結石症についての 5 つの邦文の文献を引用し,8 例中肝切除の報告は自験例以外に 1 例の みで,一般的には PTCD 後,内視鏡による結石除去か開腹による結石除去が行われている としている. また,肝移植後の肝内結石については,12 例の肝移植後の胆管炎を伴う胆道狭窄のうち, 4 例で肝内結石を認め,3 例は経皮経肝胆道鏡下に色素レーザーにて破砕結石摘出し 1 例は 慢性拒絶にて再移植したと報告している10) (図 22).

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UNCONTROLLEDCOPY

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a b c d 図 22 胆道再建術後の肝内結石症例 a : DIC-CT.肝内胆管後区域枝が造影されない(矢印). b :ダイナミック CT.後区域枝に結石が充満(矢印). c :切除肝割面 d :摘出肝内結石

参照

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