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高炉スラグ微粉末高含有コンクリートの温度特性に関する検討

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Academic year: 2022

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高炉スラグ微粉末高含有コンクリートの温度特性に関する検討

戸田建設株式会社 正会員 ○土師 康一 正会員 田中 徹 西松建設株式会社 フェロー 佐藤 幸三 正会員 椎名 貴快

株式会社フローリック 正会員 小池 晶子 国立研究開発法人土木研究所 正会員 中村 英佑

1.はじめに

近年,環境負荷低減を目的として,セメントの製造過程における CO2排出削減を図るため,結合材であるポ ルトランドセメントの使用量を抑制し,代替材料として副産物である高炉スラグ微粉末等を使用したコンクリ ートの開発が進められている.本稿では,ポルトランドセメントの 90%を高炉スラグ微粉末で置換した高炉 スラグ微粉末高含有コンクリート(以下,H10BF)について,温度特性に着目し検討した結果について報告する.

2.配合および使用材料

表-1に今回検討した試験配合を,表-2に使用材料を示す.本配合は早強ポルトランドセメントを使用し,

セメント使用量を抑制するため,SO3換算で 2.0%となるように石膏を添加した高炉スラグ微粉末(4000)を JIS R 5211 高炉セメントの上限値となる 70%を超えた,90%使用した配合としている.

3.室内試験概要および試験結果 3.1 熱膨張係数

中心部に埋込み型ひずみ計を埋設した供試体 (φ100×200mm)を使用し,温度変化に伴う体積変 化特性を把握することを目的として熱膨張試験を 実施した.試験方法としては,打設後 20℃環境下 で材齢 3 日まで湿潤養生した後,脱型し材齢 28 日 まで同環境下で封緘養生を行った.その後,供試 体に温度履歴(20~60℃,4 サイクル,温度変化:

2.0℃/hr)を与えてひずみを測定した(図-1参照).

試験結果を表-3に示す.試験の結果から得ら

れた熱膨張係数は 12.8×10-6/℃と『コンクリート標準示方書(設計 編)』1)に示す高炉セメント B 種の熱膨張係数(12×10-6/℃)より 7%程 度大きくなる結果となった.

3.2 断熱温度上昇特性

セメント水和熱による断熱温度上昇特性を把握することを目的と して断熱温度上昇試験(JCI-SQA3)を実施した.図-2に試験結果を示し,

比較のため,図中に『コンクリート標準示方書(設計編)』1)を基に設 定した,材齢 28 日での圧縮強度が同等の各種セメント配合の断熱温度 上昇量の計算値を併記する.図より本配合の断熱温度上昇量は他のセ メントの終局断熱温度上昇量 Qの 51~60%程度となった.また,本 配合は施工性を考慮し,フレッシュ状態での経時保持性を高めるため 特殊混和剤を使用した 2).そのため,凝結時間がやや遅れ,温度上昇 の起点材齢が 0.5 日程度になった.

キーワード 高炉スラグ微粉末,

CO

2排出削減,低炭素,熱膨張係数, 断熱温度上昇特性

連絡先 〒104-8388 東京都中央区京橋

1-7-1 戸田建設(株)本社土木工事技術部 TEL03-3535-1614

図-1 熱膨張係数測定時の温度履歴 表-3 熱膨張係数測定結果 表-1 試験配合(H10BF)

表-2 使用材料

混和剤

(%) (%) (%) HPC BFS

BFS

置換率 W/B s/a 単位量(kg/m3

W B

S

90 35.0 50.0 165 47 424 811 838 AD

(B×%)

1.00 G

0 10 20 30 40 50 60 70

0 100 200 300 400

設定温度(

経過時間(hr)

上昇時 下降時 平均

2回目 12.1 12.7 3回目 12.8 12.9 4回目 13.0 13.1

12.8 熱膨張係数 (×10-6/℃) サイクル

材料 記号 仕様

W 上水道水

セメント HPC 早強ポルトランドセメント 密度:3.14g/cm3,比表面積:4,490cm2/g 混合剤 BFS 高炉スラグ微粉末 密度:2.89g/cm3,比表面積:4,440cm2/g 細骨材 S 掛川産山砂 表乾密度:2.58g/cm3,吸水率:2.01%

粗骨材 G 笠間産砕石 表乾密度:2.67g/cm3,吸水率:0.43%

高性能AE減水剤(標準形Ⅰ種)

ポリカルボン酸化合物 , リグニンスルホン酸塩 混和剤 AD

土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

‑971‑

Ⅴ‑486

(2)

4.試験打設概要および計測結果

実施工時における試験配合の温度上昇特性の把握を目的とし て,実施工設備を用いた試験打設を実施した.供試体は写真-1 に 示すように,一辺が 1.0m の立方体状で,打設時の温度性状を確認 するために深さ 0.5m の位置の供試体中心部,ならびに端部に熱電 対を配置した.また,比較のため,材齢 28 日における圧縮強度が 同等となる普通コンクリート(27-12-20N)を同時打設し,温度計測 結果の比較を行った.図-3に試験打設時における封緘養生供試体 (φ100×200mm)の圧縮強度試験結果を示す.図より今回配合につ いては,普通コンクリートと概ね同等の初期強度発現となった.

4.1 温度測定結果

図-4 に試験打設時におけるコンクリート供試体の温度計測結 果を示す.図に示すように H10BF 供試体中心部のピーク温度は普 通コンクリートに比べ約 10℃低く,また,温度ピークの材齢が 5 時間遅延することが分かった.これは断熱温度上昇試験と同様の 帰結を示唆するものである.また,図-5に供試体中心部における H10BF の温度計測結果と,試験物性を用いた温度解析結果を示す.

図に示すように実測値がピーク温度で 0.6℃高く,ピーク材齢が 2.9 時間早いものの,定性的には強い相関関係が見られ,実打設 時の温度上昇特性を再現できると考える.

5.まとめ

今回検討により以下のことが確認された.

(1) H10BF の熱膨張係数は 12.8×10-6/℃となり,高炉セメント B 種を用い たコンクリートに比べ熱膨張係数が 7%程度大きくなることが確認さ れた.

(2) 終局断熱温度上昇量 Qが他のセメント使用時に比べ 51~60%程度に 小さくなり,また,混和剤の影響により初期の温度上昇に遅延傾向が 見られた.

(3) 実打設状況からも水和熱抑制効果が確認され,また,試験結果を用い た温度解析により温度履歴を再現できることが明らかになった.

なお,本件は土木研究所が主催する共同研究の成果の一部である.

参考文献

1) 土木学会:2012 年制定コンクリート標準示方書(設計編),2013.3

2) 川口泰弘ら:副産物を高含有した低炭素コンクリートの施工性に関する一検討,土木学会第 67 回年次学術講演会,H24.9 図-3 強度試験結果(封緘養生)

図-2 断熱温度上昇特性

0 10 20 30 40 50 60

0 2 4 6 8 10 12 14

断熱温度上昇量(

経過日数(日)

H10BF 普通セメント

高炉セメントB 低熱セメント

H10BF 普通 高炉B 低熱

Q

(℃) 27.5 50.7 53.9 45.8

0 10 20 30 40

0 7 14 21 28

圧縮強度(N/mm2

材齢(日)

普通コンクリート

H10BF

写真-1 試験打設供試体 ( 左:高炉スラグ高含有配合(H10BF),

右:普通コンクリート(27-12-20N)) 0.5m

:熱電対設置箇所

0 10 20 30 40 50 60

0 1 2 3 4 5 6 7

クリー温度(

材齢(日)

温度解析結果 実測値(H10BF)

0 10 20 30 40 50 60

0 1 2 3 4 5 6 7

コンート

材齢(日)

普通コンクリート(中心部)

普通コンクリート(端部)

H10BF(中心部)

H10BF(端部)

図-4 温度計測結果 図-5 温度解析結果と実測値(中心部)

ピーク材齢差:2.9 時間

R=0.9720

型枠取外し

ピーク材齢差: 5 時間

土木学会第70回年次学術講演会(平成27年9月)

‑972‑

Ⅴ‑486

参照

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