スポーツ科学研究, 7, 129-131, 2010年
129
上海体育学院との学術交流事業に参加して Academic exchange at Shanghai University of Sports
浅香明子 Meiko Asaka
早稲田大学大学院スポーツ科学研究科 Graduate School of Sport Sciences, Waseda University
スポーツ科 学 研 究 , 7, 129-131, 2010年 , 受 付 日 :2010年 12月 25日 , 受 理 日 :2010年 12月 25日
2010 年 11 月 5 日(金)から 2010 年 11 月 8 日(月)まで、早稲田大学グローバル COE プロ グラム事業 の一 環として、箇 所 間協 定を結んでい る上海体育学院との学術交流に GCOE 登録学 生 5 名のうちの 1 人として参加した。また、今回の 主 要 な目 的 は、上 海 体 育 学 院 で開 催 された 4th Shanghai International Forum on Exercise and Health に 参 加 し 、 そ の 中 の Sino-Japan Postgraduates Forum において自身の研究成果 について口頭発表を行うことであった。
上 海 体 育 学 院 は、1952 年 に開 設 された中 国 で最 も歴 史 の長 い体 育 大 学 であり、中 国 の伝 統 武 術 を始 め、体 育 教 育 、スポーツ科 学 に特 化 し た大 学 である。上 海 に到 着 した初 日 、上 海 体 育 学 院 の大 学 院 生 が大 学 内 の施 設 を案 内 してくだ さった(写 真 1)。上 海 体 育 学 院 の中 心 には、歴 史 的 建 造 物 である旧 政 府 特 別 市 政 府 の建 物 が 建ち、サッカーコート 2 面、陸上トラック 2 面、屋内 陸 上 トラック、屋 内 ・屋 外 プール、大 体 育 館 、テニ スコート、さらには大学構 内に武術博 物館が存在 し、その広 さに驚 かされた。武 術 博 物 館 には、古 くに使 われていた剣 の展 示 や、近 年 日 本 でも人 気 の高 い太 極 拳 をはじめとしたあらゆる流 派 の拳 法 の歴 史 が 展 示 されて いた。また、 研 究 施 設 は 分 野 ごとに分 かれており、我 々は運 動 科 学 分 野 の研 究 棟 を見 学 させていただいたが、研 究 設 備 も非 常 に充 実 しており、大 学 院 生 は勉 強 ・研 究 と
スポーツを両 立 して学 生 生 活 を満 喫 しているよう であった。
また、我々の案内をしてくださった 4 名の大学 院生のうち、3 名は現在日本語を勉強中で、中に は 1 年 間日 本 に留 学していた学生 もいたが、上 海で 2 年しか勉強していない学生でも、積極的か つ流暢に日本語で話しかけてきてくれた。彼女等 のその日 本 語 を話 そう、学 ぼうという積 極 的 な姿 勢 は 、 非 常 に 素 晴 ら し く 、 と て も 良 い 刺 激 と な っ た。
2 日目は、4th Shanghai International Forum on Exercise and Health に参加し、シンポジストの先 生 方 の講 演 を聴 講 した。基 本 的 には英 語 の講 演 ということであったが、中 には中 国 語 も交 ざってお り、この分野に関する国際化という点においては、
日 本 と同 様 、まだこれからの課 題 の一 つであるの ではないかと感 じた。また、初 日 とは別 の学 生 とも 交 流 でき、つたない英 語 ながら自 身 の研 究 や興 味 について説 明 し、翌 日 の発 表 に向 けての英 語 の練習にもなった。
3 日 目 、我 々の今 回 の一 番 のイベントである、
大 学 院 生 による英 語 での研 究 発 表 が行 われた。
我々日本人学生 5 名に加え、中国人学生 5 名が 発 表 したが、分 野 はスポーツ科 学 の中 でも非 常 に多 岐 にわたるものであった。両 国 の学 生 とも緊 張しながらも、内容のある良い発表を行えたと思う。
私自身は、質疑応答において非常に苦手意識を
スポーツ科学研究, 7, 129-131, 2010年
130 持 っており、質 問 に答 えはしたものの、後 々もっと 良い答え方があったのではないかと多くの反省点 が残 った。また、中 国 人 学 生 は臆 することなく他 の発 表 者 に英 語 で質 問 していたのに対 し、質 問 をしたくても英 語 で質 問 すること自 体 に恐 縮 して しまった。したがって、質 疑 応 答 に正 確 に答 えら れるよう練 習 を重 ねること、英 語 で質 問 できるよう にすることが、今回の経験で得た今後の課題であ る。しかし、座 長 の先 生 から、我 々の研 究 および 発 表 に対 するお褒 めの言 葉 をいただいたことは、
この学 術 交 流 に参 加 して得 た大 きな成 果 であっ た。
今年度、グローバル COE プログラムのおかげ で、今 回 の発 表 も含 めて、英 語 で口 頭 発 表 をす る機 会 を多 く得 ることができ、非 常 にたくさんの刺 激 を受 けた。世 界 に目 を向 けると、上 海 の学 生 を はじめ、英 語 圏 でない国 の人 でも、修 士 課 程 や 博 士 課 程 の学 生 が、非 常 に流 暢 な英 語 で積 極 的 に口 頭 発 表 を行 っている。一 方 、日 本 人 は口
頭 発 表 を避 ける傾 向 があり、さらに海 外 の方 から も、日 本 人 はシャイであり英 語 の発 表 が苦 手 であ ると思 われているようだ。しかしながら、これから先 、 世 界 を視 野に入 れて研究 を行っていきたいと思う ならば、それはいつか乗 り越 えなければならない 壁である。その「いつか」を、まだ失敗 してもやり直 しがきき、グローバル COE プログラムのサポートが ある「いま」にしたい。
非 常 に恵 まれた環 境 で研 究 を行 うことができる いま、その機 会 を無 駄 にせず、挑 戦 すべきことは 挑 戦 し、世 界 に通 用 する研 究 者 を目 指 していき たい。
最 後 に 、 こ の 学 術 交 流 コ ー デ ィ ネ ー タ ー の 曹 振 波 先 生 、研 究 院 助 教 の先 生 方 をはじめ、ご尽 力いただいた早 稲田 大 学スポーツ科学 学 術院 の 先生方、お世話になった上海体育学院の先生方、
終 始 手 厚 く歓 迎 してくださった上 海 体 育 学 院 の 大学院生の皆様に深謝いたします。
写 真 1 上 海 体 育 学 院 の学 生 と交 流 写 真 2 Sino-Japan Postgraduates Forum
スポーツ科学研究, 7, 129-131, 2010年
131
写 真 3 The 4th Shanghai International Forum on Exercise and Health 記 念 撮 影
-旧 政 府 特 別 市 政 府 の建 物 前 にて-