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実習指導者からの支援を獲得するために看護学教員が実践している教授活動

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実習指導者からの支援を獲得するために

看護学教員が実践している教授活動

実習目標達成に向けて

河 内 直 美, 田 安 弘,山 下 暢 子,吉富美佐江 群馬県立県民 康科学大学 目的:教員が実習指導者からの支援を獲得するために実践している教授活動を明らかにし,その特徴を 察する. 方法:全国の看護系大学,短期大学,専門学 に所属し,看護学実習を担当している教員662名を対象に, 郵送法により質問紙を配布し,個別投函により回収した.319名(回収率48.2%)より回答を得,無回答な どを除く309名の記述を,Berelson, B.の方法論を参 にした看護教育学における内容 析を用い 析し た. 結果:【学生の学習状況に合わせた指導の内容・方法を具体的に説明し,その実施を依頼する】【学習成果, 実習目標達成度を含めた学生の学習状況を説明する】など38カテゴリが形成された. 結論:教員が実習指導者からの支援を獲得するために実践している教授活動を表す38カテゴリを明らかに した.また,それらの内容は 学生個々の学習状況,指導内容と方法に対する理解を実習指導者と共有す る> 学生が提供する看護の質を保証する> など8つの特徴を示した. キーワード:看護学実習,看護学教員,実習指導者,教授活動 .緒 言 看護学実習とは,学生が既習の知識,技術を基 にクライエントと相互行為を展開し,看護目標達 成に向かいつつ,そこに生じた現象を教材として, 看護実践能力を習得するという学習目標達成を目 指す授業である .授業において,看護学教員(以 下,教員と略す)は教授活動の主体者であり ,学 生が効果的に学習し,学習目標を達成できるよう 教授活動を展開する責任をもつ. 看護学実習中の教員の教授活動に関する研究 は,実習目標達成に必要不可欠な教授活動を表す 概念の一つに,「医療現場への配慮を伴うスタッフ への支援要請と獲得」があることを明らかにした. この概念の中の「スタッフ」には実習指導者も含 まれている.また,看護学実習における学生の行 動に関する研究 は,学生が実習目標達成を目ざ す過程において,実習指導者等の行動を観察し, その中から手本とすべき技術や態度を見いだし, それを模倣し,自 自身に取り入れようと試みる ことを明らかにした.これらは,学生が効果的に 学習し,実習目標を達成できるよう教授活動を展 開するためには,実習指導者からの支援獲得が不 可欠であることを示す.また,実習指導者が学生 の面前で示す実践は学生の学習の過程や成果に重 要な影響をもたらすことを示す. 平成23年,厚生労働省は,「看護教育の内容と方 法に関する検討会報告書」 により,学生の実践 能力向上のための教育体制として,教員と実習指 導者の役割 担と連携が必要であることを示し 連絡先:〒371-0052 前橋市上沖町323-1 群馬県立県民 康科学大学 河内直美 群馬県立県民 康科学大学紀要 第11巻:23∼48,2016

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た.この厚生労働省の報告書は,前述した教員に よる実習指導者からの支援獲得の必要性を裏付け る. 実習指導者からの支援獲得のために教員が実践 している教授活動に焦点をあてた国内外の文献を 系統的に検索し,検討した結果,次の事実を確認 した.先行研究は,教員が,主に学生の 康管理, 学 習 態 度 や 実 習 記 録 の 指 導 な ど の 役 割 を 担 い ,実習指導者に対しては,学生への教育的な 関わり,教員・病棟スタッフとの連携,実習環境 の調整,学生が行う看護実践への支援などの役割 を期待している ことを明らかにした.また,教 員が実習指導者と,学生の学習状況に関する情報 の共有,指導体制や実習環境の整備,指導方針の 統一など,連携しながら実習を展開している ことを明らかにした.しかし,実習指導者との関 係構築に苦慮し,上手く支援を得られない状況も ある ことを明らかにした.これらは,教員に とって実習指導者からの支援が,学生の実習目標 の達成に不可欠であるものの,その獲得に困難を きたしていることを示す.この困難を克服するた めには,実習指導者からの支援獲得のために教員 が実践している教授活動の理解に資する研究成果 が有用となる.これに関し,1件の研究 が存在し た.この研究は,教員が実習指導者との継続的な 連携と指導のために情報伝達シートを作成・活用 し,それが学生の学習状況の理解の共有,指導方 針の統一に有効であることを明らかにした.この ことは,教員が実習指導者に対して,学生の学習 状況に関する情報や指導方針を伝えるという教授 活動を実践している事実を示す.前述したように, 教員が実習指導者に期待する役割や教員が実習指 導者と連携している内容は多様である.そのため, 教員は実習指導者からの支援獲得に向け,さまざ まな教授活動を実践する必要がある.しかし,学 習状況や指導方針を伝えること以外の教授活動は 解明されていなかった. 以上を前提とし,本研究は,教員が実習目標達 成に向けて,実習指導者からの支援を獲得するた めに実践している教授活動を明らかにすることを 目指す.この研究成果は,教員が実習指導者から の支援を獲得するための自己の教授活動を客観視 し,効果的な教授活動の手がかかりを得ることに 役立つ. .研究目的 教員が実習目標達成に向けて,実習指導者から の支援を獲得するために実践している教授活動を 明らかにし,その特徴を 察する. .用語の定義

1.看護学実習(nursing clinical practicum) 学生が既習の知識,技術を基にクライエントと 相互行為を展開し,看護目標達成に向かいつつ, そこに生じた現象を教材として,看護実践能力を 習得するという学習目標達成を目指した授業であ る . 2.実習指導者(clinical instructor) 保 師助産師看護師学 養成所指定規則 は, 看護師学 養成所の指定基準の一つに,「当該実習 について適当な実習指導者の指導が行われるこ と」を規定している.看護師等養成所の運営に関 する指導要領 は,実習指導者となることのでき る者を,「担当する領域について相当の学識経験を 有し,かつ,原則として必要な研修を受けたもの」 と規定し,学生が実習する看護単位への実習指導 者の配置を定めている. 以上を前提とし,本研究において,実習指導者 を次のように規定する.実習指導者とは,担当す る領域について相当の学識経験を有し,かつ,原 則として必要な研修を受講し,実習施設の任命の もとに看護単位に配置された看護師を指す.

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3.看護学教員(nursing faculty) 教員とは,教育行政の単位又は対象として用い られる学 の教師に関する法律用語である .看 護学を教授する教員とは,保 師助産師看護師 法 第19条,第20条,第21条に定める学 および 看護師養成所に所属し,教授活動を展開し,なお かつ看護師の資格を有する者 を指す. 以上を前提とし,本研究において,看護学教員 を次のように規定する.看護学教員とは,看護系 大学,看護系短期大学,看護専門学 に所属し, 看護師免許を有し,看護学教育に携わる教員を指 す. 4.教授活動(teaching activity) 教授活動とは,実習目標の達成に向けて,教授 主体である教員が,クライエントの提示する現象, 看護職者がクライエントに提供する看護実践とい う教材を媒介にして,知識,技術の修得を目指す 学生の学習活動を支援する活動である .この 学生の学習活動を支援する活動の中に,スタッフ への支援要請と獲得を含む . .研究方法 1.研究対象者 教員が実習指導者からの支援を獲得するために 実践している教授活動を明らかにするためには, 看護学実習を担当している教員を研究対象者とす る必要がある.また,ある教育機関に限定せず, 多様な背景から構成される多くの教員を研究対象 とすることにより,豊富なデータを収集できる可 能性がある.そのため,全国の看護系大学,短期 大学,専門学 に所属し,看護学実習を担当して いる教員を対象者とした. 2.測定用具 以下の①②により構成される質問紙を作成し た. ①実習目標達成に向けて教員が実習指導者から の支援を獲得するために実践している具体的 な教授活動の記述を求める自由回答式質問. ②対象者の特性を問う質問 所属する教育機関の種類・所在地域・設置 主体,担当する専門領域,職位,教員経験年 数,臨床経験年数,実習指導を行っている主 たる実習施設の設置主体,性別,年齢を問う 選択回答式質問と実数記入式質問. 測定用具,データ収集の手続きの妥当性は,専 門家会議およびパイロットスタディにより確保し た. 3.データ収集 1)質問紙配布数の決定 本研究の目的達成に必要な質問紙配布数を決定 するために,全国の教員を対象とし,郵送法によ るデータ収集および Berelson, B.の方法論を参 にした看護教育学における内容 析を用いて データ 析を行い,一般化できる研究成果を産出 していた先行研究 のデータ収集結果を参 に した.検討した結果,本研究における質問紙の回 収率を40%と仮定し,返送される質問紙が310前後 となることを目標に,回収状況を確認しながら質 問紙を775部配布することに決定した. 2)データ収集の実施方法 多様な背景から構成される研究対象者を包含 し,過不足のないデータを収集するとともに,対 象者に生じる心身の負担の軽減を図り,情報を得 る権利および自己決定の権利を保障するために, 次の方法で実施した. 看護学 覧 を参 に,看護基礎教育課程を 提供する全国の学 から抽出した. 学 数は,前述の先行研究 を参 にした.また, 2006年看護教育基礎調査 は,教員数6∼9人の 学 が最も多いことを示した.これらの結果を参 に,本研究における研究協力の受諾率を44%,

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各学 への配布数を平 8部と仮定し,抽出する 学 数を220 とした.その際,地域と学 の種類 による偏りが生じないよう,都道府県と学 の種 類を層化変数とする層化無作為抽出法を用い,比 例割り当て法により,各地域及び学 の種類別の 標本数を決定した.この方法により抽出した看護 系大学,短期大学,専門学 の教育管理責任者に 対し,往復はがきを用いて研究協力を依頼した. 研究協力の承諾が得られた学 の教育管理責任者 に,質問紙配布依頼状,対象者への研究協力依頼 状,質問紙,返信用封筒を送付し,研究協力に承 諾した教員への配布を依頼した.対象の自己決定 の権利を保障するため,質問紙は,個別投函によ り回収した. 4.データ収集期間 データ収集期間は,2014年5月24日から6月30 日であった. 5.データ 析 1)教員が実習指導者からの支援を獲得するため に実践している教授活動を問う質問の回答の 析 Berelson, B.の方法論を参 にした看護教育学 における内容 析 を用いて,次の手順により 析した. ⑴ 研究のための問い」と「問いに対する回答 文」の決定 「研究のための問い」を,「教員は実習目標達成 に向けて実習指導者からの支援を獲得するために どのような教授活動を実践しているか」とした. また,「問いに対する回答文」を,「教員は実習目 標達成に向けて実習指導者からの支援を獲得する ために( )という教授活動を実践している」と した. ⑵ 自由回答式質問への回答のデータ化 各対象者の記述全体を文脈単位とし,「教員が実 習目標達成に向けて実習指導者からの支援を獲得 するために実践している教授活動」を表す1内容 を1項目として含むフレーズ,文章とした. ⑶ 基礎 析 「研究のための問い」に対する回答となる内容 をキーワードとし,同一表現の記録単位,表現は 異なるが意味同一の記録単位を集約し,同一記録 単位群の一覧表を作成した.この際,「研究のため の問い」に対応していない,あるいは「研究のた めの問い」に対応しているが,表現が抽象的すぎ たり,意味が不明瞭な記録単位は,理由を明記し 析から除外した. ⑷ 本 析 基礎 析によって作成された個々の同一記録単 位群を「研究のための問い」に照合し,意味内容 の類似性により集約した.さらに,その類似性を 的確に表す表現をカテゴリネームとして置き換 え,カテゴリを形成した.各カテゴリに包含され た記録単位の出現頻度を数量化し,集計した. ⑸ カテゴリの信頼性の確保 析の際,研究方法論,内容に精通している看 護教育学研究者に 析の過程とカテゴリを示し, スーパービジョンを受けた.さらに,看護教育学 に携わり,Berelson, B.の方法論を参 にした看 護教育学における内容 析を用いた研究経験のあ る看護学修士2名に,カテゴリ 類の一致率算出 の協力を依頼した.Scott, W.A.の計算式 を用 いて一致率を算出し,信頼性確保の基準を70%以 上として検討した. 2)対象者特性を問う質問への回答の 析 対 象 者 の 特 性 を 析 す る た め に,Microsoft Excel2010を用い,記述統計値を算出した. 6.倫理的配慮 研究対象者への倫理的配慮は,日本看護教育学 学会研究倫理指針 に基づき,次のように行っ た.

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研究協力による対象者の不利益は,回答のため の時間的負担である.この負担を最小にするため に,質問紙を作成する際には,十 な文献検討と 専門家会議の開催により,質問の内容,質問項目 の数,順序,回答に要する時間,回答のしやすさ などを検討した.また,質問紙とともに配布する 研究協力依頼状に,回答に要する時間の目安を記 載した.さらに,研究結果を対象者に還元できる よう,看護系学会等に発表予定であることを説明 した. 対象者の情報を得る権利および自己決定の権利 を保障するため,教育管理責任者に往復はがきを 送付し,研究協力の依頼と協力の意思を確認した. また,研究対象者には,研究の目的と意義,内容, 倫理的配慮などを記載した研究協力依頼状を配布 して説明し,協力を依頼した.さらに,研究に関 する質問はいつでも可能であり,それに答える準 備が整っていることを伝えるとともに,問い合わ せ先を示した.加えて,研究への協力は,自由意 思に基づいて決定できること,研究への協力の拒 否によりいかなる不当な扱いも受けないことを説 明した. 対象者の自己決定を尊重し,研究の協力が自発 的かつ任意であることを保障するために,質問紙 の回収は個別に投函する方法により行った.また, 質問紙の返送をもって研究協力に同意が得られた ものとすることを明記した. 匿名性を保障するため,研究対象者には無記名 による質問紙への回答を求めた.また,回答内容 を 析する際はコード化および統計的処理を行 い,結果を 表する際は個人の特定につながる情 報を伏せた. なお,本研究は,群馬県立県民 康科学大学倫 理委員会による承認を得て,実施した. .研究結果 研究協力依頼を受諾した86 の教員662名に,教 育管理責任者を通して質問紙を配布し,319名より 返送があった(回収率48.2%).このうち,10名は 実習指導者からの支援を獲得するために実践して いる教授活動を問う自由回答式質問に無回答で あったため, 析対象から除外した. 1.対象者の特性 本研究の対象となった309名の教員経験年数は, 1年から33年の範囲であり,平 10.3年であった. 所属する教育機関の種類・所在地域・設置主体, 担当する専門領域,職位などは多様であった(表 1). 2.実習指導者からの支援を獲得するために看護 学教員が実践している教授活動 析対象者309名の記述は,309文脈単位,1,062 記録単位に 割できた. 析対象者1名あたりの 記録単位数は,1記録単位から17記録単位の範囲 であり,平 3.4記録単位であった. 1,062記録単位のうち,304記録単位は,スタッ フ看護師に対する教授活動,学生に対する教授活 動,実習に対する教員の え・心がけなどの記述, 抽象的な記述,意味不明瞭な記述であり,実習指 導者からの支援を獲得するための教授活動の内容 を記述していなかった.そのため,これら304記録 単位を除く758記録単位を 析対象とした.その結 果,教員が実習指導者からの支援を獲得するため に実践している教授活動を表す38カテゴリが形成 された(表2). 以下,38カテゴリのうち記録単位数の多いもの から順に結果を論述する.なお,【 】内はカテゴ リを表す.また,〔 〕内は,各カテゴリを形成し た記録単位数とそれが 析対象の記録単位 数に 占める割合を示す.さらに,各カテゴリを形成し た代表的な記述を用いてカテゴリを説明する. 【1.学生の学習状況に合わせた指導の内容・方 法を具体的に説明し,その実施を依頼する】〔104

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記録単位:13.7%〕:このカテゴリは,「患者と円 滑にコミュニケーションが取れない時,具体的に やってほしいことを説明する.」「看護技術の個別 性を学習できるよう,ケアの工夫について説明を 依頼する.」「過去の効果的な支援事例を具体的に 説明する.」などの記述から形成された.これらは, 教員が実習指導者からの支援を獲得するために, 学生の学習状況に合わせた指導の内容・方法を具 体的に説明し,その実施を依頼するという教授活 動を実践していること表していた. 【2.事前に場を設け,実習要項の内容を説明す る】〔97記録単位:12.8%〕:このカテゴリは,「実 習前,会議の際に実習要項を説明し,内容を共通 理解できるようにする.」「実習前,実習内容を理 解してもらうため,実習要項を説明する.」「実習 前,実習目的を理解してもらうため,実習指導者 会議で説明する.」などの記述から形成された.こ れらは,教員が実習指導者からの支援を獲得する ために,事前に場を設け,実習要項の内容を説明 するという教授活動を実践していることを表して いた. 【3.適宜,学生のレディネスを伝える】〔81記録 単位:10.7%〕:このカテゴリは,「会議の際,学 生のレディネスを理解してもらうことを期待し, 表1 対象者の特性 n=309 特性項目 項目の範囲・種類および度数 所属する教育機関 大 学 51名(16.5%) 専門学 2年課程 47名(15.2%) 短期大学3年課程 5名( 1.6%) その他 5名( 1.6%) 専門学 3年課程 201名(65.0%) 北海道 18名( 5.8%) 東海・北陸 53名(17.2%) 所属する教育機関 東 北 35名(11.3%) 近 畿 26名( 8.4%) の 所 在 地 域 東 京 25名( 8.1%) 中国・四国 47名(15.2%) 関東・甲信越 75名(24.3%) 九州・沖縄 30名( 9.7%) 国立病院機構 17名( 5.5%) 医療法人 21名( 6.8%) 国立大学法人 3名( 1.0%) 社会福祉法人 3名( 1.0%) 都道府県 26名( 8.4%) 医師会 18名( 5.8%) 市町村 42名(13.6%) 労働者 康福祉機構 4名( 1.3%) 所属する教育機関 の 設 置 主 体 日本赤十字社 24名( 7.8%) 地域医療機能推進機構 2名( 0.6%) 済生会・厚生連 13名( 4.2%) 全社連・厚生団・ 保およびその連合会・共済組合 3名( 1.0%) 学 法人 93名(30.1%) その他 23名( 7.4%) 財団法人 15名( 4.9%) 不明 1名( 0.3%) 社団法人 1名( 0.3%) 基礎看護学 60名(19.4%) 精神看護学 26名( 8.4%) 成人看護学 71名(23.0%) 地域看護学 7名( 2.3%) 担当する専門領域 老年看護学 38名(12.3%) 在宅看護論 31名(10.0%) 母性看護学 34名(11.0%) その他 12名( 3.9%) 小児看護学 28名( 9.1%) 不明 2名( 0.6%) 教 授 6名( 1.9%) 専任教員 198名(64.1%) 准教授 14名( 4.5%) 教務主任 39名(12.6%) 職 位 講 師 13名( 4.2%) 副学 長 5名( 1.6%) 助 教 17名( 5.5%) 学 長 2名( 0.6%) 助 手 6名( 1.9%) その他 9名( 2.9%) 教 員 経 験 年 数 1年から33年 平 10.3年(SD7.2) 臨 床 経 験 年 数 3年から40年 平 12.6年(SD6.4) 国 49名(15.9%) 社会福祉法人 7名( 2.3%) 都道府県・市町村 75名(24.3%) 医療生協 10名( 3.2%) 実習指導を行って い る 主 た る 実 習 施 設 の 設 置 主 体 日赤・済生会・厚生連 58名(18.8%) 会 社 4名( 1.3%) 益法人 11名( 3.6%) 個 人 2名( 0.6%) 医療法人 61名(19.7%) その他 7名( 2.3%) 学 法人 25名( 8.1%) 年 齢 29歳から67歳 平 46.5歳 (SD7.7) 性 別 女 性 295名(95.5%) 男 性 14名( 4.5%)

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既習の講義内容を伝える.」「実習初め,個性を理 解してもらうため,学生個人のレディネスを伝え る.」「看護技術の実施経験の程度を説明する.」な どの記述から形成された.これらは,教員が実習 指導者からの支援を獲得するために,適宜,学生 のレディネスを伝えるという教授活動を実践して いることを表していた. 【4.学習成果,実習目標達成度を含めた学生の 学習状況を伝える】〔57記録単位:7.5%〕:このカ テゴリは,「実習期間中,学生の受け持ち患者に対 表2 実習指導者からの支援を獲得するために看護学教員が実践している教授活動を表すカテゴリと記録単位 数 カ テ ゴ リ 名 記録単位数 1.学生の学習状況に合わせた指導の内容・方法を具体的に説明し,その実施を依頼する 104( 13.7%) 2.事前に場を設け,実習要項の内容を説明する 97( 12.8%) 3.適宜,学生のレディネスを伝える 81( 10.7%) 4.学習成果,実習目標達成度を含めた学生の学習状況を伝える 57( 7.5%) 5.学生個々の目標を説明する 46( 6.1%) 6.学生個々の目標達成状況について実習指導者と確認し合う 42( 5.5%) 7.指導の継続に向けて,実習指導者が実施した指導の成果を伝える 31( 4.1%) 8.実際の看護の提示を依頼する 27( 3.6%) 9.学生個々の状況に応じた指導方法について実習指導者と確認する機会を設ける 22( 2.9%) 10.実習指導者を対象とした学習機会を提供する 20( 2.6%) 11.実習指導者と円滑に良好な関係を構築できるよう,あらゆる機会にコミュニケーションを図る 19( 2.5%) 12.受け持ち患者の具体的な選定要件を説明し,選定を依頼する 19( 2.5%) 13.学生が直面している,あるいは直面しそうな困難について説明する 19( 2.5%) 14.実習指導者と良好な関係を維持できるよう,礼を尽くす 18( 2.4%) 15.学習成果発表の場への参加を依頼する 16( 2.1%) 16.患者の安全・安楽の確保に向けて,学生と共にケアに入り指導してもらうよう依頼する 14( 1.8%) 17.実習指導者と共に実施した指導を評価する 13( 1.7%) 18.学生が実習指導者に相談できるような機会を設ける 13( 1.7%) 19.実習期間中の実習指導者と教員のスケジュールを確認し合う 12( 1.6%) 20.実習後,学生の目標達成状況を伝える 10( 1.3%) 21.教員と実習指導者の役割 担について話し合う 9( 1.2%) 22.指導方針の統一に向けて,学生が受け持つ患者の状態と患者に必要な看護を確認し合う 9( 1.2%) 23.実習指導者が実施した指導内容を把握する 7( 0.9%) 24.学生が受け持ち患者の状態を理解できるように情報提供を依頼する 7( 0.9%) 25.受け持ち患者との関わりのみでは学習できない内容の補完の機会を設けてもらうよう依頼する 6( 0.8%) 26.実習指導者が難渋する内容を解決する機会を設ける 6( 0.8%) 27.実習指導者の看護に対する価値を話してもらうよう依頼する 6( 0.8%) 28.実習指導者の指導状況を看護師長に説明する 4( 0.5%) 29.実施時期を予測しにくい看護実践の場面に学生が参加できるよう依頼する 4( 0.5%) 30.学生が円滑に実習を進められるよう,実習環境のオリエンテーションを依頼する 4( 0.5%) 31.教員が指導した内容を説明する 3( 0.4%) 32.学生全員が学習機会を得られるよう,見学実習の日程と人数配 を依頼する 3( 0.4%) 33.事前に,実習指導に関する疑問に答える 2( 0.3%) 34.受け持ち患者に関する情報を得られるよう,学生と他職種の仲介を依頼する 2( 0.3%) 35.可能な限り同一の実習指導者に担当してもらえるよう,事前に依頼する 2( 0.3%) 36.事前に,学生個々が受け持つ患者を伝える 2( 0.3%) 37.学生が単独で実施できないケアの代行を依頼する 1( 0.1%) 38.実習指導者からの要望に応える 1( 0.1%) 記録単位数 758(100.0%)

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する理解度の状況を伝える.」「実習目標の達成状 況を実習指導者に報告する.」「学生の課題と取り 組み状況を伝える.」などの記述から形成された. これらは,教員が実習指導者からの支援を獲得す るために,学習成果,実習目標達成度を含めた学 生の学習状況を伝えるという教授活動を実践して いることを表していた. 【5.学生個々の目標を説明する】〔46記録単位: 6.1%〕:このカテゴリは,「実習前,打合せの際, 学生の個人目標を説明する.」「教員が学生個々に 期待している学習成果を実習指導者に説明する.」 「日々の実習開始時,学生個々のその日達成して ほしい目標を説明し,意図的に関わってもらうよ うにする.」などの記述から形成された.これらは, 教員が実習指導者からの支援を獲得するために, 学生個々の目標を説明するという教授活動を実践 していることを表していた. 【6.学生個々の目標達成状況について実習指導 者と確認し合う】〔42記録単位:5.5%〕:このカテ ゴリは,「学生の実習目標達成状況について話し合 う.」「実習中,途中経過の目標達成状況を把握す るため,毎日,実習終了後に状況を話し,確認す る.」「毎日の実習終了後,目標達成が難しそうな 学生の現状について話し合う.」などの記述から形 成された.これらは,教員が実習指導者からの支 援を獲得するために,学生個々の目標達成状況に ついて実習指導者と確認し合うという教授活動を 実践していることを表していた. 【7.指導の継続に向けて,実習指導者が実施し た指導の成果を伝える】〔31記録単位:4.1%〕:こ のカテゴリは,「良い関わりをしてくれた時,実習 指導者が大変だけど次も頑張ろうと思えるよう に,関わりによる学生の学習成果を伝える.」「特 に学生に密に関わってもらったり,学生が良いア ドバイスをもらえた時は,必ず声をかけ,今後も 同様に関わってもらえるよう伝える.」「学生の心 に響いた指導については,実習指導者に積極的に フィードバックする.」などの記述から形成され た.これらは,教員が実習指導者からの支援を獲 得するために,指導の継続に向けて,実習指導者 が実施した指導の成果を伝えるという教授活動を 実践していること表していた. 【8.実際の看護の提示を依頼する】〔27記録単 位:3.6%〕:このカテゴリは,「まずはモデルを示 してもらい,次第に学生がケアできるように段階 を踏んで技術習得できるように依頼する.」「ケア の進め方に意味があることを理解できるよう,モ デルであることを意識して学生と共にケアをして ほしいと依頼する.」「コミュニケーションの苦手 な学生に対し,実習指導者にコミュニケーション の場面を見せてもらう.」などの記述から形成され た.これらは,教員が実習指導者からの支援を獲 得するために,実際の看護の提示を依頼するとい う教授活動を実践していること表していた. 【9.学生個々の状況に応じた指導方法について 実習指導者と確認する機会を設ける】〔22記録単 位:2.9%〕:このカテゴリは,「実習中,学生個々 の学習の進 状況に合わせた指導をしてもらえる ように,その都度話し合う.」「実習中,学生の課 題となっている点を共通理解し,克服するための 対策を話し合う.」「実習目標の達成が不十 な学 生に対する指導方法について,検討や統一を図る ための機会をもつ.」などの記述から形成された. これらは,教員が実習指導者からの支援を獲得す るために,学生個々の状況に応じた指導方法につ いて実習指導者と確認する機会を設けるという教 授活動を実践していることを表していた. 【10.実習指導者を対象とした学習機会を提供す る】〔20記録単位:2.6%〕:このカテゴリは,「実 習指導に役立つ内容の学習会を企画する.」「臨床 と学 が連携を図ることを期待して,実習指導に ついて講義をする.」「臨床側が知りたいと思うこ とをテーマに学 主催の研修会を開催する.」など の記述から形成された.これらは,教員が実習指

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導者からの支援を獲得するために,実習指導者を 対象とした学習機会を提供するという教授活動を 実践していることを表していた. 【11.実習指導者と円滑に良好な関係を構築でき るよう,あらゆる機会にコミュニケーションを図 る】〔19記録単位:2.5%〕:このカテゴリは,「日 頃からコミュニケーションをよく取り,意見 換 をしやすい関係を作る.」「できる限り教員と実習 指導者の関係が良くなるよう,カンファレンス時 の雑談など空気を読んで話しかける.」「実習指導 者との信頼関係を早い段階からつくれるよう,実 習以外のプライベードなども話し,お互いの緊張 をほぐすようにする.」などの記述から形成され た.これらは,教員が実習指導者からの支援を獲 得するために,実習指導者と円滑に良好な関係を 構築できるよう,あらゆる機会にコミュニケー ションを図るという教授活動を実践していること を表していた. 【12.受け持ち患者の具体的な選定要件を説明 し,選定を依頼する】〔19記録単位:2.5%〕:この カテゴリは,「実習目標に う受け持ち患者を選定 してもらえるよう,具体的な要件を説明する.」「実 習前,実習目標を達成できるよう,受け持ち患者 の選定を依頼する.」「実習中,退院に伴う新しい 受け持ち患者の選定を依頼する.」などの記述から 形成された.これらは,教員が実習指導者からの 支援を獲得するために,受け持ち患者の具体的な 選定要件を説明し,選定を依頼するという教授活 動を実践していることを表していた. 【13.学生が直面している,あるいは,直面しそ う な 困 難 に つ い て 説 明 す る】〔19記 録 単 位: 2.5%〕:このカテゴリは,「学習困難な箇所につい て相談にのってもらう際,事前に相談内容を説明 する.」「実習中,学生が何に困っているかについ て説明する.」「学生が困りそうなこと,つまずき そうなことを説明する.」などの記述から形成され た.これらは,教員が実習指導者からの支援を獲 得するために,学生が直面している,あるいは, 直面しそうな困難について説明するという教授活 動を実践していることを表していた. 【14.実習指導者と良好な関係を維持できるよ う,礼を尽くす】〔18記録単位:2.4%〕:このカテ ゴリは,「朝,なるべく早く病棟へ行き,挨拶をす る.」「実習前の打合せの際,関係を良くすること ができるよう,実習指導者の都合を最優先にして 時間を決める.」「実習指導者に感謝の意を伝え る.」などの記述から形成された.これらは,教員 が実習指導者からの支援を獲得するために,実習 指導者と良好な関係を維持できるよう,礼を尽く すという教授活動を実践していることを表してい た. 【15.学習成果発表の場への参加を依頼する】〔16 記録単位:2.1%〕:このカテゴリは,「学生の学習 の深化と学習状況を実習指導者に理解してもらう ために,学生カンファレンスの発表の場への参加 を依頼する.」「実習後,ケーススタディ発表会へ の参加を依頼する.」「より良い助言をもらい,患 者へのケアにつながるよう,カンファレンスへの 出席を依頼する.」などの記述から形成された.こ れらは,教員が実習指導者からの支援を獲得する ために,学習成果発表の場への参加を依頼すると いう教授活動を実践していることを表していた. 【16.患者の安全・安楽の確保に向けて,学生と 共にケアに入り指導してもらうよう依頼する】〔14 記録単位:1.8%〕:このカテゴリは,「状態が不安 定な患者の観察・ケアは学生が状況を理解しやす いよう説明してもらった上で共に実施してもらう よう依頼する.」「受け持ち患者に安心して学生の ケアを受けてもらえるように,必ず実習指導者に ケアに入ってもらうよう依頼する.」「重症患者の 看護ケアについて,実習指導者から学生について もらうよう依頼する.」などの記述から形成され た.これらは,教員が実習指導者からの支援を獲 得するために,患者の安全・安楽の確保に向けて,

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学生と共にケアに入り指導してもらうよう依頼す るという教授活動を実践していることを表してい た. 【17.実習指導者と共に実施した指導を評価す る】〔13記録単位:1.7%〕:このカテゴリは,「実 習後,実習指導者と指導方法を評価する.」「実習 後,学生の実習の授業評価の結果をもとに話し合 い,指導を改善するようにする.」「実習後,次の 実習に向けた改善策を一緒に える.」などの記述 から形成された.これらは,教員が実習指導者か らの支援を獲得するために,実習指導者と共に実 施した指導を評価するという教授活動を実践して いることを表していた. 【18.学生が実習指導者に相談できるような機会 を設ける】〔13記録単位:1.7%〕:このカテゴリ は,「看護問題の抽出について苦慮している学生 が,実習指導者に意見を聞けるような場を設け る.」「学生が課題の克服に向けて実習指導者と積 極的に関われるよう,学生からの相談への対応を 依頼する.」「学生がつまずいている点について, 相談にのってもらう.」などの記述から形成され た.これらは,教員が実習指導者からの支援を獲 得するために,学生が実習指導者に相談できるよ うな機会を設けるという教授活動を実践している ことを表していた. 【19.実 習 期 間 中 の 実 習 指 導 者 と 教 員 の ス ケ ジュールを確認し合う】〔12記録単位:1.6%〕:こ のカテゴリは,「日々の実習開始時,実習指導者の その日の予定を尋ねる.」「日々の実習開始時,教 員のその日の行動計画を説明する.」「実習中の教 員の所在を明確に説明する.」などの記述から形成 された.これらは,教員が実習指導者からの支援 を獲得するために,実習期間中の実習指導者と教 員のスケジュールを確認し合うという教授活動を 実践していることを表していた. 【20.実習後,学生の目標達成状況を伝える】〔10 記録単位:1.3%〕:このカテゴリは,「実習後,実 習目標の達成度を伝える.」「実習後,学習成果を 報告する.」「実習指導者との会議にて,各実習の 評価を伝える.」などの記述から形成された.これ らは,教員が実習指導者からの支援を獲得するた めに,実習後,学生の目標達成状況を伝えるとい う教授活動を実践していることを表していた. 【21.教員と実習指導者の役割 担について話し 合う】〔9記録単位:1.2%〕:このカテゴリは,「実 習前,実習における教員と実習指導者の協力に関 する具体的な役割 担について話し合う.」「毎朝, 実習指導者のその日の予定を確認した上で,実習 指導の体制について相談する.」「実習前,学生が 効果的な指導を受けられるよう,お互いがどのよ うに学生にかかわるかについて話し合う.」などの 記述から形成された.これらは,教員が実習指導 者からの支援を獲得するために,教員と実習指導 者の役割 担について話し合うという教授活動を 実践していることを表していた. 【22.指導方針の統一に向けて,学生が受け持つ 患者の状態と患者に必要な看護を確認し合う】〔9 記録単位:1.2%〕:このカテゴリは,「実習前,指 導方針統一のため受け持ち患者の看護の方向性を 話し合う.」「受け持ち患者の状態について実習指 導者と話し,情報を得て統一する.」「学生が抽出 した看護問題の適切性について話し合い,調整す る.」などの記述から形成された.これらは,教員 が実習指導者からの支援を獲得するために,指導 方針の統一に向けて,学生が受け持つ患者の状態 と患者に必要な看護を確認し合うという教授活動 を実践していることを表していた. 【23.実習指導者が実施した指導内容を把握す る】〔7記録単位:0.9%〕:このカテゴリは,「毎 日,学生への指導内容を尋ねる.」「日々,学生が どのような指導を受けているのか直接見て把握す る.」「日々,どのような指導をしているのか,内 容を直接聞いて把握する.」などの記述から形成さ れた.これらは,教員が実習指導者からの支援を

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獲得するために,実習指導者が実施した指導内容 を把握するという教授活動を実践していることを 表していた. 【24.学生が受け持ち患者の状態を理解できるよ うに情報提供を依頼する】〔7記録単位:0.9%〕: このカテゴリは,「情報収集の段階において,学生 個々への情報提供を依頼する.」「実習初日,看護 問題の抽出と方向性に齟齬が生じないよう,患者 説明を依頼する.」「受け持ち患者の状態の把握を 円滑にできるよう,電子カルテにより情報提供を 受ける機会を設ける.」などの記述から形成され た.これらは,教員が実習指導者からの支援を獲 得するために,学生が受け持ち患者の状態を理解 できるように情報提供を依頼するという教授活動 を実践していることを表していた. 【25.受け持ち患者との関わりのみでは学習でき ない内容の補完の機会を設けてもらうよう依頼す る】〔6記録単位:0.8%〕:このカテゴリは,「受 け持ち患者の治療スケジュールと実習の時期がう まく合っていない時,別の患者との関わりから一 連の流れを経験できるように調整を依頼する.」 「受け持ち患児がいない場合,人形を 用した小 児 BLS を依頼する.」「受け持ち患者との関わり だけでは学習が困難な内容について実際の看護を 語ってもらう.」などの記述から形成された.これ らは,教員が実習指導者からの支援を獲得するた めに,受け持ち患者との関わりのみでは学習でき ない内容の補完の機会を設けてもらうよう依頼す るという教授活動を実践していることを表してい た. 【26.実習指導者が難渋する内容を解決する機会 を設ける】〔6記録単位:0.8%〕:このカテゴリ は,「実習指導者が迷っていることや困っているこ とを感知したら,できるだけ早く調整の機会をも つ.」「会議の際,実習指導者が難渋していること を話し合い,問題解決に向ける.」「実習中,指導 方法について困っていることを尋ねる.」などの記 述から形成された.これらは,教員が実習指導者 からの支援を獲得するために,実習指導者が難渋 する内容を解決する機会を設けるという教授活動 を実践していることを表していた. 【27.実習指導者の看護に対する価値を話しても らうよう依頼する】〔6記録単位:0.8%〕このカ テゴリは,「カンファレンスの際,実習指導者の看 護に対する価値を話してもらうよう依頼する.」 「患者との関わりのすべての時に,何を大切に接 しているか話してほしいと依頼する.」「看護観を 養えるよう,実際の看護のエピソードを話しても らう.」などの記述から形成された.これらは,教 員が実習指導者からの支援を獲得するために,実 習指導者の看護に対する価値を話してもらうよう 依頼するという教授活動を実践していることを表 していた. 【28.実習指導者の指導状況を看護師長に説明す る】〔4記録単位:0.5%〕:このカテゴリは,「学 生の心に響いた指導については,看護師長にも積 極的にフィードバックする.」「学生の看護計画に 対する実習指導者の意見の違いが甚だしい時,看 護師長に説明する.」「不適切な指導をした場合は, 看護師長に伝え,適切な助言をしてもらえるよう に計らう.」などの記述から形成された.これらは, 教員が実習指導者からの支援を獲得するために, 実習指導者の指導状況を看護師長に説明するとい う教授活動を実践していることを表していた. 【29.実施時期を予測しにくい看護実践の場面に 学生が参加できるよう依頼する】〔4記録単位: 0.5%〕このカテゴリは,「処置や検査を見学でき る機会があれば,学生に声をかけてもらうよう依 頼する.」「患者に実施されている処置の実際を知 り,患者の反応をリアルに感じとることができる よう,実習指導者との同行を依頼する.」「日程が わかれば,退院カンファレンス,デイサービスな どの他施設への学生参加を依頼する.」などの記述 から形成された.これらは,教員が実習指導者か

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らの支援を獲得するために,実施時期を予測しに くい看護実践の場面に学生が参加できるよう依頼 するという教授活動を実践していることを表して いた. 【30.学生が円滑に実習を進められるよう,実習 環境のオリエンテーションを依頼する】〔4記録単 位:0.5%〕:このカテゴリは,「学生が病棟に早く 慣れるよう,オリエンテーションを依頼する.」「実 習初日,病棟オリエンテーションを依頼する.」「学 習の動機づけとなるようなオリエンテーションを 実施してもらえるよう依頼する.」などの記述から 形成された.これらは,教員が実習指導者からの 支援を獲得するために,学生が円滑に実習を進め られるよう,実習環境のオリエンテーションを依 頼するという教授活動を実践していることを表し ていた. 【31.教員が指導した内容を説明する】〔3記録単 位:0.4%〕:このカテゴリは,「受け持ち患者への ケアについて,教員が指導した内容を説明する.」 「指導の一貫性を図るため,教員が実施した指導 内容の詳細を説明する.」「毎日,教員が指導した 内容について実習指導者に説明する.」という記述 から形成された.これらは,教員が実習指導者か らの支援を獲得するために,教員が指導した内容 を説明するという教授活動を実践していることを 表していた. 【32.学生全員が学習機会を得られるよう,見学 実習の日程と人数配 を依頼する】〔3記録単位: 0.4%〕:このカテゴリは,「 見学実習の際,日 時の調整,学生人数の調整を依頼する.」「産婦人 科外来実習の際,日時の調整,学生人数の調整を 依頼する.」「褥婦の看護を学習する際,日時の調 整・学生人数の調整を依頼する.」という記述から 形成された.これらは,教員が実習指導者からの 支援を獲得するために,学生全員が学習機会を得 られるよう,見学実習の日程と人数配 を依頼す るという教授活動を実践していることを表してい た. 【33.事前に,実習指導に関する疑問に答える】 〔2記録単位:0.3%〕:このカテゴリは,「実習 前,実習指導に関する疑問に答える.」「実習指導 者との会議の際,質問に答える.」という記述から 形成された.これらは,教員が実習指導者からの 支援を獲得するために,事前に,実習指導に関す る疑問に答えるという教授活動を実践しているこ とを表していた. 【34.受け持ち患者に関する情報を得られるよう, 学生と他職種の仲介を依頼する】〔2記録単位: 0.3%〕:このカテゴリは,「今後の治療方針がわか らない時,他職種の窓口になってもらうよう依頼 する.」「退院後の生活がわからない時,他職種の 窓口になってもらうよう依頼する.」という記述か ら形成された.これらは,教員が実習指導者から の支援を獲得するために,受け持ち患者に関する 情報を得られるよう,学生と他職種の仲介を依頼 するという教授活動を実践していることを表して いた. 【35.可能な限り同一の実習指導者に担当しても ら え る よ う,事 前 に 依 頼 す る】〔2 記 録 単 位: 0.3%〕:このカテゴリは,「実習期間中,可能な限 り同じ実習指導者に担当してもらえるよう,事前 に依頼する.」「実習指導者は1クールを通して1 名か多くても3名程度で継続した指導をしてもら うよう依頼する.」という記述から形成された.こ れらは,教員が実習指導者からの支援を獲得する ために,可能な限り同一の実習指導者に担当して もらえるよう,事前に依頼するという教授活動を 実践していることを表していた. 【36.事前に,学生個々が受け持つ患者を伝える】 〔2記録単位:0.3%〕:このカテゴリは,「実習 前,学生個々が受け持つ患者を伝える.」「実習前, 学生の受け持ち患者の決定状況を報告する.」とい う記述から形成された.これらは,教員が実習指 導者からの支援を獲得するために,事前に,学生

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個々が受け持つ患者を伝えるという教授活動を実 践していることを表していた. 【37.学生が単独で実施できないケアの代行を依 頼する】〔1記録単位:0.1%〕:このカテゴリは, 「学生が一人ではできないケアの代行を依頼す る.」という記述から形成された.これは,教員が 実習指導者からの支援を獲得するために,学生が 単独で実施できないケアの代行を依頼するという 教授活動を実践していることを表していた. 【38.実習指導者からの要望に応える】〔1記録単 位:0.1%〕:このカテゴリは,「会議において出さ れた実習指導者からの要望に応える」という記述 から形成された.これは,教員が実習指導者から の支援を獲得するために,実習指導者からの要望 に応えるという教授活動を実践していることを表 していた. 3.カテゴリの信頼性 カテゴリの一致率は,80.5%,81.4%であった. これらは,本研究が明らかにした38カテゴリが信 頼性を確保していることを示す. . 察 第1に,収集したデータの特徴を検討し,本研 究の目的を達成するためのデータの適切性を確認 する.第2に,結果として明らかになった教授活 動の特徴を 察する. 1.データの適切性 本研究の母集団の特性を直接的に示すデータは 存在しない.そこで,「看護関係統計資料集」 が 示す全国の看護系大学,短期大学,専門学 の状 況,および,全国の看護系大学,短期大学,専門 学 の教員を対象とした研究 の結果が示す教 員の状況と,本研究の対象者の特性とを比較し, 標本の代表性を確認した.また,本研究の対象者 は,所属する教育機関の設置主体,担当する専門 領域,職位,臨床経験年数,実習指導を行ってい る主たる実習施設の設置主体の異なる多様な教員 を含んでいた.このような対象者から収集した データを 析し,明らかになった38カテゴリは, 教員が実習指導者からの支援を獲得するために実 践している教授活動の全容を示している可能性が 高い. 2.実習指導者からの支援を獲得するために看護 学教員が実践している教授活動の特徴 本研究の結果は,実習指導者からの支援を獲得 するために教員が実践している教授活動を表す38 カテゴリを明らかにした.実習目標達成に向けて, 実習指導者からの支援を獲得するために教員が実 践している教授活動は意図的に行われる.以下, 実習指導者からの支援を獲得するために教員が実 践している教授活動を表す38カテゴリと文献を照 合し,教授活動の意図という視点から特徴を 察 する. 教員が実習指導者からの支援を獲得するために 実践している教授活動を表す38カテゴリのうち, 第1に着目したカテゴリは,【2.事前に場を設 け,実習要項の内容を説明する】である.看護学 実習とは,学生が既習の知識,技術を基にクライ エントと相互行為を展開し,看護目標達成に向か いつつ,そこに生じた現象を教材として,看護実 践能力を習得するという学習目標達成を目指す授 業である .実習要項には,実習の目的・目標・内 容・方法等が記載されている.この要項に記載さ れている事柄は,授業の全体的な計画を表し , 【2】は,授業の全体的な計画を説明しているこ とを示す. 授業の全体計画に含まれる目標に関連し,【5. 学生個々の目標を説明する】に着目した.先行研 究 は,「実習指導者がどのようなことを指導す ればよいかわからない」という困難を体験してい ることを明らかにした.先述した通り,実習によ

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り修得を目ざす目標や内容は,実習要項に記載さ れている.しかし,この先行研究の結果は,実習 要項に実習目標や内容が記載されていてもなお, 実習指導者がそれらを十 に理解できていない現 状を示す.教員が,実習指導者の支援を得て実習 という授業を成立させるためには,支援者である 実習指導者に実習目標を理解してもらう必要があ り,【5】は,その理解促進に向けた教授活動であ る. また,授業の全体計画に含まれる内容に関連し, 【36.事前に,学生個々が受け持つ患者を伝える】 に着目した.学生は,受け持ち患者と相互行為を 展開しながら学習を進めていく.また,受け持ち 患者の提示する現象は,教材となる .教材とは, 学習内容を修得していくための「学習活動の直接 の対象となる具体的・特殊的な事実,事件,現象」 を指す.教員が,最終的に決定した学生個々が受 け持つ患者を実習指導者に伝えることは,【2】の 実習要項に記載されている学習内容のうち,患者 が呈する現象をもとに学生個々が修得できる内容 を具体的に示すことを可能にする.また,実習目 標は学習内容をもとに設定される.学生個々の受 け持ち患者を実習指導者に伝えることは,患者が 呈する現象から修得できる内容と実習目標を関連 づけることも可能にする.これに関連し,【3.適 宜,学生のレディネスを伝える】に着目した.レ ディネスとは,学習の受け入れ態勢であり,特定 の学習に適した心身の準備状態である .教授者 には,学習に必要と思われる心身の発達の程度な ど,学習者個々の特徴を把握し,個別性に応じた 指導を行うことが求められる .授業とは,相対的 に独立した学習主体としての学生の活動と教授主 体としての教員の活動とが相互に知的対決を展開 する過程 である.また,教授者は授業成立に向 け,先述した学習内容への精通に加え,授業設計 に必要な基礎的知識や授業展開に必要な技術の修 得などが必要であり,その前提として,学習者の レディネスの把握が必要となる .これらは,【3】 が,実習という授業の成立に必要な情報を実習指 導者に伝える教授活動であることを意味する. 以上は,【2】【5】【36】【3】が, 授業の成立 に必要な情報を伝える> ことを意図した教授活動 であることを示唆する. 第2に着目したカテゴリは,【19.実習期間中 の実習指導者と教員のスケジュールを確認し合 う】である.2006年看護教育基礎調査 は,看護 学実習の問題点として,全体の70.5%の学 が実 習指導教員の確保の必要性を挙げていることを明 らかにした.また,先行研究は,実習指導者が実 習指導の専任でないために,ケアに追われて忙し く,学生に十 指導できない と知覚しているこ とを明らかにした.さらに,教員が実習施設に常 駐していない現状があり ,教員が不在の際に,学 生が,看護技術提供の機会を逃したり,実習指導 者の「忙しさ」により患者に合わせたケアを提供 できないという体験をしている ことを明らか にした.同時に,教員も実習指導者も不在の際に, 学生が,スタッフ看護師に対応してもらえるまで 患者が要望するケアの実施を待つしかない状況に ある ことを明らかにした.これらの先行研究の 結果は,【19】が,教員や実習指導者の不在による 学生の学習停滞を懸念し,それを最小限にするた めの教授活動であることを示す. 教員や実習指導者の不在による学生の学習停滞 への懸念に関連し,【35.可能な限り同一の実習 指導者に担当してもらえるよう,事前に依頼する】 に着目した.先行研究は,実習指導者が日々 替 することにより,継続して指導できないなどの問 題がある こと,学生も実習指導者間の連携不足 に困惑し,一貫性のない指導による思 過程の混 乱が生じている ことを明らかにした.学生の思 過程の混乱もまた,学習停滞を招く可能性があ る. 先述した教員や実習指導者の不在,実習指導者

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の兼任,実習指導者間の連携は,指導体制にかか わる内容である.指導体制に関連して,【21.教員 と実習指導者の役割 担について話し合う】に着 目した.厚生労働省は,「看護教育の内容と方法に 関する検討会報告書」 により,学生の実践能力 向上のための指導体制には教員と実習指導者の役 割 担と連携が必要であることを示した.これは, 【21】が表す「教員と実習指導者間の役割 担に ついての話し合い」が,指導体制を整えるための 活動であることを意味する. 以上は,【19】【35】【21】が, 実習指導者の過 度な負担や学生の学習停滞を最小限にするよう指 導体制を整える> ことを意図した教授活動である ことを示唆する. 第3に着目したカテゴリは,【13.学生が直面し ている,あるいは,直面しそうな困難について説 明する】である.先行研究 は,実習中の学生が, ケアの提供や患者との関係の構築,看護過程の展 開とその記録の記載方法など,さまざまな困難に 直面していることを明らかにした.学習上の困難 が生じている状況は,その後の学習の進行や目標 達成に支障をきたす可能性がある.学生が困難を 克服できるよう効果的に指導するためには,教員 と実習指導者が学生の学習状況に対する理解を共 有する必要がある.これに関連し,【15.学習成果 発表の場への参加を依頼する】に着目した.実習 指導者に学習成果発表の場に参加してもらうこと により,実習指導者に学生の学習成果を伝えるこ とができる.これは,【15】が,実習指導者に学生 の目標達成度が伝わるという効果をもたらす教授 活動であることを意味し,【13】【15】が,学生の 学習上の困難や目標達成度など,学生の学習状況 を実習指導者と共有するための教授活動であるこ とを示す. 学生の目標達成度の共有に関連し,【4.学習成 果,実習目標達成度を含めた学生の学習状況を伝 える】と【6.学生個々の目標達成状況について 実習指導者と確認し合う】に着目した.実習目標 達成への支援に向けて,教授者は,学生の学習状 況に関する形成的評価を行う必要がある .形成 的評価は,学習と教授の改善を指向するものであ る .先行研究は,実習指導者が,学生個々の問題 点や学習の進行状況などの細かな情報を得られな い ,目標達成度の判断に対する不安がある こ とを明らかにした.これらは,実習指導者にとっ て,学生個々の学習状況や目標達成度の把握が困 難であることを示す.このような状況は,教員と 実習指導者間の学生に対する指導に齟齬を生じさ せる原因となる.そのため,教員と実習指導者は, 学生の学習状況に対する理解を共有する必要があ る.学生個々の学習状況に対する理解を共有する ことは,学生に必要な学習と教授者に必要な指導 の改善点を明らかにすることに役立つ.これらは, 【4】【6】が,指導の改善点を明確にするために, 学生個々の学習状況に対する理解を実習指導者と 共有する教授活動であることを示す. 教員と実習指導者の理解共有に関連し,【22.指 導方針の統一に向けて,学生が受け持つ患者の状 態と患者に必要な看護を確認し合う】に着目した. 【22】が表す「学生が受け持つ患者の状態」と「患 者に必要な看護」は,看護学実習における学習内 容であり,教授者にとって指導内容となる.先行 研究 は,実習指導者が,実施した指導内容につ いて教員との齟齬がないか不安があることを明ら かにした.これは,実習指導者が指導内容に対す る不安を抱き,自信がないままに指導しているこ とを示す.このような状況を回避するためには, 教員と実習指導者が実施した指導内容に対する理 解を共有する必要がある.これに関連し,【31.教 員が指導した内容を説明する】と【23.実習指導 者が実施した指導内容を把握する】に着目した. 【31】と【23】も,【22】と同様に指導内容に関わ る教授活動という点において共通する.しかし, 【31】は,教員が実施した指導内容,【23】は,実

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習指導者が実施した指導内容であり,両カテゴリ が表す指導の実施者は異なる.これは,教員が, 【31】と【23】のように,自身の指導内容を実習 指導者に伝え,実習指導者の指導内容を把握する ことを通して,教員と実習指導者両者が,各々の 指導内容を相互に理解できる状況を作っているこ とを意味する. 指導内容の理解共有に関連し,【9.学生個々 の状況に応じた指導方法について実習指導者と確 認する機会を設ける】に着目した.先行研究は, 実習指導者が,指導方法に対する困難と不安を知 覚していることを明らかにした .先に 察し た【22】【31】【23】のように,指導内容を共有す ることと同様に,【9】のように,指導方法を「教 員と実習指導者が確認する機会を設ける」ことは, 指導方法に対する理解を共有し,実習指導者の指 導上の困難や不安の軽減につながる. 上記の指導内容・方法の理解共有に関連し,【1. 学生の学習状況に合わせた指導の内容・方法を具 体的に説明し,その実施を依頼する】に着目した. 指導方法とは,学習活動を喚起し,促進し,その 効果を高めるための学習者に対する直接的・間接 的な指導の方法である .先行研究 は,実習指 導者が,実習目標の達成を導く方法がわからない, 実際の指導方法に関する知識不足があることを明 らかにした.これらの研究結果は,実習指導者が, 指導方法に関する問題に直面し,適切な指導方法 を用いた指導が行えていない可能性があることを 示す.先述のように,指導方法とは,学習活動を 喚起,促進し,その効果を高めるための方法であ り,適切な指導方法を用いた指導ができなければ, 学習活動を喚起,促進できず,十 な効果を得る ことができない.そのため,教員は,学生の学習 状況にあった適切な指導方法を実習指導者に説明 する必要がある.また,指導方法とは,実習目標・ 内容に従属し,それによって規定されるべきもの である .そのため,指導内容と指導方法を併せて 説明することは必然である.【1】は,学生の学習 状況にあった指導の内容・方法の理解を実習指導 者と共有するための教授活動であることを意味す る. 以上は,【13】【15】【4】【6】【22】【31】【23】 【9】【1】が, 学生個々の学習状況,指導内容 と方法に対する理解を実習指導者と共有する> こ とを意図した教授活動であることを示唆する. 第4に着目したカテゴリは,【29.実施時期を予 測しにくい看護実践の場面に学生が参加できるよ う依頼する】である.看護学実習の多くは病院を その実施場所とし,病院は,看護の対象となる人々 にとって医療を受ける場である.そのため,患者 の急変や緊急手術など予期せぬ出来事が発生す る.先行研究 は,看護学実習中の学生が,「目標 達成に向けた学習資源の活用と機会の獲得」とい う行動を示すことを明らかにした.看護学実習が 行われる臨床の場は,患者の治療やケアが優先さ れるため,学生は他者に支援を要請しにくかった り,学習機会の到来を待機せざるをえない状況に 置かれる .また,学生は,学習機会が訪れるのを 待っていたにもかかわらず,支援をうまく要請で きずに学習機会を逃すこともある .これらは,実 習病棟や患者の状態により予期せぬ出来事が発生 する場に身を置き学習する学生にとって,学習資 源や学習機会を得ることが困難な状況にあること を示す.この学習資源・学習機会に関連して,【25. 受け持ち患者との関わりのみでは学習できない内 容の補完の機会を設けてもらうよう依頼する】と 【32.学生全員が学習機会を得られるよう,見学 実習の日程と人数配 を依頼する】に着目した. 教員は,学生の受け持ち患者が実習期間中に退院 したり,学生が受け持ち患者にケアを受け入れて もらえないなどの事態に遭遇し,実習計画のとお りに実習を展開できない場合,学習調整 を行う ことを余儀なくされる.また,教員は,実習目標 達成に向け,計画した内容を学生全員が見学でき

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るようにするためには,臨床の諸条件を 慮し, 実習指導者に学習機会を調整してもらう必要があ る.予測困難な学習機会や調整を要する学習機会 を学生が自力で獲得することは不可能である.こ れらは,【29】【25】【32】が,実習目標の達成に向 け,学生が獲得困難な学習資源や学習機会を実習 指導者に確保してもらうための教授活動であるこ とを意味する. また,学習資源や学習機会に関連し,【12.受け 持ち患者の具体的な選定要件を説明し,選定を依 頼する】に着目した.先行研究 は,看護学実習中 の学生が既習内容,過去の実習経験,実際に観察 した現象を学習資源として活用しながら学習して いることを明らかにした.これは,受け持つ患者 の呈する現象が学生の学習資源となり,学生はこ れを活用しながら学習を進めていくことを意味す る.同時に,学生の受け持ち患者の選定が,学生 の学習に影響することを意味する.看護学実習の 指導方法に関する文献 は,看護学実習の課題を 選択する際,実習目標,患者のニーズ,実習環境 における学習機会の可能性および多様性,学習者 のニーズ・興味・能力などの要件を 慮する必要 があることを明記している.また,看護学教育の 指導方法に関する文献 は,実習指導者が,受け 持ち患者の選定にかかわる重要な患者情報を把握 している現状を示している.これらは,受け持ち 患者への看護実践を課題にする看護学実習におい て,受け持ち患者を選定する際,課題選択に必要 な要件を 慮する必要があり,それを実習指導者 に説明することにより,学生にとって豊富な学習 資源を含む患者の選定が可能になることを示唆す る. 学習資源に関連し,【30.学生が円滑に実習を 進められるよう,実習環境のオリエンテーション を依頼する】に着目した.学習資源とは,学習者 が学習に用いることのできる資源であり,それに は,指導者,学習仲間などの人的資源,施設・設 備,教具などの物的資源,知識や情報などの文化 的資源がある .先行研究 は,実習指導者が実 施しているオリエンテーションの内容が,病棟の 設備・施設,記録物の種類・用途,物品の配置場 所,看護体制,チーム内連携のあり方などである ことを明らかにした.病棟の設備・施設,記録物 の種類・用途は,学習資源のうちの物的資源にか かわる内容である.また,看護体制,チーム内連 携のあり方は,学習資源のうちの人的資源にかか わる内容である.これらは,実習指導者によるオ リエンテーションが,学生にとって,実習環境に 存在する活用可能な学習資源を認識する機会とな ることを示す. さらに,学習資源に関連し,【18.学生が実習指 導者に相談できるような機会を設ける】に着目し た.【18】が表す「学生が相談できる」実習指導者 は,人的資源に該当する.先行研究 は,実習指 導者が学生と話しができるよう時間を確保するこ とが,学生の成功体験を導くことを明らかにした. これは,【18】が表す「機会を設ける」ことにより, 学生が実習指導者という人的資源を効果的に活用 できることを示す.それはまた,【18】が,学生が 人的資源を活用することを促す教授活動であるこ とを示す.この人的資源の活用促進に関連し,【24. 学生が受け持ち患者の状態を理解できるように情 報提供を依頼する】と【34.受け持ち患者に関す る情報を得られるよう,学生と他職種との仲介を 依頼する】に着目した.先行研究は,看護学実習 中の学生が,必要な情報を収集できないと感じて いる こと,患者の状態把握について最も強いス トレスを感じている ことを明らかにした.ま た,医師から情報収集する頻度が低く ,実習指導 者に他職種からも情報収集するよう指導されて も,なかなかそれができない 学生の現状を明ら かにした.これらは,学生が受け持ち患者の情報 収集に苦慮している状況を示す.先述したように, 実習指導者は,学生にとって,受け持ち患者の情

参照

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