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沿岸 過 疎地 域 の浸 水災 害 を対象 と した避 難 シ ミ ュ レー シ ョン開発

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Academic year: 2022

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(1)海 岸 工 学 論 文 集,第55巻(2008) 土 木 学 会,1376‑1380. 沿岸 過 疎地 域 の浸 水災 害 を対象 と した避 難 シ ミ ュ レー シ ョン開発 Development. of Evacuation. Simulation. 松見 Yoshiharu. A hard. disaster. ficiently. because. necessary. 1.. of local. to establish. the vulnerability tions. prevention. at desired. policy financial. in routes. times. clarify. the time. model. will be used. required. to the evacuation the citizen. scenarios sites. residents. and. model. towns. the safety. for a disaster. respect. with. to investigate. for. the visualization. suf-. and or tsunamis. with the awareness. The simulation. in routes. to be expected. surges. evacuate. is developed. in Tottori.. problems. prevention. is unable. to storm. can independently. simulation at coastal. Rural Areas. ASHIDA. of the depopulation. a soft one, with. that. in Coastal. 哲 也2. the condition. an evacuation. Disaster. and Tetsuya. Therefore,. management. on evacuation. to educate. areas under. difficulties.. In this study,. based. 吉 晴1・ 蘆 田. MATSUMI. in coastal. a self-evacuation. for Inundation. individual. results. a individual. , is of. situa-. quantitatively. . This. simulation. .. 人 の 行 動 は,そ の 必 要 性 を 自 ら認 識 しな けれ ば行 動 を起. は じめ に. こさ な い と考 え られ る.ま た,危 機 認 識 の 度 合 いに は個 々 人 口 減 少 で 高 齢 化 が 進 む 過 疎 地 域 で は,財 政 縮 小 化. の 防災 意 識 の高 さが深 く関 与 し,防 災 意 識 が高 い ほど避 難. も伴 って行 政 に よ る十 分 な ハ ー ド施 策 が 期 待 で きな くな っ. 行 動 の 意 思 決 定 に結 びっ き やす い と考 え られ る.こ の よ う. て きて い る.そ の た め過 疎 地 域 で の 防災 施 策 の方 向 は,住. な避 難 行 動 の モデ ル化 と して,数 多 くの意 思 を持 っ 独 立 体. 民 が ハ ザ ー ドマ ップ に代 表 され るよ うに 地 域 の 危 険 レベ ル. の動 きを表 現 で き る マル チ エ ー ジ ェ ン トシス テム を用 い た. を 把 握 し,災 害 発 生 時 に 自主 的 に避 難 す る 自助 管 理 体 制. 方 法 が挙 げ られ る.こ の シス テ ムに お け るエ ー ジェ ン トは,. を行 政 と住 民 の合 意 の上 に創 りあ げて い くソ フ ト防 災 を活. 自身 の持 っ ル ー ル に基 づ いて 周 辺 環 境 を知 覚 して 自律 的 に. 用 す る必 要 が あ ろ う.そ の際 の支 援 ツ ール の1つ と して は. 環 境 に対 応 させ るよ うに行 動 を 選 択 す る.ま た,エ ー ジェ. 避難 行動 シ ミュ レー シ ョンが あ げ られ る.. ン ト同 士 は互 い に認 識 可 能 で あ り,相 互 に影 響 を及 ぼ し合. 避難 行 動 シ ミュ レー シ ョンの メ リッ トと して,バ ー チ ャ ルな 避 難 訓 練 を介 した 行 政 と住 民 の情 報 交 換 に よ り,住 民. うこと によ り行 動 を変 化 させ る. 本 研 究 で は,今 村 ら(2001)に. よ る避 難 行 動 シ ミュ レー. の意 見 が 生 か された ボ トム ア ップ的 な地 域 防 災 施 策 が実 施. シ ョ ンの分 類 を参 考 に,ま ず広 範 囲 にお け る シ ミュ レー シ ョ. で き る.ま た,避 難 経 路 の安 全 性 の検 証 によ り地 域 の 防災. ンを効 率良 く実行 で き るよ うに道 路 網 の交 差点 と道 路 を ノー. 上 の脆 弱 性 を見 出 し,ハ ー ドお よ び ソフ ト面 で の改 善 施 策. ドと リ ンクで表 現 し,避 難 場 所 に指 定 され た ノ ー ドを 目指. の検 討 に利 用 で きる よ う.こ の よ うな避 難 行 動 シ ミュ レー. す ネ ッ トワー ク型 モデ ル を採 用 して い る.ま た,個 人 属 性. シ ョンの 効 用 は,住 民 の防 災 意 識 を高 め ると共 に,住 民 の. の 相 違 によ る意 思 決 定 や 行 動 の 違 い を表 現 す る トラ ンザ ク. 意 見 を地 域 防 災 計 画 に反 映 させ るこ とに よ り,最 終 的 に地. シ ョ ン型 モ デル を 容 易 に構 築 で き るマ ルチ エ ー ジェ ン トシ. 域 の 防災 力 の 向上 が 期 待 で き る.. ス テ ムを 用 い る と共 に,他 の地 域 へ の 拡 張 性 を 考慮 して内. 本 研 究 は,鳥 取 県 沿 岸 陸域 にお け る高 潮,津 波 に よる浸. 生 型 モデ ルで 構築 す る こと に した.な お,避 難 シ ミュ レー. 水 災 害 時 の 避 難 行 動 を 対 象 に,避 難 所 要 時 間 に及 ぼす 住. シ ョ ンの 開 発 ソフ トウ ェア には(株)構 造 計画研究所のマルチ. 民 の 防 災 意 識 の影 響 や避 難 経 路 上 の 問 題 点 を把 握 し,最. エ ー ジェ ン トシ ミュ レー タ(山 影 ,2007)を. 終 的 にハ ー ド ・ソフ ト両 面 か ら地 域 の防 災 機 能 を高 め るた め の防 災 施 策 につ い て考 察 す るた め の避難 行 動 シ ミュ レー シ ョンモ デル を開 発 す る もので あ る. 2.. 避 難 行 動 シ ミ ュ レー シ ョンの 基 本 的 考 え方. 3.. 利 用 した.. 避難行動モデル. (1) 避 難 経 路 選 択 シナ リオ 本 研 究 で は,避 難 経 路 の選 択 アル ゴ リズ ムと して 「 避難 場 所 まで の最 短 経 路 を通 る」,「標 高 のよ り高 い ノー ドを逐. 1正 会 員. 工博. 鳥取大学 教授大学院工学研 究科社会基 盤工学専攻. 2正 会 員. 修(工)(株)ラ. イテック. 次 選 択 す る」,「避難 場 所 の 方 角 に伸 び る経 路 を逐 次 選 択 す る」,「被 災 の しやす さを数 値 化 した危 険 度 ポ テ ン シャル で 移 動 方 向 を 決 定 す る」 な どの従 来 の方 法(鈴 木 ら,2005).

(2) 沿岸 過疎 地域 の浸水 災害 を対 象 と した避難 シ ミュ レー シ ョン開発 を参 考 に以 下 の よ うな経 路 選 択 モ デル を考 え た.. 1377. 者 は現 在 い るノ ー ドに接 続 され る ノー ドの 中 か ら,危 険 度. 避難 場 所 ま で の経 路 距 離 は,避 難 所 要 時 間 に 関 して 重 要 な判 断 指標 で あ る.ま た道 路 幅 は,広 いほ ど建 物 崩 壊 に. ポ テ ン シ ャルpiが 最 も低 くな る ノー ドiを 次 に進 む ノ ー ド と して選 択 す る と し,こ れ を式(2)で表 す.. よ る道 路 閉 塞 の発 生 確 率 が 低 く,避 難 群 衆 効 果 によ る避 難 歩 行 速 度 の 減 少 も発 生 しに くい こ とか ら,避 難 者 は よ り広. (2). い道 路 幅 の経 路 を選 択 す る傾 向 が 強 い と推 測 され る.一 方, 高 潮 浸 水 や津 波 来襲 時 に は海 岸 に近 い ほ ど被 災 リス クが 高. ここに,Ciは. 式(1)によ り導 出 され る避 難者 が 現 在 の ノー. まる こ とは明 白で あ る.そ こで避 難 行 動 と して は,避 難 場. ドか ら ノー ドiを 経 由 して避 難 場 所 ノ ー ドに到 達 す るの に. 所 まで の最 短 経 路 を迂 回 して で も,ま ず は海 か ら離 れ る よ. 要 す る最 小 総 リンク コ ス ト,siは ノ ー ドiに お け る海 岸 か. うな経 路 を選 択 す る と考 え られ る.. らの 距 離,α2は 各 エー ジェ ン トの 海 岸 か らの 距離 に対 す る. この よ うに周 辺 環 境 と避 難 行 動 の 関係 か ら,本 研 究 に お. 重 みパ ラメ ー タで あ る.な お,式(2)を 用 いた評 価 で は,局. け る避 難 経路 選 択 に 関 す る シナ リオ と して は,海 岸 の近 く. 所 的 に危 険度 ポ テ ンシ ャルが低 くな る ノー ドが発 生 し,避. に存 在 す る住 民 は海 岸 か ら離 れ る ことを優 先 す る経 路 選 択. 難 者 が避 難 場 所 ノー ドに 到達 で きな い ケ ースが 発 生 す る可. を と り,海 岸 か ら離 れ るに伴 って その 傾 向 が 弱 くな り,最. 能 性 が あ る.そ こで,避 難 者 は次 善 の経 路 を選 択 す る こと. 終 的 に道 路 幅 を考 慮 しっっ 避難 場 所 まで の最 短 経 路 を選 択. で,局 所 的 に危 険 度 ポテ ンシ ャルが 低 くな る ノー ドか ら脱. す る もの と した.な お経 路 選 択 にお い て,標 高 は重 要 な項. 出 す るよ うな アル ゴ リズ ムに して い る.. 目で あ るが,本 研 究 で は対 象 地 域 の空 間 的 広 が り(2km× 2km程. 度)に 対 す る標 高 差 が数 メ ー タ と小 さい ことか ら標. 高 を 導 入 して い ない.. 本 避 難 行 動 シ ミュ レー シ ョ ンで は,全 て の エ ー ジ ェ ン ト が徒 歩 で避 難 す る もの と仮 定 す ると共 に,時 間 ス テ ップ を 現 実 の1秒 に設 定 して い る.. (2) 最 短経 路 選 択 の評 価 式. (3) 避 難 時 の 歩 行 速 度. 避 難 経 路 選 択 の 評 価 式 につ い て は,「 避難 場 所 ま で の最. 本 研 究 で は,各 エ ー ジェ ン トを家 族 単 位 と して,そ の 属. 短 距 離 」 を 中 心 的 な 指 標 に とり,「 道 路 幅 の広 い道 路 を 目. 性 に家 族 の構 成 人 数 を与 えて い る.ま た各 エー ジェ ン トの. 指 す 」,「海 岸 か ら遠 ざか る選 好 」 の項 目 を含 め て,危 険 度. 避難 速 度 は,家 族 内 の最 も遅 い者 の歩 行 速 度 と して い る.. ポテ ンシ ャル の考 え方(外 谷 ら,2005)を. 適用 す る こと によ. 群 集 密 度 が大 き くな った場 合,歩 行 速 度 は単 独 歩 行 時 の 自. り導 出 した.ま た,道 路 ネ ッ トワ ーク上 の避 難 場 所 ノ ー ド. 由 歩 行 速 度 か ら群 集 歩 行 速 度 へ減 速 す る と共 に,歩 行 速. か ら他 の ノ ー ドまで の最 短 経 路 を算 出す る手 法 に は,道 路. 度 の個 人 差 も小 さ くな る.従 来,群 集 密 度 と歩 行 速 度 の関. 長 と い った物 理 的 距 離 だ けで な く,時 間 距 離 や コス ト等 も. 係 式 はい くっ か 提 案 され てい るが,そ れ らの関 数 は群 集 の. 取 り扱 え るダイ クス トラ法(Dijkstra,1959)を. 平 均 歩 行 速 度 を表 す もので,個 人 差 の あ る自 由歩 行 速 度 か. 用 い て い る.. 避 難 場 所 ノー ドか ら各 ノ ー ドまで の 最 小 総 リンク コ ス ト. ら群 集移 動 速 度 へ の遷 移 を扱 った もの はな い.日 本 建 築 学. につ いて は,次 式 に示 す よ うにあ るノ ー ドか ら次 の ノ ー ド. 会(2003)で. まで の リンク長 を道 路 幅 で補 正 した リ ンク コス トcを 用 い. が 困 難 にな り,群 集 密 度 が4人/m2以. は,群 集 密 度 が1人/m2を. 越 え る と追 い抜 き. て導 出す るこ とにす る.. る と指 摘 して い る.本 研 究 で は,群 集 密 度 に依 存 す る減 速. 上 に な る と停 止 もあ. 率 で 群 集 によ る歩 行 速 度 の低 下 を 表 現 し,避 難 歩 行 速 度F を次 式 で与 え るこ とにす る.. (1). ここ に,dは. 道 路 長,wrは. (3). 道 路 幅,β は道 路 幅 に対 して. リンク コス トの 補 正 を 行 うか ど うか を判 定 す る基 準 値,α1. (4). は各 エ ー ジ ェ ン トの道 路 幅 に対 す る選 好 の度 合 い を表 す 重 みパ ラ メー タ(0≦. α1≦1)で. あ る.な お,β の 基 準 値 に. こ こ に,V0は. エ ー ジ ェ ン トの 自 由 歩 行 速 度,ρcは 群 集. は,阪 神 ・淡 路 大 震 災 直 後 の 道 路被 害調 査 結 果(塚 口 ら,. 密 度,Zは. 1997)を 参 考 に4mを. る ため の前 方 の 距 離,nは. 設 定 して い る.式(1)は,あ. る リンク. リンク内 の エ ー ジェ ン ト前 方 の群 集 密 度 を求 め 範 囲 内 の 人 数 で あ る.lに. 対す. の 道 路 幅 が β 未 満 で あ る場 合,そ の リ ンク コス トが 増 大 す. る適 切 な値 は一 概 に は決 定 で きな いが,こ. こで はl秒 当 た. る ことで 避 難 者 が道 路 幅 の狭 い道 路 を避 ける とい う意 思 を. りの 歩 行 に影 響 を与 え る距離 と してl=3mと. して い る.. 表 現 してい る. 次 に,海 岸 か ら遠 ざか ろ うとす る選 好 は,各 ノ ー ドに対 す る海 岸 か らの 距 離 によ り評 価 して い る.す な わち,避 難. (4) 氾 濫 流 に よる 人 的 被害 の 発 生 評 価 式 津 波 ・高 潮 氾 濫 流 に よ る人 的 被 害 評 価 は,従 来,次 で示 す モ リソ ン式 が 用 い られて い る.. 式.

(3) 1378. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). 図‑2. 図‑1. 段 波計 算 の水槽 モ デル図. 人 的被害 の発 生 限界水 深 と流速 の関 係. (5) こ こに,CD,CMは. 抗 力 係 数,付 加 質 量 係 数 で あ り,人. 体 を 円柱 で 近 似 した場 合,CD=1.0,CM=2.0で は歩 行 面 に お ける静 止 摩 擦 係 数,mは 力 加 速 度,wは. あ る.f. 人 体 の質 量,gは. 重. 図‑3. 対 象 地 域 の 道 路 ネ ッ トワ ー ク 構 成 図. 流 水 中 の人 体 に作 用 す る浮 力,ρ は海 水 の. 密 度,uは. 流 速,tは. 時 間,Sは. 人 体 の流 れ に対 す る投 影. 面 積,Vは. 人 体 の浸 水 体積 で あ る.α は歩 行 者 の体 力 と流. れ に対 す る感 じ方 を考 慮 した安 全 係 数 で あ る.. 2001)を 採 用 し,貯 留 水 深 は6m一. 定 で あ る.避 難 シ ミュ. レー シ ョ ンで は,津 波 遡 上 が 対 象 地 域 の 海 境 界 線 に対 して 直角 方 向 に同 時 に始 まる と し,陸 上部 を10m間 隔 の メ ッシュ. 本 研 究 で は,人 体 の各 部 分 の 測定 デ ー タを用 いて人 体 を. に分 割 した各 グ リッ ドに お け る海 岸 線 か らの距 離 に対 応 し. 円柱 の 組 み合 わせ に よ りモデ ル化 す ると共 に,氾 濫 流 の加. た浸 水 深 と流 速 の 時 系 列 デ ー タか ら式(6)を 用 いて 人 的 被. 速 度 を ゼ ロ と見 な して 式(5)の右 辺 第2項 を 除 外 して い る.. 災 を判 定 して い る.. 図‑1は,避. 難 者 が静 止 状 態(α=0)に. お け る年 齢 別,性. 別 の 人 的 被 害 の発 生 限 界 水 深hcと 流 速 の 関 係 を示 した も の で あ る.同 図 には,越 村 ら(2002)に. よ る ス マ トラ沖 地. 震 津 波 映 像 か ら判 定 され た人 的 被害 の有 無 の 結 果 も併 記 し. 4.. 地 域 の 避 難 行 動 上 の 脆 弱 性分 析. (1) 対 象 地 域 の物 理 的特 性 本 研 究 で対 象 とす る地 区 の総 世 帯 数 は,ア パ ー ト1棟4. て い る.こ の図 よ り,図 中 の 人 的 被 害 発生 境 界 を表 す 曲 線. 世 帯,集. 群 は越 村 らの 結 果 を 明確 に 区別 化 して い る こ とか ら,本 研. 帯 当 た りの人 数 は,平 成17年 国勢 調 査 や町 丁 字 等 別 男 女. 究 で導 出 して い る安 全 領 域 境 界 線 の妥 当 性 が確 認 で きる.. 別 人 口 お よ び世 帯 数 よ り平 均 世 帯 人 員 は3.05人/世 帯 で あ. 本 研 究 で は,こ れ らの安 全 領 域 境 界 線 に対 す る近 似 式 と して,切 片 を男 女 別,年. 代 別 の 平 均 身 長aで. 固 定 し,最. 合 住 宅1棟10世. 帯 を含 めて 計797世 帯 で あ る.世. る.こ れ らを基 に エ ー ジ ェ ン ト当 た りの 人 数 を1〜5人. で. 20%ず っ 与 え た.各 世 帯 の 避難 を 開始 す る初 期 位 置 は ゼ ン. 小二 乗 法 で指 数 関数 の減 衰 パ ラメー タを推 計 した結 果,減. リン住 宅 地 図 よ り各 世 帯 位 置 か ら最 も近 い ノー ドに設 定 し. 衰パ ラ メー タ は男 女,年 代 に よ る差 が小 さか った.そ こで,. て い る.. 減衰 パ ラ メー タ には男 女,年 代 ごとに算 出 した値 の平 均 値 を共 通 で 用 い る こと に し,発 生 限 界 水 深hcに. 関 す る近 似. 式 を次 式 で 表 して い る.. 家 族 で 避 難 す る際 の歩 行 速 度 は,鈴 木 ら(2005)に よ る と 0.95〜1.10m/sと な り,約89%の. 避 難 者 の 歩 行 速 度 が0.95. m/sと 指 摘 して い る.本 計 算 で は,住 民 の年 齢 構 成 に 関 す る資 料 が 得 られ なか った ことか ら,各 エー ジェ ン トの 自 由. (6). 本 研 究 で は,津 波 遡 上 シ ミュ レー シ ョ ンをCADMAS. SURF(磯. 部 ら,2001)を. 用 いて 断 面 二 次 元 モ デルで 第1波. の押 し波 の み を計 算 した.造 波 方 法 は,図‑2に. 歩 行 速 度 を1.0±0.1m/sと した. 道 路 ネ ッ トワ ー ク作 成 に 当 た って は1/1000縮 尺 の道 路 台. (5) 津 波 遡 上 シミ ュ レー シ ョン. 示すよ う. に貯 留 水 境 界 を急 激 に取 り 除 くダ ム 破 壊 法(高 橋 ら,. 帳 地 図 で 確 認 で きる道 路 の み を抽 出 し,ノ ー ドの 座 標 お よ び リ ンク長 は ゼ ン リ ン電 子 地 図 帳 か ら道 路網 の交 差 点 の座 標 を 読 み取 ると共 に,各 ノ ー ド座 標 か らユ ー ク リッ ド距 離 で与 え た.な お,湾 曲 が顕 著 な道 路 は補 間 点 ノー ドを与 え,.

(4) 沿岸 過疎 地域 の浸水 災 害 を対 象 と した避難 シ ミュ レー シ ョン開発. 1379. 複 数 リンクに よ り道 路 の 湾 曲 を近 似 して い る.こ の 結 果, 計 算 対 象 地 域 の道 路 ネ ッ トワ ー ク は,図‑3に 287ノ ー ド,424リ. 示 す よ うに. ンクに よ り構 成 され た.な お,図‑3の. 左. 側 が 海 で あ り,こ の 地 区 の避 難 場 所 は海 岸 か ら約1kmの 位 置 に あ る. 避 難 シ ミュ レー シ ョ ンにお け る初 期 パ ラ メー トと して, 各 エ ー ジ ェ ン トの道 路 幅 に対 す る重 み パ ラメ ー タ α1に は 0.25〜0.75,海 岸 か らの 距離 に対 す る重 みパ ラメ ー タ α2に は50000〜150000を. 一 様 分 布 に従 って ラ ン ダム に与 え て い. る.な お,α2の 値 は海 岸 か らの距 離 に換 算 して200m〜400 mに な り,避 難 者 が この範 囲 を越 え る と海 岸 か ら離 れ よ う とす る選 好 意 識 が 弱 くな るよ うに与 え て い る. (2) 避 難 所 要 時 間 に及 ぼす 住 民 の防 災 意 識 の 影 響 渡 部 ら(2005)に よ る津 波 常 襲 地 域 住 民 を対 象 と した 防. 図‑4. 防災意 識 の違 いに よ る避 難完 了者数 の 時間変 化. 災 意 識 調 査 の なか で,「 災 害 発 生 時 に備 え て物 資 な どを 準 備 して い るか 」 とい う質 問 に対 して,約7割. 以 上 の人 が 何. も準 備 して い な い結 果 が あ る.ま た,片 田 ら(2004)に よ る 津 波警 報 と住 民 の避難 意 向 に関 す る調 査 結 果 にお いて,避 難 の意 志 決 定 は津 波 災 害 に 関わ る危 機 意 識 の影 響 を 大 き く 受 ける と指 摘 されて い る.そ こで本 研 究 で は,防 災 意 識 の 高 い住 民 ほ ど 日頃 か ら持 ち出 し物 資 を準 備 し,か っ避難 の 意 志 決 定 も早 い と考 え,こ の 防 災意 識 の高 さの 違 いが 避 難 開 始 時 間 に影 響 を与 え る もの と仮 定 した. こ こで は,防 災 意 識 の高 い グル ープ と低 い グル ー プ の割. 図‑5. 防災 意識 の違 い によ る平 均避 難所 要時 間. 合 を変 化 させ た場 合 の 避 難 所 要 時 間 を調 べ る.計 算 方 法 は, 各 グル ープの避難 勧 告 後 の避難 開 始 時 間 を便 宜 的 に以 下 に 示 す 平 均 値 μ と標 準 偏 差 σを もっ 正 規 分 布 に従 う乱 数 で 与 えて いる.防 災 意 識 の 高 い グル ープ の場 合 は μ=3分,σ =1分. ,防 災 意 識 の低 い グル ープ の場 合 は μ=20分,σ=6. 分40秒 と設 定 して い る.エ ー ジェ ン トの グ ルー プ分 け は, 防 災 意 識 の高 い グル ープ と低 い グル ー プ の割 合 に基 づ い て ラ ンダ ムに設 定 して い る.な お,こ こで は津 波 遡 上 デ ー タ との リンクを行 わず,避 難 所 要 時 間 に及 ぼ す住 民 の防 災 意 識 の影 響 のみ を計 算 対 象 に して い る. 図‑4は 防 災 意 識 の高 い グル ープ の割 合 を0.1ず つ変 化 さ. 図‑6. 各道 路閉塞 確 率 にお ける避難 完了 率 のバ ラ ッキ. せ た場 合 の時 間経 過 と避 難 が完 了 して い な いエ ー ジェ ン ト 数 の 関 係 の1例 を示 した もので あ る.ま た,5ケ. ー ス の計. 道 路 幅4m未. 満 の リンクを あ る確 率 で ラ ンダム に切 断 す る. 算 結 果 よ り全 エ ー ジェ ン トの平 均 避 難 所 要 時 間 を 図‑5に. こと によ り考 察 す る.シ. 示 す.こ れ らの 図 か ら明 らか な よ うに,こ の 地 域 は20分 程. 路 閉 塞 を認 識 で き る もの と仮 定 し,道 路 閉 塞 が 発 生 した リ. ミュ レー シ ョ ンで は,避 難 者 が 道. 度 で ほ とん ど の住 民 が 避 難 完 了 で き るが,防 災 意 識 が 高 ま. ンク を道 路 ネ ッ トワー クか ら除外 して最 適 経 路 を再 計 算 し. るほ ど避 難 完 了 に要 す る時 間 が短 くな り,ま た平 均 避 難 所. て い る.こ こで は 防 災 意 識 の 高 い グル ー プの 割 合 は0.5に. 要 時 間 も短 くな る こ とが 確 認 で きる.こ の結 果,当. 固 定 して いる.津 波 遡 上 に伴 う人 的被 害 発 生 の判 別 に は,. 然の こ. とで はあ るが,避 難 所 要 時 間 の短 縮 化 に は住 民 が高 い防 災. 各 エ ー ジェ ン トを 成 人 男 性 と して 式(6)の 身 長aに1.7mを. 意 識 を 持 っ こ とが 不 可 欠 とな る.. 設 定 して いる.な お,4m未. 満 の リンク数 は全 リ ンクの75.5. (3) 避難 行 動 に及 ぼ す道 路 閉 塞 の 影 響. %を 占め て お り,そ の リンク延 長 は道 路 ネ ッ トワー ク の総. こ こで は,家 屋 倒 壊 に よ る道 路 閉塞 に伴 う避 難 時 間 の増. リンク長 の68.5%で あ る.. 加,避 難 完 了 率,津 波 に よ る人 的 被 害 発 生 確 率 につ いて,. まず,図‑6は. 津 波 遡 上 を考 慮 しな い場 合 の道 路 閉 塞 箇.

(5) 1380. 海. 岸. 工. 学. 論. 文. 集. 第55巻(2008). 所 の組 合 せ を ラ ンダム に20回 変 化 させ た と きの各 道 路 閉 塞 確 率 値 に お け る避 難 完 了 率 を示 した もの で あ る.閉 塞 確 率 が0.2以 上 に な る と同 じ閉 塞 確 率 で も避 難 完 了 率 のバ ラ ツ キが 大 きい ことか ら,道 路 閉塞 箇 所 の組 合 せ に よ って は避 難行 動 に大 き く支 障 を きたす ことがわ か る. 次 に,避 難 勧 告 の50分 後 に津 波 来 襲 を 想 定 して,防. 災. 意 識 の高 い グル ー プの割 合 を0.5の 条 件 で各 道 路 閉塞 確 率 に対 す る5回 の シ ミュ レー シ ョンか ら得 られ た避 難 完 了 率 を図‑7に 示 す と共 に,図‑8に. 津 波 に よ る人 的 被 害 発 生 確. 率 を示 す.こ れ らの図 よ り,道 路 閉 塞 確 率 が0.1の 場 合 は 避 難 完 了 率 が100%と. な って お り,道 路 閉 塞 によ る避難 行. 図‑7. 津波 遡上 の場 合 の避難 完 了率 と道 路 閉塞確 率 の関係. 動 へ の影 響 が な い こ とがわ か る.し か し道 路 閉 塞 確 率 が 高 くな ると,避 難 完 了 率 が減 少 し,津 波 によ る人 的 被 害 の発 生 確 率 も増 加 す る.ま た道 路 閉 塞 確 率 が0.2以 上 の場 合, 同 じ閉 塞 確 率 で あ って も避 難 完 了 率,津 波 に よ る人 的被 害 の発 生 確 率 にバ ラ ツキが 生 じて い る.し た が って,こ の計 算 で 行 った よ うな避 難 勧 告50分 後 に津 波 が来 襲 す る場 合, この 地 区 の避 難 経 路 ネ ッ トワー クが確 実 に機 能 を発 揮 す る に は,道 路 閉塞 確 率 を0.1以 下 に抑 え る こ とが必 要 と な る. その た め には家 屋 の耐 震 補 強 や道 路 幅 の 拡 張 等 のハ ー ド的 な防 災 対 策 を施 す ことが 望 まれ る. 5.. 図‑8. ま とめ. 各 道路 閉塞 にお ける津波 に よ る人 的被害 発生 確率. 本 研 究 で は,過 疎 沿 岸地 区 の浸 水 災 害 に対 す るハ ー ドお よび ソフ ト的 な地 域 防 災 力 の向 上 化 を 目指 して,鳥 取 県 の 沿 岸 域 の あ る地 区 を対 象 に避 難 シ ミュ レー シ ョ ンを 開 発 し た.以 下 に得 られ た知 見 と今 後 の課 題 を示 す. まず,最. 短 経 路,道. 路 幅,海 岸 か らの距 離 を経 路 選 択. 参. 考. 文. 献. 磯 部 雅 彦 他 (2001): 数 値 波 動 水 路 の 研 究 ・開 発 (CADMAS‑ SURF), 財 団 法 人 沿 岸 開 発 技 術 研 究 セ ンタ ー, 296p. 今 村 文 彦 ・鈴 木 介 ・谷 口 将 彦 (2001): 津 波 避難 数 値 シ ミュ レ ー シ ョ ン法 の 開 発 と北 海 道 奥 尻 島 青 苗 地 区 へ の適 用, 自然 災 害 科 学,. 第20巻,. 第2号,. pp.183‑195.. の項 目 と して 取 り上 げ,経 路 選 択 の評 価 モ デル を導 出 した.. 片 田敏 孝 ・桑 沢 敬 行 ・金 井 昌 信 ・児 玉 真 (2004): 津 波 防 災 の実 態 に み る安 全 ・安 心 に 関 わ る社 会 技 術 に 関 す る基 礎 的 研 究,. また,避 難 時 の歩 行 に 関す る考 察,津 波 に よ る人 的被 害 発. 社 会 技 術 研 究 論 文 集, Vol.2, pp.191‑198. 越 村 俊 一 ・H. Mofjeld・ 片 田 敏 孝 ・河 田恵 昭 (2002):. 生 の 判 別 式 の適 合 性 が 確 認 で きた.次 に,地 区 の避難 行 動 上 の 脆 弱 性 に 関す る基 礎 的 な分 析 を行 った結 果,住 民 の防 災 意 識 の違 いは避難 所 要 時 間 に大 き く影 響 す る こと,ま た 住 民 の避難 開始 時 間が 早 い場 合,道 路 幅 の狭 い道 路 にお い て 群 衆 密 度 が 高 ま り歩 行 速 度 が減 速 す るケ ース も現 れ る こ とが分 か った.さ らに地 震 に よ る家 屋 倒 壊 に伴 う道 路 閉 塞 が 発 生 した場 合,道 路 幅4m未. 満 の 道 路 閉 塞 確 率 を0.1以. 下 に抑 え る こ とによ り,道 路 閉塞 が 避 難 行 動 に及 ぼす 影 響 を ほ とん ど無 視 で き る ことを 確 認 で き た.今 後,現 実 的 な 避 難 シ ミュ レー ショ ンを 目指 して,世 帯 数,家 族 構 成 人 数, 年 齢 構 成 や道 路 閉塞 に関 わ る家 屋 の 状 態 等 に 関す る詳 細 な 調 査 デ ー タを取 り込 んで い く予 定 で あ る. 最 後 に,CADMAS‑SURFに. よ る津 波 遡 上 計 算 で は,防. 衛 大 学 校 の 藤 間 功 司教 授 か ら貴 重 な ご助 言 を戴 い た こ とを 記 して感 謝 します.ま た本 研 究 は,持 続 的 過 疎 社 会 形 成 研 究 プ ロ ジェ ク ト(研 究 代 表 者:鳥 取 大 学 大 学 院 細井 由 彦 教 授)の 補 助 によ る ことを 記 して 謝 意 を表 す る.. 津 波 の市. 街 地 氾 濫 に よ る人 的 被 害 に関 す る‑評 価 法‑米 国 シ ア トル ウ ォ ー タ ー フ ロ ン トに お け る ケ ース ス タデ ィ ー, 海 岸 工 学 論 文 集, 第49巻, pp.1441‑1445. 鈴 木 介 ・今 村 文 彦 (2005): 住 民 意 識 ・行 動 を 考 慮 した津 波 避 難 シ ミュ レー シ ョ ンモ デ ル, 自然 災 害 科 学, 第23巻, 第4号, pp.521‑538. 外 谷 滋 比 古 ・今 村 文 彦 (2005):. 危 険 度 ポ テ ン シ ャル を 導 入 した. 津 波 避 難 シ ミュ レ ー シ ョンの 改 良, 土 木 学 会 東 北 支 部 技 術 研 究 発 表 会 講 演 概 要, pp.288‑289. 高 橋 俊 彦 ・藤 間 功 司 ・朝 倉 良 助 ・池 谷 毅 (2001): 数 値 波 動 水 路 の 段 波 実 験 へ の適 用, 海 洋 開発 論 文 集, 第17巻, pp.281‑286. 塚 口博 司 ・戸 谷 哲 男 ・中 辻 清 恵 (1997): 阪 神 ・淡 路 大 震 災 に お け る道 路 閉 塞 状 況 に関 す る 研 究, 土 木 計 画 学 研 究 委 員 会 阪 神 ・淡 路 大 震 災 調 査 研 究 論 文 集, pp.377‑388. 日本 建 築 学 会 (2003): 建 築 設 計 資 料 集 成‑人 間, 丸 善, pp.128. 濱 田 洋 平 ・近 藤 光 男 ・渡 部 公 次 郎 ・竹 内光 生 ・山 口 満 (2005): 津 波 常 襲 地 域 住 民 の 防 災 意 識 の基 づ く避難 場 所 の配 置 計 画, 土 木 計 画 学 研 究 ・論 文 集, Vol.22, no.2, pp.315‑323. 山 影 進 (2007): 人 工 社 会 構 築 指 南artisocに よ るマ ル チ エ ー ジ ェ ン ト ・シ ミュ レー シ ョ ン入 門, 書 籍 工 房 早 山, 446p.. Dijkstra, E. W.(1959): A Note on Two problems in Connexion with Graphs, Numerische Mathematik, vol.1, pp.269-271..

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