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(1)

Iambic Pentameterについて

著者

埋橋 勇三

著者別名

Yuzo Uzuhashi

雑誌名

白山英米文学

39

ページ

1-14

発行年

2014

URL

http://id.nii.ac.jp/1060/00006618/

Creative Commons : 表示 - 非営利 - 改変禁止 http://creativecommons.org/licenses/by-nc-nd/3.0/deed.ja

(2)

IambicPentameterについて

埋 橋 勇

一一一

次の詩はThomasGrayのEノ")ノルノ"e〃/〃αCb""r〃Cル"'℃ノりノα”の冒頭の4行

です。この詩はGray'sElegyとして知られていますが、書かれたのは1751年 です。この詩のリズムはIambicPentameterであり、いわゆる弱強5歩格の詩と しても有名です。まったくこの詩を読んだことのない人でも韻律についてはど

こかで学ぶ機会があって、Gray'sElegyがIambicPentameterであることを知っ

ていたりします。これはちょっと不思議な現象ですが、Gray'sElegyが有名な

のは詩の内容だけでなく、韻律でも有名なことを間接的にではありますが、証 明しているように思います。

私自身もGray'sElegyに親しむ機会があり、英語の詩のなかではもっとも長

く、深くかかわりあったものの一つです。最初から最後までよどみなく暗唱で きる詩の一つです。何度も暗唱しながらこの詩のリズムについて考えることが ありました。暗唱しながら、果たして自分の読み方のリズムはこれでよいのか という素朴な疑問を持ちました。ある語をどのくらいの強さで、どのくらい長 く読めばよいのか。強さ、長さをどのように考えればよいのか。そして、弱強 5歩格で有名なこの詩の『弱強5歩格」の本当の意味はどういうことなのか。 5歩格の5はプットの数なので問題ないとしても、『弱強」のリズムとはどの ようなものなのか。このことがわかれば、弱弱強、強弱、強弱弱、強強などが 持つリズムもわかってくるのではないかと考えました。

この小論で扱うのはGray'sElegyのStanzalの4行です。まず、それを下に

示します。念のために私の訳語もつけておきます。 Thecurfewtollstheknellofpartingday> Thelowingherdwindslowlyo'erthelea, Theplowmanhomewardplodshiswearyway, Andleavestheworldtodarknessandtome

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入相の鐘が別れ行く日に弔いの時を告げ、 牛の群れが声をあげながらゆっくりと草地を巡り越え行く。 農夫は家路につき、疲れ果てて重い足取りでとぼとぼと、 そして、そのあとに残るは闇と私のみ。 次 に 音 の 最 小 単 位 で あ る シ ラ ブ ル を 示 し ま す 。 複 数 の シ ラ ブ ル か ら な る 語 のシラブルの境目に「・」を入れます。弱強はシラブルを単位とします。行末 に各行のシラブルの数を示しました。見てわかる通り、すべて10音節になっ ています。弱強5歩格は弱強が5つあるということなので、全部で10音節に な り 、 数 字 的 に 余 剰 が な い こ と に な り ま す 。 音 節 数 か ら 見 る と 、 適 切 な 弱 強 5 歩格が期待できます。 Thecur・fewtollstheknellofpart・ingday, Thelow・ingherdwindslow・lyo'erthelea, Theplow・manhome・wardplodshiswea・ryway, Andleavestheworldtodark・nessandtome. (10) (10) (10) (10) 次 に 強 く 読 む シ ラ ブ ル を ゴ チ ッ ク 体 に し ま す 。 音 節 内 の 母 音 の 上 に 強 勢 が あ ります。二重母音の場合には最初の母音の上に強勢がきます。そして、プット を示す縦棒を入れます。 Thecur・│fewtollsltheknelllofpart・lingday, Thelow・lingherdlwindslow・llyo'erlthelea, Theplow・│manhome・│wardplodslhiswea・│ryway, Andleavesltheworldltodark・│nessandltome. (10) (10) (10) (10)

次に脚韻を確認します。day--way,le-meの母音が同じであり規則的で

す。この詩はiambicpentameter(弱強5歩格)で、脚韻はababです。これで

scansionは終わりですc,これまでに行われてきたscansionはここが終点で、こ の先がもうありません。しかし、私にとって、ここが問題の終わりではありま せん。一行目には強勢のある部分が四つありますが、この四つの強勢は同じ強 さなのでしょうか。それとも違うのでしょうか。強く読む部分は、当然、時間 がかかることになります。そのために、弱強を短長と言うことがあります。強 勢のある部分の長さは同じなのでしょうか。それとも違うのでしょうか。単純

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に考えればすぐにわかることなのですが、もし、すべての強が同じ強さ、同じ 長さであるとするなら、この詩はあまりにも単調で機械的なものになり、詩で ありながら詩ではなくなると思います。同様に弱が一様に弱であるとするなら、 完全に機械的な詩になり、もはや詩ではなくなります。このような状態になる と、この詩が持っている響きや音色が出てきません。そのために、詩人が醸し 出そうとする雰囲気、伝えようとする微妙な意味が伝わらなくなります。少な くとも上の四行の詩を読む時には機械的に読んでいるのではなく、詩的な響き を感じ取りながら読んでいるはずです。 このように考えると、必然的な結果として弱強5歩格、ababがわかったか らと言って、詩の本質的な理解にはつながらないということになります。もち ろん、これだけのことがわかるだけでも助けになりますが、詩の本質であるリ ズムについて疑問が解けるわけではありません。このレベルを超えて、更にリ ズムの世界に深く入らないと詩の本質が見えてこないように思えます。本稿で はこの闇の世界に少しでも踏み込めればよいと考えています。確認のために繰 り返しておきますが、弱強5歩格、ababは詩のリズムの入口であって、本当 のリズムはその先にあり、これが詩の音色を奏でるのにきわめて重要な役割を 果たしていると仮定できます。 この目的を達成するためにどのようにしたらよいかを考えました。一つは上 記の四行の朗読を手に入れることでした。私自身が耳で聞いて、意味を考え て、その上でたぶん、この朗読でよいであろうと思うものを捜しました。イン ターネット上には詩の朗読を聞くことができるサイトがたくさんありますが、 そのなかでClaricaという女性の朗読を聞くことができました。このサイトの

検索は℃laricaPoetryMoment"と入力することで行き着くことができます。問

題となるのはClaricaの朗読がどれほどのものであるかをどのように判断する かということでした。Clarica以外の朗読もあり、聞いてみたのですが、どう もClaricaのものが私にとってもっともよいものに思えました◎人によっては ほかの朗読の方がよいと感ずることもありえます。おそらく、詩の朗読の仕方 は 人 そ れ ぞ れ で 、 聞 く 側 も ま た そ れ ぞ れ だ と 思 い ま す 。 し た が っ て 、 ど の 人 の 朗読がもっともよいかはわかりません。絶対的な評価はないと思います。「詩 は好きなように読めばよい」ということを言う人もいますが、これは詩の朗読 の多様性を認めた発言であると思います。仮にClancaの朗読がそれほど価値 がないとしても、このことは今、私が解き明かそうとしている問題に大きな影 響を与えるものではありません。弱強5歩格、ababの詩形の奥にあるものを 探ろうとしているのであり、朗読の良し悪しを判断することを目的としている

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わけではありません◎弱強5歩格、ababの奥にあると思われる、詩を詩たら しめている要素を考えようとしています。Clancaの朗読のなかにある要素は ほかの人の朗読のなかにも含まれていると仮定しています。同じ要素が含まれ ているけれど、パターンが異なるだけであると私は考えています。したがって、 Claricaの朗読を分析すれば、その手法はほかの朗読の分析にも使えるものと 思っています。このような次第で、Claricaの朗読を分析対象としても、それ が私の目的を達成するための障害になるとは考えていません。 朗読を分析する時には音声分析ソフトウェアを使います。人間の耳で聞いて、 それを頭で分析することはきわめてむずかしいです。私が使ったのはPraatと いう音声分析ソフトです。Praatはオランダ語で「話」の意味だそうですが、 アムステルダム大学のPaulBoersmaとDavidWeeninkの両名を中心として開発 されたものです。フリーソフトウェアで、しかもstand-aloneですので、使い

やすいです。また、有り余る機能を備えています。今回使用したのはintensity

を調べる機能です。そのほかの機能、たとえばpitch,pulseなども使えますが、

一度にいろいろな機能を混ぜ合わせることはせずにintensityだけに限り分析し

ました。

Claricaの音声とPraat音声分析ソフトウェアを組み合わせて、Gray'sElegy

の冒頭の四行を見てみようと思います。 まず、最初に一行目の分析結果を示します。 ③苧’ ’十・ f$︲.︲、 土無 ■B︾ Hg 姫角 寺、。e我◇ 皇。。・・遇△諒乃▽・や。,。■’い●L叶喧。、 .Jfp、.︾婚Oroも託。︾。、↑。、︲ 純 ︿③ナロ〆“ L︽︲ .‘。︾桝婚群酔謡獄涛.。 ’︲︲fJ4︲“日◇. ﹃や .◇。L凸守◇qIIa◇■。、ロ◇aか一年■︲F F。f・◇ご◇■ODA丘一◇け﹄4◇ ﹃Jも△ .﹂武。.◇︲・ 舎日◇グと■心如蝉謎 韓ふみや日日。争︲e◇二、 04︲ 。︲斌宮0︸f望1,・︲ ︲、呼戸 ︲吟◇イ争 ぴ③ 役◇ す争 ・心。 ↑配“︽。 .F ◇e︾凸 就“ 諾毎詫ず↓0J 寛D晶○障心叩一、↑も’くや仁■1口角マロLo館や。 6小 、咽舞。 湯◇よ唇、 ロ・■L︸ 二“ ︲h3q︲︼壬.,0分,’ ご・ご伊・“J 仇抄‘︲唇︲。︲. F ︲■吋一 蜘師 ︲eL七・V︾心計げ◇︲ 。◇ ◆。・ ・うり沙汰 ・詫○F陽6 国。 G・﹄律 舎や︾ ・蟻琴﹀恥恥嘩詫電。↑ロ。●一、●’マ●、。. 喝令︽●で蔦●な虫ま?谷・‘寺.●律’零〃笛.。︲・谷、1.虻、陽. 一分 秒” 、◇ざ?6◇︲◇6505■︲︲。“0$,ロ■ロ。■▽私弓邑一。。 ︲凸も勺.い、。日。6914︲︲︲︲’、E■’、日・◇、 口守、︲・ ・父心● か洪回謎 埼や$○ ○喝八目︲ 、 回心. ︲0敬 凸砂 げ。縄r■I◇︲ bpf印。ゲ心噌。ナ。 射手、幸■心、 :⋮蝿準蕊蕊篭 ・銘’ ず、●ザ就○ 謬○。“。︾誰。“。酔い■妙。Ⅱし苓粍宮 跨j‘・津・ザ↑ 】 I Y 】 副 T I 1 Y I 理 ( 1 〃 グラフの線は下に示してある語の強さを示します。高くなればなるほど強い ということです◎下の太い縦線は語の境目を示します。縦線を上の方に伸ばし ていきますと、強さが弱いところ、つまりグラフで言えば谷になっているとこ ろにぶつかります。ここは語の境目を示します。theknellのtheがtしか表示 されていませんが、theを読む時間が短いためにtheと書くだけの十分なスペー スが取れていません。そのためにtのみの表示となっています。一行目の韻律 分析はすでに示しましたので、それを参考にしてもらいたいのですが、curと

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fewは強|弱です。しかし、上の図では強さの度合いはcurとfewはほぼ同じ

です。partingは韻律分析では強|弱ですが、これもほとんど強さの度合いが

変わりません。-ingdayは韻律分析では弱|強となるはずですが、やはり上の

図 で は 強 さ の 度 合 い が 変 わ り ま せ ん 。 強 さ の 度 合 い を 見 る と 、 韻 律 分 析 の ゴ チック体で示した部分が強で、ほかのところはすべて弱という考え方はあては まりません。Knellの前のtheとofを除けば、ほかの音節はほぼ同じ程度の強 さになっています。行頭のtheは強さだけを見れば、ほかの語の強さとほぼ同 じ位置にあります。韻律分析で使う強は音声分析の強と必ずしも一致していな いことがわかります。したがって、音声分析の強の基準が韻律分析の強の基準 と異なることを示しています。グラフの谷になっているところは音節の境目を 示しています。強さの度合いは絶対的な基準ではかるのではなく、谷の深さに よって測るべきものと考えます。curの直前の谷の方がfewの直前の谷より深 くなっています。強は弱と比較して相対的に定められると考えると、curの方 がfewよりいくぶん強いことになります。Tbllsの直前の谷はcurの直前の谷 より深いので同じ強であっても、tollsの方が幾分、強く聞こえることになりま す。Knellの直前の谷はそれより深いので相対的に見るとknellの方が強くなり

ます。Pamngの前にある谷は一行目の中では最も深く、強さがゼロのところ

まで落ちています。したがって、partingの前には大きな切れ目(pauseのよう

なもの)があると考えられます。Pa前の部分が相対的に見ると最も強さの度合

いが大きいことになります。Partingdayの間にある谷はいずれもそれほど深く

ないので、切れ目が音節を示す程度のもので、意味的にpartingdayが一塊になっ

ています。 強と弱の関係を上に述べましたが、韻律分析の強と弱が一致しないことがわ かりました。そこで、音節の長さを比べてみます。Thecurは韻律分析では弱 強になります。上の図でtheの時間幅とcurの時間幅をみると、明らかにcur の方が長いことがわかります。同様にfewtollsを見ると、tollsの方が三倍ほど 長くなっています。theknellでは五、六倍、knellの方が長いです。ofpartでは

partの方が長いことは明らかです。ingとdayは同じ一音節ですが、dayの方が

はるかに長くなっています。このように考えると、詩の韻律における弱や強を 決定しているのは強さとか弱さというよりも、長さ、短さであると判断するこ とができます。強弱のことを長短ということがあります。長短という言い方は あまり一般的でないかもしれません。しかし、長短の方がはるかに韻律を正確 に表す表現であることがわかります。見逃せないことですが、theやofのよう な意味の軽い語は上の図では谷の位置に現れていて、これがその後に続く語、

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強 と な る 語 の 引 き 立 て 役 に な っ て い る こ と が わ か り ま す 。 冠 詞 や 前 置 詞 の よ う な語は詩においてはリズムを作り出すための影の主役として機能していると思 われます。行末にdayがありますが、強い所からなだらかな線を描きながら下

降しています。これはdayでこの文が終わることを示しています。通常の文で

もピリオドがあると下降調になりますが、それと同じことです。dayのあとは コ ン マ に な っ て い ま す が 、 こ こ で 一 文 が 終 わ り 、 次 に 新 た な 文 が く る こ と を 暗示しています。一行目の図に示された長さの山を見ると、curfew,tolls,knell,

partingdayの四つからなっていることがわかります。tollsを「トルズ」と読むと、

図に示された長さは出てきませんので、「トウルズ」と読まなければなりませ ん。kneⅡも辞書に示された発音記号に従って、「ネル」と読むと、図に示され た時間幅が維持できませんので、「ネール」のように母音を伸ばして読みます。 このように読むことにより、入相の鐘のゆったりとした響きを出すことができ ます。 次に二行目を見てみます。 h守鮎$●︲・守︲Jロー炎’如一凹私“胴,ロ。’串0口よ’す皿、一・﹃叩■猛■︾噌曳■J,和、託.恥軸“︾誌、。︲f︲ 八町一寺 虻 P品も争 十︾● 私子 ◇戸△℃品目 LJ J・ 宮F﹃“・LI“■ F・︲h・Jv叫一い︲h一︲.◇︲︲ 中■﹃姑”4茜、 惣・・ナーも。、。。︲..︲ ず砧や ﹃︸ ・・bⅡ十字︸ 巳J︲︲抵凡“台 も ℃△ ”易 いJ﹃ 沖 。r− 4 4︲f一.︲︲︲ ︲・ ︲,。 ,睦 vお● 鄙韓 辨溌蕪 欺、 ,qjFG︲,︲・訳◇︲︲ 鈍’■P .、 魚酬・荷・溌昶﹂ざ耗令︾T、小§ 。。︾蛾。や‘や。詫詫■Mo犯托今詫恥R婦沌。︲・﹃ ︸︲少︾・ 字︾ P▽甥 卑舎 辱 bJ邪字 f○紗、呼呼も■︲ 、§認⋮灘窯薄v 令奄 や、 ︾ ク ヂ 鋸 晶 、 、・品■a・FDハb缶マ40町︲〃 ︲ザ タ 寺。4唾⑯ 親先遵・恥令v鷲、●誤‘・ ﹀ 。、 ・八 号宮 粘 罪 ︽J抄 一品 華 ¥ ・凸・ ●朝。︿ ・恥‘訊 小“や学 苓卒印・ 部Ⅱ。、 。v酢伊 ・苛才〃 ●宗●、 罪がで・・ ・“黄尊 ぶ苓託。 泌甜禽全 一

d ■ ■ ■ ■ 二カ所にあるtheと、wind[waind]が途中で切れています。繰り返しになり ますが、切れずに表記するほどの長さがないことを示しています。二重母音を 含むwindはtheと違って充分に意味内容を持っている語ですが、長さが足り ないということは、windには強勢がないことを意味しています。最初のtheは 一番下から上に向かって急速に上がってlowに続いています。Theの発音が終 わるまで強さが一番下にあるわけではなく、次のlowにスムーズにつなげるた

めに上昇気味に発音しています。Lowingの強さをみると、ほぼ一定です。こ

の限りではlowing自体が一つの強をなすと考えますが、音節ごとに見ると、

lowの方がingより倍の長さがあります。ingは強さがlowと同じレベルにあり

ますが、長さが半分で、しかもingの末尾がかなり下降しています。ここでも

強さは絶対的な基準とはなりえず、やはり長さが基本になっています。herdは それなりの強さと長さがありますが、windは高さがあっても長さが足りない t

I

lowmg

herd

Q W m

sIowlv グ

O'er

t

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ので、短く、早めに読むことになります。slowはかなりの長さがあり、しか もlowやherdのように水平の長さではなく、強さの上下が観察されます。こ の行の中ではもっとも複雑な箇所で、単調ではありません。したがって、読み 手の情感が微妙に反映していると考えられます。o'erは一定の強さで、slowly のところに見られるような小さな谷もなく、水平に進んでいます。o'erはover のことですが、overとすると二音節になりますので、小さな谷ができると思い

ます。leaは一行目のdayとほぼ同じような右下がりの下降線になって、行末

にあることを暗示しています。この行にはほかの行に見られない大きな特徴が あります。曲線に谷がありますが、深い谷ではなく、すべて浅い谷で一番下に 達しているような谷は一つもありません。herdの後の谷が一番深いですが、こ れはherdが主語であることを示していると思われます。それでもそれほど深 い谷になっていません。その結果、この行を読む時には小さなバイブレーショ ンを入れて、行全体を一息にポーズを入れずに読んでいくことになります。こ の表現が適切であるかどうかわかりませんが、大波ではなく小波のような印象 を抱きます◎四行のうちではもっともスピード感があり、ぎくしゃくすること なく流れています。牛が草原を越えて曲がりくねって進んでいる様子を表現す るのにふさわしい曲線を描いているように思えます。 次に三行目に行きます。 .’屯●f稗息駁迩芯、●、蓉露x●襲瀧○詫毎罪や壗會︾読史x L笠くり ・十 F ,。A、 ︲今●合︲ ・拳や。 L 野.か ゆ母 今。 ぴゃ 鞭 ぶ ぶ・of︽葺 学“ん覗芯牝︲。・ ず色耗 x F少 拶e 寒 心 ﹀戸 雛 冷 幸 。寛げ蕪。辱●︾鐸 “ 。” 詫 籍. 叩必 ・ 覗撮 漣 捗 .︲唖氏ふぃ霧も額、●輪§ 私苓翻●.、や,. 悪 一参↓費・︾意亭壺。弔苧粍心津︾率一群蕊露麓嘆も ずぶ殿争異今鎮●令伊悪今金心巽或。‘畑’1,¥’争 趨軸’●喝§g﹀も8口儲篭、●●惨き芯一受﹀聡脅,’..︲1ず く 嘩恥 ︾ 心 示$卜●。#/・’司患●§疎心。夢氏や守診。﹄●浄試 ご鍛噌. ・虫草塞●挙愛。器9︽︿露令躰・謡哩謬覚きう ..。 。︲日、︲ L串や。 L沙。兎 か 。︲P、鶏γ凡辱峠小心ふむ託心噌守。誕訊号寺Fずくqへ顕。口寸■f品竃すぐqp6粘“. 、野、︲ ︲中︲L ︸虹 覗叩﹃、ご 一 言心〃 ︲品 一郎 “串。 パ﹃ や卜・や今 う●淀報 ■ず獣すげ ■兵銘駕 守一等叩、 ﹂■宇 今4 0℃も麓● 虫。耗訴 や。い●理 . ︲℃ 悌訓 就 必凸や 幹 、 蝿 率 七LO も 謡低 .﹄黒 晃J 呼 呼 ・誠・︲。 ︲・ロ尹蝿。︾量・黄。︾就一︾︾一︾一癖謡ロポー争説公。ロく。〆ロ龍魚貯一L孔。 命い‘吏冬、芯も皇x●定○輔。︾砥奪参戦津凸偽&晶熟今谷も守銘心荘︿︸雫 糾守ぞずFo‘ヘ●.。●︲、bff編嬉$〃調﹂命3預恥ロ十町・”3乃言c8小●お﹃α⑨G8軸品ぐご認曲,例.

ThiPIoWmanBomewaiPlodslhisIweary way

Theとhomewardが切れています。Theは一行目のtheとほぼ同じ線を描いて います。二行目の冒頭のtheに比べて聞こえがよく長さが幾分あります。とい うことは、このtheには音的に言ってより指示性が強く含まれていると考える ことができます。plowmanは同じ強さで平らに進んでいます。音節の切れ目を

示す谷がほとんどありません。manの上の部分がplowに比べて少しだけへこ

んでいます。韻律分析でmanが弱とされるのは強の前に見られる比較的深い

谷がなく、長さがplowに比べて短いことが理由のように思えます。homeward

の後にこの行でもっとも深い谷があり、下まで落ちています。もし、この行の

(9)

中 で 一 ヶ 所 息 継 ぎ を す る と し た な ら 、 こ こ し か あ り ま せ ん 。 ま た 、 こ こ ま で

が主語であることを示しています。この行はTheplowmanplodshiswearyway

homeward.とも散文的には書くことができますが、Theplowmanhomewardとは

意味が異なります。その理由は詩の方ではhomewardの後に大きな谷があり、

このhomewardをwayの後に結び付けることができないからです。plodsの前

後に谷があり、ある程度の長さがありますので、韻律分析の通り強になります。 前後の比較的深い谷により切り離されている感じがあるので、強く、あるいは 長く、あるいはゆっくりと読む必要があります。そうすることにより、農夫の 疲れたゆったりとした歩みが伝わってきます。Hisは人称代名詞ですから強く 読みません。韻律分析でも弱に分類されます。弱に分類されるから強さがない かと言えば、そうではありません。曲線が示すように強さはあります。強さを 持たない語は聞こえないことを意味します。これを一般化すると、すべての語 は強さを持つということになります。違うのは長さです。hisは長さがありま

せんので、弱に分類されます。wearywayは途中に小さな谷がありますが、全

体としてある程度の強さを持っています。形容詞と名詞の関係は密接なので、 谷は浅くなります。形容詞と名詞の関係だけでなく、修飾関係が密接であると きには谷は浅くなります。この行の小さな谷を無視して、長さだけを考えると、 plowmanhomeward,plods,wearywayの三つのブロックに分かれます。一行目

ですと、curfew,tolls,knell,partingdayです◎二行目ですと、lowingherd,wind,

slowlyo'ertheleaのブロックに分かれます。このように考えると、詩にはブロッ クがあり、ブロック内に適度の谷を入れて、詩の音色をつくっているとも言え ます。このブロックを取り違えると、恐らく、詩となりえないでしょう。それ

どころか言葉としても成立しないこともあると思います。最後のwayはやは

りなだらかな右下がりになっています。dayとway,leaとmeは脚韻を踏んで

いて、ababのパターンになっています。[ei],[i:]のように母音の一致が決め手 になりますが、右下がりのなだらかな曲線が母音のレベルを越えた脚韻の基調 をなしていると考えられます。 次に四行目に移ります。 】 n u I 《 淵 イ11《

(10)

leaves,the,toが一部切れています。この行は上の三行と比べると著しい特徴 があります。上の三行のなかでも、特に二行目と比べるとその特徴が一層明ら かになります。二行目には下降上昇している部分、つまり谷が、大小合わせる と、はっきりしているものだけでも7ヶ所くらいありますが、谷は下まで落ち ていません。中ほどで止まっています。これに対して四行目には谷が十数ヶ所 あり、しかも深い谷が多くあります。落ち込んでいる谷が途中で止まることが 少なく、ほとんどが一番下まで、あるいはその近くまで落ち込んでいます。四 つ の 行 を 漠 然 と 見 た だ け で 、 四 行 目 の 曲 線 が 複 雑 で あ る こ と は 誰 の 目 に も 明 らかです。強さのレベルの高いところが大小合わせて数ケ所ありますが、その 強さが続く時間、つまり長さが目立つ箇所が少ないです。強いて言えばleaves, world,meですが、これまで検討してきた行に見られたような大きなブロック は見当たりません。このように小刻みに谷が何度も出て来ると、二行目のよう に流れるように読むことがむずかしくなります。各音節の意味を確認するよう に読んで行くことになります。darknessはdarkの方が強いのですが、darkの後、 下まで谷が落ちて、それからnessが続きます。二つ目のandは韻律分析では 強になっています。これはその通りであって、通常はそれほど長さを持たない andがしっかりとした長さを持っていますので、暗がり(darkness)だけではな いのですよ、私(me)もですよと述べていることがよく伝わってきます◎三行 目から四行目はwayandleavesと続きますが、グラフには出ていませんが、実 際にはwayのあとに、小さな呼気の山があり、andを予測させます。その結果、

andleavesのブロックがwayの後にスムーズにつながります。四行目の最初の

andは二つ目のandほど強くはありませんが、theなどに比べるとはるかに強 いです。 ここまでが各行の検証になります。つぎに行と行を比べてみます。まず、気 づくことは四つの行が描く山と谷の曲線に同じものが一つもないということで す。同じでなくとも、ほぼ同じと思えるものがありません。そんな中でどの行

にも共通している部分があります。それは脚韻の部分で、day,lea,way,meは

ほぼ同じ下降曲線を描いています。それぞれの行がかなり異なる曲線を描いて いて、言葉は適当でないかもしれませんが、ばらばらになっています。これを 多様性と呼んでもよいでしょう。このような特徴を持つ四行を一つに束ねてい るもの、統一性を持たせているものが脚韻の部分の曲線です。途中がどんなリ ズムであろうと、最後の部分だけは同じリズムになっています。しかも下降曲 線が同じだけでなく、[ei],[i:]という母音も同じです。詩のもっとも大きな特

(11)

徴 の 一 つ が 脚 韻 に あ る こ と は 間 違 え の な い と こ ろ で す 。 次 に 谷 の 位 置 に つ い て 見 て み ま す 。 深 い 谷 、 下 ま で 落 ち て い る 谷 は 一 行 目 と 三行目にあります。一行目ではこの谷が後ろよりにあり、三行目では中ほどに あります。一行目では深い谷より左側にいくつも鋭い谷が連なるのに対して、 三行目では右方向にあります○四行目は全体に底まで落ちる谷がいくつも散り ばめられています。しかし、ここまで谷がいくつもあると、強さのレベルが高 いと時間的に下まで落ち切ることができません。四行目の大きな特徴は強いレ ベルと底の部分の幅がほかの三行に比べて狭いことです。三行目まではある程 度、強さの幅を保っていますが、四行目は幾分、狭くなっています。締めくく りの四行目はやや全体的に強さのレベルを落としています。すでに触れるとこ ろがありましたが、二行目は違った意味で実に特徴的です。谷が浅く、下まで 落ち切ることが最後まで続きます。非常に滑らかに流れています。 次に一行全体の長さを比較してみます。音節数は各行とも10音節あります。 一行を読むために使う時間はほぼ同じです。音節の数が同じなのに読むために 使う時間がそれぞれ異なるとすると、別の言い方をすれば、時間がばらばらだ と、統一性に欠けてしまいます。詩の大きな特徴は一行を読むのにかける時間 に制約があるということです。この時間を調整するために音節数が設定されて いると考えることもできます。自由詩というのもありますが、詩の特徴は様々 な制限のなかで無限に広がる創造性ではないかと思います。制限がないものは 形を持ちえません。 これまでClaricaの朗読の分析を行ってきましたが、比較するためにJason Millsの朗読を音声分析したものを示します。JasonMillsのもののみを示せ ばすむことですが、それだけですと視覚的に比較するためには、その都度、 Claricaの音声分析の場所に戻らなければなりません。すると、実質的に比較 がむずかしくなります。そのためにClaricaとJasonMillsを並べて表示します。 その方がずっとわかりやすくなると思います。最初にClaricaを再度示して、 その後にJasonMillsを示します。

(12)

一行目 が 捗細●・惨 ●→ず・・ . ↑・‘‘鮓誇擁辮淡苓叩 礼曲凸マ4︲q︲. ︿.△、冒 午恥 少鴬炉. . .¥巽 ●母 x倖 が舞 夢も, ◇JP 名鑑。︽・願・︽。令ま熱演・引亥急げ又浜口菰。辛‘、,, 。。●Q誓 浬琳廠砿噌 鷺■浦山 ロ配J龍● 吋汐陥凸一 氏’T姥︲ 旧粍c扣趣 先●謡凡 、職驚.︾ 遥○。◇言 ・粘︲6 金設一︲ 爺宰 0︸蝿 丸◇ や. 鍛 心①、e 壁干 学4A▽J 刷竪 く 犯舟も L■︲ ◇1も 郭↑ 黄 靜や叩■盆 ⋮読凝鐇準一癖︾羅篭蕊鴬鞍 IF5円bD vo,巳渦⑫⑪u弔電唖.即vHf︲マ ア 鞘? 凸八 竜叩も。 ︽・ 鍔誌謬令牝押⑪諒韓心訴・歩が言. ︲J〃や。’即雫 ︲§§轆蕊●猟轤鍛需撫鮭駕鷲駕聴調 空缶 ぞ町 究ず今・徽典︽噂試●ざ苓詐●奇ざ曾塞︾零 .品貼やや、。 ︽驚農x毎や沌蔦斑 号司 ・歯鱒夢怠専禽︲群 ・凝 ︲必、叱心。 ・食、穂β難き敦愛稚準郡︾騨蕊誌。辛#▽︲ 鐸鐸・や罫やx・露蕊零や。x負異母苓謎享溝。篭●鴛愈茨●誌。︾か謬今︲・ゞ やき悪..÷:ぐ・零令。 ムも■ e , §: 脅 、 呂多;銘 hfH. 。、$︲単j、虻,角挑︲恕迅侭・函も黙︾ずも小今やザー、. 日池、睡牛。 ThelcurfewltollsItlknelllofIparting day x侭と ︾ず雲や八︸ず、 ま。晶浜 ︸貼 六 今 、。、鄙Jず ぶ ノx5・瞳自く今、 ム ー 藍 〆 芋 .

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ー ← 谷の位置は同じですが、下まで落ちている谷がClaricaでは1つですが、 Millsでは4つになっています。山の形が平らであったり、でこぼこしたりし ていますが、概ね両者は同じようになっていると考えてよいと思います。脚韻 の部分の下降曲線も同じですが、Claricaの方が韻を充分響かせるために長め に読んでいます。Millsの方が山と谷の差が大きく頻度も多いので、ややスムー ズさに欠けています。Millsの山の形もClaricaより複雑です。全体として見ると、 Claricaの読みの方がスマートですし、素直な感じがします。 二行目

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(13)

こ の 行 は ど ち ら も 谷 が 下 ま で 落 ち て い る と こ ろ が あ り ま せ ん 。 山 の 形 、 長 さ が異なりますが、ほぼ同じような読みをしていることがわかります。 三行目 ・・︲争,一︲一fD4L、申’F0f邑巳一D0J l0.’︲、兎40?。L◇J1F︲、子・︲1夕︲、財・▽︲望︲︲︲・一nFvか’釦q沖。rl︲ 、こ むロ◇F﹄◇・亘A◇・・・ :争・邸。やF寺詫。。。︲ ◇gも代竹宮 。︽。。 ︲︲﹄、﹄I腸︲・?心争・ 霊 L |§■b﹃。巴●f◇44 ◇l牛争ごfeF0心◇’お、・04◇J ◇・イ“口◇... ◇干叩先︲ q紗◇も◇二r手△V恥△A□い・﹄︲・﹄ふり﹄︲、︲︲,ロ︲﹄﹄|胴坐日,■J0 IDrGもA凸・◇J・T︲1.4 1︲ ロ■’■’,、1腸◇’十宮rローロハ、、 ・・口。﹄。︸・﹃,●斡口純口誰心髄。命︸。。﹄’︸軋。︲..︸ ロ F弓.、! ︲令ザー︲皇。、 い品¥ず。牝↑4,1 蛤 乞二. 写ャ、。 _*◇、。 .#* ・叱・ ︲J’﹄︲・噂今説串.。︲。。、︾山.F,..◆ず.r︸。。 ◇I◇◇ハー︲ だ↑4 .、﹄凸一読、 9■八■超︲凸二 、︾令 ︸1苧c L1r 帖丹 ・今篭︲ ○○・・脅 曲毎 争、 0へ 瓦 。P ﹃令再・ ︲◆、一献 拭令’1学● ・尋●ぎq鳶 令L・︲幸一 だ: ◇qeF亘凸 L q、◇r qハー 守醐、争 F¥令弾︸ 砧ぴこ 詫 亘、 .丸◇ ◇ん。︲ ダニ× ︲◇●中◇ずロ日舎◇4◇︲ 二Fよ■ ◇■﹃e亘令毎秒¥乱。 ︲P炉■執’ 140﹄0F即い■¥姉礼1ヨー亘亘 ノド十︲L︲J巳。。︲T刊・・︲、望。 1凡?冒 号 向.. “へ. 認 嘩︲ 侭釈雫、’ 6&ん一子?■ ?●珀一qp c−︾。︲ 寺心. ●▲L 託◇、 ︸。。 ’・鈩 少 ︲咄︲ ’鞠︾. L0,G.劫 心。 ︾︲ず︸ 呑争 。︲。守伊。F、、P ー l﹂ 勺 同じ場所に谷がありますが、Millsの方の谷には長さがあります。ここで軽 く一息入れているような感じで読んでいることがわかります。この行に限らず Millsの読みは山の部分に長さがありますので、「強」であることがわかります。 しかし、水平に山の頂が進むことがなく、常に変化している「強」であるとい う特徴があります。 四行目 ‐』其EI-︲ず口落 。◇蕗。︲、 託︸︲ マヤ◇ごJ ﹃I・ Lu・ ▽た 亘少 ︲ん.︾と.+ ◇“一・︲毎A圭碓守口’。△ 。L、争守ご司令捗凸・I“ ◇︽や毎 凸や +心I 塊 ・鵲 +、︸F︸ r・ も﹃ 凸◇■cPfゥ寺︸ ・・名鴛諦琵 迩↓菜笙 4.、︲ 。︲ ■F二・︽申H■〃“宮 ‘ "a‘鐘L‐. 喝か ■ 篭 ,. 、 蓉・. ÷‐f@ さ・‐,弱, 貼 一 雫 ・ く!2ロー 純か.4ず;、f 誰 〃4 ,: P■ F︲◇。□や﹀・ 恥や◇ザワ冒凸qグ ◆●◆無心■・DO eo4民r D−︾和 心拍 や■¥■“庁。山元FJJpD ︲﹃昨ANp説’いfJ0︲︲叩︲■’qFJ q40rP◇■P﹃︲。T︲︲ ’’0”Job1. 54先望乎0く。 ︲もい◇凹殆妬・◇ ミヤF□ F︾ 。、 。■0争普牛■g◇︸ 6。、、ふむ帝・王。罫夫 宅P+、 ㎡F圭ら礼・ ︲向PC、︾。ザ漁0◆“。◇純詫・■Kmd鯉口王︲悲. PFF◇﹁+“ 心胆別﹃◇。d︸も ︲“。・4..A・獄L■ 、牛 1■■■タョ●二■■■■ 。︲︲い“ずFD︲・︲ ︾甚詫鋸骨 沌駕角骨 平︲■・L o計。■ . 。﹄﹃。﹀斜ワ﹄℃のa¥f勾轄。﹂ハロ。。。△ず40 強守・ ﹄ず4 仏1JJ’0. 十占主口角ロJ声L¥酢一J 14G﹃L◇望︲ロ日、 年JIq︲ ︲ロ︲F◇J’4ヴ・ ︲40、・・異.L︲。 姑 一喝凸L 屯。, ?& ,、 .略 日“、、ロ。二︲e: ◇日◇E& 軍︲llll︲︲︲︲ =

The plow m a n homeward plods his weary way

(14)

この行は谷がたくさんあり、両者の読みとも複雑になっています。二行目と 反対の意味で、この行は四行の中ではもっとも特徴的です。Millsの読みでは darknessとandの間に異常に長い谷が続いています。ここまで長くなるのは異 常な気がします。 ここまでClaricaの読みとMillsの読みをざっと比べてみたのですが、Mills の方が谷が下まで落ちている部分が多く、山は水平に移動することがなく常に 変化しています。Claricaは女性で、Millsが男性であるということがこのよう な違いを引き起こしているということも考えられます。この比較からわかる ことは、両者は山の位置そのものはほぼ同じであり、その意味では同じ読みと なっています。ことに脚韻の部分の読みは類似しています。それにも拘わらず、 山と谷の形状が異なるのはなぜでしょうか。これには様々なことが考えられる と思いますが、私が重要だと考えているのは一行を読むのにかかる時間です。 Millsの読みを見ると、一行読むのにかかる時間がまちまちです。同じ長さで 読んでいる行が一つもありません。一方、Claricaを見ると、ほぼすべての行 が同じ長さになっています。音節で言いますと、一音節分の違いもありません。 Millsでは最大で三音節分の違いがあります。もし、Millsが各行を読む時間を 同じにするならば、不安定な山の形や谷の数がClaricaのものに近づくように 思えます。一行を読むのにかける時間の問題が詩の朗読ではもっとも重要な要 素になると思います。私は一行にかける時間は同じでなければならないと考え ています。音節数が同じであるなら、同じ時間にしなければならないと考えて います。読み始めてから読み終わるまでの時間を決めておかなければ、無秩序 な読み、好き勝手な読みになり、詩が持っている最大の特徴である形式、すな わち制限がもたらす詩の最大の魅力が引き出されないことになります。Clarica とMillsの音声分析が教えてくれることはこのことであると思います。

以上、ThomasGrayの弱強5歩格の詩、ElegyWritteninaCountryChurchyard

の音声分析を行いましたが、その結果を次に列挙して、「まとめ」とします。 これまでの弱強5歩格の詩の分析では触れられていなかったことが多く含まれ ていると思います。さらに詩形の問題を深く考えるために下記の要約が多少な りとも役立つのであれば、本稿の目的はある程度、達せられたものと考えてい ます。

(15)

「まとめ」 ・韻律分析における「弱強5歩格」における弱、強の概念は暖昧である。 ・韻律分析と音声分析では弱強にずれがある。 .「強」の概念は強さと長さによって満たされる。 .「弱強調」は弱と強からのみ成り立っているのではない。 .「弱」と「強」の間には二つをつなぐ上昇・下降のリズムがある。 ・強に該当する部分(山)の高さの度合いはほぼ同じである。 ・弱に該当する部分(谷)の深さは様々である。 .強さの度合いは絶対的なものではなく、相対的である。 ・山と谷の落差を見ることが重要である。 ・一行中の最も深い谷のところに意味的、文法的な切れ目がある。 .軽い休止を入れられるのはもっとも深い谷のところである。 .浅い谷の前後は意味的、文法的に密接である。 ・谷の深さを見て行けば、統語関係が見えてくる。 ・山と谷が合わさって、一行中にブロックができる。 ・語の発音はその長さにおいて辞書の定義の通りにならないことがある。 ・音節の境目に谷がくる。 .強さの度合いだけから見ると、強強であっても長さの度合いを加えると弱強になる。 ・行末の脚韻は右下がりで統一される。 ・冠詞や前置詞は谷になりやすく、詩のリズムをつくるときに影の主役となる。 ・一行に含まれる音節数は同じである。 ・一行を読むのに要する時間はほぼ同じにすべきである。 ・一行を読むのに要する時間がばらばらになると、詩の創造性が弱くなる可能性があ る。 ・一行を読むのに要する時間がばらばらになるほど、癖のある読みになる。 ・一行にかける時間が同じであれば、誰が読んでも山と谷がなす曲線は似てくる。 ・詩形と(読みに要する)時間はきわめて重要な概念である。 ・山と谷の落差は行ごとに異なる。 ・谷の数が多く、深くなるほど、山と谷の落差が小さくなる。 ・まったく同じ弱強曲線の行がない。 ・一行の谷がすべて浅い場合にはなめらかな調子になる。

参照

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