体 外 循 環 に 用 い る 稀 釈 血 液 の 検 討
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(2) 128. 大. 野. 心 肺 装 置 に添 加 し使 用血 液 量 の 節 減 を し よ う とす る 試 み が,欧 米 で は1960年,本 じ ま り,さ. 致 の影 響 を 追 求 し,興 味 あ る知 見 を え た の で 報 告 す る.. 邦 で は1961年 頃 よ りは. 第2章. らに ヘパ リン加 血 液 を ま つ た く用 い な い,. い わ ゆ る無 血 充 填 灌流 法 も1961年 頃 よ り応 用 せ られ. 第1節. 赤血球,血 小板の比 泳動速度. 第1項. る よ う に な つ た. ま た,心 臓 外 科 の進 歩 に よ り複 雑 か つ 重 症 な心 疾. 検 査事項. 界面 の電気的性質. 固 体 の表 面 に液 体(多. くの 場 合 は溶 液)が 接 触 す. 患 を 長 時 間 体 外 循環 に よ り行 うよ う にな り,こ れ に. る場 合,固 体 の表 面 で は 解 離 が 起 り,液 中 か らイ オ. と もな い 末 梢血 管 内 に 赤 血 球 のsludgeが. ンを 吸 着 して 電 荷 を もつ か あ る い は 溶 媒 分 子 や界 面. 出現 し,. 末 梢 循 環 の非 円滑 化 を きた し,こ れ が と き に重 篤 な. 活 性 物 質 の 双 極 子 の配 向 が み られ る か ら,界 面 に は. 障 害 を 生 じる こ とが注 目さ れ,こ れ を 予 防 す る 目 的. これ に もと づ く電 位 差 が 生 じ る.も. で も各 種 の代 用 血 漿 が 用 い られ るよ うに な つ た.と. の 電 荷 が で き れ ば,そ. くに 低 分 子 量 デ キ ス トラン の有 用性 が 強 調 され た.. 多 くな り,逆 に表 面 が 負 に 帯電 す れ ば 液 中 に 正 の電. 教 室 津 田6)は 体 外 循 環 時 の末 梢 循環 を 研 究 し全 血 使. 荷 が 多 くな る.も. 用 群 で は 全 例 に末 梢 循 環 不 全 を生 じ血 管 ア トニ ー,. 性 で あ り,結 局 界 面 に お い て電 荷 の 不 均一 な 分 布 が. plasma. 起 つ て い る.こ れ を 界 面 電 気 二 重 層(interfacial. skimming,. sludgeを 生 じ血 行障 害 の 起 る の. を 認 め た(第1図)が,稀 循 環 の 改 善 を み,と 加5%ブ. 釈 血 液 の 使 用 に よ り末 梢 くに10%低 分 子 量 デ キ ス トラ ン. ドー糖 液(平 均 分 子 量40,000,以. と略 す る)は120分. 下LMD. の 灌 流 で も真 性 毛 細 血 管 に 至 る. し固 体 表 面 に 正. の附近の液 中には負の電荷が. ち ろん 系 全体 と して は電 気 的 に 中. electricaldouble layer)と. い い,. Helmholtzの. 二 重 層 の モ デ ル に 示 され る(第2図)が,実 散 の た めStern模. 型(第3図)の. 電気 際は拡. よ う に 考 え られ. る.こ れ に も とづ く電 位 差 を二 重 層 電 位 差(double. ま で末 梢 循 環 は 良 好 に 維 持 され るの を 認 め た.し か. layer potential)と い い,ま. しsludgeの. ial)と もい う.界 面 の 電 気 的性 質 は こ の 二 重層 電. 成 因 あ るい は 予 防 の 作 用 機 序 に 関 して. は 不 明 の点 が 多 く,そ の 病 態 生 理 は 未 知 の ま ま で あ. た 単 に ζ電 位(ζ‑Potent. 位 に よ つ て支 配 され る.. る. そ こで,著 者 はsludge形. 成 あ るい は 薬 剤 に よ る. 第2図. Helmholtzの. 電気二重層 の モデル. そ の予 防 に血 球 相 互 の 間 に 働 く牽 引力,反 撥 力 が 関 係 す る の で は な い か と考 え,ブ マ ン ニ ッ ト, PVP,ア. ドー 糖,ソ. ル ビ ッ ト,. ミノ酸 製 剤 お よ び各 種 分子 量. の デ キ ス トラン溶 液 な ど に よ る血 液 稀 釈 の血 液安 定 性,血. 球 表 面 電 荷 に及 ぼ す影 響 な ど に つ い て 実 験 的. に研 究 し,さ らに この 実 験 的 研 究 に よ り優 秀 と認 め られ たLMDの. 効 果 を体 外 循環 臨床 例 に つ い て 検 討. し,な お低 温 時 な らび に 血 管 内膜 の 傷 害 時 のLMD. 第3図. 第1図. 家 兎 腸 間 膜 の 細 動 脈 に おけ るsludge形 成,津. 田6)に よ る.. Stern模. 型.
(3) 体 外 循 環 に 用 い る稀 釈 血 液 の 検 電 気 二 重 層 の 正 負 の 電 荷 に 働 く力 は 大 き さは等 し. 129. d(1/2±1/√12)=0.211d. と 0.787d. く方 向 は 反対 で あ る が,一 方 は 固 相 に他 方 は液 相 に 作 用 す る.固 体 が 固定 され 液 が 移 動 す る のが 電 気 浸. の と こ ろ(第4図. 透 で,固 体 が移 動 して 液 が 動 か な い 場 合 もあ り電 気. 液 が 動 か な い ので,こ. 泳 動 とい い,た. で き る.. とえ ば コ ロ イ ド粒 子 の電 場 下 の移 動. のaとb)に. 両 方 向 流 の 境 が あ り,. こで 真 の 電 気 泳 動 速 度 が 測 定. が これ で あ る.こ の 場 合 粒 子 の 移 動 速 度 は 電 場 の も 第3項. とで. 電気 泳動速度測定装 置. 著者 はAbramson11)の. 改 良 した 顕 微 鏡 電 気 泳 動 装. μ=CζED/4πlη. 置 に も とづ き,第5図. ただ し. μ:粒 子 の 移 動 速 度. 作 成 した.管 部 は ガ ラス,三 方 括 栓 型 ブ リッヂ は プ. E:電. 極間の電圧. ラス チ ックを 用 い た.電 極 は,銅 一 飽 和 硫 酸 銅 溶 液. D:液. 体の透電率. の 可逆 電 極 に よ り分 極 を 防 ぎ,こ れ に 生 理 的 食 塩 水 4%寒. η:液 体 の 粘 度. の ご と き水 平 電 気 泳 動 装 置 を. 天 ブ リッヂ を 使 用 し た.. ι:電 極 間 の 距 離. 第4図. で 現 わ され る. この 式 に よれ ば電 気 泳 動速 度 は 粒 子 の 形状 に 無 関 係 とな るが,実 際 は こ れ に 関 係 す る の で1924年 Debyeお. よびHuckelに. よつ て 次 の改 良 式 が 出 され. た. μ=CζED/ι η. ただ し 球状粒子では 柱状粒子で は. C=1/6π C=1/4 π. d(1/2±1/√12)=0.211d. と 0.787d. この式 の 中 でCは 粒 子 の 形状 に よ り異 な り,ま た の 液 粘度 は 温度 に よ つ て か な り変 化 す るの で, μ も. 第5図. 水平電気泳 動槽. これ に応 じて変 化 す る. い まE,. ιに つ い て一 定 の 条 件 を 与 え ηを 一 定 の. 条 件 に 補 正 すれ ば μは ζDに 比 例 す る.い. ま,電 解. 質 に極 端 な 変化 の な い か ぎ り透 電 率 は ほ とん ど変 化 せ ず,こ の 場合 には 電 気 泳 動 速 度 は ζ電 位 に比 例 す る と考 え られ る.7)8) 第2項. 赤 血 球,血 小 板 の電 気 泳動 速 度. 赤 血 球,血 小板 は 血 漿 中 に 浮 遊 し,と もに 負電 荷 を 帯 び互 い に反 撥 力 が 作 用 して い るが,稀 釈 液 の影 響 で これ らの ζ電 位 は 変 化 し,あ る い は体 外 循 環 の 影 響 で変 化 す る も の と考 え られ る.前 記 の 条 件 を み た して 赤 血 球,血 小 板 の 泳 動 速 度 を 測 定 す れ ば,こ れ らの ζ電 位 の 変 化 が うか が わ れ る. そ こで,血 漿 な い し溶 液 中 に赤 血 球,血 小 板 を浮 遊 させ て一 定 の電 場 下 に 電 気 泳 動 を 顕 微 鏡 で 観 察 す る場 合,測 定 上 の 問題 点 は 陰極 に 向 う液 流 で あ る. この 液 流 は 陰 極 に 向 い水 圧 を高 め,ガ. ラス面 よ り遠. い 中央 部 で 逆 に 陽極 に 向 う液流 を生 じる9). Smolu chowsky10)に. よ る と第4図. の ご と く,. 銅飽和硫 酸銅可逆電極 生 理 的 食 塩 水4%寒 天 ブ リ ッヂ μ=cζED/ιη. μ:泳 E:電. 動速度 極 間 の電 圧. D:液. 体 の透 電 率. η:液 ι:電. 体の粘度 極間の距離. c:粒. 子 の 形 状 に よ る恒 数. 球状粒 子. c=1/6. 柱状 粒子. c=1/4π. π.
(4) 130. 大. 野. 致. 夏 目製 作 所 製 小 林 式 濾 紙 電 気 泳 動 装 置 を 用 い,電 位 勾 配 約20V/cm,約4mAの. 電 場 を 与 え, Smol. uchowskyに. 点 に 顕微鏡 の 焦点. よ り管 径比0.21の. 第7項. 血 管 内 外 膜 間 電 位 差 変 化 の測 定. 径0.3mmの. 銀 線 を塩 酸 中 で 通 電 し,銀 塩 化銀 可. 逆 電 極 を 作 成 し た.雑 種 成 犬 を 用 い ネ ン ブ タ ー ル麻. を あわ せ て 液 流 の影 響 のな い 点 で 自己血 漿 あ るい は. 酔下 に 股 動 脈 を露 出 して 被 検 血 管 と し,側 枝 よ り電. 生 理 的 食 塩 水 中 に浮 遊 させ た赤 血 球,血 小 板 の 泳 動. 極 を そ う入 し て 内部 端 子 と し,外 部 端 子 は 外 膜 上 に. 速 度 を 測 定 し た.泳 動 速 度 は10個 の血 球 に つ い て,. 接 して しゆ う 動 さ せ た.両. 電 極 の 切 り変 え に よ り泳 動 方 向を 変 え,接 眼測 微 計. Twin. を 用 い 定 距 離 の 泳動 時 間 を ス トップ ・ウ ォ ッチ で 測. 端 子 の しゆ う動 に と もな い 連 続 的 に 内 外 膜 間 の電 位. 定 し算 出 した.同. 差 変 化 を 記 録 し た(第6図).. 時 にHess‑Erma血. 液比 粘度 計 で. 測 定 した 比 粘 度 か ら血 液 稀 釈 前 あ る いは 体 外 循環 開. Viso Recorderに. 第6図. 端 子 をSanborn社. 製. 接 続 して 心 電 図 部 分 で 外部. 血管 内外 膜間の電位 差の変化 測定法. 始 前 の 比 粘 度 に おけ る泳 動 速 度 に統 一 した血 球 比 泳 動 速 度 を 算 出 し た.採 血 操 作 はnon‑wettable器. 具. を 用 い た. 第2節. その他の検査事項. 第1項 Hess‑Erma血 〜23℃. 血 液,血 漿 比 粘 度 液 比 粘 度 計 を 用い,原. 則 と して17. にて 蒸 溜 水 を対 照 と して 比 粘 度 を 測 定 した .. 血 漿 は1700回 転10分 間 遠 沈 分 離 し た. 第2項. 赤血球沈降速度. Westergren法 長 さ30cm,目. 盛200mm)を. 温 の 影 響 の 場 合 は10分 毎),. 2時 間 まで は10. 第4項. 第5項. 実験方法. ヘ マ トク リ ッ ト値. 血小 板 数 直 接 法 で 測 定 し た.. 含 む よ うに 採 血 し,こ の ヘ パ リ. ン加 血 液 に 各 種 の 溶 液 す な わ ち20%マ. ン ニ ッ ト液,. 5%ソ. 3%PVP{平. ル ビ ッ ト液,. 5%ブ. ドー糖 液,. 均分 子 量(以 下MWと. 略 す る)24,500}5%ブ. 糖液,. 24,500). 3%. PVP. (MW. 転, 10分 間 遠 心 沈. %ブ. ドー糖 液 を そ れ ぞ れ 血 液 の10, 20, 30, 40, 50. %の 割 に加 え 稀 釈 し た.デ キ ス トラ ン はMW. 入 れ, 1/16区 画 に つい て3個 以 上 の 血 小 板 塊 の 大 き. で10%液. さ,数 を 算 定 し た.操 作 に は す べ てnon‑wettable器. 244,000で. 具 を 用 い た.. 血液 に つ い て 赤血 球,血. とMW. 75,000.. 各 々6%溶. たヘパ リ. ン加 血 漿 に つ い て 濾 紙 電 気 泳 動 を 行 な つ た.こ. 小 板 比 泳 動 速 度,血. れは. 人 ヘパ リン加 血 液 で血 液100ccに 2.5mg,. 5mg,. 10mgで. 球,血 小 板 比 泳 動 速 度,血 た.. Zeiss社. (Merk)で. 4mA,. 16時. No. 1を. 間 で 移 動距 離 用 い た.. Amido. 染 色 し加 温 脱 色 し, Carl. 製 のExtinktionsschreiber. reiberイ. und. Integralsch. ンテ グ レ ー シ ョ ン レ コー ダ ー 付 で フ ィル タ. ー はFE60を を 行 な つ た.. 液,血. 使 用 し てDensitmetry. and. Planimetry. 3.8%ク. 液,血 漿 比 粘 度 を 検討 し. エ ン酸 ソ ー ダ 液 を1対4の. 血液100ccに. 対 し ヘ パ リン. 採 血 した 場 合 に つ い て赤 血. 白井 松 器械 舗 製 の 佐 野 式 電 気 泳 動 装 置 と水 冷 式電 気. 10B. 40,000 204,000.. 液 の もの を 用 い た.こ の稀 釈. 泳 動 槽 を 用 い70V/cm,. schwartz. 168,000.. 漿比 粘 度,赤 血 球 沈 降 速 度 に つ い て 検 討 した.. 血漿蛋 白. 日 立 製 蛋 白 計 で 血 漿 総 蛋 白 量 を 測 定,ま. 紙 はWhatman. ミノ酸5. %ソ ル ビ ッ ト液 お よび 各 種 分 子 量 の デ キ ス トラン5. 血小板 塊. 抗 凝 固 剤 加 血 液5ccを800回. 7〜9cm,濾. ドー. 1.52%ア. 澱 し,そ の上 清 の血 小 板 濃厚 血 漿 を トー マ計 算 板 に. 第6項. ヘ. パ リン(ヘ パ リン ソ ー ダ 「タケ ダ」 を 使 用,以 下 す べて 同 じ)5mgを. 高 速遠 心 器 に よ る毛 細 管 法 で 測 定 した.. Rees‑Ecker氏. 実 験 的 研 究. 健 康 成 人 あ るい は 職 業 供 血 者 か ら血 液100ccに. 1時 間 ま で は5分. 分 毎 に 測 定 した. 第3項. 第1節. 用 い,ヘ パ リン加 血 に. つ い て他 の 抗 凝 固 剤 を 使 用 せ ず, 毎(低. 第3章. の 沈 降 用 ピペ ッ ト(内 径2.5mm,. 対 しヘ パ リン5mgを. 比 に加 え た人 加 え,こ の血 液. 100ccに 対 し て プ ロ タ ミン お よ び ポ リブ レ ンを 各 々 2,. 4,. 6,. 8,. 10mgの. 割 に加 え 赤 血 球,血. 小板. 比泳 動 速 度 を 測定 し ヘパ リン 中 和 の 影 響 を 検討 し た..
(5) 体 外 循 環 に用 い る稀 釈 血 液 の 検 雑 種 成 犬 を 用 い3.8%ク ン酸 ソ ー ダ液 を1対4の. 第7図. エ. 131. 稀 釈 に よ る 比 泳 動 速 度. 比に. 加 え た血 液 か ら血 小 板 濃 厚 血 漿 を作 成 し,こ の血 漿100cc に対 しヘパ リン2.5mg, 10mgの. 5mg,. 割 に加 え ヘ パ リン濃. 度 に よ る血 小 板 塊 の 形 成 に つ い て 検 討 し た.さ. らに こ の ヘ. パ リン お よび クエ ン酸 ソー ダ 液加 血 漿 に ポ リブ レン を ヘ パ リン に対 し1対1の. 比 に追加. し血 小 板 塊 の 形成 を観 察 し前 者 と比 較 した.ま た 同 様 に し て作 成 した血 小 板 濃 厚 血 漿 の 10, 20, 30, 40, 50%のLMD を 加 え,よ. 比 泳 動 速 度 を 縦 軸 に 示 す.泳 動 方 向 は 負.. く振 りす ば や く血. Dxは デ キ ス トラ ンで 太 線 で示 し,数 字 は デ キス トラ ンの 平 均 分 子 量 を 示 す.. 小 板 塊 の形 成 を 検 討 し た.. 血 管 内外膜 間 の電 位 差 に つ い て は,ま ず 正 常 電 位 差 を測 定 し,つ づ い て傷 害 時 の電 位 差 を,. 1)モ. ス. ト値を各温度について 検討 した.家 兎赤血球 の特殊 性 にかんがみ泳動速度 は各温度の比粘度 を用い灌流. キ ー ト鉗 子 を 用 い 動 脈 を10分 間挫 滅 後 お よ び2)動. 前 の条件 に統一 した比泳 動速 度を求め,さ らに術前. 脈 に 約2/3にわ た る 横 切 開 を 加 え, 0‑6(USP)non‑trau. の比泳動速度を1と して,各 々の比 泳動速 度比を算. matic絹 糸 で縫 合後 に測 定 した 。 さ らにLMDを 定 循環 血 液 量 の10%の. 推. 出 した. 第2節. 割 に点 滴 注 入 後 に測 定 した.. な お推 定 循 環 血 液 量 は 体 重 の8%と. 血 球 比 泳動 速 度 の 実 験 成 績. 第1項. し た.. 低 温 に よ る影 響 に関 して は,赤 血 球 比 泳 動 速 度,. 血 液 稀 釈 に よ る影 響. 赤 血 球比 泳 動 速 度 は 各 種 分 子 量 デ キ ス トラン 稀 釈. 比 粘 度,赤 血 球 沈 降速 度 を人 血 液 に ヘパ リン5mg. 血 群で は 稀 釈 に と もな い 著 明 に 増 加 し50%稀 釈 で 平. を加 え て 採 血 した ヘパ リン加 血 液 と これ に10, 20%. 均46〜77%(以. の割 にLMDを. 用 す る)増 加 し,な か ん づ くLMDが. 添 加 した稀 釈 血 液 に つ い て比 較検 討. した.測 定 温度 は そ れ ぞ れ30℃,. 20℃,. 10℃ に つ. 下 増加 率 は50%稀. で あ る. PVP,マ. 釈 血 の 平 均値 を 使 もつ と も著 明. ン ニ ッ トで は11〜18%の. い て 行 な つ た.赤 血 球 比 泳 動 速 度 は 電 気 泳 動 速 度 測. どま る.ブ. 定 装 置 を恒 温槽 で か こみ 被 検 赤 血 球 浮 遊 血 漿 を 測 定. の 増 加 しか 示 さず ほ と ん ど 変 化 しな い(第7図).. 温 度 に一 致 させ,電 気 泳 動 に よ る加 温 を防 止 し,泳. ドー糖,ソ. 増加 にと. ル ビ ッ トは そ れ ぞ れ3〜4%. 血 小 板 比 泳 動 速 度 は 各種 分 子 量 デ キ ス トラ ン稀 釈. 動 速 度 を 測 定 し,各 温度 の血 漿比 粘 度 か ら非 稀 釈 血. 血 群 で49〜91%の. の30℃. ビ ッ ト,ブ ドー糖 で は8〜20%の. の 条件 に統 一 した比 泳動 速 度 を算 出 した.. 比 粘 度 は 血 液,血. 漿 とLMDに. つ い てHess‑Erma. マ ンニ ッ トは3%の. 血 液 粘稠 度 計 に 附 属 す る恒 温 槽 を用 い測 定 した.赤 血 球 沈 降 速 度 は 沈 降 用 ピペ ッ トを いれ る恒 温 槽 で 行 な つ た.. 著 明 な 増 加 を 示 す が, PVP,ソ. 第2項. 増 加 しか 示 さな い(第7図). の影 響 を検 討 した.体 外 循環 装 置 は津 田6)の 方 法 に. ヘパ リンを2.5mg,. 5mg,. 速 度 の 変 化 は 平 均 ±1.4%で. 10mg添. 第3項. 交 換 器 で行 な い,直 腸 温 を測 定 した.採 血 は 脱 血 カ. リブ レン の 影 響. ポ リブ レン お よ び プ ロ タ ミンを 被 検 血 液100ccに 2,. 30, 25, 20, 15, 20, 25, 30℃. 泳 動 速 度 は低 下 す る.ポ. マ トク リッ. 小板 比 泳 動. 有意 の 差 は 認 め な い. プ ロ タ ミン,ポ. ニ ュー レか ら灌 流 開始 前 お よ び 直後,冷 却 加 温 中 の. 赤 血 球 泳 動 速 度,血 液,血 漿 比 粘 度,ヘ. 加 した 場 合,. (第8図).. 従 い,熱 交 換 は 酸 化槽 と動脈 側 に加 え た コイ ル型 熱. に つ い て 行 ない,. .. ヘ パ リン量 の影 響. 赤 血 球 比 泳動 速 度 の 変 化 は平 均0%,血. さ らに 家兎 を 用 い 超低 体 温体 外 循 環 を 行 な い 低 温. ル. 増 加 に と ど ま り,. 4,. 6,. 8,. 10mgの. 割 に 加 え た 場 合,血 球 比 リブ レ ン は 上 記 の 投 与 量 の. 増 加 に と もな い 赤 血 球 比 泳 動 速 度 を 平 均4.5,. 6.5,.
(6) 132. 大 第8図. 野. 致. ヘ パ リ ン添 加 に よ る血 液 血 漿 比 粘 度 及 び 赤 血 球 ・ 血 小板比泳動速度. 比 粘 度,比 泳 動 速 度 を 縦 軸 に示 す. 8,. 12.5,. 5,. 11.5,. 13.5%血 22,. 小 板 比 泳 動 速 度 を 平 均0,. 28%と. 著 明 に 低 下 さ せ る.プ. ミ ン も 血 球 比 泳 動 速 度 を 低 下 さ せ る が,前 量 で は 赤 血 球 比 泳 動 速 度 の 増 減 は 平 均+1, ‑2. .5,. +4,. ‑4.5,. +3,. ‑3%血. +1,. を1:0.7,プ. 記 の投 与 ‑2.5,. その他の実験 成績. 第1項. 血 液,血. 漿比 粘 度. 稀 釈 に よ る血 液 比 粘度 は 各 種 分 子 量 デ キ ス トラ ン 稀 釈 血 群 で は 稀 釈 に と も な い 著 明 に増 加 し50%稀 釈. 小板比泳動 速 度 で は 平 均. で 平 均29〜67%(以. ‑9%で,ポ. を 使 用 す る)増 加 し,な か ん づ くLMDが. ‑1.5,. し 軽 度 で あ る.か. 第3節 ロタ. リブ レ ンに比. り に ポ リ ブ レ ン の ヘ パ リン 中 和 量. ロ タ ミ ン の そ れ を1:1.2と. して赤 血. 下 増 減 率 は50%稀. 釈 血 の平 均値. 釈 血 液 の比 粘 度 は 稀 釈 に と もな い 平 均17〜31%低. 球 比 泳 動 速 度 に つ い て 平 均 値 の グ ラ フ よ り検 討 す る. す る(第10図).稀. と,ポ. 量 デ キ ス トラ ン稀 釈 血 群 で 平 均45〜110%の. で2.5%の. リ ブ レ ン3.5mgで5.0%,プ 低 下 が あ り,同. ン は プ ロ タ ミ ン の2.0倍. ロ タ ミ ン6mg. 一 作 用 を 有 す る ポ リブ レ 強 力 に 赤 血 球 比 泳動 速 度 を. 平 均5%の. 3%, 第9図. ポ リ ブ レ ン ・プ ロ タ ミン濃 度 に よ る 赤 血 球 ・血 小 板 比 泳 動 速 度 ‑‑‑‑‑‑ポ ―. 下. 釈 に よ る 血漿比粘度 は各種分子 著明な. 増 加 を 示 す が,こ れ ら以 外 の 稀 釈 血 液 で はPVPが. PVPア. 低 下 さ せ る(第9図).. もつ と も. 著 明 で あ る.各 種 分 子 量 デ キ ス トラン 以 外 の 溶 液 稀. 増 加 を示 す の み で 他 は いず れ も低 下 す る. ミノ酸 ソル ビ ッ トと マ ン ニ ッ トは そ れ ぞれ. 7%低. れ 平 均28%,. 下 し,ブ. ドー 糖 と ソル ビ ッ トは それ ぞ. 30%低 下 す る(第10図).. ヘ パ リン量 に よ る血 液,血 漿 比 粘 度 は,血 液100cc リブ レソ プ ロタミ ン. に ヘ パ リン2.5,. 5, 10mgの. 割 に加 え た ヘパ リン加. 血 液 の 血 液 比 粘 度 の 変 化 が 平 均 ±1.7%,血 度 の 変 化 が 平 均0%で. 漿比 粘. 有 意 の 差 を 認 め な い(第8. 図). 第2項. 赤血球沈 降速度. デ キ ス トラ ン以 外 の溶 液 稀 釈 血 群 で は 赤 血 球 沈 降 速 度(以 下 赤 沈 と略 す る)は い ず れ も稀 釈 に と もな い 短 縮 す る. 50%稀. 釈 血 の 赤 沈2時. 間 値 を 対 照 の非. 稀 釈 血 の そ れ と比 較 す る と ソル ビ ッ ト,ブ ドー糖, PVPア. ミ ノ酸 ソル ビ ッ ト, PVPは. の 平 均19.3,. 23.5, 27.4,. に マ ン ニ ッ トは 平 均8.0%で 図).. 41.0%に. そ れ ぞ れ 対 照値 短 縮 し,と. そ の程 度 が 強 い(第11. く.
(7) 体 外循 環 に 用 い る稀 釈 血 液 の 検 第10図. Dxは. 稀 釈 に よ る 比 粘 度. デ キス トラ ンで 太 線 で 示 し,数 字 は デ キ ス トラ ン の平 均 分 子 量 を 示 す.. 各 種 分 子 量 デ キ ス トラン稀 釈 血 で はLMDの. みが. %稀 釈 の 赤 沈 平 均値 は 異 常 に 短 縮 して い る)(第11. 赤 沈 を短 縮 し,前 述 の よ うに比 較 す る と平 均1.7%. 図).. で,こ の作 用 は マ ン ニ ッ トよ り強 力 で あ る.一 般 に 使 用 され て い るMW は 平 均111.5%で. 75,000の. あ るが, 30%稀. 244,000の. 第3項. 血小板 塊. ヘ パ リンを 用 い て も血 小 板 塊 が 形 成 され る が,ヘ. デ キ ス トラ ン糖 液 で. パ リン中 和 剤 の ポ リブ レ ンに も塊 形 成 の 傾 向 が あ り,. 釈 血 で は 平 均186. %を 示 し赤 沈 は 中等 度 に 亢 進 す る. MW 204,000.. 133. ま た血 小 板 濃 厚 血 漿 にLMDを. 168,000.. デ キ ス トラ ン で は 赤 沈 は 初 め. 加 え る と 肉眼 的 に 認. め られ る沈 澱 を 生 じ るが,こ れ は 血 小 板 塊 よ り成 る. の1時 間 で 急 速 に亢 進 す る.ま た沈 降 ピペ ッ ト内 で. こ とが 鏡 検 で 認 め られ る(12図). ヘ パ リンの 影 響 .ク エ ン酸 ソ ー ダ加 血 小 板 濃 厚 血. 赤 血 球 凝 集 現 象 が 認 め られ,場 合 に よつ て は ピペ ッ トの 中で 塊 を形 成 して そ れ よ り下 方 で さ らに 赤 沈 現. 漿100ccに. ヘパ リンを2.5mg,. 5mg,. 10mgの 割 に加. 象 を み る場 合 が あ り,こ の とき は最 上 層 の 赤枕 値 を. え た場 合,血 小 板 塊 の 形 成 を み るが,こ. 測 定 した(こ の た めMW. パ リン添 加 で は ヘパ リン濃 度 の差 に よ る血 小 板 塊 の. 244,000の. デ キ ス トラ ン50. 第11図 20%マ. ンニ ツ ト. MW4万 C:対. 照(非 稀 血). の程 度 のヘ. 稀 釈 に よ る 赤 血 球 沈 降 速 度. 5%ソ. ル ビツ ト. MW7.5万 1:10%稀. 5%ブ. ドー 糖. MW16.8万. 釈. 2:20%稀. 釈. 3%PVP 5%ブ. ドー 糖. MW20.4万 3:30%稀 釈. 3%PVP 1.52%ア ミ ノ酸 5%ソ ル ビッ ト. MW24.4万. 4:40%稀. 釈. 5:50%稀. 釈.
(8) 134. 大. 第12図. 血 小 板 濃 厚 血 漿 に,そ の50%の. 野. 致. 割 にLMD. を添 加 後 に 生 じる 巨大 な 血 小 板 塊(注 入. 第15図. 30分 後,血 小 板 は 崩壊 しつ つ あ る).. LMDを. 大 き さ,数 に 有 意 の差 を 認 め な い(第13図). ポ リブ レ ンの 影 響.上 記 の ク エ ン酸 ソー ダ,ヘ パ. 血 小 板 濃 厚 血 漿 に,そ. 第4項. の10%の. 割に. 添 加 後 に 生 じる 血 小 板 塊.. 血 管内外膜 間の電位差. 測 定 原 理 よ り考 え て,正 常 電 位 差 を 零 とす れ ば,. リン加 血 漿 にポ リブ レ ンを ヘ パ リン1に 対 し1の 比. 傷 害 電 位 差 の変 化 は モ ス キ ー ト鉗 子 挫 滅 群 で 平 均. に加 え る と血 小 板 塊 の 形 成 を み るが,ボ. 2.7mV,血. リブ レン の. 管 を 切 開,縫. 合 群 で 平 均5.6mVと. な り,. 濃 度 の 差 に よ る血 小 板 塊 の大 き さ,数 に有 意 の 差 を. この 変 化 は 外 膜 に対 し 内膜 が 陽 に 帯 電 して い る.. 認 め な い.ポ. LMD点. リブ レ ンを 追 加 し た血 小 板 塊 形成 能 を. 滴 注 入 後 は モ ス キ ー ト鉗 子 挫 滅 群 で は 電 位. ヘ パ リンの それ と比 較 す る と血 小 板 塊 総 数 で 平 均. 差 の 変 化 は 消 失 し,血 管 縫 合 群 で は 平 均0.8mVに. 239〜492%と. 低 下 し た(第16,. 著 明 に増 加 す る(第13図).. 低 分 子 量 デ キ ス トラン糖 液 の影 響.同. 様 に して 作. 成 した 血 小 板 濃 厚 血 漿 の10, 20, 30, 40, 50%の 割 合 にLMDを. 加 え た 場 合,対 照 と比 較 して 血 小 板 塊. 総 数 は 稀 釈 に と も ない288, に増 加 し,と. くに30%以. 368, 316,. 472, 474%. 上 稀 釈 す る と比 較 的 大 きい. 血 小 板 塊 が 出現 す る(第14,. 15図).. 第13図. 第5項. 17図.第1表). 低 温の影 響. 赤 血 球 沈 降 速 度 は非 稀 釈 血,な 20%稀. らび にLMD10%,. 釈 血 の2時 間 値 に つ い て み る と, 30℃. し20℃ で は そ れ ぞ れ 平 均30, 23, 8%の が, 30℃. に比 し10℃. に比. 改 善を示す. で は それ ぞ れ23%の. 短 縮25,. 77%の 亢 進 を 示 す(第18図).. ヘ パ リ ン及 び ポ リブ レ ンに よ る血 小 板 塊 形 成. 第13, 14図.縦 軸に各 血小 板塊の大 きさの数 を対数に よって示 す,構 軸は各血小 板塊 の大 き さを示す,.
(9) 体 外 循 環 に 用 い る稀 釈 血 液 の 検 第14図. LMD稀. 135. 釈 に よ る血 小 板 塊 形 成. 第17図. 血 管 内外 膜 間 の 電 位 差 の変 化 (No. 11). 傷 害前. 第16図. 股 動 脈 の縫 合,内 部 端 子 が そ う入 され. 傷 害後. て い る.. 第1表. 血管傷害電位差の変化 とLMDの. 影響 LMD 注入後. 雑 種 成 犬 股 動 脈 側 枝 よ り内 部 端 子 を そ う入,股 動 脈 上 を外 部 端 子 を し ゅ動 し これ に 一 致 し て 電 位 差 を 記 録 した..
(10) 136. 大. 第18図. 第19図. 野. 致. 赤 血 球 沈 降 速 度 に 及 ぼ す 温 度 の 影 響(LMD稀. 比 粘 度 に 及 ぼ す 温 度 の影 響(LMD稀. 釈). 第20図. 釈). 赤血球 比泳動速度 に及ぼす温 度の影響 (LMD稀. 第21図. 釈). 家兎 超低体温例. 比 粘 度 はLMD,血. 液,血. 漿 と もに 温 度 下 降 に と. もな い 増 加 す る(第19図). 赤 血 球 比 泳 動 速 度 は 温 度 下 降 に と もな い 減 少 し, 30℃ に比 し20℃ 平 均20%の. で 平 均16%,. 20℃. に比 し10℃. 低 下 を示 す(第20図).. 家 兎 超低 体 温 体 外 循 環 は 体 重 約2kgの 填LMD100ccの 流4分. で. 無 血 灌 流 を行 な つ た.比. で最 高 に 達 し, LMDと. 家 兎 に充 粘度は灌. 血 液の 混 合が完成 し. た こ とが うか が われ る.赤 血 球 比 泳 動 速 度 比 は4分 で 同 様 に最 高 とな る が,温 度 の低 下 と と もに 次 第 に 低 下 し,(最 低 温13.5℃. ま で)加. 温 に 入 つ て もな お. 容 易 に 回 復 せ ず 術 前 値 の1以 下 を 示 す.比 比 の回 復 は 著 明 に遅 れ るが,こ. 泳動速度. れ の回 復 に と もない. 腸 間 膜 毛 細 血 管 の血 流 の回 復 が 認 め られ る.ヘ マ ト ク リッ ト値 は4分. で 著 明 に下 降 す るが,以. 後 の冷 却,.
(11) 体 外 循 環 に 用 い る稀 釈 血 液 の 検 討. 温 度 の下 降 は 血 液 の比 粘 度 を増 し,血 球 電 荷 を 減. 加 温 中 には 著 変 を 認 め られ なか つ た(第21図). 第4節. 小. 弱 させ るが,赤. 括. 血 液 稀釈 の 問題 を 赤 沈 よ り考 察 す る場 合,一 般 に 血 液 の 稀 釈 に よ つ て血 液 安 定 性 は 増 す ご と く考 え ら れ るが,デ キ ス トラン糖 液 の 場 合 は 別 で 高 分 子 量 デ キ ス トラ ンの 場 合 は 赤沈 を著 明 に 亢 進 させ る.こ の 作 用 は す で にMW れ る.と. 75,000の デ キ ス トラ ンで 認 め ら. くに分 子 量 の 高 いMW. 204,000.. 137. 沈 は 短 縮 さ れ る 傾 向 を 示 す. LMD. は 比 粘 度 を増 し,血 球 電 荷 を 改 善 し,赤 沈 を よ り短 縮 す る.温 度 の下 降 に と も な う血 球 電 荷 の 減 弱 を 改 善 し維 持 す る に は,相. 当高 度 のLMD稀. 釈 を要す る. こ とが うか が わ れ る.温 度 の下 降 は 末 梢 循 環 不 全 を きた す がLMDは. 244,000. これ を 防止 す る作 用 を有 す る. 第4章. 臨 床 的研 究. の もの で は沈 降用 ピペ ッ ト内 で赤 血 球 凝 集 を 生 じる. しか しMW. 40,000のLMDは. 研究方法. 実 験 的 研 究 で す ぐれ た性 質 を示 し たLMDを. 稀 釈 血 群 よ り優 れ て い る. 他 方,血 球 の 有 す る 負電 荷 へ の 影響 を検 討 す る と, 赤 沈 の改 善 を示 した 稀 釈 液 で も血 球 電荷 に ほ とん ど 影 響 を及 ぼ さず, LMD以. 第1節. 赤 沈 を 改 善 し,他 の. 外 の 稀 釈 血 液 の赤 沈 の改. た 稀 釈 血 使 用体 外 循 環 症 例 群(以 す)と,稀 略 す)に. 下LMD加. 用い 群 と略. 釈血 を 使 用 しな い対 照 群(以 下 全 血 群 と つ い て 比 較,検 討 した.臨 床 例 はGOF麻. 善 は 血液 安 定性 の 増加 を示 して は い るが,積 極 的 に. 酔 の も とに送 血 カ ヌ レ ー シ ョン直 前 に ヘ パ リン3mg. 血 球 負電 荷 を増 大 し血 球 相 互 の 反撥 力 を高 め 安 定 性. /kgを 静 注 し,ス ク リー ン型 酸 化 装 置 ロ ー ラー ポ ン. を 附加 す る もので は な い こ とを 示 して い る.各 種 分 子 量 デ キ ス トラン につ い て み る と,す べ て 血 球 負 電 荷 を 増 大 して い るが, MW. 75,000以. 上 の もの は 赤. プ を 有 す るKay‑Anderson型 Brown. Harrison型. 人 工 心 肺 装 置12)13)に. 熱 交 換 器 を 使 用 した.な. お左心. バ イ パ ス の 症 例 は 円 盤 型 酸 化 装 置 を 使 用 した .ポ ン. 沈 か らもみ る よ うに血 液 安定 性 に悪 影 響 を 及 ぼ し,. プ を 充填 す るヘ パ リン血 は 第2表. LMDの. 午 後 シ リコ ン ・コ‑テ ィ ン グ瓶 に 採 血 し,翌 日 の午. み が 赤 沈 と血 球 電 荷 の 両 方 に 好 成 績 を 示 し. の成 分 で 手 術 前 日. 前 中採 血 後24時 間 以 内に 使 用 した. LMDの. て い る. 比 粘度 は 各 種 分 子 量 デ キ ス トラ ン糖 液 で は 高 く, そ の他 の 稀 釈 液 で は低 くな るが, 10〜20%稀. 釈では. 問題 にな らない 程 度 の もので あ る. 体 外 循 環 に際 し使 用 す るヘ パ リンは,臨 床 例 に 使 用 す る濃 度 範 囲 で は 血 球 電 荷,比 粘度 に影 響 を 与 え. は 循環 血 液 量 を 体 重 の8%と. 稀釈率. 見 積 り,こ れ に ポ ンプ. 充 填 血液 を 加 え た もの の10〜20%を. 目標 と し た.検. 査 対 象 は 岡 山 大 学 医 学 部 第2外 科 教室 に お け る 昭 和 38年2月. か ら昭 和39年3月. ま で の 心 大 血 管 手 術 症例. 中 の 第3表 の 疾 患55例 で あ る.. な い.し か しヘ パ リンを 塩 基 性 基 を もつ た薬 品 で 中. 第2表. ヘパ リ ン血 の 組 成. 和 す る場 合 は血 球 負 電 荷 を滅 弱 せ しめ,血 球 相 互 の 反 撥 力 を低 下 させ る もの で,と. くに ポ リブ レ ンで 著. 明 で あ る. 血 小 板 塊 の形 成 は ヘ パ リン,ポ リブ レ ンに つ い て 認 め られ るが, LMDで. も30%以. 上 稀 釈 す る と著 明. な 塊 形 成 の 傾 向が あ る.高 分子 量 デ キ ス トラ ンが 血. 採 血は大伏在静脈 を経て下大静 脈へ そ う入 した静. 球 電 荷 を 改 善 す る に もか か わ らず 赤 沈 を 亢 進 し,. 脈 カテーテルか ら行なつ た.灌 流開始直前,灌 流開. LMDが. 始後30分毎 および灌流終 了直 前に採血 したヘパ リン. 血 小 板電 荷 を改 善 す るに も か か わ らず 血 小. 板 塊 を 形成 し,ヘ パ リンが血 球 電 荷 に 影 響 を 及 ぼ さ. 加血液 について,体 外 循環 中の血球比 泳動速度,比. な い に もか か わ らず 血 小 板塊 を形 成 す る こ と は,こ. 粘度,赤 沈,ヘ マ トク リッ ト値,血 小 板数,血 小 板. れ らポ リマ ーの 注 意 すべ き性 質 で,そ の 構 造 に よ り. 塊 および血漿蛋 白を測 定 した.ま た灌 流前後 の洗滌. 血 球 表 面 で 興 味 あ る態度 を と る もの と考 え られ 充 分. 赤血球 泳動速 度,赤 血 球 比泳動速度 につ いて検 討 し. な 検 討 を 要 す る.. た.. 赤 沈,血 球 電 荷 の 面 よ り す ぐれ た 性 質 を 示 す LMDは. 血 管 内膜 に も保 護 的 に作 用 し て 傷 害 電 位 差. を 軽 減 し負電 荷 の血 球 を反 撥 させ て 血 栓 を 防 止 し, 血 流 を改 善 す る.. 第2節 第1項. 血珠比泳 動速度の検 査成績 体 外循環 中の血 球比 泳 動速 度. 血球比 泳動速度 は各症例 について,灌 流 開始前 の 血 漿比 粘度を基準 として算 出 した..
(12) 138. 大. 野. 致第3表. 検査を行った臨.
(13) 体 外 循 環 に 用 い る稀 釈 血 液 の 検 討 赤 血 球 比 泳 動 速 度.全 血 群 は1例 を. ぞ き他 の 全. 第22図. 例 時 間 と と もに低 下 の傾 向 を 示 し,灌 流 前 と比 較 し. 139. 赤血球 比泳動速度 全. 血. 群. 灌 流30分 値 お よ び 灌 流30分 以 内の もの は 平 均5.1% の低 下,灌 流30分. 以上の灌流終了時 の もの は平均. 17.7%の 低 下 を きた す. LMDを は 追 加 後3%, 印). LMD加. 20%の. 群 は 灌 流30分. 了 値 は平 均12.2%の は平 均5.5%の す. LMDを. 追 加 使 用 し た2例. 増 加 を きた した(第22図. ○. 値 お よび それ 以 内 の終. 増 加,灌 流30分. 以上 の 終 了値. 増 加 とな り経 時 的 に 低 下 の 傾 向 を示 使 用 した に もか か わ らず 著 明 な比 泳 動. 速 度 の減 少 を きた した もの3例 あ り,そ の1例 は術 直 後 死 亡 し(第22図+印), ACD加. 1例 は 緊 急 手 術 の た め. 保存 血 に ヘパ リンを 添 加 しACDを. ムで 中和 してLMD稀. の1例 は血 栓 症 の治 療. 投 与 し トロ ンボ テ ス ト値5%の. まま. 手 術を 行 なつ た もので あ る(第22図W印).こ. の3. 例 を の ぞ くと灌 流30分 以 内で 平 均15.1%,灌. 流30分. 以 上 で平 均12.1%の. 群. 釈 に よ り左 心 バ イパ スを 行 な. つ た もの(第22図S印),他 でWarfarinを. LMD加. カル シ ウ. 赤 血 球 比 泳 動 速 度 の増 加 を示 す. 血 小 板 比 泳 動 速 度.全 血 群 は 全例 と もに減 少 し, (第22図). 灌 流 終 了 時 に は 灌 流 前 の 平均12.6%の LMD加. 減 少 を示 す.. 群 で は 増 大 す るの とほ とん ど 変 化 しな い も. の の2群 が 観 察 され,最 高33%,最 5.4%の. 低‑11%で. 平均. 増 加 を 示 す(第23図). 第2項. 灌 流 前 後 の 洗滌 赤 血 球 泳動 速 度. 灌 流 開 始 前 と終 了 時 に 採血 したヘ パ リン加 血 液 か ら赤 血 球 を 分 離 し生 理 的 食 塩 水 で3回 反覆 洗 滌 して,. 第22, 23図.縦. 躯 に 比 泳 動 速 度,泳 動 方 向 は 負,. 横 軸 に 灌 流 時 間 を と り経 時 的 変 化 を 示 す.○ 印 は 全 血 群 に 途 中 か らLMD添 加 を 行 な った もの, W 印は ワー フ ァ リ ン使 用 例, S印 は 保 存 血 を 使 用 し た 左 心 パ イ パ ス 例,+印 は 術 直 後 死 亡 例 を 示 す. 第23図. 血小板 比泳動速 度. 全. 群. 血. 生 理 的食 塩 水 中 に これ を 浮 遊 させ て 赤 血球 泳動 速 度 を 測定 した. 灌流 前 に比 し灌 流 後 の泳 動速 度 は+4.8〜‑2.8%, 平 均1.3%の. 第4表. 増加 に とど ま つた(第4表).. 灌 流前後 の洗滌赤血球泳動速度. LMD加. 群.
(14) 140. 大. 第3項. 灌 流前後の赤血球比泳 動速度. 野. 致. 第24図. 灌流 前後 の赤血球比泳動速 度. LMD加. 群. 全. 血. 群. 灌流 前 お よ び 終 了 時,ヘ パ リン 中和 後 10分 お よ び60分 に1対9の. 比 に3.8%ク. エ ン酸 ソー ダ 加 血 液 を 採 血 し,こ の血 漿 中 の 血 球 比 泳 動 速 度 を 測 定 した.灌 流 前 の クエ ン酸 ソ ーダ 加 血 漿 の比 粘 度 を基 準 と して 血 球 比 泳 動 速 度 を 算 出 し た. 赤 血 球 比 泳 動 速 度.全 血 群 の 比 泳 動 速 度 は 灌 流 前 に比 し灌 流 終 了時 に 平 均6.0 %減 少 す るが,ヘ パ リン 中和 後10分, 60 分 に は 回 復 の傾 向 を示 し そ れ ぞ れ 平 均 3.7%,. 3.1%の. 減 少 とな る. LMD加. 群. 第24, 25図,縦. 軸 に 比 泳 動 速 度,横 軸 に灌 流 経 過 を 示 す.. の比 泳 動 速 度 は灌 流 終 了時 に平 均6.3% 増 加 し,ヘ パ リン 中和 後減 少 す る もの も あ るが 中和 後10分, 60分 に は それ ぞれ 平 均5.0%,. 6.8%の. 増 加 を保 つ て い る(第. 第25図 LMD加. 灌流 前後 の血小板比 泳動速度 群. 全. 血. 群. 24図). 血 小 板比 泳 動速 度.全 血 群 の比 泳 動速 度 は 灌 流 終 了 時 に灌 流 前 に比 し 平 均5.3 %減 少 す るが,ヘ パ リン 中和 後 に 回 復 し 中和 後10分 に 平均0.9%減. 少 とな り, 60. 分 後 の平 均 値 は ほ とん ど術 前 値 に ひ と し くな る. LMD加. 群 の 比 泳 動速 度 は 灌 流. 終 了時 に平 均8.4%増. 加 し,ヘ パ リン中. 和 後 に 軽度 の 減少 を きた し中 和10分 に は 平 均5.1%の. 増 加 と な るが,中. に は平 均7.8%の 第3節. 和 後60分. 増 加 を示 す(第25図). その他の検査成績. 第1項. 血 液,血 漿 比 粘 度. 血 液 比 粘 度.全 血 群,. LMD加. 群 とも. に灌 流30分 値 お よび30分 以 内 の灌 流 終 了 値 は 灌 流 前 に 比 して それ ぞ れ 平 均15.4%, 12.7%減. 少 し,全 血 群 の方 が わず か に低. 下 が 強 い. 30分 以 上 の灌 流 終 了値 は灌 流 前 値 に 比 し全 血 群 平 均18.6%, 群 平 均13.6%減. LMD加. 少 し,全 血 群 の方 が経 時. 的 変 化 が 強 い(第26図). 血 漿 比 粘 度.灌 流 前 と比 較 して 灌流30 分 値 お よび30分 以 内 の灌 流 終 了値, 30分 以 上 の 灌 流 終 了値 は全 血 群 で そ れ ぞ れ 平 均3.2%,. 5.5%減. れ ぞ れ 平均11.0%,. 少 し, LMD加 7.2%増. 群でそ. 加 す るが,. い ず れ も爾 前 値 の 分 布 範 囲 内 に あ り有 意 の 差 を 認 め な い(第26図).. 第26図 LMD加. 血 液 ・血 漿 の 比 粘 度 群. 全. 血. 群.
(15) 体 外 循環 に 用 い る稀 釈 血 液 の検 討 討 第2項. 赤 血 球 沈 降速 度. 第3項. 赤 沈2時 間 値 で み る と,灌 流 前10mm以 は 全 血, LMD加. 内 の もの. 全 血 群,. 両 群 と も灌流 後 に 促 進 す る.こ れ. に対 し灌 流 前10mm以. LMD加. 141. ヘ マ トク リ ッ ト値. 群 と も に ヘ マ トク リ ッ トは 減 少. し,灌 流 前 に 比 較 し灌 流30分 値 お よ び30分 以 内 に 灌. 上 の もの は両 群 と も短 縮 の 傾. 流 終 了値 は そ れ ぞれ 平 均9.6%,. 15.8%減. 少 しLMD. 向 を 示 す.赤 沈 の 経 時 的 変 化 に つ い て は一 定 の傾 向. 加 群 の方 が著 明 で あ る. 30分 以 上 灌 流 の 終 了 値 は灌. を 認 め な い(第27,. 流 前 よ り全 血 群 で は 平 均7.9%減. 28図).. 第27図. 群で は. 赤 血 球 沈 降 速 度 の経 時 的 変 化 全. 第28図. 少, LMD加. 血. 群. 赤 血 球 沈 降 速 度 の 経 時 的 変 化 LMD加. 群. 1:灌 流 前 値 2,. 3,. 4,. 5,. 6:お. の お の 灌 流30, 60. , 90, 120,. 150分. 値 も し くは そ れ ま で に 終 了 した 灌 流 値. ..
(16) 142. 大. 平 均11.8%減. 野. 致 第29図. ヘ マ トク リ ッ ト値 の 変 動. 第30図. 血 小 板 数 の 変 動. 少 と な る(第29図).. 第4項. 血小板 数. 両群 と もに 著 明 に 減 少 し,灌 流30 分 ま で に 灌 流 前 に比 し全 血 群 で平 均 48.6%,. LMD加. 群 で 平 均40.8%減. 少 し全 血 群 の方 が 著 明 で あ る. 30分 以 上 の 灌 流 終 了値 で は全 血 群 で64.8 %,. LMD加. 群 で50.0%減. 少 し全 血. 群 の 方 が 経 時 的 変 化 が 強 い(第30 図). 第5項. 血 小板塊. 血 小 板 数 の 減 少 に と もな い 両 群 と もに 著 明 に 減 少 し灌 流30分 で 約80% 減 少 し, 30分 以 上 の 灌 流 終 了 時 に は LMD加. 群 の血 小 板 塊 の 出 現 が増 加. す る(第5表). 第6 項. 血 漿蛋白. ヘパ リン加 血 漿 に つ い て 灌流 前, 灌 流30分,. 60分 あ るい は そ れ ま で に. 灌 流 終 了 した 場 合 は 終 了 時 に採 血 測 定 した. 全血 群は灌流によつて血漿蛋 白の 増 量, A/G比 の低 下,ア ル ブ ミンの 減 少,総. グ ロ ブ リンの 増 加,. 第5表. α1, β. 血小板塊 の経時的変化. グ ロ ブ リン の増 加, α2グロ ブ リン の 減 少 を み るが, γ グ ロ ブ リンは ほ と ん ど 変 動 を み な い. LMD加. 群. で は 血 漿 蛋 白 は 灌 流30分 で 減 少,灌 流60分 で30分 値 に 比 しや や増 量 す る.蛋 白分 劃 の 変 動 に つ い て は α1, γ グ ロ ブ リン の 減 少 を み る ほ か は 全 血 群 の 場 合 と 同 じ傾 向 を 示 す(第31, 第4節. 小. 32図).. 括. 実 験 的 検 討 に おい て す ぐれ た 特 性 を 示 した 低 分 子 量 デ キ ス トラ ン糖 液 を 臨 床 例 に つ いて 検 討 し た.臨 床 例 に 使 用 し た ヘパ リン血 は す で に採 血 時 に お い て 第2表. の よ う に稀 釈 され て お り,循 環 血 液 との 混 合. に よ り稀 釈 率 は低 下 す るが 術 中 の5%ブ. ドー糖 液点. 滴 も もあ り相 当 に稀 釈 され た も の を 全 血 群 と して い る こ とに 注 意 し な け れ ば な らな い.ま は この 稀 釈 血 液 に,さ. らにLMD稀. たLMD加. 群. 釈 を行なつ た も. の で あ る. 赤 血 球 負電 荷 は 試 験 管 内 実験 で は デ キ ス トラ ン以 3個 以 上 の 血 小 板 塊 の 総 数 灌 流30分, 60分 まで に 終 了 し た も の は終 了値 灌 流60以 上 の もの も終 了 値 に よ る 。. 外 の 稀 釈 に ほ とん ど影 響 され な か つ た が,臨 床 例 に お け る 全 血 群 で は 灌 流 時 間 と と もに 著 明 に 赤 血 球 比 泳 動 速 度 の 低 下 を きた す.す. な わ ち,人 工 心 肺 の 操.
(17) 体 外循 環 に 用 い る稀 釈 血 液 の検 討. 第31図. 143. 血 漿 蛋 白 の 変 化 (縦 軸 に 各 成分,横 軸 に 灌 流 前30分, 60分 の 時 間 を示 す) α1グ ロ ブ リ ン(%). 血 漿 総 蛋 白量(g/dl) 全 血 群. LMD加. 群. 全 血 群. 群. 全. 群. γ グ ロ ブ リン(%). α2グ ロ ブ リ ン(%). A/G比 全 血 群. LMD加. LMD加. 第32図. 血. 漿. 血. 群. 蛋. LMO加. 白. の. 全 血 群. 群. 変. 化(百. LMD加. 群. 分 比). 0‑1. 灌 流 前 平 均値 と灌 流30分 も し くは30分 ま で の 灌 流 終 了平 均 値 の 増 減 を 示 す(%). 1‑2. 灌 流30分 の平 均 値 と 灌 流60分 も し くは60分 まで の灌 流 終 了 平 均 値 の 増 減 を示 す(%). 作 によつ て著明に赤血球 負電荷の絶対値の減弱を き. もかかわ らず物理化学 的変化 を受けて いない と考 え. た し,赤血球相互の反撥 力を低下 させ る.この成因 と. られ る.む しろ血 漿蛋 白の変化に よ り,血 液安定性. して器械的操作によ る赤血 球膜 の変化,あ るい は酸. に大 き く関係す る高 分子 および低 分子 コロイ ドの相. 化槽,プ ラスチック ・チ ューブを血 液が通 る際 に生. 対 的関係 を くず し,血 球を か こむ媒質 の変化 によつ. じる強力な静電気の影響 によ る血 漿蛋 白の変化が考. て血球 電荷を 減少 させ るものと考 え られ る. LMD. え られ る.灌 流前 と終 了時 の反 覆洗滌赤血球 の泳動. 加群は比 泳動速 度の増加,す なわ ち赤 血球負電荷 の. 速度にはほ とん ど変 化な く,赤 血球膜 は体外循環 に. 増大を きたす. LMDの. 使 用に よつて も血漿 蛋 白の.
(18) 144. 大. 変 化 は 認 め られ,ま たLMDの. 野. 追 加 使 用例 で は 追加. 後 に 赤 血 球 負 電 荷 の 増 大 を き た してい るこ とな ど か ら, LMDは. 赤 血 球膜 表 面 を お お い そ の電 荷 を増 大 さ. せ る よ うに 作 用 す る も の と考 え られ る.赤 血 球 負 電. 致 下 し,各 分 劃 に つ い て は 灌 流 に よつ て α2グ ロ ブ リ ン が 減 少 し βグ ロブ リンが増 加 す る.両 群 の 差 異 は 全 血 群 で α1グ ロブ リンが 増 加 し, LMD加. 群 で α1,. γ グ ロブ リンの 減 少 を み るに と ど ま る.. 荷 の 減 弱 は赤 血 球 相 互 の 反 撥 力 を低 下 させ てsludge 第5章. 形 成 を 容 易 に し,反 対 に 赤 血 球 負 電 荷 の 増 大 は 赤 血 球 相 互 の 反 撥 力 を 増 加 しsludgeを. 予 防 す る.. 総括な らびに考按. 代 用 血 漿 が は じめ て 人体 に 用 い られ た の は1915年. 血 小 板 に つ い て は全 血 群 で は 負 電 荷 が 減 弱 し, LMD加. 群 で は増 強 す る もの と 不 変 の もの が あ る.. LMDは. す くな くと も血 小 板 負 電 荷 の低 下 を 防 ぎ血. で コロ イ ド状 ゲ ラ チ ン液 で あ つ た14).以 液 ア カ シ ヤ, ペ クチ ン, PVP,ア. ル ギ ノ ン,デ キ ス トラン な ど が. 出現 した.代 用 血 漿 の 条 件 と し てGropper15)ら. は充. 小 板 相 互 の 反撥 力 を保 つ よ うに作 用 して い る.血 小. 分 な膠 質 浸 透 圧,適. 板 数 の減 少 は 全 血 群 の 方 が 著 明 で,. 粘 調 度,温 度 変 化 に 安 定,滅 菌 の 容 易 さ,発 熱 物質. LMD加. 群の方. 当 な 価 格,静. 脈 内 投 与 に適 す る. が 経 時 的 変 化 も少 な く血 小 板 抑 留 が 少 な い こ とを 示. を 含 まぬ こ と,組 織 障 害 な く代 謝,排 泄 さ れ る こ と,. して い る.. 抗 原 性 の な い こ とな どが 要 求 さ れ て い る.さ. 灌 流 終 了 後 の 血 球 負電 荷 の 変 化 は,全 血 群 で は 中 和 剤 の 投 与 に もか か わ らず 回 復 し, LMD加 増 大 を 保 つ.こ. 群では. の こ と は 正常 心 拍 動 に よ り循 環 系 か. ら脱 落 して い た 血液 の復 帰,あ る い は 新鮮 血 輸 血 の 影 響 か と考 え られ る. LMDは. 灌流 終了後 にもよ く. 血 球 の反 撥 力 を 保 つ て い る こ とを 示 して い る.. 1950年ThorsenとHint16)は ラン 溶 液 が 抗sludge効. らに. 低分子量 のデキ ス ト 果 を も ち末 梢 循 環 不 全 を 防. 止 し改 善 す るの を 認 め,代 用 血 漿 の積 極 的 利 用 面 を 示 した. 最 近 の 輸 血 事 情,血. 清 肝 炎 の 問 題 な どか ら人 工 心. 肺 に 使 用す る血 液 量 の 節 減 が試 み られ17), Zuhdi18). 比 粘度 は ポ ンプ 充 填 血 液 が す で に 採 血 時 に稀 釈 さ れ た もの で あ り,灌 流 に よ り低 下 す るがLMDは. こ. 低 下 を 軽 度 に と どめ る.血 液 比 粘 度 が実 験 群 に比 し. DeWall19)ら. は熱交換 器を内臓 した小 型 の気 泡型人. 工 心 肺 に全 く充 填 血 液 を使 用 せ ず 低 体 温下 に 小 流 量 で 灌 流 す る臨 床 例 を 行 な つ て い る.ま. たGadboys. の 著 明 に 高 い の は,実 験 群 の資 料 に 職 業供 血 者 血 液. らは大 量 の 血 液 を 用 い る とた と え適 合 血 液 で も循 環. を 含 む た め と 考 え られ る.ま たLMDが. 系 か ら脱 落 し,い わ ゆ るHomologous. 生体内で単. Blood Syndr. に 血 漿 増 量 剤 に とど ま らず 血 漿 蛋 白の 維 持 に特 異 の. ome20)21)22)を き た す と して 人工 心 肺 の 充 填 血 液 量. 働 きを してい るの か も しれ な い.. を へ ら し,そ の分 だ け5%ブ. 赤 血 球 沈 降 速 度 に つ い て は全 血 群 で も,稀 釈 の 影 響 が 考 え られ, LMDの. 特 性 を 示 す 成 績 は え られ な. か つ た. ヘ マ トク リッ ト値 は両 群 と もに 減 少 す るがLMD. ドー糖 を 利 用 す る こ と. を す す めて い る. Dahlback23),. Lepley24)ら に よ つ て. 毛 細 管 血 流 を改 善 す る代 用 血 漿 と してLMDが は 臨 床 的 に体 外 循 環 にLMDを. 用 し抗sludge効. 果 を 認 め た.教. 用 い た体 外 循 環 で 全 血 群,. し た ヘ マ トク リッ ト値 の経 時 的 増 加 は 酸 化 装 置 に お. 末 梢 循 環 不 全 を 生 じ るが,ア. け る血 液 濃 縮 の た め と考 え られ るが,全. ン(MW75,000)添. 加 群 で はsludgeの. 率 が 低 い の は 赤 血 球 の 抑 留 が あ る こ と を 示 し,. 度 で あ り, LMD加. 群 は 灌 流120分. LMD加. 全 を 認 め な か つ た.. 群 はsludgeを. 予 防 し血 流 を 良 好 に 保 つ て. い る もの と考 え られ る.. しか しLMDの. 血 漿 蛋 白の 変 化 に つ い て 灌 流 前 と灌 流30分 ま で の. 5%ブ. 抗sludge効. 使. 室 津 田6)も 家 兎 を. 加 群 の方 が強 く,稀 釈 の 影 響 が うか が われ る.減 少. 血 群 に増 加. 注目. され, Long25)ら. ドー糖 液 稀 釈 群 は. ミ ノ酸 剤,デ. キ ス トラ. 形 成 は 遅 く軽. で も末梢循環 不. 果発 現の 作 用機序 に. つ い て は 不 明 の点 が 多 く今 ま で 充 分 説 明 さ れ て い な. 差 異 は循 環 血 液 とポ ンプ 充 填 血 液 の 混和 と全 血 群,. か つ た.そ. LMD加. こで 著 者 は 血 漿 中 に 浮 遊 す る血 球 の 界 面. 群 それ ぞ れ の灌 流 の 影 響 の総 合 され た もの. 電 気 二 重 層 が体 外 循 環 あ るい は稀 釈 液 添 加 の影 響 を. が み られ る.灌 流30分 と灌 流60分 ま で の差 異 は 全 血. うけ て 血 球 相 互 の 反 撥 力 に 変 化 を き た す の で は な い. 群, LMD加. か と考 え,血 球 表 面 電 荷 を 中 心 に種 々の コロ イ ド的. 群 そ れ ぞ れ の 灌 流 の 影 響 が み られ る.. 以 上 を 総 合 的 に 検 討 す る と,血 漿 蛋 白 量 は 灌 流 に よ つ て増 加 し血 液 濃 縮 が う か が わ れ るがLMD加. 群は. こ れ を 軽 度 に と どめ て い る. A/G比 は両 群 と もに 低. 性 質 に つ い て 検 討 した. デ キ ス トラ ン はLeuconostoc. mesenteroidesの 酵 素. に よつ て 蔗 糖 か ら転 化 した も ので,. 1942年. 偶然 に.
(19) 体 外 循 環 に用 い る稀 釈 血 液 の 検 討 Ingelmanの. 注 目を 受 け26)医 学 上 の 用 途 を 示 唆 さ. 145. 泄 せ られ るた め で,高 分 子 の も の は大 部 分 が ブ ドー. れ た27).デ キ ス トラ ンは 第33図 の よ うな構 造 式 を も. 糖 を経 てCO2と. つ 高 分 子 多 糖 類 で ブ ドー糖 の α‑1.6結 合 が90〜50. 内 か らほ とん ど消 失 す る とい う28). LMDで. %,. 間 内 に尿 中 に 投 与 量 の70%の. 1.4結 合 で分 岐 した あ ま り長 くない 側 〓 が 残 り. の 大 部 分 を しめ,ご. くわ ず か に1.3結 合 が 存 在 す る. とい わ れ る28). L. mesenteroidesの 産 生 す るNative dextran(分. 子 量 数 百 万)は 高度 に赤 血 球 の 凝 集 を. 作 用 は2〜3時. な り約10日. 間 で デ キ ス トラ ン は体. 排 泄 をみ,代. は24時 用血漿の. 間 にすぎないが末梢循環 不全に有効. で あ る31). 血 液 の 安定 性 に 及 ぼ す 因 子 に つ て は1921年Fahr. 来 し,生 体 に使 用で き ない が,加 水分 解 して 分 子 量. aeus32)が"The. を下 げ た デ キ ス トラン は安 全 に 静脈 内投 与 が で きて. を 発 表 して 以 来 多 くの 研 究 が あ り意 見 の 相 異 が あつ. Suspension. Stability of the Blood". す ぐれ た 血圧 回復 作 用 が あ る.生 体 に使 用 す るデ キ. た. 1950年ThorsenとHint16)は. ス トラ ンの 分 子 量 の大 き さに つ いて は論 議 が あ り,. ゲ ラチ ン溶 液 を 用 い コロ イ ド分 子 の 相 異 と赤 血 球 の. GrowallとIngelmanは100,000〜200,000の. もの. を 使 用 したが 現 在 で は平 均 分 子量 で 血 清 アル ブ ミン と略 々等 しい75,000程 MW40,000のLMDが. 度 のclinical dextran28)と 用 い られ てい る.デ キ ス トラ. ン の形 態 は 糸 状 を呈 し29), Lundyに. よ る と血 清 ア. ル ブ ミンは 長 さ150A,直. あ り,分 子 量. 径36Aで. 36,000の デ キ ス トランは 長 さ150A,直. 径14Aで. い. ち じ る し く糸 状 で あ る とい われ る30). デ キ ス トランは ア ミラーゼ に よつ て分 解 され ず,. デ キ ス トラ ン と. 沈 降 速 度 お よ び 凝 集 の 関 係 を検 討 した.コ. ロイ ド濃. 度 が 一 定 の濃 度 以 下 で は1時 間 の 赤 血 釈 沈 降速 度 が 1mmと. な る場 合 そ の濃 度 を 「臨 界 濃 度 」 と呼 び,. 分 子 量 が あ る一 定 の 分 子 量 以 下 で は 濃度 を い か に濃 くして も沈 降 速 度 に 影 響 を 及 ぼ さ な くな る分 子 量 を 「臨 界 分 子 量 」 と呼 ん だ.従 来 の意 見 の 相 異 は 純 粋 な試 料 が 得 られ な か つ た た め で あ る と し,す べ て の コ ロイ ドにつ い て臨 界 分 子 量 以 上 の もの は 血 液 安 定 性 の 低 下 を き た す もの で あ る と した.デ. キ ス トラン. したが つ て血 中分 解 は 緩徐 で 血 漿増 量 作 用 と して は. の 臨 界 分 子 量 は 腎 の濾 出能 力 よ り もや や 大 きい が,. 持 続 性 が あ り加 水 分解 すれ ば ブ ドー糖 にな る こ とは. ゲ ラチ ンで は 糸 球 体 通 過 可 能 な 分 子 量 よ り もか な り. 好 ま しい 性 質 で あ る.体 内 に 注 入 さ れ たclinical. 小 さ く,し た が つ て 赤 血 球 の 凝 集 を き た す こ と な く. dextranは 輸 注 後2〜3時. 長 く体 内 に 残 り コロ イ ド滲 透 圧 を 保 て る 溶 液 は デ キ. 間 で 急速 に 減 少 し以 後 ゆ. るや か に 減 少 し24時 間 後 には1/3〜1/4に 減 少 す る.. ス トラ ンか ら作 り う る こ とを 指 摘 した.こ の 赤血 球. 最 初 の減 少 は低 分 子 量 の デ キ ス トラ ンが 尿 中 に に排. 凝 集 を きた す最 低 分 子 量 は デ キ ス トラン で59,000,. 第33図. デ キス トラ ンの 構造 式. ゲ ラチ ンで18,000で あ る と した16).内 藤 らは 本 邦 製 の デ キ ス トラ ンに つ い て 検 討 し分 子 量. Dextran. 約55,000と63,000の. 間 に 赤 血 球 凝 集 能 の差. を み,分 子 量60,000以 下 の もの は 凝 集 を き た さ な い とい う.著 者 は 血 液 稀 釈 に お け る赤 血 球 沈 降 速 度 に つ い て 検 討 し分 子 量75,000の デ キ ス トランは 赤 沈 を 亢 進 す る が,分. 子量. 40,000の もの は 赤 沈 を 短 縮 す る の を 認 め た. しか し稀 釈 に よ るヘ マ トク リッ トの 低 下 に も か か わ らず 他 の 溶 液 で も赤 沈 の短 縮 を み る の は 血 漿 蛋 白の 稀 釈,水. 分増加 によ るものであ. ろ う. Kugelmass33)に. よれ ば 赤 沈 は 赤 血 球 と. 血 漿 の濃 度,赤 血 球 の 相 互 粘 着 能 と血 漿 蛋 白 成 分,赤. 血 球 表 面 か ら逃 げ る血 漿 の 抵 抗 の順. に進 行 す る とい い,促 進 因 子 に溶 存 酸 素,フ ィブ リノ ーゲ ン,コ. レ ス テ ロー ル,α‑グ ロブ. リン,非 対 称 性 分 子 の 増 加,短 縮 因 子 に結 合 炭 酸 ガ ス,ア ル ブ ミン,ヌ ン,レ. シ チ ン,グ. クレオプ ロテイ. ロボ グ リ コイ ドの 増 加 を あ.
(20) 146. 大. 野. る もの と考 え られ,灌 流 途 中 か らLMDを. げ て 電 荷 に つ いて 言 及 して い る. 血 管 内赤 血 球 凝 集 現 象 は 古 くか ら観 察 され て き た がKnisley34)35)ら. 致. に よ つ て 意 義 を強 調 されsludge. 追 加使用. した もの で は 赤 血 球 負 電 荷 の増 強 を み る と こ ろ か ら LMDは. 血球表面 をおおい赤血球 負電荷 を 増大 す る. と命 名 され た. Ditzel36)は 高 齢 者 に認 め,ま た マ ラ. もの と推 定 した.血 漿 蛋 白の 変 化 と して 灌 流 に よ る. リア,外 傷 性 あ るい は 出血 性 シ ヨ ッ ク34)37),心筋 梗. A/G比. 塞,低 体 温38)39)な どで み ら れ る とい う. Long25),. 明 な差 を 認 め な い.こ の点Long25)51),. Cooleyら. い うよ う にLMDの. は 体 外 循 環 に よ ってsludgeが. 発 現す るこ. と を報 告 し, Lee40)は 酸 化 槽 に お い て血 液 とガ ラ層, プ ラス チ ッ ク ・チ ュー ブ と血 液 面 の 接 触 面 で表 面 電 磁 性 に よ り蛋 白変 性 を 生 じsludgeを Gelin41)はsludge形. 起 す と した.. 成 を 促 進 す る因子 と して1)血. 漿 蛋 白,赤 血 球 の 濃度 の増 加,. 2)血. 量 と高 分 子 量 の もの の比 率 の 変 化, 下,. 漿中の低分子 3)動. 脈圧の低. 4)血 液 の 懸 浮 遊 安 定 性 の 変 化 を あ げ て い る.. Sludge現. 象 の本 能 に つ い てKnisley34)は. 赤血球. の 低 下 を み るがLMDの. 添加 に よつ て も著 Lee40)ら. の. 添 加 が 血 漿 蛋 白の 変 化 に対 して. 有 効 で あ る とは 認 め な か つ た. 教 室 佐 藤52)53)はLMD添. 加 稀 釈 血 を 使 用 す る体 外. 循 環 で は 末 梢 血 流 が 良 好 に 保 た れ て い る こ と はex cess lactate,乳 酸 の増 加 の 少 い こ とに も 反 映 して い る と考 え て お り, Ralson54)も 同 様 の見 解 を 述 べ て い る,ま た腎 機 能 もよ くた もたれ る25)55). ヘ パ リン に よ る血 小板 数 の減 少 はin. vitro56)57)58). 59), in vivo60)61)に お い て 諸 家 に よ り認 め られ て い. 表 面 に フ ィブ リン ま た は フ ィブ リン様 物 質 が 附 着 す. るが そ の 機序 に つ い て は 定 説 は な い.血 小 板 数 の 減. る た め と した. Bloch42)も 凝 集 赤 血 球 の表 面 に強 い. 少 は血 小 板 の 凝 集 崩 壊 に よ るほ か,血 小 板 の 末 梢 血. 反 射 性 の 長 い粘 性 線維 が あ り,電 子 顕 微 鏡 で 赤血 球. へ の抑 留 に よ る と され て い る64).教 室 津 田は 体 外 循. 表 面 が不 整 な非 結 晶 性 物 質 で被 覆 さ れ る の を 認 め. 環 家兎 腸 管膜 毛 細 血 管 に 多 数 の 血 小 板 塊 を 認 め,ヘ. た. Thorsen16)は. パ リン濃 度 の 減 少 と と もに 個 々 の 血 小 板 が 遊 離 す る. 面 に粘 稠 なsurface. 高 分 子 コ ロ イ ドの添 加 で 赤血 球 表 filmを. み連 銭 形 成 を 生 じ るが,. の を観 察 し,ま た体 外循 環 時 の血 小 板 数 減 少 は装 置. 低 分 子量 デ キ ス トラ ンは これ を 予 防 し改 善 す るの を. へ の 附 着65),器 械 的損 傷66)67)は少 く血 小 板 塊 の 末 梢. 認 め た. sludgeは. 血 管 内 へ の 移 行 に よ る もの と考 え た.著 者 もヘ パ リ. 全 身 の 臓 器,組. 織 に血 流 の 緩 徐,. 血 栓 形 成 を きた し,凝 集 した 赤血 球 は 機能 を 失 な つ て 組 織 の 酸 素 欠 乏 を 生 じ,溶 血 し貧 血 を生 じ る41). 赤 血 球 の 電 気 泳 動 に 関 して は 多 数 の 研 究 が あ り, そ の等 電 点 は 人 赤 血 球 でpH. 4.243)44)45)で あ る こ と. ンに よ る血 小 板 塊 の 形 成 を み た が, 2.5〜10mg/dl の ヘ パ リン濃 度 で は 濃度 の 程 度 と血 小 板 塊 形 成能 と 血 小 板 負 電 の間 に有 意 の 差 を 認 め な い.試 験 管 内 で LMDの. 添 加 は 血 小 板 塊 の 形 成 を 促 し,体. 外 循環臨. が 知 られ て い る.血 小 板 の電 気 泳動 を 測定 した も の. 床 例 で もLMD加. は 少 く46)47),自己血 漿 中 に お け る血 球 泳 動 速 度 を 検. の 減 少 は 全 血 群 に 比 して む し ろ軽 度 で あ る こ とが 注. 群 に血 小 板 塊 が 多 い が,血. 討 した もの は ま れ で あ る45).体 外循 環 に と もな う血. 目 され る.こ の こ と はLMDの. 球 電 荷 の 変 動 を 追 求 した研 究 は 内 外 に み あ た らず,. 流 が 良 好 に 保 たれ る た め と考 え られ るが,あ. 著 者 は これ を 試 み た.赤 血 球 の み に 関 して は 著 者 と. 血 管 内膜 を お お うLMDに. ほ とん ど同 時 に 独 立 してBernsteinら. い か,ま. は実 験 的48),. たLMDに. 小板数. 添加に よつて末梢血 るい は. よ つ て 塊 の抑 留 が 少 くな. よ る血 小 板 塊 は 粘 着 能 が 弱 く遊. 臨 床 的49)50)に 体 外 循 環 に つ い て検 討 し,体 外 循 環 に. 離 しや す い の か も 知 れ な い.多. よ る赤 血 球 負 電 荷 の 減 弱 はLMD添. 加 によつて負電. 添 加 に よ る 血 小 板 数 減 少 を 認 め な い が25)54),ま れ に. 荷 の増 加 を きた し赤 血 球 相互 の反 撥 力 を 強 めsludge. は 逆 の報 告 も あ る68).体 外 循 環 時 の血 小 板 数減 少 機. を 予 防 し軽 減 して 組 織 灌 流 を改 善 す る もの と した.. 序 は 大 量 輸 血 の場 合 とほ ぼ同 じ と考 え られ るが61)70). 著 者 も同 様 実験 的 に 検 討 し血 液 稀 釈 は 血 液 安 定 性 を. 71),ま た 線 維 素 溶 解 現 象 に と もな う血 小 板 数 の減 少. 高 め,な か ん づ くLMDは. 最 もす ぐれ ま たLMDは. 赤 血 球,血 小 板 の 負電 荷 を 強 め血 球 の 反 撥 力 を 増 大. くの 報 告 はLMDの. も考 慮 す べ き で あ る72).血 小 板 塊 の 形 成 は ポ リブ レ ン を注 入 し た 時 に もみ る.. す る が他 の 溶 液 で は ほ と ん ど血 球電 荷 に 影 響 しな い. 著 者 らは ヘ パ リン中 和 剤 と して ポ リブ レ ンを 実 験. の を 認 め た.臨 床 例 で は 灌 流 に よ り血 球 負 電 荷 は 減. 的,臨 床 的 に検 討 し使 用 して き たが73),最 近 ポ リブ. 弱 す るが,. 加 は 血 球 の 負電 荷 を 増 強 しあ る. レ ンの 多 量 使 用 に よ る腎 障 害 が 報 告 さ れ た74)75).そ. い は 維 持 す る.灌 流 に よ る赤血 球 負 電 荷 の 減 弱 は 赤. こで 著 者 は プ ロ タ ミン とポ リブ レ ン の 血 球 負 電 荷 に. 血 球 膜 の 変 化 に よ るの で は な く血 漿 蛋 白の 変 性 に よ. 及 ぼ す 影 響 を 検 討 した.ポ. LMD添. リブ レ ン は 濃 度 の増 す に.
(21) 体 外 循 環 に 用 い る稀 釈 血 液 の 検 討. 147. つ れ て赤 血 球,血 小 板 の 負 電 荷 を 中性 な ら しめ凝 集. 造 影 剤 の使 用 を 可 能 な ら しめ,腎 臓 へ の 影 響 を 軽 減. も し くは 塊 を 形 成 しや す くす る と考 え られ る.プ. し83), sludgeに. タ ミンで は この 作 用 は 弱 い.ポ. ロ. リブ レ ンの 赤 血 球 に. 対 す る作 用 に つ い て 同 様 の結 果 がBernstein76)ら. よ る溶 血 機 序 を妨 げ41),滲. 尿 剤 と して も利 用 され る.梗 塞 の 副 血 行 の増 大84), 血 栓 の発 生 防 止85)に用 い,ま. に. よ つて 報 告 され て い るが,血 小 板 や プ ロ タ ミン に つ. て もclinical dextranよ. いて 検 討 した もの は な い. Haller74)らは5mg/kg以. て い る86)87).. 上. ポ リブ レ ン投 与例 は 明 らか に 腎 障 害 を 示 した とい い, Pate75)ら は2.9mg/kg前. 後 の 量 で 無尿,乏. 透性利. た 出 血 シ ヨ ッ クに対 し. りす ぐれ た効 果 が 報 告 され. これ に 対 しBloomはC14標. 識 デ キ ス トラ ン を用. 尿の重. い血 管 内 膜 に もデ キ ス トラ ンが 被 覆 して 血 栓 発 生 を. 症 例 を経 験 して い る.こ れ らの こ とは ポ リブ レ ンの. 予 防 す る とい う88). Sawyer89)90)91)は 血 管 傷 害 時 に. 急 速,過 量 投 与 には危 険性 が あ り,ヘ パ リン中 和 剤. 生 じ る血 管 壁 の 傷 害 電 位 差 が 負 電 荷 の 血 球 を 吸 着 し. は ゆ るや か に投 与 され るべ き こ とを示 して い る.ま. 血 栓 発生 の一 因 を な す 可能 性 を 指 摘 して い る.著 者. たLalezari77)ら. もSawyerの. が が ポ リブ レ ンの 分 子 量6000と. 方 法 に な らい血 管 傷 害 時 に生 じ る血 管. 2000の もの に つ いて 検 討 し,分 子量6000の ポ リブ レ. 内 外膜 間 の 電 位 差 の 変 化 を うか が い, LMDは. ン は赤 血 球 の 凝 集,不 可 逆性 の血 小 板 塊 を形 成 す る. 傷 害 電 位 差 を 軽 減 す るの を 認 め,. が これ は 血 球 の負 電 荷 の 中性 化 に よ る もの と推 定 し,. お い負 電 荷 の 血 球 の 吸 着 を妨 げ,抗sludge効. ま た高 濃 度 で抗 凝 固作 用 を み て い る.こ れ に 反 し分. よ る末 梢 血 流 の 改 善 と あ い ま つ て 血 栓 形 成 を 予 防 す. 子 量2,000の. ポ リブ レ ンは高 濃度 で も凝 固 時 間 の 短. 縮 を み,血 球 の 凝集 あ るい は塊 形 成 を 生 じる こ とな. LMDは. 血管. 内膜 を お 果に. る もの と考 え た.血 栓 形 成 の 予 防 に負 電 流 を もつ て す る方 法92)に代 つ てLMDは. 血 管 内面 よ り作 用 し,. くヘパ リン中 和 作用 を 保 つ こ と報 告 して い る のが 注. Microsurgery93)で も さ け られ ぬ傷 害 電 位 差 を 減 弱 さ. 目 され る. Thorsenの. い うすべ て の コ ロ イ ド溶 液 に. せ る も の で あ る.血 液 接 触 面 を 負 電 荷 に保 ち血 球 を. つ い て臨 界 分 子 量 以下 な ら臨界 濃 度 が 存 在 しな い こ. 反 撥 させ て血 栓 形 成 を 予 防 す る概 念 は,人 工 弁 の表. とを考 慮 す る と,ヘ パ リン,ポ. 面 に電 導 性 の グ ラ フ ァイ ト被 膜 を 作 り有 害 電 荷 を 消. リブ レン,デ キ ス ト. ランな どの 重 合 体 に つ い て副 作用 の少 い製 品 を開 発. 散 させ か つ負 電 荷 を も たせ る試 み に ま で 発 展 して い. す る手 掛 りが あ るか と考 え られ る(第34,. る94).. LMDはsludgeを. 35図).. 予 防 し改 善す る血 流 改 善 剤 と. 最 近 い わ ゆ る超 低 体 温 法 を 用 い る場 合,灌 流 液 の. して 広 く用 い られ て お り78)79)80)81),造 影 剤 に よ る肺. 粘 調 度 の 問 題 が 生 じて い る. Reemtsma95)は. 出血,肝 臓 うつ血 な ど の副 作 用 を防 止 し82),多 量 の. 量 の大 き い デ キ ス トラ ンは 温度 低 下 に と もな う粘稠. 分子. 度 の増大 が強 い ことを示 し, 6%のLMD 第34図. ヘ パ リ ンの構 造 式. 溶液 で も血漿 よりな お粘稠 度が高 い ことを 示 して いる.著 者 も温度低 下に とも な う粘 稠度の増大 をみ,ま た温度 低下に と もない 赤血球 の比 泳動速 度は いち じる しく減 少 し, 赤血球相互 の反撥 力の低下 を うかが つた. LMDを. 用い た 超低体温法 で も冷却 中に赤. 血球比泳動速 度のい ち じるしい減少を み, (Heparin Na) 第35図. 稀釈 に もかかわ らず術前 値 以 下 と な り, slndge形成,血 流停止 をみたが加温 に遅れ. ポ リブ レンの 構 造 式. て これ らは回復 した.こ の ことは教室 横山 が超低体 温法にLMDを. 用い次第 に稀 釈 し. なが ら冷却 し,加 温 と ともに輸血 を行 なつ て好成績 をえてい ることの理論的考証 を与 え るもので あ る96). Polybrene Hexadimethrine Poly‑(1・5. dimethyl‑1・5‑diazaundecamethylene. LMDが Bromide. 血球表 面 あるいは 血管 内膜 面を. おおい負電荷 を増大 させ るのは,非 イ オン dimethobromide). 性界面 活性 剤 と類似 す るところがあ り,こ.
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