山梨医大誌!0(4),!25∼135,1995
チトクロームP4501A1遺伝子多型の喫煙習慣および血液学的
検査所見に与える影響
篠崎眞一・山縣然太朗1)・飯島純夫・浅香昭雄
山梨医科大学保健学H講座,1)山梨大学保健管理センター 抄録:予防医学上:重要な領域である喫煙対策において,個々の素因に適合した1次予防の方策を 探ることを目的とし,肺癌発生と関連があるとされるCYPIA1遺伝子型が,喫煙習慣や血液学的 検査所見にどのような影響を及ぼしているかを某製造業事業部の男性社員391名を対象に検討を行 い,以下の結果を得た。 (1)CYPIA1遺伝子型と喫煙習慣には,統計学的に有意な関連はみられなかった。 (2)喫煙者においてVal対立遺伝子をもつ個体の白血球数はVal対立遺伝子をもたない個体の白 血球数に比べて有意に増加していた。 (3)重回帰分析において,喫煙者の白血球数にCYPIA1遺伝子型および圭日喫煙本数が有意に影 響を与えていた。また,CYPIA1遺伝子型と赤血球数,ヘモグロビン量,ヘマトクリット値, MCV, MCH, MCHCに有意な影響を与えていなかった。 CYPlAl遺伝子型と血液学的検査所見の関連を検討した報告はみあたらず,今回の結果および白 血球数増加者に癌や心疾患が多いという疫学的報告や,喫煙者の白血球数増加と呼吸機能低下が関 連している報告等と考えあわせると,白血球数をマーカーにすることによって,これらの疾患に対 する予防に寄与する可能性があると考えられる。 キーワード チトクロームP450(cytochrome p450), CYPIA1(CYPIA1),遺伝子多型(gene polymorphism),喫煙習慣(smoklng),白血球数(blood white cell) 1.緒 言 喫煙は肺癌,喉頭癌などの多くの悪性腫瘍や 循環器疾患,呼吸器疾患,消化器疾患,神経疾 患等あらゆる疾患の発症に関連している。特に 肺癌は死亡数が1950年以降,男女とも一貫して 増加し続け1),ついに1993年に男では,肺癌死 亡数が胃癌死亡数を上回ったとされている2)。 喫煙の肺癌に対する人口寄与危険率が,男性 〒409−38 山梨県申巨摩郡玉穂町下河東1110 受付:1995年11,月9日 受理:1995年11月29日 7ユ.5%3)と推定されており,日本人における肺 癌の原因の半分以上は喫煙によるといっても過 言ではない。一方でわが国の喫煙率は,男性 60.4%,女性13.3%4)であり,諸先進国に比べ て高く,喫煙対策が今後のわが国の保健医療分 野における最重要課題の一つであるといえよう。 喫煙が,上記の疾患を引き起こすメカニズム は不明の点が多かったが,最近生化学的手法な らびに分子生物学的手法を取り入れることに よって遺伝要因や発症機構が次第に明らかにな ろうとしている。個人差つまり遺伝要因の研究 においても,チトクローム酵素群の多型などが, 喫煙により体内に吸収される物質の代謝に影響 を与えていることが示唆されている5β)。特に126
篠崎眞 ,他
チトクロームP−4501A1(CYPIA1)は,たば こ町中のベンゾピレンの代謝に関与し,遺伝子 型によって肺癌感受性が異なる7β)ことも言わ れている。 また,喫煙が各種血液学的検査所見に影響を 及ぼしていることは多くの報告9」0)があり,特 に喫煙者の末梢白血球数が増加していることは 広く知られている。しかし,それらの機序,意 義については不明であり,喫煙による血液検査 異常者の事後指導や精密検:査項目についてはっ きりとした方向性は示されていない。白血球数 の増加と虚血性心疾患の罹患11>や癌による死 亡率12」3>が関連があるという報告や,慢性肺疾 患の進展に白血球が関与しているとの報告14)も ある。さらに喫煙者における白血球数増加群に 肺機能(1秒率)の低下がみられ,閉塞性肺疾 患のハイリスクグループと白血球数増加に関連 があることも示されている15)。 以上により,本研究では,単に健康管理上の 問題にとどまらず,予防医学全般の重要な課題 である喫煙対策において,画一的でなく個々の 素因に合ったユ次予防の方策を試みた。すなわ ち,CYPユAl遺伝子型が,喫煙におよぼす影響 を明らかにし,CYPIA三遺伝子型と喫煙習慣の 関連,CYPIA1遺伝子型と各種血液学的検査所 見との関連(喫煙習慣を含めて)について検討 した。 II.対象と方法 1.対象 某製造業(従業員数約1,500名)の男性従業 員のうち,定期健康診断(1994年2月ユ4日∼ 1994年2月24日実施)を受診した40歳以上の男 性450名のうち,下記検査項目および調査項目 に記入漏れがなく,自覚症状や他覚症状(胸部 X線写真)にて特に異常の認められない391名 (40∼72歳)を対象とした。 健康診断検査項目は,労働安全衛生規則によ るものであった。血液採取に当たっては,静脈 血を抗凝固剤入りの真空採血管に採取した。今 回の分析には赤血球数,白血球数,ヘモグロビ ン量,ヘマトクリット値,平均赤血球容積 (MCV),平均赤血球色素量(MCH),平均赤 血球血色素濃度(MCHC)を用いた。これら の測定には自動血球計数機(NE−8000)を使用 した。 調査項目としては,喫煙習慣を含む生活習慣 アンケートを行った。調査内容はBreslow16>の 健康生活習慣に基づいた12項目(規則正しい生 活,睡眠時好,労働時間,朝食,栄養のバラン ス,間食,塩分,飲酒,喫煙,運動,自分の時 間,ストレス)であり,喫煙に関しては現在の 喫煙状況(吸う,吸わない,やめたの3通り), 一日あたりの喫煙本数,喫煙年数を調査した。 また,これらの結果によりBrinkman Index (BJ,=1日喫煙本数×喫煙年数)17)を求めた。 2.CYPIA!遺伝子型決定方法 ゲノム抽出には,上記対象者より血算用に採 血された末梢血の使用済血液を用いた。採血は EDTA入りの2m♂スピッツを使用した。フェ ノール抽出法を用い上記末梢血白血球よりゲノ ムDNAを抽出した。 CYPIA1遺伝子の第7エクソンに存在する多 型の部位には,制限酵素の認識部位が存在しないため,そのままでは従来のPCR−RFLP
(Polymerase Chain Reaction−Restriction Frag− ment Length Polymorphism)による同定はで きない。そこで図1に示すように,Va1型の対 立遺伝子のみが制限酵素品解IIにて消化され るように3’、末端より4塩基目にミスマッチを 入れた(G→T)プライマー(CYPIb)を作成し,PCRを行った。他方向のプライマー
〈CYPIa)はHayashi6)らと同一のものを使用 した。PCR反応は全量30μZで行い,はじめに 94。C,5分の熱変性反応をした後,94。C,30 秒の変性反応,55。C,30秒のアニーリング反 応,72。C,ユ分の伸長反応を1サイクルとし て,30サイクルで増幅させ,最後に72℃,1 分の伸長反応を追加した。DNA増幅はザイモ リアクターII(アトー)を使用した。この PCR産物のうち10μ♂を,2単位の制限酵素CYPIA1遺伝子多型と喫煙 127 第7エキソン 第6イントロン 4890 49∞ ロ ロ ,,5’ATTGCCCGCTGGGAGGTCTT 3’ Ile型 / 31 AACエGGCGACCCTCCAGAA 51 プライマーCYPIb 4730 4740 5’GAACTGCCACTTCAGCTGTCT 3’ピ
ヘレ モも
プライマーCYPIa \、 \、 4890 4900 \ *’ \、 5「GTTGCCCGCTGGGAGGTCTT 3’ Va1型 31 AACエGGCGACCCTCCAGAA 5’ プライマーCYPIb 図1.Ile−Val多型のmismatched−PCR法による検出法 変異のある塩基より3’側の19塩基配列に対してオリゴヌクレオチドを作成し,Val型のDNAの みが制限酵素猛η611にて切断されているようにプライマーの3’側より4塩基めをミスマッチさ せた.(*は変異のある部位を,下線部はミスマッチをいれた部位を示す)M葉23456789壌◎壕雀壌2
<←壌38bp
<←唾20b診
lll lll lll Vll
llV ll韮 Vll VVl
図2.CYPIA1遺伝子型決定のための電気泳動の結果Ile対立遺伝子は138bp の,Val対立遺伝子は120bpのバンドが出現する. 疏η611(Bio Labs)で,37。Cにて4時間消化 した後,非変性6%ポリアクリルアミドゲル (アクリルアミド:ビスアクリルアミド=49:!, 10%グリセリンを含む)を用いて,400V,1 時間30分間電気泳動した。ゲルをエチジウムブ ロマイドで染色した後,紫外線下でPCR産物 を観察し,遺伝子型を決定した(図2)。 3.統計学的解析法 分割表の検定はκ2検定,相関係数の算出は ピアソンの相関係数を用いた。群間の差の有意 性の検定を行う前に,等分散の検定(2群の場 合はF検定,多群の場合はBartlett検定)を行 い,等分散が否定された場合はノンパラメト リックな手法を用いた。また正規1生については, 歪度(skewness)と尖度(kurtosis)を用い18), これらの値が基準となる数値を1以上離れた場 合正規性がないと判断し,ノンパラメトリック な検定を行った。2群の検定はStudent−t検定,128 篠 崎 眞 ,他 多群の検定には,一元配置分散分析,Kruskal− Wallis順位和検定を用いた。多群の比較で有意 差があった場合は,多重比較検定法のうち Scheffeの方法を用いた。多変量解析は重回帰 分析を用いた。統計的有意差の判定にはp< 0.05を用いた。 表1.年齢による喫煙行動 喫煙者 既喫煙者 非喫煙者 計 40−49歳半 !51 50−59歳 58 60−72歳 9 5Qゾバて
901
790
1ーハOQO 257 !!3 21 ナ 蕃ロ 218 58U5
391m.結 果
1.対象者の属性(喫煙習慣およびCYPl
A!遺伝子型頻度) 対象者の年齢は40歳から72歳,平均年齢は 47.3±6.1歳(平均値±標準偏差)であった。 現在喫煙習慣のあるもの(喫煙者,current smokers)は218名(55.8%)で平均年齢は 46.6±5.9歳,平均一日喫煙本数は22.6±9.3本, 平均喫煙年数は22.2±8.1年,平均B.1,は513 ±302であった。以前より喫煙習慣のない者 (非喫煙者,never smokers)は115名(29.4%) で平均年齢は48.0±5.6歳,以前は喫煙習慣が あったが現在はすわない者(既喫煙者,ex smokers)は58名(!4.8%)で平均年齢は48.2 ±7.0歳であった。各喫煙状況別の平均年齢に 有意な差はなかった(一元配置分散分析)。年 齢別の人数は40歳代257名,50歳代U4名,60歳 以上22名であった。表1に年齢別の喫煙状況を 示した。 対象者の遺伝子型頻度は,Ile/lle型: 0.6317,11e/Va1型:0.3274, Val/Val型: 0.0410となったことより,CYPIA1の遺伝子頻 度(gene frequency)はIle型:0.7954, Va1 型:0.2056と計算された。Hardy−Weinbergの 法則から期待される遺伝子型頻度を求めると, Ile/lle型:0.6327, Ile/Val型:0.3255, Val/一 Val型:0.0418となり,観察された遺伝子型頻 度と期待値はきわめてよく一致していた(κ2謹 0.0048,dfコ!,p>0。9)。すなわちこの対象 はHardy−Weinberg法則に従っていた集団とい える。また遺伝子型別の平均年齢にも有意な差 はみられなかった。 2.CYPIA1遺伝子型と喫煙状況の関連 CYPユA1の遺伝子型と喫煙状況の関係を示し たのが表2である。期待度数が5以下のcellが 多いので,喫煙経験:の有無を重視し,喫煙者の データと既喫煙者のデータをあわせ,かつ Val/Val型のデータ数が少ないので遺伝子型を Valの対立遺伝子をもつ群ともたない群に分け た2×2分割表でκ2検定を行ったところ,遺 伝子型によって喫煙状況に有意な差は認められ なかった。 また,喫煙継続について調べるために,喫煙 者と既喫煙者の遺伝子型について示したのが表 3である。Valの対立遺伝子をもつものに既喫 煙者が多い傾向がみられたが,κ2検定において, 有意な差はみられなかった。 喫煙者における1日の喫煙本数では,表4に 示すように,Val対立遺伝子をもつ人のうち, 1日喫煙本数が20本を越える者の割合が26.2% 表2.CYPIA1遺伝子型と喫煙行動(1) CYPIA1遺伝子型 喫煙者 既喫煙者 非喫煙者 曇口 十 Iie/11e型 11e/Val型 Val/Val型 134(54.3%) 73(57.0%) 11(68.7%) 32(13.0%) 25(19.5%) 1(6.3%) 81(32.7%) 247(100%) 30(23.4%) 128(100%) 4(25.0%) 16(100%) 十 雪ロ 2!8 58 115 391CYPIA!遺伝子多型と喫煙 129 表3.CYPIA1遺伝子型と喫煙行動(2) CYPIA1遺伝子型 喫煙者 既喫煙家 計 Ile/lle型 Ile/Va1型またはVal/Val型 134(80.7%) 84(76.4%) 32(19.3%) 26(23.6%) 166(100%) 110(100%) 十 誉口 218 58 276 表4.CYPIA1遺伝子型と喫煙者の1日本数 CYPIA1遺伝子型 2!本以上 1−20本 計 Ile/Ile型 11e/Val型またはVa1/Va1型 46(34.3%) 22(26.2%) 88(65.7%) 62(73.8%) !34(100%) 84(100%) 十 き口 68 150 218 であるのに対して,Va1対立遺伝子をもたない 人の1日喫煙本数が20本を越える者の割合が 34.3%と,Val対立遺伝子が1日喫煙本数を抑 制している傾向がみられたが,κ2検定において 有意差はなかった。 3.CYPIAユ遺伝子型および喫煙習慣と血液 検査所見との関連 対象者の喫煙状況別の各検査値の結果は表5 に示すとおりである。喫煙状況と血液検査所見 との関連は,Kruska1−WaUis順位和検定で,白 血球数(H=66.0,p<0.0001),ヘモグロビン 量(H:謹17。8,p<0.0001),ヘマトグリット値 (H=14.3,p<0.001), MCV(H=36.6, p< 0.0001),MCH(H=37.4, p<0.0001)が:有
意な差を認めた。多重比較検定法である
Scheffeの方法で,これらの項目では喫煙者群 が非喫煙者群に比べて増加していることが示さ れた(WBC:p<0.001, Hb:p<0.Ol, Ht:p<0.01,MCV:p<0.001, MCH:p<
0.001)。 喫煙者群と既喫煙者群を比較する(Scheffe の方法)と,白血球数(p<0.OOI), MCV(p <0.05),MCH(p<0.01)において喫煙露盤 の値が有意に増加していた。既喫煙群と非喫煙 語群の血液検査所見で有意な差のみられた項目 はなかった。 つぎに一日あたりの喫煙本数の影響をみるた めに,各検査結果との間の相関をとった。白血 球数(FO.274, p<0.001),ヘモグロビン量 (r=0.168,p〈0.001),ヘマトクリット値(r =0.140,p<0.Ol), MCV(r鷹0.192, p< 0.OO1), MCH(r嵩0.217, p<0.001)と有意 な相関を認めたが,赤血球数,MCHCとは有 意な相関関係は認められなかった。そこで1日 あたりの喫煙本数を20本未満(n=46,平均年 齢±標準偏差瓢48.0±7.2歳),20本(n=!04, 表5.喫煙行動による血液学的検査所見 WBC** RBC Hemoglobin*Herna重ocrlt** MCV** (×109/δ (×1010/の (g/dZ) (%) (fl) MCH** MCHC (P9) (9/dの 喫煙者 (n窯218)7.47±L90492.9±38.3 既喫煙者(n=58) 6.15±L58497.3±40.2 非喫煙者(n=115)5.97±1.32494.7土35.0 15.6±:1.0 ユ5。4±ユ。2 15.2±1.O 46.4±2.8 45。9±2.9 45.3±=2.9 94.4±4.8 92.5±4.8 91.8±3.7 31.8=ヒ1.6 33.7±0.9 31.0±1.8 33.5±i.0 30.8±1.4 33.5±0.8 *p〈0.00!**p<0.0001 各検査値は平均値±標準偏差で示した130 篠 崎 眞 一,他 表6.喫煙者の!日喫煙本数による血液学的検査所見 WBC* Hemoglobln* Hema⑩crit (×109/の (g/d♂) (%) MCV** (fD MCH* (P9) 1−19本/日 (n=46) 7、!3±!.75 20本/日 (n=!04) 7.30±1.72 21本以上/日 (a=68) 7.88±2.13 !5.5±1.O 15.6煮=1.0 !5。9±0.9 46.1±2.9 46.3=と2.9 46.8±2.7 92.5±4.7 94.6=h4.1 95.3±5.1 31.2±2.0 31.9±!.8 32.0±1.7 *p<O。05**p<0.0! 各検査値は平均値±標準偏差で示した 表7。喫煙者,非喫煙者におけるCYPIAi遺伝子型による血液学的検査所見
WBC
(×109〃) RBC H:emoglobin Hematocrit MCV(×1010/の (g/dど) (%) (f1) MCH MCHC(P9) (9/d∠) 喫煙者 Ile/lle型 11e/Va1型 Val/Va1型 非喫煙者 Ile/Ile型 Ile/Val:型 Va1/Val型 (n=!34) (n皿73) (n罵!め 菱……圭}彗…)一…ii …圭甕撃… (n篇81) 6.02±1.26 (n皿30) 5.96±!.51 (n篇4) 4.97=ヒ0.43 495.4±34.3 492.0±38.1 499.2±33.3 !5.7±1.2 46.6±3。3 94.1±5.2 15.6±!.0 46.3±2.6 95.0±4.0 15.2±1.0 45.6±3.3 96.3=ヒ5.3 !5.3±1.0 44.5±3.3 92.3士3.7 15.1±1.1 45.7=ヒ2.7 90.1=ヒ3.4 !4.9±0.9 45.4±2.0 91.1±3.3 31.7±1.9 33.7ヨ=1.0 32.0±1.5 33.7±1.0 32.1±2.0 33.3±0.6 31.0±1.4 33.5±0.7 30.6±1.4 33.9±0.8 30.0±!.4 33.8±1.3 *p<0.01各検査値は平均値±標準偏差で示した 平均年齢±標準偏差=46.2±6.2歳)および21 本以上(n=68,平均年齢±標準偏差罵47.3± 5.6歳)の3群に分類し,有意な相関関係のみ られた検査値について喫煙本数との関連をみた (表6)。白血球数(F霊3.!1,p<0.05),ヘモ グロビン量(F=3.28,p<0.05), MCV(F罵 5.84,p<0.01), MCH(F=4.03, p<005) は1日あたりの喫煙本数が増えると二丁に増加 していた(一元配置分散分析)。また各回の平 均年齢に有意な差はなかった。 CYPIAIの遺伝子型ごとの検査結果を喫煙状 況別に表7に示した。喫煙者における白血球数 のみが,有意な差が認められた(Fコ3.91,p <0.05)が,赤血球数,ヘモグロビン量,ヘマ トクリット値,MCV, MCH, MCHCは差が なかった。 そこで喫煙状況と白血球数との関係をCYPl A!遺伝子型別にあらわしたものが図3である。 喫煙者群における白血球数の平均値±標準偏差 はlle/Val型で(7.99±2.04)×!09個〃, Val/Va1以上(7。93±:L20)×109個〃となっ ており,11e/Val型の個体の白血球数とVal/一 Va1型の個体の白血球数に差が少ないため,遺 伝子型の分類としてValの対立遺伝子を有す る群と有さない群に分けた。喫煙者群において Va1対遺伝子を有する群の白血球数が有意に増 加していた(t=3.17,p<0.01)。 BJ.についても各検査値との相関係数を求め た。白血球数(FO.134, p<0.05), MCV(r 瓢0.130,p<0.05), MCH(r=0。127, p< 0.05)が有意な正の相関を示したが,その他の 検査値は有意な相関はみられなかった。 4.年齢と血液検査所見との関連 各検査値に及ぼす年齢の影響を考慮するため に相関係数を求めた。白血球数(r鳳一〇.112, p<0.05),赤血球数(r皿一〇.U2, p<0.05) と有意な負の相関関係がみられたが,ヘモグロ ビン量,ヘマトクリット値,MCV, MCH, MCHCは有意な相関関係は認められなかった。 表8に年齢別の血液学的検査値の値を示した。CYPIA/遣伝f三品と喫よ・サf 131
12000
10000
癒 8000
目 {n 60004000
2000
0 P<0.OIα
高階
型−至
忠胎想
隙翻咽
目□
n=81 n=34 非喫煙者 τ}冨32 n・=26 既喫煙者 n=134 n=84 喫煙者 喫煙状況 図3.CYPIA1遺伝子型,激切状況と白銅1球数の関係. 表8.年齢による∬rl液学rl勺検’査所ム己 WBC* RBC Hemoglobln Hematocrlt MCV (×109/の (×1010/∠) (g/dど) (%) (f1) MCH MCHC(P9) (9/d∠) 40−491誌と (n瓢257) 6.99±1.92 50−59戸茂 (r1=!13) 6.57=ヒ1.68 60−72歳 (n皿21) 6.22=と1.42 495.6=h39.0 492.8±36.2 475.7=と34.1 15.5±1.0 !5.5±1.1 15.2±1.1 46.1±2.9 45.9±2.8 45.0±2。8 93.3±4.6 31.3=ヒ1.6 93.3±4.6 31.4±!.9 94.9±5。6 32.0=と/.8 33.6±0.8 33.7±0.9 33.8±1.5 *p<0.05 各藩:査値は’1乙均値下標・劉扁淳で・」ζした 一元配置分散分析において,白血球数のみ有意 な差がみられた(F=3.30,p<0.05)が,赤 血球数,ヘモグロビン量,ヘマトクリット値, MCV, MCH, MCHCは有意な差はみられな かった。 5.白血球数に影響を与える因子 以上の結果から,喫煙者の白血球数に影響を 与える要因を検討するため,遺伝子型,一日喫 煙本数,喫煙年数,年齢を独立変数とし,白血 球数を従属変数とした重回帰分析を行ったとこ ろ表9のような結果が得られた。遺伝子型を得 点化するに当たって,gene doseの概念を導入 し,11e/lle型を0, Ile/Va1型を1, Val/Val 表9.重回帰分析の結果 独立変数 β t値 遣伝子型 年齢 !日喫煙本数 喫煙年数 01︵ンζ﹂−ρQ47
り乙!!︵︶ ∩︶0∩︶0 2.91** 一!.74 2。07* 0.81 重相関係数 R=0.29 重回帰分析の検定糺果 F=3.68,p瓢0。0066 *p<0.05 **p〈0。01 β:標準偏回帰係数 型を2とした。重回帰関数は (白血球数)=8425.7+708.5×(遺伝子型)132 篠 崎 虞 一,他 一55.5×(年齢)+35.7×(1日喫煙本数)+ 19.3× (喫煙年数) となった。 喫煙者において,年齢,1日喫煙本数,喫煙 年数を調整した場合においても,遺伝子型は白 血球数に有意に影響を与えていた。また1日喫 煙本数も年齢,喫煙年数,遺伝子型を調整後も :有意に白血球数に影響を与えていた。 IV.考 察 喫煙習慣が遺伝的に決定されるか否かについ ては双生児を用いた報告がいくつかみられる。 喫煙習慣と遺伝要因の関連について初めて報告 したFisher19)は,一卵性双生児の喫煙習慣 (喫煙するかしないかの2グループに分類して いる)の一致率が二卵性双生児よりも高いと報 告し,喫煙習慣を規定する遺伝子の存在を示唆 した。Eysenck20)は,双生児とその家族を対象 にし遺伝率を求めているが,喫煙開始年齢に対 する遺伝率は0.22,1日喫煙本数に対する遺伝 率は0.38と報告している。これらの報告により, 喫煙習慣は遺伝要因によって影響を受けること が示唆される。 しかし,それがどのような遺伝的素因に基づ くかについて検討した報告は少ない。山口 ら21)は,ニコチンの代謝酵素であるCYP2Bl 遺伝子多型と喫煙習慣について検討しが,有意 な差は認められなかった。今回CYPIA1遺伝 子多型においてはVal対立遺伝子を有する群 の1日喫煙本数は少なく,喫煙を止めるものの 割合は多かったが,統計学的に有意な差は認め られなかった。Va1対立遺伝子が低頻度である ことも影響し,統計学的に有意差が認められな かったとも考えられるのでさらに対象を増やし て検証する必要がある。 Ikardら22)は,喫煙の型をa.心理的社会的 喫煙,b.感覚運動的喫煙, c.道楽的喫煙, d. 鎮静的喫煙,e.刺激的喫煙, f.耽溺的喫煙, g.自動的喫煙の7つに分類し,喫煙開始には, かっこよくみられたい,大人の気分を味わいた いなど心理的社会的因子が影響を及ぼし,喫煙 継続には感覚運動的な喫煙や耽溺的喫煙の影響 が大きいとしている。このように,喫煙習慣は 親や友人の喫煙習慣などの外因や気分転換等の 心理的因子,ニコチン依存などの薬理的因子を 含めて多種の因子が複合している表現型と考え られるため一つの遺伝子多型との相関はそれが かなり大きな影響を持たない限り有意とはなら ないと考えられ,これらの因子を調整した上で, 遺伝子多型との関連をみる必要がある。 今回の対象者の遺伝子型頻度(genotype frequency)は, lle/11e型:0.632, lle/Va1 型:O.327,Val/Va1型:0.041であり,遺伝子 頻度は11e対立遺伝子がO.795, Val対立:遺伝子 が0.205となった。この結果は,木原らの報 告23)およびKawajiriらの報告24>と一致した。 これらの報告により,日本人におけるVal対 立遺伝子の遺伝子頻度は約20%と考えてよい。 喫煙と白血球数との関係については,喫煙者 の方が非喫煙者よりも高値を示すことはCorre ら25)をはじめ,数多く報告されており,今回 の結果も同様のものになった。1日喫煙本数が 増加すると,白血球数も増加していることが本 研究によっても示されたが,これはCare1ら26) および我々の別の対象での報告15)と一致した。 喫煙よる白血球数の増加の原因はいぜん明らか ではない。喫煙により増加した血中ニコチンが カテコールアミンの分泌を促し,組織から循環 血液中に白血球を動員したり,喫煙による慢性 的な気管支の炎症による白血球の産出八進など が推測されている。永井ら27>は,末梢白血球 数増加と関係すると考えられる血清成分(補体, 抗プロテインナーゼ値)について検討を行った が,有意な関連は見いだしていない。 今回の検討では,喫煙者においてCYPIA! 遺伝子型別に白血球数に有意に差があった。す なわちVal対立遺伝子は白血球数増加に関与 していた。しかし,非喫煙者および既喫煙者で はCYPIA1遺伝子多型と白血球数に関連は認 められなかった。Bartschら28)は,肺癌患者に おける喫煙者と非喫煙者のベンゾピレンの代謝
CYPIA!遺伝子多型と喫煙 133 について検討した結果,喫煙者のCYPIA1遺 伝子の発現が高いレベルにあることを推測して いる。また,Rojas29)らも肺癌患者における 肺ミクロゾームと末梢白血球のベンゾピレンの 代謝物を測定した結果,喫煙者の肺ミクロゾー ムにおいてベンゾピレンの代謝物がより高いレ ベルにあったことより,喫煙者におけるCYPl A1遺伝子の発現がより多いことを示唆してい る。 また,遺伝子型によって白血球数に差がでた 原因としてもう1つ,2つの異なるアミノ酸配 列をもつCYPIA1酵素の触媒能に差があるこ とが考えられる。Kawajiriら24)は, Val対立遺 伝子のCYPIA1酵素のaryl hydrocarbon hyd・ roxylase誘導能(AHH activity)は,11e対立 遺伝子のそれよりも高いことを報告している。 また,Petersonら30)は, CYPIA1遺伝子の M5ヵ1型においてB型のAHH activityは, A 型AHH activityよりも高いことを報告してい る。このような2つの異なる蛋白の存在により, 代謝される物質の特質も異なってくる可能性が 考えられ,これらによる直接的あるいは間接的 な白血球造血系への刺激をも含めた様々な要因 が白血球数に影響を与えているのかもしれない。 なお,本研究においては白血球分画を算出して おらず,CYPIAI遺伝子の点変異によって,穎 粒球,単球が増殖したのか,リンパ球が増殖し たのか等については不明であり,今後の課題で ある。 対象者の喫煙状況別の検討で白血球数以外に ヘモグロビン量,ヘマトクリット値,MCV, MCHCで有意な差がみられたが,これはNor・ manら31)の報告と一致した。喫煙により吸収 されたCOは,赤血球中のヘモグロビンと結 合してCO−Hbとなるため,喫煙者では対償的 にヘモグロビンが増加していることが推測され ており,ヘモグロビンの増加に伴って,ヘマト クリット,MCV, MCHも増加したと考えら れる。しかしCYPIA1伝子型とこれらの血液 学的検査所見との関連は示されなかった。 年齢別の検討からは白血球数,赤血球数とも, 年齢とともに多少の減少を示した(赤血球数は 統計的に有意ではなかった)。今回の対象者は 40歳以上の中高年の者であったので,より若年 者を対象に加えることによりもっとはっきりと した傾向がでるかもしれない。老化と貧血との 関連は,老化により,赤血球寿命の軽度短縮, エリスロポエチンの減少,幹細胞レベルでの変 化および造血時に必要とされる物質の変化が起 こることが指摘されている32)。これらの所見 より,造血系に老化による軽度の変化がもたら されることによって,血液学的検査所見に種々 の影響を及ぼすものと考えられる。 以上本研究において,喫煙習慣および喫煙に よる血液学的検査に対する遺伝的影響をさぐる 目的で,その候補遺伝子としてCYPIAI遺伝 子をとりあげ,その関与を検討してきた。
CYPIA1遺伝子のVa1対立遺伝子は喫煙者
において肺癌発生と関連があるとされている。 本研究ではVal対立山伝子が,喫煙習慣と関 連があることを明確に示すことができなかった。 また,喫煙者においてVal対立遺伝子が白血 球数増加と関連しており,非喫煙者では関連が ないということと,白血球数増加が癌や心疾患 と関連しているという報告とをあわせると, Va1対立遺伝子は,喫煙による癌や心疾患の発 症と関連があり,白血球増加はその一つのマー カーとなる可能性があると思われる。 今後,各遺伝子型ごとに,ライフスタイルお よび身体的健康度などをさらに詳細に検討し, 予防医学,健康管理において,体質(素因)に あった適切な指導,助言ができるように,遺伝 子型と喫煙習慣との関連および遺伝子型と白血 球数との関連について検討を加えていきたい。 この種の研究は,今まで集団を対象に行われ てきた危険因子へのアプローチが,個人の遺伝 子レベルにおいても追求されるべきことを示唆 するものであり,予防医学の分子生物学的研究 のさきがけとして位置づけられると考えている。134
篠崎眞…,他
︶ 1 ︶ 2 ︶ 3 ︶ 4 ︶ 5 ︶ 6 ︶ 7 ︶ 8 ︶ 9 茎.0) 11) 12) 13) 14) 15) 文 献 黒岩哲生,広瀬加緒瑠,田島和雄。日本におけ る癌死亡(1950−1990).がん統計白書.東京: 篠原出版,1−105:1993. 石井保範,他.平成5年上半期における肺がん と胃がん死亡数(男)の逆転現象について.厚 生の指標1993;41:25−31. 平山 雄.予防がん学,その新しい展開.東 京:メディサンエンス社,1987. 平成4年度全国たばこ喫煙者率調査.日本たば こ産業株式会社.1994. Uematu F,認α♂. Associatlon between restric− tlon fragment length polymorphism of the human cytochrome P45011El gene and sus− ceptibllity to lung cancer・JPn J cancer Res 1991;82:254−256. Hayashi S,8‘α♂:Genetic linkage of lung can− cer associated Msp I polymorphisms with amino acid replacement in the heme lndlng reg童・n of the human cyt・chr・me P4501Al genc J Biochem 1991;110:407−411.. Nakachi K,66α♂:Genetic susceptlb三1玉ty to squamous cell carcinoma・f the lung l難rela− tio織to cigarette smoking dose・Cancer Res 1991;51:5177−5182. Nakachl K,8‘α」:Polyrnorphisms of the CYPIAI and glutathione S−transf冶r段se genes associated with susceptibility to lung cancer in re韮ation 竃。 cigarette dose in a Japanese populatlon. Cancer Res l993;53:2994−2999. Chan−Yeung M,6孟α1:The effect of age, smoking, and alcOhOl On rOutine labOratOry tesしAm J CIin PathoB981;75:320弓26. Sparrow D,認α♂:The relationship of thc periphera嚢 leukocyte count and c量garαte Smoking tO pulmOnary funCtiOn amOng adult πken. Chest l984・86:383−386. , Frledman GD,6‘α1:The leukocyte count as a predicωr of myocardial infarction. N Engl J Med 1974;290:1275擁278. Grimm RH,認α♂:Prognostic lmportance of the white blood cell count R)r cor・nary, can− cer and all cause mortality. JAMA l985;254: 1932−1937. Phil員ps AN,8‘αZ:The kukocyte count and r量sk of lung cancer. Cancer l992; 69: 680− 684. Cosio MG, G鼓ezzo H, Hogg JC. The relations bctween strucωral changes in small airways and pulmonary function tests. N Engl J Med 1978;298:1277−1280. 山縣然太朗,他.喫煙による白血球数増加と肺 16) 17) 18) 19) 20) 21) 22) 23) 24) 25) 26) 27) 28) 29) 30) 31) 32) 機能との関連,健康医学1994;9:90−94. Lisa F Berkman, Lester Breslow. HEALTH AND WAYS of LIVING. New York:Oxford し「niversity Press,1983. Brinkma註GL,認α♂:The effects of bronchitis, smoking, and occupation on ventllatiorl・Am Rev Resp Dis l962;86:684−693. 市原清志.歪度,尖度による正規【生の検定.バ イオサイエンスの統計学.東京:南光堂, 1990;280−283. Fisher RA. Lung cancer and cigarettes. Na− ture l958;181∼:108. Eysenck HJ。 The Causes an(i Effects of Smoking. Londo鍛:Temple Smith.1980. 山口悦郎,他.喫煙習慣’を如何に判断するか一 喫煙習慣と遺伝的因子.日胸心会誌1991;29: 186一王89. Ikard FF, Green DE, Horn D. A scale to dlfferentiate between types of smoklng as re− lated to the management of affecし Int J addiction l969;4:649−659. 木原雅子,木原正博.肺癌のかかりやすさを遺 伝子多型の有無から検索.Physicians Journa1 1993;Apri韮:36−38. Kaw勾iri K,6‘αZ:The CYPIAI gene and can− cer susceptibility. Critical Reviews in On− cology/Hematobgy 1993;至4:77−87. corre F, Lellouch J, schwartz D・smoking and 韮eukocyte−counts results of an epide− miologlcal survey. Lancet 1971;18:632−634. Carel RS,8‘α♂:Factors affecting leukocyte count in heal由y adults. Prev. Med.1985;14: 607. 永井 厚,石原陽子,滝沢敬夫.喫煙者におけ る末梢白血球数一血清補体,抗プロテアーゼ, 胚胞内好中球との関連性も含めて一.日胸疾会 二二:1992;30:1050−1055. Bartsch H,初α♂:Expresslon of plumonary cytochrome P4501Al and carcinogen DNA adduct formatlon in high risk su切ects for t・baCCO−related lUng CanCer. TOXICOIOgy Let− ters l992;64:477−483. R句as M,麗α♂:Stereoselective metabolism of be漁zo [a] pyrene−7, 8−diol by human lung microsornes and perやheral blood lympho− cytes・Carc量nogenesis 1992;豆3:929−933. Peterson DD,6‘α♂:Cosegregation of the en− zyme inducibillty pherlotype and all RFLP. Am J}{um Genet 1991;48:720−723・ Norman H, Lawrence SR. The effects of age, sex and sm・king on erythr・cytes and leuko− cytes. Aln J CIIn I)athol l975;63:35−44. 前川 正.老人と血液疾患.三輪史朗,編.血 液病学.東京1分光堂,1981:1329−1331.CYP1A1 j.SEtli.tZlJ'i:・ {i6・2Ii!I ,! ilS(lltes 135
Efllects of Cytochrome P-450 IAi (CYPIAI) Gene Polymorphism on Smoking Habk
and Hematological Findings
Shin-ichi Shinozaki, Zentaro Yamagatai), Silmio Iijima, Akio Asaka
DePai'tment qf'Health Sciences, Yamanaslti A4e(!ic(tl Univeityit.y and i'Heattlt Cai'e (;enter, Yantanashi Univei:sit)'
Pvleasures to control smokk'ig comprise iniportant f'ielc{ of }!)reveiittive me({icine. 'l'o clarify methods for prini-ai'y prevei'itioi'i of lung cancer applical}le {o ii}dividual ({lf'fereix;es in susceptibility, the effects of' genot>;pes of
CYI'IAI, which aye considere({ related to lung carciiiogenesis, oii smok{ng habit anc{ hematologicai fii}dings vNrere evaluated ln 39l healthy males.
(1> No correlatioR was observed betweeR lhe geRotypes of (]YPIA1 at](l sn3okiRg habit.
(2) 'I"1te whi{e bloocl cell count iB smokers with a Val allele was signiflcai}tly litigher than t}iat in t}itose wltl)oti{ a Val allele.
(3) Mtiltiple regression analysis showed that t})e genoty})e ol' (]Y}'1Al and (laily cigarette constimption had
sig-nK-ic2mt ei"fects on the white blood cell count. in smol<ers. 'I'}ie genotype of CYPIA1, l)owever, had no slgnif'icant effect on the red blood cell coui}t, hemeglobin, hematocyit, Dv(l(]V, ly,f()I-l or bvfCI-IC.
'rhere have been no previous re})orts on the }'elationship l)etweei) {he genotype of (]YPlAl and
hematelogic-al flndii/igs. In coi'isidera{ioit ofthe epidemiologichematelogic-al f'indings tliat mai}y ln{ilividuhematelogic-als with in{Lirease wlii{e bloo(/l cell coi.ir}ts }'iave caiitcer or cardiac diseases, ai'icl re})orts tlitat the in{L-vease in the white b}ood cotmt is assoclated wi{h
poor respira{ory fi.uiiction,(he white bioo(l celi count inay be a risk marker tha{ can coi}tribu{e to preventioR of
t,hese diseases.