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村 川 雅 弘

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Academic year: 2021

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(1)

状況的認知論を取り入れた中学校英語の授業改善に関する研究

一総合的な学習の時間との連関をめざしてー

学 校 教 育 専 攻 教育方法コース 潰 田 品 子

. 問 題 の 所 存

国際化の進む現代社会において、コミュニケ ーションの手段として「英語」を用いる機会が 今後ますます増えると考えられる。しかし、現 在の中学校英語は、

3

年間学んでも実用場面で のコミュニケーションに使えないという現状を 生み出している。

そこで、これまでの英語科がどのような変選 をたどってきたのかを調べることにより、英語 科においてコミュニケーション能力育成と認知 的活用に重きをおいたアプローチが未だ存在し ていないということが明らカ斗になった。(図 1)

認知的活用(学び方) 認知主義的│〆(¥

アプローチ

│  ¥ よ 二 ノ

知識獲得

コミュニケーション (学ぶ目的) +̲':'11.  I  能力育成

オーラル・ │コミュニ力子ィブ アプローチ│ アプローチ

形式的操作 図1

本研究では、この「コミュニケーション能力 育成一認知的活用」に相当するアプローチを探 るために、①外国語学習における「本物の学び」

を学習者に成立させる要因を明らかにする。ま た、②「知識・技能」面を重視した英語科と、

2002年度から導入される子どもの主体性と「機 能」面を重視した「総合的な学習の時間」との 連関を考えることで、コミュニケーション能力

指導教官 村 川 雅 弘

をより育成する中学校英語のあり方を探る。こ の2点を研究の目的とした。

. 研 賓 の 方 法 ( 理 論 )

「本物の学び」とは何か、子どもが言葉を覚 えていく時どのような方法で覚えていくのか、

言葉を覚える過程は学校でおこなわれている

「学び」と同じか、と考えた結果による。明ら かになった「本物の学び」の特徴は、文脈のあ る状況の中での学びである。これに対して学校 での学びは、文脈を捨象された状況の中でおこ なわれるものである。そこで、状況の中での主 体的な学びについて提案する状況的認知論を用 いたアプローチが左図の「コミュニケーション 能力育成一認知的活用」部分に相当すると考え

る。

状況的認知論において大切な役割を果たすの が、人と人との間で起こる相互作用である。こ こにおける人とは学習者と学習者より優れた社 会的他者(=

r

仲間」や「教師」を指す)のこ とである。相互作用で、親しさを感じている学 習者と社会的他者が同じ活動に参加し、同じ価 値観をもち、共同して学びをおこなっていく時、

そこには最近接発達領域 (=ZPD)における現 実的発達水準を引き上げる効果がある。このよ うな関係を

ryOU

世界」という。そして、そ の水準を上げる活動として、学習者と社会的他 者との問でおこる「足場作り

J r

指導あるいは徒 弟制J

r

模倣」が考えられる。

また、教材・教具は、学習者がそれを通して

(2)

自己目標を見つけることができたり、学んだこ とを自分のものにし、自分しか知らないことを 自分の言葉で皆の前で発表する。そしてその発 表内容を社会的他者と共有することで、より深 く学ぶことができる。教材・教具とは、このよ うなものでなければならない。

表1

要因 対象 要因の成立要件

学びの共同体 仲間

ryOU

世界」相互 教師 作用、 ZPD 学びの道具 教材・教具 文化的実践(価値

獲得)への媒介物 以上のような考えから表

1

に示すように「本 物の学び」に必要な要因は「学ひやの共同体」と

「学びの道具」の 2点である。

「学び、の共同体」が存在すること、つまり、

教室で学習者と社会的他者との聞に

ryOU

世 界」や「足場作り」、「指導あるいは徒弟制」、「模 倣」が存在することで、学習者は ZPDにおけ る現実的発達水準が引き上げられ「本物の学び」

が存在する。また、「学ひ、の道具」が存在するこ と、つまり、学習者にとって教材・教具が文化 的実践(価値獲得)への媒介物となっていれば、

「本物の学び」は成立すると考える。

. 研 賓 の 方 法 ( 事 例 分 析 )

ここでは教室でおきている「学びの共同体」

や「学ひ、の道具」を教師の授業に対する考え、

授業での学習者と「イ中間」、あるいは、学習者と

「教師」の間での相互作用の場面を取り上げ分 析した。なお、ここで分析の対象としたのは、

①小学校の「総合的な学習の時間」と教科とし ての「英語」を連関させた授業と、②中学校の 外国の人との交流を設けた英語科の授業である。

この分析結果から、従来おこなわれてきた「知 識・技能」面を重視する「英語科」の授業と、

「機能」面を重視する「総合的な学習の時間」

とを連関をさせることで、英語のコミュニケー ション能力を育成に有効である。

2

図 2は、「総合的な学習の時間」と「英語科」

認 知 的 活 用

形 式 爆 作

知 識 彊 得 コミュニケーション宵成

を連関させた、新しい英語学習の流れである。

これは、従来の英語教育でおこなわれてきた流 れ(…>)の流れを、「総合的な学習の時間」と 連関させることで、従来とは反対方向の流れ

(←)が考えられる。まず、学習者になぜ英語 を学ぶのかを自覚させ、その目的をもって主体 的に英語学習に参加させれば、学習者は学ぶ意 欲を持続できると考えるo

4.

今 後 の 課 題

①学習者にとって「学ひ。の共同体」や「学びの 道具」が本当に成立したかどうかを確かめる には、学習者自身の評価を看取らねばならな い。しかし、この「学ひ、の共同体」や「学び の道具」が成立したかどうかを看取る方法が 今後の課題である。

②「英語科」と「総合的な学習の時間」を連関 させた授業の開発には、カリキュラムの問題 であるとか、学習者の期待するものと現実的 発達水準との差、選択英語との兼ね合いなど を考慮に入れねばならない。ここで、これら の問題に対してどう対処していくかが今後の 課題である。

参照

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