状況的認知論を取り入れた中学校英語の授業改善に関する研究
一総合的な学習の時間との連関をめざしてー学 校 教 育 専 攻 教育方法コース 潰 田 品 子
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. 問 題 の 所 存国際化の進む現代社会において、コミュニケ ーションの手段として「英語」を用いる機会が 今後ますます増えると考えられる。しかし、現 在の中学校英語は、
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年間学んでも実用場面で のコミュニケーションに使えないという現状を 生み出している。そこで、これまでの英語科がどのような変選 をたどってきたのかを調べることにより、英語 科においてコミュニケーション能力育成と認知 的活用に重きをおいたアプローチが未だ存在し ていないということが明らカ斗になった。(図 1)
認知的活用(学び方) 認知主義的│〆(¥
アプローチ
│ ¥ よ 二 ノ
知識獲得
!
コミュニケーション (学ぶ目的) +̲':'11. I 能力育成オーラル・ │コミュニ力子ィブ アプローチ│ アプローチ
形式的操作 図1
本研究では、この「コミュニケーション能力 育成一認知的活用」に相当するアプローチを探 るために、①外国語学習における「本物の学び」
を学習者に成立させる要因を明らかにする。ま た、②「知識・技能」面を重視した英語科と、
2002年度から導入される子どもの主体性と「機 能」面を重視した「総合的な学習の時間」との 連関を考えることで、コミュニケーション能力
指導教官 村 川 雅 弘
をより育成する中学校英語のあり方を探る。こ の2点を研究の目的とした。
2 . 研 賓 の 方 法 ( 理 論 )
「本物の学び」とは何か、子どもが言葉を覚 えていく時どのような方法で覚えていくのか、
言葉を覚える過程は学校でおこなわれている
「学び」と同じか、と考えた結果による。明ら かになった「本物の学び」の特徴は、文脈のあ る状況の中での学びである。これに対して学校 での学びは、文脈を捨象された状況の中でおこ なわれるものである。そこで、状況の中での主 体的な学びについて提案する状況的認知論を用 いたアプローチが左図の「コミュニケーション 能力育成一認知的活用」部分に相当すると考え
る。
状況的認知論において大切な役割を果たすの が、人と人との間で起こる相互作用である。こ こにおける人とは学習者と学習者より優れた社 会的他者(=
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仲間」や「教師」を指す)のこ とである。相互作用で、親しさを感じている学 習者と社会的他者が同じ活動に参加し、同じ価 値観をもち、共同して学びをおこなっていく時、そこには最近接発達領域 (=ZPD)における現 実的発達水準を引き上げる効果がある。このよ うな関係を
ryOU
世界」という。そして、そ の水準を上げる活動として、学習者と社会的他 者との問でおこる「足場作りJ r
指導あるいは徒 弟制Jr
模倣」が考えられる。また、教材・教具は、学習者がそれを通して
自己目標を見つけることができたり、学んだこ とを自分のものにし、自分しか知らないことを 自分の言葉で皆の前で発表する。そしてその発 表内容を社会的他者と共有することで、より深 く学ぶことができる。教材・教具とは、このよ うなものでなければならない。
表1
要因 対象 要因の成立要件
学びの共同体 仲間
ryOU
世界」相互 教師 作用、 ZPD 学びの道具 教材・教具 文化的実践(価値獲得)への媒介物 以上のような考えから表
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に示すように「本 物の学び」に必要な要因は「学ひやの共同体」と「学びの道具」の 2点である。
「学び、の共同体」が存在すること、つまり、
教室で学習者と社会的他者との聞に
ryOU
世 界」や「足場作り」、「指導あるいは徒弟制」、「模 倣」が存在することで、学習者は ZPDにおけ る現実的発達水準が引き上げられ「本物の学び」が存在する。また、「学ひ、の道具」が存在するこ と、つまり、学習者にとって教材・教具が文化 的実践(価値獲得)への媒介物となっていれば、
「本物の学び」は成立すると考える。
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. 研 賓 の 方 法 ( 事 例 分 析 )ここでは教室でおきている「学びの共同体」
や「学ひ、の道具」を教師の授業に対する考え、
授業での学習者と「イ中間」、あるいは、学習者と
「教師」の間での相互作用の場面を取り上げ分 析した。なお、ここで分析の対象としたのは、
①小学校の「総合的な学習の時間」と教科とし ての「英語」を連関させた授業と、②中学校の 外国の人との交流を設けた英語科の授業である。
この分析結果から、従来おこなわれてきた「知 識・技能」面を重視する「英語科」の授業と、
「機能」面を重視する「総合的な学習の時間」
とを連関をさせることで、英語のコミュニケー ション能力を育成に有効である。
図
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図 2は、「総合的な学習の時間」と「英語科」
認 知 的 活 用
形 式 爆 作
知 識 彊 得 コミュニケーション宵成
を連関させた、新しい英語学習の流れである。
これは、従来の英語教育でおこなわれてきた流 れ(…>)の流れを、「総合的な学習の時間」と 連関させることで、従来とは反対方向の流れ
(←)が考えられる。まず、学習者になぜ英語 を学ぶのかを自覚させ、その目的をもって主体 的に英語学習に参加させれば、学習者は学ぶ意 欲を持続できると考えるo
4.
今 後 の 課 題①学習者にとって「学ひ。の共同体」や「学びの 道具」が本当に成立したかどうかを確かめる には、学習者自身の評価を看取らねばならな い。しかし、この「学ひ、の共同体」や「学び の道具」が成立したかどうかを看取る方法が 今後の課題である。
②「英語科」と「総合的な学習の時間」を連関 させた授業の開発には、カリキュラムの問題 であるとか、学習者の期待するものと現実的 発達水準との差、選択英語との兼ね合いなど を考慮に入れねばならない。ここで、これら の問題に対してどう対処していくかが今後の 課題である。