論文要旨
【目的】対人サービスのコンサルテーションにおいて、コンサルタントの思考、判断、行為 に関する記述がされている先行研究から、コンサルタントが介入の中心となる対象者を決 めた時の認知や判断と、コンサルタントが用いているスキルを抽出する。またその結果をふ まえ、リエゾン精神看護専門看護師の今後のコンサルテーション実践に対する示唆を得る。
【方法】医中誌web版を用いて「コンサルテーション」のタイトル+抄録で検索し、ブラ ウジング、ハンドサーチにより選択した14文献(15事例)から、コンサルタントの認知や 判断と、コンサルタントにより用いられているスキルについての記述内容を整理・統合した。
【結果】コンサルタントがコンサルテーションの対象者をクライエント中心であると判断 したのは《クライエントに対する理解や関わり方を中心にアセスメントをする必要がある》
時であり、コンサルタントがコンサルテーションの対象者をコンサルティ中心であると判 断したのは《コンサルティ自身に客観性の欠如や認知のゆがみがある》時であった。コンサ ルティ中心のコンサルテーションでコンサルタントが用いているスキルとして特徴的なも のは《様々な視点からアセスメントをする》、《コンサルティの認識に違和感を持つ》、《関わ り方や働きかける方向性を決める》、《コンサルテーションにおいてコンサルティが主体で あることを明確にする》、《感情や認知に働きかけ、コンサルティ自身の気づきや状況の客観 視を促す》、《クライエントや起こっている問題の見立てを伝えつつ、今後の方向性を一緒に 考えていく》、《コンサルティがどう関わっていくかを共有する》であった。
【考察】コンサルティ中心のコンサルテーションで用いられる重要なスキルは、《感情や認 知に働きかけ、コンサルティ自身の気づきや状況の客観視を促す》であると言える。コンサ ルティの感情に焦点を当てた質問をしたり問題の場面の振り返りを促すことにより、コン サルティが自己理解を深め、自身が持つ解決能力に気づくことを援助することにつながっ ていると考えられる。リフレクションの定義から《コンサルティ自身の気づきや状況の客観 視を促す》ことは<リフレクションを促す>ことに言い換えることができ、また、コンサル テーション全体で用いられているスキルから、受容的・支持的に関わり、信頼関係を構築す ることは、コンサルティが変化を引き起こしたり受け入れていくプロセスを支える重要な 基盤となっていることが分かる。コンサルテーションでは信頼関係が基盤となってプロセ スが促進されると考えられ、私たちリエゾン精神看護専門看護師は、コンサルタントとして 常にそのことを意識しながら活動することが重要である。