女子学生の和服に対する意識
- 1990年調査と2007年調査の比較 -
Female Students’ Conscious Attitudes toward Japanese Style Clothes
- Difference between questionnaire in1990 and 2007 -
(2008年3月31日受理)
近藤 信子 冨氣 久江
Hisae Fuki
Key words:和服,女子学生,伝統的衣文化,儀礼性,好感
要 約
1990年(第1回調査)と2007年(第2回調査)に女子学生を対象に行った質問紙調査の結果を比較しながら,和服の 現状と今後の在り方について検討した。調査内容は和服に対するイメージと評価である。和服に対する評価については ファッション性・審美性・実用性・社会性の次元で項目を設定した。和服に対するイメージについては,1990年の調査 結果では「好感」「女性的上品さ」「華やかさ」の3因子が抽出されたが,2007年調査の分析結果からは「儀礼性」「好感」「静 的」の3因子が抽出された。女子学生は,和服の審美性について高く評価しており,和服への関心も高いことが明らか となった。この結果については,調査年による大きな差異はみられない。ファッション性については,和服の個性的な 着付けや新しい組み合わせを工夫したいとする者が2007年調査結果では多かった。和服の実用性についての評価は高く ない。民族服に対するは意識は1990年調査より2007年調査のほうが有意に低かった。
Nobuko Kondo
は じ め に
和服は,日本の風土の中で日本人の衣服として着用さ れてきたものであり日本の伝統的な文化の根幹の一つと いえる。しかし現在の衣生活において,和服は日常生活 ではほとんど着用されず,冠婚葬祭や会合などの改まっ た席で着用される衣服になりつつある。女子学生では,
成人式や卒業式などのフォーマルウェアーとして着用さ れることが多くなっている。ところが最近では,和ブー ムが到来し,和服についても10 ~ 20歳代向けのファッ ション雑誌等で特集が組まれ,おしゃれとして着用の提 案がなされている(益本等 2007)。このブームは,若者 の和服への関心を高め,それにより和服に対する意識も 変化しているのではないだろうか。また,和装体験の乏 しい若者が,日本在来の衣服である和服の装い方や装い の心を,どの程度理解しているのであろうか。
本報では,女子学生の衣生活意識のなかで和服がどの ように位置づけられているのか調査を行い,和服の現状 と今後のあり方について検討することを目的とした。
先の1990年(第1回調査)に行った調査項目を用い,
2007年(第2回調査)に再度調査を行い,経年の変化を もとに考察した。
方 法
1.調査の概要
第1回調査は 1990年9月に岡山市に在住する女子学生
(1年生)197人を対象に行った。第2回調査は2007年12 月に,岡山市に在住する女子学生(1年生)60人を対象 に,教室で質問紙による集合調査を行った。質問紙の内 容は,和服に対するイメージと評価である。今回は振袖 や浴衣などの種類別ではなく,和服全般に対する意識を
把握することを目的とした。
イメージについては,SD法による18対の形容詞を用 い5段階で評定を求めた。和服に対する評価については ファッション性(7項目)・審美性(5項目)・実用性(5 項目)・社会性(7項目)に関する項目を設定し,肯定か ら否定におよぶ5段階で評定を求めた。
2.分析の方法
和服のイメージ18対については因子分析を行って抽出 された因子を検討した。和服に対する評価項目について は単純集計およびクロス集計をもとにχ二乗検定を行っ て経年の変化を検討した。
結果および考察
1.和服に対するイメージ
イメージ測定形容詞18対への反応を因子分析(バリ マックス回転)した。1990年の分析結果では表1に示す ように固有値1以上で解釈可能と考えられる5因子が抽 出されたが,固有値を因子数に対してプロットしたとこ ろ,固有値の減少割合が4因子以後緩慢となったので,
3因子までをとりあげ考察する。各因子に対する因子負
荷量の高い項目をもとに,第1因子は「好感」,第2因 子は「女性的上品さ」,第3因子は「華やかさ」の因子 と解釈した。第3因子までの累積寄与率は47.8 %であっ た。
まずは,女子学生の和服に対する好感度は高く,とて も魅力的であり着用してみたいとする衣服である。2つ 目は,女性的で上品な着装イメージで,動ではなく静的 なイメージが強いようである。3つ目は,和服の華やか な側面を評価している。
2007年の分析結果を表2に示す。同様に,固有値を因 子数に対してプロットしたところ,固有値の減少割合が 4因子以後緩慢となったので,3因子までをとりあげた。
各因子に対する因子負荷量の高い項目をもとに,第1因 子は「儀礼性」,第2因子は「好感」,第3因子は「静的」
因子と解釈した。第3因子までの累積寄与率は39.1%で あった。
この因子分析の結果から,女子学生の和服に対するイ メージとして,まずは,儀礼的な側面を強く感じている ようである。しかし,それは魅力的で上品な服装である と評価している。次に,和服は女子学生にとって着用願 望が強い好感度の高い衣服である。さらに,静的なイメー
表1 和服のイメージ測定項目の因子負荷量(1990年調査結果)
因子(寄与率) イメージ用語 因子負荷量
第1因子 好き-嫌い 0.864
好感(27.1%) 着てみたい-着たくない 0.793 魅力的な-魅力のない 0.692 理知的な-感覚的な 0.387 第2因子 女性的な-男性的な 0.845 女性的上品さ 上品な-下品な 0.793
(11.1%) 静的な-動的な 0.704 個性的な-平凡な 0.442 第3因子 華やかな-落ち着いた 0.828
華やかさ 派手な-地味な 0.823
(9.6%) 夢がある-夢がない 0.491
第4因子 重厚な-軽快な 0.812
(6.9%) 審美的な-実用的な 0.644 装飾的な-機能的な 0.609 改まった-くだけた 0.539 繊細な-大胆な 0.361 第5因子 古典的な-現代的な 0.722
(5.8%) 大人っぽい-若々しい 0.516
表2 和服のイメージ測定項目の因子負荷量(2007年調査結果)
因子(寄与率) イメージ用語 因子負荷量 第1因子
儀礼性(17.8%)
改まった-くだけた 0.765 古典的な-現代的な 0.709 魅力的な-魅力のない 0.584 繊細な-大胆な 0.55 装飾的な-機能的な 0.543 上品な-下品な 0.527 審美的な-実用的な 0.522 第2因子
好感(12.1%)
着てみたい-着たくない 0.811
好き-嫌い 0.665
夢がある-夢がない 0.623 大人っぽい-若々しい 0.367 第3因子
静的(9.2%)
静的な-動的な 0.601 重厚な-軽快な 0.579 女性的な-男性的な 0.445 派手な-地味な 0.374 個性的な-平凡な 0.269 理知的な-感覚的な 0.123 華やかな-落ち着いた -0.013
ジを抱いており,和服は女性らしいしとやかさを表現で きる衣服でもあると感じている。
1990年と2007年因子分析を行った結果,和服に対する イメージは変化した。しかし,時を経ても,若者にとっ て和服はとても魅力的であり着用してみたい衣服である ということは変わらないことも明らかとなった。
2.和服のファッション性に関する評価【図1】
和服のファッション性に関する項目ごとに「そう思う」
「ややそう思う」「どちらでもない」「あまりそう思わない」
「思わない」など,当てはまる度合いを評定した結果を 図1示す。
「和服を着たときおしゃれをしたという気持ちがする」
「和服を着るといつもの自分とは違った気分になれる」
の項目に「そう思う」「ややそう思う」と肯定する割合は,
1990年および2007年調査とも高く,女子学生は,和服を 着用したときにはいつもと違うおしゃれ感を感じるよう である。
次に,「和服は着付けによって個性的な美しさがでて 面白い」の項目に「そう思う」と評定した割合は1990年 調査では32.8%であるが,2007年調査では48.3%と有意 に高い(p<0.05)。「和服を従来の着方以外にTシャツ・
ハイヒールなどと組み合わせて着てみたい」の項目に「そ う思う」「ややそう思う」と肯定する割合は1990年調査 では11.5%であるが,2007年調査では33.3%の女子学生 が肯定している(p<0.01)。これまでの和服の着方や装い
図1 和服のファッション性評価 31.3
58.3 52.1 48.3 32.8 23.3
36.6 23.3 3.7
41.7 44.3 36.7
43.2
36.7 42.7
36.7 39.1 40 37.5
28.3
34.6 10
7.8 7.8
33.3 33.9 30
32.1
28.3 17.7
5 8.3 6.7 25 33.3
23.6 16.7
10.9
16.7 11.5 21.7
17.4
3.3 6.8
0.5 5 4 13.3
4 13.3
20.8
5 8.3 10
5.3
1.5 0.7 1.7 1.2
36.7 42.7
36.7 39.1 40 37.5
28.3
34.6 10
33.3 33.9 30
32.1
0.5
1.5 0.7 1.7 1.2 36.7
56.8
3.3 2 1.7 1.7 2
31.7
0% 20% 40% 60% 80% 100%
2007年調査 1990年調査 2007年調査 1990年調査 2007年調査 1990年調査 2007年調査 1990年調査 2007年調査 1990年調査 2007年調査 1990年調査 2007年調査 1990年調査
そう思う やや どちらでも あまり 思わない 和服を上手に着こなしている女性をみると自分も着たい
いろいろな種類の和服を着てみたい
和服をTシャツ・ハイヒールなどと組み合わせて着てみたい(**)
振り袖はパーティなどでドレスにまさるとも劣らない(*)
和服は着付けによって個性的な美しさが表現できる(*)
和服を着るといつもの自分とは違った気分になれる
和服を着たときおしゃれをしたという気持ちになる
* p<0.05 ** p<0.01
の規範は大きく異なることはないであろうが,和服の個 性的な着付けや新しい組み合わせに興味をもつ者が多く なっていることはうかがえる。
「和服を上手に着こなしている女性を見ると自分も着 たいと思う」「いろいろな種類の和服を着てみたい」に ついては1990年・2007年調査とも肯定する割合が非常に 高く,女子学生の和服に対する関心の高さがうかがえる。
しかし,「振袖はパーティなどでドレスにまさるとも劣 らない」の項目に「そう思う」「ややそう思う」と肯定 する割合は,1990年調査では71.2%であるが,2007年調 査では51.6%と減少している(p<0.05)。和服のファッ ション性評価は経年の変化をみても依然として高いが,
洋服との比較においての評価では,双方の表現するもの
が異なっており,一概に答えることは難しいと思われる。
しかし,今後,服装はより個性化の方向を歩んでいくと 考えられるため,和服の魅力を一層引き出す着装が求め られることであろう。
3.和服の審美性に関する評価【図2】
和服の審美性に関する内容として,和服の形,和服や 帯の文様,組み合わせる色,着こなし感についての項目 を設けた。その結果を図2に示す。1990年調査と2007年 調査の結果には,いずれの項目においても有意差は認め られなかった。
女子学生の多くは「和服の形は一定であるが,その形 は洗練されて美しい」と認めており,さらに,それは「身
図2 和服の審美性評価
0% 20% 40% 60% 80% 100%
2007年調査 1990年調査 2007年調査 1990年調査 2007年調査 1990年調査 2007年調査 1990年調査 2007年調査 1990年調査
そう思う やや どちらでも あまり 思わない
35 38.3 30 22.4
38.3 29.5 23.3
28.5 21.7
28.1
50 44 40
47.4
41.7 44 40
45.6 36.7
37
10 14 26.7 25
16.7 21.8 31.7
22.8 33.3
27.1
3.3 3.7 3.3 4.2
3.3 4.1
5 2.8 5
6.8
1.7 1
0.6
50 44 40
47.4
41.7 44 40
45.6 36.7
37
1.7 0.6
0.3 3.3
1 和服や帯の柄には日本的な風物が似合う
帯・帯締め・帯揚げの色が和服の美しさを演出
和服は形が一定であるがその形は洗練されて美しい
和服は身体をかくすので美しさが演出される
和服姿は上品である
体を隠すので美しさが演出されている」と,和服の着装 美の独自性を理解した評価がなされていることがうかが える。そして「和服を着装した姿はきわめて上品である」
と肯定する割合は1990年調査では82.3%,2007年調査で は85%と非常に高い。また,「和服や帯の柄には日本的 な風物が似合う」については,「そう思う」「ややそう思 う」と肯定する割合は,1990年調査で65.1%,2007年調 査で58.1%と高い。「帯・帯締め・帯揚げの色が和服の 美しさを演出する」についても図2に示すようにいずれ の年の調査も肯定する割合は高い。和服の意匠・帯や小 物の取り合わせなどについての美意識が,若者たちに顕 在であることがうかがえることから,日本の衣文化はこ れからも継承されていくであろうと心強く感じる。
4 和服の実用性に関する評価【図3】
「和服と洋服の二重生活は不経済なので和服は必要で ない」について肯定する割合は,1990年より2007年の調 査のほうが高くなっている。この項目に対応するように,
「振り袖は自分の着物として購入して持っておきたい」
について肯定する割合は1990年の調査では57.8%である が,2007年の調査では36.7%と減少している。これらの 結果には有意差(p<0.05)が認められた。
次に,和服着用時の着つけについて「難しい」と答え る率は1990年では57.8%,「ややそう思う」28.6%を合 わせると86.4%と非常に高い調査結果が示された。2007 年調査では88.3%とさらに肯定する割合は高くなってい
図3 和服の実用性評価
0% 20% 40% 60% 80% 100%
2007年調査 1990年調査 2007年調査 1990年調査 2007年調査 1990年調査 2007年調査 1990年調査 2007年調査 1990年調査
そう思う やや どちらでも あまり 思わない
20 33.9 11.7
5.2
60 55.7
65 57.8 30
30.9
16.7
26 10
6.3
26.7 27.6
23.3 28.6 33.3
37.7
21.7
13.5 51.7
34.4
8.3 6.8
11.7 8.3 16.7
19.4
23.3 11.5
18.3 39.1
1.7 4.2
3.3 15
8.9
18.3 15.1
8.3 5.1
3.3 5.7
2 5 3.1 ひもや帯が着ていて苦しいと感じる
和服の着付けは難しい
和服は雨の日の外出には不向き
和服と洋服の二重生活は不経済なので和服は必要ない(*)
振り袖は自分の着物としてもっておきたい(*)
*p<0.05 16.7
26 10
6.3
26.7 27.6
23.3 28.6 33.3
37.7
1.7
る。この結果から,一人で和服を着ることができない者 が多いと思われる。すでに,1997年の調査においても,
日常の着つけ(アンサブルや浴衣)でさえ自分で着られ る学生は17%と少なく,儀式などの和服の着つけについ ては大半が美容師などに頼んでいるとする結果もみられ る。
また,「雨の日の外出には不向きである」「ひもや帯が 着ていて苦しいと思う」についても肯定する割合は高く,
調査年による差はみられない。
このような和服の実用面に関する評価の低さから,日 常生活での和服離れの理由が推測されるが,一方で特別 の日に着用する衣服として振り袖は持っていてもよいと いう意識もうかがえる。
5 和服の社会性に関する評価【図4】
通過儀礼や冠婚葬祭の服装についての意識や民族服と しての意識を問う項目を和服の社会性に関する評価項目 として設けた。その結果を図4に示す。
「和服は改まった場所では最もふさわしい」について 肯定する割合は1990年の調査では73.1%であるが2007年 調査では60%と減少しているが,この結果に有意差は認 められない。しかし,60%が肯定しているということは 女子学生の和服への社会性評価は高いといえよう。「子 どもの七五三には着物を着せてやりたい」「成人式には 和服がふさわしい」について肯定する割合は高く,調査 年による差はみられない。呉服屋や写真館の宣伝にも影
図4 和服の社会性評価
0% 20% 40% 60% 80% 100%
2007年調査 1990年調査 2007年調査 1990年調査 2007年調査 1990年調査 2007年調査 1990年調査 2007年調査 1990年調査 2007年調査 1990年調査 2007年調査 1990年調査
そう思う やや どちらでも あまり 思わない
* p<0.05 ** p<0.01 25
28 11.7
12
53.3 34.2
56.7 64.8 23.3
37.8 40 37.4 31.7
46.1
35 45.1 11.7
31.8
23.3 29
21.7 19.2 20
25.9 31.7 34.7 25
33.3 21.2 55
36.5
23.3 24.9
20 12.4 40
28.5 23.3 20 38.3
19.7
5 4.1 13.3
16.1 7.8
2.6 13.3
5.2 3.3 5.8
1.7 1.6
1.7 1.6 8.3
3.6 4.1 1.7
1 3.3 2.6 1.7 2.1 31.6
3.3 1 和服は日本人の誇る民族衣装である(*)
和服姿は日本女性を象徴するものである
花嫁衣装には和服を着たい(*)
子どもの七五三には着物を着せてやりたい
成人式には和服がふさわしい
身内の葬式には和服がふさわしい(**)
和服は威厳があって改まった場所では最もふさわしい
35 45.1 11.7
31.8
23.3 29
21.7 19.2 20
25.9 31.7 34.7
25 1.7
1.6
1.7 1.6 1.7 1.7 2.1 31.6
響され,七五三の装いや成人式での女性の振り袖姿は慣 行となっている。
次に,「花嫁衣装には和服を着たい」について肯定す る割合は1990年の調査では63.7%であるが2007年調査で は43.3%と減少している。この結果には有意差(p<0.05) が認められた。結婚式での伝統衣装の着用については,
肯定する割合が減少したとはいえ,依然半数近い者の着 用願望がみられる。しかし,最近は次々に新しい結婚 衣装が提案されており,伝統的なものとは違った色彩 や形態にも若者は魅力を感じるようになったのであろう と考えられる。「身内の葬式には和服がふさわしい」に ついて肯定する割合は1990年の調査では43.8%である が,2007年の調査では23.4%と有意(p<0.01)に減少して いる。このように,通過儀礼や冠婚葬祭の服装に対する 女子学生の意識には,伝統衣装を重視する一方で,着用 することをひかえたいという面もみられることは興味深 い。
「和服は日本人の誇る民族衣装である」について肯定 する割合は1990年の調査では77.7%であるが2007年調査 では56.7%と有意(p<0.05)に減少している。しかし,「和 服姿は日本女性を象徴するものである」について肯定す る割合は調査年による差はみられず,非常に高い。女子 学生の伝統的衣文化に対する誇りは17年を経てうすれて きているとはいえ,民族を象徴するものとしての意識は 高いことがうかがえる。
お わ り に
和服のイメージ,和服のファッション性・審美性・実 用性・社会性評価について,女子学生を対象に1990年と 2007年に行ったアンケートの結果を比較しながら考察し た。
前回の調査と変わらず,女子学生の和服に対する好感 度は高いものの,儀礼服としてのイメージが強くなって いることが,今回の調査よりうかがわれた。
幼い頃から日常生活のほとんどの場面で洋服を着用し てきた現代の若者ではあるが,和服の魅力は認めており,
さらにその魅力を引き出すような新しい着装を望んでい る。一方で,日本人がもつ独特の美意識も若者には健在 であった。しかし和服の実用面では問題もあるとしてお
り,今後も日常的に和服が着用されることはないと思わ れる。
最後に,「和服姿は日本女性を象徴するものである」
という意識が,18年前の調査においても昨年の調査にお いても,女子学生のなかに強くみられたことは,日本の 衣文化の継承という点からも大変喜ばしいことであろ う。
参 考 文 献
益本仁雄,宇都宮由佳,滝山桂子,坂下春奈,栗原未希:
女子大学生の伝統服に関する意識と行動-日本とタイ の比較-,日本家政学会誌,58,29-38(2007) 日 本 家 政 学 会 編:「 日 本 人 の 生 活 」, 建 帛 社,
127-131(1999)
酒井豊子,藤原康晴:「ファッションと生活-現代衣生 活論-」,20-22(1996)
古川智恵子,豊田幸子:和服に関する研究(第1報), 名古屋女子大学紀要,29-39(1979)
金 由美,中川早苗:民族服に対する意識の比較研究-
韓・日女子学生の民族服に対する意識の差異-,日本 家政学会誌,49,87-96(1998)