• 検索結果がありません。

学 位 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 氏 名

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "学 位 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 氏 名"

Copied!
2
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

((別紙様式第7号)

学 位 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨

氏 名

川本仁志

審 査 委 員

主 査 川向 誠 ◯ 副 査 中川 強 ◯ 副 査 森嶋伊佐夫 ◯ 副 査 石川 孝博 ◯ 副 査 山田 守 ◯

題 目 海藻由来粘性多糖フコイダンの生理活性とアルギン酸分解酵素の解析 審査結果の要旨(2,000字以内)

海藻は主に緑藻類、褐藻類、紅藻類の3つのグループに分類される。これらの海藻は主に食品産業で 利用されているが、海藻の細胞間物質であるアガロース、カラゲナン、アルギン酸は食品産業のみなら ず、化粧品産業や繊維産業で利用されている。褐藻類には細胞間物質としてフコイダンとアルギン酸が 存在し、フコイダンは褐藻類のなかでもオキナワモズクCladosiphon okamuranusに最も多く含まれてい る。フコイダンは主にフコースを構成糖とするヘテロ硫酸化多糖の総称で、藻種により多くの分子種 がある。このフコイダンは構成糖、硫酸基量や分子量が異なり、構造が複雑であるため明確な構造の 決定や研究は遅れている。フコイダンは抗凝血作用、抗ウイルス作用、抗腫瘍活性などの多くの生理 活性が報告されているものの健康食品に利用されている程度でまだ広く利用されていない。

アルギン酸はβ-D-マンヌロン酸とα-L-グルロン酸からなる直鎖のヘテロ多糖で、マンヌロン酸残基 からなるMブロックとグルロン酸残基からなるGブロック、2つの残基が交互に入り混ざったMGブロ ックからなる。また、アルギン酸は褐藻以外には緑膿菌Pseudomonas aeruginosaなどが産生するバイオ フィルムとしても存在することが知られている。多くの報告例ではアルギン酸分解酵素はほとんど脱離 酵素である。アルギン酸リアーゼは基質特異性により主にMブロックに働くポリマンヌロン酸リアーゼ

(EC 4.2.2.3)とGブロックに働くポリグルロン酸リアーゼ(EC 4.2.2.11)に分類される。

これまでに多くのアルギン酸リアーゼが報告されているが、遺伝子のクローニングや機能解析は他の 多糖分解酵素よりも研究が遅れている。そこで発表者はフコイダンを幅広く利用するため、フコイダン の新たな生理活性を調べ、モズクの成分であるフコイダンの胃細胞への作用を調べた。

また、フコイダンを抽出する際、アルギン酸も同時に抽出されることから、その第一歩として、分解 酵素を用いてフコイダンの精製に用いることを目標としている。アルギン酸分解菌をスクリーニングし、

その酵素をコードする遺伝子のクローニングとその解析を行った。

(2)

まず、オキナワモズクC. okamuranusからフコイダンを抽出、精製し、ヒト胃細胞に対する効果をin vitro で調べた。まず、オキナワモズクから収率1.0%(w/w)で分子量約320万、硫酸基量9.8%(w/w)のフコイダン を抽出し、精製した。そしてオキナワモズク由来フコイダンがヒト正常胃細胞において抗ガン剤5-FUの 作用を抑制し、フコイダン単独では正常細胞には影響を与えることなく胃ガン細胞の増殖抑制効果が 見られたことを報告した。

次にアルギン酸を分解する海洋細菌をスクリーニングし、単離したアルギン酸分解菌の16S rDNA解析 を行い、新規のアルギン酸分解菌を選択した。さらにそのアルギン酸分解菌のアルギン酸リアーゼの 遺伝子クローニングを行い、基質特異性を調べた。まず、島根県内の美保関湾の海水から単離した アルギン酸分解菌を単離し、16S rDNAを解析した結果、Vibrio属に属する菌であることがわかり、

Vibrio sp. O2と命名した。このVibrio sp. O2菌から2つのアルギン酸リアーゼ活性を有するクローン

alyVOAalyVOBを得て、それらの配列を決定した。アルギン酸リアーゼAlyVOA、AlyVOBを既知の

アルギン酸リアーゼと比較したところ、Photobacterium sp. ATCC43367 由来アルギン酸リアーゼAlxM とそれぞれ92.3% 、 32.6%の同一性を示した。また、既知のアルギン酸リアーゼとのコンセンサス配列 が見られ、両酵素ともポリマンヌロン酸リアーゼであることを報告した。

以上、これらのことから発表者は新たに次のことを解明した。(1)高分子のオキナワモズク由来 フコイダンを抽出し、精製することに成功し、正常細胞に対する抗ガン剤5-FUの副作用抑制剤に なることを示唆した。(2)新規アルギン酸分解菌Vibrio sp. O2を単離し、新たなアルギン酸リアーゼ 遺伝子の知見を得ることに成功した。

これらの知見は、海藻由来の有効成分であるフコイダンやアルギン酸の研究やさらなる産業への 応用に寄与する足がかりを与えている。

従って、本研究は学位論文として高い独創性と十分な価値のあるものであると判定する。

参照

関連したドキュメント

氏名 学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位授与の題目

 調査の対象とした小学校は,金沢市の中心部 の1校と,金沢市から車で約60分の距離にある

を塗っている。大粒の顔料の成分を SEM-EDS で調 査した結果、水銀 (Hg) と硫黄 (S) を検出したこと からみて水銀朱 (HgS)

一部の電子基準点で 2013 年から解析結果に上下方 向の周期的な変動が検出され始めた.調査の結果,日 本全国で 2012 年頃から展開されている LTE サービ スのうち, GNSS

製品開発者は、 JPCERT/CC から脆弱性関連情報を受け取ったら、ソフトウエア 製品への影響を調査し、脆弱性検証を行い、その結果を

本書は、⾃らの⽣産物に由来する温室効果ガスの排出量を簡易に算出するため、農

であり、 今日 までの日 本の 民族精神 の形 成におい て大

目について︑一九九四年︱二月二 0