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4章

 

調査資料 の整理 ・研究お よび公 開

 

活用

第 4章 査資料 の整理 ・研究 お よび公 開・活用

第 1節   調査資料の整理

調査 資料 の整理

2004年度の調査資料の整理は鹿田遺跡第13次14次調査、津島岡大遺跡第26・ 28次調査の整理作業 を中心 に行 い、また報告書作成作業に関 しては『津島岡大遺跡15』 (岡山大学構内遺跡発掘調査報告第20冊)・ 『津島岡大遺 跡16』 (岡山大学構内遺跡発掘調査報告第21冊

)の

二冊 を刊行 した。

『津島岡大遺跡15』 は事務局本部棟新営 に伴 う第26次調査の成果報告書である。2000年度 に実施 した発掘調査 であ り、縄文時代 中期 〜近世における土地利用形態の推移を明 らかにすることがで きた。 また古墳時代後期か ら 中世にかけての「柵列」 ・溝状遺構 に着 目した考察 を掲載 した。

『津島岡大遺跡16』 は環境理工学部校舎新営 に伴 う、第17次 (1996年度調査)。22次 (1998〜 1999年度調査)

の二期 にわたる発掘調査の報告書である。津島岡大遺跡のなかで も、特 に縄文時代 において最 も遺構密度の高い 地点の調査報告である。第17次調査地点の大半 を占めるようにひろがる微高地での集落の実態 とその北狽1の斜面 部での状況 を明 らかに した。また縄文後期 を中心 とする遺物 は、土器 ・石器 ともに豊富であ り、遺物の面か ら は、土器の型式学的検討、石器の特徴、縄文時代の石製収穫具 に関する考察 を、また遺構の面か らは、条里の溝 に関する考察を掲載 した。

自然科学分析では、報告書作成にも関わるもの として、放射性炭素年代測定、樹種同定 を行 った。それぞれの 分析結果 については次項で報告 している。

      (岩

)

2.調 査 資料 の分析 (1)放 射性炭素年代測定

本年度 は表

8に

挙 げた ように、14件 の試料 の放射性炭素年代 測定 を行 つてい る。1〜

3は

津 島岡大遺跡 第17次 調査土坑

9及

び竪穴住居址

1炉

1の試料 であ り、詳細 な結果 は報告書 に掲載 してい る。

4〜

10は 、2003年 度 に国 立歴史民俗博物館 に資料提供 をお こなった試料

7点

である。その内訳 は、土器付着炭化物

4点

(津島岡大遺跡 第 3・ 5。 15次調査

)と

堅果類

3点

(津島岡大遺跡 第3・ 15次調査

)で

あ る。11〜 14は 前述の

4〜 7の

試料 につい て古環境研究所 で分析 を行 った ものである。

放射線炭素年代測定資料一覧表

出 土lll点  4● 対 象 台 料 分 析 法 分 枡 機 関

1

津島岡大第17次 調査 土 坑 9 土 坑 9 住 居 址1炉1

炭 化 物 AMS

(株)古環 境 研 究 所 (Beta社)

F津島岡大造跡16』 岡山大学構内遺跡発掘 調査報告第5冊 に報告

2 炭 化 物 AhIS

3 土 壊 AMS

4 津 島 岡 大 第3次調 査 13層 土器 付 着 炭 化 物 AヽTS

固立歴史民俗博物館

平成13〜15年 度科研費基盤研究A「縄文時 代

 

弥生時代 の高精度 年代体 系 の構 築」

(研究代表者 :今 村峯雄)

5 津 島 岡 大 第5次調 査 AヽIS

6 津島岡大第15次 調査 :蔵穴 SP13 AhIS

7 谷 郡 AMS

8 津 島 岡 大 第3次調 査 貯 蔵 穴 SP l アラカシ AMS

9

津 島 岡 大 第15次調 査 貯 蔵 穴SP13 ドングリ AMS

貯 蔵 穴SP19 ドングリ

AMS

11 津 島 岡 大 第3次調 査 13層 上器 付 着 炭 化 物 A卜IS

(株)古環境研究所 (Beta社)

12 津 島 岡 大 第5次調 査 付 着 炭 イヒ

AMS

津 島 岡 大 第15次訊 呑 昨 蔵 欠SP13 付 着 炭 化

AMS

津 島 脳 夫 第15次3電 谷 部 ;付着 炭 イP

AMS

(2)

偉 )樹 種 同定

本年度 の整理作 業 に伴 い、津 島岡大 第22・ 26次 調査 お よび鹿 田遺跡第

7次

調査 の木製品 ・流木 につ いて、森林 総合研 究所 、能城4多一氏 に樹種 同定 を依頼 し、有益 な教示 を得 た。主 な内容 は表

9の

通 りであ り、詳細 な結果 に ついては、正式報告書 を参照 されたい。

樹種同定一覧

調 査 地 点 分 析 機Fkl H数 主 な 出 土 遺 構 報 告

津 島岡大遺跡 第22次 調査 森林総合研 究所 能城4歩一 古代溝 r津島岡大遺跡16』

津 島 岡 大 遺 跡 第26次調 査 森林総 合研 究所 能城修 一 近世溝 『津島岡大遺跡15』

鹿 日 選 跡 第7次調 査 森 林 総 合 研 究 所 能 城 修 一 27 中 世 古 増 井 戸 F鹿田遺跡5J(編集中)

鹿 田遺跡 第13次 調査 (株)吉田生物研 究所 2 中世井戸

鹿 田 遺 跡 第14次調 査 (株)吉田 生 物 研 究 所 3 中世 井戸

3.調 査 資料 の保存処理 (1)木 製品の PEG保 存処理作業

2002年11月よ り行 つて きた第

6期

保存処理作業 を継続 して実施 した。対 象 資料 は津 島岡大遺跡 第19次 ・22次 調査 お よび鹿 田遺跡 第

7次

調査 の出土 品で あ る。昨年度2月 に濃度

95%に

達 した後、蓋 を開けて

100%に

上 昇 させ てい る途 中であ つた。今年度当初か らも引 き続 き処理 を継続 していたが、 8月 4 日に引 き上 げ を行 い、 この 日を もって第

6回

処理 を終了 した。

処理槽 よ り引 き上 げた木器 については、洗浄、乾燥 、 ラベ ル付 けを行 った後、収納 した。 なお、引 き上 げ後 の 一連 の作業 を岡山大学の博物館実習 に取 り入れ、岡山大学文学部の実習生 の協力 を得 た。

11 

これまでの保存処理工程

偉 )外 部 委 託 に よ る木 製 品 の保 存処 理

本センターでは構内遺跡出土木製品について、多 くはセンター内での保存処理を実施 しているが、製品の素材

や状態 に依 り、外部委託 による保存処理 を実施 している。

本年度 は下記 の

3件

の遺物 について、外部萎託 による木製品の保存処理 を実施 した。対象資料 は下表 の通 りで あ る。 なお資料

4の

漆椀 につ いては、あわせ て漆膜分析 も行 つた。

10 

第 6期 保存処理工程

aJL理回数 年 月 日 作 業内容

第6期

2002/11/12 濃 度40%開

2003/4/18 濃度「90%ヘ 2003/5/29 濃度60%ヘ 2003/8/25 濃 度70%ヘ 2003/9/30 濃度80%ヘ 2003/11/10 濃度90%ヘ 20餡

/2/4

濃 度95%へ、 蓋 空 け

2004/8/4 引 き上 げ

期 間 処理 内容 処 理 期 間

1期 1992年2月〜1993年 ■ 月 鹿 田第1次 (附属病 院外 来診療棟)第 2次 (NMR CT室) 1年 9ケ 第2期 1994年6月〜1996年 8月 鹿 田第3次 (医学部短期 大学部校 舎本体)第4次 (医学部短期 大学 部校 舎 周辺 配管)第 5次 (附属病 院管 理棟)

津 島岡大 第3次 (男子学生寮)第 5次 (大学 院 自然 科学研 究科棟)第 6次 (生物応 用工 学科棟)

2年 2ケ

第3期 1996年12月〜1999年 6月 鹿 田第3次 (医学部短期 大学部校舎 本体)、 津 島岡大第3次 (男子 学生寮)第 6次 (生物応用工学科棟) 2年7ケ

4期 1999年 7月2000年12月 鹿 旧遺跡 第3 4次、津 島 岡大遺跡 第3次 1年5ケ

第5期 2001年 1月 〜2002年 3月 鹿 田遺跡 第3 4次、津 島 岡大 遺跡 第3次、第9次 (生体機 能 応 用工 学 科)第10次 (保健 管 理 セ ン ター)第12次 (附属 図書館)第13次 (福利厚 生施設北棟)

1年 2ケ

第6期 2002年 ■ 月〜2004年 8月 鹿 田第7次 (医学部基礎 医学棟)、 津 島岡大 第19次 (コラボ レー シ ョンセ ンター)第22次 (環境 理工学部棟1期) 1年10ヶ 月

12 

外部委託による保存処理遺物一覧

巻 サ SI物 出土遺構 時 期 処理 法 処理機 関

1 漆 椀 鹿 岡 第9次 土 坑 墓 中 世 アクリル樹脂法 (財)元輿寺文化財研 究所 保存科学 セ ンター

2 木 簡 鹿 田第14次 井 戸 中 世 高級 アル コー ル含浸 株)吉田生物研 究所

3 鹿 岡 第14筑 井 戸 中 世 高級 アル コー ル含浸 株)吉田生物研 究所

4 漆 椀 鹿 田第14次 ため池状遣 博 近 世 高 級 ア ル コ ー ル 含 浸 株)吉田生物研 究所

5 曲 物 鹿 田第13次 井 戸 中 世 高級 アル コー ル含浸 株)吉田生物研 究所

6 鹿 田 第13次 高 級 ア ル コ ー ル 含 浸)吉田生物研 究所

(3)

第4章

 

調査資料の整理・研究お よび公開・活用

第 2節   調査成果の公開 。活用

2004年 度 は、津 島キ ヤンパス においてキ ャンパス発掘成果展 を開催 した。 また大学生の博物館実習や中学生の 職場体験受 け入れのほか、総合学習時間を利用 した小学生の見学 に対す る説明 な ど、学校教育現場 との連携 も積 極 的 に行 つた。

1.公 開・展 示

(1)第 8回 キャンパス発掘成果展

概要 :津 島キヤンパスでは2000年度以降、毎年秋 に定期的に展示会を開催 してお り、今年度は

8回

目にあたる。

8回

のテーマは F土・技・心』 との副題 を設定 し、土器の観察・製作技法の紹介をメインとした展示 と、「分 銅形土製品」 を粘上で製作する体験 コーナー等 を設けた。開催期間は10月 26日 〜31日 までの 6日 間である。

会場は例年通 り、埋蔵文化財調査研究センター収蔵庫 2階 展示室を使用 した。見学者数は延べ

253名

であつた。

内容

: F土

・技・心』というテーマのもと、主となる展示では土器の時代による形・技法等の移 り変わりを、縄 文時代〜中世にいたる煮沸具の変遷、弥生時代の高杯の変遷を通 じて、観察 したり、実際に触れることで体感 し てもらうことを目指 した。特別展示としては弥生時代の「顔」の表現を、岡山大学考古学研究室収蔵の人形土製

品 を中心 に、構 内で出土 した分銅形土製 品 。人面線刻土器 の展示

に よつて示 した。

恒例 となっている体験 コーナーでは、展示品 と関連 して「分銅 形土製品」を作 るコーナー、縄文土器の文様つけコーナー(貝殻・

縄 ・ヘ ラ等)、 ロクロ切 り離 しコーナーを設定 した。様 々な文様 の付け方や、成形技法 を実際に行 ってみることで、展示品を観察 する際にもまた異なる視点が持てるという相乗効果 もあった。

見学者253名、アンケー ト回収 は88枚であ り、回収率 は

34%で

あ った。来場 回数 をみ る と、

55%に

あたる48名 が 初 めての見学者であ り、

2回

3回

以上 とい うリ

ピー ターの割合 は

45%を

占めてい る。 リピー ター の割合 は年 々着実 に増加 の傾 向にある。 また 日別 の来場者数では、開催初 日にメデ イアで紹介 され た こ とが功 を奏 し、水曜 ・木曜 といつたこれ まで は来場者数の延 びない平 日の見学者増 につ なが っ た もの と考 え られる。

最 も印象 に残 つた もの と して は、分f同形土 製 品 作成 を挙 げた方力諺5名 と最 も多 く、縄文土 器 の文 様 付 け

(8名

)、 土 器 に直接触 れ た こ と

(8名

)

が続いた。その他に「体験」、「土器の変化」、「土 層の剥 ぎ取 り」、「土媛墓」 といった項目が挙がつ てお り、今回の展示の目的に沿 う結果が得 られ

やってみたいことはなんですか

□ 発掘 体験   lllll石器 を使 う 薩こたべ もの復 元   匡ヨ石器制作 匪昌遺跡 見学     回団 土器つ くり

%土 器の結 合 来場回数

囲 は じめ て 国 2回 國 3回以上

引 ⊇ ヽ

郷 卿

0レ

行 点 蒜

:itti〒

tti言

二 層 岳 昴 岳

i∫

言 「而 〒 言 〒

i 日男J入

80 70 60 50 40 30 20

111

39 

津 島 キ ャンパ ス展示会風景

5%5鯉

40 

展示会 ア ンケー ト結果

(4)

た。 また、直接 出土遺物 に触れることや、各種の体験への関心の高 さを実感す る結果であつた。 この ことは、

「やってみたいことはなんですか」 との問いに対する回答のうち、発掘体験

(39%)。

石器 を使 う

(5%)。

石 器作成

(5%)・

土器つ くり

(3%)と

いうように体験 に関係するもので半分 を占めていることか らも窺える。

課題 :津 島キャンパスでの展示会開催 も2000年度か ら継続 して

5回

目とな り、毎年確実にリピーターを獲得 し、

好評 を得ている。 またアンケー トの結果 をみて も強調 したい部分 に対する反応が よく、意図を伝 えるという点は 一定の成果があつたと思われる。その一方、今回は目の不 自由な方の見学 もあ り、見学施設 としての安全性や利 便性 について考える良い機会 ともなった。いわゆるバ リアフリー対策 として階段の傾斜や通路の通 りやす さ等 に 配慮することも今後の検討課題である。

成果 :今 回は初めて目の不 自由な方か らの見学希望があ り、盲導夫同伴で見学 された。本セ ンター展示室ではほ とんどすべての展示品に直に触れることがで き、何 よりもその点が、 日の不 自由な方にも体感 していただけたこ とで、展示する側 もよい刺激を受けられた。

このような「実物 に触れる展示」 は、見学者 に対 して、予想以上に強い印象 を与え、歴史を体感することに繁 がる。 しか し、通常の博物館等では様 々な制約 もあ り、本センターのような小規模展示施設であるか らこそ、実 現で きる部分 も多い。 このことが、本セ ンターの展示会の大 きな特色のひとつ となっている。

今後 も展示方法・内容 について意欲的な検討 を加えて実践 してい くとともに、業務全体の中でのバランスにも 配慮 した取 り組み となるよう、公開 。啓発活動の主幹 として展示会を継続 してい きたい。

2.資 料 。施 設 等 の利 活 用

(1)教 育機 関への支援

(授

業 な どの受 け入 れ

)

①   博物館実習 :(8/3〜

8/10)

岡山大学文学部 が実施 してい る学芸員資格取得 の ための授 業 (博物館実習

)の

受 け入れ を行 つた。期 間は 8月 3日か ら10日の 中の 6日 間である。全体 を

3グ

ルー プに分 け、それぞれ2日間 を受講 日程 と した。昨年 まで は、

受講期 間中 に発掘調査 を実施 してい た ことか ら、発掘調査 参加 も組 み入れた 日程 と していたが、本年度 は調査 が な く、本 セ ンター施設内で、埋蔵文化財が出土 してか ら展示 されるまでの一連 の作業工程 を組み込 んだ体験 を実 施す るこ とと した。

一 日目にセ ンター展示室 を利用 して、構 内遺跡の概要説明、

セ ンターの業務 内容説明 を行 った後 、出土遺物 の注記作業 を実 施 した。二 日目は木製 品の保存処理工程 の一部 を体験 す る とい うこ とで、処理済 みの木器引 き上 げ、 ラベ ル付 け、収納作業 の ほか、処理前 の木器の計測等 の作業 を実施 した。

 

中学 生 の 職 場 体 験 i竜操 中学 (11/16〜 18)、 高 松 中 学 (11/19)

岡山市内の公立 中学校

2校

よ り、職場体験 の生徒 各

3名

、計

6名

の受 け入れ を実施 した。昨年度 も受 け入れ を実施 した岡山 市立竜操 中学校 と岡山市 立高松 中学校 の

2校

である。期 間は竜 操 中学校が11月 16日〜18日の三 日間、高松 中学校が11月 19日 1

日であ つた。

職場体験 の内容 は、遺物 の注記 ・接合作業体験 、種子 の顕微 鏡写真撮 影 、蔵書整理 、清掃 の ほか、図版 ・写真 の カバ ーか け

41 

職場体験 (高松 中学校)

42 

職場体 験 (竜操 中学校 〉

(5)

第4章

 

調査資料の整理・研究および公開・活用

とい った報告書作成 に関わる諸作業である。

今 年 度 は発 掘 調査 の ない時期 の、惇物館実習・職場体験 の受 け入れ となった。そのためいず れの取 り組 みで も、発掘調査後の埋蔵文化財 の取 り扱 いが 中心 となる作業 となった。木製品の取 り扱 いでは、特 に本構内遣跡 に 特徴 的 な作業 を経験 す る とい う意味で貴重 な体験 ともなった といえる。

③   小学生総合学習

:津

島小 6年 生

小学校の総合的学習の時間を利用 して、身近な遺跡を調べるために津島小 6年 生が当センターを訪れた。常設 展示室の展示説明を中心に、職員が説明を行い、児童からの質問に答えた。

磁 )調 査 。研 究への支援

①   資料見学・提供

。短 甲 (鹿

1次

調査

):1件

・ 猿形木製品 (鹿田

7次

調査

):1件

・ 縄文早期土器 (福呂遺跡第

1次

調査

):1件

・ 中世土器 (鹿田遺跡1・ 2・ 5・

6次

調査

):1件

(胎土分析用)

。弥生時代 中期土器 (鹿田遺跡第

1次

調査

):1件

・ 石斧 (津島岡大遺跡

):1件

②   図書の外部貸 し出し

:18件 (岡

山大学文学部学生他

)

(3)資 料 の貸 し出 し

①   出版物の資料提供

・ 鹿田遺跡現地説明会資料 (2003年10月 18日実施)「月刊文化財発掘出土情報」2004年 7月号掲載

・ 津島岡大遺跡第3・ 21次調査石庖丁状石器写真

2点

「古代 を考 える

 

吉備」吉川弘文館

 

他機関の展示・ 公開支援

・ 岡山県立博物館

  F津

々浦々をめ ぐる考古学』鹿田遺跡出土資料

(7/12〜 11/25)及

び図録掲載写真提供

第 3節 2004年 度調査研究員の個別研究活動

1.科 学研究費採択状況

岩崎志保 :平 成16年度科学研究費 (若手研究

B)「

東周時代墓葬の比較考古学的研究」 :研 究代表者

光本

 

順 :平 成16年度科学研究費 (若手研究

B)「

弥生時代か ら古墳 時代 における刀剣副葬 に関す る集成 的研 究」 :研 究代表者

2.論 文 。資料報 告

山本悦世

:山

本悦世 。杉山一雄

(共

)「

岡山県域」『中津式の成立と展開』集成資料集   中四国縄文土器研究会

「集落か らみた山地域 と沿岸域」 日本考古学協会2004年度広島大会研究発表資料集

 

日本考古学協会 2004年度広島大会実行委員会

(6)

「備前 における9。 10世 紀の様相」第

4回

山陰 中世土器検討会資料集 『平安時代前期 の土器様相』 山 陰 中世土器検討会

「縄文時代後期の集落構造とその推移」

F紀

2003』

岡山大学埋蔵文化財調査研究センター 岩崎志保

: F津

島岡大遺跡

16』 (編

)

「条里の溝について」『津島岡大遺跡16J岡 山大学埋蔵文化財調査研究センター

「鹿田遺跡第

14次

調査出土木簡について」

F紀

2003』

岡山大学埋蔵文化財調査研究センター

「岡山・鹿田遺跡」

F木

簡研究』第

26号

野崎貴博

:「

津島岡大遺跡第

17・ 22次

調査出土縄文土器の型式学的検討 JF津 島岡大遺跡

16』

岡山大学埋蔵文化 財調査研究センター

光本   順

:『

日本古代の身体表現に関する考古学的研究』

(岡

山大学大学院文化科学研究科提出博士学位論文

)

『近現代考古学の射程』六一書房

(共

著、執筆箇所「身体の近代 と考古学」

)

F津

島岡大遺跡

15』 (編

)

「古墳時代後期から中世における遺構群の変遷」『津島岡大遺跡

15』

岡山大学埋蔵文化財調査研究セ

ンター

「 クイア考古学 の展 開」『ジェ ンダーの多様性・普遍性 ・可変性 の分析 お よび独 自の ジェ ンダー教 育 プ ロ グラムの立案 を含 む学 際的研 究』「ジェ ンダーの多様性 ・普遍性 ・可変性 の分析 お よび独 自の ジェ ンダー教育 プログラムの立案 を含 む学際的研 究」 グループ

高 田貫太:「垂飾付耳飾か らみた朝鮮半 島の対倭交渉

JF古

墳 出土 金工 製 品の 日韓比較研 究』側大阪府文化財 セ ンター

3.研 究 発表 等

山本悦世 :津島や よい講座 F弥生時代 の くらしを考 える』(岡山県教育委員会主催)コーデ イネー ター(10月 2日)

岡山大学文学部公 開講座 講師聯鼠文から弥生ヘー津 島岡大遺跡に刻 まれた縄文人の選択 ―」(10月23日)

「集落か らみた山地域 と沿岸域」 日本考古学協 会2004年 広 島大会 (11月 6・ 7日)

「備前 にお ける9・ 10世 紀 の様相」 山陰中世土器検討会 (1月22・ 23日)

光本  ‖1買 :Ne、 v direction in the archaeology of human bOdy in」 apan and its application to the social body in the Koftln Period,The Society for East Asian Archacology,Chungnam National University,KOREA (6 月17日)

高 田貫太 :「朝鮮半 島大加耶 地域 の対倭交渉経路

J考

古学研究会 岡山例会発表 (7月)

「垂飾付耳飾からみた朝鮮半島の対倭交渉」近つ飛鳥博物館シンポジウム

(3月 6日)

4.資 料収集 ,実 態調査

山本悦世 :中 世土器 。猿形木製品に関す る資料調査 (大分県教育庁文化課)

岩 崎志保 :東周 〜漢代青銅器 ・墓葬 に関す る資料調査 (出光美術館 ,国 立 国際美術館 ほか)

野崎貴博:天狗 山古墳 出土桂 甲の調査 (東京 国立博物館)

光本

 

順 :刀 剣 、絵 画資料、人物埴輪 に関す る資料調査 (滋賀県 、福 岡県 、群馬県)

弥生遺跡 の実態調査 (長崎県)

高 田貫太:古墳 時代 金工 品の資料調査 (奈良県 、大阪府、岐阜県)

(7)

第5章  2004年度における調査

 

研究のまとめ

第 5章 2004年 度 にお ける調査 ・研究 の まとめ

調 査

 2004年

度 に実施 した発掘 調査 は鹿 田遺跡 第16次 調査

1件

で あ る。鹿 田キ ャンパスの北東部 の立体駐 車場 新営 に伴 う調査 であ り、エ レベー ター ピッ ト部分 の ご く小規模 な範 囲であったが、 これに伴 う試掘調査 ・立会調 査 の成果 も併せ 、鹿 田地区の北部の土地利用状況等 に関 して貴重 な知見 を得 ることがで きた。津 島地区 において は、昨年度 の ような比較的規模 の大 きい立会調査 はなか った ものの、保健管理セ ンター東側 での立会調査 (調査

6)に

示 され る ように、小 規模 な ものであ って も既調査部分 の状況 との比較検討 によ り、有意義 な成果 を得 るこ とがで き、 また これ までの成果 を補足す るデー タの蓄積 もで きた。 また今年度 は三朝地区 において も試掘調査 を 実施 した。 同地 区での調査 の実施 は1997年 来である。今 回の調査 地点ではいずれ も遺構 ・遺物包含層 は確認 され なか ったが、同地 区における土層堆積状況の確認及 び旧地形 の復元 に際 して新 たな知見 を得 た。

研 究

 

今年度 は『津 島岡大遺跡15』 と『津 島岡大遺跡16』 の二冊 の発掘調査報告書 を刊行 した。前 者 は事 務 局 本部棟 の新営 に伴 う発掘調査 (第26次 調査 地点)、 後者 は環境 理工 学 部棟 の新営工事 に伴 う発掘調査 (第17・ 22 次調査 地点

)の

成果である。 まず、『津 島岡大遺跡15』 で は縄文時代 中期 か ら近代 に至 る各時期 の遺構 ・遺物が 報告 され、 中で も縄文 時代 中期 の遺構 ・遣物 は津 島岡大遺跡 の中で も最初期 の資料 として注 目される。隣接す る 第27次 調査 地点 の成果 とも併せ、当該 時期 の土地利 用 の実態 をつか む成果 を得 ることがで きた。 また考察 では、

古代 〜中世 にお け る柵列遺構・溝状遺構 の解 明 に向 けた検討が な された。『津 島岡大遺跡16』 で は、縄文時代 に お ける津 島岡大遺跡 の中心 的な活動域 の状況、弥生時代以降の水 田畦畔・用水路等 の耕作域 の状況、 さらに古代 以 降近代 までの条里 に関わる溝 の状況等 を報告 した。特 に縄文時代後期 の遺構 ・遺物 の内容 は質・量 ともに既調 査 地点 の うちで際 だつて密度の高い ものであ り、竪穴住居 ・土坑 ・溝か ら構成 され る集落のあ り方や周辺 の土地 利用状態 につ いての貴重 な成果 を得 るこ とがで きた。考察で は、遺物 の分析 と して縄文時代後期土器 の型式学的 検討 、石器 の出土状 況 と打 製石器 の機能 に関す る考察、遺構 の点か らは、津 島地区の北側 を東西 に走 る条里 の溝

についての分析 ・検討が なされた。

その ほか にこれ まで に構 内遺跡 に関 して実施 して きた自然科学分析 について、 これ までの成果 をまとめて本紀 要 に掲載 した。具体 的 には年代 測定 ・花粉 分析 ・植物珪酸体分析 。樹種 同定・種子 同定 の結果である。その中で も、津 島岡大遺跡 の放射性炭素年代測定 の成果 をと りあげ、掲載 してい る。 同 じく本紀要では鹿 田遺跡の研 究 と して、第

5次

調 査 井戸

6の

井戸枠材 につ いての分析 をと りあげた。当該井戸 は既 に正式報告 済 みの もので あ る が、2005年 度の展示会の際 に保存処理 を施 した部材 を確認 した ところ、い くつかの点で新 たな知見が得 られた。

この ように報告書作成 中だけでな く、保存処理 ・展示公 開等 の取 り組みの中で得 られた新 たな情報や知見 につい て様 々な視点か ら検討 してい くよう、努力 してい きたい。

展 示 。公 開

 

8回

岡山大学 キ ャ ンパ ス発掘成果展 の開催 の ほか、博物館 実習・職場体験 の受 け入 れ とい った 教育現場 との連携 を継続 して行 った。展示会では着実 に リピー ターが増加 している。特 に体験型展示や実際の遺 物 に触 れ られ る展示方法が、好評 で あ る こ とは毎 回実感 として受 け とめ られるが、一方で開催場所 のわか りに く

さ等、広穀活動 や、 よ りわか りやす い展示方法 の模索等 、改善すべ き点 も多 く、今後 も改善 を加 えなが ら、様 々 な形での展示・公 開活動 に取 り組 んでい きたい。

2004年 度 は国立大学法人化 して最初の年 にあた り、本 セ ンター も法人理事がセ ンター長 を兼務 し、副セ ンター 長職 を設 けて新 たな体制での運営がス ター トした。上記 の活動 のほか、特 に安全衛生の観点か らの施設 ・設備 の 点検 ・整備 に も力 を入れ た。設備面 の充実 に努力す る とともに、専任職員の意識 の向上、調査 。研究面での内的

な質の向上 に も尽力 してい きたい。 (岩∞)

参照

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