計算科学基礎 2019 年 1 月 7 日作成 名古屋工業大学先進セラミックス研究センター 井田隆 2019 年 1 月 21 日更新
(補足 10.1.1.A)二乗和の公式
以下の関係
(11.1.1.A.1)
から, (→両辺について から までの和をとって)
(→ の関係から)
(→ だから)
(→ について解いて)
(11.1.1.A.2)
という関係(二乗和の公式)が導かれます。
(補足 11.1.1.B)3乗和の公式
以下の関係
(11.1.1.B.1) から,
(11.1.1.B.2) という関係が導かれます。
(補足 11.1.1.C)4乗和の公式
以下の関係
(11.1.1.C.1) j3−(j−1)3= 3j2−3j+ 1
j = 1 n
n
∑j=1[ j3−(j−1)3]= 3∑n
j=1
j2−3∑n
j=1
j +n ∑n
j=1
(j−1)3=n−1∑
j=0
j3
⇒ ∑n
j=1
j3−n−1∑
j=0
j3= 3∑n
j=1
j2−3∑n
j=1
j+n ∑n
j=1
j = n(n+ 1) 2
⇒ n3= 3∑n
j=1 j2−3n(n+ 1)
2 +n ∑n
j=1 j2
⇒ ∑n
j=1 j2= 2n3+ 3n(n+ 1)−2n
6 = n(2n2+ 3n+ 1)
6 = n(n+ 1)(2n+ 1) 6
j4−(j−1)4= 4j3−6j2+ 4j−1
n
∑j=1[ j4−(j−1)4]= 4∑n
j=1
j3−6∑n
j=1
j2+ 4∑n
j=1
j−n
⇒ ∑n
j=1 j4−∑n−1
j=0 j4= 4∑n
j=1 j3−6∑n
j=1 j2+ 4∑n
j=1 j−n
⇒ n4= 4∑n
j=1
j3−n(n+ 1)(2n+ 1) + 2n(n+ 1)−n
⇒ ∑n
j=1
j3= n[n3+ (n+ 1)(2n+ 1)−2(n+ 1) + 1]
4 = n(n3+ 2n2+ 3n+ 1−2n−2 + 1) 4
= n(n3+ 2n2+n)
4 = n2(n+ 1)2 4
j5−(j−1)5= 5j4−10j3+ 10j2−5j + 1
から,
(11.1.1.C.2)
という関係が導かれます。
(補足 11.1.1.D)ディラックのデルタ関数 Dirac’s delta function
ディラックのデルタ関数 Dirac’s delta function は,普通の意味での関数ではなく,一般化された関数
generalized function あるいは超関数と呼ばれるもののうちの一つです。インパルス関数と呼ばれる場合もあ
ジ ェ ネ ラ ラ イ ズ ド
ります。任意の連続関数 に対して,
(11.1.1.D.1)
という関係を満たす として定義することができます。デルタ関数は以下のような性質を持ちます。
(11.1.1.D.2)
(11.1.1.D.3)
(11.1.1.D.4)
(補足 11.1.2.A)二項分布の平均の導出 二項分布の平均 は
( の項はゼロなので →)
( と から →)
( とすると →)
( から →)
n
∑j=1[ j5−(j−1)5 ]= 5∑n
j=1 j4−10∑n
j=1 j3+ 10∑n
j=1 j2−5∑n
j=1 j +n
⇒ n5= 5∑n
j=1 j4−5n2(n+ 1)2
2 + 5n(n+ 1)(2n+ 1)
3 −5n(n+ 1)
2 +n
⇒ ∑n
j=1
j4= n[6n4+ 15n(n+ 1)2−10(n+ 1)(2n+ 1) + 15(n+ 1)−6]
30
= n(6n4+ 15n3+ 30n2+ 15n−20n2−30n−10 + 15n+ 15−6) 30
= n(6n4+ 15n3+ 10n2−1)
30 = n(n+ 1)(2n+ 1)(3n2+ 3n−1) 30
δ(x)
f(x)
∫
∞
−∞ f(x)δ(x) dx =f(0) δ(x)
δ(x) ={
∞ [x = 0] 0 [x ≠0]
∫
∞
−∞δ(x) dx = 1
∫
b
a f(x)δ(x) dx=
f(0) [a≤0≤b]
−f(0) [b ≤0≤a] 0 [otherwise]
⟨k⟩
⟨k⟩=∑n
k=0
k P(k;n) =∑n
k=0
k n!
(n−k)!k!(1−p)n−kpk k = 0
=∑n
k=1
k n!
(n−k)!k!(1−p)n−kpk n! =n(n−1)! k! =k(k−1)!
=np∑n
k=1
(n−1)!
(n−k)!(k −1)!(1−p)n−kpk−1 k′=k−1⇔k =k′+ 1
=npn−1∑
k′=0
(n−1)!
(n−1−k′)!k′!(1−p)n−1−k′pk′ P(k;n) = n!
(n−k)!k!(1−p)n−kpk
( for だから →)
(11.1.2.A.1) のように導出することができます。
(補足 11.1.2.B)二項分布の分散の導出
二項分布の二乗平均 は
( の項はゼロ。 から→)
(展開すれば1番目の和の の項がゼロなので→)
(式 (11.1.2.A.1) を使って→)
( として→)
( for だから →)
(11.1.2.B.1) となるので,分散 は,
(11.1.2.B.2) となります。
(補足 11.1.2.C)二項分布の3次キュムラントと歪度の導出
二項分布の三乗平均は
( から→)
=npn−1∑
k′=0
P(k′;n−1) ∑n
k=0
P(k;n) = 1 ∀n,∀k
=np
⟨k2⟩
⟨k2⟩=∑n
k=0
k2P(k;n)
=∑n
k=0
k2n!
(n−k)!k!(1−p)n−kpk k = 0 k2=k(k −1) +k
=∑n
k=1
[k(k −1) +k]n!
(n−k)!k! (1−p)n−kpk k = 1
=∑n
k=2
k(k −1)n!
(n−k)!k!(1−p)n−kpk+∑n
k=1
k n!
(n−k)!k!(1−p)n−kpk
=n(n−1)p2∑n
k=2
(n−2)!
(n−k)!(k −2)!(1−p)n−kpk−2+np k −2 =k′ ⇔k =k′+ 2
=n(n−1)p2n−2∑
k′=0P(k′;n−2) +np ∑n
k=0P(k;n) = 1 ∀n,∀k
=n(n−1)p2+np=np[(n−1)p + 1]
σ2
σ2=⟨k2⟩ − ⟨k⟩2=np[(n−1)p+ 1]−(np)2=np[(n−1)p+ 1]−(np)2
=−np2+np=np(1−p)
⟨k3⟩=∑n
k=0
k3P(k;n)
=∑n
k=0
k3n!
(n−k)!k!(1−p)n−kpk k3=k(k −1)(k−2) + 3k(k −1) +k
=∑n
k=1
[k(k −1)(k−2) + 3k(k −1) +k]n!
(n−k)!k! (1−p)n−kpk
=∑n
k=2
k(k −1)(k−2)n!
(n−k)!k! (1−p)n−kpk+ 3∑n
k=2
k(k−1)n!
(n−k)!k!(1−p)n−kpk +∑n
k=1
k n!
(n−k)!k!(1−p)n−kpk
(11.1.2.C.1) となるので,3次キュムラント は,
(11.1.2.C.2) となり,歪度 は,
(11.1.2.C.3)
となります。
(補足 11.1.2.D)二項分布の4次キュムラントと尖度の導出 二項分布の4乗平均 は
( から→)
であり,4次キュムラント は
=n(n−1)(n−2)p3∑n
k=3
(n−3)!
(n−k)!(k−3)!(1−p)n−kpk−3+ 3n(n−1)p2+np
=n(n−1)(n−2)p3+ 3n(n−1)p2+np κ3
κ3=⟨k3⟩ −3⟨k2⟩⟨k⟩+ 2⟨k⟩3
=n(n−1)(n−2)p3+ 3n(n−1)p2+np−3{np[(n−1)p + 1]}np+ 2n3p3
=n(n−1)(n−2)p3+ 3n(n−1)p2+np−3{np[(n−1)p + 1]}np+ 2n3p3
=np((n−1)(n−2)p2+ 3(n−1)p + 1−3{np[(n−1)p + 1]} + 2n2p2)
=np[(n2−3n+ 2)p2+ 3(n−1)p+ 1−3n(n−1)p2−3np+2n2p2]
=np[(n2−3n+ 2)p2+ (3n−3)p+ 1−(3n2−3n)p2−3np+2n2p2]
=np[(−3n+ 2)p2+ (3n−3)p + 1−(−3n)p2−3np]
=np[2p2+ (3n−3)p+ 1−3np]
=np(2p2−3p + 1)
=np(1−p)(1−2p) γ1
γ1= κ3
κ23/2 = np(1−p)(1−2p)
[n(1−p)p]3/2 = 1−2p np(1−p)
⟨k4⟩
⟨k4⟩=∑n
k=0
k4P(k;n)
=∑n
k=0
k4n!(1−p)n−kpk
(n−k)!k! k4=k(k −1)(k−2)(k−3) + 6k(k−1)(k −2) + 7k(k−1) +k
=∑n
k=1
[k(k −1)(k−2)(k−3) + 6k(k−1)(k −2) + 7k(k−1) +k]n!
(n−k)!k! (1−p)n−kpk
=∑n
k=1
[k(k −1)(k−2)(k−3) + 6k(k−1)(k −2) + 7k(k−1) +k]n!
(n−k)!k! (1−p)n−kpk
=n(n−1)(n−2)(n−3)p4+ 6n(n−1)(n−2)p3+ 7n(n−1)p2+np κ4
κ4=⟨k4⟩ −4⟨k3⟩⟨k⟩ −3⟨k2⟩2+ 12⟨k2⟩⟨k⟩2−6⟨k⟩4
=n(n−1)(n−2)(n−3)p4+ 6n(n−1)(n−2)p3+ 7n(n−1)p2+np
−4[n(n−1)(n−2)p3+ 3n(n−1)p2+np]np−3{np[(n−1)p+ 1]}2 +12np[(n−1)p+ 1](np)2−6(np)4
となり,尖度 は,
となります。
(補足 11.1.3.A)数え落とし
最も基本的なパルス計数回路では,適当な閾値(しきいち)いき ち thresshold ス レ ッ シ ョ ル ドを設定し,信号パルスの電圧が閾値 以下から閾値以上に変化した時に1カウントするという動作をします。閾値以上から閾値以下に変化する時 にはカウント数は変化させません。これでパルス数を記録できることになりますが,1つのパルスによって 信号レベルが閾値を超えてから閾値を下回るまでの間に2つ目のパルスを受けた時に,これを検出すること はできません。これをパイル・アップ(積み上げ)pile-up 効果と呼びます。
パルス検出システムの反応時間 response time は,検出器が発生する電気パルスの幅そのものというより,検 出システム中の電気回路の特性の影響を強く受けます。
(補足 11.1.3.B)二項分布とポアソン分布の関係
試行回数 ,平均値 の二項分布を として,
(11.1.3.B.1)
となりますが, であれば
(11.1.3.B.2)
(11.1.3.B.3)
であることと,
(11.1.3.B.4)
という関係から,
(11.1.3.B.5) という関係が導かれます。
=np[(n−1)(n−2)(n−3)p3+ 6(n−1)(n−2)p2+ 7(n−1)p + 1
−4n(n−1)(n−2)p3−12n(n−1)p2−4np
−3n(n−1)2p3−6n(n−1)p2−3np +12n2(n−1)p3+ 12n2p2−6n3p3]
=np(−6p3+ 12p2−7p+ 1)
=np(1−p)(1−6p+ 6p2) γ2
γ2= κ4
σ4 = np(1−p)(1−6p+ 6p2)
[np(1−p)]2 = 1−6p + 6p2
np(1−p) = 1−6p(1−p) np(1−p)
n λ Pbinomial(k;n,λ/n)
n→∞lim Pbinomial(k;n,λ/n)= lim
n→∞
n!
(n−k)!k! (1− λ n)
n−k
(λ n)
k
= lim
n→∞
n(n−1)⋯(n−k + 1)
nkk! (1− λ n)
n
(1− λ n)
−kλk
k ≪n
n→∞lim
n(n−1)⋯(n−k+ 1)
nk = 1
n→∞lim (1−λ n)
−k= 1
n→∞lim (1−λ n)
−n= e−λ
n→∞lim Pbinomial(k;n,λ/n)= λke−λ k!
平均 として,試行回数 の場合の二項分布 (binomial) とポアソン分布 (Poisson) の確率の
値を Fig. 11.3.B.1 で比較します。この場合には,試行回数 の二項分布でも,ポアソン分布にかなり
近い値になっていることがわかります。
Fig. 11.3.B.1 二項分布とポアソン分布の比較
(補足 11.1.3.C)ポアソン分布のキュムラント ポアソン分布
(11.1.3.C.1)
の確率密度関数 は,ディラックのデルタ関数 を使えば
(11.1.3.C.2)
と書けることから,キュムラント母関数 は
(11.1.3.C.3)
となり,
(11.1.3.C.4)
から,1次以上のキュムラント ( )は
(11.1.3.C.5)
となる。
λ = 1 n = 5, 10, 20
n = 20
0.5 0.4 0.3 0.2 0.1 0.0
Probability
6 5
4 3
2 1
0 -1
k
λ = 1,
n = 5, binomial n = 10, binomial n = 20, binomial Poisson
P(k;λ)= λke−λ k!
f(x;λ) δ(x)
f (x;λ) =∑∞
k=0
λke−λ
k! δ(x −k)
K(θ) K(θ) = ln∫
∞
−∞eθxf(x) dx= ln∫
∞
−∞eθx∑∞
k=0
λke−λ
k! δ(x −k) dx= ln∑∞
k=0
λke−λ k! ∫
∞
−∞eθxδ(x −k) dx
= ln∑∞
k=0
eθkλke−λ
k! = ln[e−λ∑∞
k=0
1
k! (λeθ)k]=−λ+ ln exp(λeθ)=λ(eθ−1)
∂K(θ)
∂θ = ∂2K(θ)
∂θ2 =⋯=λeθ κk 1≤k κk = ∂kK(θ)
∂θk
θ=0
=λ