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野焼きの伝承と火葬炉の普及

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Academic year: 2021

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国立歴史民俗博物館研究報告 第207集 20182

281

野焼きの伝承と火葬炉の普及

Preservation of Traditional Open-air Cremation Practices and Spread of Modern Crematories : Co-existence of Two Different Practices

はじめに

❶先行研究

❷近代以降における火葬習俗の普及

❸村落に伝わる火葬習俗 論点

 高度経済成長期(1955-73)を経る中で,各地では公営火葬場の利用が行なわれるようになり,土葬から公 営火葬場での火葬に移行するなど,葬法に大きな変化が生じた。一方で,火葬には公営火葬場の普及以前の 古い火葬も伝承されていた。古い火葬は野焼きの火葬であり,新しい火葬は公営火葬場での火葬炉による火 葬である。本稿では,この野焼きの火葬に注目し,古くから火葬していた地域と土葬から火葬に変化した地 域での調査から,火葬習俗の実態,火葬場の普及,それに伴う地域の対応,火葬担当者の変化,について追 跡した。各地で伝承されていた野焼きの火葬には,①藁や莚を使う蒸し焼き火葬,②薪を主に使うコロガシ ヤキ火葬,の 2 つがあった。このうち①蒸し焼き火葬は,全国的に広く見られた技術であり,古くからの火 葬地域だけでなく伝染病などの時に臨時的に火葬を行なう地域でも行なわれていた。古くからの野焼きでは 穴や囲いなどで火葬が行なわれていたが,明治政府による 1875 年の火葬についての指針と 1884 年の墓地及 埋葬取締規則の通達などによって火葬場への煙突と壁の設置が義務付けられ,都市部では民営と公営の火葬 場を中心に火葬炉型の火葬施設が広く普及していった。一方で,戦後の高度経済成長期には古くから火葬で あった地区でも火葬施設を改修する動きがみられた。火葬施設の改修には,A 従来の非火葬炉をレンガやコ ンクリートで改修する地域,B 新しい火葬炉を設置する地域,があった。A では古くからの火葬が維持され ており,B では都市部の新しい火葬炉での薪などによる火葬へ変化した。高度経済成長に伴う公営火葬場の 普及によって重油やガスを用いた新しい火葬炉での火葬に移行したが,それ以前には薪や藁による野焼きで の火葬が行なわれていた。そうした火葬習俗の変遷をたどることによって指摘できるのは,火葬の目的と意 味について,①遺体の迅速な処理,②遺骨の採取,の 2 つが考えられるが,火葬の本来の目的は,必ずしも

②ではなく,①であった可能性が大であるということである。

【キーワード】野焼き,火葬炉,公営火葬場,民営火葬場,蒸し焼き

[論文要旨]

川嶋麗華

KAWASHIMA Reika

併行した 2 つの技術

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