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第9回 北海道小児循環器研究会時所長

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日本小児循環器学会雑誌 3巻3号 367〜368頁(1988年)

第9回 北海道小児循環器研究会 時所長 日場会

昭和62年11月28日(土)

札幌市山之内製薬 山内 豊茂

 1.超音波心断層法にて冠動脈瘤内の血栓形成過程 を観察しえた川崎病の1例

    札幌医科大学小児科,*苫小牧市立病院小児科       富田  英,沢田 陽子,東館 義仁       我妻 嘉孝*

 症例は発症時4ヵ月の男児で,定形的6症状を有す る川崎病に罹患しアスピリン,フロベソ等にて治療を

うけた.有熱期間は20日間で,超音波心断層法(2DE)

にて,RCA, LAD, LCX, LMTに最大径それぞれ11

mm,8mm,7mm,6mmの冠動脈瘤(AN)を残した.

発症6ヵ月後の2DEにて, RCA内に巨大左房やDCM 末期の左室に認められるごときモヤモヤエコーが出現 した.同時期のECGではII, III,。VFに異常Q波が出 現した.発症8ヵ月後の2DEでは, RCAはエコー輝度 の高いabnormal massで占められていた.選択的冠動 脈造影では,RCAはseg.1で閉塞し,側副血行路を認 めた.巨大冠動脈瘤内のモヤモヤエコーは,末梢の閉 塞による血流のうっ滞または新鮮血栓そのものを示す

と考えられ注意が必要と思われた.

肺高血圧を呈し肺血管抵抗も高値であった.高度の肺 高血圧が本症特有のものか,単にVSDが大きいこと によるのかは不明である.

 3.TOF根治術後のP,,・T,についての臨床的検討     北海道大学附属病院小児科

      高橋 伸浩,小西 貴幸,清水  隆       太田八千雄,長谷 直樹

 近年,Doppler Echo等の医療機器の発達により,

CHDの術前・術後のnone−invasiveな評価が容易に行 え,早期診断も可能となってきている.

 TOFは,近年ICRも比較的安全に行える様になり,

成績も向上してきているが,術後,何らかの障害を残 すことが少なくない.

 今回,我々は,9名のTOF患者のICR後の成績に

ついて,術式・術後経過年数と投薬・physical findings・

chest X−P所見・ECG所見・Doppler Echo所見・心 カテ所見,の観点から,小児内科的立場より若干の臨 床的検討を加えたので報告する.

2.Eisenmenger型VSDの臨床像 19ムリ0

旭川医大小児科

旭川厚生病院小児科 旭川市立病院胸部外科

 伊藤 真也1,土田  晃1,岡  隆治1  森  善樹2,青木 秀俊3,久保田 宏3  村上 忠司3

 Eisenmenger型VSD(E−VSD)は大動脈が心室中隔

へ騎乗し,かつ右室流出路の狭窄を伴わないmal alignment VSDである.3例のE−VSDを経験した

が,いずれも1ヵ月までに発見され,胸部X線写真上,

心拡大,肺血流量増加所見を認めた.心電図は右室肥 大あるいは両室肥大を示し,2DEで左室長軸断面を設 定すると心室中隔へ騎乗する大動脈を認めた.右室流 出路,肺動脈は太くまた1例には左室流出路へ突出し た中隔のridgeを認めた.心カテでは全例ほぼ等圧の

 4.1型大血管転位症(TGA)に対する左室トレーニ ングの効果判定における2°1T1心筋イメージングの有 用性

    札幌医科大学小児科

      東舘 義仁,沢田 陽子,富田  英     同 放射線科  久保田昌宏,津田 隆俊     同 第2外科        安喰  弘

 2例の1型TGAに対し5ヵ月時に肺動脈絞拒術

(PAB)兼Blalock・Taussig術(BT)による左室トレー ニングを施行し,その前後での心筋イメージングにお ける左室右室摂取カウソト比(CLV/CRV)と左室右室収 縮期圧,左室壁厚等の指標との比較を行った.PAB+

BTにより左室右室収縮期圧比,左室壁厚はJatane術 に耐えられる状態にまで改善したが,それにともない CLv/CRvも増加した. CLv/CRvは左室トレーニングの効

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果判定における指標として信頼できるものであり,繰 返し行えるので左室トレーニング後のフォP一アップ に有用であると思われる.

 5.術前左肺動脈欠損と考えられた2症例に対する 短絡手術

    札幌医科大学第2外科

      川村 英喜,井上 聡巳,仲倉 裕之       浅井 康文,安喰  弘,小松 作蔵  今回,我々は術前の検査において,左肺動脈欠損と 考えられた症例に対し,短絡手術を施行し良好な結果 を得たので報告する.

 症例1は,6歳男児でファP一四徴症兼左肺動脈欠 損と診断された.症例2は,5歳女児で総動脈管症,

左肺動脈欠損で共に手術にて開胸した際に肺動脈が確 認でき,短絡手術が可能となった.

 肺動脈の発育の程度を見る方法に肺静脈造影が有効 であるが,肺動脈欠損症において30〜60%にMajor aorto−pulmonary collateral arteryを伴うことがあ り,造影上みられる血管を区別し難いことが多い.従っ て最終的には圧測定を含めた術中の判断にゆだねられ

る.

 6.体外循環使用による複雑心奇形に対する姑息手 術

    北海道大学医学部第2外科

      中島 公博,湊屋 洋一,松浦 弘司       大場 淳一,郷  一知,松居 善郎       合田 俊宏,酒井 圭輔,田辺 達三  年少児に対する体外循環の使用は現在安全に行われ

るようになっている.最近,われわれは一期的心内修 復術が困難な複雑心奇形3例に対して体外循環下に姑 息的手術を施行し,術後の血液所見・臨床症状が改善 し良好な経過をとった症例を経験したので報告する.

左肺動脈低形成のファロー四徴症2例に対しては肺動 脈弁切開術を施行し,術後早期から血液所見・臨床症 状の改善が認められた.また,生後1ヵ月の単心室の

1例に対しては,心房レベルでのMixing改善のため

日小循誌 3(3),1988 Atrial septectomyを行ったが術前の心不全,呼吸不 全は著明に改善した.

 7.大動脈弓離断症(Celoria Patton B型)の1手 術経験例

    釧路市立病院心臓外科

      菅原  啓高平  真     釧路日赤病院小児科

      中江  淳,永島 哲郎     北海道大学医学部第2外科

      酒井 圭輔,田辺 達三  症例は生後30日体重1980grの女児である.在胎41週 1780grで出生,その後ルームエアーでcyanosis出現,

心肥大著明,呼吸困難の為入院,逆行性澆骨動脈造影 にて大動脈弓離断症の診断がついた.手術は上行下行 大動脈を人工血管にて吻合,併せて肺動脈絞拒術を 行った.術後感染を繰返し人工呼吸器からのweaning に難渋し,また染色体検査の結果4P・症候群の診断がつ いた為ICU転室となった.現在根治手術時期を検討中

である.

 8.TGA型単心室に対するFontan型手術一上大

静脈右肺動脈吻合および上大静脈中枢側主肺動脈直接 吻合一

    札幌医科大学第2外科

      井上 聡巳,川村 英喜,仲倉 裕之       浅井 康文,安喰  弘,小松 作蔵  今回我々は,d−TGA, PS, ASDを伴う単心室症例

に対しFontan型手術を行い良好な結果を得た.手術 は三尖弁とASDをパッチ閉鎖し, SVCを離断し,そ の末梢端を右肺動脈に端側吻合した.またMPAを離 断し,末梢端をSVCの中枢端に端端吻合し, MPAの 中枢端を縫合閉鎖した.術後経過は良好で胸水の浸出 が遷延したが肝肥大は2横指程度であった.この術式 では右房の容量負荷を軽減することができた.また RAとPA間の距離がある症例にも適用できる点で有 用な方法と考えられた.

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